JP3889314B2 - 検知装置および該検知装置を備えた盗難防止装置ならびに盗難防止システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、車上狙いによって車両に危害が加えられたり、車両が盗難に遭った場合に、盗難防止動作を行なう盗難防止装置、および該盗難防止装置に用いられる検知装置、ならびに上記盗難防止装置を用いた盗難防止システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車やトラック等の車両の車内に置かれた金品を狙って盗む車上狙いや、駐車してある車両を盗難するといった、車両に関する犯罪は年々増加している。そこで、このような車両に関する犯罪を未然に防ぐために、防犯装置の必要性が叫ばれている。
【0003】
従来、上記防犯装置の一つとして、ドアロック装置が提案されている。これは、車両のドアが開扉しないようにドアをロックすることで、車上狙いや車両の盗難を目的とした者(以下、このような者を盗難者という)による車内への侵入を防ぐものである。
【0004】
ところが、上記ドアロック装置を用いても、車両の窓ガラスを破壊したり、ドアの隙間から工具を差し込んだりしてドアロック装置を破壊すれば、簡単にドアを開扉し、車内へ侵入できてしまう。
【0005】
また例えば、上記防犯装置として、振動センサー、あるいは赤外線センサーを利用したものも提案されている。振動センサーを利用した防犯装置は、車上狙いや車の盗難が行なわれる際に、盗難者によって車両の窓ガラスが割られたり、車両の鍵穴が破壊されたりすることで車両が受ける振動を検知し、警報を発するものである。また、赤外線センサーを利用した防犯装置は、盗難者が車両に接近してきたことを赤外線で検知し、警報を発するものである。
【0006】
しかしながら、上記振動センサーを利用した防犯装置では、盗難者以外の者や犬猫が車両に接触したり、風等によって引き起こされたりする振動までもが検知され、警報が発せられてしまう。また、上記赤外線センサーを利用した防犯装置も同じく、接近してきた盗難者以外の者や犬猫までもが検知され、警報が発せられてしまう。
【0007】
そこで、上記各防犯装置の問題点を解決した防犯装置として、発光素子、多重反射ミラー、および受光素子を備えて構成されたものが提案されている。この防犯装置では、発光素子から一定間隔で出射された光を、窓ガラスに設けられた多重反射ミラーで反射させ、この反射光を受光素子で受光する。そして、窓ガラスが破壊されることにより多重反射ミラーの光路がずれ、受光素子で光が受光されなくなった場合には、警報を発する構成となっている。この防犯装置によれば、上記ドアロック装置を用いた場合のように、盗難者が簡単に車内へ侵入できてしまうという問題はない。また、上記振動センサーあるいは赤外線センサーを用いた場合のように、盗難者以外の者に対して警報を発してしまうという問題もない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記発光素子、多重反射ミラー、および受光素子を備えて構成された防犯装置は、多重反射ミラーの角度を厳密に調整して発光素子から出射された光を反射させなければ、受光素子で受光することができなくなってしまう。
【0009】
本発明は、上記従来の問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、厳密な光軸調整を必要としない検知装置および該検知装置を備えた盗難防止装置ならびに盗難防止システムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の検知装置は、上記課題を解決するために、発光手段と、該発光手段から出射された光を反射する反射手段と、該反射手段で反射された光を受光する受光手段とを備えた検知装置において、前記出射された光と前記反射された光とを分岐する光分岐手段をさらに備えるとともに、前記反射手段は入射光と略平行となるように反射光を反射する再帰性を有し、かつ、前記反射手段を複数備え、前記発光手段から出射された光を複数の光に分割するとともに、これら複数の光を前記複数の反射手段へ導く光分割偏向手段を光軸上に備えていることを特徴としている。
【0011】
上記の構成によれば、反射手段は、発光手段から出射された光を略平行となるように再帰反射する。したがって、発光手段から出射された光は、反射手段で反射光として略平行に反射される。また、光分岐手段は、反射手段で反射された光を集光するとともに、該集光した光を受光手段へ導く。したがって、反射手段で反射された光は、光分岐手段によって集光されるとともに分岐され、受光手段へと導かれる。
【0012】
したがって、発光手段から出射された光が、反射手段に入射するように光軸調整さえすれば、前記受光手段では必ず受光することができる。これにより、厳密な光軸調整を必要としない検知装置が得られる。
また、上記の構成によれば、発光手段から出射された光は、光分割偏向手段によって複数の光に分割されるとともに、これら複数の光は複数の反射手段へと導かれる。したがって、1つの発光手段から出射された光を、複数の反射手段に同時に入射することができる。
【0013】
本発明の検知装置は、上記課題を解決するために、前記発光手段は半導体レーザあるいは発光ダイオードであり、さらに、光軸上にコリメートレンズを備えることを特徴としている。
【0014】
上記の構成によれば、発光手段を半導体レーザあるいは発光ダイオードとすることで、検知装置の小型化、軽量化、低コスト化を実現することができる。また、コリメートレンズは、発光手段から出射された光(発散光)を平行光に変換するとともに、反射手段で反射された光を収束する。したがって、発光手段から出射された光は、コリメートレンズによって平行光に変換されるので、反射手段では、光が効率よく反射される。また、該反射された光は、コリメートレンズによって収束されるため、受光手段では効率よく受光することができる。
【0015】
本発明の検知装置は、上記課題を解決するために、前記発光手段は面発光レーザであることを特徴としている。
【0016】
上記の構成によれば、発光手段を面発光レーザとすることで、反射手段に平行光を直接入射することができる。そのため、発光手段から出射された光は、反射手段で効率よく反射される。これにより、簡略化された検知装置とすることができる。
【0017】
本発明の検知装置は、上記課題を解決するために、前記反射手段は、コーナーキューブプリズムであることを特徴としている。
【0018】
上記の構成によれば、コーナーキューブプリズムは、入射光と略平行となるように光を効率よく反射する。これにより、受光手段で効率よく受光することができる。
【0019】
本発明の検知装置は、上記課題を解決するために、前記反射手段は、入射する前記発光手段からの光のビーム径よりも有効径が小さいコーナーキューブプリズムを複数有するシート状であることを特徴としている。
【0020】
上記の構成によれば、反射手段は、シート状になっている。これにより、反射手段の設置位置が曲面であっても、上記曲面に対して適切に取り付けることができる。
また、本発明の検知装置では、上記課題を解決するために、前記発光手段から出射された光が前記受光手段で受光されると、前記発光手段からの光の出射を所定時間停止する。
上記の構成によれば、発光手段の消費電力が低減されるので、検知装置における消費電力を低減することができる。
【0023】
本発明の検知装置は、上記課題を解決するために、前記光分割偏向手段はブレーズ化された光回折素子であることを特徴としている。
【0024】
上記の構成によれば、従来ならば入射光の方向を基準に左右対称に光が回折されるところが、入射光の方向に対して片側だけに光が回折されるようになる。これにより、受光手段でより効率よく受光することができる。
【0025】
本発明の検知装置は、上記課題を解決するために、前記反射手段に入射する光のビーム径は、前記反射手段の有効径よりも大きいことを特徴としている。
【0026】
上記の構成によれば、反射手段に入射する光のビーム径は、反射手段の有効径よりも大きいので、反射手段が反射手段に入射する光のビーム径以内の位置にあれば、本来の光軸からずれた位置に反射手段が配置されていても、発光手段から出射された光は、反射手段によって反射される。これにより、検知装置の作成誤差、部品取り付け誤差、経年変化等で光軸のずれが生じても、その都度光軸調整を行なう必要がなくなる。
【0027】
本発明の盗難防止装置は、上記課題を解決するために、上記いずれかの検知装置と、警報装置と、上記検知装置からの信号に基づいて警報装置を制御する制御手段とを備えることを特徴としている。
【0028】
上記の構成によれば、厳密な光軸調整を必要としない検知装置により、簡単に取り付けられる盗難防止装置が得られる。
【0029】
本発明の盗難防止システムは、前記盗難防止装置を用いることを特徴としている。
【0030】
上記の構成によれば、盗難防止装置によって盗難者を検知して、盗難防止動作を行なうことができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
以下、本発明の実施の一形態について、図1〜図9に基づいて説明すれば以下の通りである。
【0032】
図1および図4に示すように、本発明にかかる検知装置8は、主として、受発光ユニット1と、4つの反射体(反射手段)2a,2b,2c,2dとにより構成されている。
【0033】
受発光ユニット1は、発光素子(発光手段)3と、コリメートレンズ5と、第1の光回折素子(光分割偏向手段)6と、第2の光回折素子(光分岐手段)7と、受光素子(受光手段)4とを備えて構成されている。
【0034】
発光素子3は、光を出射するものである。コリメートレンズ5は、発光素子3から出射された光(発散光)を平行光に変換するとともに、反射体2a〜2dで反射された光を収束するものである。
【0035】
第1の光回折素子6には、図2(a)に示すように、1つの光回折素子6が4分割されることでなる、4つの光回折部6a,6b,6c,6dが設けられている。光回折部6a〜6dは、発光素子3から出射された光を、4本の光(ビーム)に分割するとともに、これら4本のビームの各々を、対応する反射体2a〜2dへ導く。
【0036】
第2の光回折素子7は、反射体2a〜2dによって反射された光を集光するとともに、該集光した光を受光素子4へと導くものである。受光素子4は、反射体2a〜2dによって反射された光を受光するものである。受光素子4には、図2(b)に示すように、4つの受光部4a,4b,4c,4dが設けられている。
【0037】
反射体2a〜2dは、発光素子3から出射された光を反射するものである。反射体2a〜2dは、偏角が180°、換言すれば、入射した光を反射するときに、入射光と略平行となるように再帰反射する。反射体2a〜2dは、第1の光回折素子6の光回折部6a〜6dによって導かれる光の光路上に配置されている。
【0038】
上記の構成において、発光素子3から出射された光(発散光)は、第2の光回折素子7を通過し、コリメートレンズ5によって平行光に変換される。コリメートレンズは屈折型、回折型などのレンズを用いれば良い。次に、この平行光は、第1の光回折素子6を通過するが、このとき、上述したように、4つの光回折部6a〜6dによって4本のビームに分割される。そしてこれら4本のビームは、各々、受発光ユニット1の外部に配置された反射体2a〜2dに入射する。
【0039】
反射体2a〜2dに入射した光は、該反射体2a〜2dによって、反射光として入射光と略平行となって反射される。そして再び受発光ユニット1内部に戻った反射光は、第1の光回折素子6を通過し、コリメートレンズ5によって収束される。そしてさらに、反射体2a〜2dによって反射された光は、第2の光回折素子7で集光され、該集光された各々の光は、対応する4つの受光部4a〜4dへと導かれる。
【0040】
したがって、発光素子3から出射された光が、対応する反射体2a〜2dの各々に入射するように光軸調整さえすれば、受光素子4では必ず受光することができる。これにより、厳密な光軸調整を必要としない検知装置8が得られる。また、第2の光回折素子7を用いることで、発光素子3と受光素子4とを隣接して設けることができるため、検知装置8をコンパクトにすることができる。
【0041】
次に、上記検知装置8を用いた盗難防止装置について、図3に基づいて説明する。
【0042】
図3に示すように、本発明にかかる盗難防止装置9は、検知装置8と、設定装置10と、制御装置11と、警報装置12とにより構成されている。制御装置11には、検知装置8、設定装置10、および警報装置12が接続されている。
【0043】
検知装置8の受光部4a〜4dは、制御装置11に接続されており、該受光部4a〜4dで変換された電気信号を制御装置11に送る。設定装置10は、車両の利用者が、車両のセキュリティシステムのオン/オフを設定するものである。制御装置11は、検知装置8および警報装置12を制御するものであり、設定装置10でセキュリティシステムがオンに設定されると、発光素子3から光が出射されるよう検知装置8を作動する。また、制御装置11は、該制御装置11に検知装置8から送られてくる電気信号に変化があると、警報装置12を作動する。警報装置12は、盗難防止動作(ランプを点滅させる、あるいは予め録音された音声によって盗難者を威嚇する、あるいは警察や車両の持ち主へ通報する等)を行なうものである。
【0044】
上記の構成において、設定装置10で車両のセキュリティシステムがオンに設定されると、制御装置11を介して発光手段3から光が出射される。該出射された光は、受光部4a〜4dで電気信号に変換され、該電気信号が制御装置11に送られる。制御装置11に送られる電気信号に変化があると、制御装置11により警報装置12は作動され、該警報装置12は盗難防止動作を行なう。
【0045】
以下に、上記盗難防止装置9を用いた盗難防止システムについて、図4に基づいて説明する。
【0046】
図4は、盗難防止装置9における検知装置8の受発光ユニット1を、車内の天井部に取り付け、また、4つの反射体2a〜2dを、車内のサイドドアに設けられたキーロック装置(13a,13b,13c,13d)に取り付けたときの、車両の平面図である。
【0047】
受発光ユニット1と反射体2a〜2dとは、車両の窓から盗難者が車内に侵入を試みた場合に、盗難者の体が受発光ユニット1と反射体2a〜2dの少なくとも1つの反射体との間に必ず位置するように考慮して配置されている。
【0048】
さらに、反射体2a〜2dは、キーロック装置13a〜13dが施錠状態の場合、つまりサイドドアが閉扉され施錠されているときに、受発光ユニット1の発光素子3(図示せず)から出射された光の光路上になるように調整されている。
【0049】
ここで、上記のように検知装置8を車内に取り付けたときの、盗難防止装置9を用いた盗難防止システムの具体的な手順を、図5に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0050】
車両の利用者によって、上述した車両のキーロック装置13a〜13dが車両の利用者によって施錠状態にされるとともに、設定装置10の車両のセキュリティシステムがオンに設定される(S1)。これにより、制御装置11が作動し、検知装置8の発光素子3から光が出射される(S2)。該出射された光は反射体2a〜2dに入射する。そして反射体2a〜2dによって、反射光として略平行に反射された光は、上述したように、受光素子4の受光部4a〜4dに導かれる(S3)。そして受光部4a〜4dで受光されると、この受光された光は、電気信号に変換される(S4)。受光部4a〜4dで光が受光されている間は、S2〜S4が繰り返される。
【0051】
ここで、盗難者が車両の窓ガラスを割ったり、車両の鍵穴を破壊したりすることで、車内に侵入したとする。あるいは、盗難者によって車両に危害が加えられ、キーロック装置13a〜13dの少なくとも1つが開錠されたとする。すると、盗難者が車内に侵入した場合には、盗難者の体が受発光ユニット1と反射体2a〜2dの少なくとも1つの反射体との間に位置することになり、発光素子3から出射された光は遮断される。また、キーロック装置が開錠された場合には、反射体2a〜2dの少なくとも1つの反射体は、発光素子3から出射された光の光路上から外れる。これらの場合、受光素子4の受光部4a〜4dの少なくとも1つの受光部で受光されなくなる。これにより、受光部4a〜4dで変換される電気信号に変化が生じることで、制御装置11は警報装置12を作動させ、盗難防止動作が行なわれる(S5)。
【0052】
以上のように、本発明の盗難防止装置9を用いて盗難者を検知し、盗難防止動作を行なうことができる。
【0053】
なお、本実施の形態において、上記発光素子3として、例えば半導体レーザ(LD)、発光ダイオード(LED)を用いることができる。発光素子3としてLDあるいはLEDを用いることで、検知装置8の小型化、軽量化、低コスト化を実現できるため好ましい。
【0054】
また、上記発光素子3から出射される光の波長は特に制限されないが、安全性や該発光素子3を受発光ユニット1に取り付ける際の光軸調整の容易さから、可視光領域の波長を用いることがより好ましい。
【0055】
また、反射体2a〜2dとしては、入射光と略平行となるように反射する反射体であればよく、特に限定されるものではない。反射体2a〜2dとして、例えば、再帰反射シート、コーナーキューブプリズムを用いることができる。上記コーナーキューブプリズムは、入射光と略平行となるように光を効率よく反射する。そのため、受光素子4で効率よく受光することができるため好ましい。このとき、コーナーキューブプリズムの有効径は、入射する光のビーム径よりも小さいことが好ましい。
【0056】
さらに、反射体2a〜2dは、その有効径が、入射する光のビーム径よりも小さいコーナーキューブプリズムを複数有するシート状であることがより好ましい。このようにシート状にすることで、反射体2a〜2dの設置位置が曲面であっても、上記曲面に対して適切に取り付けることができる。
【0057】
また、本実施の形態では、光分割偏向手段として、第1の光回折素子6を用いているが、これに限定されず、プリズム等を組み合わせてコリメートレンズ5によって平行光に変換された光を、反射体2a〜2dへ導く構成であってもよい。しかしながら、第1の光回折素子6を用いれば、1つの発光素子3から出射された光を、複数の光に分割することができる。そしてまた、分割された複数の光を、複数の反射体2a〜2dに導くことができる。これにより、1つの発光素子3から出射された光を、複数の反射体2a〜2dに同時に導くことができる。
【0058】
また、第2の光回折素子7を用いずに、ミラーやビームスプリッタ等の光分岐素子(光分岐手段)を、発光素子3とコリメートレンズ5との間、もしくはコリメートレンズ5と第1の光回折素子6の間に配置することで光を分岐し、反射体2a〜2dで反射された光を受光素子4に導く構成であってもよい。
【0059】
また、本実施の形態では、4つの反射体2a〜2dへ光を導くために、第1の光回折素子6には、4つの光回折部6a〜6dを設けている。しかしながら、第1の光回折素子6に設ける光回折部の数は特に限定されるものではなく、検知装置で用いる反射体の数に応じて適宜変更すればよい。
【0060】
また、上記第1の光回折素子6における回折部6a〜6dは、ブレーズ化された光回折素子であることがより好ましい。これにより、従来ならば入射光の方向を基準に左右対称に光が回折されるところが、入射光の方向に対して片側だけに光が回折されるようになる。これにより、受光素子4でより効率よく受光することができる。
【0061】
さらにまた、反射体2a〜2dに入射する光のビーム径は、反射体2a〜2dの有効径よりも大きいことがより好ましい。このようにすれば、例えば、図6に示すように、反射体2aが本来の光軸(図中点線で示す位置)よりも矢印方向にずれた位置(2a’の位置)に配置されていても、発光素子3から出射された光は、反射体2a’によって反射される。
【0062】
したがって、検知装置8の作成誤差、部品取り付け誤差、経年変化等による受発光ユニット1と反射体2a〜2dとの光軸のずれが生じても、その都度光軸調整を行なう必要がなくなる。
【0063】
なお、本実施の形態では、盗難者を検知するのに最も効果があると考えられるキーロック装置13a〜13dに、反射体2a〜2dを取り付けている。しかしながら、反射体2a〜2dを取り付ける場所は特に限定されておらず、例えば、窓ガラス、ドアノブ、ドア、トランクルームの開閉部、エンジンルームの開閉部等に取り付けてもよい。
【0064】
また、車室内に搭載された荷物等で、上記発光素子3から出射された光が遮断されることで、誤って警報装置12による盗難防止動作が行なわれないことがより好ましい。そこで、設定装置10で車両のセキュリティシステムがオンに設定された場合に、制御装置11を介して、警告装置12が荷物等を移動する警告を発する構成にすることもできる。
【0065】
また、本実施の形態では、盗難防止装置9を車両に取り付けたが、これに限定されず、例えば、一般家屋の窓や店舗のシャッターに取り付けてもよい。この場合は、一般家屋や店舗に不正に侵入する者を検知することができる。
【0066】
なお、第1の光回折素子6を用いずに検知装置を構成してもよい。以下に、第1の光回折素子6を用いない検知装置について、図7に示すように具体的に説明する。
【0067】
同図に示すように、検知装置14は、主として、受発光ユニット15と、反射体24とから構成されている。受発光ユニット15は、発光素子20と、光回折素子(光分岐手段)23と、コリメートレンズ21と、受光素子(受光手段)22とから構成されている。
【0068】
発光素子20から出射された光は、光回折素子23を通過し、コリメートレンズ21によって平行光に変換される。そして受発光ユニット15の外部に配置された反射体24に入射する。
【0069】
反射体24に入射した光は、該反射体24によって、反射光として入射光と略平行に反射される。そして再び受発光ユニット15内部に戻った光は、コリメートレンズ21によって収束される。そしてさらに、図8(a)に示す光回折素子23の回折部23aによって集光された後、同図(b)に示す、受光素子22の受光部22aへ導かれ、受光される。したがって、第1の光回折素子6を用いなくても、発光素子20から出射された光を受光素子22に導くことができる。
【0070】
また、上記発光素子3として、面発光レーザを用いてもよい。面発光レーザを用いる場合には、反射体2a〜2dに直接平行光を入射することができる。そのため、発光素子3から出射された光は、反射体2a〜2dで効率よく反射される。これにより、簡略化された検知装置とすることができる。
【0071】
以下に、発光素子3として面発光レーザを用いた検知装置について、図9に基づいて具体的に説明する。
【0072】
同図に示すように、検知装置16は、主として、受発光ユニット17と、反射体32とから構成されている。受発光ユニット17は、面発光レーザ30と、光回折素子(光分岐手段)33と、受光素子(受光手段)31とから構成されている。
【0073】
面発光レーザ30から出射された光は、第4の光回折素子33を通過する。このときすでに光は平行光となっている。そして次に、受発光ユニット17の外部に配置された反射体32に入射する。
【0074】
反射体32に入射した光は、該反射体32によって、反射光として入射光と略平行に反射される。そして再び受発光ユニット17内部に戻った光は、光回折素子33によって集光され、受光素子31の受光部(図示せず)に導かれ、受光される。したがって、簡略化された検知装置とすることができる。
【0075】
〔実施の形態2〕
本発明の実施の他の形態について、図1および図10に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、実施の形態1と同様の機能を有する部材には同一の番号を付し、その説明を省略する。
【0076】
本実施の形態の盗難防止装置(図示せず)は、制御装置(図示せず)によって検知装置18の発光素子19からの光の出射が断続的になるように制御される点で、上記実施の形態1の盗難防止装置9と異なっている。それ以外の構成は、上記盗難防止装置9の構成と同じである。
【0077】
以下に、上記検知装置18を用いた盗難防止装置を利用した盗難防止システムについて、図10に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、ここでも実施の形態1と同様、盗難防止装置を車両に取り付ける場合を例に挙げることにする。
【0078】
先ず、実施の形態1と同様、車両のセキュリティシステムがオンに設定される(S6)。これにより、制御装置が作動し、検知装置18の発光素子19から光が出射される(S7)。該出射された光は反射体2a〜2dに入射する。そして反射体2a〜2dによって、反射光として略平行に反射された光は、受光素子4の受光部4a〜4dに導かれる。そして受光部4a〜4dで受光されると(S9)、発光素子18からの光の出射は所定の時間停止される(S10)。所定時間、光の出射が停止された後(S11)、再びS7〜S11の動作が繰り返される。
【0079】
そして実施の形態1と同様、受光素子4の受光部4a〜4dの少なくとも1つの受光部で光が受光されなくなる。これにより、受光部4a〜4dで変換される電気信号に変化が生じることで、制御装置は警報装置を作動させ、盗難防止動作が行なわれる(S12)。
【0080】
このとき、例えば、発光素子19からの光の出射を1secにつき、1ms程度の発光時間として、発光素子19からの光の出射を断続的に行なえば、発光素子19の消費電力を1/1000に低減できる。これにより、検知装置18における消費電力を低減することができる。
【0081】
【発明の効果】
本発明の検知装置は、以上のように、出射された光と反射された光とを分岐する光分岐手段をさらに備えるとともに、反射手段は入射光と略平行となるように反射光を反射する再帰性を有し、かつ、前記反射手段を複数備え、前記発光手段から出射された光を複数の光に分割するとともに、これら複数の光を前記複数の反射手段へ導く光分割偏向手段を光軸上に備えている構成である。
【0082】
それゆえ、発光手段から出射された光が、反射手段に入射するように光軸調整さえすれば、前記受光手段では必ず受光することができる。これにより、厳密な光軸調整を必要としない検知装置が得られるという効果を奏する。
そして、1つの発光手段から出射された光を、複数の反射手段に同時に入射することができるという効果を奏する。
【0083】
本発明の検知装置は、以上のように、発光手段は半導体レーザあるいは発光ダイオードであり、さらに、光軸上にコリメートレンズを備える構成である。
【0084】
それゆえ、発光手段を半導体レーザあるいは発光ダイオードとすることで、検知装置の小型化、軽量化、低コスト化を実現することができる。また、コリメートレンズによって、反射手段では光が効率よく反射されるとともに、受光手段で効率よく受光することができるという効果を奏する。
【0085】
本発明の検知装置は、以上のように、発光手段は面発光レーザである構成である。
【0086】
それゆえ、簡略化された検知装置とすることができるという効果を奏する。
【0087】
本発明の検知装置は、以上のように、反射手段は、コーナーキューブプリズムである構成である。
【0088】
それゆえ、受光手段で効率よく受光することができるという効果を奏する。
【0089】
本発明の検知装置は、以上のように、反射手段は、入射する発光手段からの光のビーム径よりも有効径が小さいコーナーキューブプリズムを複数有するシート状である構成である。
【0090】
それゆえ、反射手段の設置位置が曲面であっても、上記曲面に対して適切に取り付けることができるという効果を奏する。
また、本発明の検知装置は、以上のように、前記発光手段から出射された光が前記受光手段で受光されると、前記発光手段からの光の出射を所定時間停止する構成である。
それゆえ、検知装置における消費電力を低減することができるという効果を奏する。
【0093】
本発明の検知装置は、以上のように、光分割偏向手段はブレーズ化された光回折素子である構成である。
【0094】
それゆえ、受光手段でより効率よく受光することができるという効果を奏する。
【0095】
本発明の検知装置は、以上のように、反射手段に入射する光のビーム径は、反射手段の有効径よりも大きい構成である。
【0096】
それゆえ、検知装置の作成誤差、部品取り付け誤差、経年変化等で光軸のずれが生じても、その都度光軸調整を行なう必要がなくなるという効果を奏する。
【0097】
本発明の盗難防止装置は、以上のように、上記いずれかの検知装置と、警報装置と、上記検知装置からの信号に基づいて警報装置を制御する制御装置とを備える構成である。
【0098】
それゆえ、厳密な光軸調整を必要としない検知装置により、簡単に取り付けられる盗難防止装置が得られるという効果を奏する。
【0099】
本発明の盗難防止システムは、以上のように、盗難防止装置を用いる構成である。
【0100】
それゆえ、盗難防止装置によって盗難者を検知して、盗難防止動作を行なうことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる検知装置の概略の構成を示す平面図である。
【図2】(a)は上記検知装置における第1の光回折素子の正面図であり、(b)は上記検知装置における受光素子の正面図である。
【図3】上記検知装置を用いた盗難防止装置の概略の構成を示すブロック図である。
【図4】上記検知装置が車両の車内に取り付けられている状態を示す概略の平面図である。
【図5】上記盗難防止装置を用いた盗難防止システムの動作を示すフローチャートである。
【図6】上記検知装置の変形例を示すものであり、概略の構成を示す平面図である。
【図7】上記検知装置の変形例を示すものであり、概略の構成を示す平面図である。
【図8】(a)は図7の検知装置における光回折素子の正面図であり、(b)は図7の検知装置における受光素子の正面図である。
【図9】発光素子として面発光レーザを用いた場合の検知装置の概略の構成を示す平面図である。
【図10】図9の検知装置を用いてなる盗難防止装置を用いた盗難防止システムの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 受発光ユニット
2a〜2d 反射体(反射手段)
3 発光素子(発光手段)
4 受光素子(受光手段)
4a〜4d 受光部
5 コリメートレンズ
6 第1の光回折素子(光分割変更手段)
7 第2の光回折素子(光分岐手段)
8 検知装置
9 盗難防止装置
10 設定装置
11 制御装置
12 警報装置
14 検知装置
15 受発光ユニット
16 検知装置
17 受発光ユニット
30 面発光レーザ
Claims (10)
- 発光手段と、該発光手段から出射された光を反射する反射手段と、該反射手段で反射された光を受光する受光手段とを備えた検知装置において、
前記出射された光と前記反射された光とを分岐する光分岐手段をさらに備えるとともに、前記反射手段は入射光と略平行となるように反射光を反射する再帰性を有し、かつ、
前記反射手段を複数備え、前記発光手段から出射された光を複数の光に分割するとともに、これら複数の光を前記複数の反射手段へ導く光分割偏向手段を光軸上に備えていることを特徴とする検知装置。 - 前記発光手段は半導体レーザあるいは発光ダイオードであり、さらに、光軸上にコリメートレンズを備えることを特徴とする請求項1に記載の検知装置。
- 前記発光手段は面発光レーザであることを特徴とする請求項1に記載の検知装置。
- 前記反射手段は、コーナーキューブプリズムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の検知装置。
- 前記反射手段は、入射する前記発光手段からの光のビーム径よりも有効径が小さいコーナーキューブプリズムを複数有するシート状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の検知装置。
- 前記発光手段から出射された光が前記受光手段で受光されると、前記発光手段からの光の出射を所定時間停止することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の検知装置。
- 前記光分割偏向手段はブレーズ化された光回折素子であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の検知装置。
- 前記反射手段に入射する光のビーム径は、前記反射手段の有効径よりも大きいことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の検知装置。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の検知装置と、警報装置と、上記検知装置からの信号に基づいて警報装置を制御する制御装置とを備えることを特徴とする盗難防止装置。
- 請求項9に記載の盗難防止装置を用いることを特徴とする盗難防止システム。
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