JP3109703B2 - メンブレン構造体及びその製造方法及びそれを用いたマイクロデバイス - Google Patents

メンブレン構造体及びその製造方法及びそれを用いたマイクロデバイス

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JP3109703B2 JP05321822A JP32182293A JP3109703B2 JP 3109703 B2 JP3109703 B2 JP 3109703B2 JP 05321822 A JP05321822 A JP 05321822A JP 32182293 A JP32182293 A JP 32182293A JP 3109703 B2 JP3109703 B2 JP 3109703B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリコンメンブレン構
造体、及びその製造方法、及び該製造方法により作製し
たメンブレン構造体を有するマイクロデバイスに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、シリコンの選択エッチングにより
メンブレン構造体を作成する技術が提案され、圧力セン
サ、圧電抵抗素子等の作成に利用されている。
【0003】以下に、従来のメンブレン構造体の作製方
法を簡単に説明する。
【0004】図7(a)は、不純物濃度によるエッチン
グ速度の差を利用した例である。まず、(100)シリ
コン基板601の片面にイオン注入法により所定の厚さ
の高濃度ボロンドープ層(p+ 層)602を形成し、他
方の表面には、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜等から
成るマスク603を形成する。
【0005】次に、水酸化カリウム溶液、エチレンジア
ミンピロカテコール(EDP)溶液等のエッチング溶液
中でシリコンのエッチングを行なう。これらの溶液は、
エッチング速度に不純物濃度依存性をもち、p+ 層では
n層およびp層に対して、エッチング速度は数十分の一
に低下する。従って、高濃度ボロンドープ層602に達
すると、エッチングは実質上停止し、シリコンの薄いメ
ンブレン構造体が形成される。
【0006】また、図7(b)は、p/n接合面におけ
るエッチストップを利用した例である。(100)p型
シリコン基板604の片面に、イオン注入法、エピタキ
シャル成長法等により、所定の厚さのn層605を形成
する。非エッチング部には、シリコン窒化膜、シリコン
酸化膜等から成るマスク603を形成する。基板裏面
(n層側)がエッチング溶液にさらされないように、基
板をシールし、水酸化カリウム、EDP溶液等のエッチ
ング溶液中でシリコンのエッチングを行なう。この時、
n層側に正の電位を、エッチング溶液中に設けた電極に
負の電位を印加しながらエッチングを行なう。p層がエ
ッチング除去され、n層605に到達するとアノード電
流が流れ、n層表面にシリコン酸化膜が形成される。酸
化膜の形成によりエッチングは停止し、シリコンの薄い
メンブレン構造体が形成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の製造方法では、以下の様な問題があった。
【0008】高濃度不純物ドープ層を形成する方法で
は、不純物濃度が厚み方向に濃度分布をもつために、得
られたメンブレンの厚みにバラツキがあり、厚み精度が
良くない。
【0009】また、p/n接合を用いる方法では、エッ
チング溶液の温度やかくはん状態の微妙な変化やばらつ
きおよび、シリコンの溶解に伴うエッチング溶液の組成
変化により、不働態化電位(シリコン表面に酸化膜が形
成される電位)の変化やばらつきが生じるために、電位
制御が困難であり、製造歩留りが良くない。
【0010】また、シリコンn層に対して電圧を印加し
なければならないので、電極形成および除去プロセス等
の余分なプロセス工程が増えそれによってコストの上昇
や歩留りの低下をもたらす。
【0011】[発明の目的]本発明は、上記問題点を解
決すべく成されたものであり、本発明の目的は、厚み精
度の優れたメンブレン構造体を歩留り良く製造すること
のできる製造方法を提供することにある。
【0012】また、本発明の他の目的は、本発明のメン
ブレン構造体の製造方法により作製したマイクロデバイ
スを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、片側に凹部を
有する第1の基体と、前記凹部に対応する位置に貫通孔
を有する第2の基体と、前記第1の基体の凹部を有する
側と前記第2の基体との間に設けたエピタキシャルシリ
コン膜とによって形成されるメンブレン部を備えたメン
ブレン構造体の製造方法において、前記貫通孔を形成し
たい位置を多孔質化した後に、全面に前記エピタキシャ
ルシリコン膜を成長させた前記第2の基体を、前記第1
の基体の前記凹部を有する側に接合して、前記多孔質化
した部分を除去することにより、前記メンブレン部を形
成することを特徴とする。
【0014】
【作用】本発明によれば、多孔質シリコン部と非多孔質
シリコン部とでは、エッチング速度に10の5乗もの違
いがあることを利用して、エッチング溶液に浸漬するの
みで、膜厚精度のきわめて高いメンブレン構造体を歩留
り良く製造することができる。
【0015】また、本発明によれば、第1基板をシリコ
ン以外の材質とすることができるため、膜厚精度のきわ
めて高いメンブレン部を、シリコン以外の材質の上に形
成することも可能である。
【0016】[実施態様例]以下、図1を用いて本発明
のメンブレン構造体の製造方法を説明する。
【0017】図1(a)に示すように、第1基板101
の両面にマスク材102を成膜、パターニングしてエッ
チングのための開口部103を形成する。
【0018】次に、この基板をエッチングして凹部を形
成し(図1(b))、マスク材102を除去して、図1
(c)の状態を得る。第1基板としては、シリコン、ガ
ラス、金属、セラミックス等が用いられる。第1基板が
シリコンの場合、エッチング液には、フッ硝酸溶液、水
酸化カリウム溶液、水酸化ナトリウム溶液、エチレンジ
アミンピロカテコール溶液、テトラメチルアンモニウム
ハイドロオキサイド溶液等が使用できる。また、この時
マスク材102には、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜
等が使用できる。第1基板がガラスの場合、エッチング
液にはフッ酸溶液、マスク材には耐フッ酸性のレジスト
膜、シリコン窒化膜等が使用できる。また、金属、セラ
ミックスの場合は材料に応じてエッチング液及びマスク
材を選択する。
【0019】一方、図1(d)に示すように、第2基板
であるシリコン基板104の両面にマスク材105を成
膜、パターニングして、陽極化成のための開口部106
を形成する。シリコン基板104は、p型もしくは低抵
抗のn型基板を使用する。マスク材には、フッ酸に対し
て耐性の強いポリイミド膜、高抵抗のシリコン薄膜等が
用いられる。
【0020】次に、この基板を、フッ酸系溶液中におい
て陽極化成を行ない、図1(e)に示すように多孔質シ
リコン部107を形成する。
【0021】図3に、陽極化成の装置の概略図を示す。
図中201は第2基板、202はマスク材、203は電
極、204はフッ酸系溶液である。電極203として
は、フッ酸溶液に対して侵食されないような材料、例え
ば、金、白金、等が用いられる。フッ酸系溶液204と
しては、一般に、濃フッ酸(49%HF)が用いられ
る。また、陽極化成中に基板の表面から発生する気泡を
効率よく取り除く目的から、界面活性剤としてアルコー
ルを添加してもよい。陽極化成を行なう電流値は、最大
数百mA/cm2 であり、最小値はゼロでなければよ
い。この値は、多孔質化したシリコンの表面に良質のエ
ピタキシャル成長ができる範囲内で決定される。好まし
い範囲は、1〜200mA、より好ましくは5〜100
mAである。
【0022】次に、マスク材105を除去した後、図1
(f)に示すように、シリコン基板104の片面にシリ
コン層108をエピタキシャル成長させる。エピタキシ
ャル成長は、一般的な熱CVD法、減圧CVD法、プラ
ズマCVD法、分子線エピタキシャル法、スパッタリン
グ法等で行われる。成長させる膜厚は、メンブレン部の
厚みの設計値とする。
【0023】次に、図1(g)に示すように、第1基板
の凹部と第2基板のエピタキシャルシリコン層108を
対峙させ、第1基板101と第2基板104を接合す
る。第1基板101がシリコンの場合は、基板同士を直
接、もしくは、間にシリコン酸化膜を介して重ね、60
0〜1100℃の温度に加熱することにより直接接合で
きる。また、接着剤等を介して接合してもよい。
【0024】次に、図2(h)に示すように、第2基板
104を機械的に研磨して、所望の厚さとなるようにす
る。第2基板の厚みが設計値と等しい場合には、特に研
磨の必要はない。
【0025】次に、図2(i)に示すように、多孔質シ
リコン部107をエッチング除去することにより、メン
ブレン構造体を形成することができる。多孔質シリコン
部107のエッチング液としては、フッ酸、あるいは、
フッ酸にアルコール、過酸化水素水のうち少なくとも1
種類を添加した混合液を用いるとよい。かかるエッチン
グ液は、非多孔質シリコンをエッチングせずに、効率良
く、均一に、多孔質シリコンを選択的にエッチングする
ことができる。
【0026】特に、アルコールを添加することによっ
て、エッチングによる反応生成気体の気泡を、瞬時にエ
ッチング表面から、攪拌することなく、除去でき、均一
にかつ効率よく多孔質シリコンをエッチングすることが
できる。
【0027】また、特に、過酸化水素水を添加すること
によって、シリコンの酸化を増速し、反応速度を無添加
にくらべて増速することが可能となり、更に過酸化水素
水の比率を変えることにより、その反応速度を制御する
ことができる。
【0028】フッ酸濃度は、エッチング液に対して、好
ましくは1〜95%、より好ましくは5〜90%、さら
に好ましくは5〜80%の範囲で設定される。
【0029】過酸化水素水濃度は、エッチング液に対し
て、好ましくは1〜95%、より好ましくは5〜90
%、さらに好ましくは10〜80%で、且つ上記過酸化
水素水の効果を奏する範囲で設定される。
【0030】アルコール濃度は、エッチング液に対し
て、好ましくは80%以下、より好ましくは60%以
下、さらに好ましくは40%以下で、且つ上記アルコー
ルの効果を奏する範囲で設定される。
【0031】温度は、好ましくは0〜100℃、より好
ましくは5〜80℃、さらに好ましくは5〜60℃の範
囲で設定される。
【0032】本発明に用いられるアルコールはエチルア
ルコールのほか、イソプロピルアルコールなど製造工程
等に実用上差し支えなく、さらに上記アルコール添加効
果を望むことのできるアルコールを用いることができ
る。
【0033】図1においては、第1基板と第2基板とを
接合した後に、多孔質シリコン部をエッチング除去して
いるが、第1基板の耐フッ酸性が悪い場合などには、多
孔質シリコン部をエッチング除去した後に第1基板と第
2基板とを接合してもよい。
【0034】また、図1においては、第2基板を部分的
に多孔質化しているが、第2基板全面を多孔質化しても
よい。
【0035】また、図2(j)に示すように、第2基板
104に第3基板109を接合して、メンブレン部の上
下に空洞部を形成してもよい。第3基板109として
は、シリコン、ガラス、金属、セラミックス、等が使用
できる。
【0036】以上、本発明によれば、多孔質シリコン部
と非多孔質シリコン部とでは、エッチング速度に10の
5乗もの違いがあるため、エッチング溶液に浸漬するの
みで、膜厚精度のきわめて高いメンブレン構造体を歩留
り良く製造することができる。
【0037】また、本発明によれば、膜厚精度のきわめ
て高いメンブレン部を、シリコン以外の材質の上に形成
することも可能である。
【0038】
【実施例】以下、実施例をあげ、本発明をより詳細に説
明する。
【0039】(実施例1)厚み500μm、(100)
方位のn型シリコン単結晶基板(第1基板)を、90℃
に加熱した30重量%水酸化カリウム溶液中でエッチン
グし、厚み250μmの凹部を形成した。この時、マス
クとしては、LPCVD法により成膜した厚み1500
Åのシリコン窒化膜を用いた。
【0040】一方、厚み200μm、低抵抗p型シリコ
ン単結晶基板(第2基板)の両面に、高抵抗のエピタキ
シャルシリコン層を減圧CVD法により5000Å形成
した。成長条件は、 使用ガス:SiH4 /H2 温度:850℃ 圧力:1×10-2Torr 成長速度:3.3nm/sec とした。
【0041】その後、エピタキシャルシリコン層上に、
リソグラフィー技術によりレジストをパターニングし、
エピタキシャルシリコン層が露出している領域を、反応
性イオンエッチング法によりエッチングして、陽極化成
用のマスクを形成した。また、この時マスクは、表面裏
面とも同位置に形成した。
【0042】次に、この基板を49%フッ酸溶液中にお
いて、電流密度100mA/cm2の条件で陽極化成を
行ない、多孔質シリコン部を形成した。
【0043】次に、陽極化成用のマスクを除去した後、
基板表面にCVD法により、単結晶シリコン層を5.0
μmエピタキシャル成長させた。堆積条件は、以下の通
りである。
【0044】使用ガス:SiH4 /H2 温度:750℃ 圧力:80Torr 成長速度:0.12μm/min. 次に、これら2枚のシリコン基板を、凹部とエピタキシ
ャルシリコン層を対峙させて重ね合わせ、窒素雰囲気中
で1000℃に加熱し、両者を接合した。
【0045】次に、第2基板側の厚みが10μmとなる
ように、基板の表面を機械的に研磨した後、この貼合せ
基体をエッチング溶液中に侵し、多孔質シリコン部のみ
を選択的に除去した。この時、エッチング溶液の組成
は、49%フッ酸:30%過酸化水素水:エタノール=
5:25:6とした。
【0046】本実施例においては、単結晶シリコン部は
殆どエッチングされず、多孔質シリコン部のみが選択的
にエッチングされたために、厚み精度の極めて良いメン
ブレン構造体を作製することができた。
【0047】(実施例2)次に、本発明のメンブレン構
造体の製造方法により作製した圧力センサの実施例につ
いて説明する。
【0048】図4(a)は本実施例の圧力センサの平面
図、図4(b)は、図4(a)のA−A′線における断
面図、図4(c)は、図4(a)のB−B′線における
断面図である。図中301は第1基板、302はシリコ
ンである第2基板、303はエピタキシャルシリコンの
メンブレン部であり、メンブレン部303の表面、及び
第1基板301の凹部には、それぞれ対向するように電
極304及び305が形成されており、メンブレン部3
03に加えられた圧力を、電極304及び305間の容
量変化により検出する。306はリード電極、307は
リード電極引出部である。
【0049】以下に、本実施例の圧力センサの製造方法
を簡単に説明する。
【0050】厚み200μm、(100)方位の高抵抗
n型シリコン単結晶基板(第1基板301)を90℃に
加熱した30重量%水酸化カリウム溶液中でエッチング
し、厚み50μmの凹部を形成した。この時、マスクと
しては、LPCVD法により成膜した厚み1500Åの
シリコン窒化膜を用いた。
【0051】次に、電極形成用のパターニングを行な
い、電極形成部のシリコン窒化膜を除去した後、リン
(P)を注入、拡散して、電極305及びリード電極3
06を形成した。
【0052】一方、厚み200μm、低抵抗p型シリコ
ン単結晶基板(第2基板302)の両面に高抵抗のエピ
タキシャルシリコン層を減圧CVD法により5000Å
形成した。
【0053】その後、リソグラフィー法及び反応性イオ
ンエッチング法により、エピタキシャルシリコン層を部
分的に除去して、陽極化成用のマスクを形成した。この
時、マスクは、表面、裏面とも同位置に形成した。
【0054】次に、この基板を49%フッ酸溶液中で、
電流密度30mA/cm2 の条件で、陽極化成を行な
い、多孔質シリコン部を形成した。
【0055】その後、陽極化成用のマスクを除去し、基
板表面に実施例1と同様の条件で、エピタキシャルシリ
コン層を5.0μm形成した。
【0056】次に、エピタキシャルシリコン層上に絶縁
層として厚み1000Åのシリコン熱酸化膜を形成した
後、スパッタリング法により金を成膜し、所定の形状に
エッチングして電極304を形成した。
【0057】次に、第1基板301と第2基板302と
を凹部とエピタキシャルシリコン層を対峙させて重ね合
わせ、窒素雰囲気中で1000℃に加熱し、両者を接合
した。
【0058】次に、この貼合せ基体を49%フッ酸:3
0%過酸化水素水:エタノール=5:25:3混合液中
に浸し、多孔質シリコン部のみを選択的に除去し、本実
施例の圧力センサを作製した。
【0059】なお、本実施例において、電極304は金
属電極、電極305及びリード電極306は不純物拡散
電極としたが、特にこれに限定されるものではなく、電
極304,305及びリード電極306はいずれの方法
で形成してもよい。
【0060】(実施例3)次に、本発明のメンブレン構
造体の製造方法により作製した光学素子の実施例につい
て説明する。
【0061】図5は、本実施例の光学素子の斜視図であ
り、図中401は第1基板、402はシリコンである第
2基板、403は、エピタキシャルシリコンのメンブレ
ン部、404は電極である。数10μmの間隔におかれ
たシリコンのメンブレン部403と、電極404との間
に数10Vの電圧を印加すると静電力によりシリコンの
メンブレン部403にたわみが生じる。印加する電圧を
制御することにより、焦点距離可変の光学素子等を作る
ことができる。
【0062】これは例えば、メンブレン部に光反射膜を
形成して光反射鏡とし、これをたわませることにより、
その焦点距離を可変とする光学系とすることができる。
【0063】本実施例の光学素子の基本構成は、実施例
2と同様であり、実施例2と同様の方法により作製する
ことができる。
【0064】(実施例4)次に、本発明のメンブレン構
造体の製造方法により作製したマイクロポンプの実施例
について説明する。
【0065】図6(a)は、本実施例のマイクロポンプ
の平面図、図6(b)は、図6(a)のA−A′線にお
ける断面図である。図中、501は第1基板、502は
シリコンである第2基板、503は、エピタキシャルシ
リコンのメンブレン部、504は第3基板、505及び
506は電極、507はリード電極、508はリード電
極引出部、509は流体注入口、510は流体吐出口、
511は流体である。
【0066】流体511は、流体注入口509より注入
され、第2基板502及び第3基板504の間に充てん
される。メンブレン部503に形成された電極505と
対向する電極506との間の電圧を制御し、メンブレン
部503を上下に振動させることにより、流体511を
流体吐出口510より吐出させることができる。
【0067】本実施例のマイクロポンプは、マイクロフ
ローセル等における流体の搬送や、インクジェットプリ
ンタのヘッド等に使用することができる。
【0068】本実施例のマイクロポンプは、実施例1ま
たは実施例2と同様の作製方法によって、第1基板50
1及び第2基板502の接合体から成るメンブレン構造
体を形成した後、エッチングにより流体注入口509を
形成した第3基板504を接合することにより作製する
ことができる。第3基板504としては、ガラス、シリ
コン等が使用できる。
【0069】
【発明の効果】以上、本発明によれば、多孔質シリコン
と非多孔質シリコンとのエッチング選択性を利用するこ
とにより、膜厚精度のきわめて高いメンブレン構造体を
歩留り良く製造することができる効果が得られる。
【0070】また、本発明のメンブレン構造体の製造方
法は、圧力センサ、光学素子、マイクロポンプ、等のマ
イクロデバイスに幅広く応用することができ、同様に歩
留まりを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のメンブレン構造体の製造方法を示す
図。
【図2】本発明のメンブレン構造体の製造方法を示す
図。
【図3】本発明で用いる陽極化成の装置の概略図。
【図4】本発明の実施例の圧力センサの構造を示す図で
あり、(a)は圧力センサの平面図、(b)は図4
(a)のA−A′線における断面図、(c)は図4
(a)のB−B′線における断面図。
【図5】本発明の実施例である光学素子の斜視図。
【図6】本発明の実施例のマイクロポンプの構造を示す
図であり、(a)はマイクロポンプの平面図、(b)は
図6(a)のA−A′線における断面図。
【図7】従来のメンブレン構造体の製造方法を示す図。
【符号の説明】
101,301,401,501 第1基板 102,105,202 マスク材 103,106 開口部 104,201,302,402,502 第2基板 203 電極 204 フッ酸系溶液 107 多孔質シリコン部 108,303,403,503 エピタキシャルシ
リコン層 109,504 第3基板 304,305,404,505,506 電極 306,507 リード電極 307,508 リード電極引出部 509 流体注入口 510 流体吐出口 511 流体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−178567(JP,A) 特開 平5−90243(JP,A) 特開 昭59−125666(JP,A) 特開 昭58−45533(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/84 G01L 1/16

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 片側に凹部を有する第1の基体と、前記
    凹部に対応する位置に貫通孔を有する第2の基体と、前
    記第1の基体の凹部を有する側と前記第2の基体との間
    に設けたエピタキシャルシリコン膜とによって形成され
    るメンブレン部を備えたメンブレン構造体の製造方法に
    おいて、 前記貫通孔を形成したい位置を多孔質化した後に、全面
    に前記エピタキシャルシリコン膜を成長させた前記第2
    の基体を、前記第1の基体の前記凹部を有する側に接合
    して、前記多孔質化した部分を除去することにより、前
    記メンブレン部を形成することを特徴とするメンブレン
    構造体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第2の基体は、シリコンを材料とし
    ており、 少なくとも一部に表面から裏面に達するように前記多孔
    質化して多孔質部を形成する ことを特徴とする請求項1
    に記載のメンブレン構造体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第2の基体上に第3の基体を接合す
    る工程を含む請求項2に記載のメンブレン構造体の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれか1項に記載の
    メンブレン構造体の製造方法によって製造されたメンブ
    レン構造体を有するマイクロデバイス。
  5. 【請求項5】 前記メンブレン部に加えられた圧力によ
    り該メンブレン部に生じるひずみ量を測定する手段を有
    する請求項4に記載のマイクロデバイス。
  6. 【請求項6】 前記メンブレン部にたわみを生じさせる
    手段と、該たわみにより焦点距離を可変する光学系と、
    を有する請求項4に記載のマイクロデバイス。
  7. 【請求項7】 前記メンブレン部にたわみを生じさせる
    手段と、該たわみにより流体を吸引及び/又は吐出させ
    る手段と、を有する請求項4に記載のマイクロデバイ
    ス。
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