JP2003347115A - 超電導電流リード装置 - Google Patents

超電導電流リード装置

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JP2003347115A
JP2003347115A JP2002150397A JP2002150397A JP2003347115A JP 2003347115 A JP2003347115 A JP 2003347115A JP 2002150397 A JP2002150397 A JP 2002150397A JP 2002150397 A JP2002150397 A JP 2002150397A JP 2003347115 A JP2003347115 A JP 2003347115A
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temperature
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JP2002150397A
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Masayuki Ishizuka
正之 石塚
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は冷凍機冷却型超電導マグネット装置
に設けられる超電導電流リード装置に関し、冷凍機冷却
型超電導マグネット装置の大型化及び強磁場化を図って
も臨界電流値Icの低下防止を図ることを課題とする。 【解決手段】 一端に設けられた低温側電極42が超電
導マグネット装置20内の低温部に接続されると共に、
他端に設けられた高温側電極43が超電導マグネット装
置20内の高温部に接続される超電導電流リード41を
具備する超電導電流リード装置において、高温超電導体
材料により形成されており超電導電流リード41を電磁
的にシールドするシールド部材45を低温側電極42に
一体的に配設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は超電導電流リード装
置に係り、特に冷凍機冷却型超電導マグネット装置に設
けられる超電導電流リード装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図6は従来の一例である超電導電流リー
ド装置10を設けた冷凍機冷却型超電導マグネット装置
1(以下、超電導マグネット装置という)を示してお
り、また図7は超電導電流リード装置10を拡大して示
している。 超電導電流リード装置10は、図6に示さ
れるように、大略すると真空容器本体2,熱シールド部
材3,GM冷凍機4,超電導コイル5.及び超電導電流
リード装置10等により構成されている。
【0003】熱シールド部材3は真空容器本体2に内設
されており、また真空容器本体2の底部には高温側冷却
ステージ7が、高温側冷却ステージ7の上部には低温側
冷却ステージ6が配設されている。この低温側冷却ステ
ージ6及び高温側冷却ステージ7は、GM冷凍機4によ
り冷却される構成とれさている。
【0004】この冷却の際、外部に近い高温側冷却ステ
ージ7の温度に対し、低温側冷却ステージ6の温度は低
くなる。そして、超電導コイル5は低温側冷却ステージ
6上に配設されており、よって低温側冷却ステージ6に
より超電導コイル5は冷却される構成とされている。
【0005】超電導コイル5は、配線8及び超電導電流
リード装置10を介して電流が供給され磁力を発生す
る。真空容器本体2及び熱シールド部材3は上部中央に
凹部が形成されており、この凹部は環状とされた超電導
コイル5の内部に位置するよう構成されている。超電導
コイル5が励磁すると真空容器本体2及び熱シールド部
材3に形成された凹部内には磁場が発生し、よってこの
凹部内は常温磁場空間9として機能する。
【0006】超電導電流リード装置10は、低温側冷却
ステージ6と高温側冷却ステージ7との間に配設されて
いる。図7に拡大して示すように、超電導電流リード装
置10は、大略すると超電導電流リード11,低温側電
極12,及び高温側電極13とにより構成されている。
【0007】超電導電流リード11は、酸化物高温超電
導材料により形成されている。この超電導電流リード1
1の上端部は低温側電極12にはんだ14により固定さ
れており、また下端部は高温側電極13にはんだ14に
より固定されている。低温側電極12は低温側冷却ステ
ージ6に固定され、また高温側電極13は下方に延出し
て配線8と接続される。
【0008】低温側電極12は低温側冷却ステージ6に
より冷却され、これにより超電酸化物高温超電導材料に
よりなる導電流リード11は超電導状態となる。このた
め、超電導電流リード装置10は超電導コイル5に対し
て高電流を供給することが可能となり、よって超電導電
流リード11は常温磁場空間9内に高磁場を形成するこ
とができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、酸化物高温
超電導材料からなる超電導電流リード11において、臨
界電流密度(Jc)は重要なパラメータとなる。これま
でに、この臨界電流密度(Jc)を向上させるべく様々
な研究がなされ、現在ではBi−2212高温超電導体
において、Jc=1000A/cm2(液体窒素中)を得られるよ
うになってきている。
【0010】常温磁場空間9の直径が100mmで発生磁界
が10T(テスラ)である従来の標準的な超電導マグネ
ット装置1の場合、臨界電流密度がJc=1000A/cm2の超
電導電流リード11を用いることが可能であった。この
ように、常温磁場空間9の直径が100〜200mm程度と比較
的小さい超電導マグネット装置1では、超電導コイル5
で発生する磁場が、漏洩磁場として超電導電流リード1
1に印加されることはなかった。
【0011】しかしながら、近年では超電導マグネット
装置1に対して常温磁場空間9の大口径化が望まれてい
る。このように、常温磁場空間9の大口径化すると、必
然的に超電導コイル5で発生させる磁場を強くする必要
が生じる。
【0012】ところが、超電導コイル5で発生させる磁
場を強くすると、これに伴い超電導電流リード11に印
加される漏洩磁場も増大してしまう。周知のように、酸
化物高温超電導材料は、磁場下においては磁場の強さが
大きくなるほど、通電できる電流値(臨界電流値Ic)
が低下してしまう。このため、上記のように漏洩磁場が
増大すると、超電導電流リード装置10が適正に機能せ
ず、常温磁場空間9に所望する強い磁場を形成すること
ができなくなる。
【0013】この問題点について、図5を用いて更に詳
述する。図5は磁場内における超電導電流リード11の
特性を示しており、横軸に印加磁場を示し、縦軸に臨界
電流を示している。
【0014】いま、超電導電流リード11の断面積をS
とすると、臨界電流値Icは臨界電流密度がJcとリード
断面積Sとを乗算した値となる(Ic=Jc×S)。具体
例として、外径φ23mm,内径20mm,長さ200mmの円筒形
状の超電導電流リード装置10を例に挙げると、その断
面積は1.0cm2となる。このため、臨界電流密度がJc=10
00A/cm2を有する超電導電流リード装置10では、臨界
電流値IcはIc=1000Aとなる。
【0015】図6及び図7に示した従来一般的に用いら
れている超電導電流リード装置10では、高温側冷却ス
テージ7に接続される高温側電極13の温度は50Kで印
加磁界は0.5Tとなる。また、低温側冷却ステージ6に接
続される低温側電極12は、温度が5Kで印加磁界は1.0T
となる。
【0016】条件が厳しいのは高温側であるため、図5
を参照して高温側における臨界電流値Icを求めると、
温度は50Kで印加磁界が0.5Tであるため、臨界電流値Ic
はIc≒650Aとなる。超電導マグネット装置1の通常使
用時においては、臨界電流値IcはIc≒200Aであれば、
常温磁場空間9に所望の磁場空間を形成することができ
る。よって、上記大きさの常温磁場空間9を有する超電
導マグネット装置1の仕様では、磁場に対する超電導電
流リード装置10の臨界電流密Jcの低下防止措置は不
必要であった。
【0017】ところが、常温磁場空間9の内径が大きく
(例えば、500mm程度)になると、漏洩磁場が大き
くなるため、超電導電流リード装置10の高温側の条件
は厳しくなる。具体的には、高温側電極13の温度は60
Kで印加磁界は1.0Tとなり、また低温側電極12は、温
度が5Kで印加磁界は1.5Tとなる。
【0018】よって、この場合の高温側における臨界電
流値Icを図5から求めると、温度は60Kで印加磁界が1.
0Tであるため、臨界電流値IcはIc≒90Aとなる。よっ
て、超電導マグネット装置1の通常使用される臨界電流
値IcであるIc≒200Aを実現することができず、よって
常温磁場空間9に所望の磁場空間を形成することができ
なくなる。
【0019】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、冷凍機冷却型超電導マグネット装置の大型化及び
強磁場化を図っても臨界電流値Icの低下防止を図り得
る超電導電流リード装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明では、次に述べる各手段を講じたことを特徴
とするものである。
【0021】請求項1記載の発明は、一端に設けられた
低温側電極が冷凍機冷却型超電導マグネット装置内の低
温部に接続されると共に、他端に設けられた高温側電極
が該冷凍機冷却型超電導マグネット装置内の高温部に接
続される超電導電流リードを具備する超電導電流リード
装置において、高温超電導体材料により形成されており
前記超電導電流リードを電磁的にシールドするシールド
部材を、前記低温側電極に一体的に配設したことを特徴
とするものである。
【0022】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の超電導電流リード装置において、前記高温超電導体
材料は、NbTi、Bi−2212、及びYBCOの群
から選択される一の材料であることを特徴とするもので
ある。
【0023】上記の請求項1及び請求項2記載の発明に
よれば、超電導電流リードを電磁的にシールドするシー
ルド部材を高温超電導体材料により形成し、このシール
ド部材を超電導電流リードの低温側電極に一体的に配設
したことにより、シールド部材は低温側電極と共に冷凍
機冷却型超電導マグネット装置により冷却される。これ
により、高温超電導体材料よりなるシールド部材を有効
に冷却することができるため高いシールド効果を実現で
き、よって超電導電流リードの電流特性を高く維持する
ことができる。また、シールド部材を冷却するための機
構を別個に設ける必要がないため、超電導電流リード装
置の構成を簡単化することができる。更に、シールド部
材は低温側電極に一体的に設けられているため、シール
ド部材と超電導電流リード装置とを一括的に取り扱うこ
とができ、冷凍機冷却型超電導マグネット装置への取り
付け処理やメンテナンス処理を容易に行なうことができ
る。
【0024】また、請求項3記載の発明は、請求項1ま
たは2記載の超電導電流リード装置において、前記低温
側電極と前記冷凍機冷却型超電導マグネット装置内の低
温部との間に前記低温側電極と略同等の熱伝導性を有し
た絶縁部材を配設し、該絶縁部材を介して前記低温側電
極と前記低温部とを固定したことを特徴とするものであ
る。
【0025】また、請求項4記載の発明は、請求項3記
載の超電導電流リード装置において、前記絶縁部材は、
FRP、AlN、ポリイミド、及びマイラーシートの群
から選択される一の材料よりなることを特徴とするもの
である。
【0026】上記の請求項3及び請求項4記載の発明に
よれば、低温側電極と低温部との間に絶縁部材が配設さ
れているため、発生磁場が低温部を介して低温側電極に
侵入することを防止でき、よって超電導電流リードの電
流特性を高く維持することができる。また、絶縁部材は
低温側電極と略同等の熱伝導性を有しているため、絶縁
部材を設けても超電導電流リード及びシールド部材は確
実に冷却されるため、これによっても超電導電流リード
の電流特性を高く維持することができる。
【0027】また、請求項5記載の発明は、請求項1乃
至4のいずれか1項に記載の超電導電流リード装置にお
いて、前記低温側電極に前記超電導電流リードの延在方
向に沿ってスリットを形成したことを特徴とするもので
ある。
【0028】上記発明によれば、超電導電流リード装置
の始動時等において低温側電極に対する冷却が開始さ
れ、これに起因して低温側電極に熱変形が発生しても、
この熱変形はスリットで吸収されるため、超電導電流リ
ードに変形や内部応力が発生することを防止できる。
【0029】また、請求項6記載の発明は、請求項1乃
至5のいずれか1項に記載の超電導電流リード装置にお
いて、前記高温側電極と前記冷凍機冷却型超電導マグネ
ット装置内の高温部との間に配設される配線部に緩衝部
を形成したことを特徴とするものである。
【0030】上記発明によれば、冷凍機冷却型超電導マ
グネット装置に設けられた冷凍機で発生する振動や外乱
を緩衝部で緩衝し減衰させることができるため、冷凍機
冷却型超電導マグネット装置の低温側に振動が伝わるこ
とを防止できる。
【0031】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面と共に説明する。
【0032】図1は本発明の一実施例である超電導電流
リード装置40を適用した冷凍機冷却型超電導マグネッ
ト装置20(以下、超電導マグネット装置20という)
を示しており、また図2は超電導電流リード装置40を
拡大して示している。まず、図1を参照して超電導マグ
ネット装置20の構成について説明する。
【0033】超電導マグネット装置20は、大略すると
真空容器本体22、熱シールド部材23、GM(ギフォ
ード・マクマホン)冷凍機24、超電導コイル25、低
温側冷却ステージ26、高温側冷却ステージ27、常磁
場空間29、及び超電導電流リード装置40等により構
成されている。
【0034】真空容器本体22は略円筒状の形状とされ
ており、その上部には円筒状凹部37が形成されると共
に下部には底板32が配設されている。また、熱シール
ド部材23の内部には、熱シールド部材23が配設され
ている。
【0035】真空容器本体22の上部に形成された円筒
状凹部37の内部は、後述するよう常磁場空間29とな
る。この常磁場空間29は、従来に比べて大きな内径
(例えば、500mm程度)を有した構成とされてい
る。また、底板32の下部には、GM冷凍機24が固定
されている。
【0036】GM冷凍機24は多段冷却シリンダ構造を
有しており、1段目冷却シリンダ34A及び2段目冷却
シリンダ34Bが真空容器本体22内に挿入された構成
とされている。また、第2段目冷却シリンダ34Bは、
真空容器本体22に内設された熱シールド部材23の内
部にも挿入された構成とされている。
【0037】熱シールド部材23は銅、アルミニウム等
の高熱伝導率部材で形成された略円筒形状を有した熱シ
ールド板である。この熱シールド部材23の上部には、
円筒状凹部37の形状に対応した凹部が形成されてい
る。また、熱シールド部材23の下部には高温側冷却ス
テージ27が固定されており、この高温側冷却ステージ
27には前記した第1段目冷却シリンダ34Aが接続さ
れている。よって、高温側冷却ステージ27は、第1段
目冷却シリンダ34Aにより冷却される。
【0038】また、熱シールド部材23の上部には、低
温側冷却ステージ26が配設されている。この低温側冷
却ステージ26には、前記したGM冷凍機24の第2段
目冷却シリンダ34Bが接続されている。よって、低温
側冷却ステージ26は、この第2段目冷却シリンダ34
Bにより冷却される。
【0039】尚、低温側冷却ステージ26の温度は真空
容器本体22及び熱シールド部材23の内部に位置して
いるため、外気に近い高温側冷却ステージ27に対して
低い温度に冷却される。また低温側冷却ステージ26及
び高温側冷却ステージ27は、銅,アルミニウム等の高
熱伝導率部材から形成されている。
【0040】超電導コイル25は、熱シールド部材23
の内部に配設されている。具体的には、超電導コイル2
5は、熱シールド部材23に内設されている低温側冷却
ステージ26の上部に配設されている。よって、超電導
コイル25は低温側冷却ステージ26を介して第2段目
冷却シリンダ34Bと熱的に接続され、これにより超電
導コイル25はGM冷凍機24により冷却されて超電導
状態となる。この超電導コイル25は前記した円筒状凹
部37を囲繞するよう配設されており、よって円筒状凹
部37内は磁場が発生する常磁場空間29として機能す
る。
【0041】超電導コイル25への電流供給は、配線2
8及び超電導電流リード装置40を用いて行われる。配
線28は銅よりなる板状配線であり、真空容器本体22
の底板32と高温側冷却ステージ27との間に配設され
ている。この配線28の下端部は、底板32に配設され
た外部電極36に接続されている。この外部電極36に
は、図示しない電源に接続される。
【0042】一方、配線28の上端は超電導電流リード
装置40に接続される。この超電導電流リード装置40
は、低温側冷却ステージ26と高温側冷却ステージ27
との間に配設されている。そして、この超電導電流リー
ド装置40の上端は、超電導コイル25のコイル電極3
5と接続される。
【0043】続いて、図2乃至図4を参照して、超電導
電流リード装置40の構成について説明する。超電導電
流リード装置40は、大略すると超電導電流リード4
1,低温側電極42,高温側電極43,及びシールド部
材45等により構成されている。
【0044】超電導電流リード41は円筒形状を有して
おり、酸化物超電導体材料により形成されている。この
超電導電流リード41の上部は低温側電極42に固定さ
れており、またその下部は高温側電極43に固定されて
いる。
【0045】低温側電極42は、本体部46,固定部4
7,及びU字状部48を一体的に形成した構成されてい
る。この低温側電極42は、例えば銅により形成されて
いる。本体部46は円柱形状を有しており、超電導電流
リード41の上部を固定するためのリード装着部49
と、シールド部材45の上部を固定するためのシールド
部材装着部50等が形成されている。
【0046】超電導電流リード41及び後述するシール
ド部材45は、いずれも円筒形状を有している。このた
め、この超電導電流リード41が固定されるリード装着
部49及びシールド部材45が固定されるシールド部材
装着部50は環状溝とされている。具体的な固定方法と
しては、超電導電流リード41及びシールド部材45の
上部をリード装着部49及びシールド部材装着部50に
挿入し、この挿入状態で各装着部49,50に溶融され
たはんだ44を装填し、このはんだ44を固化させるこ
とにより固定を行なう。
【0047】固定部47は、図3に拡大して示すよう
に、絶縁部材56を介して低温側冷却ステージ26に固
定される。この絶縁部材56は、FRP、AlN、ポリ
イミド、及びマイラーシートの群から選択される一の材
料よりなる。また、固定部47の折り曲げられた部分
は、低温側冷却ステージ26を挿通して下方に延出した
コイル電極35に接続されている。
【0048】固定部47と低温側冷却ステージ26との
固定には電磁的な絶縁性を有するナイロンボルト57が
用いられており、また固定部47とコイル電極35との
固定には導電性金属よりなる金属ボルト58が用いられ
ている。従って、低温側電極42は、低温側冷却ステー
ジ26に固定され状態において低温側冷却ステージ26
と電磁的に絶縁された状態で固定され、またコイル電極
35とは電気的に接続された状態で固定される。
【0049】また、本体部46と固定部47は、U字状
部48により接合された構成となっている。このU字状
部48はバネ性を有しており、よって本体部46は固定
部47に対して若干量移動可能な構成となっている。従
って、真空容器本体22に外乱(例えば、衝撃等)が印
加されてもこれはU字状部48で吸収されるため、この
外乱により直接超電導電流リード41及びシールド部材
45が損傷することはない。
【0050】更に、図4に拡大して示すように、本体部
46にはシールド部材装着部50と連通するスリット5
5が形成されている。このスリット55は、超電導電流
リード41及びシールド部材45の延在方向(図中、上
下方向)に形成されている。
【0051】これにより、超電導電流リード装置40の
始動時等において、低温側電極42がGM冷凍機24に
よる冷却が開始され、これに起因して低温側電極42と
シールド部材45或いは低温側電極42と超電導電流リ
ード41との熱膨張差に起因して本体部46に熱変形が
発生しても、この熱変形はスリット55の形成位置にお
いて吸収される。このため、超電導電流リード41及び
シールド部材45に変形や内部応力が発生することを防
止でき、超電導電流リード装置40の信頼性を高めこと
ができる。
【0052】一方、高温側電極43は、本体部51,配
線部52,及び緩衝部54を一体的に形成した構成とさ
れている。この高温側電極43は、例えば銅により形成
されている。
【0053】本体部51はは円柱形状を有しており、超
電導電流リード41の下部を固定するためのシールド部
材装着部53が形成されている。このシールド部材装着
部53は、超電導電流リード41の形状に対応して環状
溝とされている。そして、超電導電流リード41の下部
をシールド部材装着部53に挿入し、この挿入状態でシ
ールド部材装着部53に溶融されたはんだ44を装填・
固化させることにより、超電導電流リード41は高温側
電極43に固定される。
【0054】配線部52は、前記した配線28に接続さ
れる。また、緩衝部54は、本体部51と配線部52と
の間に形成されている。換言すれば、緩衝部54は、高
温側電極43と高温側冷却ステージ27との間に配設さ
れている。この緩衝部54は、図示されるように逆S字
状の形状とされており、よってバネ性を有した構成とさ
れている。
【0055】よって、例えばGM冷凍機24(第1及び
第2段目冷却シリンダ34A,34B)で振動が発生し
たり、或いは外部から外乱が侵入しても、この振動及び
外乱は緩衝部54が弾性変形することにより緩衝・減衰
される。これにより、超電導電流リード装置40の本体
部46及び超電導コイル25等の低温側に配置した装置
に振動や外乱が伝わりることを防止でき、よってこれら
の装置の損傷を防止できるため、超電導マグネット装置
20の信頼性を高めることができる。
【0056】次に、シールド部材45について説明す
る。前記したように、シールド部材45の上部は、低温
側電極42の本体部46に固定される。尚、シールド部
材45の上部は高温側電極43には固定されておらず、
解放端とされている。
【0057】シールド部材45は、NbTi、Bi−2
212、及びYBCOの群から選択される一の高温超電
導体材料により構成されている。前記したように、シー
ルド部材45は本体部46に固定されており、この本体
部46は低温側冷却ステージ26を介してGM冷凍機2
4により冷却される。
【0058】この際、低温側電極42の固定部47と低
温側冷却ステージ26との固定部には絶縁部材56が介
装されている。この絶縁部材56は、前記したように熱
伝導性の高い材料が選定されている。このため、シール
ド部材45及び超電導電流リード41は、低温側冷却ス
テージ26,絶縁部材56,及び低温側電極42を介し
て冷却される。
【0059】この際、超電導電流リード41及びシール
ド部材45は共に低温側電極42に配設されており、よ
ってGM冷凍機24により一体的に冷却される。この
際、シールド部材45は、低温側である上部と高温側で
ある下部とで若干の温度差はあるものの約5K程度とな
る。この温度では、上記したNbTi、Bi−221
2、YBCO等の超電導材料は超電導状態となる。
【0060】また、これらの超電導材料はシールド磁場
が2T以上であるため、外部に2Tの磁場が印加された
としても、この超電導材料よりなるシールド部材45の
内部の磁場は零となる。更に、図1及び図2に示すよう
に、シールド部材45は、超電導電流リード41の全体
を覆うよう構成されており、超電導電流リード41に対
するシールド効果を高める構成としている。
【0061】また、低温側冷却ステージ26と低温側電
極42との間に介装された絶縁部材56は、超電導コイ
ル25で発生した磁場が低温側冷却ステージ26を介し
て低温側電極42に侵入することを防止する。よって、
これによっても超電導電流リード41に外部磁場が印加
されることを防止でき、超電導電流リード41の電流特
性を高く維持することができる。
【0062】また、絶縁部材56は低温側電極42と略
同等の熱伝導性を有しているため、絶縁部材56を設け
ても超電導電流リード41及びシールド部材45は確実
に冷却される。よって、これによっても超電導電流リー
ド41の電流特性を高く維持することができる。
【0063】これらの構成(必ずしも、上記の全部の条
件が必要とはならない)により、超電導電流リード41
を確実にシールドすることができる。具体的には、常磁
場空間29の直径を約500mm程度と大径化し、これ
に伴い超電導コイル25からの漏洩磁場が大きくなった
としても、超電導電流リード41に印加される印加磁界
を略零とできる。
【0064】このため、例えば超電導電流リード41の
高温側電極13の温度が60Kであったとすると、臨界電
流値Icは図5からIc≒650Aとなる。よって、超電導マ
グネット装置1の通常使用される臨界電流値Icである
Ic≒200Aを余裕を持って実現することができ、常磁場
空間29が大型しても、また超電導コイル25で発生す
る磁場が強くなり漏洩磁界が増大しても、常磁場空間2
9内に所望の磁場を形成することが可能となる。
【0065】また、本実施例の構成では、シールド部材
45を冷却するための機構を別個に設ける必要がないた
め、超電導電流リード装置40及び超電導マグネット装
置20の構成を簡単化することができる。更に、上記の
ように45は低温側電極42に一体的に設けられている
ため、シールド部材45を低温側電極42(超電導電流
リード装置40)と一括的に取り扱うことができる。こ
のため、超電導マグネット装置20に対する超電導電流
リード装置40の装着脱時の操作性及びメンテナンス性
の向上を図ることができる。
【0066】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、次に述べる
種々の効果を実現することができる。
【0067】請求項1及び請求項2記載の発明によれ
ば、高温超電導体材料よりなるシールド部材を有効に冷
却することができ、よって高いシールド効果を実現でき
るため超電導電流リードの電流特性を高く維持すること
ができる。また、シールド部材を冷却するための機構を
別個に設ける必要がないため、超電導電流リード装置の
構成を簡単化することができる。更に、シールド部材と
超電導電流リード装置とを一括的に取り扱うことができ
るため、冷凍機冷却型超電導マグネット装置への取り付
け処理やメンテナンス処理を容易に行なうことができ
る。
【0068】また、請求項3及び請求項4記載の発明に
よれば、低温側電極と低温部との間に絶縁部材が配設さ
れているため、冷凍機冷却型超電導マグネット装置内で
発生する磁場が低温部を介して低温側電極に侵入するこ
とを防止でき、よって超電導電流リードの電流特性を高
く維持することができる。また、絶縁部材は低温側電極
と略同等の熱伝導性を有しているため、絶縁部材を設け
ても超電導電流リード及びシールド部材は確実に冷却さ
れるため、これによっても超電導電流リードの電流特性
を高く維持することができる。
【0069】また、請求項5記載の発明によれば、超電
導電流リード装置の始動時等において低温側電極に対す
る冷却が開始され、これに起因して低温側電極に熱変形
が発生しても、この熱変形はスリットで吸収されるた
め、超電導電流リードに変形や内部応力が発生すること
を防止できる。
【0070】また、請求項6記載の発明によれば、振動
や外乱は緩衝部で緩衝されるため、冷凍機冷却型超電導
マグネット装置の低温側に配設された機器が振動や外乱
により損傷することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である超電導電流リード装置
を設けた超電導マグネット装置を示す構成図である。
【図2】本発明の一実施例である超電導電流リード装置
の部分断面図である。
【図3】本発明の一実施例である超電導電流リード装置
の超電導マグネット装置への固定部を拡大して示す図で
ある。
【図4】本発明の一実施例である超電導電流リード装置
に形成されたスリットを示す図である。
【図5】印加磁場と臨界電流との関係を示す図である。
【図6】従来の一例である超電導電流リード装置を設け
た超電導マグネット装置を示す構成図である。
【図7】従来の一例である超電導電流リード装置の部分
断面図である。
【符号の説明】
20 超電導マグネット装置 24 GM冷凍機 25 超電導コイル 26 低温側冷却ステージ 27 高温側冷却ステージ 34A 第1段目冷却シリンダ 34B 第2段目冷却シリンダ 38 常温磁場空間 40 超電導電流リード装置 41 超電導電流リード 42 低温側電極 43 高温側電極 45 シールド部材 46 本体部 47 固定部 51 本体部 52 配線部 54 緩衝部 55 スリット 56 絶縁部材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端に設けられた低温側電極が冷凍機冷
    却型超電導マグネット装置内の低温部に接続されると共
    に、他端に設けられた高温側電極が該冷凍機冷却型超電
    導マグネット装置内の高温部に接続される超電導電流リ
    ードを具備する超電導電流リード装置において、 高温超電導体材料により形成されており前記超電導電流
    リードを電磁的にシールドするシールド部材を、前記低
    温側電極に一体的に配設したことを特徴とする超電導電
    流リード装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の超電導電流リード装置に
    おいて、 前記高温超電導体材料は、NbTi、Bi−2212、
    及びYBCOの群から選択される一の材料であることを
    特徴とする超電導電流リード装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の超電導電流リー
    ド装置において、 前記低温側電極と前記冷凍機冷却型超電導マグネット装
    置内の低温部との間に前記低温側電極と略同等の熱伝導
    性を有した絶縁部材を配設し、該絶縁部材を介して前記
    低温側電極と前記低温部とを固定したことを特徴とする
    超電導電流リード装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の超電導電流リード装置に
    おいて、 前記絶縁部材は、FRP、AlN、ポリイミド、及びマ
    イラーシートの群から選択される一の材料よりなること
    を特徴とする超電導電流リード装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の
    超電導電流リード装置において、 前記低温側電極に前記超電導電流リードの延在方向に沿
    ってスリットを形成したことを特徴とする超電導電流リ
    ード装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の
    超電導電流リード装置において、 前記高温側電極と前記冷凍機冷却型超電導マグネット装
    置内の高温部との間に配設される配線部に緩衝部を形成
    したことを特徴とする超電導電流リード装置。
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