JP2003502428A - 有効なドーパミンレセプターリガンドとしてのクロメノ[4,3,2−de]イソキノリン - Google Patents

有効なドーパミンレセプターリガンドとしてのクロメノ[4,3,2−de]イソキノリン

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JP2003502428A JP2001504931A JP2001504931A JP2003502428A JP 2003502428 A JP2003502428 A JP 2003502428A JP 2001504931 A JP2001504931 A JP 2001504931A JP 2001504931 A JP2001504931 A JP 2001504931A JP 2003502428 A JP2003502428 A JP 2003502428A
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Abstract

(57)【要約】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 <<発明の分野>> 本発明は、ドーパミンレセプターの新規のリガンドに関す
る。より詳細には、本発明は、任意選択的に置換された1,2,3,11b−テ
トラヒドロクロメノ[4,3,2−de]イソキノリン化合物および中枢神経系
および末梢神経系のドーパミン関連機能障害治療用の薬学的処方物におけるその
使用に関する。
【0002】 <<発明の背景および要旨>> 中枢神経系における神経伝達物質であるドーパ
ミンは、多数の神経学的疾患に関連すると考えられている。例えば、ドーパミン
レセプターサブタイプの過剰な刺激が精神分裂症に関連し得ると仮定されている
。さらに、一般に、中枢神経系および/または末梢神経系における過剰または不
十分な機能的ドーパミン作動活性により過度緊張症、ナルコレプシー、ならびに
他の挙動性、神経学的、生理学的、および運動障害(パーキンソン病、随意運動
系の調節不能によって特徴づけられる慢性進行性疾患を含む)を発症し得ること
が認識されている。
【0003】 ドーパミンレセプターは、伝統的に、薬理学的および機能的証拠に基づいて2
つのファミリー(DおよびDドーパミンレセプターファミリー)に分類され
ている。Dレセプターは、選択的に、フェニルテトラヒドロベンザゼピンを認
識し、一般に、酵素アデニル酸シクラーゼの刺激を誘導するが、Dレセプター
はブチロフェノンおよびベンズアミドを認識し、しばしばアデニル酸シクラーゼ
に抑制的に結合する(あるいは全く結合しない)。現在、ドーパミンレセプター
サブタイプ(D、D、D、D、およびDレセプターサブタイプ)をコ
ードする少なくとも5つの遺伝子が存在することが知られている。しかし、伝統
的分類は依然として有用であり、D様クラスはD(D1A)およびD(D 1B )レセプターサブタイプを含み、D2様クラスはD、D、およびD
セプターサブタイプからなる。スプライス変異体(例えば、D2LおよびD2S スプライス変異体)ならびに異なる対立遺伝子(例えば、D遺伝子の多重反復
)によっても変異が起こり得る。
【0004】 ドーパミンレセプターに親和性を示す中枢神経系薬は、一般に、そのレセプタ
ー選択性だけでなくそのアゴニスト(レセプターを活性化する)またはアンタゴ
ニスト(レセプターを遮断する)活性によっても分類される。ドーパミンと種々
のレセプターサブタイプとの相互作用に関連する生理学的活性は完全には理解さ
れていないが、特定のレセプターサブタイプに選択性を示すリガンドにより多少
予測し得る神経薬理学的結果が得られることが公知である。選択性ドーパミンレ
セプターアンタゴニストおよびアゴニスト化合物の利用により、Dレセプター
の多数の機能的役割の理解を深めるための実験の設計が可能であり、種々の中枢
神経系および末梢神経系障害の新しい治療法を得ることができる。さらに、D およびDレセプターの両方に高い親和性を有するアゴニストが利用可能である
場合、DおよびDレセプターへの結合が有利な環境下でこれらのアゴニスト
を使用することができる。
【0005】 ドーパミンレセプター研究の初期の焦点は、Dファミリーであったが、最近
、神経系機能におけるドーパミンDレセプターの重要な役割が明らかとなって
きた。選択性Dレセプターリガンドの初期の研究では、以下の式のアンタゴニ
ストSCH23390(1)のような1つの化学的クラス由来の分子フェニルテ
トラヒドロベンザゼピンに主に焦点が置かれていた: いくつかのフェニルテトラヒドロベンザゼピンは、Dレセプターアゴニストで
あることが見出された。しかし、このクラス由来のアゴニスト(例えば、SKF
38393(+)−2を含む)は、一般に、部分的アゴニストであった。完全な
アゴニストといわれているSKF82958でさえ、最近は少量のレセプターで
の調製では完全な固有の有効性をもたないことが示されている。Dアゴニスト
の完全な有効性と部分的有効性との相違は複雑な中枢神経系媒介事象に対するこ
れらの化合物の作用に影響を与え得るので医学的研究に重要である。例えば、2
つの完全なアゴニスト(ジヒドレキシジンおよびA−77636)は、MPTP
処理したサルのモデルにおいて極めて優れた抗パーキンソン病効果を有する一方
で、部分的アゴニストは有意な活性を示さない。より最近のデータにより、完全
および部分的アゴニストはまた他の複雑な神経機能に対する効果が異なることが
示唆される。さらに、アゴニスト活性に影響を与え得るレセプター媒介事象(例
えば、Gタンパク質および結合するレセプターキナーゼの補充)が存在する。後
者のこれら生化学的事象は、薬物によって媒介されるセカンド・メッセンジャー
レベル(例えば、cAMP)の変化に無関係に起こり得る。
【0006】 したがって、研究者は、その労力をDレセプターの完全なアゴニスト(すな
わち、完全な固有の有効性を有する)であるリガンドの設計に傾けている。この
ような化合物の1つは式 のジヒドレキシジン(3)(ヘキサヒドロベンゾ[a]フェナントリジン)であ
る。ジヒドレキシジン(3)の構造は、付帯的な環状構造がつなぎとめられてい
て、分子をかなり強固にしているので、他のDアゴニストとは異なる。ジヒド
レキシジン(3)の分子モデリング研究により、この化合物は低エネルギー高次
構造の数が限られており、芳香環はこれらの高次構造の全てで比較的共平面の配
置で保持されていることが示された。最近解明されたジヒドレキシジン(3)の
活性エナンチオマーの構成は、このモデルによる予測と一致した。
【0007】 三置換アミノメチルイソクロマンのような、他の高親和性で、高い固有の活性
を有するDアゴニストと異なり、ジヒドレキシジン(3)によりドーパミンリ
ガンドモデルを開発用の半ばしっかりした鋳型が得られた。このモデルの重要な
特徴は、トランソイドβ−フェニルドーパミン部分、塩基性窒素原子上の赤道面
配向孤立電子対、および懸垂フェニル環がカテコール環と近い共平面にあること
を含む。ジヒドレキシジンをベースにしたモデルは、トランソイドβ−フェニル
ドーパミン部分を有する一方で、ドーパミン作動性フェニルテトラヒドロベンザ
ゼピンはシソイドβ−フェニルドーパミン立体構造を有する。ジヒドレキシジン
をベースにしたモデルは、さらなるDレセプターアゴニスト設計の基礎として
使用されている。高い固有の活性を有するDレセプターの設計および合成は、
複雑な中枢神経系媒介事象および末梢ドーパミンレセプターが関与する病態の治
療用の完全なアゴニストとして潜在的に有用であるために、医学研究機関で重要
視されている。例えば、本発明の組成物は降圧剤ならびに肺および腎機能に影響
を与える薬剤としての潜在的有用性を有する。
【0008】 本発明の1つの実施形態は、一般式 の新規のクラスのドーパミンレセプターアゴニストおよびその薬学的に受容可能
な塩ならびにこのような化合物の薬学的処方物である。本発明の化合物は、中枢
神経系のドーパミン関連機能障害(神経学的、心理学的、生理学的、および挙動
障害によって証明される)ならびに末梢ドーパミンレセプターが関与する病態(
腎臓、肺、内分泌系、および心血管系などの標的組織を含む)を罹患している患
者の治療に有用である。
【0009】 <<実施例>> 本発明によれば、一般式 (式中、R〜Rは水素、C〜CアルキルまたはC〜C24アルケニル
であり、Rは水素、C〜Cアルキルまたはフェノキシ保護基であり、X は水素、ハロ(クロロ、フルオロ、およびブロモを含む)、または式−OR基(
式中、Rは水素、C〜Cアルキルまたはフェノキシ保護基である)であり、
、R、およびRは、水素、C〜Cアルキル、フェニル、ハロ、また
は−OR基(式中、Rは上記で定義されている)からなる群から独立して選択さ
れ、Xが式−ORの基である場合はR基およびR基は共に式−CH−の基
を形成することができる)の化合物およびその薬学的に受容可能な塩が得られる
【0010】 用語「C〜C24アルケニル」は、アリル、2−ブテニル、3−ブテニル、
およびビニルをいう。
【0011】 本明細書中で使用される、用語「C〜Cアルキル」は、1〜4個の炭素原
子を含む分枝鎖または直鎖アルキル基をいい、メチル、エチル、プロピル、イソ
プロピル、n−ブチル、t−ブチル、およびシクロプロピルメチルを含むが、こ
れらに限定されない。
【0012】 1つの実施形態では、R、R、またはRのうち少なくとも1つが水素で
ある。別の実施形態では、R、R、またはRのうち少なくとも2つが水素
である。
【0013】 用語「薬学的に受容可能な塩」は、塩が望ましくない毒性、刺激、アレルギー
反応などを伴わずにヒトおよび下等動物に適切である、有機酸または無機酸を使
用して形成された塩をいう。アミン官能基を有する生物学的に活性な化合物の薬
学的に受容可能な塩に適切な酸は当該分野で周知である。この塩は、本発明の化
合物の最終単離および精製の間に、従来の方法によってその場で調製できるか、
遊離塩基形態の単離化合物と適切な塩を生成する酸との反応によって、化合物と
は別に調整することができる。
【0014】 本明細書中で使用される、用語「フェノキシ保護基」は、合成中の望ましくな
い反応および分解を防止し、その後分子上の他の官能基に影響を与えることなく
除去することができるフェノール類の酸素上の置換基をいう。このような保護基
およびその適用および除去法は当該分野で周知である。これらには、エーテル(
シクロプロピルメチル、シクロヘキシル、アリルエーテルなど)、アルコキシア
ルキルエーテル(メトキシメチルまたはメトキシエトキシメチルエーテルなど)
、アルキルチオアルキルエーテル(メチルチオメチルエーテルなど)、テトラヒ
ドロピラニルエーテル、アリールアルキルエーテル(ベンジル、o−ニトロベン
ジル、p−メトキシベンジル、9−アントリルメチル、4−ピコリルエーテルな
ど)、トリアルキルシリルエーテル(トリメチルシリル、トリエチルシリル、t
−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリルエーテルなど)、アルキ
ルおよびアリールエステル(アセテート、プロピオネート、ブチレート、イソブ
チレート、トリメチルアセテート、ベンゾエートなど)、カーボネート(メチル
、エチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−トリメチルシリルエチル、ベン
ジルなど)、ならびにカルバメート(メチル、イソブチル、フェニル、ベンジル
、ジメチルなど)が含まれる。
【0015】 本明細書中で使用される、用語「C〜Cアルコキシ」は、酸素原子を介し
て結合した1〜4個の炭素元素を含む分枝鎖または直鎖アルキル基をいい、メト
キシ、エトキシ、プロポキシ、およびt−ブトキシが含まれるが、これらに限定
されない。
【0016】 さらに、本発明の他の実施形態によれば、本発明の化合物を、中枢神経系また
は末梢神経系のドーパミン関連機能障害罹患患者の治療法で使用される従来の投
薬形態で処方することができる。本発明の化合物の有効量は、多数の因子(治療
される適応症、投与経路、および患者の全体的な状態を含む)に依存する。経口
投与では、例えば、本発明の化合物の有効量は、約0.1〜約50mg/kg、
より典型的には約0.5〜約25mg/kgの範囲と予想される。有効な非経口
投与量は、約0.01〜約5mg/kg体重の範囲であり得る。一般に、本発明
の化合物を利用する治療計画は、1日あたり約1mg〜約500mgの本発明の
化合物の複数回投与または単回投与を含む。
【0017】 経口投与用の液体投薬形態には、当該分野で一般的に使用されている水などの
不活性な希釈剤を含む、薬学的に受容可能な乳濁液、ミクロエマルジョン、溶液
、懸濁液、およびシロップを含み得る。このような組成物はまた、湿潤剤、乳化
剤および懸濁剤、甘味料および香料などの補助剤を含み得る。本発明の化合物の
注射用調製物を、水、より好ましくは等張塩化ナトリウム溶液などの非経口的に
受容可能な希釈剤中に有効用量の化合物を分散または溶解することによって当該
分野で認識された生産物を使用して処方することができる。非経口用処方物を、
当該分野で認識された微細濾過技術を使用して滅菌することができる。
【0018】 本発明の化合物を、経口投与用の固体投薬形態(カプセル、錠剤、粉剤、丸薬
など)として処方することができる。典型的には、活性化合物を、糖またはデン
プンなどの不活性な希釈剤またはキャリアおよび投薬形態に適切な他の付形剤と
混合する。したがって、錠剤処方物は、受容可能な潤滑剤、結合剤、および/ま
たは錠剤分解物質を含む。任意選択的に本発明の活性化合物を含む粉末組成物お
よび例えばデンプンまたは糖キャリアを経口投与用にゼラチンカプセルに充填す
ることができる。本発明の化合物の他の投薬形態を、当該分野で認識されている
技術を使用して特異的投与様式に適応する形態に処方することができる。
【0019】 本発明によって得られる1つの化合物は、(±)−8,9−ジヒドロキシ−1
,2,3,11b−テトラヒドロクロメノ[4,3,2−de]イソキノリンヒ
ドロブロミド(以後、「ジノキシリン」と呼ぶ)である。スキーム1に記載のよ
うに、2,3−ジメトキシフェノールからジノキシリンを合成する。フェノール
基をメトキシメチル(「MOM」)誘導体として保護し、その後ブチルリチウム
で処理し、例示の置換ボロランで処理してボロラン誘導体2が得られる。
【0020】 スキーム1に記載のように、次いで、このボロラン誘導体を、5−ニトロ−4
−ブロモイソキノリンとのPd触媒Suzuki型クロスカップリング反応に使
用する。得られたカップリング生成物4を、トルエンスルホン酸のメタノール溶
液で処理して、フェノールのMOM保護基を除去する。80℃で、このニトロフ
ェノール5を炭酸カリウムのDMF溶液で簡単な処理をすることにより、ニトロ
基を損失せずに閉環して塩基性四環系クロメノイソキノリン核6が得られる。簡
単な触媒作用による水素化により窒素含有環が還元されて7が得られる。三臭化
ホウ素を使用してメチルエーテル結合を切断して親化合物8が得られる。
【0021】 イソキノリン環上の適切な置換により、広範な種々の置換化合物を得ることが
できることが明白である。6または7のいずれかの窒素原子の置換後、還元する
ことにより窒素原子が低級アルキル基に置換された一連の化合物が容易に得られ
る。同様に、ニトロイソキノリン3の1、3、6、7、または8位でのアルキル
置換の利用により、種々の環置換化合物が得られる。さらに、6の3位を、種々
のアルキル基と直接置換することもできる。同様に、スキーム1の2の4−メト
キシ基のフルオロ、クロロ、またはアルキル基への置換により、Xが変形した
本件の化合物が得られる。6から7への変換に使用された触媒による水素化条件
に対して安定ではない核に基が存在する場合、わずかに酸性pHで水素化シアノ
ホウ素ナトリウムを使用して還元することができることを見出した。さらに、6
の誘導体のNアルキル第四級塩の形成により、水素化ホウ素ナトリウムで容易に
還元され、7の誘導体が得られるような化合物が得られる。
【0022】 トランス−10,11−ジヒドロキシ−5,6,6a,7,8,12b−ヘキ
サヒドロベンゾ[a]フェナントリジン[(+)−ジヒドレキシジン]と12b
Sキラル中心で(+)−ジヒドレキシジンにホモキラルなジノキシリンの11b
Rエナンチオマーとの低エネルギー高次構造の空間充填を比較した。2つの主要
な構造上の特徴は明らかである。第1に、ジヒドレキシジン(3)中のC(7)
−C(8)エタノ架橋による立体的容積が除去されている。第2に、カテコール
環の面に関する懸垂フェニル環の角度がわずかに変化する。これは、伏せた状態
で最も明白であり、ジヒドレキシジン(3)中の芳香族水素H(1)がカテコー
ル環上に突き出す。しかし、ジノキシリンでは、この位置を使用し、酸素原子を
介してカテコール環に懸垂フェニル環をつなぎとめる。これにより、上から見た
場合、懸垂フェニル環がジヒドレキシジン(3)に対して時計回りの方向に強制
的にねじれる。複素環の立体構造の可動度の度合いを考えると、アミノ基は同様
の位置に存在する。さらに、両分子は、赤道方向にN−Hベクトルで存在し、フ
ァルマコフォアの特徴はDレセプターアゴニストに重要であると考えることが
できる。これらの観察に符合して、これら2つの分子の薬理学的特性は類似して
いる。
【0023】 レセプターへのジノキシリンの結合を決定するために実験を行った。ジノ
キシリンはラット線条体Dレセプターのジナプソリンに対する親和性(K0. <5nM)と類似の親和性を有することが見出された。さらに、競合物として
非標識SCH23390(1)を使用した競合実験により、浅い競合曲線(n =約0.7)を有する高親和性のジノキシリンはアゴニストの性質に一致して、
競合することが示された(図1および図2を参照のこと)。Dレセプターに対
するジノキシリンのアゴニストとしての性質を、ジノキシリンのラット線条体お
よびC−6−mD細胞中のcAMP生産の増加能力の測定によってin vi
troで確認した。ラット線条体およびC−6−mDの両方では、ジノキシリ
ンは、Dレセプターを介したcAMP合成の刺激をする際、30nM未満のE
50の完全なアゴニスト活性を有する。
【0024】 したがって、薬理学的データにより、ジノキシリンは[H]SCH2339
0で標識したドーパミンDレセプターに高い親和性を示し、これはトランス−
10,11−ジヒドロキシ−5,6,6a,7,8,12b−ヘキサヒドロベン
ゾ[a]フェナントリジン(ジヒドレキシジン3)の親和性よりもわずかに高い
ことが確認される。さらに、ラット線条体膜およびクローン化し発現された霊長
類D1Aレセプターの両方において、ジノキシリンはドーパミンに関して完全な
アゴニストであり、これはジヒドレキシジン(3)と類似するが、部分的アゴニ
スト(+)−SKF 38393と異なる(図2および図3を参照のこと、(+
)−SKF 38393=(+)−2、(±)−トランス−10,11−ジヒド
ロキシ−5,6,6a,7,8,12b−ヘキサヒドロベンゾ[a]フェナント
リジン=(±)−3、および(±)−8,9−ジヒドロキシ−2,3,7,11
b−テトラヒドロ−1H−ナフト[1,2,3−de]イソキノリン=4、ジナ
プソリン)。
【0025】 Dファルマコフォアの基本モデルに基づいて、ラセミ体ジノキシリン(およ
びその置換アナログ)の親和性および固有の活性はそのエナンチオマーの1つ(
11bR絶対立体配置(およびそのホモキラルアナログ))にしか存在しないこ
とが予測される。当該分野で認識されている分離技術を使用したラセミ化合物の
分解によりラセミ化合物の約2倍のD親和性を有する1つのジノキシリン異性
体が得られると期待される。
【0026】 ジヒドレキシジンは約10倍のD:D選択性を示すと決定された。さらに
、ジヒドレキシジンは、期待されるドーパミンアゴニスト活性を有する一方で、
本明細書中で「機能的選択性」と呼ばれる独特の性質も有していた。特に、ラッ
ト(in vivoまたはin vitro)では、ジヒドレキシジンは、シナ
プス後に存在するD様レセプターに対するアゴニストとして作用するが、シナ
プス前に存在するD様レセプターに対するアンタゴニストとして作用する。こ
れは、一定の細胞環境に存在する特異的Gタンパク質によって決定されるように
、シナプス後とシナプス前とでの存在するリガンド−レセプター−Gタンパク質
複合体の相違によると考えられている。図1および表1に示すように、哺乳動物
の脳において第1の完全なアゴニストがDおよびDレセプターの両方に非常
に高い親和性を示す場合、ジノキシリンはジヒドレキシジンよりもD様レセプ
ターへの親和性が高い。さらに、ジノキシリンはその「機能的選択」特性におい
てジヒドレキシジンと異なる。
【0027】 Dレセプターに対して高親和性の完全なアゴニストである同一のエナンチオ
マー(すなわち、6aR、12bS)中にジヒドレキシジンのD特性が存在す
ることが示された。これに基づいて、ジノキシリンのDおよびD特性はホモ
キラルエナンチオマーにも存在すると期待される。ジノキシリンの光学異性体お
よび適切なアナログは、「機能的選択性」の現象を研究するための有意なツール
を構成する。
【0028】 パーキンソン病のMPTPモデルにおけるジヒドレキシジンの抗パーキンソン
病効果は以前に報告されており、ジノキシリンが類似の効果を示すと予想される
。図4に示すように、ラット片側側面での6−OHDA欠損モデル(in vi
voドーパミンアゴニスト活性を示す典型例)においてジオキシリンを試験し、
抗パーキンソン病効果が予想できると提唱した者もいる。認められるように、ジ
ノキシリンは有意に循環して、それは単回皮下用量から約5時間持続する。これ
は、同一経路で投与されたジヒドレキシジンの類似の用量による作用の2倍を超
える持続時間である。これらのデータと一致して、中程度の重症度のMPTP誘
導ドーパミン脱神経罹患するマーモセットでも予備研究を行った。ジノキシリン
は、歩行運動および覚醒を増加し、パーキンソン病徴候を減少させる有意な抗パ
ーキンソン病効果を有することが見出された。したがって、ジノキシリンおよび
その誘導体は、パーキンソン病および他の病態で、ドーパミンレセプターの蹂躙
が治療に役立ち得る潜在的な臨床上の有用性を有する。さらに、ジヒドレキシジ
ンの適切な改変によりドーパミンレセプターファミリーの特異的亜集団を標的と
することができるアナログが生成されることが報告されている。ジノキシリンを
使用した同様のストラテジーにより新規のサブタイプ選択性および/または機能
的プロフィールを有する化合物が得られるはずであるが、これらの置換の効果は
ジヒドレキシジンバックボーンを使用した効果とは同一ではない。
【0029】 ドーパミン自体は、全てのドーパミンレセプターを活性化するが、静脈内投与
しなければならず、薬物動態学的半減期が非常に短く、他のモノアミンレセプタ
ーも活性化し得るので、薬物としてほとんど使用されない。この系列物質は、い
くつかの重要な経路における初期の強固なドーパミンアナログと異なる。第1に
、これは、Dレセプターに少なくとも同等に高い親和性も有する第1の高親和
性完全Dアゴニストの系列物質である。したがって、ジヒドレキシジンは10
倍のD:D選択性であり、ジナプソリンは5倍のD:D選択性であり、
ジノキシリンは実際には両レセプターに対して同等に高い親和性を有する。2つ
の初期の系列物質では、D親和性を増加することが可能であるが、D親和性
を犠牲にしている場合だけである。この系列物質により、両レセプター集団に高
親和性を有する薬物を得ることができる。DおよびD両方に同時に高親和性
を示す薬物により、主要なファミリーの1つのみに高親和性を示す薬剤を超える
特異的な臨床上の利点が得られる。この系列物質の新規性は、特異的ドーパミン
レセプターイソ型との相互作用を調べた場合により明白である。この系列物質と
ジヒドレキシジンおよびジナプソリンのような初期薬物との間の重要な相違点は
、これらの薬剤がDレセプターイソ型に本質的に親和性を示さないことである
。逆に、ジノキシリンはクローン化したヒトDレセプターに45nM未満のK 0.5 を有し、これはジナプソリンまたはジヒドレキシジンもしくはそれらの誘
導体のいずれかと比較すると、1,000倍を超える。Dアンタゴニストは精
神分裂症治療効果を欠くことが示されているにもかかわらず、選択された精神医
学的および神経学的疾患に対する有効性の高いDアゴニストとして高い潜在性
を有する。
【0030】 この系列物質との別の主要な相違点は、レセプター活性に対する置換効果であ
る。これは、N−プロピルまたはN−アリル付加により親リガンドのD親和性
が顕著に増加するということがジヒドレキシジンを用いた利用可能なデータに基
づいて予想されている。実際、これらのN置換体は親化合物のD親和性を有意
に減少させた。この劇的な相違により、ジノキシリンは予想外の方法でDレセ
プターに結合し、同様に固有の治療有用性を有することが示唆された。
【0031】 以下に記載の実験手順を基準にして、Thomas−Hoover融点装置を
用いて融点を測定したが、修正されていない。Varian VXR 500S
(500MHZ)NMR装置を使用してH NMRスペクトルを記録し、TM
Sと比較した値(ppm)で化学シフトを報告した。Perkin Elmer
1600シリーズFTIR分光計を用いて、KBrペレットまたは液体フィル
ムとしてIRスペクトルを記録した。Finnigan 4000四重極質量分
析計によって化学イオン化質量スペクトル(CIMS)を記録した。Krato
s MS50分光計を使用して高分解能CIスペクトルを記録した。元素分析デ
ータを、Purdue University,West Lafayette
,INの微量分析研究室から得た。
【0032】 使用直前に、THFを窒素下でベンゾフェノン−ナトリウムから蒸留した。使
用前に1,2−ジクロロエタンを亜リン酸ペントキシドから蒸留した。
【0033】 実施例1A.8,9−ジヒドロキシ−1,2,3,11b−テトラヒドロクロ
メノ[4,3,2−de]イソキノリンヒドロブロミド(ジノキシリン)の合成
【0034】 <1,2−ジメトキシ−3−メトキシメトキシベンゼン(1)> 0℃のアルゴン下で、7.06g(0.18mol)の水素化ナトリウム(6
0%鉱物油分散液)に1000mlの無水THFを添加することによって水素化
ナトリウムの懸濁液を調製した。懸濁液に、シリンジで2,3−ジメトキシフェ
ノール(23.64g、0.153mol)を添加した。得られた溶液を室温に
し、2時間撹拌した。黒色溶液を0℃に冷却し、13.2mlのクロロメチルメ
チルエーテル(14g、0.173mol)をシリンジでゆっくり添加した。溶
液を室温にし、さらに8時間撹拌した。黄色混合物をオイルになるまで濃縮し、
1000mlのジエチルエーテル中に溶解した。得られた溶液を、水(500m
l)、2N NaOH(3×400ml)で洗浄し、脱水し(MgSO)、濾
過し、濃縮した。Kugelrohr蒸留(90〜100℃、0.3気圧)後、
24.6gの透明なオイル(84%)が得られた:H NMR:(300MH
z、CDCl):6.97(t,1H,J=8.7Hz);6.79(dd,
1H,J=7.2、1.8Hz);6.62(dd,1H,J=6.9、1.2
Hz);5.21(s,2H);3.87(s,3H);3.85(s,3H)
;3.51(s,3H)。CIMS m/z:199(M+H,50%);1
67(M+H−CHOH,100%)。C1014の分析計算:C,
60.59;H,7.12。結果:C,60.93;H,7.16。
【0035】 <2−(3,4−ジメトキシ−2−メトキシメトキシフェニル)−4,4,5,
5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン(2)> MOMで保護されたフェノール1(10g;0.0505mol)を、100
0mlの無水ジエチルエーテルに溶解し、−78℃に冷却した。次いで、n−ブ
チルリチウム(22.2mlの2.5M溶液)の溶液を、シリンジで添加した。
冷却槽を取り除き、溶液を室温にした。室温で2時間、溶液を撹拌した後、黄色
沈殿が観察された。混合物を−78℃に冷却し、15mlの2−イソプロポキシ
−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(0.080
mol)をシリンジで添加した。2時間後、冷却槽を取り除いた。室温で4時間
撹拌を継続した。次いで、300mlの水中に混合物を注ぎ、ジエチルエーテル
(3×300ml)で数回抽出し、脱水し(NaSO)、黄色オイル(12
.37g、76%)になるまで濃縮し、さらなる精製を行わずに使用した。
NMR:(300MHz、CDCl):7.46(d,1H,J=8.4H
z);6.69(d,1H,J=8.4Hz);5.15(s,2H);3.8
7(s,3H);3.83(s,3H);1.327(s,12H)。
【0036】 <4−ブロモ−5−ニトロイソキノリン(3)> 硝酸カリウム(5.34g;0.052mol)を20mlの濃硫酸に添加し
、慎重に加熱することにより、ゆっくりと溶解した。得られた溶液を、40ml
の同一の酸に溶解した4−ブロモイソキノリン(10g;0.048mol)溶
液に0℃で滴下した。冷却槽の除去後、溶液を室温で1時間撹拌した。次いで、
反応混合物を、砕いた氷(400g)に注ぎ、水酸化アンモニウムで塩基性にし
た。得られた黄色沈殿を、濾過によって回収し、濾過物をジエチルエーテル(3
×500ml)で抽出し、脱水し(NaSO)、濃縮して黄色固体がえられ
、これを最初の沈殿と合わせた。メタノールからの再結晶により、12.1g(
89%)のわずかに黄色の結晶が得られた。mp 172〜174℃;H N
MR:(300MHz、CDCl):9.27(s,1H);8.87(s,
1H);8.21(dd,1H,J=6.6,1.2Hz);7.96(dd,
1H,J=6.6,1.2Hz);7.73(t,1H,J=7.5Hz);C
IMS m/z:253(M+H,100%);255(M+H+2,10
0%)。CBrNの分析計算:C,42.72;H,1.99;N
,11.07。結果:C,42.59;H,1.76;N,10.87。
【0037】 <4−(3,4−ジメトキシ−2−メトキシメトキシフェニル)−5−ニトロイ
ソキノリン(4)> イソキノリン3(3.36g;0.0143mol)、ピナコールボロネート
エステル2(5.562g;0.0172mol)、および1.0g(6mol
%)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を、100ml
のジメトキシエタン(DME)に懸濁した。水酸化カリウム(3.6g;0.0
64mol)および0.46g(10mol%)のテトラブチルアンモニウムブ
ロミドを14.5mlの水に溶解して、DME混合物に添加した。得られた懸濁
液を、30分間アルゴンで脱気し、4時間還流して過熱した。得られた黒色溶液
を室温に冷却し、500mlの水に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出し(3×50
0ml)、脱水し(NaSO)、濃縮した。次いで、生成物をカラムクロマ
トグラフィー(シリカゲル、50%酢酸エチル:ヘキサン)で精製して5.29
gの黄色結晶(80.1%)を得た。mp138〜140℃;H NMR:(
300MHz、CDCl):9.33(s,1H);8.61(s,1H);
8.24(dd,1H,J=7.2,0.9Hz);8.0(dd,1H,J=
6.3,1.2Hz);7.67(t,1H,J=7.8Hz);7.03(d
,1H,J=9.6Hz);6.81(d,1H,J=8.1Hz);4.86
(d,1H,J=6Hz);4.70(d,1H,J=5.4Hz);3.92
(s,3H);3.89(s,3H);2.613(s,3H)。CIMS m
/z:371(M+H,100%)。C1918の分析計算:C,
61.62;H,4.90;N,7.56。結果:C,61.66;H,4.9
0;N,7.56。
【0038】 <2,3−ジメトキシ−6−(5−ニトロイソキノリン−4−イル)フェノール
(5)> 200mlのメタノール中にイソキノリン4(5.285g、0.014mo
l)を穏やかに加熱しながら溶解後、p−トルエンスルホン酸一水和物(8.1
5g、0.043mol)を数回に分けて添加した。室温で4時間撹拌し続けた
。反応完了後、溶液を飽和重炭酸ナトリウムの添加によって塩基性にした。次い
で、生成物をジクロロメタン(3×250ml)で抽出し、脱水し(NaSO )、濃縮した。得られた黄色固体(4.65g、98%)を、次の反応に直接
使用した。分析サンプルをメタノールから再結晶した。mp170〜174℃; H NMR:(300MHz、CDCl):9.33(s,1H);8.6
2(s,1H);8.24(dd,1H,J=7.2,0.9Hz);7.99
(dd,1H,J=6.3,1.2Hz);7.67(t,1H,J=7.8H
z);6.96(d,1H,J=8.7Hz);6.59(d,1H,J=8.
7Hz);5.88(bs,1H);3.94(s,3H);3.92(s,3
H)。CIMS m/z:327(M+H,100%)。C1714 の分析計算:C,62.57;H,4.32;N,8.58。結果:C,62
.18;H,4.38;N,8.35。
【0039】 <8,9−ジメトキシクロメノ[4,3,2−de]イソキノリン(6)> フェノール5(4.65g、0.014mol)を、100mlの無水N,N
−ジメチルホルムアミドに溶解した。溶液を、アルゴンで30分間脱気した。炭
酸カリウム(5.80g、0.042mol)を1回で黄色溶液に添加した。8
0℃で1時間の加熱後、混合物は褐色に変化し、もはや出発材料は残存していな
かった。溶液を室温に冷却後、200mlの水を添加した。水層をジクロロメタ
ンで抽出し(3×500ml)、この有機抽出物を水で洗浄し(3×500ml
)、脱水し、(NaSO)、濃縮した。白色粉末(3.65g、92%)が
得られ、これをさらに精製せずに次の反応に使用した。分析サンプルを酢酸エチ
ル:ヘキサンから再結晶した。mp195〜196℃;H NMR:(300
MHz、CDCl):9.02(s,1H);8.82(s,1H);7.8
7(d,1H,J=8.7Hz);7.62(m,3H);7.32(dd,1
H,J=6.0,1.5Hz);6.95(d,J=9.6Hz);3.88(
s,3H);3.82(s,3H)。CIMS m/z:280(M+H,1
00%)。
【0040】 <8,9−ジメトキシ−1,2,3,11b−テトラヒドロクロメノ[4,3,
2−de]イソキノリン> 酸化白金(IV)(200mg)を、50mlの酢酸およびイソキノリン6(
1g,3.5mmol)を含む溶液に添加した。2.8mlの濃縮HClの添加
後、混合物をParr水素付加器で、60psiで24時間震盪した。緑色溶液
をCeliteで濾過して触媒を取り除き、回転式蒸発によって大部分の酢酸を
除去した。残存した酸を飽和重炭酸ナトリウム溶液で中和し、ジエチルエーテル
で抽出し(3×500ml)、脱水し(NaSO)、濃縮した。得られたオ
イル(0.997g;99%)をさらに精製することなく使用した。H NM
R:(300MHz、CDCl):7.10(t,1H,J=7.5Hz);
7.00(d,1H,J=8.4Hz);6.78(m,2H);6.60(d
,1H,J=9Hz);4.10(s,2H);3.84(m,8H);2.9
3(t,1H,J=12.9Hz)。
【0041】 <8,9−ジヒドロキシ−1,2,3,11b−テトラヒドロクロメノ[4,3
,2−de]イソキノリンヒドロブロミド(8)> 不純物を含んだ7(0.834g;3.0mmol)を、50mlの無水ジク
ロロメタンに溶解した。溶液を−78℃に冷却し、15.0mlのホウ素トリブ
ロミド溶液(ジクロロメタン中、1.0M溶液)をゆっくり添加した。反応物を
ゆっくり室温にしながら溶液を一晩撹拌した。溶液を−78℃に再冷却し、50
mlのメタノールをゆっくり添加して反応を停止させた。次いで、溶液を濃縮し
て乾燥させた。メタノールを添加し、溶液を濃縮した。この工程を3回繰り返し
た。得られた褐色固体を活性炭で処理し、エタノールから再結晶させた。mp2
98〜302℃dec;H NMR:(300MHz、DO):7.32(
t,1H,J=6.6Hz);7.13(d,1H,J=8.4Hz);7.0
4(d,1H,J=8.4Hz);4.37(m,2H);4.20(t,3H
,J=10Hz)。C1514BrNOOの分析計算:C,50.87
;H,4.55;N,3.82。結果:C,51.18;H,4.31;N,3
.95。
【0042】 <N−アリル−8,9−ジメトキシ−1,2,3,11b−テトラヒドロクロメ
ノ[4,3,2−de]イソキノリン(10)> テトラヒドロイソキノリン7(1.273g;4.5mmol)を150ml
のアセトンに溶解した。炭酸カリウム(0.613g;4.5mmol)および
0.4ml(4.6mmol)の臭化アリルを添加した。反応物を室温で4時間
撹拌した。次いで、固体を濾過して除去し、フィルター上をエーテルで数回洗浄
した。濾過物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、50%酢
酸エチル:ヘキサン)で精製して1.033g(71%)の黄色オイルが得られ
、これをさらに精製することなく使用した。H NMR:(300MHz、C
DCl):7.15(t,1H,J=9Hz);7.04(d,1H,J=9
Hz);6.83(m,2H);6.65(d,1H,J=6Hz);5.98
(m,1H);5.27(m,2H);4.10(m,3H);3.95(s,
3H);3.86(s,3H);3.46(d,1H,J=15Hz);3.3
0(d,2H,J=6Hz);2.56(t、1H,J=12Hz)。
【0043】 <N−アリル−8,9−ジヒドロキシ−1,2,3,11b−テトラヒドロクロ
メノ[4,3,2−de]イソキノリン(11)> N−アリルアミン10(0.625g;1.93mmol)を、50mlのジ
クロロメタンに溶解した。溶液を−78℃に冷却し、10.0mlのBBr
液(ジクロロメタン中、1.0M溶液)をゆっくり添加した。反応物をゆっくり
室温にしながら溶液を一晩撹拌した。溶液を−78℃に再冷却後、50mlのメ
タノールをゆっくり添加して反応を停止させた。次いで、反応物を濃縮して乾燥
した。メタノールを添加し、溶液を濃縮した。この過程を3回繰り返した。エタ
ノールから褐色固体を再結晶させて、0.68g(61%)の白色固体を得た。
mp251〜253℃ dec;H NMR:(300MHz、DO):1
0.55(s,1H);10.16(s,1H);8.61(t,1H,J=9
Hz);8.42(d,1H,J=9Hz);8.31(d,1H,J=9Hz
);7.87(d,1H,J=9Hz);7.82(d,1H,J=9Hz);
7.36(q,1H,J=9Hz);6.89(m,2H);6.85(d,1
H,J=15Hz);5.58(m,3H);5.28(m,2H);3.76
(d,1H,J=3Hz)。HRCIMS m/z:計算:295.1208。
結果:295.1214。
【0044】 <N−プロピル−8,9−ジメトキシ−1,2,3,11b−テトラヒドロクロ
メノ−(4,3,2−de)−イソキノリン(12)> N−アリルアミン10(1.033g;3.2mmol)を50mlのエタノ
ールに溶解した。活性炭結合パラジウム(10%乾燥;0.103g)を添加し
た。混合物をParr水素付加器で、60psiで3時間震盪した。TLCがも
はや出発材料を示さなくなった後、混合物をCeliteで濾過し、濃縮して0
.95g(91%)のオイルが得られ、これをさらに精製せずに使用した。
NMR:(300MHz、CDCl):7.15(t,1H,J=7.2H
z);7.04(d,1H,J=8.1Hz);6.84(t,2H,J=7.
5Hz);6.55(d,1H,J=8.4Hz);4.07(m,2H);3
.95(s,3H);3.86(s,3H);3.71(q,1H,J=5.1
Hz);3.42(d,2H,J=15.6Hz);2.62(m,2H);2
.471(t,J=10.5Hz);1.69(h,2H,J=7.2Hz);
0.98(t,3H,J=7.5Hz)。CIMS m/z:326(M+H ,100%)。
【0045】 <N−プロピル−8,9−ジヒドロキシ−1,2,3,11b−テトラヒドロク
ロメノ[4,3,2−de]イソキノリン(13)> N−プロピルアミン12(0.90g;2.8mmol)を200mlのジク
ロロメタンに溶解し、−78℃に冷却した。個別の250mlの丸底フラスコに
、125mlの無水ジクロロメタンを−78℃に冷却し、1.4ml(14.8
mmol)のBBrをシリンジで添加した。BBr溶液を、カニューレを使
用して出発材料を含むフラスコに移した。反応物をゆっくり室温にしながら溶液
を一晩撹拌した。溶液を−78℃に再冷却後、50mlのメタノールをゆっくり
添加して反応を停止させた。次いで、反応物を濃縮して乾燥させた。メタノール
を添加し、溶液を濃縮した。この過程を3回繰り返した。得られた黄褐色固体を
加熱イソプロピルアルコールに懸濁した。室温にゆっくり冷却して細かい黄色沈
殿を得た。固体を濾過によって回収した(0.66g;63%)。mp 259
〜264℃;H NMR:(300MHz、CDCl):7.16(t,1
H,J=9Hz);6.97(d,1H,J=12Hz);6.83(d,1H
,J=9Hz);6.55(d,1H,J=9Hz);6.46(d,1H,J
=9Hz);4.45(d,1H,J=15Hz);4.10(m,3H);3
.17(q,2H,J=6Hz);3.04(t,1H,J=9Hz);1.7
3(q,2H,J=9Hz);0.90(t,3H,J=6Hz)。C18 BrNOの分析計算:C,57.16;H,5.33;N,3.70。結果
:C,56.78;H,5.26;N,3.65。
【0046】 <<ジノキシリンの薬理学。方法:脳組織中の放射受容体研究>> 凍結ラット線条体を、4.0mM MgClを含む8mlの氷冷50mM
HEPES緩衝液(pH7.4)中でWheatonTeflon−ガラスホモ
ゲナイザーを使用して手動で7回ホモゲナイズした。組織を、27,000×g
で10分間遠心分離し、上清を捨て、ペレットをホモゲナイズし(5回)、氷冷
緩衝液中に再懸濁し、再度遠心分離した。最終ペレットを約2.0mgの湿重量
/mlの濃度に懸濁した。各アッセイチューブに添加した組織量は、1.0ml
の最終アッセイ体積中に1.0mgであった。Dレセプターを、[H]SC
H23390(0.3nM)で標識した。Dレセプターを、[H]スピペロ
ン(0.07nM)で標識し、非標識ケタンセリン(50nM)を添加して、5
HT部位への結合をマスクした。全結合を、競合薬の非存在下で結合した放射
性リガンドとして定義した。非特異的結合を、それぞれDおよびDレセプタ
ー結合アッセイについての非標識SCH23390(1μM)または非標識クロ
ルプロマジン(1M)の添加によって評価した。各アッセイにおける各薬物濃度
について三連で定量を行った。アッセイチューブを、37℃で15分間インキュ
ベートした。ガラスファイバーフィルターマット(Skatron番号7034
)を使用したSkatron12ウェル細胞収穫器(Skatron,Inc.
、Sterling、VA)上での氷冷緩衝液で濾過することによって、結合反
応を停止させた。フィルターを乾燥させ、2.0mlのOptiphase H
I−SAF IIシンチレーション液を添加した。30秒間の震盪後、LKB
Wallac 1219 RackBeta液体シンチレーションカウンター(
Wallac、Gaithersburg、MD)で放射能を測定した。組織の
タンパク質レベルを、BCAタンパク質アッセイ試薬を使用して測定した。
【0047】 <<脳組織の機能研究>> 凍結線条体組織(約40mg)を、4mlの緩衝液(5mM Hepes、2
mM EGTA(pH7.5))中でWheatonTeflon−ガラスホモ
ゲナイザーを使用して10回ホモゲナイズした。2mM EGTA緩衝液(pH
7.5)を含む4mlの50mM Hepesを添加し、組織をさらに3回ホモ
ゲナイズした。20μl画分のこの組織ホモゲネートを、準備した反応物に添加
した。反応混合物は、100mM Hepes(pH7.4)、100mM N
aCl、4mM MgCl、2mM EDTA、500μMイソブチルメチル
キサンチン(IBMX)、0.01%アスコルビン酸、10μMパージリン、2
mM ATP、5μM GTP、20mMホスホクレアチン、5ユニットのクレ
アチンホスホキナーゼ(CPK)、および選択濃度のDAからなる。最終反応体
積は100μlであった。基礎cAMP活性を、薬物無添加の反応混合物中の組
織のインキュベーションによって測定した。チューブを、二連でアッセイした。
30℃で15分のインキュベーション後、反応を500μlの0.1N HCl
の添加によって停止させた。チューブを短時間ボルテックスし、BHG Her
mleZ230M微量遠心分離機により15,000×gで5分間スピンして巨
大粒子を除去した。
【0048】 各サンプル中のcAMP濃度を、以前に記載されたもの(Harper an
d Brooker、1975)を改変したアセチル化cAMPのRIAを使用
して測定した。以前に記載の方法(Patel and Linden、198
8)を使用して、cAMPのヨウ素化を行った。アッセイ緩衝液は、0.1%ア
ジ化ナトリウムを含む50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.75)であった
。2〜500fモル/アッセイチューブ濃度の緩衝液中でcAMPの検量線を作
成した。アッセイの感度を向上させるために、全サンプルおよび標準を10μl
のトリエチルアミン:無水酢酸の2:1溶液でアセチル化した。サンプルを二連
でアッセイした。各アッセイチューブは、100μlの希釈サンプル、100μ
lの一次抗体(ヒツジ、抗cAMP、1%BSAを含む緩衝液で1:100,0
00希釈)、および100μlの[125I]−cAMP(50,000dpm
/100μl緩衝液)を含み、全アッセイ体積は300μlであった。チューブ
をボルテックスし、4℃で一晩(約18時間)保存した。25μLのBioMa
gウサギ抗ヤギIgG(Advanced Magnetics、Cambri
dge、MA)を添加した後、ボルテックスし、さらに4℃で1時間インキュベ
ーションすることによって抗体結合放射能を分離した。これらのサンプルに1m
lの12%ポリエチレングリコール/50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH6.
75)を添加し、全チューブを1700×gで10分間遠心分離した。上清を吸
引し、得られたペレット中の放射能を、LKB Wallacガンマカウンター
(Gaithersvurg、MD)を使用して測定した。
【0049】 <<発現させたレセプターを使用した放射受容体研究>> いくつかの細胞株(例えば、C−6神経膠腫またはチャイニーズハムスター卵
巣(CHO)細胞)の1つにトランスフェクトされたクローン化ヒトまたはサル
レセプターについての放射受容体および機能研究も行った。細胞を適切な培地中
で増殖させ、密集時に膜調製用に回収した。同世代の細胞のフラスコをラバーポ
リスマンを使用してかき取り、50mlの遠心分離用チューブに回収した。これ
らを1200×gで10分間スピンして、ホールセルをペレット化した。上清を
捨て、フラスコ当たり5mlのPBS(リン酸緩衝化生理食塩水)を遠心分離用
チューブに添加して細胞を再懸濁した。次いで、チューブを、28,500×g
で20分間再度遠心分離した。PBSを除去し、ペレットを10%DMSOを含
むPBS溶液に懸濁した。細胞を5に設定したポリトロンで10秒間ホモゲナイ
ズした。1ml画分をレセプター結合研究で使用するまで−80℃で保存した。
BCAタンパク質アッセイ試薬(Pierce、Rockford、IL)を使
用して測定したところ、画分は、約1mg/mlのタンパク質を含んでいた。
【0050】 D様レセプターについて、膜タンパク質(50〜75g)を各試験化合物お
よび[H]SCH23390(0.3nM)と120mM NaCl、5mM
KCl、2mM CaCl、および1mM MgClを含む50mM T
ris−HCl(pH7.4)溶液中でインキュベートした。SCH23390
(5μM)を使用して、非特異的結合を規定した。500μlの最終体積でチュ
ーブを三連で行った。37℃で30分のインキュベーション後、チューブをSk
atronガラスファイバーフィルターマット(11734)で迅速に濾過し、
Skatron Micro Cell収穫器(Skatron Instru
ments Inc.、Sterling、VA)を使用して、5mlの氷冷洗
浄緩衝液(50mM Tris(pH7.4))で洗浄した。フィルターを乾燥
させ、シンチレーションバイアル(Skatron Instruments
Inc.、Sterling、VA))に撃ち込んだ。OptiPhase「H
iSafe」IIシンチレーションカクテル(1ml)を、各バイアルに添加し
た。30分の震盪後、LKB Wallac 1219 Rackbeta液体
シンチレーション計数器(Wallac Inc.、Gaithersburg
、MD)によって各サンプル中の放射能を測定した。[H]スピペロン(0.
07M)を放射性リガンドとして使用すること以外は、D様レセプターと同様
のプロトコールを使用した。
【0051】 <<発現させたレセプターを使用した機能研究>> アゴニスト内因性活性を、ホールセル中のcAMP形成で測定した選択した化
合物のアデニル酸シクラーゼの刺激する能力によって評価した。C−6細胞では
、例えば、各薬物の用量反応曲線をS字形関数と一致させて、最大有効濃度(曲
線上部のプラトー部分)ならびにEC50Sを測定した。細胞の継代によるゆら
ぎを減少させるために全薬物を同一のアッセイを使用した。細胞が密集したプレ
ートを、20mM Hepes、0.01%アスコルビン酸、500μlのイソ
ブチルメチルキサンチン(IBMX、pH7.2、培地A)を含んだDMEM−
H単純培地中に溶解した薬物でインキュベートした。各ウェル中の最終体積は5
00μlであった。各薬物についての用量反応曲線に加えて、各プレートについ
ての基底レベルのcAMPおよびイソプロテレノールで刺激した(内因性β
セプター、ポジティブコントロールによる)cAMPレベルを評価した。各条件
を二連のウェルで行った。37℃で10分のインキュベーション後、細胞を培地
で短時間リンスし、500μlの0.1N HCLの添加によって反応を停止さ
せた。次いで、細胞を4℃で5〜10分間冷却し、ウェルをかき取り、1.7m
lの遠心分離用チューブに入れた。さらに1mlの0.1NHClを各チューブ
に添加し、最終体積を1.5ml/チューブとした。チューブを短時間ボルテッ
クスし、BHG Hermle Z230M微量遠心分離機で15,000×g
で5分間スピンして巨大な細胞粒子を除去した。各サンプルのサイクリックAM
Pレベルを、上記のように測定した。
【0052】 各サンプルのデータを計算し、最初にpmol/mg/分cAMPとして示し
た。各薬物条件で生成された全cAMP量からcAMPの基準線の値を引いた。
アッセイ間の変動を最小にするために、基準化合物(DA、100μM)を各ア
ッセイに含めて、データを標準化させる内部標準として使用した。各薬物につい
てのデータを、100M DAによって得られた刺激の百分率と比較して示した
。基準化用量反応曲線を、カーブフィッティングプログラムInPlot(Gr
aphpad,Inc.、San Francisco、CA)のS字形曲線用
アルゴリズムを使用した非線形回帰によって分析した。各曲線について、プログ
ラムにより得られたEC50および最大刺激の評価値(すなわち、S字形曲線の
上部のプラトー)を得た。
【0053】 <<本件の化合物の特許請求の範囲に記載のさらなる変形形態>> 上記の実施例1と同一の一般的手順を使用して、以下の表IIに記載の例1〜
56の化合物を、スキーム1に例示の化合物に対応するが、各例に記載の融合ク
ロメノイソキノリン生成物を示す置換パターンの獲得に適切な官能基で置換され
ている出発化合物を使用して合成する。したがって、例えば、化合物3(スキー
ムI)の6置換、7置換、および/または8置換アナログにより、それぞれ式I
の対応する置換基R、R、およびRが得られる。他の1置換および3置換
イソキノリン(スキームIの化合物3のアナログ)の使用により、式I中のC およびCでの対応する置換パターンが得られた。
【0054】 前述の例は発明をわかりやすく説明したものであり、開示した化合物に限定す
るためのものではない。当業者にとって明らかな例示した化合物の変異物や修飾
物は、先の請求項で特定される発明の範囲と本質の中にあると理解される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 線条体Dレセプターのジノキシリン(円)、ジナプソリン(ひ
し形)、および(+)−SCH23390(黒塗りの円)の親和性を示すグラフ
図である。ラット線条体Dレセプターを[H]SCH23390(1)で標
識し、非標識ジノキシリン、ジナプソリン、または(+)−SCH23390(
1)を添加してDレセプターへの各化合物の特異的結合を決定した。
【図2】 C−6細胞中で発現した霊長類Dレセプターのジノキシリン(
円)、ジナプソリン(ひし形)、および(+)−SCH23390(黒塗りの円
)の親和性を示すグラフ図である。Dレセプターを[H]SCH23390
(1)で標識し、非標識ジノキシリン、ジナプソリン、または(+)−SCH2
3390(1)を添加してDレセプターへの各化合物の特異的結合を決定した
【図3】 [H]スピペロンで標識した線条体Dレセプターのジノキシ
リン(円)、ジナプソリン(ひし形)、およびクロルプロマジンの親和性を示す
グラフ図である。非標識ジノキシリン、ジナプソリン、またはクロルプロマジン
を添加してDレセプターへの各化合物の特異的結合を決定した。
【図4】 片側側面の6−OHDA欠失モデルにおいてジノキシリン(ひし
形)またはジヒドレキシジン(円)で処理したラットにおける反対側側面への経
時(時間単位)的回転数を示すグラフ図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 13/12 A61P 13/12 25/00 25/00 25/02 25/02 25/14 25/14 25/16 25/16 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN,YU, ZA,ZW (71)出願人 ユニバーシティ オブ ノース カロライ ナ アット チャペル ヒル アメリカ合衆国 ノースカロライナ州 27599−4105 チャペル ヒル キャンパ ス ボックス 4105 バイナム ホール 308 (72)発明者 ニコルス,デヴィッド,イー. アメリカ合衆国・インディアナ州 47906・ウェスト ラファイエット・ウェ スト 225・ノース 4740 (72)発明者 グラブス,ラッセル,エー. アメリカ合衆国・インディアナ州 47901・ラファイエット・ナンバー3・サ ウス シックス ストリート 206 (72)発明者 メイルマン,リチャード,ビー. アメリカ合衆国・ノースカロライナ州 27514・チャペル ヒル・ノース レイク ショア ドライヴ 2101 Fターム(参考) 4C050 AA01 BB07 CC18 EE01 FF01 FF02 GG02 GG03 HH01 4C086 AA01 AA02 AA03 CB22 MA01 MA04 NA14 ZA02 ZA16 ZA20 ZA36 ZA59 ZA81 ZC02

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の式の化合物およびその薬学的に受容可能な塩であって
    式中、 R、R、およびRは水素、C〜CアルキルまたはC〜Cアルケ
    ニルであり、 Rは水素、C〜Cアルキルまたはフェノキシ保護基であり、 Xは水素、ハロ、または式−OR基(式中、Rは水素、C〜Cアルキル
    またはフェノキシ保護基である)であり、さらにXが式−ORの基である場合
    はR基およびR基は共に式−CH−の基を形成することができ、 R、R、およびRは、水素、C〜Cアルキル、フェニル、ハロ、ま
    たは−OR基(式中、Rは上記で定義されている)からなる群から独立して選択
    されることを特徴とする化学式1の化合物およびその薬学的に受容可能な塩。
  2. 【請求項2】 Xがヒドロキシであり、Rが水素である、請求項1に記
    載の化合物。
  3. 【請求項3】 R、R、およびRが水素である、請求項1に記載の化
    合物。
  4. 【請求項4】 R、R、およびRが水素である、請求項2に記載の化
    合物。
  5. 【請求項5】 R、R、R、R、およびRがそれぞれ水素である
    、請求項1に記載の化合物。
  6. 【請求項6】 XおよびRが水素である、請求項1に記載の化合物。
  7. 【請求項7】 RおよびRが水素である、請求項1に記載の化合物。
  8. 【請求項8】 RおよびRがC〜Cアルキルである、請求項1に記
    載の化合物。
  9. 【請求項9】 RがC〜Cアルキルである、請求項1に記載の化合物
  10. 【請求項10】 明らかな神経学的、心理学的、生理学的、および挙動障害
    によって証明される、中枢神経系、末梢神経系、またはドーパミンレセプターを
    含む末梢器官のドーパミン関連機能障害罹患患者の治療法であって、 前記方法は、以下の式の化合物、あるいは前記障害の徴候の緩和に十分な量の薬
    学的に受容可能な塩を患者に投与するステップを含み、 式中、 R、R、およびRは水素、C〜CアルキルまたはC〜Cアルケ
    ニルであり、 Rは水素、C〜Cアルキルまたはフェノキシ保護基であり、 Xは水素、ハロ、または式−OR基(式中、Rは水素、C〜Cアルキル
    またはフェノキシ保護基である)であり、さらにXが式−ORの基である場合
    はR基およびR基は共に式−CH−の基を形成することができ、 R、R、およびRは、水素、C〜Cアルキル、フェニル、ハロ、ま
    たは−OR基(式中、Rは上記で定義されている)からなる群から独立して選択
    される ことを特徴とするドーパミン関連機能障害罹患患者の治療法。
  11. 【請求項11】 Xがヒドロキシであり、Rが水素である、請求項10
    に記載の化合物。
  12. 【請求項12】 R、R、およびRが水素である、請求項10に記載
    の化合物。
  13. 【請求項13】 R、R、およびRが水素である、請求項11に記載
    の化合物。
  14. 【請求項14】 R、R、R、R、およびRがそれぞれ水素であ
    る、請求項10に記載の化合物。
  15. 【請求項15】 XおよびRが水素である、請求項10に記載の化合物
  16. 【請求項16】 RおよびRが水素である、請求項10に記載の化合物
  17. 【請求項17】 RおよびRがC〜Cアルキルである、請求項10
    に記載の化合物。
  18. 【請求項18】 RがC〜Cアルキルである、請求項10に記載の化
    合物。
  19. 【請求項19】 中枢神経系のドーパミン関連機能障害治療用の薬学的組成
    物であって、 前記組成物は、以下の式である化合物の治療有効量またはその薬学的に受容可
    能な塩および薬学的に受容可能なキャリアを含む組成物であって、 式中、 R、R、およびRは水素またはC〜Cアルキルであり、 Rは水素、C〜Cアルキルまたはフェノキシ保護基であり、 Xは水素、ハロ、または式−OR基(式中、Rは水素、C〜Cアルキル
    またはフェノキシ保護基である)であり、さらにXが式−ORの基である場合
    はR基およびR基は共に式−CH−の基を形成することができ、 R、R、およびRは、水素、C〜Cアルキル、フェニル、ハロ、ま
    たは−OR基(式中、Rは上記で定義されている)からなる群から独立して選択
    されることを特徴とする薬学的組成物。
  20. 【請求項20】 Xがヒドロキシであり、Rが水素である、請求項19
    に記載の化合物。
  21. 【請求項21】 R、R、およびRが水素である、請求項19に記載
    の化合物。
  22. 【請求項22】 R、R、およびRが水素である、請求項20に記載
    の化合物。
  23. 【請求項23】 RがC〜Cアルキルである、請求項20に記載の化
    合物。
  24. 【請求項24】 RがC〜Cアルケニルである、請求項19に記載の
    化合物。
  25. 【請求項25】 R、R、またはRの少なくとも1つが水素である、
    請求項19に記載の化合物。
  26. 【請求項26】 R、R、またはRの少なくとも2つが水素である、
    請求項19に記載の化合物。
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