JP2003500529A - 皮革のなめし方法 - Google Patents

皮革のなめし方法

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コリンズ、ギャレス・ライス
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    • C14SKINS; HIDES; PELTS; LEATHER
    • C14CCHEMICAL TREATMENT OF HIDES, SKINS OR LEATHER, e.g. TANNING, IMPREGNATING, FINISHING; APPARATUS THEREFOR; COMPOSITIONS FOR TANNING
    • C14C3/00Tanning; Compositions for tanning
    • C14C3/02Chemical tanning
    • C14C3/08Chemical tanning by organic agents

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Abstract

(57)【要約】 THPとグルタルアルデヒドのようなジアルデヒドとの反応により形成された縮合物が、皮革用のなめし剤として有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、新規の皮革のなめし方法に関する。 なめしは、哺乳動物(例えば、ウシ、ブタ、シカ、ヤギ、ヒツジ、アザラシ、
アンテロープ、ミンク、アーミンおよびラクダ)、魚類(例えば、サメ)、爬虫
類(例えば、ヘビ、トカゲおよびワニ)、および鳥類(例えば、ダチョウ)を含
む脊椎動物のコラーゲンを含有する外皮を意味する皮の保存方法である。皮膚は
コラーゲン層を含有し、なめしはコラーゲンと架橋剤との反応が必須的であるか
、またはなめしにはコラーゲン分子内の反応性部位と架橋する作用物質が必要と
なる。架橋産物が皮革であり、これは皮膚よりも実質的に微生物分解を受けにく
い。
【0002】 架橋の結果、湿った皮革が収縮傾向を示す最低温度が上昇する。この収縮温度
は、しばしばなめしの程度の指標として使用される。
【0003】 皮膚のコラーゲン層は、化学的および物理的工程の組み合わせによって、脂肪
、結合組織、および他の皮下タンパク質、ならびに任意選択的に外側のケラチン
層から分離される。化学的工程には、リミング(石灰処理)、ベイティング(タ
ンパク質除去)、ピクリング(酸洗)、および/または脱脂が含まれ得る。
【0004】 次に、皮膚は、選択された種々のなめし剤を用いた1つまたはそれ以上の段階
での処理を受けて所望の最終的な特性を得る。
【0005】 皮なめし剤の主なタイプは、活性架橋剤としてのタンニンに基づく植物皮なめ
し、種々の多価金属塩、特にクロム、アルミニウム、鉄、またはジルコニウムの
塩を用いる無機物皮なめし、および「シンタン(syntans)」と呼ばれる
合成皮なめし剤である。シンタンには、単独の皮なめしとして使用する場合に皮
革をなめすことができる(たとえば2つまたは2つ以上の部位でコラーゲンと反
応させて架橋を形成することによる)活性なめし剤である置換シンタン、および
本質的に活性なめし剤ではないが、皮革の特徴を改変するために他の皮なめしに
添加される補助シンタンが含まれる。補助シンタンは、皮革により吸収されるか
、あるいは一部位のみでコラーゲンと反応してもよい。シンタンには、例えば、
フェノールおよび/またはアリールスルホネート、ならびにアクリレート、メタ
クリレート、アクリルアミドおよび/またはアクリロニトリルホモポリマーおよ
びコポリマーとホルムアルデヒドを縮合することによって得られるような種々の
ポリマーおよびコポリマーが含まれる。ホルムアルデヒド自体およびジアルデヒ
ド(例えばグルタルアルデヒド)もまた、通常他の皮なめしとの組み合わせにお
いて、なめし処理に使用される。
【0006】 何世紀も、皮革の生産は、皮革に付随した伝統的に特徴的な茶色をつくり出す
植物皮なめしに基づいていた。最初の無機物皮なめしの1つはミョウバンであっ
たが、最近、最も広く一般に用いられているなめし剤はクロムであり、通常塩基
性硫酸クロムの形態で使用されているが、これは、非常に高い収縮温度で青灰色
の皮革を生産する。しかし、一般に、無機物皮なめし、特にクロム皮なめしは、
環境問題の圧力下にある。シンタンは無機質なめし剤より環境に損害を与えない
。しかしながら、多くのシンタンはホルムアルデヒドから誘導され、ホルムアル
デヒドがなめし処理を行っている間に放出する場合がある。ホルムアルデヒドお
よび二官能性アルデヒドは、健康に害をもたらし、取り扱いに不都合である。
【0007】 本明細書中で一般にTHP塩と呼ぶテトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニ
ウム塩は、織物の燃焼遅延剤として長いこと使用されてきており、この目的ため
に皮膚のケラチン(毛皮)側に適用されてきた。この塩は、直接に織物に適用で
きるか、または尿素またはアミンなどの有機窒素化合物とTHPとの水溶性およ
び微水溶性コポリマーである前駆縮合物の形態で織物に適用できる。このような
コポリマーを本明細書中では「THP縮合物」と呼ぶ。THP塩は、三十六年以
上もの間、なめし液の有効成分(possible ingredients)としても知られてきた
。米国特許第2,992,879号は、それ自体では不十分であるなめし剤とし
てTHPクロライド(THPC)に言及し、THPCとレゾルシノールなどとの
フェノールとの組み合わせを推奨しており、pHが上昇したとき、その2つがと
もに反応して有効ななめし剤を形成すると推測されている。実際に、THP塩は
、例えばレゾルシノールなどのフェノール(例えば、Textile Research Journal
, December 1982,P743を参照)と共重合する。米国特許第3,104,151号
には、主皮なめしが植物性または無機物である皮革用の明るい色合いの予備皮な
めしとしてのTHPCフェノールコポリマーの使用が記載されている。英国特許
第2,287,953号には、なめし液中にその場で(in situ)でコポリマー
なめし剤を形成するために、メラミンホルムアルデヒドまたは尿素ホルムアルデ
ヒドプレポリマーに結合する架橋剤としてのTHP塩の使用が記載されている。
欧州特許第0,559,867号には、例えば、酸脱脂における皮なめし前の未
処理または保存処理された皮膚に対するTHPスルフェート(THPS)などの
ホスホニウム塩の使用が記載されている。欧州特許第0,681,030号には
、なめし後の皮革に適用されるカゼイン仕上げ用の架橋剤としてのTHPの使用
が記載されている。英国特許第2,314,342号には、芳香族陰イオン性(
アニオン)シンタンと結合したなめし剤としてのヒドロキシアルキルホスフィン
およびホスホニウム塩の使用が記載されており、欧州特許第0,808,908
号には、THP塩と縮合可能な窒素化合物の使用が記載されている。
【0008】 THP塩は、空気または酸化剤の非存在下で酸性状態で安定である。3を超え
るpHで酸化剤の非存在下で、THP塩は親塩基であるトリス(ヒドロキシメチ
ル)ホスフィン(本明細書中でTHPと呼ぶ)に徐々に変換される。変換は、約
pH4〜6の間で迅速かつ実質的に完全に行われる。7を超えるpH、つまり酸
化剤の存在下では、THP塩またはTHPは、トリス(ヒドロキシメチル)ホス
フィンオキシド(THPO)に変換され、変換は約10を超えるpH(例えばp
H12)で、迅速かつ実質的に完全に行われる。THPOがTHPに基づいたな
めしにおいて有効ななめし剤であることは、例えば米国特許第2,993,74
4号に記載されている。
【0009】 従来技術における記載に反して、THPOは皮革用のなめし剤としては有効で
はなく、THP塩もまた、皮なめし剤として効力がない。さらに、共縮合可能な
モノマーまたはポリマーとの結合に使用されたTHPは、抑制して一定の結果を
得ることが困難である複雑な系をもたらす。しかしながら、THPそれ自体は、
有効な主皮なめし剤である。THPは通常、初めにTHP塩を皮革に染み込ませ
ることによりその場で、THPと反応するか、または共重合し、pHを、4を超
えて、好ましくは5を超えて上昇させるモノマーまたはプレポリマーの実質的な
不在下で形成する際に最も効果的である。
【0010】 THPに加えて、本明細書でTHP類似物として言及する式R P(CH2
H)2(ここで、Rは、例えばC1-20アルキル、アルケニル、アリール、アラル
キル、アルカリール、ポリアルキレンオキシ、アルキルポリアルキレンオキシ、
またはポリアルキレンオキシアルキル基などの、コラーゲンと化学反応をしない
有機基である)で表される化合物は、効力の高いなめし剤である。
【0011】 利便性のために、「THP」を本明細書では、文脈上、可能な限り、包括的に
THP、THP塩、THP縮合物、およびTHP類似物について言及するために
使用する。
【0012】 皮革の製造に必要とされる工程には酸洗および脱脂が含まれ、この酸洗および
脱脂は通常、なめし処理の前に行われ、皮革から天然オイルおよび脂肪の大半を
取り除く。なめし処理した後、仕上げられた皮革を柔らかく滑らかにする油脂の
水性エマルションと皮革を接触させることを伴う、油脂液に浸すこと(fat liqu
ored)によって、オイルおよび脂肪は、通常、少なくとも部分的に置換(replac
e)される。THPでなめし処理された皮革は、油脂液をすぐさま吸収しないこ
とがわかっている。THPは一般に、高密度の皮革をもたらす。THPの利点を
得ることができることは有用であるが、密度が低く、容易に油脂液に吸収される
皮革を調製することも有用である。
【0013】 本発明の1つの目的は、THPの利点を示すが、低密度および/または容易に
油脂液に吸収される皮なめしを提供することである。
【0014】 種々のアルデヒド(特に例えばグルタルアルデヒド、スクシンアルデヒド、グ
リオキサールのようなジアルデヒド)とTHPとの混合物は、有用な相乗殺虫剤
であるとして、欧州特許第0,385,801号に記載されている。THPがジ
カルボニル化合物と反応したときに形成されるアセタール様縮合物により、相乗
作用は少なくとも部分的なものであることを本発明者らは見いだした。
【0015】 THPおよびカルボニル化合物の使用により達成される本発明のさらなる目的
は、仕上げられた皮革におけるホルムアルデヒドの濃度の低減である。20pp
m未満の濃度が得られた。
【0016】 今回、本発明者らは、最高15個までの炭素原子を有するジカルボニル化合物
とTHPとの反応生成物は非常に効力の高いなめし剤であり、本発明の上記目的
を少なくとも部分的に達成することを発見した。
【0017】 本発明は、THPが少なくとも1つのカルボニル基と、カルボニルおよびカル
ボキシルから選択される少なくとも1つの他の基とを有する水溶性化合物、特に
最高15個までの炭素原子を有する水溶性化合物と反応したときに生成されるタ
イプの化合物とコラーゲンを反応させる工程を含む、皮革をなめす方法を提供す
る。
【0018】 カルボニル化合物は、好ましくはジアルデヒドであるが、代替的にジケトンま
たはケトアルデヒド、あるいは3つまたはそれ以上のカルボニル基を有する化合
物であってもよい。
【0019】 ジアルデヒドは、例えば、式OHC(CH2nCHO(ここで、nは0〜12
、特に0〜10である)で表される化合物(例えばスクシンアルデヒドまたはグ
ルタルアルデヒド)であってもよい。あるいは、ジアルデヒドは、アリールまた
は脂環式構造(例えばベンゼンジアルデヒド(benzadial)あるいはシクロヘキサ
ジアルデヒド(cyclohexadial))であってもよい。適切なジケトンは、オルトキ
ノンおよび5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサジオンを含み、それらは1
,3−ジメチルアセトンジカルボキシレートを有するので、高分子カルボニル化
合物(例えば、アクロレイン(例えばアクリル酸)のポリマーまたはコポリマー
)が非常に有効であることが見いだされた。
【0020】 この化合物は、任意選択的に、1つまたはそれ以上のヒドロキシ基によって置
換されてもよい。
【0021】 アセタールまたはケタールに類似の反応生成物を、本明細書では包括的に「ア
セタール」と呼ぶ。アセタールは、例えば、トリスヒドロキシメチルホスフィン
の水溶液またはTHP類似物をカルボニル化合物と混合することによって形成さ
れ得る。この反応は周囲温度で起こるが、その混合物は、任意選択的に、例えば
30〜100℃、典型的には35〜80℃まで温められてもよい。反応は3〜8
pHの範囲のpH(例えば4〜7pH、特に5〜6pH)で最も起こりやすい。
THPおよびカルボニル化合物は、実質的に等モル比で使用することができる。
しかしながら、いずれかの成分、特にTHPのモル量が過剰(例えば最高10倍
までのモル量が過剰)に存在する場合もある。
【0022】 THPまたはTHP塩、およびジカルボニル化合物を塩基性化した皮膚または
酸性の皮膚に添加することにより、および炭酸ナトリウムなどのアルカリで塩基
性化することにより、その場でアセタールを調整することができる。
【0023】 アセタールを、例えば、アセタールとシンタン(好ましくは、通常のなめし条
件下でTHPまたはアセタールと反応しないシンタン)との混合物で皮膚を処理
することにより、および/または少なくとも1つの段階がシンタンによる処理を
伴い、少なくとも他の1つの段階がアセタールによる処理を伴う多数の段階で皮
を処理することによりシンタンと共に使用することができる。
【0024】 本明細書の目的のために、「シンタン」は、コラーゲンと反応して2つまたは
それ以上の部位で架橋を形成することができる合成有機化合物である置換シンタ
ン(replacement syntans)、およびそれ自体では実質的に架橋に関与しないが
、物理的に皮革によって吸収されるか、または1以下の部位で反応して皮革の物
性を改変する補助シンタンも意味するものとして使用される。例えば、この用語
には、コラーゲンの収縮耐性を増加することができ、
【化1】 (式中、各Mは、1つまたはそれ以上のヒドロキシルおよび/またはスルフェー
ト、スルホンまたはスルホイミド基あるいは尿素またはメラミン残基で置換され
たフェニル、ナフチル、またはアニリン基などのアリール基である)の少なくと
も2単位を含む、ホルムアルデヒドを共重合することによって調製される任意の
水溶性ポリマーが含まれる。本明細書中で使用される用語「シンタン」にはまた
、不飽和カルボン酸またはそれらの塩、エステル、アミドまたはニトリル(例え
ば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、アクリロニトリル、マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸、アコニット酸、クロトン酸、イソクロトン酸、シト
ラコン酸、メサコン酸、アンゲリカ酸、チグリン酸、およびケイ皮酸)のホモポ
リマーとコポリマーである樹脂シンタンが含まれる。コポリマーにはまた、スチ
レンなどの他のビニルコモノマーが含まれる。例えば、スルホンおよびスルホン
アミドとのアセトン縮合物もまた含まれる。樹脂シンタンは、染料のレベリング
、充填、銀面(grain)の外観、破損、銀面の強度、研磨けば(buffing nap)、柔
軟性、および引張り強度または裂け強度などの特性を改変することができる。
【0025】 アセタールは、窒素含有シンタンおよび他の窒素化合物と反応しやすく、また
、ある程度まで芳香族シンタンと反応する。かかる反応は、アセタールおよびシ
ンタンの双方の反応がともに使用される場合にカオス挙動をもたらすその2つの
架橋反応に匹敵し得る。かかる系は、使用条件に対して非常に感受性が高いので
、それらの系を制御して、実用的な工業プロセスに必要とされる一定の結果を得
ることが困難であるか、または不可能である。
【0026】 これらの理由のため、本発明らは、かかる化合物との混合にアセタールを使用
しないことが好ましいと考える。しかしながら、アセタールを、例えば共縮合可
能な窒素化合物(例えば尿素、メラミン、ジシアンジアミド、および/または脂
肪族アミン)と前縮合して、2つまたはそれ以上のリン原子を含み、少なくとも
2つのヒドロキシメチル基を有する縮合物を形成することが可能である。かかる
前駆縮合物は、本発明のさらなる態様であるなめし剤に有用である。
【0027】 アセタールを任意選択的に無機物皮なめしと共に使用してもよい。アセタール
の、例えばクロムジルコニウムまたはアルミニウムとの混合物は非常に有効であ
る。アルミニウムのなめし剤は、アセタールと共に使用した場合、通常、無機物
皮なめしのみに必要とされる濃度よりも低い濃度で使用することができるが、ア
セタールのみの場合と比較して、より良い収縮温度をもたらすことができる。
【0028】 高いpHにより、ホスフィン基はなめし剤として実質的に有効ではないホスフ
ィンオキシドに変換されるので、高いpHを回避することが好ましい。本発明者
らは、本発明で使用するアセタール溶液のpHは、10未満、より好ましくは9
未満、特に8未満、典型的には7.5未満、最も好ましくは4.5〜7であるこ
とが好ましいと考える。本発明者らは、アセタールがその重量に基づいて、15
%未満、より好ましくは10%未満(例えば、9%未満)のTHPOを含むこと
が好ましいと考える。一般に、THPOはより少なく存在することがより好まし
い。
【0029】 アセタールは、なめし液の全重量に基づいて、0.01〜20重量%、より好
ましくは0.5〜10重量%(例えば1〜5重量%)、最も好ましくは1.5〜
4重量%の全濃度で使用される。使用されるアセタールの全比率は、湿った皮の
重量に基づいて、好ましくは0.3〜20重量%、より好ましくは1〜15重量
%、特に1.5〜10重量%、最も好ましくは2〜5重量%である。
【0030】 本発明者らは、補助シンタンで皮を処理してからアセタールでなめす方法が特
に好ましいと考える。
【0031】 アセタールをシンタンと組み合わせて使用した場合、シンタンは、好ましくは
ポリアクリレート、ポリメタクリレート、あるいはアクリル酸および/またはメ
タクリン酸とアクリロニトリルおよび/またはアクリルアミドとのコポリマーで
ある。典型的には、ポリマーは、1,000〜200,000の範囲、より一般
的には3,000〜100,000の範囲の分子量を有する。
【0032】 シンタンは、好ましくは、なめし液の0.5〜35重量%(例えば、1〜20
重量%)、より好ましくは2〜10重量%、特に3〜6重量%の濃度で存在する
。使用されるシンタンの全比率は、湿った皮の重量に基づいて、好ましくは1〜
20重量%(例えば、2〜10重量%)、特に3〜5重量%である。
【0033】 アセタールのシンタンに対する重量比は、典型的には、1:10〜10:1、
好ましくは1:5〜2:1、特に1:2〜1:1であり得る。使用される皮なめ
しの全比率は、湿った皮の重量に基づいて、2〜20%(例えば3〜10%)、
特に4〜8%の有効重量であることが好ましい。使用される全体の皮なめしは、
好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上(例えば95重量%
以上)のアセタールおよびシンタンを含む。白色の皮革を必要とする場合、本発
明者らは、全体の皮なめしが本質的にアセタールおよびシンタンから成ることが
好ましいと考える。本発明者らは特に、皮革を、植物皮なめしまたは無機物皮な
めしでなめし処理しないことが好ましいと考える。
【0034】 アセタールは、アセタールと共重合することができるモノマーまたはプレポリ
マー(例えばフェノール、尿素、メラミン、またはホルムアルデヒドとのそれら
の前駆縮合物)の実質的な非存在下で適用されることが好ましい。本明細書の目
的のために、「モノマーまたはプレポリマーの実質的な非存在」とは、50%の
アセタールと反応または共重合できるであろう最小値未満、より好ましくは、ア
セタールの重量に基づいて、20%重量が反応または共重合するのに必要と思わ
れる最小値未満(例えば、5%重量未満)、最も好ましくは2%未満、特に1%
未満であることを意味する。
【0035】 アセタールは、再なめし(retan)としてシンタンを用いる第1のなめし工程
に適用され得る。好ましくは、アセタールは、水性の脱脂処理後の酸性化された
皮膚に適用される。例えば、初期pHは、典型的には5未満(例えば4未満)で
ある。本発明者らは、pHを、5を超えるpHに上昇させ、本発明のなめしプロ
セスの主要な継続時間中、6を超えるpHに維持することが好ましいと考える。
【0036】 皮膚は、好ましくは、75℃を超える、より好ましくは80℃を超える、最も
好ましくは85℃を超える収縮温度に上昇させるのに十分な時間なめし液中で撹
拌される。
【0037】 なめし処理された皮膚は、通常、温水で洗浄され、適切なオイルあるいはブレ
ンドしたオイルを用いた油脂液に浸される。油脂液に浸すことは、通常、染料を
施した後に行われる。
【0038】 本発明を以下の実施例により説明する。
【0039】 実施例1 等モル比のTHP(70重量%の水溶液)およびグルタルアルデヒド(33重
量%の水溶液)を混合し、放置した。アセタールの濃度を、31Pnmrによりモ
ニターした。アセタールは、18〜20ppmのシフトで示差的なピークを示し
た。10分後に、リンの全体の53.5%を反応させてアセタールを生成した。
2時間後に、その割合を60.2%に上げた。アセタール溶液を、湿った皮の重
量に基づいて、1.5%の濃度で、pH5.1で、および25℃の温度で回転ド
ラム内の皮膚に施した。 炭酸ナトリウムを添加することにより、pHを4時間にわたって累進的に6.5
に上昇させ、78℃の収縮温度が得られた。排水し皮革を洗浄した。この製造品
は、良い品質を有し、THPのみでなめし処理した皮革よりも目の詰まった織り
(fuller texture)を得た。
【0040】 実施例2 同様の成果を用いて、グルタルアルデヒドをジメドン(dimedone)(5,5−ジ
メチル−1,3シクロヘキサジオン)に置き換えて、実施例1を繰り返した。
【0041】 実施例3 酸洗され、毛を刈り込まれた羊皮になめし処理を行って、低いpHで高い収縮
温度を有する、しなやかな、目の詰まった、手触りの柔らかい皮革を製造した。
【0042】 以下の構成物から製造された: 1000gの酸洗された皮; 8%(皮の重量に対し)の塩化ナトリウム} 2%(皮の重量に対し)のギ酸ナトリウム}ボーメ比重6〜8°を与える; BRIQUEST(商標)301−50Aとして入手可能な、0.1%(皮の重
量に対し)のホスホネート金属イオン封鎖剤; 100%のフロート(float)(すなわち、皮に対し100重量%の水)
【0043】 10分間の回転の後、フロートのpHが3.8〜4.2の範囲にあることを見
いだし、溶解度を増すのに必要な水の最小容積を用いて、75%の活性THPス
ルフェート(ALBRITE(商標)AD75Eとして入手可能)のうち2%、
および2%のアクロレインおよびアクリル酸のコポリマーをともに混合してスラ
リーを形成した。この混合物を軸を介して回転ドラム中に添加して、次にドラム
中の内容物にさらに90分間の回転にさらした。この後のフロートのpHは、4
.1となり、処理された皮の収縮温度は70℃となることがわかった。
【0044】 0.5%(皮の重量に対し)の重炭酸ナトリウムを添加し、さらに30分間回
転させた後、フロートのpHは4.8であり、収縮温度は77℃であった。
【0045】 さらに0.5%の重炭素ナトリウムを添加し、もう30分間回転を続けた。フ
ロートのpHは5.5となり、収縮温度は84℃となることがわかった。
【0046】 さらに重炭素ナトリウムを添加しても、収縮温度にそれ以上の上昇は生じなか
った。
【0047】 なめし処理された皮革は、1134ppmの濃度の遊離ホルムアルデヒドを有
する対照皮なめし剤(コポリマーが外されている)と比較して、843ppmの
濃度の遊離ホルムアルデヒドを有することが見いだされた。
【0048】 実施例4 THPスルフェートを、ALBRITE(商標)CS4として入手可能な4:
1のTHPS/尿素縮合物によって置き換えて、実施例3を繰り返した。
【0049】 フロートのpH値および対応する収縮温度は以下の通りである: PH 収縮温度(℃) 4.2 72 4.8 83 5.5 86
【0050】 さらに重炭素ナトリウムを添加しても、収縮温度にそれ以上の上昇は生じなか
った。
【0051】 なめし処理された皮革は、565ppmの濃度の遊離ホルムアルデヒドを有す
ることが分かった。この皮革は、手触りが柔らかくしなやかで目が詰まっており
、実施例3の皮革よりもわずかに目が詰まっていた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM, HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,K G,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT ,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW, MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR ,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN,YU, ZA,ZW (71)出願人 210−222 HAGLEY ROAD WE ST,OLDBURY,WARLEY,W EST MIDLANDS B68 ON N,ENGLAND (72)発明者 ジョーンズ、クリストファー・レイモンド イギリス国、ウエスト・ミッドランズ・ダ ブリュエス6・7ビーエス、ニア・ウォル ソル、チェスリン・ヘイ、サザーランド・ ロード 110 (72)発明者 コリンズ、ギャレス・ライス イギリス国、ウエスト・ミッドランズ・デ ィワイ6・8エイチアール、ダドリー、キ ングズウィンフォード、サリー・ドライブ 22 (72)発明者 タルボット、ロバート・エリック イギリス国、スタフォードシャー・ダブリ ュエス11・1キュージー、キャンノック、 メリデン・クロース 3 Fターム(参考) 4F056 CC02 CC28 CC52 CC58 DD02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つのカルボニル基と、カルボニルおよびカルボ
    キシルから選択された少なくとも1つの他の基とを有する水溶性化合物とTHP
    が反応する際に生成される型の化合物とコラーゲンを反応させる工程を含む、皮
    革をなめす方法。
  2. 【請求項2】 前記カルボニル化合物が、式OHC(CH2nCHO(式中
    、nは0〜12である)のジアルデヒドである請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記ジアルデヒドが、グルタルアルデヒドである請求項2に
    記載の方法。
  4. 【請求項4】 ジカルボニル化合物が、5,5ジメチル−1,3−シクロヘ
    キサジオンあるいはオルトキノンである請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記コラーゲンをまた、前記工程前、前記工程中、あるいは
    前記工程後にシンタンまたは無機物皮なめし剤と反応させる、請求項1ないし4
    のいずれか一項に記載の方法。
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