JP4148350B2 - 共焦点顕微鏡及び微小開口回転盤 - Google Patents

共焦点顕微鏡及び微小開口回転盤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の微小開口を有する円盤型の微小開口回転盤を回転させて試料を光走査する共焦点顕微鏡、及びそれに備えられる微小開口回転盤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
生きている生物試料を拡大観察する光学顕微鏡は、300年以上の歴史を持つ。光学顕微鏡は、位相差法、偏光法、蛍光法、微分干渉法、暗視野法など種々の観察方法を取り入れて改良が進み、生物試料を生きているままに観察できるという特長を生かして医学、生物学において計り知れない貢献をしてきた。そして今や、生物試料を蛍光修飾することによって、細胞内のタンパク質や低分子まで観察できるようになっている。
【0003】
このような蛍光修飾を用いる光学顕微鏡は、蛍光顕微鏡と称され、中でも特に、微小開口を用いる共焦点顕微鏡が注目されている。通常の蛍光顕微鏡では、焦点面の上下の励起光が十分に集光していない領域での励起や蛍光の散乱が蛍光像のボケを引き起こすが、共焦点顕微鏡は微小開口(例えばピンホール)を用いることにより、この蛍光像のボケを除去することができる。
【0004】
上記共焦点顕微鏡には、レーザ光を走査するのにガルバノ鏡を用いる型、音響光学素子を用いる型、ニポウ盤(微小開口回転盤)を用いる型がある。中でも、高速走査にはニポウ盤を用いる型が適しており、現状1秒間に720枚の像を得ることができる。
【0005】
ニポウ盤は、アルキメデスの螺旋に沿って(中心の周りに等角度で分布し、中心からの距離が等間隔で減少するように)並んだ多数のピンホール(微小開口)を持つ円盤である。ニポウ盤は、2次元画像を1次元の電気信号に変換して画像電送を可能にするために1884年に考案された。ニポウ盤を用いた画像伝送は以下の通りである。
【0006】
撮像レンズによって観察対象の像をニポウ盤の前面に形成し、ニポウ盤の後方に光電変換素子を配置し、かつ光電変換素子がニポウ盤上に離散するピンホールの1個を通過した光だけを受けるようにする。ニポウ盤が回転することによって像の異なる部分の光強度が電気信号に変換され、ニポウ盤の1回転で像の全体が走査される。この電気信号で明るさを変化させた電球を別のニポウ盤を通して見ると、元の像が再現される。
【0007】
図3に、共焦点顕微鏡に用いられるように改良されたレーザ光走査用ニポウ盤30の模式図を示す。画像伝送用ニポウ盤が1本の螺旋上にピンホールを配したのに対して、レーザ光走査用では、像の観察は接眼レンズを通して直接に、或いは撮像器を用いて行われるため、螺旋は1本である必要はなく、複数本の螺旋上にピンホール31…を配している。図3には、アルキメデスの螺旋1本だけを太線Lで例示した。
【0008】
図4に、このようなニポウ盤30を用いた型の従来の共焦点顕微鏡の一構成例を示す。励起用レーザ(不図示)からのレーザ光(平行光)51は、ニポウ盤30の各ピンホール31を通過すると、ニポウ盤30の底面で平面上に並んだ点光源群60となる。但し、図4では、図の煩雑さを避けるために一個のピンホール31を通り抜けた1点光源の光路に関してのみ図示する。
【0009】
この点光源群60からの各光51aは、対物レンズ52によって集光され、試料53中でレーザ光51の光軸と直交する平面状に並ぶ集光点群54を形成し、各集光点で蛍光色素が励起される。
【0010】
各集光点の励起した蛍光55は、対物レンズ52で集められ、ニポウ盤30の下面に集光され、各々元のピンホール31を通り抜ける。そして、ピンホール31を通り抜けたこれら蛍光55は、ダイクロイックミラー56で結像レンズ57へと反射され、結像レンズ57によって平面状に結像される。この像58を、接眼レンズを通して直接に、或いは撮像器を用いて観察する。
【0011】
また、試料53内の集光点の前後で生じる低強度の蛍光や、試料53内で散乱された蛍光59(点線にて示す)は、対物レンズ52による集光位置がピンホール31とずれるため、ピンホール31を通り抜けることができず、像に混入することはない。そのために、共焦点顕微鏡は、通常の蛍光顕微鏡と違って、平面方向、及び光軸方向の分解能が高い、鮮明な像を得ることができる。
【0012】
このような構成の共焦点顕微鏡において、例えば図3のニポウ盤30の模式図に斜線で示した30度の開き角の部分が顕微鏡の視野に相当するとすると、撮像器は、ニポウ盤30の30度の回転で、斜線部分に形成されたピンホール31の個数に相当する数の走査線(図ではピンホール2が50個形成されているので50本の走査線)からなる画像を1つ構成できる。そして、ニポウ盤30の一回転で、合計12枚の画像が得られる。
【0013】
現状用いられているニポウ盤では、上記斜線で示した顕微鏡の視野に相当する部分には、1000個程度のピンホールが形成されており、一画面は1000本程度の走査線で構成される。したがって、このようなニポウ盤の回転速度を60回転毎秒とし、撮像器に高速カメラを用いると、毎秒720枚の画像を得ることができる。
【0014】
このようなニポウ盤を用いた共焦点顕微鏡については、例えば、特許第3082183号の特許公報に記載されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記したニポウ盤を用いる型に限らず、従来の共焦点顕微鏡では、試料53内の極薄い平面部分を観察するため、試料53内の異なる深さを観察する際には、試料53或いは対物レンズ52を光軸方向に上下動させることによって焦点面を移動させる。そして、この様な深さを換えての平面部分の撮像を繰り返し行うことで、深さの異なるいくつかの面の像を取得し、後に画像処理することによって立体像を構築することが可能となる。
【0016】
しかしながら、立体像をこのような試料53或いは対物レンズ52の上下動にて焦点面を移動させることで得る従来の構成では、焦点面の移動に時間が掛かるため、実時間で立体像を観察できないという問題がある。
【0017】
本発明は上記課題に鑑み成されたものであって、実時間で立体像観察が可能な共焦点顕微鏡を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、複数の微小開口が螺旋状に並んで形成された円盤型の微小開口回転盤を用い、該微小開口回転盤を回転しつつその一方の面よりレーザ光を照射して微小開口を通すことで他方の面に点光源群を形成し、該点光源群の光を対物レンズで試料内に集光して集光点群を形成し、該集光点群からの各戻り光を元の微小開口を通して微小開口回転盤より出射して結像レンズにて結像させる共焦点顕微鏡であって、上記微小開口回転盤が、回転軸を中心に一回転分の螺旋状を成すばね座金状に形成されていることを特徴としている。
【0019】
これによれば、複数の微小開口が螺旋状に並んで形成された微小開口回転盤が、回転軸を中心に一回転分の螺旋状を成すばね座金状に形成されている。
【0020】
点光源群は微小開口回転盤の対物レンズ側の面に形成されるため、微小開口回転盤がこのような螺旋状を成すことで、点光源毎に点光源から対物レンズまでの距離が変化することとなる。対物レンズによる試料内の集光深さを決定する対物レンズと集光点との距離は、後述するレンズの公式に示されるように、対物レンズの焦点距離が同じ場合、点光源から対物レンズまでの距離が変化するとこちらも変化する関係にある。そのため、微小開口回転盤を上記のように構成することで、点光源毎に集光深さが異なることとなり、集光点群は試料内で水平面(深さが等しい)上には並ばず、立体的に並ぶようになる。
【0021】
したがって、このような微小開口回転盤を回転させることで、試料内の異なる深さを走査させることが可能となる。微小開口回転盤の1回転で走査位置の深さは元に戻る。
【0022】
また、微小開口回転盤がこのような螺旋状に形成されることで、微小開口回転盤より出射される戻り光の結像レンズまでの距離が、微小開口毎に変化することとなる。したがって、各微小開口を通って微小開口回転盤より出射された光は結像レンズにて立体像として形成される。したがって、この立体像を接眼レンズで直接観察することで、試料内の観察部位の立体像を実時間観察できる。なお、光軸と直交する方向の画質は低下するものの、この立体像を平面像として撮像して、3次元像を再生することもできる。
【0023】
例えば、微小開口回転盤の開き角30度の部分が顕微鏡の視野に相当するとすると、微小開口回転盤の1回転で深さの異なる12枚の画像を得ることができ、撮像器を用いる場合は、これら12枚の画像で1つの立体像が形成される。一方、接眼レンズによる観察であれば、微小開口回転盤が1回転する間に、試料を立体として観察することとなる。そして、このような微小開口回転盤の回転速度を例えば60回転毎秒とすると、このような立体像を毎秒60回観察することができる。
【0024】
その結果、試料の時間的な変化や移動を実時間で立体的に観察可能な共焦点顕微鏡を提供できる。
【0025】
また、本発明の微小開口回転盤は、上記課題を解決するために、共焦点顕微鏡に備えられる複数の微小開口が螺旋状に並んで形成された円盤型の微小開口回転盤であって、回転軸を中心に一回転分の螺旋状を成すばね座金状に形成されていることを特徴としている。
【0026】
共焦点顕微鏡として既に説明したように、本発明の該微小開口回転盤を用いて光走査することで、立体像の実時間観察が可能となる。
【0027】
したがって、従来の共焦点顕微鏡においても、微小開口回転盤を本発明の微小開口回転盤に交換することで、試料の時間的な変化や移動を実時間で立体的に観察可能なものに性能を高めることができる。
【0028】
そしてまた、本発明の共焦点顕微鏡は、別の表現を用いれば、円周が一回転分の螺旋をなすばね座金状の円盤に多数の小孔をあけ、該円盤を回転しつつレーザ光を通して多数の点光源を作り、対物レンズで試料内に立体的に多数の集光点を形成して、励起された蛍光物質からの蛍光を該対物レンズで該円盤上の小孔に結像することによって、通り抜けた蛍光が結像レンズで形成する立体的な像を観察することを特徴しているとも表現できる。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明に係る実施の一形態について、図1〜図3を用いて説明すれば、以下の通りである。
【0030】
図1(a)(b)に、本実施の形態における共焦点顕微鏡の構成を示す。同図(a)は、共焦点顕微鏡の正面図であり、同図(b)は、同図(a)の矢印Aより見た矢視図である。
【0031】
本共焦点顕微鏡は、図1(a)(b)に示すように、ニポウ盤(微小開口回転盤)1と、ダイクロイックミラー9と、対物レンズ6と、結像レンズ8とを主として備えている。そして、これら図1(a)(b)よりわかるように、本共焦点顕微鏡は、ニポウ盤1の形状に特徴がある。
【0032】
ニポウ盤1は、円盤状を成す回転体で、従来のニポウ盤30と同様、図3の模式図に示すように、複数本のアルキメデスの螺旋上に沿って複数のピンホール(微小開口)2…が形成されている。図3では、アルキメデスの螺旋1本だけを太線Lで例示している。
【0033】
そして、該ニポウ盤1は、図2の斜視図にその立体形状を示すように、回転軸5を中心に一回転分の螺旋状を成すばね座金状に形成されており、回転軸5を中心に螺旋を描くように円周方向に漸次的に滑らかに変化している。
【0034】
このような構成において、図示しない励起用レーザにて、ニポウ盤1の上面1a側より照射されたレーザ光(平行光)10は、ニポウ盤1の各ピンホール2へと入る。なお、ニポウ盤1の上には、ダイクロイックミラー9が配設されているが、ダイクロイックミラー9は、該レーザ光10を透過させる。
【0035】
ニポウ盤1に入射されたレーザ光10は、複数のピンホール2…を通過することで、ピンホール2の下端で拡散し、ニポウ盤1の底面1bに点光源群14を形成する。上述したように、本共焦点顕微鏡におけるニポウ盤1は平板状ではなく、回転軸5を中心とした一回転分の螺旋状に形成されているので、点光源群14もその底面1bである螺旋状斜面に並んだ状態で形成される。なお、図の煩雑さを避けるために、図1(a)(b)では2個のピンホール2・2を通り抜けた光路に関してのみ図示している。
【0036】
そして、ニポウ盤1の底面1bに形成された点光源群14の各光10aは、対物レンズ6によって集光され、試料7中で集光点群11を形成する。図4にて説明した底面が平面状に形成されたニポウ盤30を用いた構成では、試料53内に形成される集光点群54は光軸と直交する水平面に並んでいた。これに対し、上記ニポウ盤1では、1回転分の螺旋を成すばね座金状に形成され、点光源群14がその底面1bの螺旋状斜面に形成されているので、集光点群11を水平に並ぶことなく、光軸方向に傾きを持った斜面上に並ぶこととなる。
【0037】
これは、ニポウ盤1の底面1bが螺旋状斜面を成し、点光源毎に点光源から対物レンズ6までの距離が変化するためである。対物レンズ6による試料7内の集光深さを決定する対物レンズ6と集光点との距離は、レンズの公式
1/f=1/a+1/b
で決定される。ここで、fは対物レンズ6の焦点距離、aは点光源つまりピンホール2の下端と対物レンズ6との距離、bは対物レンズ6と集光点との距離である。
【0038】
この式よりわかるように、対物レンズ6の焦点距離fが同じ場合、点光源から対物レンズ6までの距離aが変化すると、対物レンズ6と集光点との距離bも変化する関係にある。そのため、ニポウ盤1の底面1bを螺旋状斜面に形成することで、点光源毎に集光深さが異なることとなり、集光点群11は試料7内で水平面(深さが等しい)上には並ばず、立体的に並ぶようになる。
【0039】
したがって、このようなニポウ盤1を回転させることで、試料7内の異なる深さを走査させることが可能となる。ニポウ盤1の回転に伴って観察部位の深さが漸次的に変わり、ニポウ盤1が一回転すると観察部位の深さが元に戻る。
【0040】
そして、各集光点で蛍光色素が励起され、励起した蛍光(戻り光)12が、対物レンズ6で集められてニポウ盤1の底面1bに集光される。詳細には、各々先に通過した元のピンホール2の下端に集光され、ピンホール2を通り抜ける。そして、ピンホール2を通り抜けた蛍光12は、ダイクロイックミラー9で結像レンズ8へと反射され、結像レンズ8によって結像される。
【0041】
また、特に図示してはいないが、この場合も、試料7内の集光点の前後で生じる低強度の蛍光や、試料7内で散乱された蛍光は、対物レンズ6にてニポウ盤1の底面1bに集光された際、その集光位置がピンホール2とずれるため、ピンホール21を通り抜けることはできない。
【0042】
ピンホール2を通り抜け、ニポウ盤1の上面1aより照射された光は、結像レンズ8にて結像されるが、ここで上記ニポウ盤1が螺旋状に形成されているので、その上面1aも螺旋状斜面となり、ニポウ盤1より出射される蛍光12の結像レンズ8までの距離が、ピンホール2毎に変化することとなる。したがって、各ピンホール2を通ってニポウ盤1より出射された光は結像レンズ8にて立体像13として形成される。
【0043】
そして、この立体像を接眼レンズ(不図示)で直接観察することで、試料7内の観察部位の立体像を実時間観察することができる。試料7や対物レンズ6の移動を伴わないので、振動のない安定な状態で、立体像の実時間観察が可能となる。そして、これにより、生態組織や細胞の電気生理学実験を容易に行うことができる。
【0044】
このような共焦点顕微鏡において、図3の模式図にて斜線を付しているニポウ盤1の開き角30度の部分が顕微鏡の視野に相当するとし、この部分にピンホール2が1000個ほど形成されているとすると、撮像器13はニポウ盤1の30度の回転で、1000本の走査線からなる画像を1つ構成でき、ニポウ盤1の1回転で深さの異なる12枚の画像を得ることができる。そして、ニポウ盤1が1回転する間に、試料7を立体観察できる。
【0045】
そしてまた、このようなニポウ盤1の回転速度を例えば60回転毎秒とすると、このような立体像を毎秒60回観察できる。毎秒60回の立体像観察では、試料の立体形状に加えて試料の時間的な変化や移動を充分に観察できる。
【0046】
なお、上記の説明では、立体像13を接眼レンズで直接観察するとしたが、光軸と直交する方向の画質は低下するものの、この立体像を平面像として撮像して、3次元像を構築することもできる。その場合、ニポウ盤1の1回転毎に12枚の画像を撮像して、毎秒720枚の像を得ることができ、かつ、撮像器の高速化を図ることで、毎秒当たりの取得画像数がさらに増加させることで、より緻密な立体像を得ることが可能になる。
【0047】
また、上記した螺旋状のニポウ盤1における高さの変化量は、観察対象となる試料の厚みと、使用される対物レンズの倍率によって決定すればよい。
【0048】
つまり、光軸方向の集光点の移動量には、
光軸方向の集光点の移動量=光源の移動量/対物レンズの倍率の2乗
といった関係がある。
【0049】
したがって、試料7が細胞試料である場合に要求される0.01mmの厚さを立体観察するには、光軸方向の集光点の移動量が0.01mm必要となり、上記式より、対物レンズ6の倍率が20倍である場合は、光源の移動量、つまり、ニポウ盤1における底面1bの螺旋状斜面の変化量(高さ変化)は4mmとなる。また、対物レンズ6の倍率が40倍である場合は、ニポウ盤1における底面1bの螺旋状斜面の変化量は16mmとなる。そして、ちなみに、16mmの厚み変化を持たせるためのニポウ盤1の直径は50mm程度となる。
【0050】
また、上記ニポウ盤1においては、各ピンホール2に中空管或いは棒状の透明体が埋め込まれている構成とすることが好ましい。ここで中空管としては例えばガラスキャピラリー等を挙げることができ、棒状の透明体としては、光ファイバー等を挙げることができる。
【0051】
これにより、光の伝播ロスを小さくするために施されるピンホール2の内面平滑化処理が必要なくなるとともに、また、製造工程の簡素化も図れる。つまり、ニポウ盤1を製造するにあたり、形状を形成した後の円盤1枚ずつにピンホール2を形成していく方法もあるが、このように、中空管や棒状透明体よりピンホール2を形成することで、2枚の円盤にピンホール2を形成し、これらを離して各ピンホール2に中空管や棒状透明体を通し、それらの隙間を熱可塑性樹脂等で埋めて、スライス後にニポウ盤1の形状に加工することができる。
【0052】
なお、ここで述べた具体的な実施の態様や実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、そのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、本発明の範囲内で、種々変更して実施することができるものである。
【0053】
一例として、例えば、本実施の形態では設けていなかったが、ニポウ盤1と一体的に回転駆動されるマイクロレンズアレイ盤を具備させることもできる。マイクロレンズアレイ盤はニポウ盤1のピンホール2…と相対する複数のマイクロレンズを有したもので、ニポウ盤1のレーザ光10照射側に配されることで、ニポウ盤1における開口面積比を上げてレーザ光の利用率を上げる働きがある。
【0054】
このようなマイクロレンズアレイ盤は、上記ニポウ盤作製方法において用いられるグラスファイバー(光ファイバー)の代わりに、屈折率傾斜型グラスファイバーを用いることによって、ニポウ盤と同様にして作製される。屈折率傾斜型グラスファイバーは、ファイバーの中心(軸)で屈折率が高く周辺に行くにしたがって徐々に屈折率が低くなるグラスファイバーであり、スライスして厚さが一様な円盤にしたとき、レンズとして使用できる。焦点距離は、屈折率傾斜の程度及び円盤の厚さによって変えることができる。
【0055】
【発明の効果】
本発明は、以上のように、複数の微小開口が螺旋状に並んで形成された円盤型の微小開口回転盤を用い、該微小開口回転盤を回転しつつその一方の面よりレーザ光を照射して微小開口を通すことで他方の面に点光源群を形成し、該点光源群の光を対物レンズで試料内に集光して集光点群を形成し、該集光点群からの各戻り光を元の微小開口を通して微小開口回転盤より出射して結像レンズにて結像させる共焦点顕微鏡であって、上記微小開口回転盤が、回転軸を中心に一回転分の螺旋状を成すばね座金状に形成されていることを特徴としている。
【0056】
これによれば、複数の微小開口が螺旋状に並んで形成された微小開口回転盤が、回転軸を中心に一回転分の螺旋状を成すばね座金状に形成されているので、その底面の螺旋状斜面に形成された点光源毎に集光深さが異なることとなり、集光点群は試料内で水平面(深さが等しい)上には並ばず、立体的に並ぶようになる。
【0057】
したがって、このような微小開口回転盤を回転させることで、試料内の異なる深さを走査させることが可能となる。微小開口回転盤の1回転で走査位置の深さは元に戻る。
【0058】
また、微小開口回転盤がこのような螺旋状に形成されることで、微小開口回転盤より出射される戻り光の結像レンズまでの距離が、微小開口毎に変化することとなるので、各微小開口を通って微小開口回転盤より出射された光は結像レンズにて立体像として形成される。
【0059】
したがって、この立体像を接眼レンズで直接観察することで、試料内の観察部位の立体像を実時間観察できる。なお、光軸と直交する方向の画質は低下するものの、この立体像を平面像として撮像して、3次元像を再生することもできる。
【0060】
その結果、試料の時間的な変化や移動を実時間で立体的に観察可能な共焦点顕微鏡を提供できるという効果を奏する。
【0061】
また、本発明の微小開口回転盤は、以上のように、共焦点顕微鏡に備えられる複数の微小開口が螺旋状に並んで形成された円盤型の微小開口回転盤であって、回転軸を中心に一回転分の螺旋状を成すばね座金状に形成されていることを特徴としている。
【0062】
共焦点顕微鏡として既に説明したように、本発明の該微小開口回転盤を用いて光走査することで、立体像の実時間観察が可能となる。
【0063】
したがって、従来の共焦点顕微鏡においても、微小開口回転盤を本発明の微小開口回転盤に交換することで、試料の時間的な変化や移動を実時間で立体的に観察可能なものに性能を高めることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示すもので、同図(a)は、共焦点顕微鏡の正面図であり、同図(b)は、同図(a)の矢印Aより見た矢視図である。
【図2】上記共焦点顕微鏡に備えられたニポウ盤の斜視図である。
【図3】共焦点顕微鏡で用いられるニポウ盤に形成される微小開口の並びを示す模式図である。
【図4】従来の共焦点顕微鏡の一構成例を示す図面である。
【符号の説明】
1 ニポウ盤(微小開口回転盤)
2 ピンホール(微小開口)
6 対物レンズ
7 試料
8 結像レンズ
11 集光点群
13 立体像
14 点光源群

Claims (2)

  1. 複数の微小開口が螺旋状に並んで形成された円盤型の微小開口回転盤を用い、該微小開口回転盤を回転しつつその一方の面よりレーザ光を照射して微小開口を通すことで他方の面に点光源群を形成し、該点光源群の光を対物レンズで試料内に集光して集光点群を形成し、該集光点群からの各戻り光を元の微小開口を通して微小開口回転盤より出射し、結像レンズにて結像させる共焦点顕微鏡であって、
    上記微小開口回転盤が、回転軸を中心に一回転分の螺旋状を成すばね座金状に形成されていることを特徴とする共焦点顕微鏡。
  2. 共焦点顕微鏡に備えられる複数の微小開口が螺旋状に並んで形成された円盤型の微小開口回転盤であって、
    回転軸を中心に一回転分の螺旋状を成すばね座金状に形成されていることを特徴とする微小開口回転盤。
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