JP2003346249A - 検知装置および該検知装置を備えた盗難防止装置ならびに盗難防止システム - Google Patents

検知装置および該検知装置を備えた盗難防止装置ならびに盗難防止システム

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JP2003346249A
JP2003346249A JP2002148226A JP2002148226A JP2003346249A JP 2003346249 A JP2003346249 A JP 2003346249A JP 2002148226 A JP2002148226 A JP 2002148226A JP 2002148226 A JP2002148226 A JP 2002148226A JP 2003346249 A JP2003346249 A JP 2003346249A
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哲夫 佐伯
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 厳密な光軸調整を必要としない検知装置およ
び該検知装置を備えた盗難防止装置ならびに盗難防止シ
ステムを提供する。 【解決手段】 検知装置8は、発光素子3と、発光素子
3から出射された光を反射する反射体2a〜2dと、反
射体2a〜2dで反射された光を受光する受光素子4と
を備えている。上記反射体2a〜2dは、入射光と略平
行となるように反射光を再帰反射する。さらに、検知装
置8は、上記出射された光と反射された光とを分岐する
第2の光回折素子7を光軸上に備える。発光素子3から
出射された光が反射体2a〜2dに入射するように光軸
調整さえすれば、受光素子4では必ず受光される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、車上狙い
によって車両に危害が加えられたり、車両が盗難に遭っ
た場合に、盗難防止動作を行なう盗難防止装置、および
該盗難防止装置に用いられる検知装置、ならびに上記盗
難防止装置を用いた盗難防止システムに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車やトラック等の車両の車内に置か
れた金品を狙って盗む車上狙いや、駐車してある車両を
盗難するといった、車両に関する犯罪は年々増加してい
る。そこで、このような車両に関する犯罪を未然に防ぐ
ために、防犯装置の必要性が叫ばれている。
【0003】従来、上記防犯装置の一つとして、ドアロ
ック装置が提案されている。これは、車両のドアが開扉
しないようにドアをロックすることで、車上狙いや車両
の盗難を目的とした者(以下、このような者を盗難者と
いう)による車内への侵入を防ぐものである。
【0004】ところが、上記ドアロック装置を用いて
も、車両の窓ガラスを破壊したり、ドアの隙間から工具
を差し込んだりしてドアロック装置を破壊すれば、簡単
にドアを開扉し、車内へ侵入できてしまう。
【0005】また例えば、上記防犯装置として、振動セ
ンサー、あるいは赤外線センサーを利用したものも提案
されている。振動センサーを利用した防犯装置は、車上
狙いや車の盗難が行なわれる際に、盗難者によって車両
の窓ガラスが割られたり、車両の鍵穴が破壊されたりす
ることで車両が受ける振動を検知し、警報を発するもの
である。また、赤外線センサーを利用した防犯装置は、
盗難者が車両に接近してきたことを赤外線で検知し、警
報を発するものである。
【0006】しかしながら、上記振動センサーを利用し
た防犯装置では、盗難者以外の者や犬猫が車両に接触し
たり、風等によって引き起こされたりする振動までもが
検知され、警報が発せられてしまう。また、上記赤外線
センサーを利用した防犯装置も同じく、接近してきた盗
難者以外の者や犬猫までもが検知され、警報が発せられ
てしまう。
【0007】そこで、上記各防犯装置の問題点を解決し
た防犯装置として、発光素子、多重反射ミラー、および
受光素子を備えて構成されたものが提案されている。こ
の防犯装置では、発光素子から一定間隔で出射された光
を、窓ガラスに設けられた多重反射ミラーで反射させ、
この反射光を受光素子で受光する。そして、窓ガラスが
破壊されることにより多重反射ミラーの光路がずれ、受
光素子で光が受光されなくなった場合には、警報を発す
る構成となっている。この防犯装置によれば、上記ドア
ロック装置を用いた場合のように、盗難者が簡単に車内
へ侵入できてしまうという問題はない。また、上記振動
センサーあるいは赤外線センサーを用いた場合のよう
に、盗難者以外の者に対して警報を発してしまうという
問題もない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記発
光素子、多重反射ミラー、および受光素子を備えて構成
された防犯装置は、多重反射ミラーの角度を厳密に調整
して発光素子から出射された光を反射させなければ、受
光素子で受光することができなくなってしまう。
【0009】本発明は、上記従来の問題を鑑みてなされ
たものであり、その目的は、厳密な光軸調整を必要とし
ない検知装置および該検知装置を備えた盗難防止装置な
らびに盗難防止システムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の検知装置は、上
記課題を解決するために、発光手段と、該発光手段から
出射された光を反射する反射手段と、該反射手段で反射
された光を受光する受光手段とを備えた検知装置におい
て、前記出射された光と前記反射された光とを分岐する
光分岐手段をさらに備えるとともに、前記反射手段は入
射光と略平行となるように反射光を反射する再帰性を有
することを特徴としている。
【0011】上記の構成によれば、反射手段は、発光手
段から出射された光を略平行となるように再帰反射す
る。したがって、発光手段から出射された光は、反射手
段で反射光として略平行に反射される。また、光分岐手
段は、反射手段で反射された光を集光するとともに、該
集光した光を受光手段へ導く。したがって、反射手段で
反射された光は、光分岐手段によって集光されるととも
に分岐され、受光手段へと導かれる。
【0012】したがって、発光手段から出射された光
が、反射手段に入射するように光軸調整さえすれば、前
記受光手段では必ず受光することができる。これによ
り、厳密な光軸調整を必要としない検知装置が得られ
る。
【0013】本発明の検知装置は、上記課題を解決する
ために、前記発光手段は半導体レーザあるいは発光ダイ
オードであり、さらに、光軸上にコリメートレンズを備
えることを特徴としている。
【0014】上記の構成によれば、発光手段を半導体レ
ーザあるいは発光ダイオードとすることで、検知装置の
小型化、軽量化、低コスト化を実現することができる。
また、コリメートレンズは、発光手段から出射された光
(発散光)を平行光に変換するとともに、反射手段で反
射された光を収束する。したがって、発光手段から出射
された光は、コリメートレンズによって平行光に変換さ
れるので、反射手段では、光が効率よく反射される。ま
た、該反射された光は、コリメートレンズによって収束
されるため、受光手段では効率よく受光することができ
る。
【0015】本発明の検知装置は、上記課題を解決する
ために、前記発光手段は面発光レーザであることを特徴
としている。
【0016】上記の構成によれば、発光手段を面発光レ
ーザとすることで、反射手段に平行光を直接入射するこ
とができる。そのため、発光手段から出射された光は、
反射手段で効率よく反射される。これにより、簡略化さ
れた検知装置とすることができる。
【0017】本発明の検知装置は、上記課題を解決する
ために、前記反射手段は、コーナーキューブプリズムで
あることを特徴としている。
【0018】上記の構成によれば、コーナーキューブプ
リズムは、入射光と略平行となるように光を効率よく反
射する。これにより、受光手段で効率よく受光すること
ができる。
【0019】本発明の検知装置は、上記課題を解決する
ために、前記反射手段は、入射する前記発光手段からの
光のビーム径よりも有効径が小さいコーナーキューブプ
リズムを複数有するシート状であることを特徴としてい
る。
【0020】上記の構成によれば、反射手段は、シート
状になっている。これにより、反射手段の設置位置が曲
面であっても、上記曲面に対して適切に取り付けること
ができる。
【0021】本発明の検知装置は、上記課題を解決する
ために、反射手段を複数備え、前記発光手段から出射さ
れた光を複数の光に分割するとともに、これら複数の光
を前記複数の反射手段へ導く光分割偏向手段を光軸上に
備えていることを特徴としている。
【0022】上記の構成によれば、発光手段から出射さ
れた光は、光分割偏向手段によって複数の光に分割され
るとともに、これら複数の光は複数の反射手段へと導か
れる。したがって、1つの発光手段から出射された光
を、複数の反射手段に同時に入射することができる。
【0023】本発明の検知装置は、上記課題を解決する
ために、前記光分割偏向手段はブレーズ化された光回折
素子であることを特徴としている。
【0024】上記の構成によれば、従来ならば入射光の
方向を基準に左右対称に光が回折されるところが、入射
光の方向に対して片側だけに光が回折されるようにな
る。これにより、受光手段でより効率よく受光すること
ができる。
【0025】本発明の検知装置は、上記課題を解決する
ために、前記反射手段に入射する光のビーム径は、前記
反射手段の有効径よりも大きいことを特徴としている。
【0026】上記の構成によれば、反射手段に入射する
光のビーム径は、反射手段の有効径よりも大きいので、
反射手段が反射手段に入射する光のビーム径以内の位置
にあれば、本来の光軸からずれた位置に反射手段が配置
されていても、発光手段から出射された光は、反射手段
によって反射される。これにより、検知装置の作成誤
差、部品取り付け誤差、経年変化等で光軸のずれが生じ
ても、その都度光軸調整を行なう必要がなくなる。
【0027】本発明の盗難防止装置は、上記課題を解決
するために、上記いずれかの検知装置と、警報装置と、
上記検知装置からの信号に基づいて警報装置を制御する
制御手段とを備えることを特徴としている。
【0028】上記の構成によれば、厳密な光軸調整を必
要としない検知装置により、簡単に取り付けられる盗難
防止装置が得られる。
【0029】本発明の盗難防止システムは、前記盗難防
止装置を用いることを特徴としている。
【0030】上記の構成によれば、盗難防止装置によっ
て盗難者を検知して、盗難防止動作を行なうことができ
る。
【0031】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕以下、本発明の
実施の一形態について、図1〜図9に基づいて説明すれ
ば以下の通りである。
【0032】図1および図4に示すように、本発明にか
かる検知装置8は、主として、受発光ユニット1と、4
つの反射体(反射手段)2a,2b,2c,2dとにより
構成されている。
【0033】受発光ユニット1は、発光素子(発光手
段)3と、コリメートレンズ5と、第1の光回折素子
(光分割偏向手段)6と、第2の光回折素子(光分岐手
段)7と、受光素子(受光手段)4とを備えて構成され
ている。
【0034】発光素子3は、光を出射するものである。
コリメートレンズ5は、発光素子3から出射された光
(発散光)を平行光に変換するとともに、反射体2a〜
2dで反射された光を収束するものである。
【0035】第1の光回折素子6には、図2(a)に示
すように、1つの光回折素子6が4分割されることでな
る、4つの光回折部6a,6b,6c,6dが設けられて
いる。光回折部6a〜6dは、発光素子3から出射され
た光を、4本の光(ビーム)に分割するとともに、これ
ら4本のビームの各々を、対応する反射体2a〜2dへ
導く。
【0036】第2の光回折素子7は、反射体2a〜2d
によって反射された光を集光するとともに、該集光した
光を受光素子4へと導くものである。受光素子4は、反
射体2a〜2dによって反射された光を受光するもので
ある。受光素子4には、図2(b)に示すように、4つ
の受光部4a,4b,4c,4dが設けられている。
【0037】反射体2a〜2dは、発光素子3から出射
された光を反射するものである。反射体2a〜2dは、
偏角が180°、換言すれば、入射した光を反射すると
きに、入射光と略平行となるように再帰反射する。反射
体2a〜2dは、第1の光回折素子6の光回折部6a〜
6dによって導かれる光の光路上に配置されている。
【0038】上記の構成において、発光素子3から出射
された光(発散光)は、第2の光回折素子7を通過し、
コリメートレンズ5によって平行光に変換される。コリ
メートレンズは屈折型、回折型などのレンズを用いれば
良い。次に、この平行光は、第1の光回折素子6を通過
するが、このとき、上述したように、4つの光回折部6
a〜6dによって4本のビームに分割される。そしてこ
れら4本のビームは、各々、受発光ユニット1の外部に
配置された反射体2a〜2dに入射する。
【0039】反射体2a〜2dに入射した光は、該反射
体2a〜2dによって、反射光として入射光と略平行と
なって反射される。そして再び受発光ユニット1内部に
戻った反射光は、第1の光回折素子6を通過し、コリメ
ートレンズ5によって収束される。そしてさらに、反射
体2a〜2dによって反射された光は、第2の光回折素
子7で集光され、該集光された各々の光は、対応する4
つの受光部4a〜4dへと導かれる。
【0040】したがって、発光素子3から出射された光
が、対応する反射体2a〜2dの各々に入射するように
光軸調整さえすれば、受光素子4では必ず受光すること
ができる。これにより、厳密な光軸調整を必要としない
検知装置8が得られる。また、第2の光回折素子7を用
いることで、発光素子3と受光素子4とを隣接して設け
ることができるため、検知装置8をコンパクトにするこ
とができる。
【0041】次に、上記検知装置8を用いた盗難防止装
置について、図3に基づいて説明する。
【0042】図3に示すように、本発明にかかる盗難防
止装置9は、検知装置8と、設定装置10と、制御装置
11と、警報装置12とにより構成されている。制御装
置11には、検知装置8、設定装置10、および警報装
置12が接続されている。
【0043】検知装置8の受光部4a〜4dは、制御装
置11に接続されており、該受光部4a〜4dで変換さ
れた電気信号を制御装置11に送る。設定装置10は、
車両の利用者が、車両のセキュリティシステムのオン/
オフを設定するものである。制御装置11は、検知装置
8および警報装置12を制御するものであり、設定装置
10でセキュリティシステムがオンに設定されると、発
光素子3から光が出射されるよう検知装置8を作動す
る。また、制御装置11は、該制御装置11に検知装置
8から送られてくる電気信号に変化があると、警報装置
12を作動する。警報装置12は、盗難防止動作(ラン
プを点滅させる、あるいは予め録音された音声によって
盗難者を威嚇する、あるいは警察や車両の持ち主へ通報
する等)を行なうものである。
【0044】上記の構成において、設定装置10で車両
のセキュリティシステムがオンに設定されると、制御装
置11を介して発光手段3から光が出射される。該出射
された光は、受光部4a〜4dで電気信号に変換され、
該電気信号が制御装置11に送られる。制御装置11に
送られる電気信号に変化があると、制御装置11により
警報装置12は作動され、該警報装置12は盗難防止動
作を行なう。
【0045】以下に、上記盗難防止装置9を用いた盗難
防止システムについて、図4に基づいて説明する。
【0046】図4は、盗難防止装置9における検知装置
8の受発光ユニット1を、車内の天井部に取り付け、ま
た、4つの反射体2a〜2dを、車内のサイドドアに設
けられたキーロック装置(13a,13b,13c,13
d)に取り付けたときの、車両の平面図である。
【0047】受発光ユニット1と反射体2a〜2dと
は、車両の窓から盗難者が車内に侵入を試みた場合に、
盗難者の体が受発光ユニット1と反射体2a〜2dの少
なくとも1つの反射体との間に必ず位置するように考慮
して配置されている。
【0048】さらに、反射体2a〜2dは、キーロック
装置13a〜13dが施錠状態の場合、つまりサイドド
アが閉扉され施錠されているときに、受発光ユニット1
の発光素子3(図示せず)から出射された光の光路上に
なるように調整されている。
【0049】ここで、上記のように検知装置8を車内に
取り付けたときの、盗難防止装置9を用いた盗難防止シ
ステムの具体的な手順を、図5に示すフローチャートに
基づいて説明する。
【0050】車両の利用者によって、上述した車両のキ
ーロック装置13a〜13dが車両の利用者によって施
錠状態にされるとともに、設定装置10の車両のセキュ
リティシステムがオンに設定される(S1)。これによ
り、制御装置11が作動し、検知装置8の発光素子3か
ら光が出射される(S2)。該出射された光は反射体2
a〜2dに入射する。そして反射体2a〜2dによっ
て、反射光として略平行に反射された光は、上述したよ
うに、受光素子4の受光部4a〜4dに導かれる(S
3)。そして受光部4a〜4dで受光されると、この受
光された光は、電気信号に変換される(S4)。受光部
4a〜4dで光が受光されている間は、S2〜S4が繰
り返される。
【0051】ここで、盗難者が車両の窓ガラスを割った
り、車両の鍵穴を破壊したりすることで、車内に侵入し
たとする。あるいは、盗難者によって車両に危害が加え
られ、キーロック装置13a〜13dの少なくとも1つ
が開錠されたとする。すると、盗難者が車内に侵入した
場合には、盗難者の体が受発光ユニット1と反射体2a
〜2dの少なくとも1つの反射体との間に位置すること
になり、発光素子3から出射された光は遮断される。ま
た、キーロック装置が開錠された場合には、反射体2a
〜2dの少なくとも1つの反射体は、発光素子3から出
射された光の光路上から外れる。これらの場合、受光素
子4の受光部4a〜4dの少なくとも1つの受光部で受
光されなくなる。これにより、受光部4a〜4dで変換
される電気信号に変化が生じることで、制御装置11は
警報装置12を作動させ、盗難防止動作が行なわれる
(S5)。
【0052】以上のように、本発明の盗難防止装置9を
用いて盗難者を検知し、盗難防止動作を行なうことがで
きる。
【0053】なお、本実施の形態において、上記発光素
子3として、例えば半導体レーザ(LD)、発光ダイオ
ード(LED)を用いることができる。発光素子3とし
てLDあるいはLEDを用いることで、検知装置8の小
型化、軽量化、低コスト化を実現できるため好ましい。
【0054】また、上記発光素子3から出射される光の
波長は特に制限されないが、安全性や該発光素子3を受
発光ユニット1に取り付ける際の光軸調整の容易さか
ら、可視光領域の波長を用いることがより好ましい。
【0055】また、反射体2a〜2dとしては、入射光
と略平行となるように反射する反射体であればよく、特
に限定されるものではない。反射体2a〜2dとして、
例えば、再帰反射シート、コーナーキューブプリズムを
用いることができる。上記コーナーキューブプリズム
は、入射光と略平行となるように光を効率よく反射す
る。そのため、受光素子4で効率よく受光することがで
きるため好ましい。このとき、コーナーキューブプリズ
ムの有効径は、入射する光のビーム径よりも小さいこと
が好ましい。
【0056】さらに、反射体2a〜2dは、その有効径
が、入射する光のビーム径よりも小さいコーナーキュー
ブプリズムを複数有するシート状であることがより好ま
しい。このようにシート状にすることで、反射体2a〜
2dの設置位置が曲面であっても、上記曲面に対して適
切に取り付けることができる。
【0057】また、本実施の形態では、光分割偏向手段
として、第1の光回折素子6を用いているが、これに限
定されず、プリズム等を組み合わせてコリメートレンズ
5によって平行光に変換された光を、反射体2a〜2d
へ導く構成であってもよい。しかしながら、第1の光回
折素子6を用いれば、1つの発光素子3から出射された
光を、複数の光に分割することができる。そしてまた、
分割された複数の光を、複数の反射体2a〜2dに導く
ことができる。これにより、1つの発光素子3から出射
された光を、複数の反射体2a〜2dに同時に導くこと
ができる。
【0058】また、第2の光回折素子7を用いずに、ミ
ラーやビームスプリッタ等の光分岐素子(光分岐手段)
を、発光素子3とコリメートレンズ5との間、もしくは
コリメートレンズ5と第1の光回折素子6の間に配置す
ることで光を分岐し、反射体2a〜2dで反射された光
を受光素子4に導く構成であってもよい。
【0059】また、本実施の形態では、4つの反射体2
a〜2dへ光を導くために、第1の光回折素子6には、
4つの光回折部6a〜6dを設けている。しかしなが
ら、第1の光回折素子6に設ける光回折部の数は特に限
定されるものではなく、検知装置で用いる反射体の数に
応じて適宜変更すればよい。
【0060】また、上記第1の光回折素子6における回
折部6a〜6dは、ブレーズ化された光回折素子である
ことがより好ましい。これにより、従来ならば入射光の
方向を基準に左右対称に光が回折されるところが、入射
光の方向に対して片側だけに光が回折されるようにな
る。これにより、受光素子4でより効率よく受光するこ
とができる。
【0061】さらにまた、反射体2a〜2dに入射する
光のビーム径は、反射体2a〜2dの有効径よりも大き
いことがより好ましい。このようにすれば、例えば、図
6に示すように、反射体2aが本来の光軸(図中点線で
示す位置)よりも矢印方向にずれた位置(2a’の位
置)に配置されていても、発光素子3から出射された光
は、反射体2a’によって反射される。
【0062】したがって、検知装置8の作成誤差、部品
取り付け誤差、経年変化等による受発光ユニット1と反
射体2a〜2dとの光軸のずれが生じても、その都度光
軸調整を行なう必要がなくなる。
【0063】なお、本実施の形態では、盗難者を検知す
るのに最も効果があると考えられるキーロック装置13
a〜13dに、反射体2a〜2dを取り付けている。し
かしながら、反射体2a〜2dを取り付ける場所は特に
限定されておらず、例えば、窓ガラス、ドアノブ、ド
ア、トランクルームの開閉部、エンジンルームの開閉部
等に取り付けてもよい。
【0064】また、車室内に搭載された荷物等で、上記
発光素子3から出射された光が遮断されることで、誤っ
て警報装置12による盗難防止動作が行なわれないこと
がより好ましい。そこで、設定装置10で車両のセキュ
リティシステムがオンに設定された場合に、制御装置1
1を介して、警告装置12が荷物等を移動する警告を発
する構成にすることもできる。
【0065】また、本実施の形態では、盗難防止装置9
を車両に取り付けたが、これに限定されず、例えば、一
般家屋の窓や店舗のシャッターに取り付けてもよい。こ
の場合は、一般家屋や店舗に不正に侵入する者を検知す
ることができる。
【0066】なお、第1の光回折素子6を用いずに検知
装置を構成してもよい。以下に、第1の光回折素子6を
用いない検知装置について、図7に示すように具体的に
説明する。
【0067】同図に示すように、検知装置14は、主と
して、受発光ユニット15と、反射体24とから構成さ
れている。受発光ユニット15は、発光素子20と、光
回折素子(光分岐手段)23と、コリメートレンズ21
と、受光素子(受光手段)22とから構成されている。
【0068】発光素子20から出射された光は、光回折
素子23を通過し、コリメートレンズ21によって平行
光に変換される。そして受発光ユニット15の外部に配
置された反射体24に入射する。
【0069】反射体24に入射した光は、該反射体24
によって、反射光として入射光と略平行に反射される。
そして再び受発光ユニット15内部に戻った光は、コリ
メートレンズ21によって収束される。そしてさらに、
図8(a)に示す光回折素子23の回折部23aによっ
て集光された後、同図(b)に示す、受光素子22の受
光部22aへ導かれ、受光される。したがって、第1の
光回折素子6を用いなくても、発光素子20から出射さ
れた光を受光素子22に導くことができる。
【0070】また、上記発光素子3として、面発光レー
ザを用いてもよい。面発光レーザを用いる場合には、反
射体2a〜2dに直接平行光を入射することができる。
そのため、発光素子3から出射された光は、反射体2a
〜2dで効率よく反射される。これにより、簡略化され
た検知装置とすることができる。
【0071】以下に、発光素子3として面発光レーザを
用いた検知装置について、図9に基づいて具体的に説明
する。
【0072】同図に示すように、検知装置16は、主と
して、受発光ユニット17と、反射体32とから構成さ
れている。受発光ユニット17は、面発光レーザ30
と、光回折素子(光分岐手段)33と、受光素子(受光
手段)31とから構成されている。
【0073】面発光レーザ30から出射された光は、第
4の光回折素子33を通過する。このときすでに光は平
行光となっている。そして次に、受発光ユニット17の
外部に配置された反射体32に入射する。
【0074】反射体32に入射した光は、該反射体32
によって、反射光として入射光と略平行に反射される。
そして再び受発光ユニット17内部に戻った光は、光回
折素子33によって集光され、受光素子31の受光部
(図示せず)に導かれ、受光される。したがって、簡略
化された検知装置とすることができる。
【0075】〔実施の形態2〕本発明の実施の他の形態
について、図1および図10に基づいて説明すれば、以
下のとおりである。なお、説明の便宜上、実施の形態1
と同様の機能を有する部材には同一の番号を付し、その
説明を省略する。
【0076】本実施の形態の盗難防止装置(図示せず)
は、制御装置(図示せず)によって検知装置18の発光
素子19からの光の出射が断続的になるように制御され
る点で、上記実施の形態1の盗難防止装置9と異なって
いる。それ以外の構成は、上記盗難防止装置9の構成と
同じである。
【0077】以下に、上記検知装置18を用いた盗難防
止装置を利用した盗難防止システムについて、図10に
示すフローチャートに基づいて説明する。なお、ここで
も実施の形態1と同様、盗難防止装置を車両に取り付け
る場合を例に挙げることにする。
【0078】先ず、実施の形態1と同様、車両のセキュ
リティシステムがオンに設定される(S6)。これによ
り、制御装置が作動し、検知装置18の発光素子19か
ら光が出射される(S7)。該出射された光は反射体2
a〜2dに入射する。そして反射体2a〜2dによっ
て、反射光として略平行に反射された光は、受光素子4
の受光部4a〜4dに導かれる。そして受光部4a〜4
dで受光されると(S9)、発光素子18からの光の出
射は所定の時間停止される(S10)。所定時間、光の
出射が停止された後(S11)、再びS7〜S11の動
作が繰り返される。
【0079】そして実施の形態1と同様、受光素子4の
受光部4a〜4dの少なくとも1つの受光部で光が受光
されなくなる。これにより、受光部4a〜4dで変換さ
れる電気信号に変化が生じることで、制御装置は警報装
置を作動させ、盗難防止動作が行なわれる(S12)。
【0080】このとき、例えば、発光素子19からの光
の出射を1secにつき、1ms程度の発光時間とし
て、発光素子19からの光の出射を断続的に行なえば、
発光素子19の消費電力を1/1000に低減できる。
これにより、検知装置18における消費電力を低減する
ことができる。
【0081】
【発明の効果】本発明の検知装置は、以上のように、出
射された光と反射された光とを分岐する光分岐手段をさ
らに備えるとともに、反射手段は入射光と略平行となる
ように反射光を反射する再帰性を有する構成である。
【0082】それゆえ、発光手段から出射された光が、
反射手段に入射するように光軸調整さえすれば、前記受
光手段では必ず受光することができる。これにより、厳
密な光軸調整を必要としない検知装置が得られるという
効果を奏する。
【0083】本発明の検知装置は、以上のように、発光
手段は半導体レーザあるいは発光ダイオードであり、さ
らに、光軸上にコリメートレンズを備える構成である。
【0084】それゆえ、発光手段を半導体レーザあるい
は発光ダイオードとすることで、検知装置の小型化、軽
量化、低コスト化を実現することができる。また、コリ
メートレンズによって、反射手段では光が効率よく反射
されるとともに、受光手段で効率よく受光することがで
きるという効果を奏する。
【0085】本発明の検知装置は、以上のように、発光
手段は面発光レーザである構成である。
【0086】それゆえ、簡略化された検知装置とするこ
とができるという効果を奏する。
【0087】本発明の検知装置は、以上のように、反射
手段は、コーナーキューブプリズムである構成である。
【0088】それゆえ、受光手段で効率よく受光するこ
とができるという効果を奏する。
【0089】本発明の検知装置は、以上のように、反射
手段は、入射する発光手段からの光のビーム径よりも有
効径が小さいコーナーキューブプリズムを複数有するシ
ート状である構成である。
【0090】それゆえ、反射手段の設置位置が曲面であ
っても、上記曲面に対して適切に取り付けることができ
るという効果を奏する。
【0091】本発明の検知装置は、以上のように、反射
手段を複数備え、発光手段から出射された光を複数の光
に分割するとともに、これら複数の光を複数の反射手段
へ導く光分割偏向手段を光軸上に備えている構成であ
る。
【0092】それゆえ、1つの発光手段から出射された
光を、複数の反射手段に同時に入射することができると
いう効果を奏する。
【0093】本発明の検知装置は、以上のように、光分
割偏向手段はブレーズ化された光回折素子である構成で
ある。
【0094】それゆえ、受光手段でより効率よく受光す
ることができるという効果を奏する。
【0095】本発明の検知装置は、以上のように、反射
手段に入射する光のビーム径は、反射手段の有効径より
も大きい構成である。
【0096】それゆえ、検知装置の作成誤差、部品取り
付け誤差、経年変化等で光軸のずれが生じても、その都
度光軸調整を行なう必要がなくなるという効果を奏す
る。
【0097】本発明の盗難防止装置は、以上のように、
上記いずれかの検知装置と、警報装置と、上記検知装置
からの信号に基づいて警報装置を制御する制御装置とを
備える構成である。
【0098】それゆえ、厳密な光軸調整を必要としない
検知装置により、簡単に取り付けられる盗難防止装置が
得られるという効果を奏する。
【0099】本発明の盗難防止システムは、以上のよう
に、盗難防止装置を用いる構成である。
【0100】それゆえ、盗難防止装置によって盗難者を
検知して、盗難防止動作を行なうことができるという効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる検知装置の概略の
構成を示す平面図である。
【図2】(a)は上記検知装置における第1の光回折素
子の正面図であり、(b)は上記検知装置における受光
素子の正面図である。
【図3】上記検知装置を用いた盗難防止装置の概略の構
成を示すブロック図である。
【図4】上記検知装置が車両の車内に取り付けられてい
る状態を示す概略の平面図である。
【図5】上記盗難防止装置を用いた盗難防止システムの
動作を示すフローチャートである。
【図6】上記検知装置の変形例を示すものであり、概略
の構成を示す平面図である。
【図7】上記検知装置の変形例を示すものであり、概略
の構成を示す平面図である。
【図8】(a)は図7の検知装置における光回折素子の
正面図であり、(b)は図7の検知装置における受光素
子の正面図である。
【図9】発光素子として面発光レーザを用いた場合の検
知装置の概略の構成を示す平面図である。
【図10】図9の検知装置を用いてなる盗難防止装置を
用いた盗難防止システムの動作を示すフローチャートで
ある。
【符号の説明】
1 受発光ユニット 2a〜2d 反射体(反射手段) 3 発光素子(発光手段) 4 受光素子(受光手段) 4a〜4d 受光部 5 コリメートレンズ 6 第1の光回折素子(光分割変更手段) 7 第2の光回折素子(光分岐手段) 8 検知装置 9 盗難防止装置 10 設定装置 11 制御装置 12 警報装置 14 検知装置 15 受発光ユニット 16 検知装置 17 受発光ユニット 30 面発光レーザ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩木 哲男 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H042 EA04 EA15 2H049 AA03 AA13 AA63 AA64 5C084 AA02 AA07 BB23 BB31 CC25 DD57 DD61 DD65 DD71 EE01 EE06 HH01 HH07 HH12

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発光手段と、該発光手段から出射された光
    を反射する反射手段と、該反射手段で反射された光を受
    光する受光手段とを備えた検知装置において、 前記出射された光と前記反射された光とを分岐する光分
    岐手段をさらに備えるとともに、前記反射手段は入射光
    と略平行となるように反射光を反射する再帰性を有する
    ことを特徴とする検知装置。
  2. 【請求項2】前記発光手段は半導体レーザあるいは発光
    ダイオードであり、さらに、光軸上にコリメートレンズ
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の検知装置。
  3. 【請求項3】前記発光手段は面発光レーザであることを
    特徴とする請求項1に記載の検知装置。
  4. 【請求項4】前記反射手段は、コーナーキューブプリズ
    ムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項
    に記載の検知装置。
  5. 【請求項5】前記反射手段は、入射する前記発光手段か
    らの光のビーム径よりも有効径が小さいコーナーキュー
    ブプリズムを複数有するシート状であることを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれか1項に記載の検知装置。
  6. 【請求項6】反射手段を複数備え、前記発光手段から出
    射された光を複数の光に分割するとともに、これら複数
    の光を前記複数の反射手段へ導く光分割偏向手段を光軸
    上に備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれ
    か1項に記載の検知装置。
  7. 【請求項7】前記光分割偏向手段はブレーズ化された光
    回折素子であることを特徴とする請求項6に記載の検知
    装置。
  8. 【請求項8】前記反射手段に入射する光のビーム径は、
    前記反射手段の有効径よりも大きいことを特徴とする請
    求項1〜7のいずれか1項に記載の検知装置。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれか1項に記載の検知
    装置と、警報装置と、上記検知装置からの信号に基づい
    て警報装置を制御する制御装置とを備えることを特徴と
    する盗難防止装置。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の盗難防止装置を用いる
    ことを特徴とする盗難防止システム。
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