JP2003500365A - 体液性および細胞性免疫応答を増強するための安定性、生体適合性最適化アジュバント(sba) - Google Patents

体液性および細胞性免疫応答を増強するための安定性、生体適合性最適化アジュバント(sba)

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JP2003500365A JP2000619456A JP2000619456A JP2003500365A JP 2003500365 A JP2003500365 A JP 2003500365A JP 2000619456 A JP2000619456 A JP 2000619456A JP 2000619456 A JP2000619456 A JP 2000619456A JP 2003500365 A JP2003500365 A JP 2003500365A
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ライナー ヘルムート ミューラー,
ニコラウス グルプホーファー,
カルステン オルプリッヒ,
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ファルマソル ゲーエムベーハー
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、1以上の抗原と一緒に注射した場合の体液性および細胞性免疫応答を増強するための、安定性および生体適合性が最適化されたアジュバント(SBA)に関する。このアジュバントは、固体脂質および固体脂質混合物ベースの粒子からなる。可能性のある適用としては、より良好な効力かつより良好な耐性のあるワクチンの生成、ヒトおよび動物へのワクチン接種、そしてまた、抗体の産生が含まれる。粒子サイズ、粒子の電荷および表面特性を選択することによって、免疫応答の強さが特異的に調節され得、そしてさらに、種特異的に調整され得る。さらなるアジュバント(例えば、GMDPのような分子アジュバント)が、SBAに添加され得、さらに、細胞性免疫応答を増加させる。SBAは、効力がありそして低コストであり、現存するアジュバントよりも取り扱いが単純であり、そしてインビボで十分耐性がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (1.発明の背景) 抗原は、抗体を生成するために動物およびヒトに投与される。このことを行う
目的は、例えば、疾患に対する防御のためにヒトもしくは動物を免疫すること、
または引き続いて生成物に単離およびプロセスされる抗体の産生である。抗原は
、非経口的に最も頻繁に投与され、代替的方法としては、例えば、経口的、鼻的
、および局所適用がある。
【0002】 頻繁に起こる問題は、投与される抗原に対する免疫応答の強さが、しばしば意
図する目的のために十分ではないことである。時々、この問題は、投与される抗
原の用量を非常に増加させることによって解決され得る。しかし、抗原がしばし
ば非常に高価であり、そして用量を増加させることは、ワクチンのコストの対応
する増加をもたらすということは深刻な問題である。これらのコストは、健康の
システムに考慮すべき緊張をもたらす;多くの社会的階層−とりわけ第3世界に
おいては、ワクチンは非常に高価になるので、所望される集団のワクチン接種は
実行され得ない。
【0003】 別のアプローチは、アジュバントと一緒に抗原を投与することである。これは
、抗原の高価を増強し、従って、より高い抗体力価をもたらす。アジュバントの
原理は、1948年にJules Freundによって最初に説明され(Fr
eund,J.,J.Immunology 1948,60,383−398
)、そして2つの鉱油ベースのエマルジョンで達成された。フロイント(Fre
und’s)不完全アジュバント(FIA)は、マンニド(mannide)モ
ノオレアート(Montanide,Arlacel)を有する鉱油の混合物で
ある。適用のためには、これを抗原溶液と混合し、そして形成したエマルジョン
を注射する。このようにして引き起こされた免疫応答の増加は非常に大きいので
、新規なアジュバントが開発されそして試験される場合に、FIAがなお、「標
準物質(gold standar)」といわれている。それらの効力および品
質は、FIAとの比較によって評価される。しかし、多くの新規に開発されたア
ジュバントは、FIAの効力よりも下にとどまっている(例えば、FIA=1.
0に対して0.2)。
【0004】 FIAへの不活化したミコバクテリア(例えば、M.tuberculosi
s)の添加は、さらに免疫応答を増加させる。この混合物は、フロイント完全ア
ジュバント(FCA)と命名されている。しかし、Freundに従うオイルエ
マルジョンは、炎症性および潰瘍性の腫脹(肉芽腫)を注射の部位に生成し、そ
のいくつかはバーストして、広範な膿瘍になる。従って、現在の標準に従うと、
Freundによるヒトのためのオイルエマルジョンの使用は、完全に疑う余地
がない。これは、時々動物において使用されるが、しばしば、動物の一般的な状
態が非常に損なわれて、非経済的な損失が生じる。Freundによって提案さ
れた完全アジュバントのためのM.tuberculosisまたはM.but
yricumミコバクテリアもまた、耐えるのは難しい。これらもまた、注射の
部位で肉芽腫および熱ならびに膿瘍を引き起こす(Brown,E.A.Rev
.Allergy 1969 23(5):389−400)。
【0005】 従って、特に、安価なワクチンを製造すること、および特定の疾患に対して所
望される世界規模の免疫を可能にすることの観点で、十分に耐性があるアジュバ
ントを見出すという課題が存在する。このような免疫は、低コストワクチンを用
いてのみ経済的に達成され得、免疫学的産生技術および生成物の重要性が増大し
ている。また、動物の保護の必要性が認識されてきて、そして対応する法律の立
法化についての圧力が増大してきたので、十分に耐性があり(すなわち、生体適
合性)、同様に効力があるが、同時に低コストのアジュバントが見出されなくて
はならない。さらにそれは、注射の前の混合は必要なく、そして効力の変動(例
えば、微細な分散の違いによって引き起こされる)は除去されるように物理的に
安定でなくてはならない。
【0006】 現在、ヒトへの適用について認可されている最も頻繁に使用されているアジュ
バントは、水酸化アルミニウムの微細な懸濁物であり、この起源は、Freun
dのエマルジョンよりもさらにさかのぼる(Glenny,A.T.ら、J.P
athol.1926,2931−40)。これは、抗原は、水酸化アルミニウ
ム粒子の表面に吸着した場合に、免疫系によってより良好に認識されるという仮
定に基づいている。しかし、この不利な点は、水酸化アルミニウムはFreun
dアジュバントよりも効力が弱く、そしてこれもまた、肉芽腫を引き起こし得る
ということである。
【0007】 Freundのエマルジョンから出発して、最近、より耐性がある物質(例え
ば、スクアランおよびスクアレン)からなるエマルジョンが記載されている(S
anchez−Pestador,L.ら、J.Immunol.1988 1
41,1720−1727,Masihi KN、Lunge W.、Brem
er W.、Ribi E.Int.J.Immuno−pharmacol.
1986 8(3)、339−45、Hunter R.L.、Bennett
,B.Scand J Immunol.1986 23(3)、287−30
0、Allison ACら、Semin Immunol.1990 2(5
)、369−74)。これらのシステムの1つは、MF59である(欧州特許出
願番号0399843A2)。
【0008】 Glennyによる懸濁物に基づいて、異なるポリマーから種々の有機および
無機粒子(例えば、炭素)までの範囲の粒子が使用された(O’Hagan,D
.T.、Jeffrey,H.、Roberts M.J.、McGee,J.
P.、Davies,S.S.Vaccine.1991 9(10)、68−
71、Glenny,A.T.ら、J.Pathol.1926,29 31−
40)。これらのシステムの不利な点は、いくつかのポリマーの細胞毒性(例え
ば、ポリアルキルシアノアクリレートの場合におけるホルムアルデヒド形成)、
分解しないこともしくは生物中で分解速度が遅すぎること(例えば、ポリスチレ
ンまたはポリメタクリレート誘導体)、不十分な生体適合性(例えば、PLA粒
子の場合のカプセル形成、pHがpH2にシフトする)および登録の当局からの
登録を得ることが不可能であること(例えば、すすの粒子)である。
【0009】 特定のアジュバント(例えば、油滴または固体粒子)を使用する代替的な方法
は、高分子アジュバントの使用である。Freundによって記載されたミコバ
クテリアは、その莢膜物質からの成分で置き換えられ得ることが示された。これ
は、身体には、より耐性である。特に記載され合成されているものは、MDP(
N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン)(Adam,A.
、Lederer,E.、Med.Res.Rev.1984 4、111−1
52)、Thr−MDP(MDPのスレオニルアナログ)(Byars NEら
、Vaccine,1987 5(3)、223−8)、およびヨーグルトバチ
ルスから生じたGMDP(N−アセチルグルコサミニル−N−アセチルムラミル
−ジペプチド)(Grubhofer,N.Immunology Lette
rs 1995 44,19−24)であった。GMDPは、MDPのホモログ
であり;免疫系刺激効果の増加は、現在、GMDPについて実証されている(特
許明細書DE19611235 C1)。
【0010】 アジュバントの開発のさらなる段階には、高濃度の分子アジュバントの使用が
含まれ、その結果、溶解度が卓越し、そして懸濁物が得られた(例えば、DDA
(ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド)(Grubhofer,N.
Immunology Letters 1995 44、19−24))。そ
して体液性応答を増強させるために、高分子アジュバントの混合物(例えば、固
体粒子を伴う糖ペプチド(例えば、コロイド粒子を伴うGMDP))(Grub
hofer,N.Immunology Letters 1995 44,1
9−24)が得られた。
【0011】 しかし、現在までに、フロイントアジュバントの抗力と等しい効力を有し、同
時に他の要件に合致する溶液は見出されていない:新規なエマルジョンは常に副
作用なしには得られないし、合成高分子(例えば、糖ペプチド)は、これまでは
ミコバクテリアよりも優れていることは示されていないし、そしてさらに、それ
らは非常に高価である。固体粒子には登録の問題がある。多くのアジュバントは
、非常に高レベルの毒性を示し、従って、生体適合性のレベルが非常に低い。さ
らに、物理的な安定性の問題が存在する(凝集および/または融合(coale
scence)を避けること)。従って、FIAエマルジョンは、新鮮に製造さ
れそして注射されなくてはならない;長期保存は不可能である。しかし、保存中
の十分な物理的安定性は、製品(とりわけ薬物)には必須である。
【0012】 従って、本発明の目的は、新規なアジュバントの生成に関し、そのアジュバン
トは、 1.十分な物理的安定性、 2.低い細胞毒性および十分な生体適合性、 3.FIAの効力に匹敵する効力、 4.低い製造コスト、 を有する。
【0013】 (2.発明の詳細な説明) 現在まで、免疫系刺激効果を増大させるために、GMDPは、粒子サイズが2
00nm未満のコロイド分散固体脂質粒子との混合物で用いられなければならな
かった(Gerbuの米国特許、米国特許出願第08/816,787号)。粒
子の構造を、本発明の研究において体系的に改変して(例えば、使用した界面活
性剤、安定化剤)、GMDPの免疫系刺激効果をさらに増強し得る脂質粒子を見
出した。驚くべきことに、この粒子単独でも、脂質粒子とGMDPとの組合わせ
と、まさに同程度に有効であることが同時に見出された(実施例9)。従って、
本発明において、高価なGMDPは必要なく、そして匹敵するレベルの体液性免
疫系刺激が低コスト脂質粒子単独で達成され得る。
【0014】 ここで免疫系刺激効果の強さは、粒子の表面特性(使用される界面活性剤、脂
質電荷)および粒子サイズに依存する。脂質粒子が負電荷を有する場合、有効量
は、FIAの量の約1/3に匹敵し;EQ1の添加により正に荷電した脂質粒子
の産物では、有効性は、FIAに匹敵する(有意差なし、t検定)(実施例9)
。従って、所望の有効性は、使用される脂質粒子の組成を介して調節され得る。
このことは、生物の過剰反応を回避する。
【0015】 現在までの無機およびポリマー懸濁物に対して行われたアジュバントの研究か
ら、各抗原に対して最大の有効性を有する粒子サイズが存在することが公知であ
り、同様に、種依存性があることも公知である。従って、ワクチンのために最良
に適した水酸化アルミニウム懸濁物の粒子サイズは、経験的に決定され;免疫の
ためのアジュバントとしてのポリマー粒子は、それらのサイズに依存して種々の
効果を有した[Kreuter J,ら、Vaccine,1986,4,12
5−9]。非常に異なるマトリックス材料にも拘わらず、驚くべきことに脂質粒
子に対して同じ効果が認められた。その結果、粒子サイズを抗原特異的および種
特異的に変化させることにより、有効性が調節され得る。安定な生体適合性アジ
ュバント(SBA)の脂質粒子分散物は、水または水性液体もしくは非水性(例
えば、油性液体)中に分散された脂質粒子からなる。これらの粒子は、おそらく
、界面活性剤またはポリマーにより安定化されるが、必ずしも、界面活性剤また
はポリマーにより安定化されなくてもよい。外側相が十分に高粘性であるか、ま
たは粒子が細かいと、物理的に安定な分散物が得られる。同じことがまた、低粘
性外側相の場合にも適用され、従って、粒子が十分に高い電荷を有する場合、形
成される沈澱が容易に再分散され得る。
【0016】 SABの生成は、薬学またはプロセスエンジニアリングの基本書において記載
される一般に公知の方法を用いて、分散技術または沈澱により行う。分散の間に
、大ざっぱに分散した脂質は、機械的プロセスにより崩壊される。この脂質は固
体凝集状態で存在し得る(例えば、モルタルミル)か、または液体凝集状態で存
在し得る(例えば、スターラーによる脂質融解物の乳化)。SBA分散物を生成
するために、脂質を最初に細分し、次いで、外側(水性)相に分散するか、ある
いは外側相に直接細分され得る。分散によりSBA分散物を生成するために、例
えば、とりわけ以下が用いられ得る:ピストンギャップホモジナイザー(例えば
、APVホモジナイザー、French Press)、ジェットストリームホ
モジナイザー(例えば、Microfluidizer)、ローターステーター
(Rotor−Stator)撹拌機(例えば、Ultraturrax,Si
lversonホモジナイザー)、小規模および大規模静的ミキサー(例えば、
company Sulzerからのミキサー)、ガスジェットミル、ローター
ステーターコロイドミルおよびモルタルミル(実施例15)。
【0017】 SBA分散物は、十分に長期間、物理的安定性を示す。光子相関分光法(ph
oton correlation spectroscopy)およびレーザ
ー回折法(LD)を用いた粒子サイズの決定は、1〜3年の期間にわたり粒子成
長を全く示さなかったか、またはごくわずかであった(実施例3)。SBA懸濁
物の安定性は、フロイント不完全アジュバント(FIA)の安定性よりはるかに
優れており(実施例1)、そしてまた、より最近のアジュバントエマルジョンと
比較して、より大きな安定性を示す(実施例2)。
【0018】 安定性:SBA分散物は、単純な系を示す。糖ペプチドとは対称的に、使用さ
れるアジュバント物質は、構造において化学的に単純かつ強い。安定化プロセス
における熱の適用は、いずれの化学的分解ももたらさず、この分散物は、物理的
に安定なままであり、そして粒子凝集は全く起こらない。オートクレーブ(12
1℃、15分、2バール)によるSBA分散物の安定性の例を、実施例4に示す
。FIAは、同じ条件下で相分離を示す。
【0019】 多くのワクチンは、低温(4〜6℃)で保管される。最適化されたSBA分散
物では、物理的不安定性が生じることなく、保管は室温でも可能であり、そして
また、より高い温度ですらも可能である(実施例11)。このことは、特により
暑い気候帯に関して、SBAベースの製品の取り扱い(例えば、第三世界の国々
での集団ワクチン接種におけるアジュバントとしての使用)を容易にする。
【0020】 生体適合性:低毒性および良好な生体適合性は、広範な適用に加えてアジュバ
ントに必須である。ヒツジを用いた研究において、SBA分散物の適用の後に、
適用部位に何ら変わったことは認められなかった(実施例6)。この分散物が十
分に許容されたという事実は、細胞培養物においてインビトロで観察された脂質
の非常に低毒性により説明される。非経口投与についてドイツ登録当局およびF
DAにより受け入れられたポリマーと比較すると、この細胞培養物は、高濃度粒
子の場合において約20倍高い生存能力を示す(実施例5)。良好な生体適合性
は、一般に身体のタンパク質が表面粒子に対してわずかな程度しか吸着しないと
いう事実に帰する(他の粒子とは対照的)(実施例7)。さらに、不耐性反応を
刺激するタンパク質は、表面で検出されなかった。
【0021】 アジュバントの広範な適用のために、コストが理由で、それ自体を提示する解
決法は、適用の前に抗原溶液に混合されるアジュバント調製物を作製することで
ある。理想的には、アジュバントは、多くの種々の抗原と混合され得るような特
性を伴って生成されるべきである。注射の疼痛を低減するために、この混合物は
、生理学的塩化ナトリウム溶液または他の無機溶液中で投与されるべきである。
ζ電位の低下に起因して、生理学的塩化ナトリウム溶液は、分散物において不安
定化、引き続き凝集をもたらす[Lucks,J.S.ら、Int.J.Pha
rm.1990 58,229−235]。SBAアジュバントは、無機溶液中
で抗原と混合した後に、十分に長期間にわたり、物理的に安定であるはずである
。実施例8は、生理的塩化ナトリウム溶液と混合した後の脂質粒子が、6時間に
わたってもなお安定であり、測定可能な凝集が生じないことを示す。
【0022】 粒子サイズに加えて、表面特性(例えば、電荷)はまた、種特異的SBAアジ
ュバントが有効な強度で生成され得るように特異的に調節され得る。正電荷およ
び負電荷は、対応して荷電した界面活性剤または安定化材の混合により生成され
得る。電荷の強度は、添加物の濃度により調節され得、理想的な添加物は、無機
物質である。同様に、セチルピリミジニウムクロリドは非経口適用のための保存
剤として受け入れられる(実施例12)。
【0023】 非常に多くの種々の脂質がSBA分散物の生成のために使用され得る。これら
は、化学的に均質な脂質およびそれらの混合物の両方である。この脂質は結晶状
態(例えば、β、βi−修飾)で、または液晶状態(α−修飾)で、またはそれ
らの混合物でSBA分散物最終製品に存在するということにより特徴付けられる
。脂質混合物が使用される場合、液体脂質(例えば、油、親油性炭化水素、およ
び親油性有機性液体(例えば、オレイルアルコール))はまた、固体脂質(例え
ば、グリセリド、親油性炭化水素(例えば、固形パラフィン))とともに混合さ
れ得る(「脂質ブレンド」)。
【0024】 以下の脂質は分散相としての例のために用いられ、そしてまた個々の成分また
は混合物として適用され得る:天然または合成トリグリセリドおよび/またはそ
れらの混合物、モノグリセリドおよびジグリセリド(単独で、またはこれらの混
合物、または例えばトリグリセリドとの混合物)、自己乳化修飾脂質、天然およ
び合成のろう、脂肪アルコール(それらのエステルおよびエーテルを含む。およ
び脂質ペプチドの形態において)、あるいは任意のこれらの混合物。個々の物質
または混合物として、特に合成モノグリセリド、ジグリセリドおよびトリグリセ
リド(例えば、硬性脂質(hard fat))、Imwitor 900、ト
リグリセリド(例えば、グリセロールトリラウレート、グリセロールミリステー
ト、グリセロールパルミテート、グリセロールステアレートおよびグリセロール
ベヘナート)、およびろう(例えば、セチルパルミテートおよび白ろう(DAB
−ドイツ薬局方))。炭化水素(例えば、固形パラフィン)もまた適切である。
【0025】 全体の処方物に対する内側相または脂質の割合は、0.1%〜80%(m/m
)であり、そして好ましくは、1%〜40%(m/m)内である。安定な分散物
を生成し得るために、分散物安定化剤の添加が必要であるか、または所望される
のであれば(例えば、乳化剤)、これらは、純粋な物質の形態または混合物の形
態で組み込まれて、粒子を安定化させ得る。
【0026】 このような添加され得る添加物の量は、水性分散物の全重量部に対して、0.
01%〜30%の範囲内であり、好ましくは、0.5%〜20%の範囲内である
。SBA分散物の安定化のために、またはそれらの特異的表面修飾のために、界
面活性剤、安定化剤およびポリマーが使用され得、これらは、分散物の生成から
一般に理解される。この例は、以下である: 1.立体的に安定化させる物質(例えば、ポロキサマーおよびポロキシアミン
(poloxamine)(ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロ
ックコポリマー)、エトキシル化ソルビタン脂肪酸エステル、特に、ポリソルベ
ート(例えば、ポリソルベート 80/Tween 80(登録商標))、エト
キシル化モノグリセリドおよびエトキシル化ジグリセリド、エトキシル化脂質、
エトキシル化脂肪アルコールまたは脂肪酸、ならびに糖もしくは糖アルコールと
脂肪酸もしくは脂肪アルコールとのエステルおよびエーテル(例えば、スクロー
スモノステアレート、スクロースジステアレート、スクロースココエート(su
crose cocoate)、スクロースステアレート、スクロースジパルミ
テート、スクロースパルミテート、スクロースラウレート、スクロースオクタノ
エート、スクロースオレエート))。
【0027】 2.荷電した無機安定化剤(例えば、ジアセチルホスフェート、ホスファチジ
ルグリセリン、種々の起源のレシチン(例えば、卵レシチンまたは大豆レシチン
)、化学的に修飾されたレシチン(例えば、水素化レシチン)、ならびにリン脂
質およびスフィンゴ脂質、レシチンとリン脂質、ステロール(例えば、コレステ
ロールおよびコレステロール誘導体、ならびにスチグマステロール)との混合物
、ならびにまた、飽和および不飽和の脂肪酸、コール酸ナトリウム、グリコール
酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウムまたは
それらの混合物、アミノ酸または抗凝集剤(例えば、クエン酸ナトリウム、ピロ
リン酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム)[Lucks,J.S.ら、Int
.J.Pharm.1990 58,229−235])。双性イオン界面活性
剤(例えば、3−[(3−コラミドプロピル)−ジメチルアンモニオ]−2−ヒ
ドロキシ−1−プロパンスルホネート[CHAPSO]、3−[(3−コラミド
プロピル)−ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホネート[CHAPS]
、およびN−ドデシル−N,N−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパンスル
ホネート)。陽イオン性界面活性剤(特に保存剤として用いられる化合物)(例
えば、ベンジルジメチル−ヘキサデシルアンモニウムクロリド、メチルベンゼト
ニウムクロリド、ベンザルコニウムクロリド、セチルピリミジウムクロリド)。
【0028】 3.粘性増加物質(例えば、セルロースエーテルおよびセルロースエステル(
例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、ポリビニル誘導体なら
びにポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート、ア
ルギン酸、ポリアクリレート(例えば、Carbopol)、キサンタンおよび
ペクチン)。
【0029】 荷電した安定化剤は、必要または所望であれば、好ましくは、0.01%〜2
0%(m/m)の範囲の量で、特に0.05%〜10%の量でSBA分散物中に
含まれる。粘性増加物質は、必要または所望であれば、同様な割合で、好ましく
は0.01〜20%の量で、そして特に0.1%〜10%(m/m)の量で、そ
して好ましくは0.5%〜5%の範囲で処方物中に組み込まれる。
【0030】 外側相(分散媒体、連続相)として、水、水溶液または水と混和可能な液体(
例えば、グリセリンまたはポリエチレングリコール)ならびに油状液体(例えば
、ミグリコール(miglycol)(中鎖トリグリセリド−MCT))および
他の油(ヒマシ油、落花生油、大豆油、綿実油、菜種油、亜麻仁油、オリーブ油
、ヒマワリ油、およびサフラワー油))が用いられ得る。
【0031】 界面活性剤を含まないSBAは、水溶液中に脂質相を分散させることにより生
成される。水溶液は、1つ以上の粘性増加物質単独で、または他の物質(例えば
、糖、糖アルコール(特に、グリルコース、マンノース、トレハロース、マンニ
トール、ソルビトールなど))との組合わせのいずれかを含む。さらに、粘性増
加物質の組合わせ、またはこれらと糖もしくは糖アルコールとの組合わせ、また
は荷電した安定化剤もしくは抗凝集剤とのさらなる組合わせを使用することが可
能である。
【0032】 SBA分散物は、種々の疾患に対する免疫のために多くの異なる抗原に対する
アジュバントとして使用され得る。この例は、以下である: 糖タンパク質(例えば、淋菌タンパク質I、Brucella abortu
s抗原、破傷風トキソイド、ジフテリアトキソイド、Listeria mon
ocytogenes)。
【0033】 ウイルス抗原(例えば、セムリキ森林ウイルス、脳心筋炎ウイルス、ブタラロ
ウイルス(raro virus)、仮性狂犬病ウイルス、ニューカッスル病ウ
イルス、ウシのウイルス性下痢、HIV、インフルエンザ、サイトメガロウイル
ス、単純ヘルペス、C型肝炎、麻疹など)。
【0034】 寄生生物(例えば、マラリア、アイメリア spp.など)。
【0035】 まとめると、SBA分散物とともに、以下のアジュバントが利用可能であると
いうことができる: 1.十分な物理的安定性を有して、製品として、特に医薬品として生成されるア
ジュバント、 2.特に生物学的に分解性の脂質(例えば、グリセリド)が使用される場合、低
毒性かつ良好な生体適合性を有するアジュバント、 3.フロイント不完全アジュバント(FIA)に匹敵する効果を有するアジュバ
ント、および 4.低コストの製造方法を用いて、低コスト賦形剤からコスト効率的に生成され
得るアジュバント。
【0036】 SBA分散物は、抗原用量(従って、コスト)を広範に減少させるために使用
され得、毒物学的に受容可能な賦形剤を伴って、同様に、SBAの添加とともに
、同じ免疫系刺激効果がより低い抗原用量で達成される。
【0037】 従来、ワクチンのためにはあまり十分な抗原性を有さなかった抗原は、免疫応
答刺激SBAの添加によって効果的なワクチンに作製され得る。
【0038】 FIAの有効性に匹敵する現在の有効性を伴ったコスト効率的な生産のおかげ
で、SBA分散物は、非常に低コストなワクチンのみが有益であるために使用さ
れ得る場合、獣医学的ワクチン接種のためのアジュバントとして適切である。
【0039】 従来使用されたアジュバントは、体液性免疫応答を増強することに焦点を当て
てきた。SBA分散物の有効性を鑑みると、SBA脂質粒子に対するさらなるア
ジュバントの添加はもはや必要なく、および/またはGMDPのようなアジュバ
ントの添加は体液性免疫応答のさらなる増加をもたらさない。明らかにその最大
の応答能力の免疫系に対しては、さらなるアジュバントは、さらなる効果をもた
らし得ない。従って、SBAへの添加は、体液性応答に対する利点をもたらさず
、Gerbuの特許(特許明細書DE 19611235 C1)に記載される
もののような添加剤は、本発明において記載されたSBAについて見出された驚
くべき有効性のおかげで不必要である。
【0040】 しかし、驚くべきことに、SBA分散物との組合わせでGMDPの適用後に、
その後の再接種(ブースター)の場合に、以前にSBA分散物をアジュバントと
して単独で用いた場合より、明らかに増強された細胞性免疫応答を達成したこと
が確認された。従って、SBA分散物の組合わせは、再接種の場合の細胞性免疫
応答を増大させるために特に適切であることが新たに発見された。以前にGMD
PのようなさらなるアジュバントをSBA分散物と混合して用いた場合、その後
の2回目の接種の場合に免疫応答が増大する(実施例13)。
【0041】 従って、細胞性免疫応答を増強する目的でアジュバントを生成するために、S
BA分散物とさらなるアジュバントとを組合わせることは、有利である。組み合
わせのためのさらなるアジュバントは、以下である:N−アセチルグリコサミニ
ル−(β1−4)−N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン
[GMDP]、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド[DDA]、N−
アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン[MDP]、N,N ジ
(β−ステアロイルエチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド[EQ1
]、糖ペプチド、ミコバクテリアの細胞壁成分、サポニン、四級アミン(例えば
、セチルピリミジウムクロリドおよびベンザルコニウムクロリドなど)、双性イ
オンアミン(例えば、CHAPS(3−[(3−コラミドプロピル)−ジメチル
アンモニオ]1−プロパンスルホネート))、硫酸デキストラン、デキストラン
、3−オデサシル(odesacyl)−4’−モノホスホリルリピドA[MP
L(登録商標)]、N−アセチル−L−アラニル−d−イソグルタミニル(di
soglutaminyl)−L−アラニン−82)−1,2−ジパルミトイル
−sn−グリセロ−3−(ヒドロキシ−ホスホリルオキシ)エチルアミド(一ナ
トリウム塩)[MTP−PE]、顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子[G
M−CSF]、ブロックコポリマー(例えば、P1205、ポロキサマー401
(Pluronic L121))、ジミリストイル−ホスファチジルコリン[
DMPC]、デヒドロエピアンドロステロン−3β−01−17−オン[DHE
A]、ジミリストイル−ホスファチジルグリセロール[DMPG]、デオキシコ
ール酸ナトリウム塩、サイトカイン、imiquimod、DTP−GDP、サ
ポニン、7−アリル−8−オキソグアソニン(oxoguasonin)、モン
タニド(montanide) ISA 51、モンタニド ISA 720、
MPL、Murametide、Murapalmitin、D−Murapa
lmitin、1−モノパルミトイル−rac−グリセロール、ジセチルホスフ
ェート、ポリメチルメタクリレート[PMMA]、PEG−ソルビタン脂肪酸エ
ステル(例えば、ポリソルベート80(Tween 80(登録商標)))、Q
uil Aサポニン、ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ソルビタントリオレ
エート(SPAN(登録商標)85,Arlacel 85))、DTP−DP
P、ステアリル−チロシン、N,N−ジオクタデシル−N’,N’−ビス(2−
ヒドロキシエチル)プロパンジアミン、カルシトリオール。
【0042】 SBA分散物により引き起こされた体液性免疫応答の増大に加えて、本発明は
、SBA分散物と他のアジュバントとの組合わせにより、2回目の接種の場合に
おける細胞性免疫応答を増強する可能性を開く。
【0043】 細胞性免疫応答を増強するためにアジュバントと混合するかわりに、このアジ
ュバントはまた、脂質粒子に組み込まれ得る。組み込みは、固体粒子マトリクス
に包含させること、両親媒性アジュバントの場合は、界面での蓄積、または粒子
表面への単純な吸着により可能になる。アジュバントの組み込みは、粒子生成の
間またはその後に(例えば、組み込みの場合、実施例16)生じ得る。生成の間
の組み込みに関しては、アジュバントは、脂質融解相において溶解され、次いで
、可溶化されたか、もしくは分散され、かつアジュバントを含む脂質相は、さら
に処理される。両親媒性アジュバントの場合には、これらはまた、SBA分散物
の外側相に溶解され得、次いで、粒子表面において富化されるか、表面への吸着
により富化される。アジュバントの組み込みは、拡散により、または酵素による
粒子分解の過程の間に長期化した放出をもたらす。かなり長期間にわたる遅延型
放出は、免疫応答を増強する。
【0044】 適用のためのさらに魅力的な分野は、動物における抗体生成である。抗体収量
は、アジュバントの添加により明らかに増加し得る。
【0045】 (実施例) (実施例1:SBA 対 フロイント不完全アジュバント(IFA)の物理的
安定性の測定) 水性SBA分散物を、20% 蜜蝋、2%Tween 80(PCS直径28
9nm、多分散指数0.101)中で、95℃での高圧ホモジナイザーションに
より生成した。FIAをフロイント[Freund,J.J.Immunolo
gy 1948,60,383−398]により記載された方法に従って生成し
た。SBAおよびFIAを、薬物の安定性試験のために使用した気候帯の温度で
保管した[EMEA Directive CPMP/QWP/159/96,
1998年1月]。保管温度は、以下であった:5℃、25℃、40℃。物理的
安定性を、レーザー回折法(LD)を用いた粒子サイズの測定により決定し、特
徴付けパラメーターは、50%直径および95%直径(粒子の50%/90%が
、示したサイズ未満であり、粒子凝集の高感度パラメーター)であった。数分間
の保管後(室温ですら)、FIAは、明らかな粒子成長を示した;従って、FI
Aは、保管中に安定なアジュバントではない。対照的に、SBAの粒子サイズは
、1年間にわたる3つの保管条件下でも変化しないままであった(表1)。
【0046】
【表1】 (実施例2:SBA 対 スクアレンアジュバントの物理的安定性の測定) SBAを実施例1に記載のように生成した。このアジュバントは、10%セチ
ルパルミテートおよび1.2%Miranol(PCS直径210nm、PCS
多分散指数0.189)を含んでいた。スクアレンアジュバントは、欧州特許出
願0 399 843(19905月25日出願)に記載のように生成した(A
djuvant MF59)。粒子サイズをレーザー回折法により測定し、実施
例1のように3つに温度で保管を行った(表2)。加速させた安定性試験を行っ
たことに加えて、SBAおよびMF59分散物を50Hzの周波数、40℃で振
盪した(表3)。SBAは、通常の保管およびストレス試験(stress t
est)の両方においても増加した安定性を示す。
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】 (実施例3.SBAの長期安定性:20%蜜蝋(beeswax)、2%Tw
een80からなるSBA分散物を1年間4〜6℃で保管した。PCSデータお
よびレーザー回折法直径は、変化をほとんど示さないかまたは全く示さなかった
(表4)。
【0049】
【表4】 (実施例4.FIAおよびMF59に対する、オートクレーブ(熱、圧力)の
間のSBAの熱安定性)SBA分散を、18%の固形パラフィン、4%Twee
n80/Span 85(7/3)および水で作製した。欧州薬局方の標準的条
件(121℃、2bar、15分)に従って注射バイアル中で、各例において2
0mLの滅菌を実行した。PCSおよびレーザー回折法を用いて粒子サイズを決
定した(LD95%)(P.I.:多分散性係数(polydispersit
y index)、粒子サイズ分布の範囲の測定、AV:3つの測定による平均
値、:St.dev.標準偏差、P.I.多分散性係数)(表5)。オートクレ
ーブした後、FIAエマルジョンは、相分離を示し、そしてMF59は、別個の
粒子サイズ成長を示した。SBAは、物理的に安定であり、そしてオートクレー
ブにより滅菌され得る。
【0050】
【表5】 (実施例5.生理学的許容度)許容度(耐容性)を評価するために、細胞培養
物(ヒト顆粒球、HL60細胞)中で、SBAの細胞毒性を決定した。毒性を定
量するために、細胞の生存度をMTT試験を用いて決定した[Mosmann,
T.,J.Immunol.Meth.1993,65,55〜63]。SBA
分散物を、10%のセチルパルミテート、0.5%ポロキサマー(poloxa
mer)188および水で作製した。ウェルあたりの細胞数は、ヒト顆粒球の場
合は200,000に、そしてHL60細胞の場合は、200,000に達した
。インキュベーションを12時間行った。SBAの場合、生存度は、顆粒球で8
0%に達し、HL60細胞で85%に達した。PLAのナノ粒子(nanopa
rticle)の場合、生存度はわずか5%であったが、PLA/GAのナノ粒
子については、0%まで低下した。SBA許容度は、非経口投与についてFDA
により承認されたポリマーの倍数よりも細胞培養中で少なくとも20倍多い倍多
い。
【0051】 (実施例6:非経口投与後の耐性)以下の組成の水性SBA分散物を用いた:
5%固形パラフィン、5%Tween80/Span85(7/3)および水。
ヒツジへの非経口注射(n=30)を実行した。注射部位は、側部胸壁であり、
注射の容量は、5mLで4つの注射部位に分けた。注射部位にも、ヒツジの挙動
にもなんら異常は見られなかった。
【0052】 (実施例7:生体適合性−身体のタンパク質との相互作用)SBA分散を10
%Compritol、2.5%Poloxamor407および水から作製し
た。生成は、高圧ホモジナイザーを用いて実行した。粒子を5分間ヒト血漿とと
もにインキュベートし、次いで、血漿から分離し、2次元ポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動を用いて粒子表面上に吸着した身体のタンパク質を決定した[Blu
nk,Tら、Electrophoresis 14,1382〜1387(1
993)]。匹敵する粒子表面積の場合、非常に少ない量のタンパク質がSBA
上に吸着した。これは、エマルジョンと比較して96.41cpm(1分あたり
のカウント)であった(これに匹敵する値は:エマルジョン上で472cpm、
ポリスチレン粒子上で390cpm)[Harnisch,Sら、Electr
ophoresis 1998,19,349〜354、Blunk,T.,E
lectrophoresis 1993、14、1382〜1387]。不耐
性を促進する補完要素は、SBA表面上では検出されなかった。
【0053】 (実施例8:リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)中の安定性)20%固形パラ
フィン、5%Tween80/Span 85(7/3)および水から構成され
るSBAをPBSと混合した(2mL SBA+2mL塩溶液)。時間の関数と
してレーザー回折法を用いて、生理食塩水中の物理的安定性を決定した。6時間
にわたって、粒子サイズの増大は存在しなかった(90%直径および95%直径
、表6)(St.dev.:標準偏差)。
【0054】
【表6】 (実施例9:分子アジュバント(GMDP−N−アセチルグルコサミニル−N
−アセチルムラミル−ジペプチド)およびFIAと比較したアジュバントの効果
)ヒツジに、Mycoplasma(マイコプラズマ)Bovis PG45R
9株を接種した。接種抗原の培養中での培養は、ヘーフリック(Hayflic
k’s)培地中で微好気性条件下で72時間にわたって行った。0.1%βプロ
ピオラクトンの添加により不活性化を達成した。この細胞を分離し、pH7.4
のリン酸緩衝液で洗浄し、そして1×1010CFU/mLの含量に調節した。ド
イツ薬局方第10版(German Pharmacopoiea)に従って調
製物の無菌性を試験した。乾燥質量決定により、Mycoplasma Bov
is抗原の1mg/mLの含量が示された。アジュバントSEA、GMDPおよ
びFIAを抗原と等量で、緩衝液中で混合した。注射容量は5mLであって、4
つの注射部位に分けた。
【0055】 SBA組成は、4%固形パラフィン、1%EQ1(N,Nジ−(β−ステアロ
イルエチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド)および4%Twee
n80/Span85(7/3)であった。GMDPアジュバントの組成は、5
%脂質および0.5%界面活性剤であった。FIAを実施例1のように生成した
【0056】 血液サンプルを0日目(注射前)、35日目、および63日目に採取した。E
LISAを用いて抗体の決定を行った。ELISA試験のために、Sigmaか
ら市販のマーク(標識)した抗−IgG−ヒツジを用いた。
【0057】 SBAは、脂質粒子とGMDPの組合せの有効強度に匹敵する効果強度を示し
た。さらに、SBAは、FIAの有効性に匹敵する効率性であった(図1)。3
つのアジュバントの間に効果強度の有意な差異はなかった。
【0058】 図1:分子アジュバント(GMDP−N−アセチルグルコサミニル−N−アセ
チルムラミル−ジペプチド)およびFIAと比較したアジュバントの効果。SB
A組成物は、4%固形パラフィン、1%EQ1(N,Nジ−(β−ステアロイル
エチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド)および4%Tween8
0/Span85(7/3)および水であった。GMDPアジュバントの組成は
、5%EQ1および0.5%モンタニド(Montanide)888であった
。脂質および0.5%界面活性物質であった。FIAを実施例1のように生成し
た。
【0059】 (実施例10.抗体力価に対するSBA組成物の効果)SBA分散を同一の脂
質(ただし表面上の界面活性物質は異なる(すなわち、その表面特性が異なる)
)から生成した。SBA−1処方物は、4%固形パラフィン、4%Tween8
0/Span85(7/3)および水から構成された;SBA−2処方物は、4
%固形パラフィン、1%EQ1および4%Tween80/Span85(7/
3)および水を含む。抗体力価の増大の効率を、実施例9と同様に試験した。比
較としてはFIAを用いた。表面特性に依存して、2つのSBA分散について異
なる免疫応答のレベルが得られた(図2)。従って、表面特性のバリエーション
(界面活性物質、安定化剤、電荷など)により、所望の免疫応答の強度を調節し
得る。
【0060】 図2:抗体力価に対するSBA組成物の効果:SBA−1処方物は、4%固形
パラフィン、4%Tween80/Span85(7/3)および水から構成さ
れる;SBA−2処方物は、4%固形パラフィン、1%EQ1および4%Twe
en80/Span85(7/3)および水を含む。
【0061】 (実施例11):SBA−2の貯蔵安定性:実施例11に由来するSBA分散
SBA−2を異なる温度にて貯蔵して、そしてその物理的安定性をPCSについ
ての粒子サイズを測定することによって決定した。粒子成長は生じなかった(図
3)。
【0062】 (図3):SBA−2の貯蔵安定性:実施例11に由来するSBA分散SBA
−2を異なる温度にて貯蔵して、そしてその物理的安定性をPCSについての粒
子サイズを測定することによって決定した。
【0063】 (実施例12):SBA分散の表面修飾:表面電荷の修飾のために、相互(i
nteracial)活性な正に荷電した安定剤(EQ1−ジスステアロイルエ
チルジアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド)および負に荷電し
た安定剤(ドデシル硫酸ナトリウム(SDS))を用いてSBA分散を生成した
。SBA分散の組成物は以下であった:SBA−EQ1(20%セチルパルミテ
ート、4%Tween 80/Span 85(7/3)、1%EQ1)、SB
A−CPC(18%脂質、10%界面活性剤、0.1%セチルピリジニウムクロ
リド)およびSBA−SDS(20%セチルパルミテート、1%SDS 80)
。荷電の測定と同様に、ゼータ電位をミリボルト(mV)にて測定した(電気泳
動測定)(Zetasizer4(Malvern Instruments,
UK))。電気泳動移動度のゼータ電位への転換は、Helmholtz−Sm
oluchowski式を使用して行った。このゼータ電位は、3 SBA分散
について+40mV、+28mVおよび−35mVに達した。
【0064】 (実施例13):最初の免疫化の時にGMDP含有アジュバント(SBA)で
処置した雌鳥において、ブースター注射の場合では細胞性免疫応答は増加した。
SBA(5%EQ1、0.5%Montanide 888)を、抗原(ウサギ
由来のIgG)と共に1:1で混合し、そして皮下注射した。SBAは、5μg
のGMDPを含み、そして免疫スケジュールは、以下のようであった;最初の免
疫化そして14日目および28日目の2回のブースター注射。抗体測定を、42
日目に実施して、そして卵黄内のIgY力価を測定した。任意の増強した細胞性
免疫応答を研究するために、100日目に新たな抗原接触(さらなるブースター
注射)が行われ、そして120日目に、抗体測定を行った。その結果は、更新さ
れた抗原接触を伴うGMDP含有SBAを用いる最初の免疫化(14日目および
28日目)の場合において、強力に増強された抗体産生が生じることを示す。図
4における欄2、3および4。
【0065】 (図4):基本的な免疫化および100日目に更新された抗原接触後の雌鳥に
おける抗体産生。基本的な免疫化の最終的な抗体測定を42日目に行い、ブース
ター注射(100日目)後の抗体測定を120日目に行った。実施例1〜5のワ
クチンの成分は、以下の通りである: 1.42日目、PBS中の抗原、100日目:PBS中の抗原(該当せず:ア
ジュバント無し、PBS中の抗原) 2.42日目、GMDPを有するSBA中の抗原、100日目:SBA中の抗
原 3.42日目、GMDPを有するSBA中の抗原、100日目:FCA中の抗
原(FCA=フロイント完全アジュバント) 4.42日目、GMDPを有するPBS中の抗原、100日目:PBS中の抗
原 5.42日目、FCA中の抗原、100日目:PBS中の抗原 (実施例14):SBA粒子へのGMDPの吸着を、PCSを使用して試験し
た。GMDPをSBA(4%固形パラフィン、4%Tween80/Span8
5(7/3))と共に混合し、そして粒子上へのGMDPの吸着が可能となるよ
うに30分間室温に放置した。最終濃度は、1.435mg/mlに達した。サ
イズの成長は、3.9nmに達した。(GMDPを伴わないPCS直径:99.
4nm、標準偏差:0.764、GMDPを伴う直径:103.3nm、標準偏
差:0.755)。
【0066】 (実施例15):粒子サイズの調節:実施例12由来のEQ1を用いるSBA
分散を、粒子サイズを変更するために種々の製造プロセスを使用して産生した。
粒子サイズを、レーザー回折法(レーザー回折計LS 230、Coulter
Electronics Germany、測定範囲:40nm〜2000μ
m)を使用して測定した。50%の粒子の直径を、特徴付けパラメーターとして
得る。以下の産生方法を使用した: a)高圧均質化:脂質を溶かし、水性界面活性剤溶液に注ぎ、攪拌器で分散さ
せ、そして得られた生のエマルジョンを、高圧ホモジナイザーを用いて80℃に
て均質化した(Micron LAB40、APV Gaulin Homog
eniser GmbH、Germany)。均質化パラメーターは、500バ
ール圧、3均質化サイクルであった。50%の粒子直径は、0.15μmに達し
た。
【0067】 b)生のエマルジョンをa)に記載されるように産生し、そしてマイクロフル
イダイザー(Microfluidizer)(デバイス型110−Y、Mic
rofluidix Inc.,USA)を用いて均質化した。均質化パラメー
ターは、700バール、10分間の循環時間であった。平均粒子直径は0.45
2μmに達した。
【0068】 c)ローターステーター分散:生のエマルジョンをa)に記載されるように産
生し、次いでUltraturrax(Type T25、Jahnkeおよび
Kunkel、Staufen、Germany)をを用いて10,000rp
mの速度で1分間および10分間分散させた(分散温度80℃)。粒子直径は、
7.5μmおよび1.2μmに達した。
【0069】 d)静的ミキサー:a)由来の脂質および水性界面活性剤溶液を80℃にて加
熱して、そして静的ミキサーにおいて混合した(Sulzer、Germany
)。粒子サイズは、15.8μmに達した。
【0070】 e)ガスジェットミル(Gas−jet mill):ベヘン酸トリグリセリ
ドを、空気ジェットミルし(Jetmill,Mosokawa Alpine
AG)、次いで、室温において、水性界面活性剤溶液中で攪拌により分散させ
た。50%の粒子直径は、37.03μmに達した。
【0071】 f)モルタルミル(Mortar mill):あらく粉末化された脂質を、
3分間および15分間、液体窒素を添加してモルタルミルでひいた(Retsc
h mortar mill,Retsch,Germany)。その脂質をe
)におけるように水中で分散させた。平均粒子サイズは40μmであった。
【0072】 (実施例16):SBA中に取り込まれる細胞性免疫応答を増強させるための
分子アジュバント:GMDPをSpan85(W/O)乳化機中で溶解し、そし
てセチルパルミテートを添加した。この混合物を70℃にて融解させ、そして再
度冷却した後、液体窒素を添加してモルタルミルでひいた。粉にした脂質−GM
DP混合物を2.5%Tween80溶液中で分散させ、そしてUltratu
rraxを用いて1分間8000rpmで予備(pre)分散させた。この分散
物を、高圧均質化を3サイクル、1000バールにおいて4℃で使用して均質化
した。このPCS直径は、0.430の多分散性指標を用いて、260nmに達
した。
【0073】 (実施例17):界面表面に取り込まれる細胞性免疫応答を増加させるための
分子アジュバント:一般的に、サポニンが細胞性免疫応答を増加させることが公
知である。この粒子の産生を、ローターステーターを用いて実施例15に類似し
て行った。SBA分散の組成物は5%セチルパルミテート、0.5%サポニン(
Quil A Saponin)および水である。このサポニンを、水相にて溶
解し、これを80℃まで加熱し、そして脂質融解物を添加した。産生を、Ult
raturraxを用いて、10,000rpmにて5分間攪拌して行った。レ
ーザー回折法を用いて決定された50%直径は、2.28μmに達した。
【0074】 (実施例18):両親媒性アジュバントの存在下におけるSBAの産生。両親
媒性界面活性剤CHAPSが、免疫応答を増強させる手段として文献に記載され
る。この粒子は、5%セチルパルミテートおよび0.5%CHAPSから構成さ
れる。粒子の産生を、実施例20に類似するように実施した。レーザー回折法を
用いて決定された50%直径は、1.897μmに達した。
【0075】 (実施例19):SBA対純粋な分子アジュバントの比較:実施例10(SB
A−2)由来のSBA分散番号2を、ヒツジにて試験し(実施例9と同様の条件
)、分子アジュバント(すなわち、純粋なGMDP(N−アセチルグリコサミニ
ル−N−アセチルムラミル−ジペプチド)と比較した。GMDPの濃度(0.1
mg/ml)は、実施例9と類似していた。インビボ試験を、実施例9に記載さ
れるように行った。SBA2は、純粋GMDPよりも高い強度の効果を示す(図
5)。SBA−2の組成物:4%固形パラフィン、1%EQ1(N,Nジ−(β
−ステアロイルエチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド)および4%
Tween80/Span85(7/3)。
【0076】 (実施例20:免疫応答に対する荷電効果(表面特性)(実施例9に類似する
ヒツジの研究):正に荷電した粒子SBA4とSBA2との間における効果の強
度の差異は検出され得ない。SBA2由来のEQ1は、毒物学的に試験されて、
そして薬学的防腐剤(SBA4)として認可されているセチルピリジニウムクロ
リドによる効果のいかなる損失も伴わずに置換され得る。処方物SBA5の負に
荷電した粒子とは対照的に、正に荷電した粒子処方物が、より強い効果を有する
ことが観察される(図6)。
【0077】 SBA処方物は、以下の組成物を有する:SBA4:4%固形パラフィン、4
%Tween80/Span85(7/3)、0.5%セチルピリジニウムクロ
リド。SBA5:4%固形パラフィン、デオキシコール酸ナトリウム0.2%、
コール酸ナトリウム0.2%、オレイン酸ナトリウム1%、リポイドE80 2
%。SBA2:4%固形パラフィン、1% EQ1、および4%Tween80
/Span85(7/3)。表面荷電(ゼータ電位)を、50μs/cmの伝導
率を有する伝導水において決定した:SBA4:+41.4mV、SBA2:+
40.5mV、SBA5:−36.4mV。サイズ(PCS直径および多分散性
指標(P.I.))は以下の通りであった:SBA4:103nm(P.I.0
.110)、SBA5:107nm(P.I.0.115)、SBA2:101
nm(P.I.0.101)。
【0078】 (実施例21):効果の種独立性(雌鳥):実施例9由来の抗原をSBA1と
SBA2とを1:1の比で混合し、そして雌鳥あたり0.5ml注射した。抗体
力価を雌鳥の卵から決定した。ELISA試験を、定量のために使用した。実施
例9における説明とは対照的に、マークされた抗IgGニワトリをELISA試
験に使用した。最初の免疫化を0日目に行った。同じ調製物を有するブースター
を31日目に与えた。実施例10における結果と類似して、処方物SBA2は、
より強い効果を有することを証明した(図7)。
【0079】 SBA1の組成物:4%固形パラフィン、および4%Tween80/Spa
n85(7/3)、PCS直径:107nm(P.I.0.112);およびS
BA2:4%固形パラフィン、1%EQ1および4%Tween80/Span
85(7/3)、PCS直径:101nm(P.I.0.101)。
【0080】 (実施例22):アジュバント効果に対する脂質マトリックスの影響:処方物
SBA2の場合において、非生物分解性固形パラフィンを生物分解性グリセロー
ルトリベヘネート(tribehenate)(SBA3)と交換した。効果の
強度に差異はない;固形パラフィンは、グリセロールトリベヘネートにより置換
され得る(図8)。SBA2の組成物:4%固形パラフィン、1%EQ1および
4%Tween80/Span85(7/3)、PCS直径:101nm(P.
I.0.101);およびSBA3:4%グリセロールトリベヘネート、1%E
Q1および4%Tween80/Span85(7/3)、PCS直径:105
nm(P.I.0.112)。
【0081】 (実施例23):処方物SBA1およびSBA2を水酸化アルミニウムにおけ
る比較において試験した(実施例9に類似する手順)。SBA1およびSBA2
の効果は、水酸化アルミニウムの効果と同一である(コントロール:PBS中の
抗原)。実施例9において、SBA2は、SBA1より強力な効果を有する(S
BA1)(図9)。SBA2の組成物:4%固形パラフィン、1%EQ1および
4%Tween80/Span85(7/3)、PCS直径:101nm(P.
I.0.101);およびSBA1:4%固形パラフィン、4%Tween80
/Span85(7/3)、PCS直径:107nm(P.I.0.112)。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、分子アジュバント(GMDP−N−アセチルグルコサミニル−N−ア
セチルムラミルジペプチド)とFIAとの比較におけるアジュバント効果を示す
【図2】 図2は、抗体力価に対するSBA組成物の効果を示す。
【図3】 図3は、SBA−2の保存安定性を示す。
【図4】 図4は、基本的な免疫化および100日目に更新された抗原接触後の雌鳥にお
ける抗体産生であり、基本的な免疫化の最後の抗体測定を42日目に行い、ブー
スター注入(100日目)後の抗体測定を120日目に行ったことを示す。
【図5】 図5は、分子アジュバントGMDPとの比較におけるSBAのアジュバント効
果(実施例19)を示す。
【図6】 図6は、異なる粒子荷電の効果(実施例20)を示す。
【図7】 図7は、雌鳥におけるアジュバント効果(実施例21)を示す。
【図8】 図8は、アジュバント効果に対する脂質マトリックスの影響(実施例22)を
示す。
【図9】 図9は、水酸化アルミニウムを有するSBA1およびSBA2の効果の比較(
実施例23)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM, HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,K G,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT ,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW, MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR ,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN,YU, ZA,ZW Fターム(参考) 4C085 AA03 AA38 BA01 BB01 EE01 EE06 FF02 FF11 FF12 FF14 FF17 FF18 FF21 FF30 GG01

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒトおよび動物のワクチン接種の場合において免疫応答を増
    強するため、および抗体産生の収量を増加させるための薬剤であって、該薬剤は
    、室温(=20℃)で固体である脂質粒子と抗原との混合物を含むことによって
    特徴付けられ、ここで該脂質粒子が、免疫される被験体のための最適用量および
    最適な粒子サイズ、粒子の電荷、および表面特性(界面活性物質を安定化させる
    )で特徴付けられるように混合される、薬剤。
  2. 【請求項2】 前記粒子のサイズが10〜1000nmの範囲内にある、請
    求項1に記載の薬剤。
  3. 【請求項3】 前記粒子のサイズが1〜10μmの範囲内にある、請求項1
    に記載の薬剤。
  4. 【請求項4】 前記粒子のサイズが10〜200μmの範囲内、好ましくは
    10〜100μmの範囲内にある、請求項1に記載の薬剤。
  5. 【請求項5】 前記粒子のサイズが200〜1000μmの範囲内、好まし
    くは200〜500μmの範囲内にある、請求項1に記載の薬剤。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の薬剤であって、前記脂
    質粒子の生成のために使用される脂質が室温において固体であり、該脂質には、
    例えば、エチルステアレート、オクタデカン、DDA、天然および合成のトリグ
    リセリドならびに/またはそれらの混合物、モノグリセリドおよびジグリセリド
    が単独でまたはその混合物で含まれるか、あるいは、該脂質は、例えば、トリグ
    リセリド、自己乳化修飾脂質、天然および合成のろう、脂肪アルコールを伴い、
    そして該脂質はそのエステルおよびエーテル、脂質ペプチドの形態、またはその
    任意の混合物を含み、該脂質として特に適切なものには、合成モノグリセリド、
    ジグリセリド、およびトリグリセリド(個々の物質としてまたは混合物(例えば
    、硬い脂質)、Imwitor 900、トリグリセリド(例えば、グリセロー
    ルトリラウレート、グリセロールミリステート、グリセロールパルミテート、グ
    リセロールステアレート、およびグリセロールベヘネート)、ならびにろう、例
    えば、セチルパルミテートおよび白ろう(DAB)、該脂質は、個々にまたは混
    合物中で使用され、または炭化水素、例えば固形パラフィンである、薬剤。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の薬剤であって、液体脂質、例えば、液体グ
    リセリド(ミグリコール)、ピーナッツオイル、ひまし油、大豆油、綿実油、菜
    種油、亜麻仁油、オリーブ油、ヒマワリ油、およびベニバナ油が前記脂質粒子を
    生成するために使用される前記固体脂質に混合され得、該粒子は、室温(20℃
    )で固体として生成されることを特徴とする、薬剤。
  8. 【請求項8】 正に荷電していることを特徴とする、請求項1〜7に記載の
    薬剤。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の薬剤であって、前記脂質粒子の生成に際し
    て正電荷を生じるために、以下:ベンジルメチルジメチルヘキサデシルアンモニ
    ウムクロリド、メチルベンゼトニウムクロリド、ベンザルコニウムクロリド、セ
    チルピリジニウムクロリド、N,N−ジ(β−ステアロイルエチル)−N,N−
    ジメチルアンモニウムクロリド、およびジメチルジオクタデシルアンモニウムブ
    ロマイドからなる群から選択される物質が個々にまたは混合物中で使用され得る
    ことを特徴とする、薬剤。
  10. 【請求項10】 負に荷電していることを特徴とする、請求項1〜7に記載
    の薬剤。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の薬剤であって、前記脂質粒子の生成に
    際して負電荷を生じるために、以下の化合物:ジアセチルホスフェート、ホスフ
    ァチジルグリセリン、種々の起源のレシチン、例えば、卵レシチン、大豆レシチ
    ン、化学修飾したレシチン(例えば、水素化レシチン)ならびにリン脂質および
    スフィンゴリピド、レシチンとリン脂質との混合物、ステロール(例えば、コレ
    ステロールおよびコレステロール誘導体ならびにスチグマステロール)、ならび
    に飽和脂肪酸および不飽和脂肪酸、コール酸ナトリウム、グリコール酸ナトリウ
    ム、タウロコール酸ナトリウム、およびデオキシコール酸ナトリウムからなる群
    から選択される物質が個々にまたは混合物中に添加されている、薬剤。
  12. 【請求項12】 荷電していないか、またはわずかだけ荷電していることを
    特徴とする、請求項1〜7に記載の薬剤。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の薬剤であって、前記脂質粒子の生成に
    際して、以下の荷電していない物質:例えば、ポリエチレングリコールソルビタ
    ン脂肪酸エステル(特にTween80のようなTweenシリーズ)、ポリオ
    キシエチレンポリオキシプロピレンコポリマー(特にポロキサマーシリーズおよ
    びポロキサミンシリーズ)、エトキシ化モノグリセリドおよびジグリセリド、エ
    トキシ化脂質、エトキシ化脂肪アルコールまたは脂肪酸、ならびに糖または糖ア
    ルコールの、脂肪酸または脂肪アルコールとのエステルまたはエーテル(例えば
    、サッカロースモノステアレート)からなる群から選択される物質が個々にまた
    は混合物中で互いに添加され得る、薬剤。
  14. 【請求項14】 1以上のアジュバントが添加されていることによって特徴
    付けられる、請求項1〜13に記載の薬剤。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の薬剤であって、N−アセチルグリコサ
    ミニル−(β1−4)−N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタ
    ミン[GMDP]、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド[DDA]、
    N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン[MDP]、N,N
    −ジ(β−ステアロイルエチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド[E
    Q1]、グリコペプチド、ミコバクテリアの細胞壁の成分、サポニン、四級アミ
    ン、例えば、セチルピリジニウムクロリド、およびベンザルコニウムクロリド、
    双性イオンアミン、例えば、CHAPS(3−[(3−コールアミドプロピル)
    −ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホネート)、デキストランサルフェ
    ート、デキストラン、3−オデサシル−4’−モノホスホリルリピドA[MPL
    (登録商標)]、N−アセチル−L−アラニル−ジイソグルタミニル−L−アラ
    ニン−82)−1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−(ヒドロキシ−
    ホスホリルオキシ))エチルアミド、1ナトリウム塩[MTP−PE]、顆粒球
    マクロファージコロニー刺激因子[GM−CSF]、ブロックコポリマー、例え
    ば、P1205、ポロキサマー401(Pluronic L121)、ジミリ
    ストイル−ホスファチジルコリン[DMPC]、ジヒドロエピアンドロステロン
    −3β−オール−17−オン[DHEA]、ジミリストイル−ホスファチジルグ
    リセロール[DMPG]、デオキシコール酸ナトリウム塩、サイトカイン、イミ
    クイモド、DTP−GDP、サポニン、7−アリル−8−オキソグアソニン、M
    ontanide ISA 51、Montanide ISA 720、MP
    L、Murametid、Murapalmitin、D−Murapalmi
    tin、1−モノパルミトイル−rac−グリセロール、ジセチルホスフェート
    、ポリメチルメタクリレート、[PMMA]、PEG−ソルビタン脂肪酸エステ
    ル、例えば、Polysorbate 80(TWEEN(登録商標)80)、
    Quil A サポニン、ソルビタン脂肪酸エステル、例えば、ソルビタントリ
    オレエート(SPAN(登録商標)85、Arlacel85),DTP−DP
    P、ステアリル−チロシン、N,N−ジオクタデシル−N’,N’−ビス(2−
    ヒドロキシエチル)プロパンジアミン、カルシトリオールからなる群より選択さ
    れる分子アジュバントを含むことを特徴とする、薬剤。
  16. 【請求項16】 前記アジュバントが、例えば、水酸化アルミニウム、ポリ
    マー粒子、またはリポソームのような特定のアジュバントであることによって特
    徴付けられる、請求項14に記載の薬剤。
  17. 【請求項17】 請求項14に記載の薬剤であって、二価遷移金属イオン、
    四級アミン、デキストラン、デキストランサルフェート、ビタミンE誘導体、例
    えば、ビタミンEリン酸およびビタミンEヘミスクシネート、ならびにイソプリ
    ノシンからなる群より選択される前記アジュバントの有効性を増強する物質が該
    アジュバントに添加されることを特徴とする、薬剤。
  18. 【請求項18】 請求項1〜17のいずれか1項に記載の薬剤であって、前
    記脂質粒子が、固体凝集体状態にある脂質の粉砕、例えば、モルタルミル、ガス
    ジェットミル、エレクトロスパッタリング、高圧均質化、微小流動化によって生
    成されることを特徴とする、薬剤。
  19. 【請求項19】 請求項1〜17のいずれか1項に記載の薬剤であって、前
    記脂質粒子が、外側相中での分散の際に溶融状態にある脂質の粉砕(例えば、高
    速スターラー、ミクロスケールまたはマクロスケール静的ミキサー、ロータース
    テーターミル、コロイドミル、高圧均質化、微小流動化、スプレープロセス(例
    えば、スプレー乾燥プロセスまたはエレクトロスプレープロセス))によって生
    成され、該外側相が液相(水、有機液体、オイル、またはこれらの混合物)また
    は気相(空気、窒素、希ガス)であり得ることを特徴とする、薬剤。
  20. 【請求項20】 請求項1〜19のいずれか1項に記載の薬剤であって、前
    記液体粒子およびおそらくさらなるアジュバントが外側相中、例えば、水、等張
    性の糖溶液および等張性の塩化ナトリウム溶液のような水性液体、PEG400
    またはPEG600のような非水液体、オイル(ミグリコール、ピーナッツオイ
    ル、ひまし油、大豆油、綿実油、菜種油、亜麻仁油、オリーブ油、ヒマワリ油、
    ベニバナ油または他のオイルもしくはそれらの混合物)のような有機液体中で分
    散されていることを特徴とする、薬剤。
  21. 【請求項21】 例えば外側相に、粘性増加物質が添加されていることを特
    徴とする、請求項20に記載の薬剤。
  22. 【請求項22】 請求項1〜19に記載の薬剤であって、前記脂質粒子およ
    びおそらくさらなるアジュバントが、乾燥形態、例えば、凍結乾燥物、スプレー
    乾燥物、固体分散物、ペレットもしくはタブレットであることを特徴とする、薬
    剤。
  23. 【請求項23】 ヒトおよび動物のワクチン接種の場合において免疫応答を
    増強するため、ならびに免疫学的な抗体の収量および抗体産生を増加させるため
    の薬剤であって、該薬剤は脂質微粒子を含むことによって特徴付けられ、ここで
    該脂質微粒子は、室温(=20℃)で固体でありかつ1〜1000μmの範囲内
    のサイズを有し、免疫される被験体のための最適用量、および最適な粒子サイズ
    、粒子の電荷、および表面特性(界面活性物質層を安定化させる)で特徴付けら
    れるように適用され、簡単に抗原溶液に混合される、薬剤。
  24. 【請求項24】 ヒトおよび動物のワクチン接種の場合において免疫応答を
    増強するため、ならびに免疫学的な抗体の収量および抗体産生を増加させるため
    の薬剤であって、該薬剤は、室温(=20℃)で固体であり、固体脂質および液
    体脂質の混合物から調製された脂質粒子を含むことによって特徴付けられ、該脂
    質粒子が、免疫される被験体のための最適用量、および最適な粒子サイズ、粒子
    の電荷、および表面特性(界面活性物質層を安定化させる)で特徴付けられるよ
    うに適用され、簡単に抗原溶液に混合される、薬剤。
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