JP2003345981A - 年金資産配分算出装置 - Google Patents
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Landscapes
- Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
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Abstract
の成熟時期の資産配分を有用なかたちで提供する。資産
配分に有用な多期間基本ポートフォリオの情報を提供す
る。直近と成熟時期の重視の度合いを制御可能にする。 【解決手段】 多期間資産配分計算部24は、多期間最
適化モデルを用いて複数の予測時点の各々における資産
配分を求める。複数の予測時点は、現在に近い予測時点
の密度よりも、現在から遠い予測時点の密度が低くなる
ように設定される。乱数から作られる多数のシナリオが
用いられる。基本ポートフォリオ生成部44は、多期間
資産配分から、各資産の配分変動幅、平均期待収益率、
平均リスクをポートフォリオ管理上の有効パラメータと
してもつ多期間基本ポートフォリオを求める。多期間最
適化モデルは、現在に近い未来の期待富と現在から遠い
未来の期待富の重み付け加算に対応しており、重み付け
の調整が可能である。
Description
算する情報処理装置に関し、特に、年金の資産負債管理
に適した、多期間の資産配分を求める装置に関する。
y Management)は、資産と負債を適切にバランスするよ
うに統合的に管理するための手法である。ALMでは、
情報処理装置が統計的な処理を行って、ALMに必要な
情報を提供する。こうしたALM技術への注目が高まっ
ており、この点は年金(例えば厚生年金)においても同
様である。ALMの一環として、適切な資産配分が求め
られる。すなわち、ALMは、複数種類の資産へ、全資
産がどのように分配されるべきかを求める。資産配分手
法として、1期間最適化手法と多期間最適化手法が知ら
れている。
いられる典型的なロジックを示している。このロジック
は、平均・分散モデルを用いる。図示のように、効率的
フロンティアは曲線を描く。効用曲線の傾きが設定され
ると、効用曲線と効率的フロンティアが一点で接すると
きの接点が決まる。この接点が、最適ポートフォリオ、
すなわち最適な資産配分を示す。
かの限界および難点がある。(1)まず、図2の右側に
示すように期中における各資産の期待収益率μおよび標
準偏差σの変動が多い場合(投資機会が一定でない場
合)、1期間モデルの解は十分といえない。(2)1期
間モデルは、すべての年金スポンサーについて、同一の
効率的フロンティアを前提としなければならない。
(3)1期間モデルは、期中の資産配分行動の変化を記
述できず、いわゆる買い持ち戦略の答しか出せない。
(4)1期間モデルは、期中の負債側キャッシュフロー
の変化を制約条件に反映できない。(5)収益率やリス
クの推移についての見通しがあっても、そのような見通
しを1期間モデルは記述できない。特に、1期間モデル
は、収益率の自己相関に対応できない。
ル)は、1期間モデルにはない長所をもつものとして注
目されている。多期間モデルは、複数の時点における最
適資産配分を求めることができる。多期間モデルとして
は、確率制御(動的確率計画)モデルおよびシナリオツ
リー型モデルが知られている。
間モデルである。確率制御モデルは、「Lifetime Portf
olio Selection under Uncertainty: The Continuous-T
imeCase」(マートン(R.C. Merton)、The Review of
Economics and Statistics,51(1669),pp.247-257)に記
載され、また、「Lifetime Portfolio Selection byDyn
amic Stochastic Programming」(サミュエルソン(P.
A. Samuelson)、TheReview of Economics and Statist
ics, 51(1969), pp.239-246)に記載されている。しか
し、確率制御モデルは、一般に解を得るのが困難であっ
た。
ーを用いた確率計画モデルである。確率制御モデルの解
を得るのが困難なので、一般にはシナリオツリーモデル
が、コンピュータの高速化に伴って発達しており、大規
模な問題を解くことも行われている。例えば、5期間、
7資産の資産配分が可能なモデルが実用化されている。
シナリオツリー型モデルでは、コンピュータの制約が問
題になるといわれる。シナリオツリー型モデルでは、資
産数および期間数を増やして不確実性の記述を詳細にす
ると、シナリオの数が爆発的に増加する。最新のコンピ
ュータを用いても、実用レベルで解を得るのが困難な場
合がある。
計画モデル」(枇々木、Journal ofthe Operations Res
earch Society of Japan Vol.44,No.2,June2001,169
〜193頁)は、改良された多期間最適化モデルとし
て、「シミュレーション型多期間確率計画モデル」(mu
lti-period stochastic programming model using simu
lated paths)を開示している。これは、モンテカルロ
シミュレーションによるパスを用いて不確実性を記述し
た確率制御(動的確率計画)モデルの枠組みのもとで、
線形計画問題として記述できるモデル(定式化)であ
る。このモデルでは、従来想定している投資決定ルール
が変更される。ポートフォリオ最適化問題が、通常使わ
れる投資比率の代わりに投資額または投資量を求める問
題として記述される。線形計画問題として定式化が可能
になり、大規模な問題でも大域的最適解の導出が保証さ
れ、実務的にも有用なモデルである。上記文献は、シミ
ュレーション型多期間確率計画モデルの典型的な3つの
タイプ、すなわち投資比率決定モデル、投資額決定モデ
ルおよび投資量決定モデルの定式化を開示している。
ョン/ツリー混合型多期間確率計画モデル」(枇々木、
ジャフィー・ジャーナル,〔2001〕,89〜119
頁)は、もう一つの改良された多期間モデルとして、
「シミュレーション/ツリー混合型多期間確率計画モデ
ル」を開示している。シナリオツリー型モデルは、「投
資の意思決定の適切さ」を重視したモデルであるが、
「不確実性の記述の精細さ」を重視するとシナリオの数
が膨大になるという欠点をもつ。一方、シミュレーショ
ン型モデルは、「不確実性の記述の精細さ」を重視した
モデルであるが、パスに依存した意思決定の最適化がで
きないので「投資の意思決定の適切さ」に欠けるという
欠点がある。「シミュレーション/ツリー混合型多期間
確率計画モデル」は、両モデルの長所をミックスしたモ
デル、すなわち、シナリオツリー型モデルの「投資の意
思決定の適切さ」とシミュレーション型モデルの「不確
実性の記述の精細さ」を組み合わせたモデルである。
確率計画モデル」は、将来の資産価格の不確実な変動
を、モンテカルロシミュレーションによって生成された
複数のサンプル・パス(シミュレーション経路)を用い
て記述する。投資の意思決定に関しては、シナリオツリ
ーのように時間経過とともに意思決定を行うノードが広
がる条件付き意思決定が許される。ここでは、危険資産
に対して同一の意思決定を行うノードでシミュレーショ
ン経路が束ねられ、意思決定のためのツリー(拡張決定
ツリー(Extended Decision Tree))が生成される。こ
れにより、シミュレーション型モデルの中に意思決定の
適切さが加えられる。拡張決定ツリーは、シミュレーシ
ョンにより発生されたパスを、例えばクラスター分析に
より分類することで生成できる。ある期間1の収益率を
用いてクラスター分析を行い、グループ分けを行った
ら、次の期間2では、各グループ毎に再度クラスター分
析を行い、グループに分ける。このような処理を時間と
ともに逐次的に行う(逐次的クラスタリング法)。
最適化モデルは、複数の時点における最適資産配分を求
めることができ、これにより有用な情報が得られる。多
期間最適化モデルは、年金の資産配分を求めるためにも
有用である。従来の多期間最適化モデルは、そのまま年
金のALMに適用することも可能ではある。しかし、年
金のALMに適した更に有用な情報を得るためには、更
なる改良が望まれる。
近の資産配分(例えば1年後)が重要な情報である。年
金の場合は一概にそうはいえない。年金には、長時間か
かって成熟するという特徴がある。成熟過程では、はじ
めのうちは掛け金が多いが、年数が経過すると給付金が
増えていく。この点を考慮すると、年金のALMにおい
ては、多期間最適化モデルは、直近の情報だけでなく、
年金が成熟する頃の情報も提供することが求められる。
そして、それら情報を有用なかたちで、すなわち資産管
理に役立てやすいかたちで提供することが求められる。
ポートフォリオを導出できるが、1期間が長期(例えば
5年)にわたる場合、その期間中の資産配分調整に関し
て適切な情報を提供することは困難である。多期間最適
化モデルにおいて、仮に期間中の各資産毎の適切な資産
配分情報を提供できれば、そのような情報は資産管理に
とって非常に有用であると考えられる。
関して、年金のALMでは、直近を重要視する情報が求
められる場合もあれば、成熟期を重要視する情報が求め
られる場合もある。このような要求に応え、重要視する
時期を多期間最適化モデルが制御可能であれば、より有
用な情報を提供できると考えられる。
を適用するときは、上述のように、成熟期を見込んだ情
報が求められる。長期間の情報を求めようとすると、計
算量が多くなりやすい。計算量の増大は情報処理にとっ
て不利である。そこで、有用な計算結果が得られること
を確保しつつ、計算量を効果的に削減することが求めら
れる。
り、その目的は、年金管理に適した多期間最適化モデル
を用いる資産配分算出装置を提供することにある。
出装置は、年金の資産情報を取得する資産情報取得手段
と、前記年金の負債情報を取得する負債情報取得手段
と、多期間最適化モデルを用いて前記資産情報および前
記負債情報に基づき多期間資産配分を求める多期間資産
配分計算部と、を含み、前記多期間資産配分計算部は、
複数の予測時点の各々における資産配分を求め、前記複
数の予測時点は、現在に近い予測時点の密度よりも、現
在から遠い予測時点の密度が低くなるように設定され
る。現在に近い予測時点は、現在時点を含んでよい。
に近い複数の短期予測時点、および、前記複数の短期予
測時点より遠くに、前記複数の短期予測時点より粗く設
定された少なくとも一の長期予測時点で構成される複数
の長短混合予測時点である。
所定の短予測期間に設定された複数の短期予測時点、お
よび、短予測期間の先で年金成熟が予想される時期まで
の長予測期間に、前記短期予測時点よりも粗く設定され
た少なくとも一の長期予測時点で構成される。短予測期
間および短期予測時点は現在時点を含んでよい。
各年(現在、1年後・・・4年後)と、5年後、10年
後および15年後の資産配分を求める。このとき、直近
の5年間が短予測期間であり、直近の5年間の各年が短
期予測時点である。そして5年を越えて20年までが長
予測期間であり、5年後、10年後および15年後が長
期予測時点である。
置は、複数の予測時点の各々における資産配分を求め、
前記複数の予測時点は、現在に近い予測時点の密度より
も、現在から遠い予測時点の密度が低くなるように設定
される。近い未来に細かく設定された複数の予測時点の
情報は、どのように現在の資産を活用するかの決定に有
用である。より遠くに粗く設定された予測時点の情報
は、成熟するという年金の特性に適応しており、年金が
成熟する頃の状況を見渡すために有用である。後者の情
報の予測時点は、細かく設定されるよりもむしろ、本発
明のように粗く設定されることで、年金が成熟する頃の
適切な資産配分の概略的把握、検討を容易にする。本発
明の装置は、これらの設定間隔が異なる予測時点の情報
を組み合わせた情報を提供するので、直近の情報および
年金が成熟する頃の情報を、有用なかたちで、すなわち
資産管理に役立てやすいかたちで提供することができ
る。
用されてよい。本発明は、上述の確率制御(動的確率計
画)モデル、シナリオツリー型モデル、シミュレーショ
ン型多期間確率計画モデル、シミュレーション/ツリー
混合型多期間確率計画モデルのいずれに適用されてもよ
い。好ましくは、本発明は、シミュレーション型多期間
確率計画モデルおよびシミュレーション/ツリー混合型
多期間確率計画モデルに適用される。このとき、前出の
クラスター分析は行われなくてもよい。
の予測時点のうちの密度が高い部分の多期間資産配分に
基づいて、各資産の最大配分および最小配分に応じた配
分変動幅と、前記密度が高い部分の多期間資産配分の平
均期待収益率および平均リスクとをポートフォリオ管理
上の有効パラメータとしてもった多期間基本ポートフォ
リオを求める基本ポートフォリオ算出部を含む。好まし
くは、密度の高い部分の資産配分は、複数の短期予測時
点の資産配分である。例えば、多期間資産配分におい
て、国内債券の最大配分が3年目の48%であり、最小
配分が5年目の28%であるとき、配分変動幅は20%
(48−28%)に設定される。また好ましくは多期間
基本ポートフォリオの平均的構成比率が配分変動幅の中
に適当に設定される。例えば、多期間基本ポートフォリ
オの平均的構成比率は38%(配分変動幅の中央)に設
定される。平均的構成比率は、配分の平均値でもよい。
さらに、本発明によれば、多期間資産配分の配分変動幅
とともに、多期間資産配分の平均期待収益率および平均
リスクが提供される。こうして、本発明によれば、1期
間モデルでは提供できなかった多期間基本ポートフォリ
オとその特性を容易に把握するためのいくつかの情報を
提供でき、したがって資産管理に有用な情報を提供でき
る。
は、現在に近い未来の期待富と現在から遠い未来の期待
富の重み付けを調整する重み付け調整手段を含み、前記
多期間最適化モデルは、重み付けおよび加算された現在
に近い未来の期待富および現在から遠い未来の期待富に
対応したモデルである。現在に近い未来の期待富は、好
ましくは短予測期間に関する期待富であり、現在から遠
い未来の期待富は、長予測期間に関する期待富である。
前出の例では、複数の予測時点が、直近の5年間の各年
(現在、1年後・・・4年後)と、5年後、10年後お
よび15年後に設定される。このとき、例えば、近い未
来の期待富は、短予測期間の資産配分により得られる5
年後の期待富であり、遠い未来の期待富は、長予測期間
の最後である20年後の期待富である。本発明では、重
み付けに応じて、何時の期待富を重要視するかの時期が
変わる。したがって、重み付けの調整により、資産配分
を求める上で重要視すべき時期を制御できる。現在に近
い時期を重要視した資産配分情報を得ることができ、ま
た、現在から遠い時期を重要視した資産配分情報を得る
ことができる。
は、乱数を用いて、未来の予測資産を表す多数のシナリ
オを発生させる市場環境予測部と、前記シナリオを用い
て、期待富およびリスク尺度に基づく多期間最適化モデ
ルを計算することにより多期間資産配分を求める多期間
最適化モデル計算部と、を含む。
部は、前記複数の予測時点に対応するリスク尺度に基づ
く多期間資産配分を求める。複数の予測時点は好ましく
は上述の長短混合予測時点である。前出の例では、複数
の予測時点が、直近の5年間の各年(現在、1年後・・
・4年後)と、5年後、10年後および15年後に設定
される。このとき、例えば、1年後、2年後・・・5年
後、10年後、15年後および20年後のリスク尺度が
適用される。この例では、直近の5年間に関して、予測
時点の現在時点が、リスク尺度時点の1年後と対応す
る。資産配分から該当期間に発生するリスクを考慮する
ためである。同様に、予測時点の1〜4年後が、リスク
尺度の2〜5年後と対応する。このようなかたちも、資
産配分の予測時点に対応するリスク尺度を用いることに
該当する。シナリオを用いてリスク尺度を求めるとき
は、リスクが各シナリオから求められ、集められる。好
ましい一形態では、リスクは、予想資産残高が負債(典
型的には必要責任準備金)を下回る部分である。このよ
うな部分が、各時点の各シナリオから求められ、各時点
のリスク尺度が求められる。本発明では、比較的遠い未
来の資産配分が求められる。しかし、遠い未来までの長
期間に渡って細かくリスク尺度を求めると、計算量が膨
大になる。本発明では、リスク尺度が求められるべき時
点が、複数の予測時点に対応する時点に限定される。こ
れにより、有用な計算結果が得られることを確保しつ
つ、計算量を効果的に削減できる。
部は、重み付けおよび加算された現在に近い未来の期待
富および現在から遠い未来の期待富に基づく多期間資産
配分を求める。重み付けに応じて、何時の期待富を重要
視するかの時期が変わる。したがって、本発明によれ
ば、重み付けを用いることにより、資産配分を求める上
で重要視すべき時期を適当に設定できる。現在に近い時
期を重要視した資産配分情報を得ることができ、また、
現在から遠い時期を重要視した資産配分情報を得ること
ができる。
態様には限定されない。本発明の別の態様は、例えば、
年金資産配分を算出するコンピュータ処理方法であり、
また例えば、その処理方法をコンピュータに実現させる
プログラムであり、また例えばそのプログラムを記録し
たコンピュータ可読媒体である。同プログラムは、ネッ
トワーク等の通信で提供されてもよい。
(以下、実施形態という)を図面を参照して説明する。
示している。年金資産配分算出装置1は、CPU3、R
OM5、RAM7、ハードディスク9、媒体装着部1
1、入力装置13、出力装置15および通信装置17を
含む。
ータで構成されてよい。本装置1を実現するためのプロ
グラムがハードディスク9に格納され、そのプログラム
がCPU3により実行される。プログラムは、例えば媒
体装着部11に装着された記録媒体(フレキシブルディ
スク、CD−ROM等)から入手される。
びポインティングデバイスを含む。入力装置13は、年
金の資産情報および負債情報の入力に用いられ、その他
の各種指示および情報の入力に用いられる。出力装置1
5は典型的にはディスプレイおよびプリンタを含む。出
力装置15は、算出された資産配分を出力して、ユーザ
に提示する。出力装置15は、その他の各種案内および
計算結果なども出力する。ユーザの入力を受け付けるた
めの画面も、出力装置15のディスプレイに表示され
る。
通じて他のコンピュータと通信を行う。本装置1は、通
信装置17を通じて資産情報および負債情報を入手して
もよい。また、本装置1は、通信装置17を通じて計算
結果等を送ってもよい。このとき、通信装置が入出力装
置として機能していると見ることができる。そして、こ
のように、本装置1は、他のコンピュータから通信を使
って利用可能であってもよい。
明したが、年金資産配分算出装置1は、上記のハードウ
エア構成には限定されないことはもちろんである。例え
ば、分散配置された複数のコンピュータが年金資産配分
算出装置1を構成できる。また、各構成要素に関しても
変形が可能である。例えば、入力装置13がスキャナを
含み、文字認識により情報が入手されてもよい。
ウエア構成を示す機能ブロック図である。各機能は、コ
ンピュータを本装置1として機能させるためのプログラ
ムをコンピュータが実行することにより実現される。
得し、負債情報取得部22は年金の負債情報を取得す
る。情報の取得には入力装置13が好適に用いられる。
媒体装着部11および通信装置17も情報取得に使用さ
れてよい。多期間資産配分計算部24は、多期間最適化
モデルを用いて資産情報および負債情報に基づき多期間
資産配分を求める。
26によりユーザに提示される。このとき、ALM情報
提示部26は、資産配分提示手段として機能する。AL
M情報提示部26は、例えば、出力装置を用いて資産配
分を出力することで、情報をユーザに提示する。ALM
情報提示部26は、通信装置17を出力手段として用い
て、通信装置17を介して接続されたコンピュータのユ
ーザに情報を提示してもよい。また、媒体装着部11を
出力手段として用いて、情報が記録媒体に格納されても
よい。
でなく、ALMに関する他の情報も求めてよい。そのよ
うな情報もALM情報提示部26により出力手段を用い
てユーザに提示される。例えば、負債の予測情報が提示
される。
明する。
産情報の例を示している。資産情報取得部20は、複数
種類の資産の各々に対する現在の投資額の情報を取得す
る。典型的には、図5の画面がディスプレイに表示さ
れ、ユーザがキーボードを用いて投資額を入力する。こ
の入力された投資額が資産情報取得部20により取得さ
れる。
情報を取得する。本実施形態では、取得される情報は、
主として、年金の負債を予測するのに必要な情報であ
る。
て、加入者統計、脱退者統計、受給待機者統計および受
給中死亡者統計等の情報を取得する。また、負債情報取
得部22は、計算基礎率の情報として、予定脱退率、予
定死亡率、予定利率、予定給与指数、新規採用人員計画
および新規加入員年齢構成の情報を取得する。これら情
報も、典型的には、キーボードを用いてユーザにより入
力される。図6は、入力画面の例を示している。
れるように、市場環境予測部30、負債予測部34、多
期間最適化モデル計算部36および基本ポートフォリオ
生成部44を含む。
表す情報を生成する。市場環境予測部30は、より詳細
には、乱数を用いて収益率を予測し、収益率と資産情報
から未来の資産残高を予測する。予測資産残高はシナリ
オと呼ばれ、この点で市場環境予測部30はシナリオ生
成部といえる。
の平均分散型モデルと異なり、期間ごとに異なる収益率
の分布を仮定し、その分布に従う収益率の値を発生する
ことが求められる。この要求に応えるため、市場環境予
測部30は、例えば収益率予測モデルとして、以下に説
明する多期間平均分散型モデルを用いる(期待収益率型
モデル)。市場環境予測部30は、年金ALMの資産に
関して長期間の収益率を予測するので、本実施形態の収
益率予測モデルは、年金ALM資産収益率長期予測モデ
ルということもできる。
は、各資産種類(短期資産等)の収益率が、「該当期の
期待収益率」と「乱数」の和で表される。標準の期待収
益率は例えば直近の平均値であり、ユーザが予測値を入
力することもできる。各資産の収益率を形成する乱数
は、平均が0で、資産間、時点間で相関をもつように発
生させる。
理、すなわち、期待収益率型モデルとそれを用いた資産
予測をより詳細に説明する。
シナリオ(資産残高分布)が得られる(シナリオ生
成)。予測期間は20年(1年後から20年後)であ
る。
ルは、Ri,t=E(Ri,t)+乱数、である。このモデル
式は、収益率の予測値Rを得るためのものである。添え
字iは、資産の種類(短期資産、国内株式等)であり、
添え字tは時点を表す。したがってRi,tは、資産種類
i、時点tの収益率である。
時点tの収益率の期待値である。第2項の乱数は、乱数
発生部32(図4)により生成される。乱数発生部32
は、メルセンヌツイスターにより多数の一様乱数を発生
させる。発生した乱数は、モロの方法により正規乱数
(N(0,1))に変換される。
で、資産間、時点間の相関をもつように(図7中に示さ
れる相関係数をもつように)発生させる。ここでは、表
中の一行の相関係数の合計に、一つの乱数が掛けられ
る。図7の表の相関係数は、各乱数に対して共通に適用
される。このようにして発生した乱数が、図7のモデル
第2項の乱数部分に代入される。
々について行われる。すなわち、モデル式の乱数部分に
多数の乱数が代入される。これにより、予想収益率分布
が得られる。予想収益率分布の各々は、各資産種類(短
期資産、国内株、国内債、外国株(為替フルヘッジ)、
外国株(為替ノーヘッジ)、外国債(為替ノーヘッジ)
等)の、各時点(1〜20年の各年)の収益率を表す。
率分布から未来の予測資産額を求める。ここでは、市場
環境予測部30は、各資産種類の予測収益率分布と、資
産情報取得部20により取得された各資産種類の初期資
産額とから、各時点における資産種類ごとの予測資産額
を作る。収益率分布に対応して予測資産額シナリオが作
られる。
されたシナリオを示している。図示のように、得られた
シナリオの数は1万である。各シナリオは、各資産種類
の、各時点における予測資産額をもつ。なお、上記の処
理における乱数の数は、パス(シナリオ)の数*資産数
*期間数(例えば20年のときに240ヶ月)で与えら
れる。
予測処理を説明した。ただし、市場環境予測部30は、
上記の構成に限定されない。例えば、既に説明した「最
適資産配分問題に対するシミュレーション/ツリー混合
型多期間確率計画モデル」(枇々木、ジャフィー・ジャ
ーナル,〔2001〕,89〜119頁に開示)は、シミ
ュレーションによって生成された複数のサンプル・パス
(シミュレーション経路)を、クラスター分析によって
束ねる。本実施形態も、このクラスター分析に準じるポ
ートフォリオベース・クラスタリング法を使用すること
が好適である。
資産を予測してもよい。例えば、市場環境予測部30
は、SVAR(Structured Vector Autogression)型モ
デルを用いてもよい。SVAR型モデルでは、過去のデ
ータを基に次の関数を推計し、当期内にのみ相関構造を
もつ乱数を発生させる。SVAR型モデルは、概略的に
は、(α×自己の過去の収益率)+(β×他資産の過去
の収益率)+乱数分布、である(α、βは定数)。より
詳細には、SVAR型モデルは、Ri,t=αi,t-n・Ri,
t-n + βj,t-n・Rj,t-n +乱数、で表される。添え字
i,jは資産種類を表し、t−nは、n(=1,2,・
・・)期前のラグ付きであることを表す。jは、i以外
(j≠i)のすべての資産である。
負債予測部34は、負債情報取得部22により取得され
た情報から将来の負債を予測する。前述のように、負債
情報取得部22は、基本データとして、加入者統計、脱
退者統計、受給待機者統計および受給中死亡者統計等の
情報を取得する。また、負債情報取得部22は、計算基
礎率の情報として、予定脱退率、予定死亡率、予定利
率、予定給与指数、新規採用人員計画および新規加入員
年齢構成の情報を取得する。負債予測部34は、基本デ
ータから、計算基礎率を用いて、責任準備金、キャッシ
ュフロー(掛け金額(率))、成熟度(人員構成)を求
める。
死亡率、予定利率、予定給与指数、新規採用人員計画、
新規加入員年齢構成)で表され、これら要素の関数であ
る(このfは関数を意味する)。責任準備金の予測に
は、周知のALMにおける負債の予測計算技術が適用さ
れてよい。本実施形態では、複数の時点の必要責任準備
金が求められる。
デルの計算にて用いられ、後段の計算は、後述するよう
に、具体例では、1年後、2年後、3年後、4年後、5
年後、10年後、15年後、20年後の8時点の責任準
備金を用いる。そこで、ここでは、少なくともこれら時
点の責任準備金が求められる。
負債が予測された。変形例では、負債の予測情報、例え
ば責任準備金の予測値が年金資産配分算出装置1に取得
されてもよい。この場合は、取得された情報がそのまま
後段のモデルで使われてよい。この種の変形は、年金資
産配分算出装置1の他の要素に関しても同様に適用可能
である。
いて説明する。多期間最適化モデル計算部36は、シナ
リオを用いて、期待富およびリスク尺度に基づく多期間
最適化モデルを計算することにより多期間資産配分を求
める。多期間最適化モデル計算部36は、図4に示され
るように、重み付け設定部38、期待効用関数設定部4
0および資産配分変更部42を含む。これらの構成の機
能は、多期間最適化モデルの計算処理の説明中で述べ
る。
計算部36が何時の時点の資産配分を求めるか、すなわ
ち、予測時点(予測目標時点、予測対象時点)の設定を
説明する。多期間最適化モデル計算部36は、複数の予
測時点における適当な資産配分を求める。そして、本実
施形態の特徴として、現在に近い予測時点の密度より
も、現在から遠い予測時点の密度が低くなるように、予
測時点が設定されている。
投資計画に有用な資産配分を得るのに適している時点で
ある。現在から遠い予測時点は、好ましくは年金の成熟
時期に基づいて設定される。現在から遠い予測時点は、
年金が成熟する頃のような、資産配分の将来像を把握す
るのに適した時点である。現在から遠い予測時点は一つ
でもよい。また、図9の例に示されるように、現在に近
い予測時点は、現在時点を含んでもよい。
期間最適化モデル計算部36は、複数の長短混合予測時
点の各々における資産配分を求める。複数の長短混合予
測時点は、現在に近い複数の短期予測時点、および、短
期予測時点より遠くに、短期予測時点より粗く設定され
た長期予測時点である。
測期間および長予測期間が設定される。短予測期間は、
短期の投資計画に適した適当な長さに設定される。長予
測期間は、短予測期間の先で年金制度の成熟が予想され
る時期を想定して、適当な長さをもつように設定され
る。短期予測時点は、短予測期間に設定され、長期予測
時点は長予測期間に設定される。そして、長期予測時点
は短期予測時点より粗く設定される。図9の例に示され
るように、短予測期間および短期予測時点は、現在時点
を含んでもよい。
であり、短期予測時点は、直近の5年間の各年(現時
点、1年後、2年後、3年後、4年後)である。そして
長予測期間は5年を起点に20年までであり、長期予測
時点は5年後、10年後および15年後である。
測期間は、ユーザにより適当に設定されてよい。短予測
期間は、現在の資産を近い将来にどのように配分すべき
かを検討するのに適当な比較的短い期間であればよい。
長予測期間は、短予測期間より先の将来像として計算結
果を利用できるような比較的長い期間であればよい。長
予測期間の終点である成熟時期は、特定の成熟状態が発
生する時期というように定められなくてもよく、成熟時
期は、ある程度遠くの適当な時期に設定されればよい。
基準に設定されているが、本発明はこれに限定されな
い。
長期予測時点は均等に設定されている。しかし、これら
時点は均等に設定されなくてもよい。予測時点の間隔
が、全予測期間において徐々に拡大してもよい。このと
き、短予測期間と長予測期間の境界が明瞭でないことも
あり得る。これに伴い、短期予測時点と長期予測時点が
明確に区別されないこともあり得る。このように境界が
明瞭でなくても、現在に近い予測時点の密度が、その先
の予測時点の密度より高ければ、短予測期間と長予測期
間が組み合わさっていると考えることができる。そし
て、短期予測時点と長期予測時点で複数の予測時点(長
短混合予測時点)が構成されると考えることができる。
したがって、このような予測時点の設定も、本発明の範
囲に含まれる。
この例では、短予測期間は、次回の財政再計算(5年に
1回)までの期間であり、その期間の各年が短期予測時
点である。長予測期間は短予測期間の先の15年間であ
り、その期間の0年目、5年目および10年目が長期予
測時点である。例えば財政再計算時期が3年後のとき、
予測時点は、現時点、1年後、2年後、3年後、8年
後、13年後である。年金の財政再計算は、予めその時
期が決められている。財政再計算までの期間の資産配分
は、短期の投資計画として有用である。この点で、本例
の予測時点設定は有利である。
ましいのに対して、長期予測時点は一つでもよい。例え
ば、図9において、長期予測時点が15年後のみでもよ
い。
化モデルを示している。図10のモデル式は、概略的に
は、期待富とリスク尺度の差を表す。このモデル式の値
が最大になる資産配分が、コンピュータの情報処理によ
り求められる。
棒は省略)および第2項のWT(横棒は省略)は期待富
を表し、シナリオから計算される。
に近い未来の期待富である。本実施形態では、現在に近
い未来の期待富は、短予測期間に得られる期待富であ
る。短予測期間は、直近の5年間であり、その最後は5
年後である。近い未来の期待富は、例えば短予測期間の
間に資産活用により得られる5年後の期待富である。こ
の場合、図10では、τ=4であり、τ+1=5であ
る。
られる。ここでは、市場環境予測部30により求められ
たシナリオが使用される。シナリオから、5年後の各資
産種類の資産残高が得られる。それら資産残高の合計が
求められる。1万のシナリオに対応して、1万の資産残
高合計が得られる。それら1万の資産残高合計の平均値
が求められる。この平均値が、5年後の期待富であり、
図10の第1項のWτ+1(横棒は省略)である。モデル
式では、5年後の期待富に、割引率dfτ+1が掛けられ
る。これにより、5年後の期待富の現在における価値が
求められる(割り戻し)。
遠い未来の期待富である。本実施形態では、現在から遠
い未来の期待富は、長予測期間に得られる期待富であ
る。長予測期間は、直近の5年間の先で、20年後まで
の期間である。本実施形態では、モデル式は、長予測期
間の終点である20年後の期待富を求める。図10で
は、T=20である。
様にして求められる。シナリオから、20年後の各資産
種類の資産残高が得られる。それら資産残高の合計が求
められる。1万の資産残高合計の平均値WT(横棒は省
略)が求められる。この平均値が、20年後の期待富で
ある。20年後の期待富に、割引率dfTが掛けられ
る。割引率dfTは、20年後の期待富の現在における
価値を求めるための係数である(割り戻し)。
が掛けられ、第2項には(1−ωW)が掛けられる。ωW
は、重み係数である(0≦ωW≦1)。この重み係数を
用いることにより、5年後の期待富(割り戻した値)と
20年後の期待富(割り戻した値)が重み付けおよび加
算(平均)される。
可能である。すなわち、重み付け調整手段が設けられ
る。重み付け調整手段は、図4の重み付け設定部38で
ある。重み付け設定部38は、重み係数を変更すること
により重み付けを調整する。
設定される。すなわち、ユーザにより重み係数が入力さ
れる。この入力に従い、重み係数が重み付け設定部38
により設定される。設定された重み係数が、多期間最適
化モデル計算部36により、モデルの計算に使用され
る。
するかの時期が変わる。したがって、重み付けの調整
は、資産配分を求める上で重要視すべき時期の制御を可
能にする。これにより、現在に近い時期を重要視した資
産配分情報を得ることができ、また、現在から遠い時期
を重要視した資産配分情報を得ることができる。
Wτ+1(横棒は省略)は5年後の期待富を表し、第2
項のWT(横棒は省略)は20年後の期待富を表す。し
かし、本発明はこの設定に限定されない。例えば、第1
項のWτ+1(横棒は省略)は、1年後、2年後、3年
後、4年後および5年後の期待富の平均であり、第2項
のWT(横棒は省略)は、10年後、15年後および2
0年後の期待富の平均でもよい。このとき、Wτ+1
(横棒は省略)およびWT(横棒は省略)に対応する各
年の期待富が求められ、それぞれについて平均が求めら
れる。
スク尺度を表す。Risktは、t時点のリスク尺度で
ある。t時点のリスクは、例えばt時点の資産残高がt
時点の責任準備金を下回る部分の大きさである。資産残
高は、市場環境予測部30が求めたシナリオから得られ
る。責任準備金は、負債予測部34により求められる。
であり、縦軸は金額である。シナリオ1、2のライン
は、資産残高(複数の資産種類の残高を合計した値)を
示す。点線は責任準備金である。シナリオ1の資産残高
は、2年後に責任準備金を下回る。このときの責任準備
金とシナリオ1の資産残高の差が、シナリオ1の2年後
のリスクである。シナリオ2の資産残高は、3年後に責
任準備金を下回る。このときの責任準備金とシナリオ2
の資産残高の差が、シナリオ2の3年後のリスクであ
る。
に説明する。本実施形態のリスク算出は、収益分布(富
の分布)の分散または標準偏差ではなく、その下方部分
をリスクとする下方リスクを用いている。下方リスクモ
デルとしては、LPM(Lower Partial Moments、下方
部分積率)およびCVaR(Conditional VaR、条件付
きバリューアットリスク、期待ショートフォール)を用
いたモデルが知られている。本実施形態は、LPMを用
いる。もちろん、CVaRが用いられてもよい。
うときのLPMは、図12の上側の式により表現でき
る。次数kはリスクの選好度合いを表すパラメータであ
る。LPMは、図12のWGを下回る部分の面積(不達成
確率)ではないことに注意を要する(k=0のときは、
不達成確率を表すことになる)。
いことを条件とした富の条件付期待値である。ポートフ
ォリオの富を表す確率変数をW、信頼水準100(1−
α)%のVaRをVaRα(W)とすると、CVaR(C
VaRα(W))は、図12の下側の式のように定義され
る。この式は、括弧内の右側の事象が成立する条件の下
での確率変数Wの条件付き期待値を表す。
限どの程度の富の水準を確保できるか(最高、どの水準
まで富が落ち込むか)」を計測する指標であるのに対
し、CVaRは「富がVaRを下回る場合に平均的にど
の程度の富の水準となるか」を測定する。富が正規分布
に従うことを仮定できない場合、VaRは信頼区間外の
富の状態を把握できないといった問題点を持つのに対
し、CVaRは、信頼区間外の富の状態も平均値の形で
取り込んでいるので、VaRよりも概念上優れたリスク
指標であるといわれる。
tは、全シナリオの各々から求められる。t時点のリス
クRisktに、ωR,tおよびdftが掛けられる。割引
率dftを掛けることにより、t時点のリスクに対応す
る現在の価値が得られる(割り戻し)。ωR,tは、t時
点におけるリスク尺度に対する重み係数であり、例えば
各時点の成熟度の重み係数(t時点の成熟度/全時点の
成熟度の合計)として計算される。
000)から求められたωR,t・dft・Risktが、
全部の時点tについて合計される(Σ)。そして、この
合計にγが掛けられる。γは、リスク回避係数であり、
効用関数の傾きである。γは、期待効用関数設定部40
(図4)により設定される値である。γの大きさに応じ
て、最適化されたポートフォリオのリターンとリスクが
変わる。一般に、γが小さいと、最適化されたポートフ
ォリオのリターンが大きくなる反面、リスクも大きくな
る。本実施形態では、γはユーザの要求に従って設定さ
れる。すなわち、ユーザによりγが入力されると、入力
に従ってγが設定される。ユーザは、リスクをどの程度
の大きさにするかを考えて、適当なγを入力する。
設定について説明する。本実施形態では、第3項におけ
る時点tは、複数の予測時点(資産配分を求めるべき時
点)に対応して設定されている。これにより、モデル計
算部36は、複数の予測時点に対応する期待リスクに基
づく多期間資産配分を求める。
の5年間の各年(現在、1年後・・・4年後)と、5年
後、10年後および15年後に設定される。これらに対
応して、リスク尺度に関する時点tは、1年後、2年後
・・・5年後、10年後、15年後および20年後に設
定される。この例では、直近の5年間に関して、予測時
点の現在時点が、リスク尺度時点の1年後と対応する。
資産配分から該当期間に発生するリスクを考慮するため
である。同様に、予測時点の1〜4年後が、リスク尺度
時点の2〜5年後と対応する。本実施形態においては、
このようなかたちで、資産配分の予測時点とリスク尺度
の時点が対応し、資産配分の予測時点に対応するリスク
尺度が適用される。
が各シナリオから求められ、集められる。また本実施形
態は、20年間といった長期間のリスク尺度を求める。
仮に長期間を細かく区切った各時点(20時点)のリス
ク尺度を求めるとすると、計算量が膨大になる。本実施
形態では、リスク尺度が求められるべき時点が限定され
ているので、有用な計算結果が得られることを確保しつ
つ、計算量を効果的に削減できる。
的な多期間最適化モデルを説明した。多期間最適化モデ
ル計算部36は、まず、初期の資産配分として現在の資
産配分を多期間最適化モデルに適用する。既に説明した
ように、現在の資産配分は、資産情報取得部20により
取得され、市場環境予測部30により、期待収益率分布
と資産配分からシナリオの資産残高が求められる。この
資産残高がモデル計算部36により使用される。また、
モデル計算部36は、負債予測部34により予測された
責任準備金を使用する。さらに、モデル計算部36は、
重み付け設定部38により設定された重み付け係数ωW
と、期待効用関数設定部40により設定された効用関数
の傾きγを用いる。こうして、モデル計算部36は、現
在の資産配分からモデル式の値を求める。
42が、初期の資産配分を変更する。モデル計算部36
は、変更された資産配分をモデル式に適用する。モデル
計算部36(市場環境予測部30)は、変更された資産
配分を、収益率分布と共に用いて、シナリオを求める。
このシナリオを用いてモデルの計算が行われる。これに
より、変更された資産配分に対応するモデル式の値が求
められる。
デル式の計算を繰り返し、そして、モデル式の値が最大
になるような資産配分を求める。最大値を求めるための
適当な情報計算処理、例えば、所定の適当な基準値を使
った収束計算が行われればよい。こうして得られる資産
配分が、最適な初期の資産配分である。
資産配分から、期待収益率分布を用いて、複数の予測時
点の各々における資産配分を算出する。複数の予測時点
は、図9に示したように、現時点(=初期)、1年後、
2年後、3年後、4年後、5年後、10年後および15
年後である。
している。図13は、γ=4およびγ=5のときの資産
配分を示している。計算結果は、各予測時点における各
資産種類への資産配分を示している。計算結果である適
切な資産配分は、ALM情報提示部26(図4)により
ユーザに提示される。
数の傾きであり、ユーザにより入力される。γは、例え
ば、図示のように、0、1、2、3、4、5、7、1
0、25および10000の中から選択される。γが大
きいほど傾きが大きくなる。10000は、傾きが垂直
に近いことを示す。
に、ユーザが設定したγから資産配分を求める。しか
し、γは、ユーザにより設定されず、予め設定されても
よい。また、モデル計算部36は、複数のγの各々から
適切な資産配分を計算してもよい。こうして得られる複
数の最適資産配分は、そのすべてがユーザに提示されて
もよく、一部がユーザに提示されてもよい。これらの点
は、重み付け係数ωWに関しても同様である。
は、さらに、基本ポートフォリオ生成部44を有する。
基本ポートフォリオ生成部44は、本発明の多期間基本
ポートフォリオ算出部として機能し、多期間最適化モデ
ル計算部36が求めた資産配分から多期間基本ポートフ
ォリオを求める。
形態の特徴の一つである多期間基本ポートフォリオを求
める。多期間基本ポートフォリオは、複数の予測時点の
うちの密度が高い部分の資産配分に基づいて求められ
る。本実施形態では、短予測期間の複数の短期予測時点
(現時点、1年後、2年後、3年後、4年後)の最適資
産配分に基づいて求められる。そして、多期間基本ポー
トフォリオは、各資産の平均配分、最大配分、最小配
分、それらの配分変動幅、並びに平均期待収益率、平均
リスク等のポートフォリオ管理上の有効パラメータをも
つポートフォリオである。なお、各短期予測時点での実
際の資産配分は、例えば売買コストなどを考慮して、各
年の配分の多期間基本ポートフォリオからの乖離を制約
条件として決定される。
資産配分(上段)と、その最適資産配分から得られる平
均的構成比率、配分変動幅といった多期間基本ポートフ
ォリオの特性(下段)を示している。例えば、図14の
上段において、国内債券の最大配分が3年目の48%で
あり、最小配分が5年目の28%であるとき、配分変動
幅は20%(48−28%)に設定される。
率は、配分変動幅の中に適当に設定される。図14の例
では、平均的構成比率は、配分変動幅の中央に設定され
る(国内債券では38%=(48+28)/2)。平均
的構成比率は、5年間の配分の平均でもよい。図14に
示されるように、多期間基本ポートフォリオの情報とし
て、平均期待収益率および平均リスクが提供される。こ
れらの算出手法は後述する。
LM情報提示部26によりユーザに提示される。本実施
形態によれば、1期間モデルでは提供できなかった多期
間基本ポートフォリオとその特性を容易に把握するため
のいくつかの情報を提供でき、したがって資産管理に有
用な情報を提供できる。
報の一部として提供される多期間資産配分の平均期待収
益率および平均リスクの算出処理を説明する。平均期待
収益率および平均リスクは、上述のようにして得られた
多期間資産配分から得られ、さらに本実施形態では、こ
の計算には、以下のように、シナリオ収益率分布(市場
環境予測部30で算出、図4参照)が用いられる。
握するため、各期における収益率と分散を計算して出力
するが、各期における「一年分の」収益率と分散が表示
されるべきと考えると、実際の計算で各期間の間隔が不
均等な場合にはその分を考慮する必要があり、この点に
も対応するように以下の処理は設定されている。
1期間) 図15を参照すると、1パス(シナリオのパス)、1期
間については、t期の富をWb(i),t と書き、これから
t期の負債Dtを支払った後の富をWa(i),tと表記する
と、図15(a)の関係がある。
上述したが、図15(a)(b)に示されるように、実
際には、b(i)、a(i)は上付きであり、tは下付である。
以下の説明でも類似の表現を適宜用いるが、実際の表現
は図15中に示される。
いた運用実績を収益率と考え、tー1期の負債支払い後
の富がどれだけ増えていたかの指標として、図15
(b)のμ(i),tという値を定義する。これが各時点に
おける一年分の収益率相当の値であると考えることがで
きる。ここで、m(t)は、t−1期とt期の間の実際の
間隔とする。m(t)乗根をとることによって、この値が
1年分の値となる。
Wb(i),t-1からWa(i),t-1へは負債Dtの支払いが生
じ、Wa(i),t-1からWb(i),tへは収益率分の収益が生
じ、これが繰り返す。
パス、1期間) 図15(c)は、前年度比収益率平均を表している。こ
こでは、図15(b)で定義したμ(i),tのパス集合上
の算術平均が、各期の前年度比収益率平均とされる。要
するに、I個のパスの平均が計算されている。さらに、
図15(d)は、μ(i),tのパス集合上での分散であ
り、この平方根が、前年度比収益率の標準偏差である。
(全パス、全体期間) まず、1パス、全体期間を考えると、(1+μ(i),t)m
(t)(ただしm(t)は上付)の全体期間の実際の年数(m
とする)にわたる幾何平均は図15(e)のように定義
される。全パス、全体期間については、この幾何平均量
(図15(e))のパス集合上の算術平均が図15
(f)で表され、これが全体の収益率平均であり、すな
わち、本実施形態で多期間ポートフォリオの情報として
求められる多期間資産配分の平均期待収益率である。
(全パス、全体期間) 図15(e)のパス集合上の分散は図15(g)で表さ
れる。この分散の平方根が「平均ポートフォリオ」の標
準偏差であり、すなわち、本実施形態で多期間ポートフ
ォリオの情報として求められる多期間資産配分の平均リ
スクに相当する。
(g)の平方根とが計算され、図14下方に示されるよ
うに、多期間資産配分の平均期待収益率および平均リス
クとして提供される。従来から1期間モデルの収益率や
リスクは提供されているが、本実施形態のような多期間
モデルの多期間資産配分の特性を表すような収益率やリ
スクのパラメータは提供されていなかった。本発明は、
このような多期間モデルの収益率やリスクのパラメータ
を求める情報処理を可能とし、それらを提供することに
より、さらにはそれらを上述の配分変動幅の情報と共に
提供することにより、ポートフォリオの特性の把握が容
易になる。
配分算出装置1の動作を概略的に示している。図16に
示されるように、資産情報取得部20が資産情報を取得
し(S10)、負債情報取得部22が負債情報を取得す
る(S12)。
を用いて収益率分布を求め、さらに、収益率分布と現在
の資産配分から、多数のシナリオを生成する(S1
4)。各シナリオは、未来の資産残高を、資産種類ご
と、時点ごとに表す。負債予測部34は、負債情報取得
部22が取得した情報から未来の負債を予測する(S1
6)。多期間モデルに適用するための責任準備金が予測
される。
ルにおける期待富の重み付け(図10のωW)を設定す
る(S18)。さらに、期待効用関数設定部40は、多
期間モデルにおける期待効用関数の傾き(図10のγ)
を設定する(S20)。重み付けおよび傾きの設定は、
より前の別の段階で行われてもよい。
6が、多期間最適化モデルの計算を行う。モデル計算部
36は、シナリオおよび責任準備金を用いて、図10の
モデルの計算を行う。最初の計算では、初期の資産配分
は、現在の実際の資産配分(資産情報取得部20が取
得)である。初期の資産配分が変更され、期待収益率分
布を用いて、複数の予測時点の各々におけるシナリオ毎
の資産配分が算出される。この計算が繰り返され、S2
2にてモデル式の値が最大(max)になるような、初
期の資産配分が求められる。さらに、最適な初期の資産
配分の前提となる多期間の最適な資産配分が求められ
る。複数の予測時点は、長短複合予測時点であって、近
い未来より遠い未来で予測時点の密度が低くなるように
設定されている(例えば現時点を含めた直近の5年の各
年、10年、15年)。
4が、多期間基本ポートフォリオを生成する。多期間基
本ポートフォリオは、短期予測時点の資産配分から得ら
れる。各資産種類につき、例えば最大配分と最小配分の
間隔が配分変動幅として設定される。S26では、AL
M情報提示部26が情報を提示する。提示される情報
は、まず、S22で得られる最適資産配分と、S24で
得られる多期間基本ポートフォリオである。さらに他の
情報が提示されてよい。例えば、S16で得られた負債
情報もユーザに提示される。
た。
数の予測時点が、現在に近い予測時点の密度よりも、現
在から遠い予測時点の密度が低くなるように設定され
る。より詳細には、現在に近い短期予測時点が、その先
の長期予測時点より細かく設定される。近い未来に細か
く設定された複数の予測時点の情報は、どのように現在
の資産を活用するかの決定に有用である。より遠くに粗
く設定された予測時点の情報は、成熟するという年金の
特性に適応しており、年金が成熟する頃の状況を見渡す
ために有用である。後者の情報の予測時点は、細かく設
定されるよりもむしろ粗く設定されることで、年金が成
熟する頃の適切な資産配分の概略的把握、検討を容易に
する。これらの設定間隔が異なる予測時点の情報を組み
合わせた情報を提供するので、直近の情報および年金が
成熟する頃の情報を、有用なかたちで、すなわち資産管
理に役立てやすいかたちで提供することができる。
適資産配分を提示するとともに、複数の予測時点のうち
の密度が高い部分の資産配分に基づき、各資産の平均配
分、最大配分、最小配分、それらの配分変動幅、並びに
平均期待収益率、平均リスク等のポートフォリオ管理上
の有効パラメータをもつ多期間基本ポートフォリオを求
めている。より詳細には、密度の高い部分の資産配分
は、複数の短期予測時点の資産配分である。この多期間
基本ポートフォリオを求めることにより、1期間モデル
では提供できなかった多期間基本ポートフォリオとその
特性を容易に把握するためのいくつかの情報を提供で
き、したがって資産管理に有用な情報を提供できる。
待富と現在から遠い未来の期待富の重み付けの調整を行
う。多期間最適化モデルは、重み付けおよび加算された
現在に近い未来の期待富および現在から遠い未来の期待
富に対応したモデルである。重み付けに応じて、何時の
期待富を重要視するかの時期が変わる。したがって、重
み付けの調整により、資産配分を求める上で重要視すべ
き時期を制御できる。現在に近い時期を重要視した資産
配分情報を得ることができ、また、現在から遠い時期を
重要視した資産配分情報を得ることができる。
の予測資産を表す多数のシナリオを発生させ、シナリオ
を用いて、期待富およびリスク尺度に基づく多期間最適
化モデルを計算しており、このようにして多期間資産配
分を適切に求められる。
の計算において、時点間の密度を調整した上で複数の予
測時点に対応するリスク尺度に基づく多期間資産配分を
求める。これにより、前述のように、リスク尺度が求め
られるべき時点が、比較的少ない数に限定される。リス
ク尺度の計算量が削減され、負荷が軽減される。有用な
計算結果が得られることを確保しつつ、計算量を効果的
に削減できる。
デル計算において、重み付けおよび加算された現在に近
い未来の期待富および現在から遠い未来の期待富に基づ
く多期間資産配分を求める。重み付けに応じて、何時の
期待富を重要視するかの時期が変わる。したがって、重
み付けを用いることにより、資産配分を求める上で重要
視すべき時期を適当に設定できる。現在に近い時期を重
要視した資産配分情報を得ることができ、また、現在か
ら遠い時期を重要視した資産配分情報を得ることができ
る。
が、本発明は上記実施形態には限定されない。本発明の
範囲内での上記の実施形態を当業者が変形可能なことは
もちろんである。そして、そのような変形例も本発明の
範囲に含まれる。
ば、年金管理に適した多期間最適化モデルを用いる資産
配分算出技術を提供することができる。
的なロジックを示す図である。
の様子を示す図である。
ア構成を示す機能ブロック図である。
ア構成を示す機能ブロック図である。
図である。
ナリオ生成処理を示す図である。
例を示す図である。
れるべき複数の予測時点を示す図である。
ある。
を示す図である。
産配分の例を示す図である。
多期間基本ポートフォリオを示す図である。
び平均リスクの算出処理を示す図である。
る。
Claims (25)
- 【請求項1】 年金の資産情報を取得する資産情報取得
手段と、 前記年金の負債情報を取得する負債情報取得手段と、 多期間最適化モデルを用いて前記資産情報および前記負
債情報に基づき多期間資産配分を求める多期間資産配分
計算部と、 を含み、 前記多期間資産配分計算部は、複数の予測時点の各々に
おける資産配分を求め、前記複数の予測時点は、現在に
近い予測時点の密度よりも、現在から遠い予測時点の密
度が低くなるように設定されることを特徴とする年金資
産配分算出装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載の年金資産配分算出装置
において、 前記複数の予測時点は、現在に近い複数の短期予測時
点、および、前記複数の短期予測時点より遠くに、前記
複数の短期予測時点より粗く設定された少なくとも一の
長期予測時点で構成される複数の長短混合予測時点であ
ることを特徴とする年金資産配分算出装置。 - 【請求項3】 請求項1に記載の年金資産配分算出装置
において、 前記複数の長短混合予測時点は、所定の短予測期間に設
定された複数の短期予測時点、および、前記短予測期間
の先で年金成熟が予想される時期までの長予測期間に、
前記短期予測時点よりも粗く設定された少なくとも一の
長期予測時点で構成されることを特徴とする年金資産配
分算出装置。 - 【請求項4】 請求項1に記載の年金資産配分算出装置
において、 前記複数の予測時点のうちの密度が高い部分の多期間資
産配分に基づいて、各資産の最大配分および最小配分に
応じた配分変動幅と、前記密度が高い部分の多期間資産
配分の平均期待収益率および平均リスクとをポートフォ
リオ管理上の有効パラメータとしてもった多期間基本ポ
ートフォリオを求める基本ポートフォリオ算出部を含む
ことを特徴とする年金資産配分算出装置。 - 【請求項5】 請求項1に記載の年金資産配分算出装置
において、 前記多期間資産配分計算部は、現在に近い未来の期待富
と現在から遠い未来の期待富の重み付けを調整する重み
付け調整手段を含み、前記多期間最適化モデルは、重み
付けおよび加算された現在に近い未来の期待富および現
在から遠い未来の期待富に対応したモデルであることを
特徴とする年金資産配分算出装置。 - 【請求項6】 請求項1に記載の年金資産配分算出装置
において、 前記多期間資産配分計算部は、 乱数を用いて、未来の予測資産を表す多数のシナリオを
発生させる市場環境予測部と、 前記シナリオを用いて、期待富およびリスク尺度に基づ
く多期間最適化モデルを計算することにより多期間資産
配分を求める多期間最適化モデル計算部と、 を含むことを特徴とする年金資産配分算出装置。 - 【請求項7】 請求項6に記載の年金資産配分算出装置
において、 前記多期間最適化モデル計算部は、前記複数の予測時点
に対応するリスク尺度に基づく多期間資産配分を求める
ことを特徴とする年金資産配分算出装置。 - 【請求項8】 請求項6または7に記載の年金資産配分
算出装置において、 前記多期間最適化モデル計算部は、重み付けおよび加算
された現在に近い未来の期待富および現在から遠い未来
の期待富に基づく多期間資産配分を求めることを特徴と
する年金資産配分算出装置。 - 【請求項9】 年金の資産情報を取得する資産情報取得
ステップと、 前記年金の負債情報を取得する負債情報取得ステップ
と、 多期間最適化モデルを用いて前記資産情報および前記負
債情報に基づき多期間資産配分を求める多期間資産配分
計算ステップと、 を含み、 前記多期間資産配分計算ステップは、複数の予測時点の
各々における資産配分を求め、前記複数の予測時点は、
現在に近い予測時点の密度よりも、現在から遠い予測時
点の密度が低くなるように設定されることを特徴とす
る、コンピュータ処理による年金資産配分算出方法。 - 【請求項10】 請求項9に記載の年金資産配分算出方
法において、 前記複数の予測時点は、現在に近い複数の短期予測時
点、および、前記複数の短期予測時点より遠くに、前記
複数の短期予測時点より粗く設定された少なくとも一の
長期予測時点で構成される複数の長短混合予測時点であ
ることを特徴とする年金資産配分算出方法。 - 【請求項11】 請求項9に記載の年金資産配分算出方
法において、 前記複数の長短混合予測時点は、所定の短予測期間に設
定された複数の短期予測時点、および、前記短予測期間
の先で年金成熟が予想される時期までの長予測期間に、
前記短期予測時点よりも粗く設定された少なくとも一の
長期予測時点で構成されることを特徴とする年金資産配
分算出方法。 - 【請求項12】 請求項9に記載の年金資産配分算出方
法において、 前記複数の予測時点のうちの密度が高い部分の多期間資
産配分に基づいて、各資産の最大配分および最小配分に
応じた配分変動幅と、前記密度が高い部分の多期間資産
配分の平均期待収益率および平均リスクとをポートフォ
リオ管理上の有効パラメータとしてもった多期間基本ポ
ートフォリオを求める基本ポートフォリオ算出ステップ
を含むことを特徴とする年金資産配分算出方法。 - 【請求項13】 請求項9に記載の年金資産配分算出方
法において、 現在に近い未来の期待富と現在から遠い未来の期待富の
重み付けを調整する重み付け調整ステップを含み、前記
多期間資産配分計算ステップが用いる前記多期間最適化
モデルは、重み付けおよび加算された現在に近い未来の
期待富および現在から遠い未来の期待富に対応したモデ
ルであることを特徴とする年金資産配分算出方法。 - 【請求項14】 請求項9に記載の年金資産配分算出方
法において、 前記多期間資産配分計算ステップは、 乱数を用いて、未来の予測資産を表す多数のシナリオを
発生させるステップと、 前記シナリオを用いて、期待富およびリスク尺度に基づ
く多期間最適化モデルを計算することにより多期間資産
配分を求める多期間最適化モデル計算ステップと、 を含むことを特徴とする年金資産配分算出方法。 - 【請求項15】 請求項14に記載の年金資産配分算出
方法において、 前記多期間最適化モデル計算ステップは、前記複数の予
測時点に対応するリスク尺度に基づく多期間資産配分を
求めることを特徴とする年金資産配分算出方法。 - 【請求項16】 請求項14または15に記載の年金資
産配分算出方法において、 前記多期間最適化モデル計算ステップは、重み付けおよ
び加算された現在に近い未来の期待富および現在から遠
い未来の期待富に基づく多期間資産配分を求めることを
特徴とする年金資産配分算出方法。 - 【請求項17】 多期間最適化モデルを用いて資産情報
および負債情報に基づき多期間資産配分を求める多期間
資産配分計算をコンピュータに実行させるプログラムで
あって、 前記プログラムは、複数の予測時点の各々における資産
配分を求める資産配分計算であって、前記複数の予測時
点が、現在に近い予測時点の密度よりも、現在から遠い
予測時点の密度が低くなるように設定される資産配分計
算を、前記コンピュータに実行させることを特徴とする
プログラム。 - 【請求項18】 請求項17に記載のプログラムにおい
て、 前記複数の予測時点は、現在に近い複数の短期予測時
点、および、前記複数の短期予測時点より遠くに、前記
複数の短期予測時点より粗く設定された少なくとも一の
長期予測時点で構成される複数の長短混合予測時点であ
ることを特徴とするプログラム。 - 【請求項19】 請求項17に記載のプログラムにおい
て、 前記複数の長短混合予測時点は、所定の短予測期間に設
定された複数の短期予測時点、および、前記短予測期間
の先で年金成熟が予想される時期までの長予測期間に、
前記短期予測時点よりも粗く設定された少なくとも一の
長期予測時点で構成されることを特徴とするプログラ
ム。 - 【請求項20】 請求項17に記載のプログラムにおい
て、 前記複数の予測時点のうちの密度が高い部分の多期間資
産配分に基づいて、 各資産の最大配分および最小配分に応じた配分変動幅
と、前記密度が高い部分の多期間資産配分の平均期待収
益率および平均リスクとをポートフォリオ管理上の有効
パラメータとしてもった多期間基本ポートフォリオを求
める基本ポートフォリオ算出処理を前記コンピュータに
実行させることを特徴とするプログラム。 - 【請求項21】 請求項17に記載のプログラムにおい
て、 多期間資産配分の計算に用いられる前記多期間最適化モ
デルは、重み付けおよび加算された現在に近い未来の期
待富および現在から遠い未来の期待富に対応したモデル
であり、前記プログラムは、現在に近い未来の期待富と
現在から遠い未来の期待富の重み付けを調整する処理を
前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログ
ラム。 - 【請求項22】 請求項17に記載のプログラムにおい
て、 前記多期間資産配分計算処理は、 乱数を用いて、未来の予測資産を表す多数のシナリオを
発生させる処理と、 前記シナリオを用いて、期待富およびリスク尺度に基づ
く多期間最適化モデルを計算することにより多期間資産
配分を求める多期間最適化モデル計算処理と、 を含むことを特徴とするプログラム。 - 【請求項23】 請求項22に記載のプログラムにおい
て、 前記多期間最適化モデル計算処理は、前記複数の予測時
点に対応するリスク尺度に基づく多期間資産配分を求め
ることを特徴とするプログラム。 - 【請求項24】 請求項22または23に記載のプログ
ラムにおいて、 前記多期間最適化モデル計算処理は、重み付けおよび加
算された現在に近い未来の期待富および現在から遠い未
来の期待富に基づく多期間資産配分を求めることを特徴
とするプログラム。 - 【請求項25】 請求項17〜24のいずれかに記載さ
れたプログラムを格納した、コンピュータにて読取可能
な記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002156600A JP2003345981A (ja) | 2002-05-30 | 2002-05-30 | 年金資産配分算出装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002156600A JP2003345981A (ja) | 2002-05-30 | 2002-05-30 | 年金資産配分算出装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003345981A true JP2003345981A (ja) | 2003-12-05 |
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ID=29772761
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---|---|---|---|
JP2002156600A Pending JP2003345981A (ja) | 2002-05-30 | 2002-05-30 | 年金資産配分算出装置 |
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JP (1) | JP2003345981A (ja) |
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