JP2003500538A - 粉末冶金組成物の改良された製造方法 - Google Patents

粉末冶金組成物の改良された製造方法

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JP2003500538A JP2000621101A JP2000621101A JP2003500538A JP 2003500538 A JP2003500538 A JP 2003500538A JP 2000621101 A JP2000621101 A JP 2000621101A JP 2000621101 A JP2000621101 A JP 2000621101A JP 2003500538 A JP2003500538 A JP 2003500538A
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セメル,フレデリク・ジエイ
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ヘガネス・コーポレーシヨン
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、冶金粉末組成物を製造する方法と製造した冶金粉末組成物を使用する方法を提供する。本発明の方法は、鉄と好ましくはモリブデンである一つあるいはそれ以上の合金化添加剤を含有する鉄ベースの予備合金粉末を準備し、この鉄ベースの予備合金粉末を60ミクロンあるいはそれ以下の重量平均粒子サイズを持つ銅含有粉末及び20ミクロンの重量平均粒子サイズを持つニッケル含有粉末と混合することを含む。この鉄ベースの予備合金粉末、銅含有粉末、及びニッケル含有粉末を含有する混合物は、予備合金粉末の他の合金化粉末との接着を促進するために、何らかの方法で結合される。好ましくは、結合を行うために、結合剤が使用される。このように製造した冶金粉末組成物は、金属部品に成形した場合、改良された機械的性質を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、好ましくは特定の量のモリブデン、銅、及びニッケルを含有する鉄
系の粉末組成物を製造する改良方法に関する。このように製造した冶金粉末組成
物は、金属部品に成形した場合、降伏強度及び引っ張り強さ等の改良された機械
的性質を提供する。
【0002】 (発明の背景) 金属粉末組成物の圧縮及び燒結により製造する金属部品の工業的使用は、多数
の領域で急速に拡大しつつある。この部品の製造において、金属粉末組成物は、
通常、金属ベースの粉末と潤滑剤及びバインダー等の他の添加剤から形成される
。通常、この金属ベースの粉末は、場合によっては一つあるいはそれ以上の合金
化成分により予備合金化された鉄粉末である。
【0003】 予備合金化するための普通の手法は、鉄及び一つあるいはそれ以上の所望の合
金化成分を含有する均一な溶融金属組成物を形成し、そしてこの溶融金属を水で
アトマイズして、均一な粉末組成物を形成することを含む。
【0004】 この金属ベースの粉末は、任意のオプションの予備合金化の後、最終部品の性
質を改良するために、時には他の添加剤と混合される。例えば、この金属ベース
の粉末は、粉末の形である少なくとも一つの他の合金化化合物または元素(「合
金化粉末」)と時として混合される。この合金化粉末によって、例えば最終燒結
部品における高い強度及び他の機械的性質の達成が可能になる。
【0005】 この合金化粉末は、通常、粒子サイズ、形状及び密度が金属ベースの粉末と異
なる。例えば、鉄等の金属ベースの粉末の平均の粒子サイズは、通常、約70−
100ミクロンあるいはそれ以上であり、一方では大多数の合金化粉末の平均粒
子サイズは、約20ミクロン未満、しばしば約15ミクロン未満、またある場合
には約5ミクロン未満であることができる。しかしながら、小サイズの純粋な銅
を含有する粉末は、大粒子サイズの銅を含有する粉末と比べて高価であり、小サ
イズの純粋な銅を含有する粉末を使用する他の動機がないために、実質的に純粋
な銅を含有する粉末は、概ねこのような小粒子サイズ(例えば、20ミクロンあ
るいはそれ以下)で使用されなかった。また、金属ベースの粉末とオプションの
合金化粉末の混合物を時には潤滑剤等の他の添加剤とも混合して、最終金属粉末
組成物を形成する。通常、この金属粉末組成物を圧縮ダイ中に注ぎ込み、加圧(
例えば、平方インチ当り5から70トン(tsi))下で、及びある場合には上
昇した温度で圧縮して、圧縮したあるいは「グリーン」部品に成形する。次に、
このグリーン部品を燒結して、凝集性の金属部品を形成する。また、燒結操作は
有機材料も焼き飛ばす。
【0006】 鉄ベースの粉末組成物を形成する場合に起こる一つの問題は、合金化粉末と鉄
ベースの粉末間の粒子サイズの不同によって、輸送、貯蔵、及び使用時に微細な
合金化粒子の偏析とダスト発生等の問題が起こり得ることである。鉄ベースの粉
末と合金化粉末は最初均一な粉末に混合されるが、貯蔵及び移送時に粉末混合物
の取り扱いの力によって、小さい合金化粉末粒子は、鉄ベースの粉末マトリック
スの隙間を通って移動することができる。通常の重力によって、特にこの合金化
粉末が鉄ベースの粉末よりも密度が高い場合には、合金化粉末は、混合物の容器
の底に向って移動され、結果として混合物の均一性が失われ、あるいは偏析する
。他方、操作の結果として粉末マトリックス内で起こり得る空気流によって、小
さい合金化粉末は、特に鉄ベースの粉末よりも密度が小さい場合には、上方に移
動させられる。この浮力が充分大きい場合には、合金化粒子の一部は、ダスト発
生として知られる現象によってこの混合物から完全に逃散し、結果として合金元
素の濃度が減少する。
【0007】 前述のダスト発生と偏析問題への一つの解決は、粉末を外周温度で圧縮するた
めに、この微細な合金化粉末を粗い鉄ベースの粒子に結合あるいは「接着」して
、偏析とダスト発生を防止する、種々の有機バインダーを使用することであった
。例えば、Engstromへの米国特許第4,483,905号は、「粘着性
あるいは脂の性格」として広く挙げられている結合剤を粉末組成物の約1重量%
迄の量で使用することを教示する。Engstromへの米国特許第4,676
,831号は、特定なトール油の結合剤としての使用を開示している。また、S
emelへの米国特許第4,834,800号は、概ね水に不溶である膜形成性
ポリマー樹脂を結合剤として使用することを開示している。バインダーの利点に
も拘わらず、バインダーは、時には部品の圧縮性と機械的性質を低下させること
がある。
【0008】 1960年代中頃以来使用されてきたもう一つの解決策は、「拡散結合された
鉄ベースの粒子」を使用することである。拡散結合された鉄ベースの粒子は、こ
れらの外表面中に拡散結合し、部分合金化される元素を生じる鋼等の一つあるい
はそれ以上の他の金属を持つ、実質的に純粋な鉄の粉末である。このような市販
の粉末は、Hoeganaes Corporation(Cinnamins
on, New Jersey)から入手されるDistaloyTM AB及びD
istaloyTM AEである。Distaloy AB及びAE金属粉末は、そ
れぞれMPIF標準35FD−02及びFD−04に合致させられている。この
ように、Distaloy ABは、約1.5重量パーセントの銅、約1.75
重量パーセントのニッケル、及び約0.5重量パーセントのモリブデンを含有す
る。Distaloy AEは、約1.5重量パーセントの銅、約4.00重量
パーセントのニッケル、及び約0.5重量パーセントのモリブデンを含有する。
【0009】 Distaloy AB及びAE金属粉末は、好ましくは引用により開示を全
体でここに入れた、1969年8月27日に公告された英国特許明細書GB1,
162,702に開示されている方法により製造される。好ましい方法において
は、Distaloy AB及びAE金属粉末は、実質的に純粋な鉄粉末を銅、
モリブデン、及びニッケル含有粉末添加剤とブレンドすることにより製造される
。この実質的に純粋な鉄粉末は、概ね0.50重量パーセント未満の残存不純物
を含有し、公称250ミクロンの最大粒子サイズ及び約60ミクロンから約75
ミクロンの重量平均粒子サイズを有する。この銅及びモリブデン添加剤は、通常
、酸化物の形(例えば、第1酸化銅及び三酸化モリブデン)であり、一方このニ
ッケル粉末は通常単体の形である。この銅、ニッケル、及びモリブデン添加剤は
、概ね15ミクロンあるいはそれ以下の重量平均粒子サイズを有する。粉末添加
剤をブレンドした後、得られる混合物を通常、約800℃から約900℃の範囲
の温度で水素焼鈍にかける。この焼鈍は、最初に銅及びモリブデン酸化物を単体
の形迄還元する。この後、この還元された銅含有粉末、還元モリブデン粉末、及
びニッケル粉末は、鉄粉末と部分合金化され、そしてまた拡散機構によりある程
度相互に部分的に合金化される。この混合物は、焼鈍時凝集する傾向があるため
に、冷却後通常、破砕ステップにより粉末に再形成される。また、この混合物は
、焼鈍及び破砕時に種々の機構により凝離する傾向があるので、時には破砕後こ
の粉末を第2のブレンドステップにかけることも望まれる。このように製造した
拡散結合し、部分的に合金化した粉末を、引続き潤滑剤、機械加工剤、及びグラ
ファイト等の他の通常の添加剤と混合してもよい。Distaloy AB及び
AEは、強度及び耐衝撃性に関してこれ迄のところ業界で最高の性能のグレード
である。この利点にも拘わらず、拡散結合を行うのに必要とされる余分な加工ス
テップと関連の加工装置を準備するのに必要とされる顕著な投資のために、これ
らの粉末は高価である。
【0010】 これらの粉末冶金組成物を製造する代替の方法を開発することが望ましい。好
ましくは、このような方法は、Distaloy組成物に匹敵するか、あるいは
改良された機械的性質の粉末冶金組成物を提供する。
【0011】 (発明の要約) 本発明は、金属部品に成形した場合、改良された機械的性質を呈する、鉄ベー
スの冶金粉末組成物を製造する方法を提供する。本発明の一つの態様においては
、この方法は、予備合金粉末中の合金化添加剤の量が予備合金粉末の全重量基準
で少なくとも約0.10重量パーセント、好ましくは約0.10重量パーセント
から約2.0重量パーセントである、鉄と好ましくはモリブデンである少なくと
も一つの合金化添加剤を含有する予備合金化された粉末を準備し;この予備合金
粉末と約60ミクロンあるいはそれ以下の重量平均粒子サイズを持つ銅含有粉末
及び約20ミクロンあるいはそれ以下の重量平均粒子サイズを持つニッケル含有
粉末を混合し;そしてこの銅含有粉末、ニッケル含有粉末、及び予備合金粉末を
結合剤の存在下で結合して、冶金粉末組成物を形成することを含む。このように
製造した冶金粉末組成物は、少なくとも約0.5重量パーセント、更に好ましく
は約0.5重量パーセントから約4.0重量パーセントの銅;少なくとも約0.
5重量パーセント、更に好ましくは約0.5重量パーセントから約8.0重量パ
ーセントのニッケル:そして少なくとも約83重量パーセントのこの予備合金粉
末を含有する。
【0012】 上記の方法の好ましい態様においては、この冶金組成物は、冶金粉末組成物の
全重量基準で、好ましくは約0.1重量パーセントから約1.2重量パーセント
の量のグラファイトと約2重量パーセント迄の量の少なくとも一つの潤滑剤も含
む。この潤滑剤とグラファイトは、好ましくは結合ステップに先立って冶金組成
物に添加される。
【0013】 もう一つの態様においては、この冶金粉末組成物を製造する方法は、予備合金
粉末中のモリブデンの量が予備合金粉末の全重量基準で、少なくとも約0.10
重量パーセントである、鉄とモリブデンを含有する予備合金粉末を準備し;この
予備合金粉末と約60ミクロンあるいはそれ以下の重量平均粒子サイズを持つ銅
含有粉末及び約20ミクロンあるいはそれ以下の重量平均粒子サイズを持つニッ
ケル含有粉末を混合し;そしてこの銅含有粉末、ニッケル含有粉末、及び予備合
金粉末を含有する混合物を少なくとも800℃の温度で焼鈍することを含む。焼
鈍後、この混合物は、場合によってはグラファイト、潤滑剤、結合剤及び/また
は任意の他の慣用の冶金粉末添加剤と混合されてもよい。このように形成された
冶金粉末組成物は、少なくとも約0.5重量パーセントの銅、少なくとも約0.
5重量パーセントのニッケル、及び少なくとも約83重量パーセントの予備合金
粉末を含有する。
【0014】 また、本発明は、モリブデンの量が予備合金粉末の重量基準で約0.10重量
パーセントから約2.0重量パーセントである、鉄とモリブデンを含有する、少
なくとも83重量パーセントの鉄−モリブデン予備合金粉末;約60ミクロンあ
るいはそれ以下の重量平均の粒子サイズを持つ約0.5重量パーセントから約4
.0重量パーセントの銅含有粉末;約0.5重量パーセントから約8重量パーセ
ントのニッケル含有粉末;及びこの銅含有粉末、ニッケル含有粉末、及び予備合
金粉末を結合するのに有効である、少なくとも約0.005重量パーセントの結
合剤を含む、改良された冶金粉末組成物も提供する。
【0015】 また、本発明は、この冶金粉末組成物を少なくとも約5tsiの圧力で圧縮す
ることを含む、本発明により製造した冶金粉末組成物から金属部品を成形する方
法も提供する。
【0016】 (発明の詳細な説明) 本発明は、冶金粉末組成物を製造する改良された方法を提供する。本発明の方
法は、鉄と好ましくはモリブデンである少なくとも一つの合金化添加剤を含有す
る鉄ベースの予備合金粉末を準備し、この予備合金粉末を好ましくは比較的小粒
子サイズの銅とニッケル含有粉末を含む、少なくとも2つの合金化粉末添加剤(
例えば、化合物、元素、または合金)と混合することを含む。また、本発明の方
法は、予備合金粉末と合金化添加剤を何らかの方法で結合することも含む。例え
ば、これ以降更に詳述するように、一つの態様においては、予備合金粉末、銅含
有粉末とニッケル含有粉末を結合するために、少なくとも一つの結合剤が使用さ
れる。この態様においては、結合剤との処理に先立ち、潤滑剤及び任意の他の所
望の冶金粉末添加剤を予備合金粉末及び合金化添加剤と混合することが好ましい
。もう一つの態様においては、銅及びニッケル含有粉末は、予備合金粉末と「拡
散結合され、そして部分的に合金化」される。所望ならば、引続いて、得られた
拡散結合し、そして部分合金化した粉末を、一つあるいはそれ以上のグラファイ
ト等の他の合金化粉末、一つあるいはそれ以上の潤滑剤、一つあるいはそれ以上
のバインダー、または任意の他の慣用の粉末冶金添加剤またはこれらの組合せ物
と混合することができる。この改良された粉末組成物は、優れた「グリーン」の
性質を提供し、またこの改良された冶金粉末組成物から成形した金属部品は、降
伏強度及び引っ張り強さ等の卓越した機械的性質を示す。
【0017】 本発明の方法で有用な鉄ベースの予備合金粉末は、好ましくは強度、焼き入れ
性、または最終製品の他の所望の性質を増進させる、一つあるいはそれ以上の合
金化添加剤(例えば、モリブデン含有化合物)と鉄を予備合金化することにより
製造される。「予備合金化」とは、予備合金される化合物及び/または元素を溶
融物中で緊密に混合して、原子レベルでの混合を得るという意味である。当該技
術の熟練者に既知の任意の方法により、この鉄ベースの予備合金粉末を成形して
もよい。例えば、鉄と一つあるいはそれ以上の所望の合金化化合物または元素の
溶融物を製造し、溶融物をアトマイズし、次にアトマイズした液滴が固化時に粉
末を形成するようにさせることにより、予備合金化した鉄ベースの粉末を製造す
ることができる。
【0018】 予備合金粉末を形成するのに使用することができる鉄は、好ましくは約1.0
重量%以下の、好ましくは約0.5重量%以下の通常の不純物を含有する、実質
的に純粋な鉄である。予備合金化に先立っては、この鉄はいかなる物理的形状で
あってもよい。例えば、この鉄は、粉末の形またはスクラップ金属の形であって
もよい。
【0019】 予備合金粉末を形成するのに好適な合金化添加剤の例は、限定ではないが、モ
リブデン、マンガン、マグネシウム、タングステン、クロム、ケイ素、銅、ニッ
ケル、金、バナジウム、コロンビウム(ニオブ)、グラファイト、リン、または
アルミニウム、またはこれらの組合せ物の元素または化合物を含む。通常、この
合金化添加剤は、概ね約5重量%迄の、好ましくは約0.10%から約4重量%
の、最も好ましくは約0.10%から約2重量%の量で鉄と組合せられる。しか
しながら、当該技術の熟練者ならば、鉄と予備合金される合金化添加剤の量とタ
イプは、最終金属部品に所望される性質に依存することを判っているであろう。
【0020】 好ましい態様においては、この鉄は、好ましくはモリブデンを含有して、鉄−
モリブデン予備合金粉末を形成する少なくとも一つの合金化化合物または元素と
予備合金される。鉄−モリブデン予備合金粉末を形成するのに有用なモリブデン
含有化合物は、予備合金化プロセスにおいて鉄と合金化することが可能であるモ
リブデンを含有する、任意の化合物である。このモリブデン含有化合物は、例え
ば三酸化モリブデン等のモリブデンの酸化物またはフェロモリブデン合金であっ
てもよい。また、このモリブデン含有化合物は、実質的に純粋な単体モリブデン
(好ましくは約90重量%以上の純度を持つ)であってもよい。好ましくは、こ
のモリブデン含有化合物は、三酸化モリブデン等のモリブデンの酸化物である。
【0021】 この鉄とモリブデンを予備合金化することにより、このモリブデンと鉄を単純
に混合するか、あるいはこのモリブデンと鉄を拡散結合し、部分合金化した燒結
金属部品と比較して、最終燒結金属部品において降伏強度及び引っ張り強さ等の
予想外に改良された強度の性質を得ることができることが判明した。理論により
制約を受ける意図は全くないが、この鉄とモリブデンを予備合金化することによ
り、結果としてこのモリブデンのメリットを充分に享受した最終燒結金属部品を
生成させる、原子レベルにおける更に完全な混合が得られると考えられる。更に
は、鉄、モリブデン、及び他の合金化粉末の混合物を拡散結合し、部分合金化す
るプロセスに比較して、鉄とモリブデンを予備合金化することにより、ニッケル
と銅等の他の合金化粉末の拡散速度とこの合金化粉末の最終的に合金化する程度
が増大すると考えられる。
【0022】 本発明で有用な鉄−モリブデン予備合金粉末は、鉄−モリブデン合金粉末の全
重量基準で、少なくとも約0.10重量パーセントのモリブデン、好ましくは約
0.10重量パーセントから約2.0重量パーセントのモリブデン、更に好まし
くは約0.20重量パーセントから約1.6重量パーセントのモリブデン、最も
好ましくは約0.40から約0.65重量パーセントのモリブデンを含有する。
この鉄−モリブデン合金粉末中の鉄の量は、好ましくは約97.1重量パーセン
トから約99.8重量パーセントの鉄、更に好ましくは約97.5重量パーセン
トから約99.7重量パーセントの鉄、最も好ましくは約98.45重量パーセ
ントの鉄から約99.50重量パーセントの鉄である。
【0023】 本発明の最も好ましい態様においては、この鉄−モリブデン予備合金粉末は、
好ましくは本発明の方法により製造した冶金粉末組成物が圧縮及び燒結後、MP
IF標準35に適合するような、充分なモリブデンを含有する。このような態様
においては、この鉄−モリブデン予備合金粉末は、好ましくは鉄−モリブデン合
金粉末の全重量基準で、約0.45重量パーセントから約0.65重量パーセン
トのモリブデンと約98.45重量パーセントから約99.50重量パーセント
の鉄を含有する。また、この鉄−モリブデン予備合金粉末は、予備合金粉末の全
重量基準で、好ましくは少なくとも0.15重量パーセントの、更に好ましくは
少なくとも0.25重量パーセントの最少レベルの残存不純物を含有し、約1.
0重量パーセント迄の最大の残存不純物を、更に好ましくは約0.9重量パーセ
ント迄の最大の残存不純物を含有する。この鉄−モリブデン予備合金粉末は、予
備合金粉末の全重量基準で、好ましくは約0.03重量パーセントのイオウ、約
0.02重量パーセントの炭素、約0.02重量パーセントのケイ素、及び約0
.01重量パーセントの窒素の最大の残存不純物を含有する。
【0024】 本発明で有用な鉄モリブデン予備合金粉末は、好ましくは約250ミクロンの
最大粒子サイズを、更に好ましくは約180ミクロンの最大粒子サイズを有する
。加えて、この鉄モリブデン予備合金粉末の重量平均の粒子サイズは、好ましく
は約100ミクロン未満、更に好ましくは約65ミクロンから約100ミクロン
の範囲、最も好ましくは約60ミクロンから約75ミクロンの範囲にある。
【0025】 好適な市販の鉄−モリブデン予備合金粉末の例は、HoeganaesのAN
CORSTEEL 150HP鋼粉末、85HP鋼粉末、または50HP鋼粉末
またはこれらの組合せ物を含む。150HP、85HP及び50HP鋼粉末中の
モリブデンの量は、それぞれ予備合金の全重量基準で、約1.5重量パーセント
、0.85重量パーセント、及び0.55重量パーセントである。これらの鉄モ
リブデン予備合金粉末は、マンガン、クロム、ケイ素、銅、ニッケル、またはア
ルミニウム等の、約0.75重量パーセント未満の材料と約0.02重量パーセ
ント未満の炭素を含有し、残りは実質的に鉄である。市販の鉄−モリブデン予備
合金粉末のもう一つの例は、約0.5−0.6重量パーセントのモリブデン、約
1.5−2.0重量パーセントのニッケル、約0.l−0.25重量パーセント
のマンガン、約0.02重量パーセント未満の炭素を含有し、残りが好ましくは
実質的に鉄である、HoeganaesのANCORSTEEL 4600V鋼
粉末である。本発明で有用である他のANCORSTEEL鉄−モリブデン予備
合金粉末は、例えばANCORSTEEL 2000及び737鋼粉末を含む。
150HP、85HPまたは50HP鋼粉末は、本発明での鉄−モリブデン予備
合金としての使用に好ましい。
【0026】 また、この鉄−モリブデン予備合金粉末は、場合によっては他の合金化化合物
または元素を含有してもよい。これらの他の合金化化合物または元素の合金化を
、鉄とモリブデンを予備合金化しながら行ってもよく、あるいは鉄−モリブデン
予備合金を形成するのに先立ち、あるいはそれ以降に行ってもよい。いかなる合
金化化合物または元素を使用してもよい。好ましい他の合金化化合物または元素
は、銅、銅酸化物、ニッケル、マンガン、クロム酸化物、またはこれらの組合せ
物であるか、あるいは含有する。好ましくは、この鉄−モリブデン合金粉末中の
オプションの合金化化合物または元素の量は、鉄モリブデン予備合金粉末の全重
量基準で2.0重量パーセント以下、好ましくは約0.10重量パーセントから
約1.5重量パーセントである。例えば、鉄と所望量のモリブデン含有化合物及
びオプションの他の合金化化合物の溶融物をアトマイズすることにより、この合
金化を行うことができる。また、これ以降で更に詳細に述べるように、拡散結合
プロセスによりオプションの他の合金化化合物または元素の合金化を行ってもよ
い。
【0027】 また、本発明の組成物は、上述の予備合金粉末と混合した、他の鉄ベースの粉
末を含有することもできる。この予備合金粉末と混合することができる他の鉄ベ
ースの粉末は、例えば、好ましくは約1重量パーセント未満の不純物またはこれ
らの組合せ物を含有する、実質的に純粋に鉄の粉末を含む。実質的に純粋な鉄粉
末の例は、Hoeganaes Corporation(Cinnamins
on,New Jersey)から市販されている、純粋な鉄粉末のANCOR
STEEEL 1000シリーズ、例えば1000、1000B、及びl000
C中の高圧縮性の冶金グレードの鉄粉末を含む。ANCORSTEEL 100
0鉄粉末は、No.325ふるい(米国シリース)以下の粒子が約22重量%、
No.100ふるいよりも大きい粒子が約10重量%であり、残りがこれら2つ
のサイズの間である通常のふるい分析を示す(痕跡量はNo.60ふるいよりも
大きい)。ANCORSTEEL 1000粉末は、約2.85−3.00g/
cm3の、通常2.94g/cm3の見掛けの密度を有する。
【0028】 この予備合金粉末は、好ましくはこのように形成した冶金粉末組成物中に冶金
粉末組成物の全重量基準で、少なくとも約83重量パーセントの、更に好ましく
は約85.0重量パーセントから約99.0重量パーセントの、最も好ましくは
約88.0重量パーセントから約98.0重量パーセントの量で存在する。本発
明の最も好ましい態様においては、この冶金粉末組成物中に存在する予備合金粉
末の量は、この組成物が圧縮及び燒結後、MPIF標準35に合致するようなも
のであり、冶金粉末組成物の全重量基準で、約88.0重量パーセントから約9
8.0重量パーセントの範囲にある。
【0029】 本発明の方法においては、上述の鉄ベースの予備合金粉末は、好ましくは銅含
有粉末とブレンドされる。この銅含有粉末は、好ましくは比較的少ない不純物を
持つ単体の銅である。好ましくは、この銅含有粉末は、銅含有粉末の全重量基準
で、少なくとも90重量パーセントの、更に好ましくは少なくとも98重量パー
セントの、最も好ましくは少なくとも99.5重量パーセントの銅を含有する。
この銅含有粉末は、約60ミクロンあるいはそれ以下、好ましくは約20ミクロ
ンあるいはそれ以下、更に好ましくは約15ミクロンあるいはそれ以下である、
相対的に小さい重量平均粒子サイズを有する。好ましい銅含有粉末は、約5と約
15ミクロンの間の、好ましくは約9と約13ミクロンの間の範囲の重量平均粒
子サイズを有する。
【0030】 相対的に小さい粒子サイズの銅含有粉末の使用は、本発明により成形した金属
部品に向上した機械的性質を付与することが判明した。60ミクロン以上の重量
平均粒子サイズの銅含有粉末は、これより小さい粒子サイズを持つ銅含有粉末の
結果を与えないことが判明した。また、銅含有粉末の重量平均の粒子サイズを約
60ミクロンから約20ミクロンあるいはそれ以下に低下させるに従って、機械
的性質に更なる改良が観察される。
【0031】 本発明の方法による冶金粉末組成物中に存在する銅含有粉末の量は、冶金粉末
組成物の全重量基準で、好ましくは少なくとも0.5重量パーセント、更に好ま
しくは約0.5重量パーセントから約4.0重量パーセント、最も好ましくは約
1.0から約2.0である。本発明の最も好ましい態様においては、この冶金組
成物中に存在する銅の量は、この組成物を圧縮及び燒結した後、MPIF標準3
5に合致し、冶金粉末組成物の全重量基準で、約1.3重量パーセントから約1
.7重量パーセントの範囲にある。
【0032】 また、この鉄ベースの予備合金粉末は、好ましくは一つあるいはそれ以上のニ
ッケル含有粉末とも混合される。このニッケル含有粉末は、好ましくは鉄ベース
の予備合金粉末とブレンドされて、形成された冶金粉末組成物の全重量基準で、
少なくとも0.5重量パーセントの、更に好ましくは約0.5から約8.0重量
パーセントの、最も好ましくは約1.0重量パーセントから約6.0重量パーセ
ントの量でニッケルをもたらす。本発明の最も好ましい態様においては、この冶
金組成物中に存在するニッケルの量は、この組成物の圧縮及び燒結の後、MPI
F標準35に合致し、冶金粉末組成物の全重量基準で、約1.5重量パーセント
から約4.4重量パーセントの範囲にある。このニッケル含有粉末の重量平均粒
子サイズは、好ましくは約20ミクロンあるいはそれ以下、更に好ましくは約1
5ミクロンあるいはそれ以下である。
【0033】 本発明で有用な好適なニッケル含有粉末は、ニッケルを含有する任意の添加剤
(例えば、元素、化合物、または合金)である。好ましくは、このニッケル含有
化合物は、約98重量%以上の純度を持つ、実質的に純粋な単体ニッケルである
。また、このニッケル含有粉末は、最終製品の強度、焼き入れ性、電磁的性質、
または他の所望の性質を向上させる、他の元素とニッケル合金化されてもよい。
しかしながら、好ましくは、実質的に純粋な単体ニッケル粉末が使用される。
【0034】 また、本発明の方法で製造される冶金粉末組成物は、この銅含有粉末とニッケ
ル含有粉末に加えて、他の合金化粉末を含有してもよい。「合金化粉末」という
用語は、ここで使用しているように、この添加剤が冶金粉末組成物と最終的に合
金化するかどうかは別として、冶金粉末組成物と物理的にブレンドした任意の粒
子状の元素、化合物、または合金添加剤を指す。
【0035】 冶金粉末組成物とブレンドされる他の合金化粉末の例は、モリブデン、マンガ
ン、クロム、ケイ素、金、バナジウム、コロンビウム(ニオブ)、グラファイト
、リン、アルミニウム、ホウ素、またはこれらの酸化物;銅及びスズ、銅及びニ
ッケル、または銅及びリンの二元合金;マンガン、クロム、ホウ素、リン、また
はケイ素のフェロ合金;鉄、バナジウム、マンガン、クロム、及びモリブデンか
ら選ばれる2つあるいは3つの元素と組合せた炭素の低融点の三元及び四元共融
混合物;タングステンまたはケイ素の炭化物;窒化ケイ素;酸化アルミニウム;
マンガンまたはモリブデンの硫化物及びこれらの組合せ物を含む元素または化合
物を含む。好ましい合金化粉末はグラファイト含有粉末を含む。
【0036】 この他の合金化粉末は、好ましくは冶金粉末組成物中に約4重量パーセント迄
の量で存在する。本発明の好ましい態様においては、この他の合金化粉末は、圧
縮し、燒結した冶金組成物がMPIF標準35と合致するような量で冶金組成物
に添加される。このような態様においては、この冶金粉末組成物は、好ましくは
約0.20重量パーセントから約3.0重量パーセントの、更に好ましくは約0
.25から約0.90重量パーセントの他の合金化粉末を含有する。この他の合
金化粉末は、好ましくは約100ミクロン以下の、好ましくは約75ミクロン以
下の、更に好ましくは約30ミクロン以下の、最も好ましくは約5ミクロンから
約20ミクロンの範囲の重量平均粒子サイズを有する。
【0037】 本発明の好ましい態様においては、この銅含有粉末及びニッケル含有粉末に加
えて、この組成物の強度の性質を改良するために、グラファイト粉末が冶金粉末
組成物中に混合される。好ましくは、グラファイト(例えば、炭素)は、冶金粉
末組成物の全重量基準で約0.1重量パーセントから約1.2重量パーセントの
量で冶金粉末組成物中に混合される。本発明の最も好ましい態様においては、グ
ラファイトは、圧縮し、燒結した冶金組成物中のMPIF標準35のパーセント
炭素の条件に合致する量で、冶金粉末組成物中に存在し、それゆえ、好ましくは
冶金粉末組成物の全重量基準で約0.35重量パーセントから約0.95重量パ
ーセントの量で存在する。
【0038】 また、本発明の方法により製造した冶金粉末組成物は、潤滑剤、機械加工剤、
及び可塑剤等の鉄ベースの粉末と共に普通に使用される任意の特殊目的の添加剤
を含んでもよい。
【0039】 本発明の好ましい態様においては、この冶金粉末組成物は、圧縮部品を金型キ
ャビティから取り外すのに必要とされる排出力を低減するために、潤滑剤を含有
する。通常の粉末冶金潤滑剤の例は、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウム
、ステアリン酸マンガンまたはステアリン酸カルシウム等のステアリン酸塩;エ
チレンビスステアラミド等の合成ワックスまたはポリオレフィン:またはこれら
の組合せ物を含む。また、この潤滑剤は、引用により開示を全体でここに入れた
、米国特許第5,368,630号に開示されているPROMOLD−450等
のポリアミド潤滑剤、Lukへの米国特許第5,498,276号に開示されて
いる粒子状エーテル、またはJohnsonらへの米国特許第5,330,79
2号に開示されている脂肪酸の金属塩であってもよい。また、この潤滑剤は、前
述の潤滑剤のいずれかの組合せ物であってもよい。
【0040】 この潤滑剤は、概ね、冶金粉末組成物の約2重量パーセント迄の、好ましくは
約0.1から約1.5重量パーセントの、更に好ましくは約0.1から約1重量
パーセントの、最も好ましくは約0.2から約0.75重量パーセントの量で添
加される。
【0041】 好ましい潤滑剤は、エチレンビスステアラミド、ステアリン酸亜鉛、Hoga
nas Corporation(Hoganas,Sweden)により供給
されているKenolubeTM、Blanchfordにより供給されているF
errolubeTM、及びポリエチレンワックスである。好ましくは、これらの
潤滑剤は、形成される冶金粉末組成物の全重量基準で、約0.2重量パーセント
から約1.5重量パーセントの量で添加される。
【0042】 また、可塑剤及び機械加工剤等の他の添加剤が冶金粉末組成物中に存在しても
よい。ポリエチレン−ポリプロピレンコポリマー等の可塑剤は、通常バインダー
及び/または潤滑剤と一緒に使用される。硫化モリブデン、硫化鉄、窒化ホウ素
、ホウ酸またはこれらの組合せ物等の機械加工剤は、通常最終機械加工操作(例
えば、孔あけ、旋削、フライス削りなど)を補助するために使用される。好まし
くは、これらの他の添加剤は、冶金粉末組成物中に冶金粉末組成物の全重量基準
で、約0.05重量パーセントから約1.0重量パーセントの、更に好ましくは
約0.1重量パーセントから約0.5重量パーセントの量で存在する。
【0043】 本発明の方法においては、鉄ベースの予備合金粉末と銅及びニッケル含有粉末
を含有する冶金粉末組成物は、例えば合金化粉末のダスト発生と偏析を防止し、
この混合物の均一性を維持するために何らかの方法で「結合」される。「結合」
とは、ここで使用しているように、この銅及びニッケル含有粉末等の合金化粉末
との予備合金粉末の接着を容易にする、任意の物理的あるいは化学的方法の意味
である。
【0044】 本発明の好ましい態様においては、少なくとも一つの結合剤の使用により結合
を行なう。この結合剤は、粉末の間に結合をもたらすために、この鉄ベースの予
備合金粉末、銅含有粉末、及びニッケル含有粉末を含有する混合物と混合される
。また、グラファイト等の他の合金化粉末と潤滑剤及び機械加工剤等の添加剤を
、結合剤を添加するのに先立ち、この鉄ベースの予備合金粉末、銅含有粉末、及
びニッケル含有粉末と混合してもよい。
【0045】 本発明で使用することができる結合剤は、粉末冶金技術で普通に使用されるも
のである。このような結合剤の例は、引用により開示を全体でここに入れた、S
emelへの米国特許第4,834,800号、Engstromへの米国特許
第4,483,905号、Rutzらへの米国特許第5,154,881号、及
びSemelらへの米国特許第5,298,055号に見られる。
【0046】 このような結合剤は、例えばポリエチレングリコールまたはポリプロピレング
リコール等のポリグリコール;グリセリン;ポリビニルアルコール;酢酸ビニル
のホモポリマーまたはコポリマー;セルロースエステルまたはエーテル樹脂;メ
タアクリレートポリマーあるいはコポリマー;アルキッド樹脂;ポリウレタン樹
脂;ポリエステル樹脂;またはこれらの組合せ物を含む。有用である結合剤の他
の例は、Semelらへの米国特許第5,298,055号に記述されている組
成物をベースとする相対的に高い分子量のポリアルキレンオキサイドである。ま
た、有用な結合剤は、引用により開示を全体でここに入れた、Lukへの米国特
許第5,290,336号に開示されているような、アゼライン酸等の二塩基性
有機酸とポリエーテル(液体または固体)及びアクリル樹脂等の一つあるいはそ
れ以上の極性成分も含む。また、有利なことには、Lukへの'336特許の結
合剤は、潤滑剤としても作用することができる。追加の有用な結合剤は、引用に
より開示を全体でここに入れた、Lukへの米国特許第5,368,630号に
記述されているように、セルロースエステル樹脂、ヒドロキシアルキルセルロー
ス樹脂、及び熱可塑性フェノール樹脂を含む。
【0047】 更に、この結合剤は、ポリエステル、ポリエチレン、エポキシ、ウレタン、パ
ラフィン、エチレンビスステアラミド、及び綿実ワックス、及びまた3,000
以下の重量平均分子量のポリオレフィン、及び引用により開示を全体でここに入
れた、WO99/20689、1999年4月29日に公告されたWO99/2
0689に記述されているような、水素化誘導体、例えば綿実油、大豆油、ホホ
バ油、及びこれらのブレンドを含む、C14-24アルキル部分のトリグリセリド及
びこれらの誘導体である、水素化植物油等の低融点の固体ポリマーまたはワック
ス、例えば200℃(390゜F)以下の軟化温度を持つポリマーまたはワック
スであることができる。この出願に述べられている乾式結合法により、そして結
合剤に対して表示している一般的な量でこれらの結合剤を施すことができる。本
発明で使用することができる更なる結合剤は、引用により開示を全体でここに入
れた、米国特許第5,069,714号に記述したような、ポリビニルピロリド
ンまたはトール油エステルである。好ましい結合剤は、ポリエチレンオキサイド
、ポリ酢酸ビニル、WO99/20689に開示されている結合剤、またはこれ
らの組合せ物である。
【0048】 鉄ベースの粒子に添加される結合剤の量は、合金化粉末の密度及び粒子サイズ
分布と組成物中の合金化粉末の相対的な重量等の因子に依存する。概ね、この結
合剤は、冶金粉末組成物の全重量基準で、少なくとも約0.005重量パーセン
トの、更に好ましくは約0.005重量パーセントから約2重量パーセントの、
最も好ましくは約0.05重量パーセントから約1重量パーセントの量で添加さ
れる。
【0049】 当該技術の熟練者には既知の方法により、この結合剤を粉末混合物に添加する
ことができる。例えば、引用により開示を全体でここに入れた、Semelへの
米国特許第4,834,800号;Engstromへの第4,483,905
号;Rutzらへの第5,154,881号;及びSemelらへの第5,29
8,055号;及び1999年4月29日に公告されたWO99/20689に
より教示されている方法を使用することができる。好ましくは、粉末の良好な濡
れを得る迄、この結合剤を液体の形で添加し、この粉末と混合する。外周条件で
液体の形であるこれらの結合剤をそのまま粉末に添加することができるが、液体
あるいは固体であれ、結合剤を有機溶媒に溶解あるいは分散し、そして液体溶液
として添加して、混合物にわたって実質的に均一な分布を得ることが好ましい。
その後、この湿った粉末を慣用の方法を用いて加工して、溶媒を除去する。通常
、この混合物が少量で、概ね5ポンドあるいはそれ以下であるならば、この湿っ
た粉末を浅いトレーに拡げ、空気中で乾燥する。他方、多量の混合物の場合には
、乾燥ステップを混合容器中で熱と真空を使用することにより行うことができる
【0050】 また、所望ならば結合剤と潤滑剤の添加の順序を変えて、冶金粉末組成物の最
終の性能を変えることができる。例えば、引用により開示を全体でここに入れた
、Semelらへの米国特許第5,256,185で教示されている方法を使用
することができる。また、例えば、この潤滑剤を鉄ベースの予備合金粉末、合金
化粉末(例えば、銅及び/またはニッケル含有化合物)、及び他のオプションの
添加剤とブレンドすることができ、引続いて結合剤をこの組成物に施す。もう一
つの方法においては、好ましくは約50から約99重量パーセント、更に好まし
くは約75から約95重量パーセントの一部の潤滑剤を、鉄ベースの予備合金粉
末と他の添加剤の混合物に添加し、次に結合剤を添加し、続けて溶媒を除去し、
引続き潤滑剤の残りを金属粉末組成物に添加する。一つの更なる方法は、鉄ベー
スの予備合金粉末と他の添加剤の混合物に結合剤を最初に添加し、溶媒を除去し
、引続き潤滑剤の全量を添加することである。
【0051】 好ましい態様においては、結合剤を添加するのに先立ち、この銅含有粉末、ニ
ッケル含有粉末、グラファイト等のオプションの合金化粉末、潤滑剤、及び機械
加工剤を鉄ベースの予備合金粉末と混合する。
【0052】 本発明のもう一つの態様においては、この鉄ベースの予備合金粉末、及び銅及
びニッケル含有粉末を含有する混合物を「拡散結合し、部分合金化する」ことに
より、結合を行ってもよい。拡散結合し、部分合金化するいかなる既知の方法を
使用してもよい。拡散結合し、部分合金化する特に好ましい方法が引用により開
示を全体でここに入れた、GB1,162,702に開示されている。例えば、
拡散結合し、部分合金化する好ましい態様においては、鉄ベースの予備合金粉末
を、銅含有粉末とニッケル含有粉末を含む合金化粉末と混合する。この銅含有粉
末は、好ましくは酸化物の形(例えば、第1酸化銅)であり、このニッケル含有
粉末は、好ましくは実質的に純粋なニッケル粉末である。この予備合金粉末、銅
含有粉末及びニッケル含有粉末を含有するこの混合物は、高温で、好ましくは少
なくとも800℃あるいはそれ以上で、更に好ましくは約800℃から約900
℃の範囲で焼鈍される。また、この焼鈍は、好ましくは水素雰囲気中でも行なわ
れる。焼鈍時、この銅は単体の形迄還元され、この銅とニッケルは、鉄ベースの
予備合金と、そしてまた拡散機構によりある程度相互に部分合金化する。焼鈍後
、得られるケーキ状の混合物を砕解して、粉末に戻すことがしばしば必要である
。また、この粉末を再ブレンドして、凝離する傾向を持つ合金化元素を再均質化
することも望まれる。また、所望ならば、焼鈍に引続いて潤滑剤及びグラファイ
ト等の冶金粉末組成物に共通の他の添加剤を添加してもよい。
【0053】 双方の結合方法を本発明の方法で使用してもよいが、結合剤を使用することが
好ましい。これは、現行では余分の加工ステップを必要とし、また関連した加工
設備を提供するのに顕著な投資も必要とする、部分的拡散結合及び部分合金化プ
ロセスによる。加えて、グラファイトと潤滑剤の存在下では、この拡散結合プロ
セスを概ね行うことができない。代わりに、拡散結合に引続いて、概ねこれらの
添加剤を添加しなければならない。
【0054】 また、本発明は、好ましくは本発明の方法により製造される冶金粉末組成物も
提供する。このような冶金粉末組成物は、好ましくはこの鉄ベースの予備合金粉
末、銅含有粉末、及びニッケル含有粉末を前に開示した量で含有する。また、こ
の冶金粉末組成物は、場合によっては他の合金化粉末と前に述べた添加剤も含有
する。
【0055】 本発明の好ましい態様においては、当該技術の熟練者ならば、特定の用途に適
合するようにこの標準からはずれることが可能であることは判っているであろう
が、拡散合金化した鋼に対するMPIF標準35に合致するように、この冶金粉
末組成物は製造される。例えば、好ましくは、この冶金粉末組成物は、少なくと
も83重量パーセントの、更に好ましくは約85重量パーセントから約99重量
パーセントの、最も好ましくは約88重量パーセントから約98重量パーセント
の鉄ベースの予備合金粉末;60ミクロンあるいはそれ以下の粒子サイズを持つ
、約0.5重量パーセントから約4.0重量パーセントの、更に好ましくは約1
.0重量パーセントから約2.0重量パーセントの単体の銅含有粉末と好ましく
は約99重量パーセントあるいはそれ以上の純度の単体ニッケル粉末である、約
0.5重量パーセントから約8.0重量パーセントの、更に好ましくは約1.0
重量パーセントから約6.0重量パーセントのニッケル含有粉末を含有する。こ
の冶金粉末組成物中のニッケルと銅のパーセンテージを例えば元素分析により定
量することができる。
【0056】 上記の好ましい冶金粉末組成物中の鉄ベースの予備合金粉末は、好ましくは約
0.2重量パーセントから約2.0重量パーセントの、更に好ましくは約0.4
0重量パーセントから約0.65重量パーセントのモリブデン:及び約97.1
から約99.8重量パーセントの、更に好ましくは約97.5重量パーセントか
ら約99.7重量パーセントの鉄をこの冶金粉末組成物に付与するのに充分な量
の鉄とモリブデンを持つ、鉄とモリブデンの予備合金粉末である。この冶金粉末
組成物中の鉄とモリブデンのパーセンテージを例えば元素分析により定量するこ
とができる。
【0057】 拡散合金した鋼に対するMPIF標準35は炭素を含むので、上記の好ましい
冶金粉末組成物中には、好ましくは炭素(例えばグラファイト)が存在する。し
かしながら、当該技術の熟練者ならば、強度及び伸び等の性質を調整するために
炭素の量を減らしたり、あるいは増やすことが望ましいことを判っているであろ
う。好ましくは、炭素は、冶金組成物中に冶金粉末組成物の全重量基準で、約0
.1重量パーセントから約1.2重量パーセントの、更に好ましくは約0.35
重量パーセントから約0.95重量パーセントの量で存在する。この冶金組成物
中の炭素の量を例えば元素分析により定量することができる。
【0058】 また、この冶金粉末組成物は、少なくとも一つの潤滑剤と少なくとも一つの結
合剤を前述の量で含有することも好ましい。
【0059】 このように形成された本発明の冶金粉末組成物を金型の中で標準的な冶金方法
により圧縮して、金属部品を成形することができる。通常の圧縮圧力は、平方イ
ンチ当り約5と200トン(tsi)の間(69−2760MPa)、好ましく
は約20−100tsi(276−1379MPa)、更に好ましくは約25−
60tsi(345−828MPa)の範囲である。
【0060】 圧縮に続いて、この部品を、標準的な冶金方法により、この冶金粉末組成物に
適切な温度、燒結時間、及び他の条件で燒結することができる。例えば、好まし
い態様においては、燒結は、約1900゜Fから約2400゜Fの温度の範囲で
あり、冶金結合と合金化を得るのに充分な時間行なわれる。また、この冶金粉末
組成物を当該技術の熟練者にはよく知られた方法により二重プレス及び二重燒結
してもよい。
【0061】 本発明の冶金粉末組成物から、種々の形状の、また種々の使用にするための金
属部品を成形してもよい。例えば、自動車、航空機、または原子力エネルギー工
業で使用する金属部品を成形してもよい。
【0062】 本発明の方法により製造された冶金粉末組成物は、金属部品に成形した場合、
改良された降伏強度と引っ張り強さ等の、予想外の卓越した機械的性質を持つこ
とが判明した。この冶金粉末組成物が拡散合金化された鋼に対するMPIF標準
35に合致する場合、これらの改良が特に見られる。特に有用な組成物は、約9
0重量パーセントから約97.5パーセントの鉄−モリブデン予備合金、約20
ミクロン未満の重量平均粒子サイズを持つ約1.3重量パーセントから約1.7
重量パーセントの銅含有粉末、約20ミクロン未満の重量平均粒子サイズを持つ
約1.5重量パーセントから約4.4重量パーセントの単体ニッケル、約0.3
から約0.9重量パーセントの炭素及び約2.0重量パーセント未満の他の添加
剤を含有する。この態様においては、この鉄−モリブデン予備合金は、好ましく
は100重量部の実質的に純粋な鉄当り約0.40から約0.65重量部のモリ
ブデンの比で、三酸化モリブデンにより予備合金化された実質的に純粋な鉄から
形成される。
【0063】 (実施例) 本発明のいくつかの態様を次の実施例で詳細に説明する。冶金粉末組成物を本
発明の方法により製造した。DistaloyTM ABとDistaloyTM
Eを鉄ベースの粉末として用いる比較の金属粉末組成物も製造した。製造したこ
の粉末組成物を圧縮し、燒結して、金属部品を成形した。燒結及び非燒結双方の
圧縮部品を種々の機械的及び物理的性質について種々の圧縮圧力において評価し
た。比較例1及び2 DistaloyTM ABまたはAE粉末を他の成分と均一に混合することに
より、次の比較の粉末組成物を表1に示す比率で製造した。
【0064】
【表1】
【0065】 DistaloyTM AB及びAE粉末はHoeganaes Corpora
tion(Cinnaminson,NewJersey)から入手できる。こ
のDistaloy粉末は、第1酸化銅、三酸化モリブデン、及び単体のニッケ
ルを実質的に純粋な鉄粉末と拡散結合することにより製造される。Distal
oy AB及びAE粉末の公称の組成を表2に示す。
【0066】
【表2】
【0067】 この比較の組成物で使用するグラファイトは、約6から8ミクロンの重量平均
の粒子サイズを有し、Asbury Graphite Mills.Inc.,
(Asbury,New Jersey)から入手した。AcrawaxTM C潤
滑剤は合成ワックスであり、Algroup Lonza(Fair Lawn、
New Jersey)から入手した。比較例1及び2の粉末組成物を、下記の
実施例7から9で更に詳細に述べる種々の物理的及び機械的性質について評価し
た。実施例3から6 下記に更に述べる鉄モリブデン予備合金粉末を単体銅含有粉末及び単体ニッケ
ル粉末と均一にブレンドすることにより、本発明の冶金粉末組成物を製造した。
使用した銅含有粉末は、American Chemet Corporatio
n(East Helena Montana)から供給されるグレード1700
Hであった。この銅含有粉末は、約10ミクロンから約14ミクロンの重量平均
粒子サイズと99.5重量パーセントの純度を有していた。使用したニッケル粉
末は、International Nickel Company(販売オフィ
ス,Saddlebrook,NJ)により供給されるグレードInco 12
3であった。このニッケル粉末は、15ミクロン未満の重量平均粒子サイズと9
9重量パーセントの最低純度を有していた。また、この鉄モリブデン予備合金粉
末とブレンドしたのは、比較例で使用したグラファイトとAcrawax潤滑剤
であった。この鉄モリブデン予備合金粉末は、次の化学分析と粒子サイズ分析を
有していた。
【0068】
【表3】
【0069】 この得られた混合物に可塑化ポリエチレンオキサイドの結合剤を施した。この
結合剤は、70重量パーセントのポリエチレンオキサイドと30重量パーセント
の可塑剤を含んでいた。このポリエチレンオキサイドは、Union Carb
ide Corporationにより供給されたグレードN−10であり、こ
の可塑剤は同じくUnion Carbideにより供給されたポリエチレンポ
リプロピレンコポリマーグレードP−15であった。この結合剤を、Semel
らへの米国特許第5,298,055号に記述されている方法により施した。
【0070】 形成された冶金粉末組成物は、表3に示す組成を有していた。
【0071】
【表4】
【0072】 実施例3から6の粉末組成物を、下記の実施例7から9で更に詳述する種々の
物理的及び機械的性質について評価した。実施例7−9 比較例1及び2及び実施例3から6の金属粉末組成物を粉末の性質とグリーン
及び燒結品の性質について評価した。実施例7−9で評価した性質と使用した試
験方法を表4から6に示す。ASTM試験方法については、1997 ASTM
ハンドブックの試験方法を使用した。
【0073】
【表5】
【0074】
【表6】
【0075】 実施例7に示した圧縮圧力及びダイによるグリーン品の性質を室温で圧縮時に
求めた。
【0076】
【表7】
【0077】 上記の表6の横方向の破断の性質(ASTMB331,ASTMB528、及
びASTMB6l0)を6.8g/cm3の密度迄プレスした標準の0.25イ
ンチ(10mm)のバーで求めた。圧縮後、このバーを、Luciferベルト
炉中で2050゜F(1120℃)で30分間合成解離アンモニア雰囲気で被覆
して燒結した。
【0078】 実施例8及び9で試験した機械的性質の残り(ロックウエル硬さ、最終引っ張
り強さ、降伏強度、%伸び、及び耐衝撃性)を、比較例1から2及び実施例3か
ら6の粉末組成物から30tsiから50tsiの範囲の圧力で成形した圧縮部
品で行った。圧縮後、この部品を燒結あるいは燒結し、そして燒鈍した。Luc
iferベルト炉を用いた燒結について述べた類似の条件で、Hayesプッシ
ャー炉中で燒結を行った。焼鈍を350゜Fで30分間空気中で行った。
【0079】 最終引っ張り強さ(UTS)、降伏強度、及び%伸びを、インストロン試験機
を用いて犬の骨の形状の圧縮試料で行った。インストロン試験機を1分間当り0
.05cmのクロスヘッド速度で動作させた。また、インストロン試験機には1
インチ(25mm)の伸び計を取り付け、0.2%のオフセット降伏強度、最終
引っ張り強さ及び%伸び値の自動読み取りが可能なようにした。
【0080】 インストロン試験機を用いた引っ張り試験を行うのに先立ち、硬さ試験を犬の
骨の形状の試料のグリップエンド面で行った。硬さ測定をロックウエルAスケー
ル(ダイヤモンド圧子及び60kgf荷重)を用いて行った。
【0081】 耐衝撃性を、外周温度で試験方法ASTM E23−96による標準のノッチ
なしのシャルピー試料を用いて求めた。これらの試験での試料を、表12に示す
ように30、40、または50tsiでプレスした。実施例7 下記の表7は、比較例1−2及び実施例3−4について30tsiの圧縮圧力
での粉末の性質とグリーン品の性質を示す。
【0082】
【表8】
【0083】 表8は、比較例1−2及び実施例3−4についての圧縮圧力に対するグリーン
密度を示す。
【0084】
【表9】
【0085】 表9は、比較例1−2及び実施例3−4について、6.8g/cm3の燒結密
度を持つバーを与えるように、種々の圧力で圧縮した燒結品の性質を示す。
【0086】
【表10】
【0087】 表7から9のデータは、本発明の冶金組成物(実施例3及び4)が許容し得る
粉末の性質とグリーン品の性質を持つことを示す。表9に示した燒結品の性質に
関して、実施例3及び4は、それぞれ比較例1及び2と比較して、改良された横
方向の破断強度の性質を有する。等量の銅、ニッケル、鉄、モリブデン、グラフ
ァイト、及び潤滑剤を含有する実施例3及び4は、それぞれ比較例1及び2に比
較して卓越した機械的強度の性質を示すことが期待される。実施例8 比較例1及び2、及び実施例3から6の金属粉末組成物から成形し、燒結した
圧縮部品と燒結及び燒鈍した圧縮部品を、種々の機械的及び物理的性質について
分析した。燒結した圧縮部品についての結果を表10に示し、燒結及び燒鈍した
圧縮部品についての結果を表11に示した。
【0088】
【表11】
【0089】
【表12】
【0090】 表10及び11に示したデータから、実施例3及び4の燒結密度は、比較例1
及び2の燒結密度に匹敵する。しかしながら、実施例3及び4の機械的強度性質
(降伏強度、最終引っ張り強さ、及び硬さ)は、比較例1及び2に対して顕著に
改良されている。これらの結果は、等量の銅、ニッケル、鉄、モリブデン、及び
グラファイトを含有する実施例3及び4が比較例1及び2に比較して卓越した機
械的強度の性質を示す点で予想外である。
【0091】 例えば、図1及び2は、圧縮圧力に対する圧縮部品の降伏強度について表10
及び11に示したデータをグラフ表示する。図1においては、実施例3から製造
した燒結した(実線)と燒結及び燒鈍した(鎖線)圧縮部品の降伏強度を、比較
例1から製造した燒結した(実線)と燒結及び燒鈍した(鎖線)圧縮部品の降伏
強度に対して示す。図2においては、実施例4から製造した燒結した(実線)と
燒結及び燒鈍した(鎖線)圧縮部品の降伏強度を、比較例2から製造した燒結し
た(実線)と燒結及び燒鈍した(鎖線)圧縮部品の降伏強度に対して示す。この
ように、実施例3及び4の冶金粉末組成物から製造した圧縮部品は、比較例1及
び2から製造した圧縮部品に比較して、改良された降伏強度を有する。
【0092】 図3及び4は、圧縮圧力に対する圧縮部品の引っ張り強さについて表10及び
11に示したデータをグラフ表示する。図3においては、実施例3から製造した
燒結した(実線)と燒結及び燒鈍した(鎖線)圧縮部品の引っ張り強さを、比較
例1から製造した燒結した(実線)と燒結及び燒鈍した(鎖線)圧縮部品の引っ
張り強さに対して示す。図4においては、実施例4から製造した燒結した(実線
)と燒結及び燒鈍した(鎖線)圧縮部品の引っ張り強さを、比較例2から製造し
た燒結した(実線)と燒結及び燒鈍した(鎖線)圧縮部品の引っ張り強さに対し
て示す。このように、実施例3及び4の冶金粉末組成物から製造した圧縮部品は
、比較例1及び2から製造した圧縮部品に比較して、改良された引っ張り強さを
有する。
【0093】 図5及び6は、圧縮圧力に対する圧縮部品の伸びについて表10及び11に示
したデータをグラフ表示する。図5においては、実施例3から製造した燒結した
(実線)と燒結及び燒鈍した(鎖線)圧縮部品の伸びを、比較例1から製造した
燒結した(実線)と燒結及び燒鈍した(鎖線)圧縮部品の伸びに対して示す。図
6においては、実施例4から製造した燒結した(実線)と燒結及び燒鈍した(鎖
線)圧縮部品の伸びを、比較例2から製造した燒結した(実線)と燒結及び燒鈍
した(鎖線)圧縮部品の伸びに対して示す。図5及び6に示したように、実施例
3及び4から製造した圧縮部品の伸びの性質は、一定の圧力で比較例1及び2か
ら製造した圧縮部品の伸びの性質程には高くない。
【0094】 しかしながら、図7及び8に示したように、改良された伸びの性質を所望する
場合には、実施例5及び6の組成物におけるように冶金粉末組成物中のグラファ
イトの量を低減することができる。図7及び8は、圧縮圧力に対する圧縮部品の
降伏強度と伸びについて表10に示したデータ(燒結した)をグラフ表示する。
図7においては、実施例5から製造した燒結した圧縮部品(実線)の降伏強度と
伸びを、比較例1から製造した燒結した圧縮部品(鎖線)の降伏強度と伸びに対
して示す。図8においては、実施例6から製造した燒結した圧縮部品(実線)の
降伏強度と伸びを、比較例2から製造した燒結した圧縮部品(鎖線)の降伏強度
と伸びに対して示す。双方の図で、グラファイトを実施例3及び4におけるよう
に0.60重量パーセントから、実施例5及び6におけるように0.45重量パ
ーセント迄低減する場合には、実施例5及び6から製造した圧縮部品の降伏強度
は、比較例1及び2から製造した圧縮部品の降伏強度に匹敵するようになる。加
えて、実施例5及び6から製造した圧縮部品の伸びは、比較例1及び2から製造
した圧縮部品に匹敵するようになる。実施例9 比較例1及び2と実施例3及び4の金属粉末組成物から製造した、燒結したあ
るいは燒結及び燒鈍した圧縮部品を寸法変化、硬さ及び耐衝撃性について評価し
た。結果を表12に示す。
【0095】
【表13】
【0096】 表12の結果は、実施例3及び4から製造した圧縮部品に対する耐衝撃性と寸
法変化がそれぞれ比較例1及び2から製造した圧縮部品に匹敵することを示す。
実施例3及び4から製造した圧縮部品は、それぞれ比較例1及び2から製造した
圧縮部品に比較して高硬度を有する。
【0097】 このように、本発明の改良された冶金粉末組成物とこれらを製造し、使用する
方法の特定の好ましい態様を述べた。
【0098】 好ましい態様を開示し、述べた一方では、当該技術の熟練者ならばバリーエシ
ョンと改変が本発明の真の精神と範囲の内であることを判るであろう。添付の特
許請求の範囲は、このようなバリーエションと改変をすべて網羅するように意図
されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)本発明の方法により製造した金属粉末組成物(実施例3)と(b)拡散
結合プロセスにより製造した金属粉末組成物(比較例1)から成形した圧縮部品
の圧縮圧力に対する降伏強度を示すグラフである。実線は燒結した圧縮部品の降
伏強度を表し、鎖線は燒結し、そして燒鈍した圧縮部品の降伏強度を表す。
【図2】 (a)本発明の方法により製造した金属粉末組成物(実施例4)と(b)拡散
結合プロセスにより製造した金属粉末組成物(比較例2)から成形した圧縮部品
の圧縮圧力に対する降伏強度を示すグラフである。実線は燒結した圧縮部品の降
伏強度を表し、鎖線は燒結し、そして燒鈍した圧縮部品の降伏強度を表す。
【図3】 (a)本発明の方法により製造した金属粉末組成物(実施例3)と(b)拡散
結合プロセスにより製造した金属粉末組成物(比較例1)から成形した圧縮部品
の圧縮圧力に対する引っ張り強さを示すグラフである。実線は燒結した圧縮部品
の引っ張り強さを表し、鎖線は燒結し、そして燒鈍した圧縮部品の引っ張り強さ
を表す。
【図4】 (a)本発明の方法により製造した金属粉末組成物(実施例4)と(b)拡散
結合プロセスにより製造した金属粉末組成物(比較例2)から成形した圧縮部品
の圧縮圧力に対する引っ張り強さを示すグラフである。実線は燒結した圧縮部品
の引っ張り強さを表し、鎖線は燒結し、そして燒鈍した圧縮部品の引っ張り強さ
を表す。
【図5】 (a)本発明の方法により製造した金属粉末組成物(実施例3)と(b)拡散
結合プロセスにより製造した金属粉末組成物(比較例1)から成形した圧縮部品
の圧縮圧力に対する伸びを示すグラフである。実線は燒結した圧縮部品の伸びを
表し、鎖線は燒結し、そして燒鈍した圧縮部品の伸びを表す。
【図6】 (a)本発明の方法により製造した金属粉末組成物(実施例4)と(b)拡散
結合プロセスにより製造した金属粉末組成物(比較例2)から成形した圧縮部品
の圧縮圧力に対する伸びを示すグラフである。実線は燒結した圧縮部品の伸びを
表し、鎖線は燒結し、そして燒鈍した圧縮部品の伸びを表す。
【図7】 燒結した圧縮部品の圧縮圧力に対する降伏強度と伸びの性質を示すグラフであ
る。本発明の方法により製造した金属粉末組成物(実施例5,実線)と(b)拡
散結合プロセスにより製造した金属粉末組成物(比較例1,鎖線)からこの圧縮
部品を成形した。
【図8】 燒結した圧縮部品の圧縮圧力に対する降伏強度と伸びの性質を示すグラフであ
る。本発明の方法により製造した金属粉末組成物(実施例6,実線)と(b)拡
散結合プロセスにより製造した金属粉末組成物(比較例2,鎖線)からこの圧縮
部品を成形した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD ,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL, PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,S L,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ ,VN,YU,ZA,ZW

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)予備合金粉末中のモリブデンの量が予備合金粉末の全
    重量基準で約0.10重量パーセントから約2.0重量パーセントである、鉄と
    モリブデンを含んでなる予備合金粉末を準備し; (b)この予備合金粉末と約60ミクロンあるいはそれ以下の重量平均粒子サイ
    ズを持つ銅含有粉末及び約20ミクロンあるいはそれ以下の重量平均粒子サイズ
    を持つニッケル含有粉末を混合し;そして (c)この銅含有粉末、ニッケル含有粉末、及び予備合金粉末を結合剤の存在下
    で結合して、約0.5重量パーセントから約4.0重量パーセントの銅、約0.
    5重量パーセントから約8.0重量パーセントのニッケル、及び少なくとも約8
    3重量パーセントの予備合金粉末を含んでなる、冶金粉末組成物を形成する ステップを含んでなる冶金粉末組成物を製造する方法。
  2. 【請求項2】 予備合金粉末中のモリブデンの量が予備合金粉末の全重量基
    準で約0.20重量パーセントから約1.6重量パーセントである請求項1の方
    法。
  3. 【請求項3】 該冶金粉末組成物中の銅の量が冶金粉末組成物の全重量基準
    で約1.0重量パーセントから約2.0重量パーセントである請求項1の方法。
  4. 【請求項4】 該銅含有粉末の重量平均粒子サイズが約20ミクロンあるい
    はそれ以下である請求項3の方法。
  5. 【請求項5】 該銅含有粉末の重量平均粒子サイズが約5ミクロンから約1
    5ミクロンである請求項4の方法。
  6. 【請求項6】 該冶金粉末組成物中のニッケルの量が冶金粉末組成物の全重
    量基準で約1.0重量パーセントから約6.0重量パーセントである請求項1の
    方法。
  7. 【請求項7】 該予備合金粉末が約98.5重量パーセントから約99.5
    重量パーセントの鉄と約0.4重量パーセントから約0.65重量パーセントの
    モリブデンを含んでなる請求項1の方法。
  8. 【請求項8】 該結合剤が冶金組成物中に少なくとも0.005重量パーセ
    ントの量で存在し、トール油エステル、ポリグリコール、グリセリン、ポリビニ
    ルアルコール、酢酸ビニルのホモポリマー、酢酸ビニルのコポリマー、セルロー
    スエステル樹脂、セルロースエーテル樹脂、ヒドロキシアルキルセルロース樹脂
    、メタアクリレートホモポリマー、メタアクリレートコポリマー、アルキッド樹
    脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアルキレンオキサイドポリマー
    .ポリエーテルとの二塩基性有機酸、アクリル樹脂との二塩基性有機酸、熱可塑
    性フェノール樹脂、ポリエステル、エポキシ、ウレタン、パラフィン、エチレン
    ビスステアラミド、綿実ワックス、ポリオレフィン、水素化植物油、ポリビニル
    ピロリドン、及びこれらの組合せ物からなる群から選ばれる請求項1の方法。
  9. 【請求項9】 該冶金粉末組成物中のモリブデンの量が冶金粉末組成物の全
    重量基準で、約0.4重量パーセントから約0.65重量パーセントであり;該
    冶金粉末組成物中の銅の量が約1.3重量パーセントから約1.7重量パーセン
    トであり;該冶金粉末組成物中のニッケルの量が約1.5重量パーセントから約
    4.4重量パーセントであり;そして該冶金粉末組成物中の鉄の量が約89.0
    重量パーセントから約98.0重量パーセントである請求項1の方法。
  10. 【請求項10】 該冶金粉末組成物がグラファイトを約0.1重量パーセン
    トから約1.2重量パーセントの量で更に含んでなる請求項1の方法。
  11. 【請求項11】 該冶金粉末組成物が少なくとも一つの潤滑剤を冶金粉末組
    成物の全重量基準で約2重量パーセント迄の量で更に含んでなる請求項1の方法
  12. 【請求項12】 (a)予備合金粉末中の合金化添加剤の量が予備合金粉末
    の全重量基準で少なくとも約0.10重量パーセントである、鉄と一つあるいは
    それ以上の合金化添加剤を含んでなる予備合金粉末を準備し;(b)この予備合
    金粉末と約60ミクロンあるいはそれ以下の重量平均粒子サイズを持つ銅含有粉
    末及び約20ミクロンあるいはそれ以下の重量平均粒子サイズを持つニッケル含
    有粉末を混合し;そして(c)この銅含有粉末、ニッケル含有粉末、及び予備合
    金粉末を結合剤の存在下で結合して、少なくとも約0.5重量パーセントの銅、
    少なくとも約0.5重量パーセントのニッケル、及び少なくとも約83重量パー
    セントの予備合金粉末を含んでなる冶金粉末組成物を形成するステップを含んで
    なる冶金粉末組成物を製造する方法。
  13. 【請求項13】 (a)予備合金粉末中のモリブデンの量が予備合金粉末の
    全重量基準で少なくとも約0.10重量パーセントである、鉄とモリブデンを含
    んでなる予備合金粉末を準備し;(b)この予備合金粉末と約60ミクロンある
    いはそれ以下の重量平均粒子サイズを持つ銅含有粉末及び約20ミクロンあるい
    はそれ以下の重量平均粒子サイズを持つニッケル含有粉末を混合して、混合物を
    形成し;そして(c)この混合物を少なくとも800℃の温度で焼鈍して、少な
    くとも約0.5重量パーセントの銅、少なくとも約0.5重量パーセントのニッ
    ケル、及び少なくとも約83重量パーセントの予備合金粉末を含んでなる、冶金
    粉末組成物を形成するステップを含んでなる冶金粉末組成物を製造する方法。
  14. 【請求項14】 (a)モリブデンの量が予備合金粉末の重量基準で、約0
    .10重量パーセントから約2.0重量パーセントである、少なくとも83重量
    パーセントの鉄とモリブデンを含んでなる鉄−モリブデン予備合金粉末;(b)
    約60ミクロンあるいはそれ以下の重量平均粒子サイズを持つ、約0.5重量パ
    ーセントから約4重量パーセントの銅含有粉末;(c)約0.5重量パーセント
    から約8重量パーセントのニッケル含有粉末;及び(d)この銅含有粉末、ニッ
    ケル含有粉末及び予備合金粉末を結合する、少なくとも約0.005重量パーセ
    ントの結合剤を含んでなる改良冶金粉末組成物。
  15. 【請求項15】 予備合金粉末中のモリブデンの量が約0.20重量パーセ
    ントから約1.6重量パーセントである請求項14の冶金粉末組成物。
  16. 【請求項16】 該銅含有粉末が冶金組成物中に冶金粉末組成物の全重量基
    準で、約1.0重量パーセントから約2.0重量パーセントの量で存在する請求
    項15の冶金粉末組成物。
  17. 【請求項17】 該ニッケル含有粉末が冶金組成物中に冶金粉末組成物の全
    重量基準で、約1.0重量パーセントから約6.0重量パーセントの量で存在す
    る請求項16の冶金粉末組成物。
  18. 【請求項18】 該鉄−モリブデン予備合金粉末が約98.5重量パーセン
    トから約99.5重量パーセントの鉄と約0.4重量パーセントから約0.65
    重量パーセントのモリブデンを含んでなる請求項17の冶金粉末組成物。
  19. 【請求項19】 該結合剤がトール油エステル、ポリグリコール、グリセリ
    ン、ポリビニルアルコール、トール油、酢酸ビニルのホモポリマー、酢酸ビニル
    のコポリマー、セルロースエステル樹脂、セルロースエーテル樹脂、ヒドロキシ
    アルキルセルロース樹脂、メタアクリレートホモポリマー、メタアクリレートコ
    ポリマー、アルキッド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアルキ
    レンオキサイドポリマー、ポリエーテルとの二塩基性有機酸、アクリル樹脂との
    二塩基性有機酸、熱可塑性フェノール樹脂、ポリエステル、エポキシ、ウレタン
    、パラフィン、エチレンビスステアラミド、綿実ワックス、ポリオレフィン、水
    素化植物油、ポリビニルピロリドン、及びこれらの組合せ物からなる群から選ば
    れる請求項14の冶金粉末組成物。
  20. 【請求項20】 冶金粉末組成物の全重量基準で、該冶金粉末組成物中のモ
    リブデンの量が約0.4重量パーセントから約0.65重量パーセントであり;
    該冶金粉末組成物中の銅の量が約1.3重量パーセントから約1.7重量パーセ
    ントであり;該冶金粉末組成物中のニッケルの量が約1.5重量パーセントから
    約4.4重量パーセントであり;そして該冶金粉末組成物中の鉄の量が約89.
    0重量パーセントから約98.0重量パーセントである請求項14の冶金粉末組
    成物。
  21. 【請求項21】 (a)(i)モリブデンの量が予備合金粉末の重量基準で
    、約0.10重量パーセントから約2.0重量パーセントである、少なくとも8
    3重量パーセントの鉄とモリブデンを含んでなる鉄−モリブデン予備合金粉末;
    (ii)約60ミクロンあるいはそれ以下の重量平均の粒子サイズを持つ、約0
    .5重量パーセントから約4重量パーセントの銅含有粉末; (iii)約0.5重量パーセントから約8重量パーセントのニッケル含有粉末
    ;及び (iv)この銅含有粉末、ニッケル含有粉末及び予備合金粉末を結合する、少な
    くとも約0.005重量パーセントの結合剤 の混合物を含んでなる冶金粉末組成物を準備し、 (b)この冶金粉末組成物を少なくとも約5tsiの圧力で圧縮して、金属部品
    を形成するステップを含んでなる金属部品を形成する方法。
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