JP2003504031A - ゲノムdna断片またはestによってコードされる(ポリ)ペプチドに対する特異的結合パートナーの作成 - Google Patents

ゲノムdna断片またはestによってコードされる(ポリ)ペプチドに対する特異的結合パートナーの作成

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ゲノムDNA断片またはESTによってコードされる(ポリ)ペプチドと結合する特異的結合パートナーの作成に関する。この(ポリ)ペプチドは、宿主細胞内での発現時に封入体を形成する融合タンパク質の部分として発現される。この封入体を用いて、該(ポリ)ペプチドと特異的に結合する結合パートナーを作成する。特異的結合パートナー、特に免疫グロブリンまたはその断片は、対応するゲノムDNA断片またはESTを含む核酸配列によってコードされるタンパク質の分析および機能的特徴付けに有用である。本発明はさらに、本発明の方法において用いられる核酸分子、ベクターおよび宿主細胞に関する。本発明はさらに、融合された(ポリ)ペプチド/タンパク質発現用の融合パートナーとして繊維状ファージの遺伝子IIIタンパク質の第一N末端ドメインを含む融合タンパク質の使用および(ポリ)ペプチド/タンパク質の発現方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、ゲノムDNA断片またはESTによってコードされる(ポリ)ペプ
チドに対する特異的結合パートナーの作成に関する。この(ポリ)ペプチドは、
宿主細胞内での発現時に封入体を形成している融合タンパク質の部分として発現
される。この封入体を用いて、該(ポリ)ペプチドと特異的に結合する結合パー
トナーを作成する。この特異的結合パートナー、特に免疫グロブリンまたはその
断片は、対応するゲノムDNA断片またはESTを含む核酸配列によってコード
されるタンパク質の分析および機能的特徴付けに有用である。本発明はさらに、
本発明の方法において用いられる核酸分子、ベクターおよび宿主細胞に関する。
【0002】 本発明はさらに、融合パートナーとして繊維状ファージ(filamentous phage
)の遺伝子IIIタンパク質の第一N末端ドメインを含む融合タンパク質を、該
融合パートナーと融合された(ポリ)ペプチド/タンパク質を発現するために使
用すること、および(ポリ)ペプチド/タンパク質の発現方法に関する。
【0003】 数年前から、ヒトゲノムの配列決定およびそこにコードされるタンパク質の構
造および機能の同定および特徴付けに対し、多大な努力が行われてきた。これに
より最終的には、疾患の予防、診断および治療に関する新たな標的が提供される
であろう(Collins & Galas, 1993; Adams et al., 1995)。
【0004】 現在、ヒトゲノム上に分布する遺伝子の同定および特徴付けに関し、2つの異
なるアプローチが行われている。1つのアプローチでは、大きなゲノムDNA断
片を単離し、クローニングし、配列決定する。生命情報科学ソフトウェアを用い
てこれらのゲノム配列中の潜在的オープンリーディングフレームを同定する。し
かし、このアプローチでは、ゲノム中に散在するタンパク質をコードしている配
列を発見するためにタンパク質をコードしていない広い範囲のヒトDNAの配列
を決定することが必要になる。過度の配列決定が必要であるのに加えて、生命情
報科学ソフトウェアが得られたゲノム配列を誤って特徴付けすることもある。そ
れゆえ、このソフトウェアは非コード化DNAを誤ってコード化DNAと特徴付
けする間違った陽性を示し、あるいはコード化DNAを非コード化DNAと誤認
する間違った陰性を示すこともある。
【0005】 別のアプローチでは、ヒトタンパク質をコードする単離されたメッセンジャー
RNA(mRNA)から相補的DNA(cDNA)を合成する。このアプローチ
を用いて、ゲノムのタンパク質をコードする配列由来のDNAに対してのみの配
列決定を行う。しばしば、発現化配列タグ(expressed sequence tags)(ES
T)と称される配列を得るために、cDNAの短い範囲のみを配列決定する(W
O93/00353)。
【0006】 原理的には、次いでESTを用いて、このEST配列に隣接する配列を含む、
より延長されたcDNAを単離または精製することができる。これらの延長され
たcDNAは、ESTの起源となる遺伝子の部分的あるいは完全コード化配列を
含み得る。
【0007】 相同性、構造的モチーフなどが同定できる特定の場合には、ゲノムDNAまた
はその断片、EST、延長されたcDNA、および/またはそれによってコード
される(ポリ)ペプチド/タンパク質を分析することによって、インビトロまた
はインビボで試験し、あるいは証明できる機能を(ポリ)ペプチド/タンパク質
に対して割り当てることができる。しかし、種々のEST配列決定に対する努力
は莫大な数のESTに向けられ、その情報をどのように構造化するのが最善であ
るか、および興味深い配列をどのように同定するかという問題に至った。これゆ
え、依然として、興味のある(ポリ)ペプチド/タンパク質に対して、細胞およ
び組織タイプに対するその局在性、特定の疾患または発生段階におけるその上行
調節または下行調節、または特定の相互作用またはシグナル伝達経路を活性化ま
たは遮断するその役割を分析する研究手段を開発し、使用する必要がある。
【0008】 1つのアプローチは、そのような研究手段として抗体またはその断片を用いる
ことである。WO93/00353では、ESTを発現し、対応する(ポリ)ペ
プチドで動物を免疫して抗体を作成することが示されている。同様のアプローチ
では、EST配列を含むDNA構築物を動物に注射し、インビボで発現された(
ポリ)ペプチドに対する免疫応答を生じさせる(Sykes & Johnston, 1999)。しか
し、これらのアプローチは抗体作成の高速処理には不向きである。
【0009】 別法として、EST配列中にて重複するペプチド群のセットに対する抗体を作
成する(Persic et al., 1999)。このアプローチは、組換え抗体ライブラリーの
スクリーニングと組み合わせて、抗体断片を高速処理する研究手段として発展さ
せることが原理的には可能である。しかし、十分に高い親和性を有する抗ペプチ
ド抗体を得ることはしばしば困難である。
【0010】 したがって、本発明が克服すべき技術的課題は、ゲノムDNAまたはESTに
対応するタンパク質を分析し、機能的に特徴付けするための、ゲノムDNA断片
またはESTによってコードされる(ポリ)ペプチドと結合する特異的結合パー
トナー、特に抗体または抗体断片を作成する、一般に適用可能な方法を提供する
ことである。上記技術的課題の解決方法は、請求の範囲に特徴付けされる態様を
提供することによって達成される。宿主細胞、例えば大腸菌における発現時に封
入体の形成を導く(ポリ)ペプチド/タンパク質融合パートナーとの融合物とし
て(ポリ)ペプチドを発現することによる、特異的結合パートナー、例えば抗体
または抗体誘導化産物を作成するための、ゲノムDNA断片またはESTによっ
てコードされる(ポリ)ペプチドを提供し、それによって得られる封入体および
融合タンパク質に対する特異的結合パートナーを作成する本発明の技術的アプロ
ーチは、先行技術に開示も示唆もされていない。
【0011】 本発明に関するさらなる課題は、例えば宿主細胞に対して有毒であるために、
容易に遊離形態で発現させることができない(ポリ)ペプチド/タンパク質の発
現方法を発明することである。この技術的課題に対する解決方法もまた、請求の
範囲に特徴付けされる態様を提供することによって達成される。(ポリ)ペプチ
ド/タンパク質を、繊維状ファージの遺伝子IIIタンパク質の第一N末端ドメ
インを含む融合タンパク質として発現し、これにより封入体を形成させる本発明
の技術的アプローチは、先行技術に開示も示唆もされていない。
【0012】 したがって本発明は、ゲノムDNA断片または発現化配列タグ(EST)内に
含まれる核酸配列によってコードされる(ポリ)ペプチドに対する特異的結合パ
ートナーを作成する方法であって、 a)以下のものを含む融合タンパク質を含む封入体を形成可能な条件下、宿主細
胞内でこの融合タンパク質をコードする核酸分子を発現する工程: aa)該条件下の宿主細胞において発現された場合に封入体内に含まれる(ポ
リ)ペプチド/タンパク質融合パートナーおよび、 ab)該(ポリ)ペプチド; b)該封入体を単離する工程;ならびに、 c)該(ポリ)ペプチドと特異的に結合する特異的結合パートナーを作成する工
程を含む方法に関する。
【0013】 本発明の記載中、「特異的結合パートナー」とは、目的の(ポリ)ペプチドと
特異的に結合可能な分子である。このような特異的結合パートナーは、ペプチド
、束縛化ペプチド(a constrained peptide)、免疫グロブリンまたはその断片
、または天然に存在するタンパク質の同族結合パートナー(a cognate binding
partner)、例えば目的の(ポリ)ペプチドを含むレセプターに対するリガンド
であってよい。このような同族リガンドは、本発明の融合タンパク質との結合に
関して、cDNA発現ライブラリーをスクリーニングすることによって得ること
ができる。また特異的結合パートナーは、例えば小分子の混合ライブラリーをス
クリーニングすることによって得られる小分子のような非タンパク質性特異的結
合パートナーであってもよい。特異的結合パートナーはさらに、特異的結合パー
トナーと対応する(ポリ)ペプチドの相互作用を検出できるように修飾してもよ
い。このような修飾物は検出および/または精製タグ(Hochuli et al., 1988; L
indner et al., 1992; Hopp et al., 1988; Prickett et al., 1989; Knappik &
Plueckthun, 1994)、または酵素(Blake et al., 1984)、または特異的結合パー
トナーと融合またはカップリングさせたレポーター分子であってよい。
【0014】 本発明の記載中、用語「(ポリ)ペプチド」とは、ペプチド結合によって連結
された複数、すなわち2つまたはそれ以上のアミノ酸の1つまたはそれ以上の鎖
からなる分子に関する。
【0015】 用語「タンパク質」とは、少なくとも(ポリ)ペプチドの一部が、その(ポリ
)ペプチド鎖(群)内および/または間の二次、三次または四次構造の形成によ
って規定される三次元配置が得られているか、あるいは獲得可能なそのような(
ポリ)ペプチドを表す。この定義は、天然に存在するタンパク質または少なくと
も部分的に人工的であるタンパク質などのタンパク質ならびに、上に記載したよ
うに規定される三次元配置を有する完全長タンパク質の断片またはドメインを含
む。
【0016】 用語「ゲノムDNA断片」とは、生物のゲノムの部分を形成し、そこから入手
されたか、あるいは入手可能な連続する核酸配列を表す。
【0017】 用語「発現化配列タグ(EST)」とは、cDNAのある範囲(stretches)
を配列決定することによって得られる連続するDNA配列である。
【0018】 本発明では、このようなゲノムDNA断片またはESTは、(ポリ)ペプチド
をコードするか、あるいは推定のオープンリーディングフレーム(ORF)から
なる核酸配列を含む。
【0019】 ESTデータベース(Eckmann et al., 1998; Bouck et al., 1999)はしばしば
質の低い配列を含む(Aaronson et al., 1996)。当業者であれば、与えられたゲ
ノムDNA断片またはEST配列中の少なくとも1つの推定ORFを同定できる
であろうし、また対応する組の融合タンパク質発現用に同定されるすべてのOR
Fをクローニングし、それらを本発明にしたがって用いることは当業者に対して
過度の負担を与えるものではないであろう。
【0020】 ゲノムDNA断片またはESTの長さは好ましくは100〜2000塩基対、
より好ましくは200〜1500塩基対である。
【0021】 本発明で用いられる融合タンパク質をコードする核酸分子またはこの核酸分子
を含む適当なベクターは、融合タンパク質の発現を生じさせるか、あるいは可能
にするために必要な非コード化DNA配列をさらに含む。本発明で用いられる融
合タンパク質をコードする核酸分子の構築方法、この核酸分子を含むベクターの
構築方法、このベクターの適当に選択された宿主細胞への導入方法、該融合タン
パク質の発現を生じさせるか、あるいは達成する方法は、当分野に周知である(
例えば Sambrook et al., 1989; Ausubel et al., 1994 を参照)。
【0022】 (ポリ)ペプチド/タンパク質の発現中、いくつかの宿主系において封入体の
形成が観察され得る。封入体は宿主細胞内に含まれる(ポリ)ペプチド/タンパ
ク質の不溶性凝集物である。これは非常に密集した粒子であり、その細胞内の位
置(subcellular location)とは無関係に非晶性または準結晶性構造を示す。適
当な条件下、封入体に含まれる組換え(ポリ)ペプチド/タンパク質は総計で、
全細胞タンパク質の約50%またはそれ以上である。封入体の形成およびその性
質およびその適用は詳細に調べられている(例えば Rudolph, 1996; Rudolph &
Lilie, 1996; Rudolph et al., 1997; Lilie et al., 1998 を参照)。封入体の
精製方法も同様にそこに記載されており、当業者に周知である。
【0023】 融合パートナーおよび(ポリ)ペプチド/タンパク質を含む融合タンパク質の
発現によって形成される封入体形成を、該(ポリ)ペプチド/タンパク質の一般
的発現方法として使用することはWO98/30684に記載されている。
【0024】 本発明の方法に適当な融合パートナーは、宿主細胞内での発現時に封入体内に
おいて見られる任意の(ポリ)ペプチド/タンパク質であってよい。ほとんどの
場合、封入体形成は、用いられる系またはタンパク質に関わらず、高い発現率の
結果生じるものである。特定のタンパク質の封入体形成の性向とその本質的性質
、例えば分子量、疎水性、フォールディング経路などの間に相関はないと考えら
れる。封入体形成が観察されるための、本発明の融合パートナーとして用いるの
に適当な候補物質である(ポリ)ペプチド/タンパク質には、大腸菌タンパク質
、例えばマルトース結合タンパク質(Betton & Hofnung, 1996)、RNアーゼII
(Coburn & Mackie, 1996)、アルカリホスファターゼ(Derman & Beckwith, 1995)
、ホスホリパーゼA(Dekker et al., 1995)、β−ラクタマーゼ(Rinas & Bailey
, 1993)、チオレドキシン(Hoog, et al., 1984; WO 98/30684)、および非大腸菌
タンパク質、例えばヒトプロカテプシンB(procathepsin B)(Kuhelj et al.,
1995)、ブタインターフェロン−γ(Vandenbroeck et al., 1993)またはT5 D
NAポリメラーゼ(Chatterjee et al., 1991)が含まれるが、これらに限定され
ない。
【0025】 上に記載される宿主は、細菌、例えば大腸菌(例えば Ge et al, 1995 を参照
)または枯草菌(Bacillus subtilis)(Wu et al., 1993);真菌、例えば酵母(H
orwitz et al., 1988; Ridder et al., 1995)または糸状菌(Nyyssoenen et al.,
1993);植物細胞(Hiatt, 1990, Hiatt & Ma, 1993; Whitelam et al., 1994);
昆虫細胞(Potter et al., 1993; Ward et al., 1995)または哺乳類細胞(Trill e
t al., 1995)を含むがこれらに限定されない、タンパク質の生産において一般的
に用いられるたくさんの宿主のいずれかであってよい。
【0026】 「(ポリ)ペプチドと特異的に結合する結合パートナー」の作成および、場合
により、同定は、特異的結合パートナーのタイプに応じ、当業者に周知の種々の
方法を用いて達成することができる。例えば、化学的化合物、ペプチドまたは生
体分子、例えば免疫グロブリンの混合ライブラリーを、好ましくは精製後の標的
である単離された封入体に関して、あるいはより好ましくはその封入体から得ら
れた、可溶化形態または再フォールディング形態の融合タンパク質に関して、あ
るいは標的である遊離の(ポリ)ペプチドに関してスクリーニングし、ならびに
/あるいは選択することができる(例えば http://www.5z.com/divinfo/reviews
.html; Pinilla et al., 1999; Woodbury & Venton, 1999; Borman, 1999; Eise
le et al., 1999; Lebl, 1999 を参照)。
【0027】 本発明の方法の好ましい態様では、融合タンパク質は、N末端部分として融合
パートナーを、C末端部分として(ポリ)ペプチドを含む。さらに好ましいのは
、融合タンパク質が、融合パートナーと(ポリ)ペプチドを連結する(ポリ)ペ
プチドリンカーをさらに含んでいる方法である。このリンカーは約1〜約30、
好ましくは約5〜約15の範囲のアミノ酸からなるものであり得る。特に好まし
いのは、該リンカーが開裂シグナルを含む方法である。
【0028】 本発明の記載中、用語「開裂シグナル」とは、例えば化学反応または酵素反応
による融合パートナーと(ポリ)ペプチド間での融合タンパク質の開裂を可能に
し、遊離形態の該(ポリ)ペプチドを得ることが可能なアミノ酸配列を表す。こ
のような開裂シグナルは、当業者に周知のプロテアーゼ、例えばエンテロキナー
ゼまたはトロンビンの特異的認識配列であるのが好ましい。別法として、化学物
質、例えば臭化シアンを用いて融合タンパク質を化学的分解によって開裂させて
もよい。
【0029】 融合タンパク質には、N末端および/またはC末端、および/または(ポリ)
ペプチドリンカー内にさらなる(ポリ)ペプチド配列を含ませることができる。
これには、例えば融合タンパク質の同定および/または精製を可能にする(ポリ
)ペプチドが含まれる。このような(ポリ)ペプチドタグの例には、His(H
ochuli et al., 1988; Lindner et al., 1992)、myc、FLAG(Hopp et al.
, 1988; Prickett et al., 1989; Knappik & Plueckthun, 1994)、またはStr
epタグ(Schmidt & Skerra, 1993; Schmidt & Skerra, 1994; Schmidt et al.,
1996)がある。こららのタグはすべて当分野に周知であり、当業者には完全に利
用可能なものである。
【0030】 本発明の方法のさらに好ましい態様では、該ゲノムDNA断片または該EST
は原核生物またはウイルスから得られたものである。最も好ましいのは、該原核
生物またはウイルスが病原体である方法である。
【0031】 ヒトに対して病原性であるか、あるいは動物または植物に対して病原性である
生物のゲノムの配列決定によって、予防、診断および/または治療的介入のため
の新規標的タンパク質を調べることができる。
【0032】 さらに好ましいのは、該融合タンパク質の過剰発現を可能にする条件下で該核
酸を発現させる方法である。
【0033】 さらに好ましい態様では、本発明は、該ゲノムDNA断片または該ESTが真
核生物から得られたものである方法に関する。
【0034】 好ましい態様では、本発明は、該ゲノムDNA断片または該ESTが非哺乳類
種から得られたものである方法に関する。
【0035】 さらに好ましいのは、該ゲノムDNA断片または該ESTが哺乳類種から得ら
れたものである方法である。
【0036】 最も好ましい態様では、本発明は、該哺乳類種がヒトである方法に関する。
【0037】 本発明の方法の好ましい態様では、該宿主細胞は真核生物細胞である。特に好
ましくは酵母または昆虫細胞である。
【0038】 本発明の方法の最も好ましい態様では、該宿主細胞は原核生物細胞である。特
に好ましくは細菌細胞である。最も好ましくは、該細菌細胞は大腸菌細胞である
【0039】 本発明のさらなる好ましい態様は、該融合タンパク質が細菌宿主細胞のサイト
ゾルで発現される方法に関するものである。特に好ましいのは、本発明にしたが
って、該融合パートナーが少なくとも1つのジスルフィド結合を含む融合タンパ
ク質をサイトゾルで発現することである。
【0040】 ジスルフィド結合の形成は通常、この還元的細胞区画においては生じないので
、ジスルフィド結合した(ポリ)ペプチド/タンパク質が細菌サイトゾルで生産
されるならば、封入体形成が予測され得ることがわかった。この結果、不適当な
フォールディングとなり、凝集する(Lilie et al., 1998)。
【0041】 さらに好ましいのは、該融合パートナーが分泌タンパク質であり、該核酸が、
融合タンパク質を周辺質へ輸送するシグナル配列をコードする核酸配列を含まな
い方法である。分泌(ポリ)ペプチド/タンパク質のサイトゾル発現は封入体の
形成を生じさせることが観察された(Lilie et al., 1998)。
【0042】 好ましい態様では、本発明は、該融合パートナーが宿主細胞の内生(ポリ)ペ
プチド/タンパク質である方法に関する。
【0043】 最も好ましいのは、該融合パートナーが該宿主細胞に対して外来性の(ポリ)
ペプチド/タンパク質である方法である。 特に好ましいのは、該融合パートナーが大腸菌マルトース結合タンパク質、大腸
菌RNアーゼII、大腸菌アルカリホスファターゼ、大腸菌ホスホリパーゼA、
大腸菌β−ラクタマーゼ、大腸菌チオレドキシン、ヒトプロカテプシンB、ブタ
インターフェロン、およびT5 DNAポリメラーゼ由来である方法である。
【0044】 本発明の方法のさらに最も好ましい態様では、該宿主細胞は大腸菌であり、該
融合パートナーは繊維状ファージの遺伝子IIIの第一N末端ドメインを含む。
好ましくは、該融合パートナーは遺伝子IIIタンパク質の2つのN末端ドメイ
ンからなり、より好ましくは遺伝子IIIタンパク質の第一N末端ドメインから
なる。最も好ましくは、該融合パートナーは遺伝子IIIタンパク質のアミノ酸
1〜82からなる。
【0045】 Ff繊維状ファージf1、fdおよびM13による大腸菌の感染は、ファージ
粒子の一端に位置する遺伝子IIIタンパク質(g3p)のFコンジュゲーティ
ブ線毛(F conjugative pilus)の先端部との相互作用によって開始される(Mode
l & Russel, 1988)。成熟g3p(406アミノ酸)はリンカー配列によって分
離された3つのドメインから構成される(Stengele et al., 1990; Krebber et a
l., 1997)。以下の役割を各ドメインに割り当てることが可能である:g3pの
N末端ドメイン(N1)は膜浸透を担い(Riechmann & Holliger, 1997)、真ん中
のドメイン(N2)は細菌のF線毛との結合を担い(Stengele et al., 1990)、
ならびにC末端ドメイン(CT)は、ファージ形態形成の役割を担い、ならびに
ファージ粒子の一端をキャップする(Crissmann & Smith, 1984)。g3pの2つ
のN末端ドメイン(N1−N2)の結晶構造およびN1の溶液構造は解明されて
いる(Lubkowski et al., 1998; Holliger & Riechmann, 1997)。精製されたN1
は、mM濃度において非常に可溶性であり、単量体であることが示された(Holli
ger & Riechmann, 1997)。しかし、大腸菌細胞質におけるN1またはN1−N2
の発現は、封入体の形成を生じ、それからタンパク質を再フォールディングさせ
ることができる(C. Krebber, 1996; Krebber et al., 1997)。N1およびN1−
N2融合タンパク質の発現は細胞にとって有毒である(C. Krebber, 1996)から、
例えばpET(Stratagene, La Jolla, CA, USA)またはpBAD発現系(Invitrog
en BV, Groningen, The Netherlands)を用いて融合遺伝子の転写を厳重に調節す
るのが好ましい。これらのベクターの使用は、遺伝子産物の有毒作用が予想され
、想定され、あるいは観察されるすべての場合で適用可能であり、発現条件の調
節において当業者に周知の第一段階の1つである。
【0046】 gIIIpの第一N末端ドメインを含む融合パートナーはこれらの融合パート
ナーを含む融合タンパク質がサイトゾル発現時にすぐに封入体を形成するが、容
易に可溶化できる(Krebber et al., 1997)ので、特に有用である。
【0047】 融合パートナーは上記の親融合パートナー(例えばgIIIpの第一N末端ド
メインを含む(ポリ)ペプチド/タンパク質)の変異体または突然変異体であっ
てよいが、ただし該変異体または突然変異体は、親融合パートナーが封入体に含
まれる条件下、宿主細胞内での発現時に同様に封入体に含まれるものである。こ
のような変異体または突然変異体は、親融合パートナーに対して、例えば1つま
たはそれ以上のアミノ酸残基(群)を加え、置換し、ならびに/あるいは欠失さ
せることによって得ることができる。発現時の封入体形成は、当業者が容易にモ
ニターできる性質のものであるから、本発明の方法に適当な性質を有する変異体
または突然変異体を同定するために過度の実験を行う負担を必要としない。
【0048】 さらに好ましい態様では、本発明は、工程b)がさらに(i)該融合タンパク
質を適当な条件下で可溶化する工程を含む方法に関する。
【0049】 さらに好ましい態様では、本発明は、工程b)がさらに(ii)適当な条件下
で該融合タンパク質を再フォールディングさせる工程を含む方法に関する。
【0050】 封入体内に含まれる(ポリ)ペプチド/タンパク質を可溶化し、ならびに/あ
るいは再フォールディングさせる方法は十分に研究され、当業者に周知である(
例えば Rudolph, 1996; Rudolph & Lilie, 1996; Rudolph et al., 1997; Lilie
et al., 1998 を参照)。
【0051】 別の態様では、本発明は該融合タンパク質がさらに、該融合パートナーと該(
ポリ)ペプチドを連結する、開裂シグナルを含む(ポリ)ペプチドリンカーを含
み、工程b)がさらに、(iii)該融合タンパク質を該融合パートナーと該(
ポリ)ペプチド間で開裂させる工程および(iv)遊離形態の該(ポリ)ペプチ
ドを単離する工程を含む方法に関する。さらに好ましいのは、該融合タンパク質
または遊離形態の該(ポリ)ペプチドを精製する工程をさらに含む方法である。
【0052】 該融合パートナーと該(ポリ)ペプチド間での融合タンパク質の開裂を可能に
する開裂シグナルを含む融合タンパク質の構築は本明細書中、上に記載されてい
る。
【0053】 本発明の方法の好ましい態様では、該特異的結合パートナーは免疫グロブリン
またはその断片である。
【0054】 本明細書中、「免疫グロブリン」という用語は「抗体」の類義語として用いら
れる。本発明の免疫グロブリン断片は、Fv(Skerra & Plueckthun, 1988)、s
cFv(Bird et al., 1988; Huston et al., 1988)、ジスルフィド結合したFv
(Glockshuber et al., 1992; Brinkmann et al., 1993)、Fab(Fab')2
断片または当業者に周知の他の断片であって、免疫グロブリンまたは免疫グロブ
リン断片の可変ドメインを含むものであり得る。特に好ましいのは、scFv断
片形式である。
【0055】 本発明の方法の最も好ましい態様では、該免疫グロブリンまたはその断片は、
(i)該封入体、該融合タンパク質または該(ポリ)ペプチドで動物を免疫し、
(ii)この動物によって生産される、該封入体、該融合タンパク質または該(
ポリ)ペプチドと特異的に結合する免疫グロブリンを選択することによって作成
される。動物を免疫する方法および特異的免疫グロブリンをスクリーニングし、
ならびに/あるいは選択する方法は当業者に周知である。
【0056】 本発明のさらに最も好ましい態様では、該免疫グロブリンまたはその断片は、
該封入体、該融合タンパク質または該(ポリ)ペプチドと特異的に結合する免疫
グロブリンまたはその断片の組換えライブラリーのメンバーを選択することによ
って作成される。免疫グロブリンまたはその断片の組換えライブラリーは種々の
刊行物に記載され(例えば Vaughan et al., 1996; Knappik et al., 2000; WO
97/08320 を参照)、当業者に周知である。
【0057】 特に好ましいのは、該ライブラリーが複製可能遺伝的パッケージの表面に表示
されている方法である。
【0058】 用語「複製可能遺伝的パッケージ」とは、(ポリ)ペプチド/タンパク質ライ
ブラリーメンバーをコードする遺伝情報とそこから発現される(ポリ)ペプチド
/タンパク質を関連付けることによって、(ポリ)ペプチド/タンパク質のライ
ブラリーのメンバーの表現型と遺伝子型を結び付けるものを表す。このライブラ
リーは、所望の性質に関してスクリーニングおよび/または選択可能であり、ス
クリーニングおよび/または選択される(ポリ)ペプチド/タンパク質はそれに
関連する遺伝情報を介して同定することができる。「複製可能遺伝的パッケージ
」の例には、細胞、例えば細菌(WO 90/02809; Georgiou et al., 1993; Francis
co & Georgiou, 1994; Daugherty et al., 1998)、酵母(Boder & Wittrup, 1997
; Kieke et al., 1997; Cho et al., 1998; Kieke et al., 1999)、昆虫細胞(Er
nst et al., 1998)、ウイルス、例えばバクテリオファージ(WO 90/02809; Kay e
t al., 1996; Dunn, 1996; McGregor, 1996)、レトロウイルス(Russell et al.,
1993)、胞子(WO 90/02809)、または核酸分子とそれから発現される(ポリ)ペ
プチド/タンパク質の複合体、例えばリボソーム複合体中(Hanes & Plueckthun,
1997; Hanes et al., 1998; Hanes et al., 1999)または非共有結合によって結
合する複合体(Cull et al., 1992; Schatz, 1993; Schatz et al., 1996; Gates
et al., 1996)または共有結合によって結合する複合体(Nemoto et al., 1997)
中のような複合体が含まれる。
【0059】 さらに好ましいのは、該複製可能遺伝的パッケージが繊維状ファージである方
法である。
【0060】 本発明の記載中、用語「繊維状ファージ」とは、種々のグラム陰性細菌を感染
できるバクテリオファージのクラスを表す。これは、長い筒を形成するタンパク
質コーティング中にパッケージングされた、共有結合的に閉環された一本鎖DN
Aゲノムを有する。これらのファージのうち最も特徴付けされているものには、
M13、fdおよびf1およびその誘導体がある。繊維状ファージは外来(ポリ
)ペプチド/タンパク質およびそのライブラリーの表示用によく用いられ、種々
のアプローチおよび適用がいくつかの刊行物に総括されている(例えば Kay et a
l., 1996; Dunn, 1996; McGregor, 1996)。
【0061】 特に好ましいのは、繊維状ファージの遺伝子IIIタンパク質(g3p)のN
末端ドメインを融合パートナーとして含む融合タンパク質の、繊維状ファージ表
面に表示された免疫グロブリンまたはその断片の組換えライブラリーをバイオパ
ニング(biopanning)するための使用である。以下の性質により、N1はファー
ジディスプレイライブラリーのバイオパニングにおいて使用されるべき特に適当
な候補である: −N1(成熟g3pのアミノ酸1〜82)は小さく、4.14の低いpIを有し
、通常生理的pHで行われるバイオパニングに用いられる慣用的ミクロタイター
プレートに対するコーティングに有利であり、 −N1結合scFvをその表面に表示するほとんどのファージは、3〜5コピー
のN1を含むg3pをその表面に保持する他のファージと結合し、自動的に除去
される。
【0062】 別の態様では、本発明は、aa)繊維状ファージ遺伝子IIIタンパク質の第
一N末端ドメインおよびab)ゲノムDNA断片または発現化配列タグ(EST
)に含まれる核酸配列によってコードされる(ポリ)ペプチドを含む融合タンパ
ク質をコードする核酸分子であって、この融合タンパク質を細菌宿主細胞の周辺
質へ輸送するためのシグナル配列をコードする核酸配列を含まないものに関する
【0063】 さらなる態様では、本発明は、本発明の核酸分子を含むベクターに関する。好
ましくは、該ベクターは発現ベクターである。
【0064】 別の態様では、本発明は、本発明に記載の核酸またはベクターを含む宿主細胞
に関する。特に好ましいのは、大腸菌細胞である宿主細胞である。
【0065】 さらに、本発明は、融合パートナーと融合された(ポリ)ペプチド/タンパク
質を発現するための、繊維状ファージの遺伝子IIIタンパク質の第一N末端ド
メインを融合パートナーとして含む、封入体の形態で得られた融合タンパク質の
使用に関する。融合パートナーおよび(ポリ)ペプチド/タンパク質を含む融合
タンパク質の発現による封入体形成を用いる、該(ポリ)ペプチド/タンパク質
の発現方法としての一般的方法は(WO 98/30684)に記載されている。
【0066】 融合タンパク質はさらに、該融合パートナーと該(ポリ)ペプチド/タンパク
質を連結するリンカー配列を含んでもよい。このリンカーは約1〜約30、好ま
しくは約5〜約15アミノ酸から構成され得る。このリンカーは融合タンパク質
をこの融合パートナーとこの(ポリ)ペプチド/タンパク質間で開裂させ、遊離
形態の該(ポリ)ペプチド/タンパク質を獲得可能にする開裂シグナルを含んで
いてもよい。このような開裂シグナルは好ましくは、当業者に周知のプロテアー
ゼ、例えばエンテロキナーゼまたはトロンビンの特異的認識配列である。別法と
して、融合タンパク質は、臭化シアンのような化学物質での化学分解によって開
裂させてもよい。このような融合タンパク質は、再フォールディングさせた後に
、インビトロSIPにおいて同様に用いることができる(Krebber et al., 1997)
【0067】 本発明はさらに、(ポリ)ペプチド/タンパク質の発現方法であって、 a)aa)繊維状ファージの遺伝子IIIタンパク質の第一N末端ドメインおよ
び、 ab)該(ポリ)ペプチド/タンパク質 を含む融合タンパク質を含む封入体形成を可能にする条件下、宿主細胞内でこの
融合タンパク質をコードする核酸分子を発現することを含む方法に関する。
【0068】 特に好ましいのは、さらに b)該封入体を単離する工程;ならびに、 c)適当な条件下で該融合タンパク質を可溶化する工程 を含む方法である。
【0069】 本発明にしたがって作成される特異的結合パートナーは、該(ポリ)ペプチド
を含む天然に存在する(ポリ)ペプチド/タンパク質の同定および/または特徴
付けに用いることができる。このような使用には、免疫アッセイ、例えばELI
SA、細胞抽出物のウエスタンブロット分析、組織または細胞に対する免疫組織
化学または免疫細胞化学、細胞抽出物を用いる免疫沈降、免疫共沈降などにおけ
る特異的結合パートナー、例えば免疫グロブリンまたはその断片の使用が含まれ
るがこれに限定されない。このような結合アッセイまたは類似の方法および標的
物質の単離における特異的結合パートナー、例えば免疫グロブリンまたはその断
片の使用は、当業者に周知である。
【0070】 本発明にしたがって作成される特異的結合パートナーを用いることによって、
該(ポリ)ペプチドを含む天然に存在する(ポリ)ペプチド/タンパク質を同定
し、ならびに/あるいは特徴付けすることが可能であろう。天然に存在する(ポ
リ)ペプチド/タンパク質を天然起源から単離する方法および、これらの(ポリ
)ペプチド/タンパク質を直接、あるいはこれらをコードする遺伝情報を介して
同定する方法は当業者に周知である。 以下に実施例を挙げ、本発明を説明する。
【0071】 実施例 以下の記載では、すべての分子生物学的実験は標準的プロトコル(Ausubel et
al., 1995)にしたがって行う。
【0072】 実施例1:ファージを用いる機能的ゲノム科学:N1融合タンパク質の過剰発現
、封入体からの精製、再フォールディングさせた融合タンパク質に対するファー
ジディスプレイライブラリーのバイオパニング 発現ベクターの作成 用いられるすべてのベクターは発現ベクターpTFT74(Freund et al., 1
993)の誘導体である。このベクターの唯一のNcoIおよびHindIII部
位間へ、N末端に追加のメチオニン残基を含むファージfdの成熟g3pのアミ
ノ酸1〜82をコードするDNA配列、マルチクローニング部位および6xHi
s精製タグをコードするDNA配列を挿入し、ベクターpTFT74−N1−M
CS−H(図1、完全なベクター配列は後ろに示す)を作成した。成熟g3pの
最初の82アミノ酸はドメインN1(アミノ酸1〜67)およびN1とN2間の
リンカーの最初の15アミノ酸を含む(Lubkowski et al., 1998)。マルチクロ
ーニング部位に融合された、唯一のNcoIおよびHindIII部位間にMe
t−Ala、6xHis精製タグおよびファージfdのg3pのアミノ酸2〜8
2をコードするDNA配列およびすべての3つのリーディングフレーム用の3つ
の終止コドンを有する第二のベクター、pTFT74−H−N1−MCS(図2
、完全ベクター配列は後ろに示す)を作成した。公開されている配列と比較して
、ベクターpTFT74内では、第57位のGがTへヌクレオチド交換されてい
ることがわかった。
【0073】 PCRによって作成されたDNA断片または以下および図3の説明内に示され
るアミノ酸配列をコードするオリゴヌクレオチドカセットとして作成されたDN
A断片をベクターpTFT74−N1−MCS−H内の唯一のBsiWIとHi
ndIII部位間、あるいは唯一のXbaIとEcoRI部位間へクローニング
した。 PCR中に5'末端および3'末端に適当な制限部位を導入することを除き、Hu
a et al. (1998) によって記載される手法と同様にして、PCR増幅されたES
Tを大量に(高速処理で)クローニングするためにベクターpTFT74−H−
N1−MCSを用いる。オリゴdTプライム化一方向性クローン化cDNA(ol
igo dT primed, directionally cloned cDNAs)に関するこの方法では、各cD
NAクローニングベクターの挿入物の増幅に、プライマーが4つだけ必要とされ
る(3つのオープンリーディングフレームにおけるEST挿入物増幅用の3つの
正方向プライマー(forward primer)およびcDNAクローニングベクターの下
流配列に対応する逆方向プライマー(reverse primer))。挿入物の6つの可能
なリーディングフレームすべてをカバーする6PCR産物の作成用には、各cD
NAクローニングベクターに対して8つのプライマーが必要とされる。
【0074】 融合タンパク質の発現、精製および再フォールディング 発現、精製および再フォールディングは(C. Krebber, 1996; Krebber et al.,
1997)に記載のように行った。簡単には、BL21(DE3)pLysS細胞(S
tudier et al., 1990)をそれぞれのpTFT74ベクター(以下を参照)で形質
転換し、OD550が0.9〜1.2になるまで培養した。N1融合タンパク質
の発現の誘導は1mM IPTGを用い、37℃で3時間行った。Ni−NTA
クロマトグラフィーによって、可溶化された封入体からN1融合タンパク質を精
製し、再フォールディングさせた。再フォールディング時のタンパク質濃度は通
常<1mg/mLであった。 以下の構築物を用いた:
【0075】 −N1−hag:抗体17/9によって認識されるヘマグルチニン由来のエピト
ープDVPDYAS(Schulze-Gahmen et al., 1993; Krebber et al., 1995)を
含むアミノ酸配列PYDVPDYASLRSHHHHHHと融合されたN1(N
末端に追加のメチオニン残基を含むファージfdの成熟g3pのアミノ酸1〜8
2)。これはオリゴヌクレオチドカセット(これは以下の2つのオリゴヌクレオ
チドから作成される:5'−GTACGACGTTCCAGACTACGCTT
CCCTGCGTTCCCATCACCATCACCATCACTA−3'およ
び5'−AGCTTAGTGATGGTGATGGTGATGGGAACGCA
GGGAAGCGTAGTCTGGAACGTC−3')を、ベクターpTFT
74−N1−MCS−HのBsiWIとHindIII部位間へクローニングす
ることによって得ることができる。
【0076】 −N1−MacI:アミノ酸配列PYGGGSGGGSGSDIAFLIDGS
GSIIPHDFRRMKEFVSTVMEQLKKSKTLFSLMQYSE
EFRIHFTFKEFQNNPNPRSLVKPITQLLGRTHTATG
IRKVVRELFNITNGARKNAFKILVVITDGEKFGDPL
GYEDVIPEADREGVIRYVIGVGDAFRSEKSRQELNT
IASKPPRDHVFQVNNFEALKTIQNQLREKIFAIEGT
QTGSSSSFEHEMSQE(これはヒトCR−3α鎖(SWISS−PR
OTエントリーP11215)のアミノ酸149〜353を含む)および6xH
isタグを含むC末端配列と融合されたN1(N末端に追加のメチオニン残基を
含むファージfdの成熟g3pのアミノ酸1〜82)。HL−60細胞のcDN
Aを鋳型として用い、ならびにオリゴヌクレオチドCR−3for(5'−GT
ACGTACGGGGGCGGCTCTGGTGGTGGTTCTGGTAGT
GACATTGCCTTCTTGATTGATGGC−3')およびCR−3r
ev(5'−GTAAAGCTTAGTGATGGTGATGGTGATGTC
TACCTTCGATTTCCTGAGACATCTCATGCTCAAAGG
AGC−3')を用いてPCRを行い、制限酵素BsiWIおよびHindII
Iを用いてPCR産物を消化し、この断片をベクターpTFT74−N1−MC
S−HのBsiWIとHindIII部位間へクローニングしてベクターpTF
T74−N1−MacI−Hを作成することによって得ることができる。
【0077】 −N1(Krebber et al., 1997) −図3に示されるN1融合物では、DNA断片をcDNAクローンから、あるい
はゲノムDNAからPCRによって増幅し、ベクターpTFT74−N1−MC
S−HのXbaIとEcoRI部位間へクローニングした。
【0078】 N1−MacI結合物のスクリーニングでは、6xHisタグを含むC末端配
列と融合されたヒトCR−3αのアミノ酸149〜353を含むヒトCR−3α
鎖(SWISS−PROTエントリーP11215)の精製された断片(Mac
I)を用いた。これはクローンpTFT74−N1−MacI−HからのPCR
によって得ることができる。クローニング時、遺伝子の5'末端にATGコドン
を加えた。発現および精製は標準的方法を用いて行った(The QIAexpressionist
(登録商標)第3版:A handbook for high-level expression and purificatio
n of 6xHis-tagged proteins (July 1998). QIAGEN GmbH, Hilden, Germany)。
【0079】 N1−MacIおよびN1に対するHuCAL scFvファージライブラリー
のパニング 標準的手法(Kay et al., 1996)およびHuCAL scFvライブラリー(WO 9
7/08320)を用いて、N1−MacIおよびN1に対するパニングおよび選択され
たscFvの特徴付けを行った。N1−MacIおよびN1を、4℃で12時間
、PBS中10μg/mLの濃度で、Nunc Maxisorb ミクロタイタープレート(
#442404)にコーティングした。N1−MacIの場合では、パニング前
にファージを5%脱脂粉乳および0.1%トゥイーン20を含むPBS(パニン
グNMa)または5%脱脂粉乳、0.1%トゥイーン20および0.5mg/m
L N1−hagを含むPBS(パニングNMb)と1:1混合した。N1の場
合、パニング前にファージを5%脱脂粉乳および0.1%トゥイーン20を含む
PBS(パニングNa)または5%脱脂粉乳、0.1%トゥイーン20および0
.5mg/mL N1を含むPBS(パニングNb)と1:1混合した。ファー
ジをこれらのバッファー中、室温で2時間インキュベートした後、抗原でコーテ
ィングされたELISAウェルに適用した。 3ラウンドのパニング後、各パニングから92クローンをELISAで分析した
。パニングNaおよびNbでは、N1に対する結合物は得られなかったのに対し
、パニングNMaおよびNMbでは、N1−MacIに対するいくつかの結合物
が選択された。これらの結合物をまた、MacIに対する結合に関して試験した
。ELISAにおいてバックグラウンドに対して少なくとも3倍高いシグナルを
示したクローンを陽性であるとした。
【0080】 1.NMa N1−MacIに対して陽性:77 MacIに対して陽性:37 2.NMb N1−MacIに対して陽性:85 MacIに対して陽性:80 すべてのMacI結合物はまたN1−MacIを認識する。比較的少量のN1
−hagをブロッキングに用いると、MacI結合物数の100%増加が生じる
。しかし、N1−MacIにはさらなるN末端リンカー残基が存在し、N1−h
agを用いる非MacI結合物の完全なブロッキングは不可能である。いくつか
の結合物に関して、特異的なELISAを行い、これによりMacIに対して強
力かつ特異的な選択的scFv結合が示された(図4)。
【0081】 実施例2:発現ベクターpBAD−N1−MCS−Hの構築および性質 ベクターpBAD−N1−MSC−Hは発現ベクターpBAD/Myc−Hi
s A(Invitrogen Corporation, Carlsbad, CA, USA)に基づくものであり、厳
重に調節されたaraBADプロモーターの制御下での、タンパク質の発現を可
能にする。マルチクローニング部位(MCS)が後に続いているN1ドメインを
コードするコード化領域およびHisx6タグをコードするコード化領域を含む
発現カセット(311bp、NcoI/HindIII断片)を、NcoI/H
indIIIによって消化されたpBAD/Myc−His A(4046bp
)に挿入することによってベクターpBAD−N1−MSC−Hを構築した。p
BAD−N1−MCS−Hのベクターマップおよび配列を図5に示す。 pTFTベクター(実施例1および2を参照)と比較してこのベクターの有益な
点は、融合タンパク質発現が厳重に制御され、潜在的に有毒な構築物のクローニ
ングが可能であることである。さらに、クローニング株から発現株への変換のた
めのさらなるクローニング工程は必要ない。不利益は、pTFTベクターと比較
して発現収量が低いことがあることである。
【0082】 実施例3:遺伝子IIIタンパク質のN1ドメインを含む融合タンパク質の発現
発現ベクターのクローニング N1融合タンパク質の発現用に用いられるベクターは実施例1に記載されるベ
クターpTFT74−N1−MCS−H(図1、完全なベクター配列は後ろに示
す)である。ベクターpTFT74−N1−MCS−H内へは、PCRによって
作成されたか、あるいは以下のかっこ内に記載される(ポリ)ペプチドおよびタ
ンパク質をコードするオリゴヌクレオチドカセットとして作成されたDNA断片
を唯一のBsiWIとHindIII部位間か、あるいは唯一のXbaIとEc
oRI部位間へクローニングして、ベクターpTFT74−N1−hag(実施
例1を参照)、pTFT74−N1−MacI(実施例1を参照)、pTFT7
4−N1−U1fl(hCMVの完全長UL84と融合されたN1)、pTFT
74−N1−U2(hCMVのUL84のアミノ酸68〜586を含むポリペプ
チドと融合されたN1)、pTFT74−N1−U4(hCMVのUL84のア
ミノ酸300〜586を含むポリペプチドと融合されたN1)、pTFT74−
N1−I1fl(成熟完全長ヒトICAM−1と融合されたN1)、pTFT7
4−N1−I3(ヒトICAM−1のアミノ酸401〜480を含むポリペプチ
ドと融合されたN1)、pTFT74−N1−I4(ヒトICAM−1のアミノ
酸151〜532を含むポリペプチドと融合されたN1)、pTFT74−N1
−B1(成熟ヒトMHCクラスIIβ鎖のアミノ酸1〜198を含むポリペプチ
ドと融合されたN1)、pTFT74−N1−A14(成熟ヒトMHCクラスI
Iα鎖アミノ酸1〜192を含むポリペプチドと融合されたN1)およびpTF
T74−N1−Np50(ヒトNF−κB p50のアミノ酸2〜366を含む
ポリペプチドと融合されたN1)を作成した。すべての構築物は親和性(アフィ
ニティー)精製用のC末端ヘキサヒスチジンタグを有する。
【0083】 N1融合タンパク質の大量発現 繊維状バクテリオファージM13のg3pのドメインN1を大腸菌において過
剰発現させ、封入体から精製し、活性タンパク質へ再フォールディングさせるこ
とができる(Krebber et al., 1997)。種々のポリペプチドをN1のC末端に融
合させ、大腸菌において発現させて大量生産し、封入体形成させた(図6)。N
1−MacIの場合、封入体がすでにほとんど排他的にN1−MacIを含んで
いたので、N1−MacIはNi−NTAクロマトグラフィーによって、さらな
る精製が必要ではなかった(図6)。驚くべきことに、すべてのN1融合タンパ
ク質(10/10)は、同じ再フォールディング条件を用いて約0.3〜1.0
mg/mLの濃度で再フォールディングさせた後に溶解性であり、純度は少なく
とも90%であった(図7)。タンパク質収量は、N1−MacIの場合、10
0mg/発現培養物1L程度に高く、通常は1mg〜10mg/発現培養物1L
の範囲であった。
【0084】 参考文献
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【図面の簡単な説明】
【図1a】 発現ベクターpTFT74−N1−MCS−Hのベクターマッ
プ。
【図1b】 発現ベクターpTFT74−N1−MCS−Hの配列。
【図2a】 発現ベクターpTFT74−H−N1−MCSのベクターマッ
プ。
【図2b】 発現ベクターpTFT74−H−N1−MCSの配列。
【図3】 融合タンパク質構築物の発現。発現後、全細胞可溶化液を還元条
件下、12%SDS PAA Ready ゲル(Bio-Rad)上で泳動した。このゲ
ルをクーマシーブルーを用いて染色した。 レーン1、高分子量のRainbowマーカー(Amersham)、タンパク質の分子
量を示す; レーン2、MHCクラスIIβ鎖の断片と融合されたN1(融合タンパク質の質
量(計算値):33.4kD); レーン3、MHCクラスIIα鎖の断片と融合されたN1(融合タンパク質の質
量(計算値):32.2kD); レーン4、IMAGEクローン434322由来のpTFT74−N1−MCS
−Hへのクローニング用にPCRによって増幅されたヒトNF−κB p100
C末端280アミノ酸と融合されたN1(融合タンパク質の質量(計算値):3
9.9kD); レーン5、成熟ヒトICAM−1と融合されたN1(融合タンパク質の質量(計
算値):65.7kD); レーン6、ヒトICAM−1の断片と融合されたN1(未処理(unprocessed)
タンパク質のアミノ酸401〜480、融合タンパク質の質量(計算値):19
.3kD); レーン7、ヒトICAM−1の断片と融合されたN1(未処理タンパク質のアミ
ノ酸151〜532、融合タンパク質の質量(計算値):52.2kD); レーン8、ヒトサイトメガロウイルスのUL84の断片と融合されたN1(アミ
ノ酸68〜586、融合タンパク質の質量(計算値):68.4kD); レーン9、ヒトサイトメガロウイルスのUL84の断片と融合されたN1(アミ
ノ酸200〜586、融合タンパク質の質量(計算値):53.2kD);およ
び、 レーン10、ヒトサイトメガロウイルスのUL84の断片と融合されたN1(ア
ミノ酸300〜586、融合タンパク質の質量(計算値):42.2kD)
【図4】 N1−MacIに対して選択される3つの異なるsvFv(クロ
ーン1〜3)の特異的ELISA。発現ベクター上のscFvクローン1〜3を
含むJM83細胞の周辺質フラクションの調製は(Knappik et al., 1993)に記載
されている。PBS中のN1−MacI、MacI、N1−hag、N1および
BSAそれぞれ1μgを4℃で12時間、Nunc Maxisorbミクロタイタープレー
ト(#442404)にコーティングし、次いで5%脱脂粉乳を含むPBSを用
いてこれを室温で2時間ブロックした。周辺質フラクションを、5%脱脂粉乳お
よび0.05%トゥイーン20を含むPBSと1:1混合し、室温で1時間イン
キュベートした後、これらをミクロタイタープレートのブロックされたウェルに
加えた。室温で1時間インキュベートした。すべてのHuCAL scFvはN
末端M1 FLAG(Knappik & Plueckthun, 1994)を保持していたので、M1
抗FLAG抗体(Sigme #F-3040)をウェルに適用し、室温で1時間インキュベ
ートした(二次抗体)。抗マウスIgG−HRPコンジュゲート(Sigma #A-678
2; 三次抗体)および基質としてBMブルー可溶化物(Boehringer Mannheim # 1
484281)を用いて、結合したM1抗FLAG抗体を検出した。ブロックし、周辺
質フラクション、M1抗FLAG抗体および抗マウスIgG−HRPコンジュゲ
ートとインキュベートした後、0.05%トゥイーン20および1mM CaC
を含むTBSバッファーを用いてELISAプレートを5回洗浄した。基質
を加え、370nmの吸光度を測定した。
【図5a】 発現ベクターpBAD−N1−MCS−Hのベクターマップ。
【図5b】 発現ベクターpBAD−N1−MCS−Hの配列。
【図6】 融合タンパク質構築物の発現および1工程の親和性精製。サンプ
ルを還元条件下、12%SDSポリアクリルアミドゲル(Bio-Rad)上で泳動し
た。クーマシーブルーを用いてこのゲルを染色した。 レーン1、(103の倍数で)相対的な分子量を示すマーカータンパク質; レーン2、1mM IPTGでの誘導3時間後の、ベクターpTFT74−N1
−MacIを宿す大腸菌BL21(DE3)pLysSの粗製の可溶化液; レーン3、N1−MacI発現由来の再フォールディングさせた封入体; レーン4、親和性精製された再フォールディングさせたN1−MacI; レーン5、1mM IPTGでの誘導3時間後の、ベクターpTFT74−N1
−U2を宿す大腸菌BL21(DE3)(pLysS)の粗製の可溶化液; レーン6、親和性精製された再フォールディングさせたN1−U2; レーン7、1mM IPTGでの誘導3時間後の、ベクターpTFT74−N1
−I3を宿す大腸菌BL21(DE3)(pLysS)の粗製の可溶化液; レーン8、親和性精製された再フォールディングさせたN1−I3; レーン9、1mM IPTGでの誘導3時間後の、ベクターpTFT74−N1
−B1を宿す大腸菌BL21(DE3)(pLysS)の粗製の可溶化液; レーン10、親和性精製された再フォールディングさせたN1−B1。
【図7】 親和性精製された再フォールディングさせたN1融合タンパク質
の精製。サンプルを還元条件下、12%SDSポリアクリルアミドゲル(Bio-Ra
d)上で泳動した。クーマシーブルーを用いてこのゲルを染色した。融合タンパ
ク質の分子量(計算値)をかっこ内に示す。 レーン1、(103の倍数で)相対的な分子量を示すマーカータンパク質;レー
ン2、N1−U1fl(75.6kDa);レーン3、N1−U2(68.4k
Da);レーン4、N1−U4(42.2kDa);レーン5、N1−I1fl
(65.7kDa);レーン6、N1−I3(19.3kDa);レーン7、N
1−I4(52.2kDa);レーン8、N1−B1(33.4kDa);レー
ン9、N1−A14(32.2KDa);レーン10、N1−Np50(51.
3kDa)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 C12N 15/00 ZNAA C12P 21/02 5/00 A (72)発明者 アドルフ・ヘス ドイツ連邦共和国デー−83629ヴェヤルン、 グロースゼハム、パストルヴェーク8番 (72)発明者 トーマス・フォン・リューデン ドイツ連邦共和国デー−82152プラネーク、 ヴァルター−ザトリウス−シュトラーセ6 番 Fターム(参考) 4B024 AA11 AA20 CA07 CA20 DA02 DA06 DA12 GA11 4B064 AG01 CA02 CA06 CA10 CA19 CC24 DA13 4B065 AA26X AA72X AA90X AA90Y AA95Y AA98Y AB01 AC14 BA02 CA24 4H045 AA11 AA20 BA41 CA01 CA11 DA15 DA75 DA86 DA89 EA50 FA71

Claims (41)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゲノムDNA断片または発現化配列タグ(EST)内に含ま
    れる核酸配列によってコードされる(ポリ)ペプチドに対する特異的結合パート
    ナーを作成する方法であって、 a)以下のものを含む融合タンパク質を含む封入体を形成可能な条件下、宿主細
    胞内でこの融合タンパク質をコードする核酸分子を発現する工程: aa)該条件下の宿主細胞において発現された場合に封入体内に含まれる(ポ
    リ)ペプチド/タンパク質融合パートナーおよび、 ab)該(ポリ)ペプチド; b)該封入体を単離する工程;ならびに、 c)該(ポリ)ペプチドと特異的に結合する特異的結合パートナーを作成する工
    程を含む方法
  2. 【請求項2】 該融合タンパク質が該融合パートナーをN末端部分として含
    み、該(ポリ)ペプチドをC末端部分として含む、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 該融合タンパク質がさらに、該融合パートナーと該(ポリ)
    ペプチドを連結する(ポリ)ペプチドリンカーを含む、請求項1または2に記載
    の方法。
  4. 【請求項4】 該リンカーが開裂シグナルを含む、請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 該ゲノムDNA断片または該ESTが原核生物またはウイル
    スから得られたものである、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 該原核生物またはウイルスが病原性である、請求項5に記載
    の方法。
  7. 【請求項7】 該ゲノムDNA断片または該ESTが真核生物から得られた
    ものである、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 該ゲノムDNA断片またはESTが非哺乳類種から得られた
    ものである、請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 該ゲノムDNA断片またはESTが哺乳類種から得られたも
    のである、請求項7に記載の方法。
  10. 【請求項10】 該哺乳類種がヒトである、請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 該核酸が該融合タンパク質の過剰発現を可能にする条件下
    で発現される、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 【請求項12】 該宿主細胞が真核生物細胞である、請求項1〜11のいず
    れかに記載の方法。
  13. 【請求項13】 該真核生物細胞が酵母または昆虫細胞である、請求項12
    に記載の方法。
  14. 【請求項14】 該宿主細胞が原核生物細胞である、請求項1〜11のいず
    れかに記載の方法。
  15. 【請求項15】 該原核生物細胞が細菌細胞である、請求項14に記載の方
    法。
  16. 【請求項16】 該細菌細胞が大腸菌細胞である、請求項15に記載の方法
  17. 【請求項17】 該融合タンパク質がサイトゾルで発現される、請求項15
    または16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 該融合パートナーが少なくとも1つのジスルフィド結合を
    含有する、請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 該融合パートナーが分泌タンパク質であり、該核酸が融合
    タンパク質を周辺質へ輸送するためのシグナル配列をコードする核酸配列を含ま
    ない、請求項17または18に記載の方法。
  20. 【請求項20】 該融合パートナーが該宿主細胞の内生(ポリ)ペプチド/
    タンパク質である、請求項1〜19のいずれかに記載の方法。
  21. 【請求項21】 該融合パートナーが該宿主細胞に対して外来性の(ポリ)
    ペプチド/タンパク質である、請求項1〜19のいずれかに記載の方法。
  22. 【請求項22】 該融合パートナーが大腸菌マルトース結合タンパク質、大
    腸菌RNアーゼII、大腸菌アルカリホスファターゼ、大腸菌ホスホリパーゼA
    、大腸菌β−ラクタマーゼ、大腸菌チオレドキシン、ヒトプロカテプシンB、ブ
    タインターフェロンおよびT5 DNAポリメラーゼ由来である、請求項1〜2
    1のいずれかに記載の方法。
  23. 【請求項23】 該宿主細胞が大腸菌であり、該融合パートナーが繊維状フ
    ァージの遺伝子IIIタンパク質の第一N末端ドメインを含む、請求項21に記
    載の方法。
  24. 【請求項24】 該融合パートナーが遺伝子IIIタンパク質のアミノ酸1
    〜82からなる、請求項23に記載の方法。
  25. 【請求項25】 工程b)がさらに、(i)該融合タンパク質を適当な条件
    下で可溶化する工程を含む、請求項1〜24のいずれかに記載の方法。
  26. 【請求項26】 工程b)がさらに、(ii)該融合タンパク質を適当な条
    件下で再フォールディングさせる工程を含む、請求項25に記載の方法。
  27. 【請求項27】 該融合タンパク質がさらに、該融合パートナーと該(ポリ
    )ペプチドを連結する、開裂シグナルを含む(ポリ)ペプチドリンカーを含み、
    工程b)がさらに、(iii)該融合タンパク質を該融合パートナーと該(ポリ
    )ペプチド間で開裂させる工程および(iv)遊離形態の該(ポリ)ペプチドを
    単離する工程を含む、請求項25または26に記載の方法。
  28. 【請求項28】 さらに該融合タンパク質または遊離形態の該(ポリ)ペプ
    チドを精製する工程を含む、請求項25〜27のいずれかに記載の方法。
  29. 【請求項29】 該特異的結合パートナーが免疫グロブリンまたはその断片
    である、請求項1〜28のいずれかに記載の方法。
  30. 【請求項30】 該免疫グロブリンが、(i)該封入体、該融合タンパク質
    または該(ポリ)ペプチドで動物を免疫し、(ii)この動物によって生産され
    る、該封入体、該融合タンパク質または該(ポリ)ペプチドと特異的に結合する
    免疫グロブリンを選択することによって作成される、請求項29に記載の方法。
  31. 【請求項31】 該免疫グロブリンまたはその断片が、該封入体、該融合タ
    ンパク質または該(ポリ)ペプチドと特異的に結合する免疫グロブリンまたはそ
    の断片の組換えライブラリーのメンバーを選択することによって作成される、請
    求項29に記載の方法。
  32. 【請求項32】 該ライブラリーが複製可能遺伝的パッケージの表面に表示
    される、請求項31に記載の方法。
  33. 【請求項33】 該複製可能遺伝的パッケージが繊維状ファージである、請
    求項32に記載の方法。
  34. 【請求項34】 aa)繊維状ファージの遺伝子IIIタンパク質の第一N
    末端ドメインおよびab)ゲノムDNA断片または発現化配列タグ(EST)に
    含まれる核酸配列によってコードされる(ポリ)ペプチドを含む融合タンパク質
    をコードする核酸分子であって、この融合タンパク質を細菌宿主細胞の周辺質へ
    輸送するためのシグナル配列をコードする核酸配列を含まない核酸分子。
  35. 【請求項35】 請求項34に記載の核酸分子を含むベクター。
  36. 【請求項36】 発現ベクターである、請求項35に記載のベクター。
  37. 【請求項37】 請求項34に記載の核酸または請求項35または36に記
    載のベクターを含む宿主細胞。
  38. 【請求項38】 大腸菌細胞である、請求項37に記載の宿主細胞。
  39. 【請求項39】 融合パートナーとして繊維状ファージの遺伝子IIIタン
    パク質の第一N末端ドメインを含み、封入体の形態で得られる融合タンパク質に
    おける、該融合パートナーと融合された(ポリ)ペプチド/タンパク質を発現す
    るための使用。
  40. 【請求項40】 (ポリ)ペプチド/タンパク質の発現方法であって、 a)aa)繊維状ファージの遺伝子IIIタンパク質の第一N末端ドメインおよ
    び、 ab)該(ポリ)ペプチド/タンパク質 を含む融合タンパク質を含む封入体形成を可能にする条件下、宿主細胞内でこの
    融合タンパク質をコードする核酸分子を発現することを含む方法。
  41. 【請求項41】 b)該封入体を単離する工程;ならびに、 c)適当な条件下で該融合タンパク質を可溶化する工程をさらに含む、請求項4
    0に記載の方法。
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