JP2003501095A - ディクチオステリウムからのcAPM依存プロテインキナーゼ(PKA)の制御サブユニットのcAPM測定のための使用 - Google Patents

ディクチオステリウムからのcAPM依存プロテインキナーゼ(PKA)の制御サブユニットのcAPM測定のための使用

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ディクチオステリウム・ジスコイデウムからのcAPM依存プロテインキナーゼ(PKA)の制御サブユニットのcAPM検出のための使用に関する。本発明は、R−サブユニットの大腸菌中での発現およびグリーン蛍光タンパク質(GFP)への融合のための構築物を包含する。蛍光標識したcAPMもしくはcGMPを用いるかまたは吸光もしくは放射スペクトルが改変された変異体GFPを用いることにより、蛍光エネルギー輸送(FRET)をcAPM結合をモニターするための手段として用いる。cAPM結合によるFRETの変化は、cAPMレベルのインビトロかまたは生細胞内での測定を可能にするであろう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明はインビトロまたは生細胞内でのcAPMの測定に関する。本発明はさ
らに、該方法に用いる分子、および該分子をコードするDNA構築物にも関する
【0002】 (背景技術) 分子生物学、医薬品試験および医学的診断ではcAPM濃度を測定することが
望ましい。なぜなら分子内cAPMは多くの生細胞で共通する二次メッセンジャ
ーだからである。溶液中のcAPM濃度は、現在、心筋タンパク質抽出物かまた
は抗体のいずれかを用いて日常的に測定されている(Amersham、cAPMアッセ
イ、TRK432またはRPA509)。
【0003】 cAPMレベルを測定するには、細胞を溶解し、cAPMを可溶化する必要が
ある。そのような方法は時間がかかるうえ、ホスホジエステラーゼによるcAP
Mの分解、不完全な溶解またはマスキング剤の結果としての人工産物を生じやす
い。筋肉抽出物に基づく現在の方法では0.125〜32ピコモル/mlの範囲
の可溶化cAPMの濃度を測定可能であり、ラジオイムノアッセイでは0.25
〜16ピコモル/mlの範囲の測定が可能である。アセチル化は、これら検出限
界を3〜10の次数で向上させる。シンチレーション近似アッセイは、検出閾値
を大幅に改善することなくラジオイムノアッセイをさらに簡単にする(Amersham
、RPA538)。
【0004】 (発明の開示) (発明が解決しようとする技術的課題) インビトロおよびインビボで使用可能な一層良好なcAPM測定法に対する必
要性が依然として存在する。
【0005】 (その解決方法) 本発明は、そのような方法を提供するものであり、以下の観察に基づく。 ディクチオステリウム(Dictyostelium)からのcAPM依存プロテインキナ
ーゼ(PKA)の制御サブユニットはcAPMに対する約20nMのKを示し
、これは哺乳動物酵素の10〜30nMと同様の範囲である。それゆえ、このP
KAはcAPM測定のための代替系を代表しうると考えられた。 さらに、このタンパク質は、適当な発現ベクター中にその遺伝子を入れること
によってあらゆる細胞内で産生することができ、かくして細胞内cAPMを測定
することも可能となる。
【0006】 ホルモンのような細胞外シグナルの膜結合レセプターへの結合は、細胞内での
cAPM濃度の上昇を引き起こす。細胞内cAPMは主としてPKAの制御サブ
ユニットに結合し、制御(R)サブユニットおよび触媒(C)サブユニットを解
離する。ついで、遊離された触媒サブユニットは、代謝経路を制御する酵素から
転写因子に至る多くの物質をリン酸化する。それゆえ、細胞内cAPM濃度の測
定は、外部刺激後の特定の細胞の活性化状態を反映している。細胞内のcAPM
上昇を追跡する方法は、R−C複合体の比率および位置をモニターする蛍光比イ
メージング(fluorescence ratio imaging)であった(Adamsら、1991, Nature 349 , 694-697)。しかしながら、タンパク質を蛍光団でインビトロにて標識した
後にマイクロインジェクションによって細胞内に戻す必要があることが、この方
法の一般化を妨げていた。
【0007】 cAPM依存プロテインキナーゼ(PKA)は、真核細胞で殆ど普遍的に存在
する。哺乳動物ではPKAは2つの制御(R)サブユニットと酵素(C)サブユ
ニット(これらは別の遺伝子によってコードされている)からなるへテロ四量体
から構成されている。ディクチオステリウムではPKAは1つのRサブユニット
と1つのCサブユニットとのへテロ二量体のみで構成されている。ディクチオス
テリウムからのRサブユニットは哺乳動物のRII型と極めて似ており、哺乳動
物のCサブユニットと相互作用することができる(ReymondおよびVeron, 1995,
DdPKA, cAMP-dependent PK (D. discoideum), In: The protein kinase Facts b
ook, protein-serine kinase, G. HardieおよびS. Hanks編(ロンドン:アカデ
ミックプレス)、pp. 70-72)。しかしながら、ディクチオステリウムのRサブ
ユニットは天然では二量体を形成しないという独特の性質を有している。本発明
者らは、このことがcAPM結合の研究並びにR−C相互作用の研究を容易にす
るのではないかと期待した。
【0008】 しかしながら、cAPMの変化を検出することのできる生細胞内でのリポータ
ー分子が必要である。 アエクオレア・ビクトリア(Aequorea victoria)からのグリーン蛍光タンパ
ク質(GFP)をコードする遺伝子が、蛍光顕微鏡またはフローサイトメトリー
の技術を用いて非侵襲的に細胞内でタンパク質をモニターする新たな道を切り開
いた(Chalfieら、1994, Science 263, 802-805および米国特許第5,491,0
84号)。GFPタンパク質は、Ser65、Tyr66およびGly67残基
が関与する自己触媒反応を行い、蛍光団の生成に導く。アミノ酸66の周辺で一
連の変異が導入されており、励起および放射の両波長を修飾することが可能とな
っている(米国特許第5,777,079号)。
【0009】 ドナーおよびアクセプターとして作用する2つのGFPの使用が、蛍光エネル
ギー輸送(FRET)を得ることを可能にした。適当な波長で励起したとき、ド
ナーのGFPはアクセプターのGFPの励起波長の範囲の光を放射する。FRE
Tは蛍光団間の距離(d)に依存し、dの関数として低下するため、ドナーと
アクセプターとは極めて近接して配置しなければならない。FRETの結果、ド
ナーの放射ピークは低下し、一方、アクセプターの放射は増大する。
【0010】 しかしながら、GFPの使用の主たる制限は、GFPが目的タンパク質のN末
端かまたはC末端かのいずれかに挿入されることであった。このような挿入は、
多くの場合、目的タンパク質の不活化という結果となる。 本発明に導いた研究過程で、GFPはRサブユニット内の殆ど任意の位置にそ
の蛍光能を失うことなく挿入できることがわかった(Biondiら、1998, Nucleic
Acids Research 26, 4946-52)。さらに、機能的なRサブユニットの特性、すな
わちcAPM結合およびCサブユニットとの相互作用が多くの融合物で保持され
た。そのようなタンパク質はcAPM結合のモニターに使用できることが期待さ
れた。しかしながら、蛍光がcAPM結合のときに変化するような試験が好まし
いであろう。
【0011】 本発明に従い、ディクチオステリウム・ジスコイデウム(Dictyostelium disc
oideum)からの特定のR−GFP融合体が、FRET変化に基づいてcAPMの
測定に使用できることが示された。これらR−GFP融合体はまた生細胞内でも
用いることができる。さらに、単一のcAPM分子に高親和性で結合することの
できる先端欠失した(truncated)Rサブユニットを用いて簡単な定量を得るこ
とができる。それゆえ、本発明は、蛍光タンパク質に融合することによって修飾
したcAPM結合タンパク質を提供する。
【0012】 さらに詳細には、本発明は、ディクチオステリウム・ジスコイデウムからのc
APM依存プロテインキナーゼ(PKA)の制御サブユニットへのcAPMの結
合を蛍光の変化によりモニターすることを可能にするDNA構築物および方法を
提供する。この方法は本質的にインビトロおよびインビボの両試験に適用可能で
ある。なぜならRサブユニットをコードする遺伝子並びにグリーン蛍光タンパク
質(GFP)との融合体は細菌からヒト細胞に至る様々な生物で発現できるから
である。
【0013】 本発明では、ディクチオステリウムのRサブユニットを大腸菌で産生するため
の方法および組成物が提供される。大腸菌中での融合タンパク質の発現を可能に
するDNA構築物が記載され、その際、ドナーおよび/またはアクセプターのG
FPは蛍光エネルギー輸送(FRET)を可能とするようにRサブユニット内の
特定の位置に挿入される。FRETの存在の証拠は、蛍光cAPMまたはcGM
Pの間か、またはアクセプターとドナーのGFP間のいずれかで提示される。F
RETはcAPM結合で修飾される。それゆえ、提示されたGFP−R融合タン
パク質はcAPM濃度の測定に適用することができる。 さらに、該融合遺伝子の性質は生細胞内での発現に適合したものであるため、
細胞内cAPM濃度をインビボで測定することができる。
【0014】 本発明は、とりわけ融合生成物の調製のためのDNA構築物に関し、該構築物
は二量体を形成することのできないcAPM依存プロテインキナーゼの制御サブ
ユニット(R)の少なくとも1つのcAPM結合部位のコード配列を含み、該コ
ード配列はリポーターポリペプチドをコードするDNA配列に作動可能に連結し
ており、該融合生成物はcAPM濃度の測定に用いるためのものであることを特
徴とする。特別の態様において、cAPM依存プロテインキナーゼはディクチオ
ステリウム・ジスコイデウムからのものである。
【0015】 リポータータンパク質をコードするDNA配列は、該制御サブユニット内にイ
ンフレームで挿入するのが好ましい。しかしながら、本発明は、リポーター遺伝
子をコードするDNA配列がRユニットの1つのcAPM結合部位とはインフレ
ームであるが他のcAPM結合部位とはインフレームでない構築物をも包含する
。 本発明の特定の態様において、リポータータンパク質をコードするDNA配列
はRサブユニット内の塩基510にて挿入され、その結果、図1の構築物R26
に例として示すようにアミノ酸170の後で開裂されリポータータンパク質に融
合されるR−タンパク質が産生される。
【0016】 本発明の第二の態様は、図1の構築物R28に例として示すように、リポータ
ータンパク質をコードするDNA配列がRサブユニットDNA配列内の塩基14
7の後にインフレームで挿入されたDNA構築物に関する。 さらなる態様に従い、DNA構築物は図1の構築物R33に例として示すよう
に、リポータータンパク質をコードするDNA配列がRサブユニットDNA配列
内の塩基792の後にインフレームで挿入されたようなものである。
【0017】 さらに、リポータータンパク質をコードする第二のDNA配列が該Rサブユニ
ットDNA配列内にインフレームで挿入される。これらリポータータンパク質を
コードする両DNA配列は、RサブユニットDNA配列上の1つのcAPM結合
部位の外側に位置するのが好ましい。図1の二重構築物に示すように、第一のリ
ポータータンパク質をコードするDNA配列がたとえばRサブユニットDNA配
列内の位置147に挿入され、第二のリポータータンパク質をコードするDNA
配列がRサブユニットDNA配列内の位置792に挿入される。
【0018】 上記態様において、リポータータンパク質をコードするDNA配列のうちの少
なくとも1つが蛍光タンパク質、とりわけアエクオレア・ビクトリアからのグリ
ーン蛍光タンパク質(GFP)をコードする。蛍光タンパク質は、GFP変異体
w7またはGFP変異体S65Tであってよい。 構築物内でのこれら蛍光タンパク質をコードするDNA配列の位置は、融合生
成物中のこれら蛍光タンパク質間での蛍光エネルギー輸送(FRET)を可能に
するのが好ましい。
【0019】 このことは、たとえば、構築物内でのこれら蛍光タンパク質をコードするDN
A配列の位置が、融合生成物においてこれら蛍光タンパク質が制御サブユニット
の三次元構造の同じ面上に位置するようなものであるときに達成される。あるい
は、構築物内でのこれら蛍光タンパク質をコードするDNA配列の位置は、融合
生成物においてこれら蛍光タンパク質が触媒サブユニット(C)への結合により
FRETが変化するような位置にある。
【0020】 cAPMの測定のためには、構築物内でのこれら蛍光タンパク質をコードする
DNA配列の位置は、融合生成物においてこれら蛍光タンパク質がcAPM結合
によりFRETが変化するような位置にあるのが好ましい。 特に有利な態様において、構築物内でのこれら蛍光タンパク質をコードするD
NA配列の位置は、融合生成物においてこれら2つの蛍光タンパク質間の距離が
約4Åとなるようなものである。
【0021】 本発明はまた、cAPM濃度の測定のための測定手段の調製法であって、 (a)本発明によるDNA構築物を適当な宿主細胞に導入し、 (b)該DNA構築物によってコードされた融合タンパク質を該宿主細胞で発現
させ、ついで (c)cAPM濃度の測定のための手段である該融合タンパク質を単離する ことを含む方法にも関する。 宿主細胞は、たとえば細菌宿主、とりわけ大腸菌である。融合タンパク質の精
製は、Ni−およびcAPM−アフィニティーおよびサイズ分画により行う。
【0022】 本発明はまた本発明の構築物によってコードされた融合タンパク質にも関し、
該タンパク質はcAPM濃度をインビボまたはインビトロで測定するため手段と
して用いることができる。 該手段は生物学的流体中のcAPM濃度の測定方法に用いることができ、該方
法は、 (a)請求項25または26に記載の融合タンパク質を所定濃度の蛍光環状ヌク
レオチドとともに生物学的流体に加え、 (b)蛍光放射を記録し、その蛍光の最大値を所定濃度のcAPMで得られた標
準曲線と比較することによって生物学的流体中のcAPM濃度を決定する ことを含む。 蛍光ヌクレオチドは、cGMP、(8−{{2−{(フルオレセイニルチオ−ウ
レイド)アミノ}エチル}チオ}グアノシン−3’,5’−サイクリック一リン酸、
cAMPおよび(8−{{2−{(フルオレセイニルチオ−ウレイド)アミノ}エチ
ル}チオ}アデノシン−3’,5’−サイクリック一リン酸から選ばれてよい。
【0023】 本発明はさらに、蛍光エネルギー輸送(FRET)を得るために蛍光ドナーお
よびアクセプタータンパク質をcAPM依存プロテインキナーゼ制御サブユニッ
トに挿入する方法に関し、該方法は、 (a)本発明のDNA構築物を適当な発現ベクターに入れ、 (b)該DNA構築物を含む適当な発現ベクターで原核細胞かまたは真核細胞の
いずれかを形質転換し、 (c)アクセプター蛍光タンパク質とドナー蛍光タンパク質とからの放射ピーク
の比を用いて生細胞または抽出物でのFRETを測定する ことを含む。
【0024】 上記方法においてDNA構築物は、該DNA構築物によってコードされる蛍光
ドナータンパク質および蛍光アクセプタータンパク質が制御サブユニットの同じ
側に位置するように、または該DNA構築物によってコードされる蛍光ドナータ
ンパク質および蛍光アクセプタータンパク質が制御サブユニットの両側に位置す
るようにデザインするのが好ましい。 上記方法において、FRETは制御サブユニットへの触媒サブユニットの結合
によって修飾され、またはFRETは制御サブユニットへのcAPMの結合によ
って修飾される。 以下に本発明をグリーン蛍光タンパク質(GFP)に関して記載する。
【0025】 His−タグに融合させたディクチオステリウム・ジスコイデウムのRサブユ
ニットをpRSETb発現ベクターを用いて大腸菌で発現させた。Rサブユニッ
ト遺伝子を蛍光タンパク質のコード遺伝子に融合させた。ディクチオステリウム
のRサブユニット内へのS65Tかまたはw7変異体グリーン蛍光タンパク質(
GFP)遺伝子(Biondi(1998)、上掲)のいずれかのランダム挿入は、120以
上のクローンの単離という結果となり、これらクローンのうち幾つかはインフレ
ームの融合タンパク質をコードしており、他のクローンはGFPコード領域を超
えてフレームシフトを示した。操作は全てBiondiら、1998上掲の記載に従った。
【0026】 本発明ではcAPM濃度の測定を可能とするために特定のR−GFP融合物を
選択したが、該融合物は二量体を形成できないディクチオステリウムのRサブユ
ニットと、2つではなく単一のcAPM分子と結合できる分子との組み合せから
なっており、それゆえ動力学が簡単となった。 本発明の第一の態様では、クローンR26を選択した。このクローンR26は
、w7−GFPに融合した先端欠失Rサブユニットを発現する構築物である。G
FPの挿入は1塩基対の欠失を導き、GFPを過ぎてフレームシフトする結果と
なる(細い線)。この約50kDaの融合タンパク質は、単一のcAPM結合部
位(部位A、図1)を含むRサブユニットのN末端部分がw7GFPに融合した
ものである。
【0027】 R26−GFPは、そのN末端のHis−タグの存在に基づき、Ni−NTA
アガロースカラムで精製した。このカラムから溶出したタンパク質をさらにcA
PM−アガロースで精製した。cGMPを用いてcAPMアガロースカラムから
R26−GFPを特異的に溶出した。R26−GFPからのcGMPおよび可能
な他の残留混入物の分離は、BioSecSEP3000カラムを用いたHPL
Cにより行った。 精製したR26−GFPタンパク質の蛍光は、475nmで主要な放射ピーク
(図2、白丸)および433nmで励起ピーク(データは示していない)を示し
、w7について報告された値に極めて近かった。この結果は、Rサブユニットへ
の融合がGFPの蛍光特性に影響を及ぼさないことを確認するものである。
【0028】 蛍光標識したcGMP((8−{{2−{(フルオレセイニルチオウレイド)ア
ミノ}エチル}チオ}グアノシン−3’,5’−サイクリック一リン酸、Biolog)を
精製R26−GFPに加え、433nmで励起しながら蛍光放射を記録した。蛍
光強度は475nmで減少し、一方、520nmでは増加し、8−フルオロ−c
GMPの蛍光の最大値に対応していた(図2、白四角)。同様のスペクトルは蛍
光標識したcAMP((8−{{2−{(フルオレセイニルチオウレイド)アミノ}
エチル}チオ}アデノシン−3’,5’−サイクリック一リン酸)を用いたときに
も得られた。8−フルオロ−cGMPを単独で433nmで励起すると、8−フ
ルオロ−cGMPの励起は約494nmで起こるために520nmでは放射は殆
ど検出できない。これらの結果は、先端欠失したRサブユニットに融合したw7
−GFPと8−フルオロ−cGMPとの間でFRETが生じたことを示している
【0029】 さらなる実験において、非標識のcAPMを8−フルオロ−cGMPの5倍過
剰量で加えた。475nmでの蛍光強度はR26−GFP単独の場合とほぼ同一
レベルまで再度上昇し、一方、520nmでの蛍光は減少した(図2、黒丸)。
それゆえ、非標識cAPMと8−フルオロ−cGMPとの間で競合が生じ、FR
ETの変化により非標識cAPMの直接測定が可能となる。 標識8−フルオロ−cGMPの濃度は蛍光変化を記録している際にさまざまで
あった(図3、挿入図)。475nmでの蛍光が最も変化が大きかったのでFR
ET変異の測定に用いた。475nmでの蛍光強度を8−フルオロ−cGMP濃
度に対してプロットしたときに単純な二次関係が得られたので約80±10nM
のみかけの解離定数Kを測定することができた(図3)。
【0030】 同様の実験を8−フルオロ−cAPMを用いて行い、約4.5nMのみかけの
を測定することができた。 cAPMの真のKを測定するため、8−フルオロ−cGMP濃度を段階的に
変えることにより競合実験を行った。各8−フルオロ−cGMP濃度に対して増
大濃度の非標識cAPMを加え、各場合のcAPMに対するみかけのKを計算
することができた(図4)。みかけのKは8−フルオロ−cGMP濃度と直線
関係にあったので、0に外挿したときにcAPMに対する真のKを計算するこ
とができた(図4、挿入図)。
【0031】 R26−GFPのcAPMに対する真のKは約20nM±5nMであり、一
方、逆の実験はcGMPに対する約1.85±0.2μMのKの決定に導いた。
これらの実験は、R26−GFPが溶液中のcAPMを正確に測定するのに用い
ることができることを示している。この試験は細胞溶解液や生物学的流体などの
cAPMを含有するいかなる試料にも応用することができ、検量曲線との比較に
よりそのcAPM濃度の決定を可能とするものである。
【0032】 本発明の第二の態様は、ディクチオステリウムのRサブユニットおよびFRE
Tの変化を用いた同じ原理によるものであるが、cAPM濃度のインビボ測定に
適合した仕方で行うものである。クローンR28−GFPはS65TGFPに融
合したディクチオステリウムからのRサブユニットを発現する(図1)。クロー
ンR33ではw7−GFPがRサブユニットのcAPM結合部位B内に挿入され
ている。両融合タンパク質ともに溶液中でcAPMに結合することができる(Bi
ondiら、1998、上掲)。これら結果は、R28−GFPタンパク質およびR33
−GFPタンパク質の両者がcAPM−アガロースカラム上で保持される能力に
よってさらに示されるように、RサブユニットがGFPの存在にも拘らず適切に
折り畳まれていることを示している。
【0033】 Rサブユニットは進化を通じてよく保存されており、ディクチオステリウムの
Rサブユニットは哺乳動物酵素の結晶座標にならってモデル化することができる
。GFPの挿入部位をそのようなモデルで位置付けた。FRETを得るためにド
ナーGFPおよびアクセプターGFPを極めて近接して置いた。本発明に従い、
FRETを得るために挿入部位が融合タンパク質の同じ面に位置する融合タンパ
ク質が提供される。この基準を適用して、120のランダムな挿入物からGFP
−R融合の適切なペアを選択した。R28およびR33はこの基準を満たしてお
り、さらにRサブユニットのcAPM結合部位Aのいずれかの側にGFP挿入を
提供した。
【0034】 変異体GFPw7は433nmでの励起および475nmでの放射の最大値を
示し、一方、変異体S65Tはそれぞれ489nmおよび511nmで励起およ
び放射の最大値を示す(HeimおよびTsien, 1996, Current Biology 6, 178-82)
。両GFP変異体とも重要な量子収量を示す(それぞれ、0.42および0.64
)。さらに、w7の放射最大値はS65Tの励起最大値と極めて近接しており、
極めて近接して配置したときにFRETを生じさせることができる可能性がある
【0035】 RサブユニットにフランキングするXhoI部位および内部のEcoRV部位
を用い、融合Rタンパク質がcAPM結合部位AをフランキングするW7および
S65T−GFPの両者を含むような仕方でR28のR−GFPコード断片をR
33と組み合せた(図1、二重)。その結果得られる遺伝子は、理論的な分子量
が96kDaの二重GFP融合タンパク質をコードする。これら構築物をT7プ
ロモーターの制御下にpRSETbベクター内部で製造したのでHis−タグ二
重GFPの大腸菌中での発現が可能となった。
【0036】 この構築物で形質転換したBL21(DE3)細菌からの全タンパク質のウエ
スタンブロットは、抗His−タグ抗体と反応する予期したサイズのタンパク質
を示す(図5)。 大腸菌(BL21DE3)で発現された二重GFP−Rタンパク質をさらに精
製した。Ni−NTA−アガロースおよびcAPM−アガロースアフィニティー
クロマトグラフィーおよび/またはHPLCの組み合せは、結合ヌクレオチドを
欠く機能性の二重GFP−Rの調製物を得ることを可能にした。
【0037】 二重GFP−Rのスペクトル特性を、光電子増倍管(photomultiplicator)を
備えた分光蛍光計PTI C60を用いて決定した。全細胞かまたは部分的に精
製したタンパク質のいずれかは、w7の励起波長、すなわち434nmで励起し
たときに、470nmと480nmとの間に肩、および511nmに明らかなピ
ークを有する放射プロフィルを示した(図6A、太い黒線)。肩はw7の放射に
対応し、一方、主要なピークはS65T放射を表していた。
【0038】 FRETと各GFPからの放射スペクトルとを区別するため、二重GFP/R
をトリプシンで消化した。GFPはトリプシンに耐性であることがわかっていた
が、一方、Rサブユニットはトリプシンにより攻撃される。475nmでの蛍光
の増大およびそれと同時の511nmでの蛍光の減少がタンパク質加水分解的開
裂の後に観察されたが(図6A、細い灰色の線)、このことは2つのGFPが別
々に分散し、それゆえFRET効果が低下したことを示している。 R28およびR33を用いた対照実験は基本的に蛍光の変化を示さず、トリプ
シンがGFP自体の蛍光コアを修飾させないことを示していた(データは示して
いない)。二重GFP/R構築物中での2つのGFPの組み合せが蛍光エネルギ
ー輸送(FRET)という結果となると結論付けられた。
【0039】 Rサブユニットのコンホメーションの変化は2つのGFP間の距離を増大させ
、それゆえFRETを減弱することがあり得る。まず、RサブユニットがCサブ
ユニットに結合したときにFRETが変化するか否かを分析した。ディクチオス
テリウムからの精製Cサブユニットを二重GFP/Rの存在下でインキュベート
し、放射を記録した(図6A、太い灰色の線)。475nmでのピークは増大し
、一方、511nmでのピークは減少し、FRETの低下に対応していた。二重
GFP/RサブユニットをcAPM(50μM)とともに前以てインキュベート
すると511nmでのピークは再び増大し、FRETが部分的に回復したことを
示していた(図6、細い黒線)。これら結果は、FRETが二重GFP/Rサブ
ユニットのCサブユニットへの結合によってcAPMに依存した仕方で修飾され
ることを示している。このことは、475nmおよび511nmでのピークの相
対強度に基づいて遊離のRサブユニットと結合したRサブユニットとの識別を可
能にするものであり、生細胞内でのそのような比率の決定への道を開くものであ
る。
【0040】 コンホメーション変化はまた、単にcAPMが結合することによってもまた生
じ得る。二重GFP−Rを増大濃度のcAPMとともにインキュベートした。図
6Bからわかるように、高濃度のcAPM(500μM、太線)のみが二重GF
P/R単独と比べて約10%のみの振幅変化という結果となり(細い線)、この
モニターFRET変化は高濃度のcAPMの測定にのみ用いることができること
を示していた。
【0041】 cAPM結合タンパク質、すなわちR−サブユニット上でのFRETの測定可
能性は、cAPM濃度の測定への新たな道を開くものである。本発明によれば、
FRETが生じるのみならず、リガンド結合によってFRETが変調されること
が示される。GFPを、GFPの末端挿入を有する組換え製造した断片の代わり
に完全なR−タンパク質に融合させた。タンパク質の三次元構造の予測から導き
出されるように、FRETは、2つの変異GFPがR−サブユニットの同じ面上
に極めて近接して配置されることによって得られた。これら2つの部位は、該分
子の同じ面上に28Å離れて配置された。GFP分子の直径は、その結晶構造か
ら導き出されるように約24Åである。それゆえ、2つのGFPバレル(barrel
s)の部位間の距離は約4Åであると推定できる。今度は同等の戦略を異なるタ
ンパク質に用いてFRETを得ることができる。このアプローチは、三次元構造
が知られているかまたは導き出すことのできるいかなるタンパク質にも適用でき
る。タンパク質の同じ側に蛍光タンパク質を約4Å離れて配置されるように挿入
すると、エネルギーを相互に輸送することのできる可能性のある融合タンパク質
という結果となるであろう。
【0042】 上記に記載した例に基づき、さらなるタンパク質融合物を認識することができ
る。可能な修飾の非網羅的な一覧には、R−サブユニットのB部位は完全なまま
で残しながらA部位から先端欠失させるもの、および/またはR−残基かまたは
GFP−残基のいずれかの化学合成物を化学的結合により再結合したもの(特定
のアミノ酸の修飾を可能とする)が含まれる。 本発明の方法のさらなる拡張は、Rサブユニットに融合したw7またはS65
T GFPを、異なるスペクトル特性かまたは他の発色団のいずれかを有する変
異タンパク質で置換することを含む。GFPの代わりに他の蛍光タンパク質また
はペプチド(HeimおよびTsien, 1996、上掲)を挿入することができる。
【0043】 融合遺伝子は異なるプロモーターまたは停止配列下に配置することにより、デ
ィクチオステリウム、酵母または哺乳動物細胞のような他の宿主中で発現させる
ことができる。後者の場合、GFPおよびRの両者のコドンは哺乳動物細胞中で
の発現に適合したものを採用し、かくして融合タンパク質の発現レベルを上昇さ
せることができる(Zolotukhinら、1996, Journal of Virology 70, 4646-4654
)。
【0044】 本明細書に記載したタンパク質である二重GFP−RはcAPM濃度をインビ
トロおよびインビボで測定するのに用いることができる。後者の応用の場合、二
重GFP−RコードDNAを、選択した宿主に専用の発現ベクターに入れる。蛍
光を生細胞中で直接モニターする。FRETの発生および細胞内でcAPM濃度
が増大したときのFRETの修飾を、ドナーGFPとアクセプターGFPとの最
大放射の比により、細胞を殺すことなくモニターする。この非侵襲性の適用は特
に興味が持たれるものである。なぜなら細胞内でのcAPMレベルの変調はその
活性化状態を反映するものだからである。
【0045】 とりわけ、細胞内cAPMに対するホルモンの影響を、二重GFP−Rを発現
する細胞内で直接モニターすることができる。この手順は、ホルモンアナログの
作用を追跡することを可能にするものであり、それゆえ医薬のスクリーニングに
適用することができる。そのような方法の利点は、ホルモンの結合をモニターす
るのみならず、デザインした物質が生物学的シグナル伝達を誘発する能力をもモ
ニターできることである。それゆえ、生細胞を試験することにより、細胞の生存
に影響を及ぼすことなくレセプターに対するアゴニスト活性またはアンタゴニス
ト活性を有する新規医薬の開発が可能となる。 一般に、本明細書に記載したGFPに融合したR−サブユニットおよびその修
飾の使用は、cAPMレベルの変化をインビトロかまたはインビボのいずれかで
測定するのに必要な手段を提供する。
【0046】 本発明を以下の実施例によりさらに説明する。実施例 実施例1 ベクターおよび発現産物の調製 ディクチオステリウム・ジスコイデウムからのRサブユニットの触媒コアをコ
ードするcDNAをN−末端His−タグに融合して発現ベクターpRSETb
(Etchebehereら、1997, Eur. J. Biochem. 248, 820-826)に挿入した(図1)
。このプラスミドを大腸菌BL21(DE3)細菌(Stratagene)に形質転換し
、ウエスタンブロットによって認められるように(図5中のR)44kDaのタ
ンパク質を発現させた。 上記Rサブユニットプラスミド内にGFPをランダム挿入することによりクロ
ーンR26を得た(Biondiら、1998、上掲)。
【0047】精製 大スケールの精製のため、蛍光細菌を白金耳を用いてLB−寒天プレート上に
1条掻き取り、10のOD600nmまでLBブロス中に再浮遊させる。10c
mのペトリ皿当たり100μlの細菌浮遊液を接種する。22℃で2〜4日間イ
ンキュベートした後、プレートから細菌を掻き取り、15のペトリ皿について約
10mlのLBブロス中に再浮遊させる。SS34Sorvalローターで6000r
pmにて10分間遠心した後、細菌を10mlの50mM HEPES(pH8.
5)、150mM NaClおよび1錠剤/50mlの完全プロテアーゼインヒ
ビターカクテル(Boehringer NoI6974981)中に再浮遊させる。1m
lのリゾチーム(10mg/ml、Sigma)を加え、試料を室温でわずかに攪拌
しながら30分間インキュベートする。
【0048】 ドライアイス−エタノール中での凍結および22℃での解凍のサイクルを3サ
イクル行うことにより細菌を溶解させる。室温で30分間インキュベートする前
にMgCl(5mMまで)、NP40(1%まで)、NaCl(300mMま
で)、イミダゾール(5mMまで)およびDNアーゼI(1μg/mlまで)を
加えて溶解を完了させ、細菌DNAを分画する。 SS34Sorvalローターで16000rpmにて15分間遠心した後、上澄み
液を1mlのNi−NTAアガロース(Qiagen)と混合し、室温で1時間インキ
ュベートする。このスラリーをカラムに負荷し、10ベッド容量の50mMのH
EPES(pH8.5)、300mMのNaCl、0.1%のTween 20、5mMの
イミダゾールおよび上記プロテアーゼインヒビターで3回洗浄する。His−タ
グタンパク質の溶出は、イミダゾールの濃度を50mMのHEPES(pH8.
5)および300mMのNaCl中で300mMまで上昇させることによって得
られる。
【0049】 R26−GFPの場合はわずかに変更した手順を用いた。R26−GFPを寒
天プレートの代わりにロータリーシェーカー上の液体LB中で培養した。さらに
正確には、1白金耳の凍結ストックをアンピシリンを含む30mlのLB中に接
種した。密度が0.3のOD600nmに達するまでインキュベーションを37
℃で行った。15mlを400mlのLB中に希釈し、密度が0.5〜0.7のO
600nmに達するまで37℃で振盪を続けた。ついで、IPTGを0.5m
Mまで加え、インキュベーションを22℃で一夜続けた。上記と同様にして遠心
分離および溶解を行った。
【0050】 ついで、Ni−NTA溶出液をcAPMアガロースカラム(Sigma、A−73
96、約3マイクロモルcAPM/ml(樹脂))に通す。20mgの樹脂を1
0ベッド容量の1mM EDTAに懸濁し、室温で1時間インキュベートする。
樹脂をカラムに注ぎ、10ベッド容量の洗浄緩衝液(50mMのHEPES、p
H8.5、100mMのNaCl、0.1%のトリトンX100および0.5mM
のDTT)を通して平衡化する。試料をカラムに3回通す。ついで、カラムを、
(1)未添加、(2)5mMの5’AMP(5’アデノシン一リン酸)、(3)
500mMのNaCl、(4)未添加、を含有する10ベッド容量の洗浄緩衝液
で順に洗浄する。R−GFPの溶出は、洗浄緩衝液中の50mMのcGMP中、
室温で行う。
【0051】 R−GFPからcGMPを除去するため、試料を、50mMのHepes、p
H8.5、100mMのNaCl、0.1%のトリトンX100、0.5mMのD
TT(ジチオトレイトール)中で平衡化したセファロースG50カラム(Pharma
cia)に通した。R−GFPは排除容量中に溶出するのに対し、cGMPはカラ
ムに保持される。別法として、G50カラムを5倍希釈緩衝液中で平衡化し、溶
出した試料を5倍に真空濃縮した。
【0052】 時には50mMのリン酸緩衝液、pH7.2中で平衡化したBioSep SE
C3000カラム(Phenomenex)を用いたHPLC(Hewlett Packard 1090)に
試料を通すことによりさらなる精製を行った。フラクションを回収し、PKA触
媒活性の抑制、タンパク質純度(銀染色SD−PAGE電気泳動)または抗Hi
sタグ抗体を用いたウエスタンブロッティングのいずれかについてアッセイした
。 精製の各段階で、w7GFPについては434nmで励起させて蛍光放射スペ
クトルを記録した。約50%の蛍光物質がNi−NTAアガロースカラムに結合
していたのに対し、cAPM−アガロースカラムには10%しか保持されなかっ
た。最終純度は、SDS−PAGE後の染色から導き出されるように(銀、クー
マシー、またはポンソー)約50%未満であった。
【0053】FRET測定 FRET測定のため、R26−GFPを約0.1μMに希釈した。励起を43
3nmにて行い、一方、放射をPTI C60分光蛍光計(Photon Technology I
nternational)で450〜550nmの範囲で記録した。
【0054】結果 R26−GFPは475nmで放射ピークを示す。種々の濃度の8−フルオロ
−cGMP((8−{{2−{(フルオレセイニルチオウレイド)アミノ}エチル}
チオ}グアノシン−3’,5’−サイクリック一リン酸、Biolog)を指示に従って
加え(図2において5倍過剰量、白い四角)、放射スペクトルを再度記録した。
8−フルオロ−cGMPは520nmで放射ピークを示す。競合実験では非標識
cAPMを所定濃度で加えた(図2、100μM)。
【0055】実施例2 材料 プラスミドpRSETb−R−GFPはすでに記載した(Biondiら、1998、上
掲)。 大腸菌株BL21(DE3)はStratageneから得た。制限酵素および完全プロ
テアーゼインヒビターカクテル錠剤はBoehringer Mannheimから得た。 蛍光スクリーニングは、BP450−490励起フィルター、ビームスプリッ
ター(beamsplitter)FT510およびBP515−565放射フィルター(Ze
iss)を備えた倒立顕微鏡Axiovert 25(Zeiss)を用いて行った。 モノクローナル抗His−RGS抗体はQiagenから得た。
【0056】 ウエスタンブロット検出はAmershamからの化学ルミネセンスキットECLを用
いて行った。 SDS−PAGEのための前染色タンパク質分子量標準(高)はGibcoから得
た。 蛍光スペクトルはPhoton Technology International C60装置を用いて得、デ
ータ処理はフェリックスソフトウエアを用いて行った。 標準法は、特に断らない限り、Sambrookら、1989(Molecular Cloning. A Lab
oratory Manual、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス)に
見出すことができる。
【0057】方法 ディクチオステリウムの触媒コアの座標を、コンピュータープログラム「Swis
s pdb viewer 3」を用いてマウスRサブユニットのモデルに適合させた。そのよ
うなモデル化は進化の過程でのRサブユニットの高い保存によって可能である。
ついで、GFPとインフレームにある35の融合体の挿入部位を入れた。2つの
挿入部位がRサブユニットの同じ側に位置しているのみならず、挿入部位が約2
8Å離れていることから、R28およびR33を選択した。この組み合せは2つ
のGFPバレル間で約4Åの距離という結果となり、それゆえFRETを生じる
結果となる。
【0058】 S65T GFPに融合したRサブユニットの一部を含有するR28からのE
coRV−XhoI断片(Biondiら、1998、上掲)を、R部分を含むEcoRV
−XhoI断片を除去したR33からのpRSETb−R−w7 GFP中にラ
イゲートした。この構築物を大腸菌BL21(DE3)に形質転換し、二重GF
P−Rの存在をDNAをEcoRIで消化することによって確認した(2400
bp断片)。
【0059】 形質転換した細菌をLBアガロース上、室温で4日間増殖させるか、または上
記IPTGで一夜誘発させる。細菌タンパク質をSDS−PAGEにより分離し
、イムノブロッティングにより分析する。Qiagenからの抗His−RGSモノク
ローナル抗体(1:5000に希釈)は、Rサブユニット(44kDa)と単一
のGFP(27kDa)との融合から予期されるように、R−サブユニット、R
28−GFPおよびR33−GFPに対してそれぞれ約40kDaおよび2つの
70kDaのバンドを明らかにした。二重GFP−R構築物で形質転換した細菌
は約100kDaのタンパク質を示したが、これはR−サブユニットに融合した
2つのGFPに対して予期されたサイズであった(図1および図5)。より短い
分解産物もまた観察された。
【0060】 大腸菌で発現された二重GFP−Rを本質的に実施例1の記載に従って精製す
る。Ni−NTA精製の後、染色SDS−PAGEゲル上で複数のバンドが観察
され、そのうち最大のものは約100kDaである。抗His−RGS抗体を用
いたイムノブロッティングは約100kDaのバンドを示すが、これは2つのG
FPとR−サブユニットとの融合に対して予期されたサイズである。cAPMア
ガロースおよびG50クロマトグラフィーの後、100kDaのバンドは全物質
の50%未満を表していた。
【0061】 部分的に精製した物質を実施例1の記載に従って蛍光について分析した。45
0〜550nmからの放射スペクトルを、8nmのバンド幅および0.2〜1秒
の統合時間(integration time)を用い、434nmでの所定の励起を用いて記
録した(図6)。 トリプシンを50μg/mlまで加え、蛍光を分析する前にインキュベーショ
ンを室温で30分行った。511nmでのピークサイズの減少およびそれと同時
の475nmでのピークサイズの増大は、Rサブユニット部分のトリプシン開裂
によるFRETの低減を示している。GFPはトリプシン開裂に対して全く耐性
であることが示されている。
【0062】 ディクチオステリウムのC−サブユニットを大腸菌で発現させた(Etchebeher
eら、1997、上掲)。C−末端Hisタグを有する形態を部分精製した形態で用
いた。5μlのC−サブユニットを、放射スペクトルを記録する前に、最終容量
200μlの20mMのトリス、pH7.4、10mMのMgCl、1mMの
ATP中で10分間、100μlの精製二重GFP−Rとともにインキュベート
した(図6)。所望なら、C−サブユニットを加える前にcAPM(50μM、
最終濃度)を二重GFP−Rとともに室温にて5分間、前以てインキュベートし
た。
【0063】 第二の実験では、部分的に精製した二重GFP−Rを増大濃度のcAPMの存
在下でインキュベートした(図6B)。すでに1mMのcAPMが511nmで
の放射を有意に減弱させ(点線)、3mMのcAPMではこのピークをさらに強
く低減させた(太線)。約480nmでピークが同時に増大したことは、cAP
Mの結合によってFRETが実際に低減したことを示していた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 DNA構築物の部分マップを示す。「PS」はプロモーター配列
であり、「A」はcAPM結合部位Aを示し、一方、「B」はcAPM結合部位
Bを示す。「H」はHisタグを示す。
【図2】 RサブユニットとGFPとの融合体であるR26−GFP単独、
または8−フルオロ−cGMPとcAPMとの競合の存在下での蛍光スペクトル
を示す。
【図3】 R26−GFPに添加した8−フルオロ−cGMPの増大濃度の
関数としてプロットした475nmでの蛍光の低下を示す。
【図4】 R26−GFPへの結合に対する非標識cAPMと8−フルオロ
−cGMPとの間の競合の効果を示す。挿入図は、みかけのK値をcAPM濃
度の関数としてプロットしてある。真のK値である20nMはゼロへの外挿か
ら導き出すことができる。
【図5】 大腸菌中で発現したR28、R33および二重GFPのGFP−
R融合タンパク質のウエスタンブロットを示す。
【図6】 Aは、二重GFP−R融合タンパク質単独、トリプシンとのイン
キュベーション後、Cサブユニットとのインキュベーション後、およびCサブユ
ニットおよびcAPMとのインキュベーション後の放射スペクトルを示す。Bは
、増大濃度のcAPM単独とインキュベーションした同タンパク質の放射スペク
トルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/50 C12N 15/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM, HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,K G,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT ,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW, MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR ,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN,YU, ZA,ZW Fターム(参考) 2G045 DA12 FB07 FB12 GC15 2G054 AA06 CA22 EA02 4B024 AA11 BA80 CA04 CA07 DA11 EA04 FA02 GA11 HA01 HA11 4B063 QA01 QQ06 QQ13 QQ63 QR33 QR60 QR75 QR80 QS05 QS36 QX02 4H045 AA20 AA30 BA10 BA41 CA10 CA50 DA00 EA50 FA72 FA74 GA26

Claims (37)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融合生成物の調製のためのDNA構築物であって、二量体を
    形成することのできないcAPM依存プロテインキナーゼの制御サブユニット(
    R)の少なくとも1つのcAPM結合部位のコード配列を含み、該コード配列は
    リポーターポリペプチドをコードするDNA配列に作動可能に連結しており、該
    融合生成物はcAPM濃度の測定に用いるためのものであることを特徴とするD
    NA構築物。
  2. 【請求項2】 該cAPM依存プロテインキナーゼがディクチオステリウム
    ・ジスコイデウムからのものである、請求項1に記載のDNA構築物。
  3. 【請求項3】 該リポータータンパク質をコードするDNA配列が該制御サ
    ブユニット内にインフレームで挿入される、請求項1または2に記載のDNA構
    築物。
  4. 【請求項4】 該リポータータンパク質をコードするDNA配列がRサブユ
    ニット内の塩基510にて挿入され、その結果、アミノ酸170の後で開裂され
    該リポータータンパク質に融合されたR−タンパク質が産生される、請求項2ま
    たは3に記載のDNA構築物。
  5. 【請求項5】 図1に記載の構築物R26である、請求項4に記載のDNA
    構築物。
  6. 【請求項6】 該リポータータンパク質をコードするDNA配列がRサブユ
    ニットDNA配列内の塩基147の後にインフレームで挿入されている、請求項
    2または3に記載のDNA構築物。
  7. 【請求項7】 図1に記載の構築物R28である、請求項6に記載のDNA
    構築物。
  8. 【請求項8】 該リポータータンパク質をコードするDNA配列がRサブユ
    ニットDNA配列内の塩基792の後にインフレームで挿入されている、請求項
    2または3に記載のDNA構築物。
  9. 【請求項9】 図1に記載の構築物R33である、請求項8に記載のDNA
    構築物。
  10. 【請求項10】 リポータータンパク質をコードする第二のDNA配列が該
    RサブユニットDNA配列内にインフレームで挿入されている、請求項1ないし
    9のいずれかに記載のDNA構築物。
  11. 【請求項11】 該リポータータンパク質をコードする両DNA配列がRサ
    ブユニットDNA配列上の1つのcAPM結合部位の外側に位置している、請求
    項10に記載のDNA構築物。
  12. 【請求項12】 該第一のリポータータンパク質をコードするDNA配列が
    RサブユニットDNA配列内の位置147に挿入され、該第二のリポータータン
    パク質をコードするDNA配列がRサブユニットDNA配列内の位置792に挿
    入されている、請求項10または11に記載のDNA構築物。
  13. 【請求項13】 図1に記載の二重構築物である、請求項12に記載のDN
    A構築物。
  14. 【請求項14】 該リポータータンパク質をコードするDNA配列のうちの
    少なくとも1つが蛍光タンパク質をコードする、請求項1ないし13のいずれか
    に記載のDNA構築物。
  15. 【請求項15】 該蛍光リポータータンパク質をコードするDNA配列がエ
    クオレア・ビクトリアからのグリーン蛍光タンパク質(GFP)をコードする、
    請求項14に記載のDNA構築物。
  16. 【請求項16】 該蛍光タンパク質がGFP変異体w7である、請求項14
    または15に記載のDNA構築物。
  17. 【請求項17】 該蛍光タンパク質がGFP変異体S65Tである、請求項
    14または15に記載のDNA構築物。
  18. 【請求項18】 該構築物内での該蛍光タンパク質をコードするDNA配列
    の位置が、融合生成物中の該蛍光タンパク質間での蛍光エネルギー輸送(FRE
    T)を可能にするものである、請求項10ないし17のいずれかに記載のDNA
    構築物。
  19. 【請求項19】 該構築物内での該蛍光タンパク質をコードするDNA配列
    の位置が、融合生成物において該蛍光タンパク質が制御サブユニットの三次元構
    造の同じ面上に位置するようなものである、請求項10ないし18のいずれかに
    記載のDNA構築物。
  20. 【請求項20】 該構築物内での該蛍光タンパク質をコードするDNA配列
    の位置が、融合生成物において該蛍光タンパク質が触媒サブユニット(C)への
    結合によりFRETが変化するような位置にあるものである、請求項10ないし
    19のいずれかに記載のDNA構築物。
  21. 【請求項21】 該構築物内での該蛍光タンパク質をコードするDNA配列
    の位置が、融合生成物において該蛍光タンパク質がcAPM結合によりFRET
    が変化するような位置にあるものである、請求項10ないし20のいずれかに記
    載のDNA構築物。
  22. 【請求項22】 該構築物内での該蛍光タンパク質をコードするDNA配列
    の位置が、融合生成物において2つの該蛍光タンパク質間の距離が約4Åとなる
    ようなものである、請求項10ないし21のいずれかに記載のDNA構築物。
  23. 【請求項23】 cAPM濃度の測定のための測定手段の調製法であって、
    (a)請求項1ないし22のいずれかに記載のDNA構築物を適当な宿主細胞に
    導入し、 (b)該DNA構築物によってコードされた融合タンパク質を該宿主細胞で発現
    させ、ついで (c)cAPM濃度の測定のための手段である該融合タンパク質を単離する ことを含む方法。
  24. 【請求項24】 該宿主が、細菌宿主、とりわけ大腸菌である、請求項23
    に記載の方法。
  25. 【請求項25】 融合タンパク質の単離を、Ni−およびcAPM−アフィ
    ニティーおよびサイズ分画により行う、請求項23または24に記載の方法。
  26. 【請求項26】 請求項1ないし22のいずれかに記載の構築物によってコ
    ードされたcAPM濃度測定のための融合タンパク質。
  27. 【請求項27】 請求項23ないし25のいずれかに記載の方法によって得
    られる、請求項26に記載の融合タンパク質。
  28. 【請求項28】 生物学的流体中のcAPM濃度の測定方法であって、 (a)請求項26または27に記載の融合タンパク質を所定濃度の蛍光環状ヌク
    レオチドとともに生物学的流体に加え、 (b)蛍光放射を記録し、その蛍光の最大値を所定濃度のcAPMで得られた標
    準曲線と比較することによって生物学的流体中のcAPM濃度を決定する ことを含む方法。
  29. 【請求項29】 該蛍光ヌクレオチドが、8−{{2−{(フルオレセイニル
    チオウレイド)アミノ}エチル}チオ}グアノシン−3’,5’−サイクリック一リ
    ン酸(cGMP)である、請求項28に記載の方法。
  30. 【請求項30】 該蛍光ヌクレオチドが、8−{{2−{(フルオレセイニル
    チオ−ウレイド)アミノ}エチル}チオ}アデノシン−3’,5’−サイクリック一
    リン酸(cAMP)である、請求項28に記載の方法。
  31. 【請求項31】 蛍光エネルギー輸送(FRET)を得るために蛍光ドナー
    タンパク質および蛍光アクセプタータンパク質をcAPM依存プロテインキナー
    ゼ制御サブユニットに挿入する方法であって、 (a)請求項1ないし22のいずれかに記載のDNA構築物を適当な発現ベクタ
    ーに入れ、 (b)該DNA構築物を含む適当な発現ベクターで原核細胞かまたは真核細胞の
    いずれかを形質転換し、 (c)アクセプター蛍光タンパク質とドナー蛍光タンパク質とからの放射ピーク
    の比を用いて生細胞または抽出物でのFRETを測定する ことを含む方法。
  32. 【請求項32】 該DNA構築物が、該DNA構築物によってコードされる
    蛍光ドナータンパク質および蛍光アクセプタータンパク質が制御サブユニットの
    同じ側に位置するようにデザインされている、請求項31に記載の方法。
  33. 【請求項33】 該DNA構築物が、該DNA構築物によってコードされる
    蛍光ドナータンパク質および蛍光アクセプタータンパク質がcAPM結合ドメイ
    ンの両側に位置するようにデザインされている、請求項31または32に記載の
    方法。
  34. 【請求項34】 該蛍光ドナータンパク質および蛍光アクセプタータンパク
    質がGFPである、請求項31ないし33のいずれかに記載のタンパク質。
  35. 【請求項35】 該蛍光ドナータンパク質および蛍光アクセプタータンパク
    質が変異体w7およびS65Tである、請求項34に記載のタンパク質。
  36. 【請求項36】 FRETが制御サブユニットへの触媒サブユニットの結合
    によって修飾される、請求項31ないし35のいずれかに記載の方法。
  37. 【請求項37】 FRETが制御サブユニットへのcAPMの結合によって
    修飾される、請求項31ないし36のいずれかに記載の方法。
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