JP2003344778A - 共焦点顕微鏡及び微小開口回転盤 - Google Patents

共焦点顕微鏡及び微小開口回転盤

Info

Publication number
JP2003344778A
JP2003344778A JP2002151517A JP2002151517A JP2003344778A JP 2003344778 A JP2003344778 A JP 2003344778A JP 2002151517 A JP2002151517 A JP 2002151517A JP 2002151517 A JP2002151517 A JP 2002151517A JP 2003344778 A JP2003344778 A JP 2003344778A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nipkow
disk
confocal microscope
sample
light source
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002151517A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4148350B2 (ja
Inventor
Hisao Fujisaki
久雄 藤崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Science and Technology Agency
Original Assignee
Japan Science and Technology Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Science and Technology Corp filed Critical Japan Science and Technology Corp
Priority to JP2002151517A priority Critical patent/JP4148350B2/ja
Publication of JP2003344778A publication Critical patent/JP2003344778A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4148350B2 publication Critical patent/JP4148350B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 実時間の立体像観察が可能な共焦点顕微鏡を
提供する。 【解決手段】 複数のピンホール2…が螺旋状に並んで
形成されているニポウ盤1は、回転軸5を中心に一回転
分の螺旋状を成すばね座金状に形成されている。このニ
ポウ盤1を回転しつつ上面1a側よりレーザ光10を照
射して底面1bにピンホール2に応じた点光源群14を
作り、該点光源群14の光を対物レンズ6にて試料7内
に照射して集光点群11を立体的に形成する。そして、
各集光点で励起された蛍光物質からの蛍光12を対物レ
ンズ6でニポウ盤1の元のピンホール2を通して、螺旋
状斜面を成す上面1aより出射させ、これを結像レンズ
8によって結ばせて立体像を形成し、接眼レンズにて観
察する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の微小開口を
有する円盤型の微小開口回転盤を回転させて試料を光走
査する共焦点顕微鏡、及びそれに備えられる微小開口回
転盤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】生きている生物試料を拡大観察する光学
顕微鏡は、300年以上の歴史を持つ。光学顕微鏡は、
位相差法、偏光法、蛍光法、微分干渉法、暗視野法など
種々の観察方法を取り入れて改良が進み、生物試料を生
きているままに観察できるという特長を生かして医学、
生物学において計り知れない貢献をしてきた。そして今
や、生物試料を蛍光修飾することによって、細胞内のタ
ンパク質や低分子まで観察できるようになっている。
【0003】このような蛍光修飾を用いる光学顕微鏡
は、蛍光顕微鏡と称され、中でも特に、微小開口を用い
る共焦点顕微鏡が注目されている。通常の蛍光顕微鏡で
は、焦点面の上下の励起光が十分に集光していない領域
での励起や蛍光の散乱が蛍光像のボケを引き起こすが、
共焦点顕微鏡は微小開口(例えばピンホール)を用いる
ことにより、この蛍光像のボケを除去することができ
る。
【0004】上記共焦点顕微鏡には、レーザ光を走査す
るのにガルバノ鏡を用いる型、音響光学素子を用いる
型、ニポウ盤(微小開口回転盤)を用いる型がある。中
でも、高速走査にはニポウ盤を用いる型が適しており、
現状1秒間に720枚の像を得ることができる。
【0005】ニポウ盤は、アルキメデスの螺旋に沿って
(中心の周りに等角度で分布し、中心からの距離が等間
隔で減少するように)並んだ多数のピンホール(微小開
口)を持つ円盤である。ニポウ盤は、2次元画像を1次
元の電気信号に変換して画像電送を可能にするために1
884年に考案された。ニポウ盤を用いた画像伝送は以
下の通りである。
【0006】撮像レンズによって観察対象の像をニポウ
盤の前面に形成し、ニポウ盤の後方に光電変換素子を配
置し、かつ光電変換素子がニポウ盤上に離散するピンホ
ールの1個を通過した光だけを受けるようにする。ニポ
ウ盤が回転することによって像の異なる部分の光強度が
電気信号に変換され、ニポウ盤の1回転で像の全体が走
査される。この電気信号で明るさを変化させた電球を別
のニポウ盤を通して見ると、元の像が再現される。
【0007】図3に、共焦点顕微鏡に用いられるように
改良されたレーザ光走査用ニポウ盤30の模式図を示
す。画像伝送用ニポウ盤が1本の螺旋上にピンホールを
配したのに対して、レーザ光走査用では、像の観察は接
眼レンズを通して直接に、或いは撮像器を用いて行われ
るため、螺旋は1本である必要はなく、複数本の螺旋上
にピンホール31…を配している。図3には、アルキメ
デスの螺旋1本だけを太線Lで例示した。
【0008】図4に、このようなニポウ盤30を用いた
型の従来の共焦点顕微鏡の一構成例を示す。励起用レー
ザ(不図示)からのレーザ光(平行光)51は、ニポウ
盤30の各ピンホール31を通過すると、ニポウ盤30
の底面で平面上に並んだ点光源群60となる。但し、図
4では、図の煩雑さを避けるために一個のピンホール3
1を通り抜けた1点光源の光路に関してのみ図示する。
【0009】この点光源群60からの各光51aは、対
物レンズ52によって集光され、試料53中でレーザ光
51の光軸と直交する平面状に並ぶ集光点群54を形成
し、各集光点で蛍光色素が励起される。
【0010】各集光点の励起した蛍光55は、対物レン
ズ52で集められ、ニポウ盤30の下面に集光され、各
々元のピンホール31を通り抜ける。そして、ピンホー
ル31を通り抜けたこれら蛍光55は、ダイクロイック
ミラー56で結像レンズ57へと反射され、結像レンズ
57によって平面状に結像される。この像58を、接眼
レンズを通して直接に、或いは撮像器を用いて観察す
る。
【0011】また、試料53内の集光点の前後で生じる
低強度の蛍光や、試料53内で散乱された蛍光59(点
線にて示す)は、対物レンズ52による集光位置がピン
ホール31とずれるため、ピンホール31を通り抜ける
ことができず、像に混入することはない。そのために、
共焦点顕微鏡は、通常の蛍光顕微鏡と違って、平面方
向、及び光軸方向の分解能が高い、鮮明な像を得ること
ができる。
【0012】このような構成の共焦点顕微鏡において、
例えば図3のニポウ盤30の模式図に斜線で示した30
度の開き角の部分が顕微鏡の視野に相当するとすると、
撮像器は、ニポウ盤30の30度の回転で、斜線部分に
形成されたピンホール31の個数に相当する数の走査線
(図ではピンホール2が50個形成されているので50
本の走査線)からなる画像を1つ構成できる。そして、
ニポウ盤30の一回転で、合計12枚の画像が得られ
る。
【0013】現状用いられているニポウ盤では、上記斜
線で示した顕微鏡の視野に相当する部分には、1000
個程度のピンホールが形成されており、一画面は100
0本程度の走査線で構成される。したがって、このよう
なニポウ盤の回転速度を60回転毎秒とし、撮像器に高
速カメラを用いると、毎秒720枚の画像を得ることが
できる。
【0014】このようなニポウ盤を用いた共焦点顕微鏡
については、例えば、特許第3082183号の特許公
報に記載されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記したニ
ポウ盤を用いる型に限らず、従来の共焦点顕微鏡では、
試料53内の極薄い平面部分を観察するため、試料53
内の異なる深さを観察する際には、試料53或いは対物
レンズ52を光軸方向に上下動させることによって焦点
面を移動させる。そして、この様な深さを換えての平面
部分の撮像を繰り返し行うことで、深さの異なるいくつ
かの面の像を取得し、後に画像処理することによって立
体像を構築することが可能となる。
【0016】しかしながら、立体像をこのような試料5
3或いは対物レンズ52の上下動にて焦点面を移動させ
ることで得る従来の構成では、焦点面の移動に時間が掛
かるため、実時間で立体像を観察できないという問題が
ある。
【0017】本発明は上記課題に鑑み成されたものであ
って、実時間で立体像観察が可能な共焦点顕微鏡を提供
することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、複数の微小開口が螺旋状に並んで形成さ
れた円盤型の微小開口回転盤を用い、該微小開口回転盤
を回転しつつその一方の面よりレーザ光を照射して微小
開口を通すことで他方の面に点光源群を形成し、該点光
源群の光を対物レンズで試料内に集光して集光点群を形
成し、該集光点群からの各戻り光を元の微小開口を通し
て微小開口回転盤より出射して結像レンズにて結像させ
る共焦点顕微鏡であって、上記微小開口回転盤が、回転
軸を中心に一回転分の螺旋状を成すばね座金状に形成さ
れていることを特徴としている。
【0019】これによれば、複数の微小開口が螺旋状に
並んで形成された微小開口回転盤が、回転軸を中心に一
回転分の螺旋状を成すばね座金状に形成されている。
【0020】点光源群は微小開口回転盤の対物レンズ側
の面に形成されるため、微小開口回転盤がこのような螺
旋状を成すことで、点光源毎に点光源から対物レンズま
での距離が変化することとなる。対物レンズによる試料
内の集光深さを決定する対物レンズと集光点との距離
は、後述するレンズの公式に示されるように、対物レン
ズの焦点距離が同じ場合、点光源から対物レンズまでの
距離が変化するとこちらも変化する関係にある。そのた
め、微小開口回転盤を上記のように構成することで、点
光源毎に集光深さが異なることとなり、集光点群は試料
内で水平面(深さが等しい)上には並ばず、立体的に並
ぶようになる。
【0021】したがって、このような微小開口回転盤を
回転させることで、試料内の異なる深さを走査させるこ
とが可能となる。微小開口回転盤の1回転で走査位置の
深さは元に戻る。
【0022】また、微小開口回転盤がこのような螺旋状
に形成されることで、微小開口回転盤より出射される戻
り光の結像レンズまでの距離が、微小開口毎に変化する
こととなる。したがって、各微小開口を通って微小開口
回転盤より出射された光は結像レンズにて立体像として
形成される。したがって、この立体像を接眼レンズで直
接観察することで、試料内の観察部位の立体像を実時間
観察できる。なお、光軸と直交する方向の画質は低下す
るものの、この立体像を平面像として撮像して、3次元
像を再生することもできる。
【0023】例えば、微小開口回転盤の開き角30度の
部分が顕微鏡の視野に相当するとすると、微小開口回転
盤の1回転で深さの異なる12枚の画像を得ることがで
き、撮像器を用いる場合は、これら12枚の画像で1つ
の立体像が形成される。一方、接眼レンズによる観察で
あれば、微小開口回転盤が1回転する間に、試料を立体
として観察することとなる。そして、このような微小開
口回転盤の回転速度を例えば60回転毎秒とすると、こ
のような立体像を毎秒60回観察することができる。
【0024】その結果、試料の時間的な変化や移動を実
時間で立体的に観察可能な共焦点顕微鏡を提供できる。
【0025】また、本発明の微小開口回転盤は、上記課
題を解決するために、共焦点顕微鏡に備えられる複数の
微小開口が螺旋状に並んで形成された円盤型の微小開口
回転盤であって、回転軸を中心に一回転分の螺旋状を成
すばね座金状に形成されていることを特徴としている。
【0026】共焦点顕微鏡として既に説明したように、
本発明の該微小開口回転盤を用いて光走査することで、
立体像の実時間観察が可能となる。
【0027】したがって、従来の共焦点顕微鏡において
も、微小開口回転盤を本発明の微小開口回転盤に交換す
ることで、試料の時間的な変化や移動を実時間で立体的
に観察可能なものに性能を高めることができる。
【0028】そしてまた、本発明の共焦点顕微鏡は、別
の表現を用いれば、円周が一回転分の螺旋をなすばね座
金状の円盤に多数の小孔をあけ、該円盤を回転しつつレ
ーザ光を通して多数の点光源を作り、対物レンズで試料
内に立体的に多数の集光点を形成して、励起された蛍光
物質からの蛍光を該対物レンズで該円盤上の小孔に結像
することによって、通り抜けた蛍光が結像レンズで形成
する立体的な像を観察することを特徴しているとも表現
できる。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明に係る実施の一形態につい
て、図1〜図3を用いて説明すれば、以下の通りであ
る。
【0030】図1(a)(b)に、本実施の形態におけ
る共焦点顕微鏡の構成を示す。同図(a)は、共焦点顕
微鏡の正面図であり、同図(b)は、同図(a)の矢印
Aより見た矢視図である。
【0031】本共焦点顕微鏡は、図1(a)(b)に示
すように、ニポウ盤(微小開口回転盤)1と、ダイクロ
イックミラー9と、対物レンズ6と、結像レンズ8とを
主として備えている。そして、これら図1(a)(b)
よりわかるように、本共焦点顕微鏡は、ニポウ盤1の形
状に特徴がある。
【0032】ニポウ盤1は、円盤状を成す回転体で、従
来のニポウ盤30と同様、図3の模式図に示すように、
複数本のアルキメデスの螺旋上に沿って複数のピンホー
ル(微小開口)2…が形成されている。図3では、アル
キメデスの螺旋1本だけを太線Lで例示している。
【0033】そして、該ニポウ盤1は、図2の斜視図に
その立体形状を示すように、回転軸5を中心に一回転分
の螺旋状を成すばね座金状に形成されており、回転軸5
を中心に螺旋を描くように円周方向に漸次的に滑らかに
変化している。
【0034】このような構成において、図示しない励起
用レーザにて、ニポウ盤1の上面1a側より照射された
レーザ光(平行光)10は、ニポウ盤1の各ピンホール
2へと入る。なお、ニポウ盤1の上には、ダイクロイッ
クミラー9が配設されているが、ダイクロイックミラー
9は、該レーザ光10を透過させる。
【0035】ニポウ盤1に入射されたレーザ光10は、
複数のピンホール2…を通過することで、ピンホール2
の下端で拡散し、ニポウ盤1の底面1bに点光源群14
を形成する。上述したように、本共焦点顕微鏡における
ニポウ盤1は平板状ではなく、回転軸5を中心とした一
回転分の螺旋状に形成されているので、点光源群14も
その底面1bである螺旋状斜面に並んだ状態で形成され
る。なお、図の煩雑さを避けるために、図1(a)
(b)では2個のピンホール2・2を通り抜けた光路に
関してのみ図示している。
【0036】そして、ニポウ盤1の底面1bに形成され
た点光源群14の各光10aは、対物レンズ6によって
集光され、試料7中で集光点群11を形成する。図4に
て説明した底面が平面状に形成されたニポウ盤30を用
いた構成では、試料53内に形成される集光点群54は
光軸と直交する水平面に並んでいた。これに対し、上記
ニポウ盤1では、1回転分の螺旋を成すばね座金状に形
成され、点光源群14がその底面1bの螺旋状斜面に形
成されているので、集光点群11を水平に並ぶことな
く、光軸方向に傾きを持った斜面上に並ぶこととなる。
【0037】これは、ニポウ盤1の底面1bが螺旋状斜
面を成し、点光源毎に点光源から対物レンズ6までの距
離が変化するためである。対物レンズ6による試料7内
の集光深さを決定する対物レンズ6と集光点との距離
は、レンズの公式 1/f=1/a+1/b で決定される。ここで、fは対物レンズ6の焦点距離、
aは点光源つまりピンホール2の下端と対物レンズ6と
の距離、bは対物レンズ6と集光点との距離である。
【0038】この式よりわかるように、対物レンズ6の
焦点距離fが同じ場合、点光源から対物レンズ6までの
距離aが変化すると、対物レンズ6と集光点との距離b
も変化する関係にある。そのため、ニポウ盤1の底面1
bを螺旋状斜面に形成することで、点光源毎に集光深さ
が異なることとなり、集光点群11は試料7内で水平面
(深さが等しい)上には並ばず、立体的に並ぶようにな
る。
【0039】したがって、このようなニポウ盤1を回転
させることで、試料7内の異なる深さを走査させること
が可能となる。ニポウ盤1の回転に伴って観察部位の深
さが漸次的に変わり、ニポウ盤1が一回転すると観察部
位の深さが元に戻る。
【0040】そして、各集光点で蛍光色素が励起され、
励起した蛍光(戻り光)12が、対物レンズ6で集めら
れてニポウ盤1の底面1bに集光される。詳細には、各
々先に通過した元のピンホール2の下端に集光され、ピ
ンホール2を通り抜ける。そして、ピンホール2を通り
抜けた蛍光12は、ダイクロイックミラー9で結像レン
ズ8へと反射され、結像レンズ8によって結像される。
【0041】また、特に図示してはいないが、この場合
も、試料7内の集光点の前後で生じる低強度の蛍光や、
試料7内で散乱された蛍光は、対物レンズ6にてニポウ
盤1の底面1bに集光された際、その集光位置がピンホ
ール2とずれるため、ピンホール21を通り抜けること
はできない。
【0042】ピンホール2を通り抜け、ニポウ盤1の上
面1aより照射された光は、結像レンズ8にて結像され
るが、ここで上記ニポウ盤1が螺旋状に形成されている
ので、その上面1aも螺旋状斜面となり、ニポウ盤1よ
り出射される蛍光12の結像レンズ8までの距離が、ピ
ンホール2毎に変化することとなる。したがって、各ピ
ンホール2を通ってニポウ盤1より出射された光は結像
レンズ8にて立体像13として形成される。
【0043】そして、この立体像を接眼レンズ(不図
示)で直接観察することで、試料7内の観察部位の立体
像を実時間観察することができる。試料7や対物レンズ
6の移動を伴わないので、振動のない安定な状態で、立
体像の実時間観察が可能となる。そして、これにより、
生態組織や細胞の電気生理学実験を容易に行うことがで
きる。
【0044】このような共焦点顕微鏡において、図3の
模式図にて斜線を付しているニポウ盤1の開き角30度
の部分が顕微鏡の視野に相当するとし、この部分にピン
ホール2が1000個ほど形成されているとすると、撮
像器13はニポウ盤1の30度の回転で、1000本の
走査線からなる画像を1つ構成でき、ニポウ盤1の1回
転で深さの異なる12枚の画像を得ることができる。そ
して、ニポウ盤1が1回転する間に、試料7を立体観察
できる。
【0045】そしてまた、このようなニポウ盤1の回転
速度を例えば60回転毎秒とすると、このような立体像
を毎秒60回観察できる。毎秒60回の立体像観察で
は、試料の立体形状に加えて試料の時間的な変化や移動
を充分に観察できる。
【0046】なお、上記の説明では、立体像13を接眼
レンズで直接観察するとしたが、光軸と直交する方向の
画質は低下するものの、この立体像を平面像として撮像
して、3次元像を構築することもできる。その場合、ニ
ポウ盤1の1回転毎に12枚の画像を撮像して、毎秒7
20枚の像を得ることができ、かつ、撮像器の高速化を
図ることで、毎秒当たりの取得画像数がさらに増加させ
ることで、より緻密な立体像を得ることが可能になる。
【0047】また、上記した螺旋状のニポウ盤1におけ
る高さの変化量は、観察対象となる試料の厚みと、使用
される対物レンズの倍率によって決定すればよい。
【0048】つまり、光軸方向の集光点の移動量には、 光軸方向の集光点の移動量=光源の移動量/対物レンズ
の倍率の2乗 といった関係がある。
【0049】したがって、試料7が細胞試料である場合
に要求される0.01mmの厚さを立体観察するには、
光軸方向の集光点の移動量が0.01mm必要となり、
上記式より、対物レンズ6の倍率が20倍である場合
は、光源の移動量、つまり、ニポウ盤1における底面1
bの螺旋状斜面の変化量(高さ変化)は4mmとなる。
また、対物レンズ6の倍率が40倍である場合は、ニポ
ウ盤1における底面1bの螺旋状斜面の変化量は16m
mとなる。そして、ちなみに、16mmの厚み変化を持
たせるためのニポウ盤1の直径は50mm程度となる。
【0050】また、上記ニポウ盤1においては、各ピン
ホール2に中空管或いは棒状の透明体が埋め込まれてい
る構成とすることが好ましい。ここで中空管としては例
えばガラスキャピラリー等を挙げることができ、棒状の
透明体としては、光ファイバー等を挙げることができ
る。
【0051】これにより、光の伝播ロスを小さくするた
めに施されるピンホール2の内面平滑化処理が必要なく
なるとともに、また、製造工程の簡素化も図れる。つま
り、ニポウ盤1を製造するにあたり、形状を形成した後
の円盤1枚ずつにピンホール2を形成していく方法もあ
るが、このように、中空管や棒状透明体よりピンホール
2を形成することで、2枚の円盤にピンホール2を形成
し、これらを離して各ピンホール2に中空管や棒状透明
体を通し、それらの隙間を熱可塑性樹脂等で埋めて、ス
ライス後にニポウ盤1の形状に加工することができる。
【0052】なお、ここで述べた具体的な実施の態様や
実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにす
るものであって、そのような具体例にのみ限定して狭義
に解釈されるべきものではなく、本発明の範囲内で、種
々変更して実施することができるものである。
【0053】一例として、例えば、本実施の形態では設
けていなかったが、ニポウ盤1と一体的に回転駆動され
るマイクロレンズアレイ盤を具備させることもできる。
マイクロレンズアレイ盤はニポウ盤1のピンホール2…
と相対する複数のマイクロレンズを有したもので、ニポ
ウ盤1のレーザ光10照射側に配されることで、ニポウ
盤1における開口面積比を上げてレーザ光の利用率を上
げる働きがある。
【0054】このようなマイクロレンズアレイ盤は、上
記ニポウ盤作製方法において用いられるグラスファイバ
ー(光ファイバー)の代わりに、屈折率傾斜型グラスフ
ァイバーを用いることによって、ニポウ盤と同様にして
作製される。屈折率傾斜型グラスファイバーは、ファイ
バーの中心(軸)で屈折率が高く周辺に行くにしたがっ
て徐々に屈折率が低くなるグラスファイバーであり、ス
ライスして厚さが一様な円盤にしたとき、レンズとして
使用できる。焦点距離は、屈折率傾斜の程度及び円盤の
厚さによって変えることができる。
【0055】
【発明の効果】本発明は、以上のように、複数の微小開
口が螺旋状に並んで形成された円盤型の微小開口回転盤
を用い、該微小開口回転盤を回転しつつその一方の面よ
りレーザ光を照射して微小開口を通すことで他方の面に
点光源群を形成し、該点光源群の光を対物レンズで試料
内に集光して集光点群を形成し、該集光点群からの各戻
り光を元の微小開口を通して微小開口回転盤より出射し
て結像レンズにて結像させる共焦点顕微鏡であって、上
記微小開口回転盤が、回転軸を中心に一回転分の螺旋状
を成すばね座金状に形成されていることを特徴としてい
る。
【0056】これによれば、複数の微小開口が螺旋状に
並んで形成された微小開口回転盤が、回転軸を中心に一
回転分の螺旋状を成すばね座金状に形成されているの
で、その底面の螺旋状斜面に形成された点光源毎に集光
深さが異なることとなり、集光点群は試料内で水平面
(深さが等しい)上には並ばず、立体的に並ぶようにな
る。
【0057】したがって、このような微小開口回転盤を
回転させることで、試料内の異なる深さを走査させるこ
とが可能となる。微小開口回転盤の1回転で走査位置の
深さは元に戻る。
【0058】また、微小開口回転盤がこのような螺旋状
に形成されることで、微小開口回転盤より出射される戻
り光の結像レンズまでの距離が、微小開口毎に変化する
こととなるので、各微小開口を通って微小開口回転盤よ
り出射された光は結像レンズにて立体像として形成され
る。
【0059】したがって、この立体像を接眼レンズで直
接観察することで、試料内の観察部位の立体像を実時間
観察できる。なお、光軸と直交する方向の画質は低下す
るものの、この立体像を平面像として撮像して、3次元
像を再生することもできる。
【0060】その結果、試料の時間的な変化や移動を実
時間で立体的に観察可能な共焦点顕微鏡を提供できると
いう効果を奏する。
【0061】また、本発明の微小開口回転盤は、以上の
ように、共焦点顕微鏡に備えられる複数の微小開口が螺
旋状に並んで形成された円盤型の微小開口回転盤であっ
て、回転軸を中心に一回転分の螺旋状を成すばね座金状
に形成されていることを特徴としている。
【0062】共焦点顕微鏡として既に説明したように、
本発明の該微小開口回転盤を用いて光走査することで、
立体像の実時間観察が可能となる。
【0063】したがって、従来の共焦点顕微鏡において
も、微小開口回転盤を本発明の微小開口回転盤に交換す
ることで、試料の時間的な変化や移動を実時間で立体的
に観察可能なものに性能を高めることができるという効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示すもので、同図
(a)は、共焦点顕微鏡の正面図であり、同図(b)
は、同図(a)の矢印Aより見た矢視図である。
【図2】上記共焦点顕微鏡に備えられたニポウ盤の斜視
図である。
【図3】共焦点顕微鏡で用いられるニポウ盤に形成され
る微小開口の並びを示す模式図である。
【図4】従来の共焦点顕微鏡の一構成例を示す図面であ
る。
【符号の説明】
1 ニポウ盤(微小開口回転盤) 2 ピンホール(微小開口) 6 対物レンズ 7 試料 8 結像レンズ 11 集光点群 13 立体像 14 点光源群

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の微小開口が螺旋状に並んで形成され
    た円盤型の微小開口回転盤を用い、該微小開口回転盤を
    回転しつつその一方の面よりレーザ光を照射して微小開
    口を通すことで他方の面に点光源群を形成し、該点光源
    群の光を対物レンズで試料内に集光して集光点群を形成
    し、該集光点群からの各戻り光を元の微小開口を通して
    微小開口回転盤より出射し、結像レンズにて結像させる
    共焦点顕微鏡であって、 上記微小開口回転盤が、回転軸を中心に一回転分の螺旋
    状を成すばね座金状に形成されていることを特徴とする
    共焦点顕微鏡。
  2. 【請求項2】共焦点顕微鏡に備えられる複数の微小開口
    が螺旋状に並んで形成された円盤型の微小開口回転盤で
    あって、 回転軸を中心に一回転分の螺旋状を成すばね座金状に形
    成されていることを特徴とする微小開口回転盤。
JP2002151517A 2002-05-24 2002-05-24 共焦点顕微鏡及び微小開口回転盤 Expired - Fee Related JP4148350B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002151517A JP4148350B2 (ja) 2002-05-24 2002-05-24 共焦点顕微鏡及び微小開口回転盤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002151517A JP4148350B2 (ja) 2002-05-24 2002-05-24 共焦点顕微鏡及び微小開口回転盤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003344778A true JP2003344778A (ja) 2003-12-03
JP4148350B2 JP4148350B2 (ja) 2008-09-10

Family

ID=29769096

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002151517A Expired - Fee Related JP4148350B2 (ja) 2002-05-24 2002-05-24 共焦点顕微鏡及び微小開口回転盤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4148350B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006030997A (ja) * 2004-07-16 2006-02-02 Carl Zeiss Jena Gmbh 可動有孔ディスク付き光走査型顕微鏡およびそれの使用
KR101428864B1 (ko) 2012-03-14 2014-08-14 가부시키가이샤 다카오카 세이사쿠쇼 초점 위치 변경 장치 및 이를 이용한 공초점 광학 장치
WO2016092674A1 (ja) * 2014-12-11 2016-06-16 オリンパス株式会社 観察システム、光学部品、及び観察方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006030997A (ja) * 2004-07-16 2006-02-02 Carl Zeiss Jena Gmbh 可動有孔ディスク付き光走査型顕微鏡およびそれの使用
KR101428864B1 (ko) 2012-03-14 2014-08-14 가부시키가이샤 다카오카 세이사쿠쇼 초점 위치 변경 장치 및 이를 이용한 공초점 광학 장치
WO2016092674A1 (ja) * 2014-12-11 2016-06-16 オリンパス株式会社 観察システム、光学部品、及び観察方法
JPWO2016092674A1 (ja) * 2014-12-11 2017-10-05 オリンパス株式会社 観察システム、光学部品、及び観察方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4148350B2 (ja) 2008-09-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9383568B2 (en) Objective-coupled selective plane illumination microscopy
US9885859B2 (en) Structured illumination microscopy apparatus and method
DE69908120T2 (de) Optisches rastermikroskop mit grossem blickfeld und hoher rastergeschwindigkeit
AU2010200554B2 (en) Microscope with a viewing direction perpendicular to the illumination direction
US7366394B2 (en) Multilayer observation optical microscope and multilayer observation unit
JP2017501429A (ja) 光シート顕微鏡検査用の装置
JP5068121B2 (ja) 顕微鏡および三次元情報取得方法
JP2020502558A (ja) 大型試料のための高速・高解像度イメージング方法
JP4414722B2 (ja) レーザー顕微鏡
KR20060033860A (ko) 이중으로 피복된 섬유 주사 현미경
EP2871511A1 (en) Spinning disk confocal using paired microlens disks
JP2007114542A (ja) 顕微鏡観察装置および顕微鏡観察方法
CN108982455B (zh) 一种多焦点光切片荧光显微成像方法和装置
KR20190000056A (ko) 레이저 스캐닝 공초점 현미경
CN108700520A (zh) 用于高吞吐量成像的方法和设备
CN116755234A (zh) 一种线光扫描共聚焦显微成像系统及方法
JP4148349B2 (ja) 共焦点顕微鏡及び微小開口回転盤
JP4148350B2 (ja) 共焦点顕微鏡及び微小開口回転盤
JP2009210889A (ja) 共焦点顕微鏡システム
US20230221541A1 (en) Systems and methods for multiview super-resolution microscopy
Dean Confocal microscopy: principles and practices
TWI702420B (zh) 落射頂錐殼層光超解析系統及顯微鏡
JP5652310B2 (ja) 顕微鏡装置
CN111175228A (zh) 一种基于Spinning disk的全光学图像扫描显微装置
Huisken et al. Selective plane illumination microscopy

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20040303

A621 Written request for application examination

Effective date: 20050516

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Effective date: 20050516

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

A977 Report on retrieval

Effective date: 20071211

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080617

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080618

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110704

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees