JP2003500295A - 流体ディスペンサ装置 - Google Patents

流体ディスペンサ装置

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    • B05B11/109Pump arrangements for transferring the contents from the container to a pump chamber by a sucking effect and forcing the contents out through the dispensing nozzle the dispensing stroke being affected by the stored energy of a spring
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Abstract

(57)【要約】 流体ディスペンサ装置であって、投与開口部(11)が形成された本体(10)と1回分以上の分量の流体が格納された貯蔵器(20)とを有し、前記貯蔵器(20)は休止状態で漏れ防止ストッパを形作るピストン(25)を有しており、前記装置の特徴となるのは、第1に前記貯蔵器(20)又は前記ピストン(25)と、第2にコッキング部材(40)と協動する、バネなどの弾性要素(30)を更に有し、前記コッキング部材(40)は、前記本体(10)に対して手動で移動させられて前記バネ(30)を圧縮することが可能な形に取り付けられているとともに、前記バネ(30)が圧縮される少なくとも1つのロック位置において前記本体(10)に対してロック可能であるように取り付けられており、前記装置は、前記バネ(30)を解放することで前記少なくとも1つのピストン(25)を前記貯蔵器(20)に対して移動させ、それによって1回分の量を放出させるように構成された少なくとも1つのトリガ部材(50,51)を有することである、という装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、流体ディスペンサ装置に関し、更に詳しく言えば、限られた回数(
例えば1回又は2回)の分量(dose)だけ投与するのに使われる流体ディスペン
サ装置に関する。
【0002】 1回分又は2回分を投与するタイプの装置は、現在の技術水準でもよく知られ
ており、医薬の分野で鼻用に使われるディスペンサに使用することができる。そ
の用途では、各々の鼻孔に1回分の分量の流体が投与されることになる。
【0003】 公報FR−2 761 281には、こうした2回分の装置が開示されている。
この装置を使う場合、ユーザは鼻孔内に投与開口部をあててから、装置の駆動要
素に対し軸方向の圧力を加える。1回分の分量を確実に全て投与するためには、
この軸方向の圧力を、エネルギー蓄積手段を上回る強さにする必要がある。その
ように比較的大きい軸方向の力を加える場合、投与開口部が設けられた装置端部
の位置を鼻孔内で正確に制御することは難しくなる。そのため、装置のヘッド先
端が鼻孔内部にぶっつかり、それがユーザに問題を発生させたり苦痛を与えたり
することも有りうる。さらに、装置を駆動するためには、必要な力の最小限度が
決まっている。そのため、老人や運動能力の低下した人にとっては使用が困難で
あることも考えられる。こうした人が鼻孔内に装置を置いた状態で前記の力を出
すのは難しいかもしれないからである。
【0004】 本発明の目的は、上記の問題が発生しないような流体ディスペンサ装置(特に
、2回分のタイプのもの)を提供することである。
【0005】 さらに詳しく言えば、本発明の目的は、2回分装置のような流体ディスペンサ
装置であって、用法が簡単であるとともに使用時の信頼性が高く、ユーザから加
えられる駆動力に左右されない形で流体が投与されるような流体ディスペンサ装
置を提供することである。
【0006】 また、本発明はさらに、装置が駆動されるたびに、確実に1回分の分量が残ら
ず投与されると共に、投与実施の前後において漏れの生じない形で流体が格納さ
れることを保証できるディスペンサ装置を提供することを目的とする。
【0007】 さらに別の目的として、本発明は、組立及び充填を容易に行えるような装置、
具体的に言えば、予め充填された貯蔵器を使うことが可能であり、そうすること
で装置の最終的な組立を無菌環境で行う必要のない装置を提供するものである。
【0008】 上記の目的達成のために、本発明は流体ディスペンサ装置であって、投与開口
部が形成された本体と1回分以上の分量の流体が格納された貯蔵器とを有し、前
記貯蔵器は休止状態で漏れ防止ストッパを形作るピストンを有しており、前記装
置の特徴となるのは、第1に前記貯蔵器又は前記ピストンと、第2にコッキング
部材と協動する、バネなどの弾性要素を更に有し、前記コッキング部材は、前記
本体に対して手動で移動させられて前記バネを圧縮することが可能な形に取り付
けられているとともに、前記バネが圧縮される少なくとも1つのロック位置にお
いて前記本体に対してロック可能であるように取り付けられており、前記装置は
、前記バネを解放することで前記少なくとも1つのピストンを前記貯蔵器に対し
て移動させ、それによって1回分の量を放出させるように構成された少なくとも
1つのトリガ部材を有することである、という装置を提供する。
【0009】 そして、本発明の第1の実施の形態では、前記ピストンが前記本体と静的な形
で協動し、前記貯蔵器に固定されているのに加えて前記貯蔵器と共に前記本体に
対して移動するように取付けられた中間要素と、前記バネとが協動し、前記中間
要素は、前記本体に対し少なくとも1つのロック位置においてロックされるとと
もに、前記少なくとも1つのトリガ部材によって解放され、その結果、バネの力
を受けて貯蔵器と共に前記本体に対して移動することによって、中間要素は前記
貯蔵器内で前記ピストンを動かし、1回分の流体を投与する。
【0010】 また、前記貯蔵器は、一方の端部だけが開いた中空の管を有し、当該端部はス
トッパピストンによって密封されており、当該ピストンは、貯蔵器内でピストン
の動きによって生成される所定の強さの圧力を受けて開くように構成されたスリ
ットを備えており、それによって、流体を貯蔵器から投与開口部の方向へ向けて
投与する、という点が効果的である。
【0011】 さらに、前記貯蔵器は、充填され、漏れの生じない形で前記ピストンによって
密封された後に、前記中間要素に固定され、具体的にはスナップ留めによって固
定される、という点が効果的である。
【0012】 また、本発明の第2の実施の形態においては、前記貯蔵器は前記本体に固定さ
れ、前記ピストンは、前記バネに押されて前記ピストンと共に前記本体に対して
移動する中間要素と協動し、前記中間要素は、前記本体に対し少なくとも1つの
ロック位置においてロックされるとともに、前記少なくとも1つのトリガ部材に
よって解放され、その結果、バネの力を受けてピストンと共に前記本体に対して
移動することにより、中間要素は前記貯蔵器内で前記ピストンを動かして1回分
の流体を投与する。
【0013】 また、前記貯蔵器は、両端が開いた中空の管を有し、当該管は、一方の端部で
は中間要素と協動する前記ピストンによって、もう一方の端部では静的な形で本
体と協動するストッパによって、密封されており、前記静的ストッパは、貯蔵器
内でピストンの動きによって生成される所定の強さの圧力を受けて開くように構
成されたスリットを備えており、それによって、流体を貯蔵器から投与開口部の
方向へ向けて投与するとする点が効果的である。
【0014】 また、前記中間要素は、本体内の少なくとも1つの穴と協動して前記中間要素
を前記本体に対してロックする、弾性キャッチなどのロック要素を少なくとも1
つ有し、前記中間要素は、前記少なくとも1つの穴を介して前記少なくとも1つ
のロック用キャッチと協動する、前記少なくとも1つのトリガ部材によって解放
される、とするのが好ましい。
【0015】 また、前記少くとも1つのトリガ部材は、放射方向に移動するように取り付け
られ、前記中間要素と協動するように構成された側面の押しボタンという形で形
成されている、という点が効果的である。
【0016】 また、前記少くとも1つのトリガ部材は、前記本体に固定された外側要素上に
形成されているとともに、内側に突き出した突起を備えており、当該突起は、ト
リガ部材が駆動される際に、前記本体内に対応する形で設けられた少くとも1つ
の穴を介して前記中間要素と協動するように構成されているとする点が効果的で
ある。
【0017】 また、前記貯蔵器には2回分の分量の流体が格納されており、前記コッキング
部材は、各々が1回分に対応する2つの別個のロック位置を有し、前記中間要素
は、各々が1回分に対応する2つの別個のロック位置を有し、前記装置は、各々
が1回分に対応する2つの別個のトリガ部材を有している、とするのが好ましい
【0018】 また、2つのトリガ部材は、装置の本体上で、軸方向及び/又は周方向に、お
互いに対して隔たっている、とする点が効果的である。
【0019】 そして、本発明の他の実施の形態としては、貯蔵器はスポイトであり、当該ス
ポイトは、前記中間要素と協動するピストンを一方の端部に有し、休止位置で密
封手段を形作るとともに、装置駆動の際には投与開口部の所にスプレープロファ
イルを形作るエンドピースをもう一方の端部に有する。
【0020】 また、前記本体には前記少くとも1つのトリガ部材が一体化しており、そして
、前記本体内には内部スリーブが固定されており、前記スリーブは、前記中間要
素、そして前記コッキング部材と協動することで、それら各々のロック位置を規
定するとともに、前記少くとも1つのトリガ部材と協動して前記中間要素を解放
する、という点が効果的である。
【0021】 また、前記コッキング部材は、予め定められた強さの軸方向の力をユーザから
加えられた時に、ロック位置から解放される、とするのが好ましい。
【0022】 また、前記貯蔵器はガラスでできており、前記ピストンはエラストマー素材で
できている、とする点が効果的である。
【0023】 本発明に関する他の効果及び特徴は、非制限的な例として示す本発明の実施の
形態についての説明を、添付の図面を参照しながら読めば明らかである。 本発明については、図面に示す3つの異なる実施の形態を参照しながら説明す
る。これら実施の形態が扱うのは、2回分タイプの流体ディスペンサ装置(すな
わち、投与対象の流体が2回分格納されているもの)であり、流体がユーザの鼻
の中に投与されるタイプのものである。ただし、本発明が1回分の装置(すなわ
ち、投与1回分の分量が格納されたもの)にも適用できることは認識しておいて
いただきたい。同様に、本発明は、2回分より多い分量(例えば、3回分又は4
回分)が格納される多数回用のディスペンサにも適用できる。更に言えば、本発
明は、鼻用のディスペンサに限定されない。
【0024】 図1乃至3は、本発明の第1の実施の形態を示す。この第1の実施の形態にお
ける装置は貯蔵器20を有し、この貯蔵器20についてはガラス管21で形成す
るのが好ましく、さらに、一方の端部だけが開いていて、開口部はストッパピス
トン25によって閉じられている。そうして、貯蔵器20には投与対象の流体が
別途充填可能であり、充填を終えた状態で本発明のディスペンサ装置に装着する
ことができる。従って、ディスペンサ装置の組立てを無菌の状態で行う必要がな
い。このことは、特に、投与対象の流体の製造業者とディスペンサ装置の製造業
者とが異なる場合に大きな効果をもたらす。
【0025】 装置は、投与開口部11が設けられた本体10を有する。図面に示す鼻用ディ
スペンサに関する実施例において、投与開口部11の位置は、鼻用塗布器のうち
投与チャネルが設けられたエンドピースの先端となっている。チャネル内にスプ
レー挿入物を配置することで、良好な噴霧を容易にし、デッドボリュームを小さ
くすることができる、という効果がある。本体10内部には中間要素60も設け
られている。これは、前記本体10に対して軸方向に移動するように設置され、
前記本体10に対してロックされるようなロック位置を少なくとも1つ有する。
図示している例が2回分の装置であるため、中間要素60はロック位置を2つ有
し、各ロック位置が1回分の投与に対応する。図1が示す中間要素60は、第1
のロック位置にある。効果的な形として、中間要素60は、フレキシブルで弾性
のあるツメなどのロック要素65を少くとも1つ備えている。これは、対応する
形で本体10内に設けられた少なくとも1つの穴15、16と協動する点が効果
的である。図1乃至3に示す例で、本体10は第1の穴15を備えており、1回
目の分が投与される前の状態(図1参照)では、その穴に、前記のフレキシブル
で弾性のあるツメ65が第1のロック位置で、スナップ留めの形で嵌まっている
。また、本体10は第2の穴16も備えており、2回目の分が投与される前の状
態(図3参照)では、その穴に、中間要素60の前記弾性のあるツメ65が、ス
ナップ留めの形で嵌まっている。中間要素60はバネ30の力を受けるが、この
バネ30は、一方の端部で前記中間要素60につながり、もう一方の端部では、
前記本体10内で軸方向にスライドするように配置されたコッキング部材40に
つながっている。前記コッキング部材40には、少なくとも1つのロック位置が
ある。ここに示す例が2回分の装置であるため、コッキング部材40は中間要素
60と同様にロック位置を2つ有し、各ロック位置が1回分の投与に対応する。
図1及び2では、コッキング部材は第1のロック位置にあり、図3では、前記コ
ッキング部材40は第2のロック位置にある。効果的な形として、コッキング部
材40は、フレキシブルなキャッチ又は外に突き出た突起などのロック要素41
を少なくとも1つ有し、これは、対応する形で装置の本体10に設けられた少く
とも1つの穴17、18、19と協動する。コッキング部材40と中間要素60
とは、本体に対して軸方向に、一方の向きにだけ(すなわち、図において装置の
底から頂上へ向けて上方向にだけ)スライドできるように作られている。一方向
だけのスライドを可能とするためには、先ず、突起又は弾性のキャッチ65、4
1に傾斜した頂上面を持たせればよい。これにより、突起又はキャッチ65、4
1は変形して本体内の穴から外れ、軸方向上向きに移動する。そして、更に、底
面を平らかつ水平にすることで、移動後のこれら2つの部材が少しでも逆方向に
戻ることがないようにする。なお、当然のことであるが、図面は特定の実施の形
態を示しているにすぎず、コッキング部材40及び中間要素60を一方向にだけ
動かすようにするための手段、これらの2つの部分のロック位置を規定する手段
については、図に示しているのとは別の同等な手段を使用することが可能である
【0026】 本発明における装置は、流体投与のためのトリガ部材を少なくとも1つ有する
。図に示す2回分の装置の例では、トリガ部材は2つあり、それぞれが1回分の
投与に対応する。これらのトリガ部材50、51は、本体10の外側に固定され
た外側要素55上に形成することが好ましく、押しボタンの形で作るのが効果的
である。これらトリガ部材は各々、トリガ要素57(内側に突き出した突起など
)を有し、このトリガ要素は、本体10内の穴15、16を介して中間要素60
(更に詳しく言えば、中間要素60が有する弾性のキャッチ65)と協動する。
装置が2回分のタイプの場合、2つのトリガ部材50、51は、本体10上でお
互いに対して軸方向に隔たった位置に置くのが効果的である。こうすれば、ユー
ザがそれぞれのトリガを取り違える危険がなくなる。すなわち、下側の押しボタ
ン50は1回目の分を投与するのに使うものであり、上側の押しボタン51は2
回目の分を投与するのに使うものである。図に示す例では、更に、2つのトリガ
部材は周方向にも隔てられている。その角度は90度とするのが効果的である。
【0027】 ここまでに説明したように、第1の実施の形態では、予め充填された貯蔵器2
0は中間要素60内に、具体的にはスナップ留めによって固定することができる
。そのためのスナップ留め部材90については、中間要素60に固定されていて
、ある程度の弾性を有し、予め充填された貯蔵器を組立済みのディスペンサ装置
内の正しい位置に固定することを可能とするようなものであるのが効果的である
【0028】 本発明に関わる装置は、第1の実施の形態では、以下の順序で動作する。 1回目の分の流体を投与する場合、ユーザはコッキング部材に対して軸方向の
圧力を加え、これを本体10に押し込む。開始状態(図示せず)では、コッキン
グ部材は休止位置にあって、突き出した突起41は本体10の穴17に嵌まって
いる。コッキング部材40は、加えられる軸方向の力が予め定められた強さにな
った時点でロック位置から解放されるように作られている。さらに具体的に言え
ば、突起41が前記第1の穴17から外れ、それによって、コッキング部材40
が前記本体10内をスライドできるようになり、前記突起41が本体10内の第
2の穴18に嵌まる位置まで移動する。この穴は、第1の穴17に対して軸方向
上側の隔たった位置にある。このようにコッキング部材がスライドすることで、
前記コッキング部材と中間要素60との間に配置されたバネ30がコックされる
。これは、第1のコッキングステージの間、第1のロック位置にあるので、静的
な状態となっている。第1のロック位置では、コッキング部材40の突起又は弾
性キャッチ65が、対応する穴15に嵌まっている。コッキング部材(具体的に
は、突起41)が本体10にある第2の穴18に嵌まった状態になるとき、コッ
キング部材は第1のロック位置にあり、この位置ではバネ30が圧縮されており
、コッキング部材40はその第1の休止位置に戻らないようにされている。図1
がこの第1のロック位置を示している。
【0029】 いったん装置がコックされると、ユーザが1回目の分の流体を投与したいと望
んだ時点で、前記ユーザは投与開口部11を鼻孔にあて、放射状の圧力を加える
形で、第1のトリガ部材50を押さえる。このように放射状の圧力を第1のトリ
ガ部材50に対して加えることで、突起57は放射状に、内部に向かって移動さ
せられる。そして、それによって中間要素60の弾性キャッチ65は、穴15か
ら押し出される。このようにして中間部材60は第1のロック位置から開放され
る。それに続いて、本体10内で圧縮バネ30が中間要素を図2に示す位置に向
けて移動させる。貯蔵器20は中間要素60に、ピストン25は本体10にそれ
ぞれ固定されているので、中間要素60がこのように移動することで、ピストン
25は貯蔵器20内で移動させられることにり、それによって、1回目の分の流
体を投与できる。このように、投与される分量は、中間要素の軸方向のストロー
クによって決まる。この軸方向ストロークは、中間要素60の第2のロック位置
に対応する受け位置によって決定され、その位置では、弾性キャッチ65が、本
体10内の対応する第2の穴16に嵌まる形となる。トリガ部材50とトリガ部
材51とが本体10の外周に沿って隔たっている場合には、中間要素は弾性キャ
ッチ65を少くとも2つ有することとする。これらキャッチもまた、中間要素6
0の外周に沿って隔たっており、それによって、本体10上で同様に周方向に隔
たっている穴15、16と協動するようになっている。効果的な変形例として、
各トリガ部材50、51を、それぞれ正反対にある1対の押しボタンの形にする
、というものがある。装置を駆動するには、各ペアを2本の指ではさんで同時に
押すこととする。その場合には、中間要素60の方でも、正反対に位置する弾性
キャッチ65をそれぞれペアで、対応する形で備える。
【0030】 従って、1回目の分の流体が投与された後の装置では、コッキング部材40は
第1のロック位置にあり、中間要素60は第2のロック位置にある。2回目の分
の準備として、ユーザは上で述べたのと同じように、軸方向の圧力を再び加える
形でコッキング部材40をもう一度駆動する。すると、同様に軸方向の圧力が予
め決められた強さになった時点で、コッキング部材は本体10の内側をスライド
し始め、突起41が本体10内に設けられた第3の穴19に嵌まる位置まで進む
。そして、ここまで進むことでコッキング部材40の第2のロック位置が規定さ
れる。このコッキング動作の間に、バネ30は再び圧縮される。中間要素60が
第2のロック位置にロックされているからである。その後、装置は図3に示す状
態となり、2回目の分を投与するための準備ができる。ユーザは、もう一方の鼻
孔の中に装置をあてて、第2のトリガ部材51を駆動する。トリガ部材51は、
突起57を介して中間要素60を第2のロック位置から開放する。それによって
、貯蔵器20は再びピストン25に対して移動することが可能となり、残りの流
体(すなわち2回目の分)が投与される。
【0031】 休止位置において漏れ防止ストッパを形作るピストン25については、貯蔵器
内で生じる圧力が予め決められた強さに達したところで開き、それによって流体
の投与を可能とするように構成されたスリットを有する、という形にするのが効
果的である。
【0032】 図4乃至7は、本発明の第2の実施の形態を示す。装置のおおよその動作は、
第1の実施の形態のそれと同様であるが、中間要素60がピストン25と協動し
、その一方で貯蔵器20が本体10に対して静止している、という点が異なって
いる。第2の実施の形態において効果的なのは、貯蔵器が両端の開いたガラス管
の形で形成されている点である。このガラス管は、一方の端が中間要素60と協
動するピストン25によって、もう一方の端が漏れ防止ストッパ26によって密
封されている。このストッパ26は、ピストン25の動きによって貯蔵器20内
で発生する圧力が予め定められた強さに達した時に開放するように構成されてい
る。また、効果的な形として、前記ストッパ26は、第1の実施の形態における
ピストン25と同じような形(すなわち、スリットを備える形)に作られている
。1回目及び2回目の分の投与におけるコッキングステージ、そして、中間要素
60を開放するためのトリガについては、第1の実施の形態と同じであるので、
これ以上詳しい説明は行わない。図4乃至7は、投与における各種ステージを示
す。図4は、1回目の分が投与される前のコック位置を示している。この状態で
は、コッキング部材は第1のロック位置にあり、中間要素も第1のロック位置に
ある。図5は、1回目の分が投与された後の状態を示している。この状態では、
コッキング部材40はまだ第1のロック位置にあるが、中間要素60は第2のロ
ック位置に移動している。図6は2回目の分が投与される前の状態の装置を示し
ており、ここでは、コッキング部材は第2のロック位置にあり、中間要素も第2
のロック位置にある。最後に、図7は2回目の分の流体が投与された後の装置を
示している。ここで、ピストン25は完全に貯蔵器を空にしており、上側のスト
ッパ26に接触した状態となっている。
【0033】 図8は、本発明のもう一つ別の実施の形態を示す。この例における貯蔵器20
はスポイトであり、しかも標準的な型のものである点が効果的である。そして、
スポイトの一方の端部はピストン25で閉じられており、このピストンについて
も標準的な型のものである点が効果的である。スポイトは投与開口部11から見
て反対側の端部にエンドピースを有する。効果的な形として、エンドピースは休
止位置において密封手段を形作り、流体が投与されている間、スプレープロファ
イルを形成することを可能としている。この例によれば、公知で充填が容易な貯
蔵器を使うことが可能である。この貯蔵器については、投与対象の流体の製造業
者の手によって予め充填を行った上で、両端を密封しておくことができる(一方
の端部はピストン25で、もう一方の端部はエンドピース70で密封する)。そ
のため、本体10内への貯蔵器の最終的な固定は、ディスペンサ装置の組立の過
程で行うことができる。固定の手段は、どのようなものでもよい。図8に示す本
例では、中間要素60はピストン25と協動し、これを貯蔵器20内で移動させ
る。所定分の投与動作におけるコッキングステージ及びトリガステージは、既に
説明した2つの実施の形態の場合と同様である。しかし、図8に示すディスペン
サ装置の実施の形態は、トリガ部材50、51(第2のトリガ部材51は図示せ
ず)が直接本体10上に形成されている点で異なっている。この場合、本体10
内に内部スリーブ80が取り付けられている点が効果的である。前記スリーブ8
0は、コッキング部材40のロック位置及び中間要素60のロック位置を規定す
ることを可能にする穴15〜19を備えている。当然のことながら、この実施の
形態は、図1乃至7を参照しながら説明した第1の実施の形態にも完全に適用す
ることができる。標準的なタイプのスポイトを使用することには、投与対象の流
体の製造業者が、異なる特殊な貯蔵器を充填する時に必要となる専用の特別なツ
ールを使用しなくても、非常に簡単に貯蔵器の充填を行える、という効果がある
。スポイトは、予め充填したうえで漏れの生じない形で密封されているので、デ
ィスペンサ装置は、無菌でない環境でも組立を行うことができる。
【0034】 このように、本発明が提供するディスペンサ装置は、2回分の種類のものであ
るのが効果的であるが、同時に以下のような機能を実現する。
【0035】 ・装置がどんな状態にあっても所定分量の投与を可能とするとともに、1回目の
分が投与される前に2回目の分の投与が誤って実行されるのを防止することよっ
て、操作上の安全を保証する。
【0036】 ・側面から駆動することによって投与動作を容易にしている。これは、投与の実
施がバネの力によるため、流体の投与がユーザから加えられる力の強弱に影響を
受けないためである。更に言えば、バネは、噴霧の性質が一定に保たれることを
保証する。
【0037】 ・装置が駆動される前、駆動中、そして駆動後も、流体が漏れの生じない形で貯
蔵器に格納されることを保証する。
【0038】 ・図1乃至3に示した第1の実施の形態、そして図8に示した第3の例では、予
め充填された貯蔵器を使うことが可能なので、無菌状態でない環境でも装置の組
立を行うことができる。
【0039】 ・流体が2つの素材だけとしか接触しないようにすることで、流体が汚染される
危険を小さくする。2つの素材とは、貯蔵器の素材(一般的にはガラス)及びス
トッパピストン25及び/又は26の素材(一般的には、流体に対して不活性で
あるエラストマー素材)である。
【0040】 当然のことであるが、この説明の冒頭でもすでに述べた通り、本発明は2回分
のタイプの装置や鼻に使用するタイプの装置に限定されない。例えば、1回、3
回又は4回の投与を行うための装置、あるいは、ユーザの目、耳、又は口に対し
て使用する装置を考えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態における2回分のタイプの流体ディスペンサ装置に
ついて、1回目の分が投与される前の状態での断面を示す概略図である。
【図2】 図1と同様の図であり、1回目の分が投与された後の状態を示す図である。
【図3】 図1、2と同様の図であり、2回目の分が投与される前の状態を示す図である
【図4】 本発明の第2の実施の形態における2回分のタイプの流体ディスペンサ装置に
ついて、1回目の分が投与される前の状態での断面を示す概略図である。
【図5】 図4と同様の図であり、1回目の分が投与された後の状態を示す図である。
【図6】 図4、5と同様の図であり、2回目の分が投与される前の状態を示す図である
【図7】 図4乃至6と同様の図であり、2回目の分が投与された後の状態を示す図であ
る。
【図8】 本発明の更に別の実施の形態について、1回目の分が投与される前の状態での
断面を示す概略図である。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年8月27日(2001.8.27)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正の内容】

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体ディスペンサ装置であって、 投与開口部(11)が形成された本体(10)と1回分以上の分量の流体が格
    納された貯蔵器(20)とを有し、前記貯蔵器(20)は休止状態で漏れ防止ス
    トッパを形作るピストン(25)を有しており、 前記装置の特徴となるのは、 第1に前記貯蔵器(20)又は前記ピストン(25)と、第2にコッキング部
    材(40)と協動する、バネなどの弾性要素(30)を更に有し、前記コッキン
    グ部材(40)は、前記本体(10)に対して手動で移動させられて前記バネ(
    30)を圧縮することが可能な形に取り付けられているとともに、前記バネ(3
    0)が圧縮される少なくとも1つのロック位置において前記本体(10)に対し
    てロック可能であるように取り付けられており、前記装置は、前記バネ(30)
    を解放することで前記少なくとも1つのピストン(25)を前記貯蔵器(20)
    に対して移動させ、それによって1回分の量を放出させるように構成された少な
    くとも1つのトリガ部材(50,51)を有することである、という装置。
  2. 【請求項2】 前記ピストン(25)が前記本体(10)と静的な形で協動
    し、 前記貯蔵器(20)に固定されており、さらに前記貯蔵器(20)と共に前記
    本体(10)に対して移動するように取付けられた中間要素(60)と、前記バ
    ネ(30)とが協動し、 前記中間要素(60)は、前記本体(10)に対し少なくとも1つのロック位
    置においてロックされるとともに、前記少なくとも1つのトリガ部材(50,5
    1)によって解放され、その結果、バネ(30)の力を受けて貯蔵器(20)と
    共に前記本体(10)に対して移動することによって、中間要素(60)は前記
    貯蔵器(20)内で前記ピストン(25)を動かし、1回分の流体を投与するこ
    と、 を特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. 【請求項3】 前記貯蔵器(20)は、一方の端部だけが開いた中空の管(
    21)を有し、当該端部はストッパピストン(25)によって密封されており、
    当該ピストン(25)は、貯蔵器(20)内でピストン(25)の動きによって
    生成される所定の強さの圧力を受けて開くように構成されたスリットを備えてお
    り、それによって、流体を貯蔵器(20)から投与開口部(11)の方向へ向け
    て投与すること、 を特徴とする請求項2に記載の装置。
  4. 【請求項4】 前記貯蔵器(21)は、充填され、漏れの生じない形で前記
    ピストン(25)によって密封された後に、前記中間要素(60)に固定され、
    具体的にはスナップ留めによって固定されること、 を特徴とする請求項2又は3に記載の装置。
  5. 【請求項5】 前記貯蔵器(20)は前記本体(10)に固定され、 前記ピストン(25)は、前記バネ(30)に押されて前記ピストン(25)
    と共に前記本体(10)に対して移動する中間要素と協動し、 前記中間要素(60)は、前記本体(10)に対し少なくとも1つのロック位
    置においてロックされるとともに、前記少なくとも1つのトリガ部材(50,5
    1)によって解放され、その結果、バネ(30)の力を受けてピストン(25)
    と共に前記本体(10)に対して移動することにより、中間要素(60)は前記
    貯蔵器(20)内で前記ピストン(25)を動かして1回分の流体を投与するこ
    と、 を特徴とする請求項1に記載の装置。
  6. 【請求項6】 前記貯蔵器は、両端が開いた中空の管(21)を有し、当該
    管(21)は、一方の端部では中間要素(60)と協動する前記ピストン(25
    )によって、もう一方の端部では静的な形で本体(10)と協動するストッパ(
    26)によって、密封されており、 前記静的ストッパ(26)は、貯蔵器(20)内でピストン(25)の動きに
    よって生成される所定の強さの圧力を受けて開くように構成されたスリットを備
    えており、それによって、流体を貯蔵器(20)から投与開口部(11)の方向
    へ向けて投与すること、 を特徴とする請求項5に記載の装置。
  7. 【請求項7】 前記中間要素(60)は、本体(10)内の少なくとも1つ
    の穴(15,16)と協動して前記中間要素(60)を前記本体(10)に対し
    てロックする、弾性キャッチなどのロック要素(65)を少なくとも1つ有し、 前記中間要素(60)は、前記少なくとも1つの穴(15,16)を介して前
    記少なくとも1つのロック用キャッチ(65)と協動する、前記少なくとも1つ
    のトリガ部材(50,51)によって解放されること、 を特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載の装置。
  8. 【請求項8】 前記少くとも1つのトリガ部材(50,51)は、放射方向
    に移動するように取り付けられ、前記中間要素(60)と協動するように構成さ
    れた側面の押しボタンという形で形成されていること、 を特徴とする請求項2乃至7のいずれかに記載の装置。
  9. 【請求項9】 前記少くとも1つのトリガ部材(50,51)は、前記本体
    (10)に固定された外側要素(55)上に形成されているとともに、内側に突
    き出した突起(57)を備えており、当該突起は、トリガ部材(50,51)が
    駆動される際に、前記本体(10)内に対応する形で設けられた少くとも1つの
    穴(15,16)を介して前記中間要素(60)と協動するように構成されてい
    ること、 を特徴とする請求項2乃至8のいずれかに記載の装置。
  10. 【請求項10】 前記貯蔵器(20)には2回分の分量の流体が格納されて
    おり、 前記コッキング部材(40)は、各々が1回分に対応する2つの別個のロック
    位置を有し、 前記中間要素(60)は、各々が1回分に対応する2つの別個のロック位置を
    有し、 前記装置は、各々が1回分に対応する2つの別個のトリガ部材(50,51)
    を有していること、 を特徴とする請求項2乃至9のいずれかに記載の装置。
  11. 【請求項11】 2つのトリガ部材(50,51)は、装置の本体(10)
    上で、軸方向及び/又は周方向に、お互いに対して隔たっていること、 を特徴とする請求項10に記載の装置。
  12. 【請求項12】 貯蔵器(20)はスポイトであり、 当該スポイトは、前記中間要素(60)と協動するピストン(25)を一方の
    端部に有し、休止位置で密封手段を形作るとともに、装置駆動の際には投与開口
    部(11)の所にスプレープロファイルを形作るエンドピース(70)をもう一
    方の端部に有すること、 を特徴とする請求項2乃至11のいずれかに記載の装置。
  13. 【請求項13】 前記本体(10)には前記少くとも1つのトリガ部材(5
    0,51)が一体化しており、そして、前記本体(10)内には内部スリーブ(
    80)が固定されており、 前記スリーブ(80)は、前記中間要素(60)、そして前記コッキング部材
    (40)と協動することで、それら各々のロック位置を規定するとともに、前記
    少くとも1つのトリガ部材(50,51)と協動して前記中間要素(60)を解
    放すること、 を特徴とする請求項2乃至12のいずれかに記載の装置。
  14. 【請求項14】 前記コッキング部材(40)は、予め定められた強さの軸
    方向の力をユーザから加えられた時に、ロック位置から解放されること、 を特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の装置。
  15. 【請求項15】 前記貯蔵器(20)はガラスでできており、前記ピストン
    (25)はエラストマー素材でできていること、 を特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の装置。
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