JP2003347014A - 発熱素子、発熱基板、発熱基板製造方法、マイクロスイッチ及びフローセンサ - Google Patents

発熱素子、発熱基板、発熱基板製造方法、マイクロスイッチ及びフローセンサ

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JP2003347014A
JP2003347014A JP2003006017A JP2003006017A JP2003347014A JP 2003347014 A JP2003347014 A JP 2003347014A JP 2003006017 A JP2003006017 A JP 2003006017A JP 2003006017 A JP2003006017 A JP 2003006017A JP 2003347014 A JP2003347014 A JP 2003347014A
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克治 荒川
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正寛 藤井
Shuji Koeda
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定性、耐久性のよい発熱素子や基板及びそ
れらを効率よく高精度に製造する方法、それらを利用し
た機器を得る。 【解決手段】 少なくとも一部にホウ素等の不純物を拡
散させて導電性を具備させたSi基板1を材料とし、角
部分をとった又は丸みを持たせた1又は複数のスリット
を設けたヒータ部2をエッチング加工を施してシリコン
基板1に一体して作製した。それと同時に、ヒータ部2
の加熱状態を制御するために下部に設ける凹部を一体形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばマイクロス
イッチ(リレー)、センサ等、特に小型な装置に適した
発熱素子、その製造方法等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、電気的に開閉を行うスイッチ
と呼ばれる電気部品(装置)が用いられている。このよ
うなスイッチは、測定装置等の電子部品に組み込むため
に電子技術の発達とともに小型化され、例えばマイクロ
スイッチ(マイクロリレーともいう)と呼ばれる装置と
して提供されている。
【0003】マイクロスイッチとは、例えば、導電性の
液体金属により固体電極間の開閉を機械的に行い、電気
接点の開閉や電気的接続が行われる電極の切り換え動作
を行うものである。マイクロスイッチでは、例えば、電
気的絶縁性を有する材料で密閉した細長いチャネルの内
壁の所定箇所に複数の電極(ここでは電極が2つの場合
について説明する)を露出成形させる。その上で、チャ
ネル内に電気的導電性を有する部材(例えば、ガリウ
ム、ガリウム合金、水銀等の液体金属)を封入し、液体
柱を形成する。液体柱の長さは、少なくとも2つの電極
間の距離以上である。そして、2つの電極を電気的に接
続する(閉じる)場合、液体柱を2つの電極に同時に接
触させる。また、2つの電極を電気的に接続しない(開
く)場合、2つの電極が液体柱に同時に接触しないよう
にする(液体柱を2つの電極に接触させない又は片方の
電極だけに接触させる)。特許文献1及び特許文献2に
は、導電性の液体により固体電極間の開閉を機械的に行
い、電気接点の開閉動作を行うマイクロスイッチが開示
されている。
【特許文献1】 特開昭47−21645号公報
【特許文献2】 特開平9−161640号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この液体柱を移動させ
るため、チャネル内の空気(又は絶縁性、導電性の低い
気体、液体等)を加熱し、膨張等させて液体柱の両端に
圧力差を生じさせる発熱素子又はその素子に相当する部
分を有する基板がマイクロスイッチに設けられている。
従来、このようなマイクロスイッチ等で用いられる発熱
素子は、成膜した金属膜を基板上にパターニングして形
成したものである。
【0005】そのため、基板との密着性が不安定になり
やすく、スイッチング動作の信頼性が不安定になること
が懸念される。また、導電性部材として水銀を使用する
場合、ヒータ材料である金属膜と水銀蒸気がアマルガム
(水銀との合金)を形成しまい、ヒータ特性が変化して
しまう。通常、このような場合、アマルガム形成を防ぐ
ため、発熱素子表面に例えばSi34、SiO2 等によ
り保護膜を形成するが、この保護膜を形成するための工
程も必要となるし、また、被覆性の問題により信頼性が
低下する、また保護膜自体の熱容量によって熱効率が悪
くなるといった弊害を生じることになる。
【0006】そこで、本発明はこのような問題点を解決
した発熱素子や基板及びそれらを効率よく高精度に製造
する方法等、そして、それらを利用した機器を得ること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そのため、本発明に係る
発熱素子は、不純物を拡散させて導電性を具備させたシ
リコンを材料とし、1又は複数の開孔部を設けたもので
ある。したがって、金属膜を基板に貼り付けることな
く、マイクロマシーニングの技術を用いて素子を形成す
ることができるので、安定性、耐久性等に優れた発熱素
子を得ることができる。また、1又は複数の開孔部によ
り、外気等との接触面積を広くしたので、昇温効率がよ
い。
【0008】また、本発明に係る発熱素子は、シリコン
の基板をエッチング加工して作製するものである。した
がって、寸法的に精度が高く、所望の発熱状態を実現で
きる発熱素子を得ることができる。
【0009】また、本発明に係る発熱素子の開孔部はス
リットである。したがって、外気等との接触面積が広く
なり、昇温効率がよい。
【0010】また、本発明に係る発熱素子において、ス
リットは、角部分をとった又は角部分に丸みを持たせた
スリットである。したがって、例えば、その後の素子作
製工程において、ウェットエッチングを行う工程がある
場合等、その角部分に加わる応力を拡散し、素子の破壊
を防ぐことができる。
【0011】また、本発明に係る発熱素子の開孔部は貫
通孔である。したがって、外気等との接触面積が広くな
り、昇温効率がよい。
【0012】また、本発明に係る発熱素子において、不
純物はホウ素である。したがって、シリコン基板を用い
た導電性のよい素子を得ることができる。また、ウェッ
トエッチングを行う際にも、エッチングストップが働く
ので、寸法的に精度のよい発熱素子を得ることができ
る。
【0013】また、本発明に係る発熱基板は、電力供給
により発熱する部分と発熱する部分の下部に設けた凹部
とをシリコン基板に一体形成したものである。したがっ
て、特に他の基板と接合等を行わなくても、発熱部分の
下に底部を有する基板を得ることができる。特に一体形
成を行った場合には、精度よく所望する容積で凹部を形
成しやすくなる。また、このように発熱部分を架橋(サ
スペンド)構造にすることで、発熱部分から生じる熱の
基板への逸散を低減することができるので、発熱効率を
高めることが可能となる。したがって、このような発熱
基板を用いて、マイクロスイッチ或いはフローセンサを
作製した場合には、マイクロスイッチ或いはフローセン
サの消費電力を低減することが可能となる。
【0014】上記シリコン基板が、P型又はN型のどち
らか一方の極性の半導体基板であり、上記発熱する部分
に上記シリコン基板と異なる極性の不純物が拡散されて
いることが好ましい。かかる構成をとることにより、発
熱部分の両端のシリコン基板と接触する部分にPN接合
が形成されるので、発熱部分を構成する発熱体と基板を
絶縁することができ、基板への電流のリークを防止する
ことが可能となる。上記シリコン基板がN型半導体基板
であり、上記発熱する部分にP型不純物としてホウ素が
拡散されていることが好ましい。かかる構成をとること
により、発熱体と基板との絶縁が可能になるとともに、
ホウ素を用いることで、ウェットエッチングを行う際
に、エッチングストップが働くので、製造工程が容易と
なり、また、寸法的に精度のよい発熱素子(発熱部分)
を得ることができる。
【0015】本発明の他の形態に係る発熱基板は、電力
供給により発熱する部分と上記発熱部分の下部に設けら
れた凹部との対がシリコン基板上に一体として複数形成
されており、発熱部分と凹部の各対間に該基板をチップ
化するためのブレーク溝が形成されている。かかる構成
をとることにより、発熱部分と凹部の対を有する基板
を、ダイシング等の特別な手段によらずにブレーク溝の
部分で容易にチップ化することが可能となる。したがっ
て、冷却水等により発熱部分(ヒータ部)を破損するこ
となく、歩留まりがよい。上記ブレーク溝がシリコン基
板の両面の対向する位置に形成されていることが好まし
い。ブレーク溝が両面に形成されていると、特に厚みの
ある基板を用いた場合に、より容易にチップ化し得る。
【0016】また、本発明の別な態様に係る発熱基板
は、流体通路を横断し両端が基板に支持されている、1
又は複数の発熱体から構成される発熱部分と、前記基板
上に形成され、前記発熱体の両端に接続される配線と、
を少なくとも有し、前記配線が、前記発熱体と当該配線
の接続部において、前記発熱体の少なくとも一部に個別
に電力を供給し得るように分岐した形状を有し、当該分
岐形状部分の配線を切断することで、前記発熱部分の抵
抗を調整可能になされている。このように分岐状の配線
を有することで、発熱体の厚みのばらつき等により生じ
たヒータ部の抵抗の変化を、発熱基板の製造後に、当該
分岐状の配線を切断することで調整することが可能とな
る。また、このように、発熱体ではなく、基板上に形成
された配線を切断するので、切断によりショート等の問
題が生じることもない。
【0017】また、本発明に係る発熱基板製造方法は、
電力供給により発熱する部分を形成する面側からシリコ
ン基板をエッチング加工し、発熱する部分と発熱する部
分の下部に設ける凹部とを一体形成したものである。し
たがって、特に他の基板と接合等を行わなくても、発熱
部分の下に底部を有する基板を得ることができる。特
に、エッチング加工において、その制御を行うことによ
り、凹部を精度よく所望する容積に形成することができ
る。また、シリコン基板は、発熱する部分と凹部との厚
み以上であればよいので、シリコン基板の選択の幅が広
がり、安価で取り扱いしやすい厚みを有するシリコン基
板を用いて作製することができ、コストを下げることが
できる。
【0018】また、本発明に係る発熱基板製造方法は、
シリコン基板の少なくとも一部に導電性を具備させるた
めの不純物を拡散させる工程と、不純物を拡散させた部
分をドライエッチングし、電力供給により発熱する、開
孔部を有する発熱部分を形成する工程と、発熱部分を形
成した面側からシリコン基板をウェットエッチング加工
して、発熱部分の下部に設ける凹部を形成する工程とを
有するものである。したがって、特に他の基板と接合等
を行わなくても、発熱部分の下に底部を有する基板を得
ることができる。特に、エッチング加工において、その
制御を行うことにより、凹部を精度よく所望する容積に
形成することができる。また、シリコン基板は、発熱す
る部分と凹部との厚み以上であればよいので、シリコン
基板の選択の幅が広がり、安価で取り扱いしやすい厚み
を有するシリコン基板を用いて作製することができ、コ
ストを下げることができる。
【0019】本発明の発熱基板製造方法は、また、シリ
コン基板の少なくとも一部に導電性を具備させるための
不純物を拡散させる工程と、前記不純物を拡散させた部
分をドライエッチングし、溝を形成して、電力供給によ
り発熱する発熱体から構成される発熱部分を形成する工
程と、上記発熱部分を形成した面側から上記シリコン基
板をウェットエッチング加工して、上記発熱部分の下部
に凹部を形成する工程と、を少なくとも有し、上記ドラ
イエッチングにより形成する溝の深さDと、上記発熱体
の幅Wが、 D > W×tan(54.7゜) ・・・(I) の条件を満たすように設定されているものである。この
ように、所定の関係を満たすように溝の深さと発熱体の
幅を調整することで、発熱部分の下部に確実に凹部を形
成することが可能となる。
【0020】本発明の発熱基板製造方法は、また、上記
発熱部分を形成する工程及び凹部を形成する工程におい
て、ドライエッチング処理及びウェットエッチング処理
を行う際に、上記基板をチップ化するためのブレーク溝
を上記ドライエッチング処理及び上記ウェットエッチン
グ処理により形成するものである。ドライエッチング処
理及びウェットエッチング処理により、同時に発熱部分
とブレーク溝を形成することができるので、簡略な工程
でブレーク溝を有する発熱基板を製造することが可能と
なる。
【0021】また、本発明に係る発熱基板製造方法は、
シリコン基板の少なくとも一部に導電性を具備させるた
めの不純物を拡散させる工程と、不純物を拡散させた側
からウェットエッチングを行い、開孔部を有し、電力供
給により発熱する発熱部分及び発熱部分の下部に設ける
凹部を形成する工程とを少なくとも有するものである。
したがって、特に他の基板と接合等を行わなくても、発
熱部分の下に底部を有する基板を得ることができる。特
に、エッチング加工において、その制御を行うことによ
り、凹部を精度よく所望する容積に形成することができ
る。また、シリコン基板は、発熱する部分と凹部との厚
み以上であればよいので、シリコン基板の選択の幅が広
がり、安価で取り扱いしやすい厚みを有するシリコン基
板を用いて作製することができ、コストを下げることが
できる。
【0022】また、本発明に係る発熱基板製造方法は、
形成した開孔部の形状に、マスクとなる膜を成膜してか
ら不純物を拡散させる。したがって、不純物を拡散させ
た部分のうち、不必要な部分を、例えばドライエッチン
グやエッチングストップが効かない濃度の水溶液等のウ
ェットエッチングを行って除くこともできるが、マスク
をすることにより、精度の高いウェットエッチングを行
うことができる。
【0023】本発明に係る発熱基板製造方法は、表面が
(100)面のシリコン基板の少なくとも一部に導電性
を具備させるための不純物を拡散させる工程と、上記不
純物を拡散させた側からウェットエッチングを行い、電
力供給により発熱する発熱部分に開孔部を形成して、発
熱部分を構成する1又は複数の発熱体となる部位を形成
し、かつ、当該発熱部分の下部に側壁が(111)面で
構成されるように凹部を形成して、前記発熱体が当該凹
部に架橋する構造を得る工程と、を少なくとも有し、上
記発熱体の架橋方向と上記凹部の延在方向が斜めに交わ
るように設計する。このように発熱体の方向を設定する
ことで、ドライエッチングを行うことなくウェットエッ
チングのみで、凹部を確実に形成することが可能とな
る。したがって、枚葉処理によらず発熱基板を製造する
ことが可能となるので、加工コストを低減することが可
能となる。
【0024】また、本発明に係る発熱基板製造方法は、
表面が(110)面のシリコン基板の少なくとも一部に
導電性を具備させるための不純物を拡散させる工程と、
上記不純物を拡散させた側からウェットエッチングを行
い、電力供給により発熱する発熱部分に開孔部を形成し
て、発熱部分を構成する1又は複数の発熱体となる部位
を形成し、かつ、当該発熱部分の下部に側壁が(11
1)面で構成されるように凹部を形成して、上記発熱体
が当該凹部に架橋する構造を得る工程と、を少なくとも
有し、上記発熱体の架橋方向と上記凹部の延在方向が斜
めに交わるように設計する。このように発熱体の方向を
設定することで、ドライエッチングを行うことなくウェ
ットエッチングのみで、凹部を確実に形成することが可
能となる。したがって、枚葉処理によらず発熱基板を製
造することが可能となるので、加工コストを低減するこ
とが可能となる。
【0025】また、本発明に係るマイクロスイッチは、
内部に複数の電極の一部が露出した筒状のチャネルと、
チャネル内を移動することにより、複数の電極のうち2
つ以上の電極間を電気的に接続可能にする導電性部材と
を有する基板と、発熱による加圧で導電性部材の移動を
制御するための1又は複数の発熱する部分と各発熱する
部分の下部に設ける凹部とを一体形成した基板とを接合
して構成するものである。したがって、導電性部材と反
応する金属膜を保護するための保護膜を成膜しなくても
よく、その分、工程が減るのでコスト短縮をはかれ、ま
た発熱効率が上がるので、導電性部材の移動制御を精度
よく行うことができ、応答性等に優れたマイクロスイッ
チを得ることができる。また、シリコン基板中に発熱す
る部分を一体形成することにより、耐久性に優れ、長期
にわたって安定し、信頼性を維持することができる。さ
らに、発熱部分が架橋(サスペンド)構造をとるので、
マイクロスイッチの消費電力を低減することが可能とな
る。
【0026】また、本発明に係るマイクロスイッチの導
電性部材は、水銀である。したがって、導電性部材が水
銀であることにより、水銀蒸気と結合してアマルガムを
形成しないので、保護膜を作製せずにすむ等、本発明の
マイクロスイッチの効果をさらに高めることができる。
【0027】また、本発明に係るフローセンサは、外気
の温度の変化を信号に変換するセンサ部と、センサ部の
真下に設けられ、センサ部の周囲の外気を加熱する発熱
部分と発熱部分の下部に設ける凹部とを一体形成した基
板とを少なくとも備えたものである。したがって、熱効
率がよくなり、省電力で効率よく気体(ガス)等の流れ
を検出することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は本発明の第
1の実施の形態に係る発熱素子を有する基板を表す図で
ある。図1は基板のうち発熱素子が位置する部分を拡大
して表したものである。図1(a)は基板を上から見た
図である。また、図1(b)は図1(a)のA−Aから
見た側面図、図1(c)は図1(a)のB−Bから見た
端面図である。図1において、1はシリコンを材料とし
て構成される基板(以下、Si基板という)である。2
は、実際に熱を帯びることとなる発熱素子であるヒータ
部(メンブレン)である。本実施の形態ではヒータ部2
の材料として、ボロン(B:ホウ素)が拡散されたシリ
コンを用いている。このボロンが拡散されたシリコンは
導電性を有している。ここで、図1(c)のように、ヒ
ータ部2はSi基板1によってサスペンドされた(吊さ
れた)ブリッジ型の構造となっている。ヒータ部2自体
はスリットを有している。ここで、ヒータ部2の各スリ
ットの角部分は、角がとられた又は角部分が丸みを帯び
た形状になっている。つまり、長方形のスリットの面取
りを行った形状となる。これは、ウェットエッチング等
の工程において、浸した液体中でSi基板1を動かす際
に加わる応力の角部分への集中を避け、分散させること
によりヒータ部2(角部分)が破壊されるのを防いだた
めである。また、作製された後も、この部分が壊れにく
くなる。3はヒータ部を発熱させるための電力を供給す
るのに用いられる配線である。配線3は、例えばCr
(クロム)及びAu(金)の薄膜で構成される。4はS
i基板1との絶縁性を図るために設けられた絶縁膜であ
る。絶縁膜は酸化膜(SiO2 )で構成される。5は配
線3を保護するために設けられた保護膜である。保護膜
5も酸化膜(SiO2 )で構成される。
【0029】図2及び図3は本実施の形態における発熱
素子の製造工程を表す図である。ここで、右側は側面
図、左側は端面図を表している。図2及び図3も図1と
同様に、Si基板1のうち、発熱素子が形成される位置
を拡大して表している。本実施の形態は、Si基板1の
表面に形成した酸化膜(SiO2 )11をパターニング
してからヒータ部2が構成される面(以下、ヒータ面1
2という)にボロンドープ層14を形成し、ヒータ面1
2にウェットエッチング保護の保護膜5を形成した後、
ヒータ面12の裏面13(以下、裏面13という)から
Si基板1をウェットエッチングして、ヒータ部2を有
するチャンバー形状の発熱素子を得るようにしたもので
ある。図2及び図3に基づいて発熱素子とその素子を有
する基板の製造方法について説明する。
【0030】まず、Si基板1のヒータ面12及び裏面
13を研磨し、厚さを140μmにする。このSi基板
51を熱酸化炉に入れる。そして、酸素及び水蒸気雰囲
気中で例えば摂氏1075℃、4時間の条件で熱酸化処
理を施す。これによりSi基板1表面に1.1μmの酸
化膜11を成膜する(1−a)。そして、Si基板1の
両面にレジストをコーティングする。この際、ボロン拡
散を施す部分のSi基板1の表面が露出するようにヒー
タ面12のパターニングを行う。同時に、ヒータ部2と
なる部分の下方のシリコンをウェットエッチングするた
め、その部分のSi基板1の表面が露出するように裏面
13のパターニングを行う。両面にレジストパターニン
グを施したSi基板1を、例えばBHF(バッファード
フッ酸)等のフッ酸水溶液でウェットエッチングし、酸
化膜11をパターニングした後、両面のレジストを剥離
する(1−b)。
【0031】ヒータ面12をB23 を主成分とする固
体の拡散源に対向させ、石英ボード(図示せず)にセッ
トする。そして、縦型炉にその石英ボートをセットし、
炉内を窒素雰囲気にして摂氏1050度の温度で6時間
保持し、ボロンをSi基板1中に拡散させ、ボロンドー
ブ層14を形成する(1−c)。ここでは、ボロンドー
プ層14の濃度を1.0× 1020atoms/cm3
とする。
【0032】裏面13にレジストをコーティングして保
護した後、フッ酸水溶液でウェットエッチングしてヒー
タ面12の酸化膜11を除去する(1−d)。その後、
裏面13のレジストを剥離する。次に、プラズマCVD
(Chemical Vapor Deposition )装置(図示せず)によ
り、摂氏360度で成膜処理を施し、ヒータ面12に厚
さ2μmの絶縁膜4を成膜する(1−e)。そして、絶
縁膜4を残しておく部分にレジストをコーティングした
後、フッ酸水溶液でレジストが施されていない部分の絶
縁膜4をウェットエッチングで除去する。そして、レジ
ストを剥離する(1−f)。
【0033】次に、配線3をボロンドープ層14の一部
に接するようにパターニング成膜し(1−g)、再度、
プラズマCVD装置により成膜処理を施し、ヒータ面1
2に厚さ2μmの保護膜5を成膜する(1−h)。そし
て、保護膜5を残しておく部分にレジストをコーティン
グした後、フッ酸水溶液でレジストが施されていない部
分の保護膜5に対してハーフエッチングを施す。ハーフ
エッチングとは、ウェットエッチングにより膜の全てを
除去せずに、膜の半分だけ除去するエッチング方法であ
る。その後、レジストを剥離する(1−i)。
【0034】そして、Si基板1を35重量パーセント
の濃度の水酸化カリウム(KOH)水溶液に浸し、パタ
ーニングしていない部分の厚さが約10μmになるまで
ウェットエッチングを行う。その後、さらにSi基板1
を3重量パーセントの濃度の水酸化カリウム水溶液に浸
し、ウェットエッチングを行う(1−j)。ここで、ア
ルカリ性水溶液によるSiのウェットエッチングは、ド
ーバントがボロンの場合、高濃度(約5×1019cm-3
以上)の領域において、エッチングレートが非常に低下
する。ボロンドーブ層14にエッチングが達したとき、
エッチングレートが低下し、エッチングがストップす
る。エッチングストップが起こると、エッチング面から
発生する気泡が停止するため、気泡の発生の停止をもっ
てエッチングがストップしたものと判断することもでき
る。
【0035】その後、ヒータ部2部分に施された保護膜
5だけを除去するために、保護膜5を残しておく部分に
レジストをコーティングした後、再度フッ酸水溶液でハ
ーフエッチングを施す。その後、レジストを剥離し、発
熱素子を有する基板ができあがる(1−k)。
【0036】図4はマイクロスイッチの一例を表す図で
ある。図4において、100は配線3の一端と接続され
たヒータ用電極である。ヒータ用電極100、配線3を
介して外部からヒータ部2に電力を供給し、ヒータ部2
を発熱させる。101a、101b及び101cは、信
号を入出力させるための電極である。電極101a、電
極101b及び電極101cの一部は、チャネル103
から露出しており、液体金属102と接触する。102
は例えば水銀等の導電性を有し、液体柱として電極10
1aと電極101b又は電極101aと電極101cの
どちらかを電気的に接続するための液体金属である。1
03は液体金属102を封入するチャネルである。チャ
ネル103は、例えば上部基板104に形成された溝及
びSi基板1を壁面として形成される。104は上部基
板である。上部基板104下部(発熱素子を有する基板
との接合面)には、例えばチャネル103及びヒータ部
2を有する空間となる溝(チャンバー)が形成されてい
る。
【0037】作製した発熱素子を有する基板の上面に上
部基板104を接着剤、陽極接合等により接合し、下面
には、ベア基板と呼ばれる支持基板(図示せず)を同様
にして接合して、最終的にマイクロスイッチが作製され
る。ここで、図4のマイクロスイッチでは、電極101
aと電極101b又は電極101aと電極101cのど
ちらかが必ず電気的に接続されているが、このようなマ
イクロスイッチの形態に限らず、2つの電極の開閉を行
うマイクロスイッチ等、他の構成のマイクロスイッチを
構成してもよい。
【0038】ヒータ部2は上部基板104及びベア基板
に設けたチャンバー(溝)で形成された閉空間にサスペ
ンドされた(つり下げられた)状態になっている。ここ
で、この空間の容積により空間内の温度上昇傾向が異な
る。つまり、空間が大きい程温度上昇が緩やかになり、
液体柱を移動させるための圧力が加えられるまでに時間
がかかる。そのためスイッチングの応答も遅くなる。し
たがって、空間の容積を所望の容積に精度よく仕上げる
ことはスイッチの性能に非常に重要な事項となる。
【0039】以上のように、第1の実施の形態によれ
ば、Si基板1をエッチング等で加工し、発熱素子(発
熱部分)となるヒータ部2をシリコンを材料として作製
するようにしたので、金属膜を基板に貼り付けなくても
マイクロマシーニングの技術を用いて容易に小型の発熱
部材を作製することができる。そのため、金属膜が熱等
で変形することにより、基板から剥がれてしまうという
ようなこともなく、Si基板1とヒータ部2とを一体形
成できるので、耐久性に優れ、長期にわたって安定し、
信頼性を維持することができる。また、発熱効率を高め
るために、スリット等の開孔部分を形成し、さらにスリ
ットの場合は、その角部分をとるか丸みを帯びさせてお
くように形成するので、その後の例えばウェットエッチ
ング工程等においてSi基板を溶液中で移動させる際、
作製後に何らかの力が角部分に加わった際に、その応力
を拡散し、ヒータ部2の破壊を防ぐことができる。ま
た、この発熱素子を液体金属(特に水銀)を用いたマイ
クロスイッチに利用すれば、水銀蒸気と結合してアマル
ガムを形成することがないので、発熱部分に保護膜を形
成しなくてもよく、また、保護膜を形成しない分、工程
が減るのでコスト短縮をはかれ、また発熱効率が上がる
ので応答性等に優れたマイクロスイッチを得ることがで
きる。また、発熱部を架橋(サスペンド)構造にするこ
とで、発熱部分から生じる熱の基板への逸散を低減する
ことができ、発熱効率を高めることが可能となる。した
がって、このような発熱基板を用いてマイクロスイッチ
或いはフローセンサを作製した場合には、マイクロスイ
ッチ或いはフローセンサの消費電力を低減し得る。
【0040】実施の形態2.図5及び図6は本発明の第
2の実施の形態に係る発熱素子の製造工程を表す図であ
る。ここでも、右側は側面図、左側は端面図を表してい
る。本実施の形態は、Si基板1の表面に形成した酸化
膜(SiO2 )11をパターニングしてからヒータ部2
が構成される面(以下、ヒータ面12という)にボロン
ドープ層14を形成し、ヒータ面12にウェットエッチ
ング保護の保護膜5を形成した後、ヒータ面12からS
i基板1にドライエッチング及びウェットエッチングを
行って、ヒータ部2とヒータ部2の下面に閉じた空間と
を同時に形成しようとするものである。
【0041】ヒータ部2を有するチャンバー形状の発熱
素子を得るようにしたものである。図5及び6に基づい
て発熱素子の製造方法について説明する。これにより、
裏面13からのウェットエッチングを行わずに、第1の
実施の形態における発熱素子を有する基板とベア基板と
を一体形成しようとするものである。そのため、ヒータ
部2が空間(チャンバー)の容積(チャンバー容積)を
容易に調整することができる。
【0042】2−a〜2−iまでの工程は、第1の実施
の形態で説明した1−a〜1−iと同様の工程で処理を
行うので説明を省略する。ただ、後の工程でドライエッ
チングを行う関係上、2−bの工程においては、ヒータ
部2を形成する領域全体に対してボロン拡散を施すべく
Si基板1の表面が露出するようにパターニングしてお
けばよく、1−bのように形成するヒータ部2と同じ形
でパターニングしておく必要がない。したがって、パタ
ーン形成を単純にすることができる。また、本実施の形
態では裏面13側からウェットエッチングを施さないの
で、第1の実施の形態のように裏面13のパターニング
は行わない。ただ、ここでも、形成するヒータ部2と同
じ形でパターニングするようにしてもよい。
【0043】2−iで形成した保護膜上に、レジストを
コーティングして、ヒータ面12の保護膜5をヒーター
形状にパターニングした後、レジストを除去する(2−
j)。この工程により、開孔部が形成される部分の保護
膜が除去され、ヒータ部を構成する発熱体となる部分に
だけ、保護膜が残ることになる。ICPドライエッチン
グ装置(図示せず)でヒータ面12をICP放電による
異方性ドライエッチング加工する(2−k)。ここでI
CP(Inductively Coupled Plasma)放電とは、誘導結
合型プラズマ放電のことである。エッチングガスとして
は、例えば、フッ化炭素(CF、CF4 )、6フッ化硫
黄(SF6 )を使用し、これらのエッチングガスを交互
に使用すればよい。ここで、CFは形成される溝の側面
にエッチングが進行しないように、溝側面を保護するた
めに使用し、SF6 はシリコンウェハの垂直方向のエッ
チングを促進するために使用する。その他の異方性ドラ
イエッチング方式として、ECR(電子サイクロトロン
共鳴)放電、HWP(ヘリコン波プラズマ)放電、RI
E(リアクティブイオンエッチング)等を用いてもよ
い。
【0044】ここで、上記のドライエッチング加工を行
う代わりに、水酸化カリウム(KOH)水溶液に浸して
ボロンドープ層以外のシリコンを異方性ウェットエッチ
ングしてもよい。エッチング初期のボロンドープ層のエ
ッチングは、エッチングストップが働かない高濃度の水
酸化カリウム水溶液、例えば35重量パーセントの水酸
化カリウム水溶液で行うことが望ましい。この場合、熱
酸化膜11のパターニングはシリコン基板1の結晶方位
に対して一定の角度で行う。この場合には、溝加工とシ
リコンのエッチング工程をウェットエッチング工程のみ
で構成することができ、比較的容易にヒータ部2を形成
することが可能となる。
【0045】そして、Si基板1を3重量パーセントの
濃度の水酸化カリウム水溶液に浸し、ボロンドープ層1
4の下方に残っているシリコンを除去し、所望の深さま
でSi基板1のウェットエッチングを行う(2−l)。
【0046】その後、ヒータ部2部分に施された保護膜
5だけを除去するために、保護膜5を残しておく部分に
レジストをコーティングした後、再度フッ酸水溶液でハ
ーフエッチングを施す。レジストを剥離し、発熱素子を
有する基板ができあがる(2−m)。
【0047】そして、上述したように、作製した発熱素
子を有する基板の上面にチャネルが形成された基板を接
合してマイクロスイッチを作製する。
【0048】なお、上記(2−k)〜(2−l)工程
は、具体的には、下記の条件を満たすようにエッチング
を行うことが好ましい。すなわち、上記ドライエッチン
グ工程(2−k)において、ドライエッチングにより形
成する溝の深さDと、発熱部分2を構成する発熱体2a
の幅Wが、下記式(I)を満たすように設定することが
好ましい: D > W×tan(54.7゜) ・・・(I) ドライエッチングで形成する溝の深さDと発熱体2aの
幅Wをこのように設定することで、ウェットエッチング
の際、発熱体2aの下方でドライエッチングにより形成
した溝を隣接する溝とを貫通させ、発熱体と溝底面を確
実に切り離す(リリースする)ことが可能となり、発熱
部分の下部に確実に凹部を形成することが可能となる。
【0049】上記(I)式の関係について、以下に詳し
く説明する。図14及び図15は、ドライエッチングで
形成する溝の深さDと、発熱体2aの幅Wとの関係を説
明するための図である。まず、図14を参照しながら、
凹部の形成過程について簡単に説明する。図14(a)
に、ドライエッチング後のシリコン基板1を示す。この
シリコン基板1を、例えば水酸化カリウム水溶液等の異
方性エッチング液に浸してエッチングを開始すると、ド
ライエッチングにより形成した溝内で、サイド方向及び
深さ方向にエッチングが進行する(同図(b))。ウェ
ットエッチングが進行すると、隣接する溝の側面が削ら
れるので、最終的には発熱部分を構成する発熱体の下部
で隣接する溝が繋がる(貫通する)ことになる(同図
(c))。続いて、発熱体2aの下部に残るシリコン基
板が、当該貫通部より上下にエッチングされ、最終的に
は、ボロンドープ層14のみが残され、溝(又は凹部)
の底面より発熱体2aが切り離される。ここで、発熱体
2aが溝(又は凹部)の底面より切り離されるために
は、図15に示されるように、発熱体2aの下方で進行
するサイド方向のエッチング部が貫通することが必要で
ある。
【0050】したがって、サイドエッチング量Uと発熱
体の幅Wとの間に、下記の関係が成立する必要がある。 U > W/2 ・・・(I−1) 一方、面方位(100)のシリコン基板を用いた場合、
サイドエッチングは異方性エッチングにより同図中の破
線のようにシリコン基板に対して、54.7゜の角度で
斜めにエッチングされていく。したがって、サイドエッ
チング量Uとドライエッチングにより形成する溝の深さ
Dとの間には、次の関係が成立する。 U = (D/2)/tan(54.7゜) ・・・(I−2) (I−1)と(I−2)の関係から、下記式(I)が導
かれる。 D > W×tan(54.7゜) ・・・(I) したがって、発熱体の幅Wに対して、(I)を満たすよ
うにエッチング深さDを確保することにより、発熱部分
の下部に確実に凹部を形成することが可能となる。
【0051】また、(2−k)工程において、ドライエ
ッチングの代わりにウェットエッチングする場合は、発
熱体2aを、上記発熱体の架橋方向と上記凹部の延在方
向とが斜めになるように配置することが好ましい。具体
的なシリコン基板1に対する発熱体2aの配置の仕方に
ついて、図16を参照しながら説明する。図16は、ウ
ェットエッチングにより形成する凹部と発熱体の配置の
関係を説明するための図である。図16(a)は、表面
が(100)面のシリコン基板において、発熱体の架橋
方向と凹部の延在方向とが斜めになるように配置した発
熱基板の一部を示す平面図である。同図(b)は、上記
式(II)の関係を具体的に説明するための模式図を示
し、同図(c)は、同図(a)のA−A’方向における
断面図を示す。
【0052】同図(a)に示すように、ウェットエッチ
ングのみにより、発熱体2aの下方に凹部を形成する場
合には、表面が(100)面のシリコン基板1におい
て、発熱体2aの架橋方向と、凹部の延在方向とが斜め
になるように設計することが好ましい。例えば水酸化カ
リウム(KOH)水溶液等による異方性エッチングを利
用すると、サイドエッチングは(111)面が現れるよ
うに進行する。したがって、発熱体2aの架橋方向を凹
部の延在方向と斜めになるように設計すると、マイクロ
ブリッジ(発熱体)の下方で両サイドから進行してきた
サイドエッチング部が繋がり、マイクロブリッジの下部
でアンダーカットされることになる。よって、ウェット
エッチングのみで発熱部2の下部に確実に凹部を形成す
ることが可能となる。また、ドライエッチングを必要と
しないので、枚葉処理によらず製造することが可能とな
り、加工コストを低減することができる。
【0053】発熱体の架橋方向と凹部の延在方向の設定
は、具体的には、例えば、同図(b)に示すように、発
熱体の頂点から対辺に下ろした垂線の長さをLとし、発
熱体の幅をWとした場合に、発熱体の架橋方向と凹部の
延在方向とのなす角φが、下記式(II) L×tan(90−φ) > W ・・・(II) の関係を満たすように設定することができる。なお、こ
こで、発熱体の幅Wは、凹部の延在方向と平行な線上に
おける長さとし、発熱体の幅が一定でない場合は、一番
広い部分をWとする。
【0054】上記角φをこのように定め、(111)面
が現れるようにウェットエッチングを進行させること
で、より確実に発熱体2aの下部に凹部を形成すること
が可能となる。このように発熱体2aを凹部の延在方向
に対し斜めに形成するためには、具体的には、上記(2
−j)工程で形成するマスクのパターンを、上記関係を
満たすように形成すればよい。なお、表面が(110)
面のシリコン基板1においても同様に、凹部の延在方向
と、発熱体2aの架橋方向が斜めになるように設計する
ことが好ましい。このように設計することで、所望の幅
(例:数十μm)を有する発熱体の下部に、より確実に
凹部を形成することが可能となる。(100)シリコン
基板を用いた場合の説明は、(110)シリコン基板を
用いた場合にも適宜参酌される。
【0055】以上のように第2の実施の形態によれば、
ドライエッチング及びウェットエッチングを用いて、ヒ
ータ面12側からのみ加工するようにしたので、ベア基
板をあらためて構成し、接合しなくてもよい。しかも、
ヒータ部2下方に形成する空間の容積をエッチングの加
減により制御できるため、ひいてはスイッチの応答性等
に影響を与える空間の容積をより細かく高精度に制御し
ながらマイクロスイッチを作製することができる。そし
て、このような作成が可能になることにより、用いるS
i基板1の厚さの制限がなくなり、安価で取り扱いしや
すい厚みを有するSi基板を用いてヒータ部2を有する
基板を作製することができるので、作製のコストを下げ
ることができる。
【0056】実施の形態3.図7は本発明の第3の実施
の形態に係る保護膜5の成膜工程を表す図である。上述
の第1の実施の形態では、1−iで示す工程において、
ハーフエッチングを行うことにより、1−iのような形
状に保護膜5となる膜を仕上げている。本実施の形態で
は、保護膜5となる膜を2段階で形成することにより、
1−iのような形状に仕上げるようにする。
【0057】そのため、第1の実施の形態で説明した1
−iの工程の代わりに、次のような工程で処理を行う。
まず、絶縁膜4、配線3の上にプラズマCVD装置によ
り成膜処理を施し、図7(a)のように第1段の膜5a
を成膜する。そして、再度、プラズマCVD装置により
成膜処理を施し、図7(b)のように第2段の膜5bを
成膜し、1−iのような形状に仕上げる。
【0058】このように2段階に構成することで、ハー
フエッチングを行わず成膜によって、1−iで示した形
状と同じように仕上げることができる。
【0059】実施の形態4.上述の実施の形態では、外
部との接触面積を増やして熱効率を向上させるためにヒ
ータ部2に複数のスリットを設けるようにしたが、例え
ば、これに限定されるものではなく、他の開孔部分、例
えばヒータ部2に貫通孔を開けて熱効率を向上させるよ
うにしてもよい。この場合、貫通孔としては、四角形も
考えられるが、前述したようにウェットエッチングを行
う工程で角部分に応力が集中することになるので、丸形
の孔の方がよい。
【0060】実施の形態5.図8は本発明の第5の実施
の形態に係るフローセンサ(ガスセンサ)の一例の端面
図である。図8(a)は側面図、図8(b)は端面図を
表している。図8において、200はセンサ部である。
センサ部200は、例えば酸化錫、酸化インジウム、酸
化亜鉛、酸化タングステン、酸化チタン、酸化鉄等を用
いて形成したものである。センサ部200は、外気の温
度変化に基づいて例えば電圧が変化する。これが信号と
して外部の処理装置に送信されることになる。ガスセン
サとして利用するためにはセンサ部200を約摂氏25
0度から約450度に昇温させる。ここで、図6では特
に図示していないが、温度変化に伴った信号(通常、電
圧等の電気信号)を取り出すための電極がセンサ部20
0と接続されている。
【0061】また、201は薄板部である。薄板部20
1は絶縁膜となる酸化膜で形成する。そのため、上述の
実施の形態で説明した工程から考えると、保護膜5と一
体形成してもよい。この場合は、1−hの工程からハー
フエッチングを施さないで、1−jの形状のように薄板
201を形成してもよいし、1−iのようにエッチング
を行って、薄板部201を所望の厚さにしてもよい。ま
た、第2の実施の形態のように、ヒータ部2の下部に底
部を有し、開放されていない空間を一体形成する場合に
は、第2の実施の形態で説明した2−lのようにヒータ
部2の上に酸化膜である保護膜5が成膜されている状態
でセンサ部200を取り付けることも考えられる。
【0062】フローセンサは、ガスの流れの中でヒータ
部2を発熱させ、その中での温度変化(下がり具合)に
基づいてガスの流量を検出するものである。
【0063】本実施の形態のような構成を採った場合、
センサ部200の真下にヒータ部2が形成されているの
で、熱効率がよくなり、省電力をはかることができる。
また、第2の実施の形態のようにヒータ部2下部に底部
を設け、開放しないことにより効率がさらによくなる。
【0064】実施の形態6.上述の実施の形態は、特に
マイクロスイッチ及びセンサに用いる発熱素子、基板を
形成する方法について説明した。本発明はこれに限定さ
れるものではなく、例えば、物体の加熱等の用途に用い
るものについても適用することができる。マイクロマシ
ーニング技術を利用しているので、特に小型のものを形
成する際には有用である。また、導電性をもたせるため
の不純物としてボロンを用いているが、特にこれに限定
するものではなく、シリコンよりもエッチングがされに
くく、導電性を有するものであればよい。
【0065】実施の形態7.図9は、第7の実施の形態
に係るマイクロスイッチのヒータ部の構造を示す図であ
る。図9(a)は基板を上から見た平面図である。ま
た、図9(b)は図9(a)のA−A’方向における断
面図であり、図9(c)は図9(b)の点線で囲まれた
部分の部分拡大図である。同図(a)に示すように、ヒ
ータ部2は、複数のスリット状の開孔部を有している。
したがって、ヒータ部2は、実際に熱を帯びることにな
る、複数の帯状部分(発熱体)から構成される。ヒータ
部2の両端には、外部回路に電気的接続を行うための配
線3が形成されている。同図(b)に示すように、ヒー
タ部2の下部には、凹部が形成されており、発熱体は、
凹部を覆うような架橋構造を有している。また、同図
(c)に示すように、本実施形態においては、基板1が
N型シリコン基板21であり、ヒータ部2が、ボロンが
拡散されたP型シリコンヒータ部22であるため、N型
シリコン基板21とP型シリコンヒータ部22の間にP
N接合23が形成されることになる。PN接合23は、
ヒータ部2の両端で形成されるため、PN接合23によ
るダイオード特性により、P型シリコンヒータ部22か
らN型シリコン基板21への電流のリークを防止するこ
とが可能となる。本実施形態に係る発熱基板は、基板1
として、N型シリコン基板21を使用する以外は、第2
の実施の形態で記載したのと同様の方法により製造する
ことができる。なお、本実施形態においては、基板1を
N型シリコンとし、ヒータ部2をP型シリコンとした
が、基板1をP型シリコンとし、ヒータ部2をN型シリ
コンとしてもよい。このような基板は、例えば、電気化
学エッチングストップ法により製造することができる。
【0066】実施の形態8.図10は、第8の実施の形
態に係るマイクロスイッチのヒータ部2の構造を示す平
面図である。ヒータ部2は、1又は複数の発熱体から構
成され、ヒータにより暖められる空気の流路となる流体
通路(凹部)を横断するように設けられており、両端は
基板1に支持されている。配線3は、基板1上に形成さ
れ、発熱体の両端に接続されている。配線の一部は、発
熱体との接続部において発熱体の少なくとも一部に個別
に電力を供給し得るように、分岐した形状となってい
る。具体的には、同図に示すような、分岐した配線3a
及び配線3bが形成される。この分岐形状部分、すなわ
ち、配線3a及び配線3bを切断することで、ヒータ部
2(発熱部分)の抵抗が調整可能となる。たとえば、発
熱体の厚みのばらつき等によってヒータ部2の抵抗が下
がり、ヒータ部2の発熱量が下がる場合がある。このよ
うな場合に、分岐部分である配線3a及び配線3bのい
ずれか若しくは両方をレーザ等で切断することで、当該
配線に繋がる発熱体に電流が流れないようにして、ヒー
タ部2全体としての抵抗を上げることができる。なお、
抵抗調整用の配線3として、上記実施形態では、配線3
a及び配線3bの2本を挙げたが、このような個別配線
は、1本でも、2本以上であってもよく、又は全部が個
別配線であってもよい。複数の抵抗調整用の配線を設け
ることで、抵抗値の調整の幅を広げることが可能とな
る。
【0067】また、このような分岐形状の配線3は、上
記実施の形態1の(1−g)工程において、配線3をパ
ターニングする際、発熱体の一部又は全部に個別に配線
3が繋がるように、配線パターンを形成することにより
得られる。たとえば、同図では、平行に並ぶ複数の発熱
体のうち、端の2つの発熱体について、発熱体との接続
部が独立になるように、分岐形状に配線が形成されてお
り、具体的には配線3が配線3a及び配線3bを有する
ようにパターン形成がされる。なお、配線の材料等につ
いては、上述の説明が適宜参照される。第8の実施の形
態によれば、たとえば、発熱体の厚みのばらつき等によ
ってヒータ部2の抵抗が下がり、発熱量が下がる場合
に、分岐部分をレーザ等で切断することで、ヒータ部2
全体の抵抗を上げることができる。また、発熱体ではな
く、基板1上に形成された配線部分を切断するため、切
断時に、他の配線又は導電部と接触することがないの
で、ショート等の問題を防止し得る。
【0068】実施の形態9.第9の実施形態に係る発熱
基板は、電力供給により発熱する発熱部分と発熱部分の
下部に設けられた凹部との対を複数有する。当該発熱部
分と凹部の対は、シリコン基板上に一体として形成され
ている。また、当該発熱部分と凹部の各対同士の間に
は、例えば先端が楔形のブレーク溝が形成されている。
これにより、特殊な装置・方法を用いずに、各対を容易
に分離し、チップ化することが可能となる。このような
ブレーク溝は、基板の一面のみに形成されていてもよ
く、また、基板の両面の対向する位置に形成されていて
もよい。特に、厚みのある基板を用いる場合には、基板
の両面にブレーク溝を有することで、より容易にチップ
化が可能となる。また、ダイシングにより切断する場合
には、切断時に生じる熱を冷却するために冷却水を用い
るが、この冷却水の水圧によりヒータ部に損傷が生じる
場合があった。しかし、本実施形態の構成によれば、ダ
イシング等の特別な方法を用いずに、チップ化が可能と
なるので、ヒータ部を破損することなく各対を分離し得
る。したがって、歩留まりよく、チップを製造すること
が可能となる。
【0069】図11及び図12は、第9の実施形態に係
る発熱基板の発熱部及びブレーク溝の製造方法を示す工
程断面図である。両図において、右側は、ブレーク溝の
形成工程を示す断面図であり、左側は、発熱部分(ヒー
タ部)の形成工程を示す端面図(図9(a)のB−B’
方向における端面図)である。本実施形態に係る発熱基
板では、シリコン基板の表面に熱酸化膜を形成し、ヒー
タ形成部にのみ、ヒータ面12の熱酸化膜11をパター
ニングしてから、ヒータ面12にボロンドープ層を形成
し、その後、ヒータ面12全体にエッチングの保護膜5
を形成し、ヒータ面12からシリコン基板1をドライエ
ッチングとウェットエッチングを行うことで、ヒータ部
2とブレーク溝15を同時に形成し得る。このように、
ヒータ部2とブレーク溝15を、余剰の操作を必要とせ
ず、同様の操作で同時に形成できるので、効率がよい。
【0070】発熱基板の製造工程について、図11
(a)乃至同(f)、及び図12(g)乃至同(l)に
基づき説明する。 (a)まず、シリコン基板1のヒータ面12と裏面13
をそれぞれ鏡面研磨し、例えば厚み140μmの基板を
作製する。なお、シリコン基板は、ヒータ面12が鏡面
であれば良く、必ずしも両面が鏡面でなくてもよい。ま
た、基板の厚みも上記に限定されず、様々なものが使用
できる。このシリコン基板1を、熱酸化炉に入れる。そ
して、酸素及び水蒸気雰囲気中で例えば1075℃、4
時間の条件で、熱酸化処理を施す。これによりシリコン
基板1の全面に、たとえば約1.1μmの熱酸化膜(S
iO2)11を形成する。 (b)その後、このシリコン基板1の両面にレジストを
コーティングする。この際、ボロン拡散を施す部分のシ
リコン基板1の表面が露出するようにヒータ面12のパ
ターニングを行う。両面にレジストパターニングを施し
たシリコン基板1をフッ酸水溶液でエッチングして、熱
酸化膜(SiO2)11をパターニングし、シリコン基
板1の両面のレジストを剥離する。
【0071】(c)ヒータ面12にボロン拡散板(図示
せず)を対向させ、例えば1050℃で6時間、加熱処
理してヒータ面12のシリコン露出部にボロン(B)を
拡散させ、ボロンドープ層14を形成する。 (d)裏面13をレジストで保護して、ヒータ面12の
熱酸化膜(SiO2)11をフッ酸水溶液でエッチング
除去し、裏面13のレジストを除去する。 (e)その後、シリコン基板1をプラズマCVD装置に
より、例えば360℃で成膜処理を施し、ヒータ面12
に、例えば厚さ2μmの絶縁膜4(SiO2)を形成す
る。 (f)ヒータ及びブレーク溝を形成する部分以外の部分
にレジストをコーティングした後、フッ酸水溶液でヒー
タ及びブレーク溝を形成する部分の絶縁膜4をウェット
エッチングで除去する。その後、レジストを剥離する。
【0072】(g)配線3(図示せず)をボロンドープ
層の一部に接するようにパターニング形成し、再度、シ
リコン基板1をプラズマCVD装置により、例えば36
0℃で成膜処理を施し、ヒータ面12に、例えば厚み2
μmの保護膜(SiO2)5を形成する。 (h)レジストパターニングをして、ヒータ面12のヒ
ータ及びブレーク溝を形成する部分の保護膜(Si
2)5のみをフッ酸水溶液でハーフエッチングする。
その後、レジストを剥離する。 (i)シリコン基板1の両面に、レジストをコーティン
グし、ヒータ面12の酸化膜をヒータ形状及びブレーク
溝形状にパターニングした後、レジストを除去する。
【0073】(j)ICPドライエッチング装置でヒー
タ面12をドライエッチング加工する。 (k)次に、シリコン基板1を3重量%の低濃度の水酸
化カリウム水溶液に浸して、ボロンドープ層14の下方
に残っているシリコンを除去する。この工程により、ボ
ロンドープ層14が残される。また、ブレーク溝15の
先端は、楔形になり、ブレークし易い形状になる。 (l)ヒータ2上の保護膜5(SiO2)だけを除去す
るために、フッ酸水溶液でハーフエッチングを施す。こ
れにより、ヒータ部が完成する。
【0074】図13は、本実施形態に係る発熱基板のブ
レーク溝の一態様を示す断面図である。同図に示すよう
に、シリコン基板が厚い場合は、シリコン基板1を水酸
化カリウム水溶液でエッチングする工程(k)の前に、
シリコン基板1の裏面の酸化膜をパターニングし、裏面
13にも、ヒータ面に形成する溝15と対向する位置に
先端が楔形の溝16(V溝)を形成してもよい。シリコ
ン基板の両面にブレーク溝を形成することで、チップ化
がより容易となる。第9の実施形態によれば、発熱部分
と凹部の各対同士の間に、先端が楔形のブレーク溝が形
成されているので、各対を容易に分離し、チップ化する
ことが可能となる。また、特に、厚みのある基板を用い
る場合には、基板の両面にブレーク溝を有することで、
より容易にチップ化が可能となる。また、ダイシング等
の特別な方法を用いずに各対を分離できるので、ヒータ
部を破損することなくチップ化が可能となり、歩留まり
がよい。
【0075】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、不純物を
拡散させて導電性を具備させたシリコンを材料とし、1
又は複数の開孔部を設けるようにしたので、金属膜を基
板に貼り付けることなく、素子を形成することができ、
安定性、耐久性等に優れた発熱素子を得ることができ
る。また、1又は複数の開孔部により、外気等との接触
面積を広くしたので、昇温効率をよくすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係る発熱素子を
有する基板を表す図である。
【図2】 本実施の形態における発熱素子の製造工程
(その1)を表す図である。
【図3】 本実施の形態における発熱素子の製造工程
(その2)を表す図である。
【図4】 作製されたマイクロスイッチの一例を表す図
である。
【図5】 本発明の第2の実施の形態に係る発熱素子の
製造工程(その1)を表す図である。
【図6】 本発明の第2の実施の形態に係る発熱素子の
製造工程(その2)を表す図である。
【図7】 本発明の第3の実施の形態に係る保護膜5の
成膜工程を表す図である。
【図8】 本発明の第5の実施の形態にかかるフローセ
ンサ(ガスセンサ)を表す図である。
【図9】 本発明の第7の実施の形態に係るマイクロス
イッチのヒータ部の構造を示す図である。
【図10】 本発明の第8の実施の形態に係るマイクロ
スイッチのヒータ部の構造を示す平面図である。
【図11】 本発明の第9の実施形態に係る発熱基板の
発熱部及びブレーク溝の製造方法を示す工程断面図であ
る。
【図12】 本発明の第9の実施形態に係る発熱基板の
発熱部及びブレーク溝の製造方法を示す工程断面図であ
る。
【図13】 本発明の第9の実施形態に係る発熱基板の
ブレーク溝の一態様を示す断面図である。
【図14】 ドライエッチングで形成する溝の深さD
と、発熱体の幅Wとの関係を説明するための図である。
【図15】 ドライエッチングで形成する溝の深さD
と、発熱体の幅Wとの関係を説明するための図である。
【図16】 ウェットエッチングにより形成する凹部と
発熱体の配置の関係を説明するための図である。
【符号の説明】
1 Si基板 2 ヒータ部 2a 発熱体 3 配線 4 絶縁膜 5 保護膜 11 酸化膜 12 ヒータ部2が形成される面 13 ヒータ面12の裏面 14 ボロンドープ層 15、16 ブレーク溝 100 ヒータ用電極 101a、101b、101c 電極 102 液体金属 103 チャネル 104 上部基板 200 センサ部 201 薄板部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01H 61/013 H01H 61/013 A (72)発明者 小枝 周史 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 3K092 QB10 QB31 QB40 QB43 QB60 QB80 QC02 QC19 RF22 VV23

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不純物を拡散させて導電性を具備させた
    シリコンを材料とし、1又は複数の開孔部を設けたこと
    を特徴とする発熱素子。
  2. 【請求項2】 前記シリコンの基板をエッチング加工し
    て作製することを特徴とする請求項1記載の発熱素子。
  3. 【請求項3】 前記開孔部はスリットであることを特徴
    とする請求項1記載の発熱素子。
  4. 【請求項4】 前記スリットは、角部分をとった又は角
    部分に丸みを持たせたスリットであることを特徴とする
    請求項3記載の発熱素子。
  5. 【請求項5】 前記開孔部は貫通孔であることを特徴と
    する請求項1記載の発熱素子。
  6. 【請求項6】 前記不純物はホウ素であることを特徴と
    する請求項1記載の発熱素子。
  7. 【請求項7】 電力供給により発熱する部分と前記発熱
    する部分の下部に設けた凹部とをシリコン基板に一体形
    成したことを特徴とする発熱基板。
  8. 【請求項8】 前記シリコン基板がP型又はN型のどち
    らか一方の極性の半導体基板であり、前記発熱する部分
    に前記シリコン基板と異なる極性の不純物が拡散されて
    いる、請求項7記載の発熱基板。
  9. 【請求項9】 前記シリコン基板がN型半導体基板であ
    り、前記発熱する部分にP型不純物としてホウ素が拡散
    されている、請求項8記載の発熱基板。
  10. 【請求項10】 電力供給により発熱する部分と前記発
    熱部分の下部に設けられた凹部との対がシリコン基板上
    に一体として複数形成されており、発熱部分と凹部の各
    対間に該基板をチップ化するためのブレーク溝が形成さ
    れている、発熱基板。
  11. 【請求項11】 前記ブレーク溝がシリコン基板の両面
    の対向する位置に形成されている、請求項10記載の発
    熱基板。
  12. 【請求項12】 流体通路を横断し両端が基板に支持さ
    れている、1又は複数の発熱体から構成される発熱部分
    と、前記基板上に形成され、前記発熱体の両端に接続さ
    れる配線と、を少なくとも有し、前記配線が、前記発熱
    体と当該配線の接続部において、前記発熱体の少なくと
    も一部に個別に電力を供給し得るように分岐した形状を
    有し、当該分岐形状部分の配線を切断することで前記発
    熱部分の抵抗を調整可能になされた、発熱基板。
  13. 【請求項13】 電力供給により発熱する部分を形成す
    る面側からシリコン基板をエッチング加工し、前記発熱
    する部分と前記発熱する部分の下部に設ける凹部とを一
    体形成したことを特徴とする発熱基板製造方法。
  14. 【請求項14】 シリコン基板の少なくとも一部に導電
    性を具備させるための不純物を拡散させる工程と、 前記不純物を拡散させた部分をドライエッチングし、電
    力供給により発熱する、開孔部を有する発熱部分を形成
    する工程と、 前記発熱部分を形成した面側から前記シリコン基板をウ
    ェットエッチング加工して、前記発熱部分の下部に設け
    る凹部を形成する工程とを少なくとも有することを特徴
    とする発熱基板製造方法。
  15. 【請求項15】 シリコン基板の少なくとも一部に導電
    性を具備させるための不純物を拡散させる工程と、 前記不純物を拡散させた部分をドライエッチングし、溝
    を形成して、電力供給により発熱する発熱体から構成さ
    れる発熱部分を形成する工程と、 前記発熱部分を形成した面側から前記シリコン基板をウ
    ェットエッチング加工して、前記発熱部分の下部に凹部
    を形成する工程と、 を少なくとも有し、 前記ドライエッチングにより形成する溝の深さDと、前
    記発熱体の幅Wが D > W×tan(54.7゜) ・・・(I) の条件を満たすように設定されている、発熱基板製造方
    法。
  16. 【請求項16】 前記発熱部分を形成する工程及び凹部
    を形成する工程において、ドライエッチング処理及びウ
    ェットエッチング処理を行う際に、前記基板をチップ化
    するためのブレーク溝を前記ドライエッチング処理及び
    前記ウェットエッチング処理により同時に形成する、請
    求項15に記載の発熱基板製造方法。
  17. 【請求項17】 シリコン基板の少なくとも一部に導電
    性を具備させるための不純物を拡散させる工程と、 前記不純物を拡散させた側からウェットエッチングを行
    い、開孔部を有し、電力供給により発熱する発熱部分及
    び発熱部分の下部に設ける凹部を形成する工程とを少な
    くとも有することを特徴とする発熱基板製造方法。
  18. 【請求項18】 形成した前記開孔部の形状に、マスク
    となる膜を成膜してから前記不純物を拡散させることを
    特徴とする請求項14乃至請求項17のいずれか1項に
    記載の発熱基板製造方法。
  19. 【請求項19】 表面が(100)面のシリコン基板の
    少なくとも一部に導電性を具備させるための不純物を拡
    散させる工程と、 前記不純物を拡散させた側からウェットエッチングを行
    い、電力供給により発熱する発熱部分に開孔部を形成し
    て、発熱部分を構成する1又は複数の発熱体となる部位
    を形成し、かつ、当該発熱部分の下部に側壁が(11
    1)面で構成されるように凹部を形成して、前記発熱体
    が当該凹部に架橋する構造を得る工程と、 を少なくとも有し、 前記発熱体の架橋方向と前記凹部の延在方向が斜めに交
    わるように設計する、発熱基板製造方法。
  20. 【請求項20】 表面が(110)面のシリコン基板の
    少なくとも一部に導電性を具備させるための不純物を拡
    散させる工程と、 前記不純物を拡散させた側からウェットエッチングを行
    い、電力供給により発熱する発熱部分に開孔部を形成し
    て、発熱部分を構成する1又は複数の発熱体となる部位
    を形成し、かつ、当該発熱部分の下部に側壁が(11
    1)面で構成されるように凹部を形成して、前記発熱体
    が当該凹部に架橋する構造を得る工程と、 を少なくとも有し、 前記発熱体の架橋方向と前記凹部の延在方向が斜めに交
    わるように設計する、発熱基板製造方法。
  21. 【請求項21】 内部に複数の電極の一部が露出した筒
    状のチャネルと、前記チャネル内を移動することによ
    り、前記複数の電極のうち2つ以上の前記電極間を電気
    的に接続可能にする導電性部材とを有する基板と、 発熱による加圧で前記導電性部材の移動を制御するため
    の1又は複数の発熱する部分と前記各発熱する部分の下
    部に設ける凹部とを一体形成した基板とを接合して構成
    することを特徴とするマイクロスイッチ。
  22. 【請求項22】 前記導電性部材は、水銀であることを
    特徴とする請求項21記載のマイクロスイッチ。
  23. 【請求項23】 外気の温度の変化を信号に変換するセ
    ンサ部と、 前記センサ部の真下に設けられ、前記センサ部の周囲の
    外気を加熱する発熱部分と前記発熱部分の下部に設ける
    凹部とを一体形成した基板とを少なくとも備えたことを
    特徴とするフローセンサ。
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KR101294344B1 (ko) 2012-03-08 2013-08-06 전자부품연구원 마이크로 금속 메쉬 구조물 제조 방법

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