JP2003343242A - 触媒の温度推定装置 - Google Patents

触媒の温度推定装置

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JP2003343242A JP2002149998A JP2002149998A JP2003343242A JP 2003343242 A JP2003343242 A JP 2003343242A JP 2002149998 A JP2002149998 A JP 2002149998A JP 2002149998 A JP2002149998 A JP 2002149998A JP 2003343242 A JP2003343242 A JP 2003343242A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】内燃機関の運転条件の制約を受けることなく、
触媒の温度を精度よく推定することができる温度推定装
置を提供する。 【解決手段】内燃機関1の始動時には、機関温度TW及び
吸気温度TAのうちの小さい方を触媒13の推定温度の初
期値として得る。内燃機関1の始動後の運転中は、始動
時の初期値を起点として、内燃機関1の回転数NE及び負
荷PBAに応じて定めた触媒13の定常推定温度に応答遅
れを有して追従する値をなまし処理により逐次求め、そ
の求めた値を触媒13の推定温度として得る。なまし処
理のなまし係数は、内燃機関の回転数NE及び負荷PBAに
応じて設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の排ガス
浄化用の触媒の温度を推定する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】排ガス浄化用の触媒(例えば三元触媒)
を内燃機関の排気通路に備えたシステムでは、その触媒
の上流側及び下流側に設けた空燃比センサの出力等に基
づいて、触媒の劣化状態を評価することが行われてい
る。そして、この種のシステムでは、触媒の劣化状態の
評価は、一般に、触媒が十分に昇温・活性化した状態
(触媒の暖機状態)で行う必用がある。この場合、触媒
が暖機状態にあるか否かを判断する必要がある。
【0003】また、例えば、内燃機関の始動後、触媒が
まだ活性化していない状態では、排ガス中のHC(炭化
水素)をHC吸着材により一旦、吸着保持し、触媒が活
性化した後には、HC吸着材からHCを脱離させ、それ
を触媒で改めて浄化したり、内燃機関の吸気系に還流さ
せて燃焼させるようにした排ガス浄化システムも知られ
ている。そして、このようなシステムにおいても、HC
吸着材から脱離したHCを適正なタイミングで触媒に供
給したり、内燃機関の吸気系に還流させるようにするた
めに、触媒が暖機状態にあるか否かを判断する必要があ
る。
【0004】このように触媒が暖機状態にあるか否かを
判断することは、内燃機関の種々様々の運転状況下で必
要になる。そして、触媒が暖機状態にあるか否かを判断
する技術としては、例えば特開平7−217480号公
報に見られる技術が知られている。この技術は、触媒の
劣化状態の評価のために、触媒が暖機状態にあるか否か
を次のように判断するようにしている。すなわち、内燃
機関の空気量(機関負荷)や、吸入空気温度に応じて設
定したカウント設定値が所定時間毎に累積加算され、そ
の累積加算値が所定値を越えたか否かにより、触媒が暖
機状態になったか否かが判断される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報のものでは、単に、内燃機関の空気量や吸入空気温度
に応じて設定したカウント設定値を累積加算するもので
あるため、その累積加算値が、触媒の実際の温度状態を
正しく反映したものにならない場合が多々ある。このた
め、触媒が暖機状態であるか否かの判断が誤りやすいも
のとなる。この結果、触媒が実際には、暖機状態になっ
ていないにもかかわらず、触媒の劣化状態の評価を実行
し、ひいては、その劣化状態の評価結果が誤ってしまう
場合がある。
【0006】また、触媒が暖機状態になっているとの判
断を確実なものとするためには、その判断をするための
閾値(前記累積加算値と比較する閾値)に余裕をもたせ
る必用がある。さらに、上記累積加算値が、触媒の実際
の温度状態にできるだけ則したものになるようにするた
めには、その累積加算値の演算を行う内燃機関の運転条
件を比較的狭い範囲に限定せざるを得ない。実際、前記
公報のものでは、前記累積加算値は、機関負荷が所定範
囲内に無い場合や、アイドリング運転状態である場合
等、種々の運転条件下においてリセットされるものとな
っている。
【0007】この結果、前記公報のものでは、実際には
触媒が既に暖機状態となっていても、それを認識できな
いような場合が多くなり、ひいては、触媒の劣化状態を
評価を実行する機会を逸してしまいやすいという不都合
がある。
【0008】このような不都合は、例えばHC吸着材を
備えた排気システムにおいて、前記公報のものの技術を
用いて、触媒が暖機状態であるか否かを判断するように
した場合にも、同様に生じる不都合である。
【0009】尚、触媒の温度状態を正しく把握するため
には、触媒に温度センサを取着し、該触媒の温度を直接
的に検出することも考えられる。しかし、このような温
度センサを備えることは、コストアップを招くものとな
り、また、該温度センサの耐久性の確保等の問題も生じ
る。
【0010】本発明はこのような背景に鑑み、内燃機関
の運転条件の制約を受けることなく、触媒の温度を精度
よく推定することができる温度推定装置を提供すること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の触媒の温度推定
装置は、前記の目的を達成するために、内燃機関の排気
通路に設けられた排ガス浄化用の触媒の温度を推定する
装置であって、前記内燃機関の始動時に該内燃機関の吸
入空気温度及び機関温度のうちの少なくともいずれか一
方に基づいて触媒の推定温度の初期値を求める手段と、
該内燃機関の始動後、少なくとも該内燃機関の回転数及
び負荷からあらかじめ定めた相関関係にに基づいて、該
内燃機関の定常運転状態における触媒の定常推定温度を
逐次求める手段と、前記初期値を起点として前記定常推
定温度に応答遅れを有して追従する値をなまし処理によ
り逐次求め、その求めた値を触媒の現在推定温度として
得る手段とを備え、前記なまし処理におけるなまし係数
を前記内燃機関の回転数及び負荷に応じて可変的に設定
することを特徴とするものである。
【0012】かかる本発明によれば、触媒の推定温度の
初期値は、内燃機関の始動時に、該内燃機関の吸入空気
温度及び機関温度のうちの少なくともいずれか一方に基
づいて求められる。ここで、本願発明者等の知見によれ
ば、内燃機関の始動時における触媒の温度は、その始動
時における吸入空気温度と機関温度とのいずれかに近い
値となる。従って、前記初期値は、内燃機関の始動時の
触媒の温度の推定値として、実際の温度に近い値にな
る。尚、この場合、内燃機関の始動時の吸入空気温度及
び機関温度のうちの小さい方を触媒の推定温度の初期値
として求めることが該初期値の信頼性を高める上で好ま
しい。また、該初期値を求めるために必用な吸入空気温
度は、内燃機関の吸気系に備えた吸入空気温度検出手段
による検出温度を用いればよく、機関温度は、例えば内
燃機関の冷却水温を検出する水温検出手段による検出温
度を用いればよい。
【0013】そして、本発明では、内燃機関の始動後、
前記定常推定温度が少なくとも内燃機関の回転数及び負
荷からあらかじめ定めた相関関係に基づいて逐次求めら
れ、この定常推定温度に、前記初期値を起点として応答
遅れを有して追従する値が触媒の現在推定温度として、
なまし処理により逐次求められる。この場合、このなま
し処理におけるなまし係数、すなわち、前記応答遅れの
度合いを規定する係数は、内燃機関の回転数及び負荷に
応じて可変的に設定される。
【0014】ここで、本願発明者等の知見によれば、内
燃機関の定常運転状態、すなわち、内燃機関の回転数
(回転速度)や負荷(吸入空気量の状態)が一定に維持
される運転状態では、触媒の温度(最終的に到達する温
度)は、基本的には、内燃機関の回転数及び負荷に応じ
た温度になる。さらに、内燃機関の運転状態をステップ
状に変化させたときには、触媒の温度は、基本的には変
化後の内燃機関の回転数及び負荷に応じた温度に向かっ
て応答遅れ(基本的には一次遅れ)を伴って収束してい
く。この場合、応答遅れの度合いは、基本的には内燃機
関の回転数及び負荷に応じたものとなる傾向がある。こ
のため、内燃機関の運転中に、前記なまし処理により触
媒の現在推定温度を求めることにより、信頼性の高い
(誤差の少ない)触媒の推定温度を逐次求めることがで
きることとなる。
【0015】従って、本発明によれば、内燃機関の始動
時から、内燃機関の運転条件の制約を受けることなく、
触媒の温度を精度よく推定することができる。尚、前記
定常推定温度及びなまし係数を求めるために必要な内燃
機関の回転数及び負荷のうち、回転数は、内燃機関に備
えた回転数検出手段による検出値を用いればよい。ま
た、負荷は、内燃機関の吸入空気量の状態を表すもので
あればよい。例えば、内燃機関の吸気圧(吸気管内圧)
を検出する吸気圧検出手段、もしくは、吸入空気量を直
接的に検出する吸入空気量検出手段が備えられている場
合には、それらの検出手段による検出吸気圧もしくは検
出吸入空気量を内燃機関の負荷を表すものとして用いる
ことができる。
【0016】ところで、内燃機関の運転時には、始動後
の触媒の活性化を早めるために、内燃機関の点火時期を
意図的に常用的な点火時期よりも遅角側に制御する場合
がある。また、排ガス中の未燃成分を燃焼させるため
に、排ガスを内燃機関の吸気系に適宜還流させるように
する場合もある。また、内燃機関のスロットル弁の略全
開時には、一般に、内燃機関の燃料供給量が、通常的な
空燃比(理論空燃比近傍の空燃比)に対応する燃料供給
量よりも増量される。そして、これらの運転状況下で
は、内燃機関の定常運転状態における触媒の温度は、内
燃機関の回転数及び負荷だけでなく、点火時期の遅角度
合い、排ガスの吸気系への還流度合い、スロットル弁の
略全開時の燃料供給量の増量度合いの影響を受ける。
【0017】そこで、本発明では、より好ましくは、前
記定常推定温度を求める手段は、前記内燃機関の運転中
の回転数及び負荷からあらかじめ定めた相関関係に基づ
いて触媒の定常推定温度の基本値を求め、この基本値
を、内燃機関の点火時期の遅角度合いと、排ガスの吸気
系への還流度合いと、スロットル弁の略全開時の燃料供
給量の増量度合いとのうちの少なくともいずれか一つに
応じて補正することにより、前記定常推定温度を求め
る。このようにすることにより、定常推定温度の信頼性
をより高めることができ、ひいては、内燃機関の運転中
における触媒の推定温度の精度を高めることができる。
【0018】また、内燃機関のフュエルカット中(燃料
供給を遮断した状態)では、燃料及び空気の混合気の燃
焼が行われないため、内燃機関の定常運転状態における
触媒の温度は、一般には内燃機関の回転数及び負荷に応
じたものにならない。また、フュエルカット中には、触
媒の温度が定常的な温度に収束していく場合の応答遅れ
の形態は、一般に該フュエルカット中以外の内燃機関の
運転状況と異なるものとなる。そこで、本発明では、前
記内燃機関のフュエルカット中は、前記定常推定温度
と、前記なまし係数とをそれぞれ所定値に設定する手段
を備える。これにより、内燃機関のフュエルカット中や
その直後の運転状態でも触媒の推定温度の精度を高める
ことができる。
【0019】また、特に触媒の温度が低い状態(触媒が
未だ十分に活性化しないような低温状態)では、触媒の
活性化の進行に伴って、触媒の排ガス浄化能力、ひいて
は排ガスの成分の反応による発熱が変化するので、触媒
の温度が定常的な温度に収束していく場合の応答遅れの
度合いは、内燃機関の回転数及び負荷だけでなく、触媒
の温度の影響も受ける。そこで、本発明では、前記なま
し係数を既に求められた触媒の現在推定温度の最新値に
応じて補正する手段を備える。これにより、前記なまし
処理による触媒の現在推定温度の精度をより高めること
が可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図1〜図6
を参照して説明する。図1は本発明の実施形態を含む装
置の全体構成を示すブロック図である。同図において、
1は例えば自動車に車両の推進源として搭載されたエン
ジン(内燃機関)、2は電子制御ユニット(以下、EC
Uという)である。エンジン1は例えば4気筒エンジン
である。
【0021】エンジン1の吸気系を構成する吸気管3
(吸気通路)の途中部には、上流側から順に、吸気量を
調整するスロットル弁4と、吸気管内圧PBA(詳しくは
吸気管4内の絶対圧)を検出する吸気管内圧センサ5
(吸気圧検出手段)と、吸気温度TAOB(吸気管4内にお
ける空気の温度)を検出する吸気温度センサ6(吸気温
度検出手段)と、燃料を吸気管4に噴射して空気と混合
させる燃料噴射弁7とが設けられている。また、スロッ
トル弁4の配置箇所には、該スロットル弁4の開度THA
を検出するスロットル弁開度センサ8が設けられてい
る。上記各センサ5,6,8は、それぞれの検出値を示
す電気信号をECU2に出力する。
【0022】燃料噴射弁7は、エンジン1の各気筒の吸
気バルブ(図示せず)の若干上流側で各気筒毎に設けら
れている。各燃料噴射弁7は、図示を省略する燃料タン
クから燃料が供給され、その開弁時間(ひいては燃料噴
射量)がECU2により制御される。
【0023】エンジン1には、エンジン1の回転数NE
(回転速度)を検出する回転数センサ9(回転数検出手
段)と、エンジン1の冷却水温TWを機関温度として検出
する水温センサ10(機関温度検出手段)と、図示しな
い点火プラグ及びディストリビュータにより構成される
点火器11が組み付けられている。回転数センサ9及び
水温センサ10はそれぞれの検出値を示す電気信号をE
CU2に出力する。また、点火器11は、その作動(各
気筒における混合気の点火タイミング)がECU2によ
り制御される。尚、回転数センサ9は、エンジン1のク
ランク軸の所定の回転角度毎にパルス信号(TDC信
号)を発生するものであり、このTDC信号を回転数NE
を示す信号としてECU2に出力する。
【0024】エンジン1の排気系を構成する排気管12
(排気通路)には、排ガス浄化用の触媒(CAT)13
が介装されている。この触媒13は例えば三元触媒によ
り構成されたものである。そして、触媒13の上流側及
び下流側には、それぞれ空燃比センサとしてのLAFセ
ンサ14及びO2センサ15が設けられている。尚、L
AFセンサ14は、エンジン1の各気筒の排ガスが集合
する箇所の近傍に設けられている。
【0025】これらのセンサ14,15はいずれも排ガ
ス中の酸素濃度(ひいてはこの酸素濃度により表される
排ガスの空燃比)に感応するセンサであるが、LAFセ
ンサ14は、比較的広い空燃比域において、排ガスの空
燃比に比例したレベルの電気信号(以下、検出出力KACT
という)を発生するものである。また、O2センサ15
は、それが発生する電気信号(以下、検出出力V O2とい
う)のレベルが、理論空燃比近傍の狭い空燃比域におい
てのみ高感度な変化を示し、且つ、それ以外の空燃比域
では、検出出力VO2がほぼ一定となるか、もしくは、そ
の変化が微小なものとなるものである。これらのLAF
センサ14及びO2センサ15の検出出力KACT,VO2は、
ECU2に入力される。
【0026】排気管12の、LAFセンサ14よりも若
干上流側の箇所から排気還流通路16(以下、EGR通
路16という)が導出され、燃料噴射弁7の下流側で吸
気管3に接続されている。このEGR通路16には電磁
制御弁17(以下、EGR制御弁17という)が介装さ
れている。該EGR制御弁17は、その開度がECU2
により制御される。
【0027】ECU2は、図示を省略するCPU、RA
M、ROMから構成されるマイクロコンピュータを含め
て構成された電子回路ユニットである。そして、ECU
2は、前述の吸気温度センサ6等、各センサの出力信号
もしくはその出力信号から把握される検出値や、あらか
じめROMに記憶保持されたプログラム及び設定データ
に基づいて、前記燃料噴射弁7、EGR制御弁17等、
ECU2に接続された各アクチュエータの動作を制御
し、これにより、エンジン1の運転制御を行う。また、
ECU2は、エンジン1の運転制御を行いながら、触媒
13の温度を推定する処理(以下、触媒温度推定処理と
いう)や、触媒13の劣化状態を評価する処理(以下、
触媒劣化評価処理という)等も実行する。従って、EC
U2は、本発明の温度推定装置の主要部としての機能を
有するものである。
【0028】ここで、ECU2による触媒劣化評価処理
の概要を説明しておく。本実施形態では、エンジン1の
運転中に、触媒13による良好な排ガス浄化性能を確保
するために、触媒13の下流側のO2センサ15の検出
出力VO2と上流側のLAFセンサ14の検出出力KACTと
に基づいて、燃料噴射弁7の開弁時間(燃料噴射量)が
調整され、それにより、エンジン1の空燃比が制御され
る。この場合、この空燃比制御は、例えば特開平11−
153051号公報や、特開平11−324765号公
報等に本願出願人が提案したように行われる。尚、この
空燃比制御は、本願発明の本質をなすものではないと共
に、上記公報に詳細に説明されているので、ここではさ
らなる説明を省略する。
【0029】このような空燃比制御を行いながら、EC
U2は、触媒劣化評価処理を実行する。この触媒劣化評
価処理は、例えば特開2001−241349号公報に
本願出願人が提案したように行われる。すなわち、O2
センサ15の検出出力VO2を用いて、触媒13の劣化状
態を評価するための劣化評価用パラメータが算出され、
この劣化評価用パラメータを所定の判定値と比較するこ
とにより、触媒13が劣化した状態であるか否かが判断
される。尚、この触媒劣化評価処理のより具体的な手法
は、上記特開2001−241349号公報に詳細に説
明されているので、ここではさらなる説明を省略する。
また、触媒13の劣化状態を評価する手法は、上記特開
2001−241349号公報に開示されたものに限ら
れるものではなく、触媒の上流側及び下流側の空燃比セ
ンサの両者の検出出力を用いて触媒の劣化状態を評価す
る等、他の手法を用いてもよい。
【0030】ところで、前記触媒劣化評価処理は、触媒
13が昇温・活性化していることを一つの条件として実
行される。これは、触媒13が活性化していない状態で
は、触媒13による排ガスの浄化作用(酸化・還元反
応)が十分に機能しないため、触媒13の劣化状態がO
2センサ15の検出出力VO2等に適正に反映せず、ひいて
は、触媒13の劣化状態を正当に評価することができな
いからである。
【0031】そこで、本実施形態では、ECU2は、エ
ンジン1の運転開始時(始動時)から前記触媒温度推定
処理を実行して、触媒13の推定温度を逐次求める。そ
して、ECU2は、この推定温度に基づいて、触媒13
が活性化しているか否か、すなわち、触媒13が暖機状
態にあるか否かを逐次判断する。この触媒温度推定処理
(触媒13の暖機の判断も含む)は、図示しないイグニ
ッションスイッチのON操作によりECU2が起動した
後、図2のフローチャートに示すルーチン処理をECU
2が所定のサイクルタイム(例えば10ms周期)で実行
することでなされる。
【0032】図2を参照して、ECU2は、まず、ST
EP1において、現在タイミングが始動モードであるか
否かを判断する。始動モードは、図示しないスタータモ
ータにより、エンジン1のクランキングを行いつつ、エ
ンジン1を始動させる(燃焼運転を開始させる)モード
である。
【0033】このとき始動モードである場合には、EC
U2は、STEP2で初期化完了フラグF/TCTINIを
「1」に設定した後、STEP3の判断処理を実行す
る。このSTEP3では、ECU2は、前記水温センサ
10による冷却水温TWの検出値(現在値)と、吸気温度
センサ6による吸気温度TAの検出値(現在値)とを比較
する。このとき、TW>TAである場合には、ECU2は、
吸気温度TAの検出値を、触媒13の推定温度TCT(以
下、触媒推定温度TCTという)の初期値TCT(0)として設
定する(STEP4)。また、STEP3でTW≦TAであ
る場合には、ECU2は、冷却水温TWの検出値を、触媒
推定温度TCTの初期値TCT(0)として設定する(STEP
5)。
【0034】これらのSTEP3〜5の処理が、始動モ
ードにおいて実行されることにより、エンジン1の始動
時における吸気温度TA及び冷却水温TWのいずれか小さい
方、すなわち、MIN(TA,TW)が触媒推定温度TCTの初期
値TCT(0)として求められることとなる。
【0035】尚、ECU2はSTEP4又は5で初期値
TCT(0)を設定した後には、STEP10〜12の処理を
実行し、今回のサイクルタイムにおける触媒温度推定処
理を終了する。STEP10〜12は、触媒3が暖機状
態であるか否かを判断する処理(以下、触媒暖機判定処
理という)であり、これについては後述する。
【0036】エンジン1が正常に始動すると、始動モー
ドが終了し、STEP1の判断結果がNOとなる。この
とき、ECU2は、STEP6で初期化完了フラグF/IN
Iの値が「1」であること、すなわち、触媒推定温度TCT
の初期値TCT(0)を算出済みであることを確認した後、S
TEP7において、カウントダウンタイマTMの値を判断
する。このカウントダウンタイマTMは、触媒推定温度TC
Tを更新する周期を計時するものであり、エンジン1の
始動時に所定値TM0(例えば200ms)に初期化されて
いる。そしてSTEP7で、TM>0である場合には、触
媒推定温度TCTの更新周期のカウント中であるので、E
CU2は、触媒推定温度TCTを現在値(始動モードの終
了直後では、TC T=TCT(0))に保持したまま、STEP
10〜12の触媒暖機判定処理を実行し、今回のサイク
ルタイムの処理を終了する。
【0037】STEP6で、TM=0である場合には、E
CU2は、STEP8でカウントダウンタイマTMを前記
所定値TM0に初期化(リセット)した後、STEP9に
おいて、触媒推定温度TCTの更新処理を実行する。そし
て、この更新処理の後、ECU2は、STEP10〜1
2の触媒暖機判定処理を実行し、今回のサイクルタイム
の処理を終了する。従って、STEP9の更新処理は、
上記所定値TM0、すなわちカウントダウンタイマTMの初
期値TM0により定まる周期(これは図2の全体の処理の
周期よりも長い)で実行される。尚、以下の説明では、
STEP9の処理の周期を推定温度更新サイクルという
ことがある。
【0038】STEP9における更新処理は、図3のフ
ローチャートに示すように実行される。まず、概要を説
明すると、ECU2は、STEP9−1〜9−12の処
理によって、エンジン1の現在の運転状態が継続したと
した場合に最終的に到達する(収束する)と予測される
触媒13の温度、すなわち触媒13の定常推定温度TCTM
を求めると共に、触媒推定温度TCTを以下に説明するな
まし処理により求める(更新する)ために用いるなまし
係数Cxとを設定する。そして、STEP9−13にお
いて、ECU2は、次式(1)のなまし処理の演算によ
り、触媒推定温度TCTを更新し、新たな触媒推定温度TCT
(k)を求める。
【0039】 TCT(k)=Cx・TCTM+(1−Cx)・TCT(k-1) ……(1) ここで、式(1)における添え字kは、STEP9の処
理のサイクルタイム、すなわち、推定温度更新サイクル
の番数を意味しており、TCT(k)は、今回の推定温度更新
サイクルで新たに求められる触媒推定温度、TCT(k-1)
は、前回の推定温度更新サイクルで求められた触媒推定
温度を意味している。従って、式(1)のなまし処理の
演算は、触媒推定温度TCTの更新前の最新値TCT(k-1)
と、エンジン1の現在の運転状態に対応した触媒13の
定常推定温度TCTMと、これらに係る係数としてのなまし
係数Cxとを用いて行われる。尚、エンジン1の始動
後、初めてSTEP9の処理を実行する場合における触
媒推定温度TCTの初期値(起点)TCT(0)は、前述のよう
に始動モードで求められた値である。
【0040】このような式(1)により表されるなまし
処理によって、触媒13の定常推定温度TCTMに応答遅れ
(一次遅れ)を有して追従する値が、触媒推定温度TCT
として逐次求められることとなる。この場合、式(1)
のなまし係数Cx(0<Cx<1)は、上記応答遅れの度
合いを示すものであり、該なまし係数Cxが大きい程、
触媒推定温度TCTが迅速に定常推定温度TCTMに収束する
こととなる。
【0041】前記式(1)の演算を実行する(触媒推定
温度TCTを更新する)前のSTEP9−1〜9−12の
処理は、次のように行われる。すなわち、ECU2は、
まず、STEP9−1において、前記回転数センサ9及
び吸気管内圧センサ5によるエンジン1の回転数NE及び
吸気管内圧PBAの検出値(現在値)に基づいて、触媒1
3の定常推定温度の基本値TCTMXを求める。該基本値TCT
MXは、現在の回転数NE及び吸気管内圧PBAを継続的に維
持したとした場合におけるエンジン1の定常運転状態
で、最終的に到達する(収束する)と予測される触媒1
3の温度を意味するものである。尚、この場合の定常運
転状態では、エンジン1の点火時期や空燃比が常用的な
値になっており、また、排ガスをエンジン1の吸気側に
供給するようなことも行われていないものとする。
【0042】このような基本値TCTMXは、回転数NE及び
吸気管内圧PBAの検出値から、それらをパラメータとし
てあらかじめ定められたマップ(これは回転数NE及び吸
気管内圧PBAと、基本値TCTMXとの相関関係を表す)に基
づいて求められる。この場合、該基本値TCTMXは、基本
的には回転数NEが大きい程、より高い温度になり、ま
た、吸気管内圧PBAが大きい程、より高い温度になる。
【0043】次いで、ECU2は、エンジン1のフュエ
ルカット中であるか否かをSTEP9−2で判断する。
このとき、フュエルカット中でない場合には、ECU2
は、STEP9−3において、エンジン1の回転数NE及
び吸気管内圧PBAの検出値(現在値)に基づいて、前記
式(1)で用いるなまし係数Cxを設定する。このなま
し係数Cxは、例えば図4に示すように、回転数NE及び
吸気管内圧PBAをパラメータとしてあらかじめ定められ
たデータテーブルに基づいて設定される。この場合、な
まし係数Cxは、基本的には、回転数NEが大きい程、よ
り大きな値に設定され、また、吸気管内圧PBAが大きい
程、より大きな値に設定される。
【0044】次いで、ECU2は、エンジン1の点火時
期の遅角制御中であるか否かをSTEP9−4で判断す
る。ここで、本実施形態では、例えばエンジン1の冷間
始動時のように触媒13が冷えていると予測される場合
には、触媒13の活性化を早めるためにエンジン1の点
火時期を常用点火時期よりも遅角側に制御するようにし
ている。これは、点火時期を常用的な点火時期よりも遅
角側に制御することで、排ガスの熱量が大きくなり、触
媒13の昇温・活性化が早まるからである。尚、このよ
うな遅角制御は公知の技術であるので、ここでは詳細な
説明は省略する。
【0045】そして、ECU2は、点火時期の遅角制御
中でない場合には、その点火時期の遅角量ΔDIG(常用
点火時期に対する遅角量)を「0」とする(STEP9
−5)。また、遅角制御中である場合には、ECU2
は、点火時期の遅角量ΔDIGを算出する(STEP9−
6)。
【0046】次いで、STEP9−7において、ECU
2は、エンジン1の回転数NEの現在値に基づいて、点火
時期の単位遅角量当たりの触媒3の温度上昇量ΔTCTIG
(前記基本値TCTMXからの温度上昇量)を求める。すな
わち、点火時期の遅角制御中は、排ガスの熱量が多くな
るため、エンジン1の回転数NE及び吸気管内圧PBAが一
定に維持される定常運転状態における触媒3の定常温度
(最終的に収束する触媒3の温度)は、前記基本値TCTM
Xよりも上昇し、この上昇量は、遅角量ΔDIGに概ね比例
する。そこで、本実施形態では、このような触媒13の
温度上昇量を単位遅角量当たりで表現したものを上記温
度上昇量ΔTCTIGとして求めるようにしている。
【0047】このような温度上昇量ΔTCTIGは、例えば
図5に示すように、回転数NEをパラメータとしてあらか
じめ定められたデータテーブルに基づいて求められる。
この場合、温度上昇量ΔTCTIGは、基本的には、回転数N
Eが大きくなる程、小さな値になる。
【0048】次いで、ECU2は、STEP9−8にお
いて、エンジン1の現在の運転状態に対応する触媒13
の定常推定温度TCTMを、前記基本値TCTMXから次式
(2)により算出する。
【0049】 TCTM=TCTMX+ΔTCTIG・ΔDIG−ΔTCTEGR・(1−KEGR) −ΔTCTWOT・(KWOT−1) …(2) ここで、式(2)の右辺第2項ΔTCTIG・ΔDIGは、点火
時期の現在の遅角量ΔDIGに対応する触媒13の温度上
昇量を意味している。点火時期の遅角制御中は、前述の
ように触媒13の定常温度が上昇するので、この温度上
昇量ΔTCTIG・ΔDIGを基本値TCTMXに加算することで、
該基本値TCTMXを補正する。
【0050】また、右辺第3項ΔTCTEGR・(1−KEGR)
中のKEGRは、前記EGR通路16を介して排ガスの一部
をエンジン1の吸気側に還流させるようにECU2がE
GR制御弁17を制御している場合に(以下、この制御
をEGR制御という)、エンジン1の燃料噴射量(燃料
噴射弁7の開弁時間)を、エンジン1の回転数NE及び吸
気管内圧PBA等に応じた基本燃料噴射量よりも減少側に
補正するための補正係数(基本燃料噴射量に乗算する補
正係数)である。従って、0<KEGR≦1で、EGR制御
を行っていないとき(EGR制御弁17の閉弁状態)に
は、KEGR=1である。尚、EGR制御は、エンジン1の
所定の運転条件下で、排ガス中の未燃ガスをエンジン1
の吸気系に戻して燃焼させるためにECU2が適宜実行
する制御であり、公知の技術である。
【0051】このようなEGR制御を行っているときに
は、該EGR制御を行っていないときよりも、排ガスの
温度が低くなる傾向があり、ひいては、触媒13の定常
温度が前記基本値TCTMXよりも下がる。そこで、本実施
形態では、(1−KEGR)(これはEGR制御による排気
還流の度合いを示す)に所定の係数ΔTCTEGRを乗算して
なる値ΔTCTEGR・(1−KEGR)を基本値TCTMXから減算
することで、該基本値TCTMXを補正する。
【0052】また、右辺第4項ΔTCTWOT・(KWOT−1)
中のKWOTは、スロットル弁4が略全開状態であることを
前記スロットル弁開度センサ8の検出信号によりECU
2が把握した場合に、エンジン1の燃料噴射量(燃料噴
射弁7の開弁時間)を、エンジン1の回転数NE及び吸気
管内圧PBA等に応じた基本燃料噴射量よりも増加側に補
正するための補正係数(基本燃料噴射量に乗算する補正
係数)である。従って、KWOT≧1で、スロットル弁4が
略全開状態で無いときにはKWOT=1である。
【0053】このようにスロットル弁4が略全開状態で
燃料噴射量の増量を行っているときには、排ガスの温度
が低くなる傾向があり、ひいては、触媒13の定常温度
が前記基本値TCTMXよりも下がる。そこで、本実施形態
では、(KWOT−1)(これは燃料噴射量の増量度合いを
示す)に所定の係数ΔTCTWOTを乗算してなる値ΔTCTWOT
・(KWOT−1)を基本値T CTMXから減算することで、該
基本値TCTMXを補正する。
【0054】上述のようにして、STEP9−8では、
式(2)により、基本値TCTMXが点火時期の遅角度合
い、排ガスの吸気系への還流度合い、スロットル弁4の
略全開状態における燃料噴射量の増量度合いに応じて補
正される。これにより、エンジン1の運転状態が継続す
る定常運転状態において最終的に到達する触媒3の温度
としての定常温度の推定値、すなわち触媒13の定常推
定温度TCTMが求められる。
【0055】一方、前記STEP9−2において、エン
ジン1のフュエルカット中である場合には、ECU2
は、STEP9−9において、前記なまし係数Cxをフ
ュエルカット中における専用的な所定値に設定する。さ
らに、ECU2は、STEP9−10において、触媒1
3の定常推定温度TCTMをフェルカット中における専用的
な所定値(例えば250℃)に設定する。このように、
フェルカット中におけるなまし係数Cx及び定常推定温
度TCTMの設定を他の場合と区別するのは、フュエルカッ
ト中は、エンジン1での混合気の燃焼が行われないため
触媒3の温度変化が、フュエルカットを行っていない通
常のエンジン1の運転状態の場合とは大きく異なるもの
となるからである。
【0056】前述のようにして、STEP9−8又はS
TEP9−10で定常推定温度TCTMを求めた後、ECU
2は、STEP9−11において、触媒推定温度TCTの
現在値TCT(k-1)(前回の推定温度更新サイクルで求めた
触媒推定温度)に基づいて、前記STEP9−3又は9
−9で求めたなまし係数Cxを補正するための補正係数K
C(0<KC≦1)を求める。そして、ECU2は、ST
EP9−12において、この補正係数KCをSTEP9−
3又は9−9で求めたなまし係数Cxに乗算することに
より、該なまし係数Cxを補正して、最終的に今回の推
定温度更新サイクルにおける式(1)のなまし処理で用
いるなまし係数Cxを決定する。この場合、STEP9
−12では、上記補正係数KCは、例えば図6に示すよう
に、触媒推定温度TCTをパラメータとしてあらかじめ定
められたデータテーブルに基づいて設定される。すなわ
ち、補正係数KCは、触媒推定温度TCTの現在値TCT(k-1)
が比較的低い温度領域(本実施形態では350℃以下の
温度領域)において、「1」よりも小さな値に設定され
る。従って、今回のサイクルタイムにおける最終的なな
まし係数Cxは、エンジン1の始動直後等、触媒13の
温度が比較的低い状態(触媒13の温度<350℃の状
態)では、通常よりも小さめの値に設定される。
【0057】これは次の理由による。すなわち、触媒1
3の温度が低い状態では、排ガスの浄化作用が十分に機
能しないため、酸化・還元反応による触媒13自体の発
熱が小さい。このため、触媒13の温度が低い状態で
は、高い状態(触媒13の温度≧350℃の状態)より
も、触媒13の昇温が遅れ気味となりやすい。また、本
実施形態では、触媒13が確実に暖機状態となった後に
触媒13の劣化状態を評価するために、触媒推定温度TC
Tの誤差が、触媒13の真の温度よりも高温側に生じる
(触媒推定温度TCTが触媒13の真の温度よりも高いも
のとなる)ことは好ましくない。このようなことから、
本実施形態では、前記のように設定した補正係数KCによ
りなまし係数Cxを補正することにより、触媒13の温
度が低い状態では、該温度が高い状態よりも、触媒推定
温度TCTの上昇が多少遅れ気味に生じるようにしてい
る。
【0058】以上説明したSTEP9−1〜9−12の
処理により、触媒13の定常推定温度TCTMとなまし係数
Cxとが、STEP9の処理のサイクルタイム毎に求め
られる。そして、ECU2は、前述のように、STEP
9−13において、これらのTCTM及びCxを用いて前記
式(1)のなまし処理の演算を行うことにより、触媒温
度推定値TCTを逐次更新する。このようなSTEP9の
処理により、触媒推定温度TCTが該STEP9の処理の
実行周期毎に(推定温度更新サイクル毎に)、逐次求め
られることとなる。そして、この場合、定常推定温度TC
TM及びなまし係数Cxを前述のように設定することで、
エンジン1の運転状態によらずに、精度のよい触媒推定
温度TCTが求められる。
【0059】図2のフローチャートの説明に戻って、S
TEP10〜12の触媒暖機判定処理は、次のように実
行される。すなわち、ECU2は、STEP10におい
て、前述のように求めた触媒推定温度TCTの現在値を所
定の判定閾値TCTH(例えば約350℃)と比較する。そ
して、ECU2は、TCT>TCTHであるときには、触媒1
3が暖機状態にあるとして、触媒暖機判定フラグF/TCAT
の値を「1」に設定し(STEP11)、TCT≦TCTHで
あるときには、触媒暖機判定フラグF/TCATの値を「0」
に設定する。
【0060】この場合、本実施形態では、上記判定閾値
TCTHは、実際には、単一の閾値ではなく、ヒステリシス
特性を持たせている。より具体的には、判定閾値TCTH
は、値が若干異なる2種類の判定閾値TCTH1(例えば4
00℃),TCTH2(<TCTH1で、例えば350℃)から成
り、エンジン1の始動後、触媒推定温度TCTが高温側の
判定閾値TCTH1を越えるまでは、STEP10での判定
閾値TCTHとして、高温側の判定閾値TCTH1が用いられ
る。そして、触媒推定温度TCTが高温側の判定閾値TCTH1
を越えた後は、触媒推定温度TCTが低温側の判定閾値TCT
H2以下に低下するまで、STEP10での判定閾値TCTH
として、低温側の判定閾値TCTH2が用いられる。さら
に、触媒推定温度TCTが、低温側の判定閾値TCTH2以下に
低下したときには、STEP10での判定閾値TCTHとし
て、再び、高温側の判定閾値TCTH1が用いられる。以
後、上記と同様に、判定閾値TCTHの切換が適宜行われ
る。このようにSTEP10の判定閾値TCTHにヒステリ
シス特性をもたせることにより、触媒推定温度TCTが外
乱等の影響で判定閾値TCTH1,TCTH2の付近で変動を生
じるような場合であっても、触媒暖機判定処理の結果
(触媒13が暖機状態であるか否かの判定結果)が安定
する。
【0061】尚、以上説明した本実施形態では、触媒推
定温度TCTを、触媒13の劣化状態を評価するための触
媒暖機判定処理で用いる場合を例に採って説明したが、
例えば前記従来技術で説明したようなHC吸着材を排気
系に備えたシステムで、触媒が暖機状態であるかを判断
するために触媒推定温度TCTを用いるようにしてもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を含む装置の全体構成を示
すブロック図。
【図2】図1の装置による触媒の温度推定処理を示すフ
ローチャート。
【図3】図2のフローチャートのサブルーチン処理を示
すフローチャート。
【図4】図3の処理で用いるデータテーブルを示す線
図。
【図5】図3の処理で用いるデータテーブルを示す線
図。
【図6】図3の処理で用いるデータテーブルを示す線
図。
【符号の説明】
1…エンジン(内燃機関)、2…電子制御ユニット(触
媒の温度の推定手段)、12…排気通路、13…触媒。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G084 BA02 BA03 BA04 BA13 BA17 BA20 BA30 CA01 DA04 DA07 DA10 EB26 FA02 FA10 FA11 FA20 FA33 3G091 AA02 AA11 AA17 AB03 BA32 CB01 CB05 DB01 DB13 EA01 EA06 EA07 EA14 EA16 FA01 FA04 HB05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の排気通路に設けられた排ガス浄
    化用の触媒の温度を推定する装置であって、 前記内燃機関の始動時に該内燃機関の吸入空気温度及び
    機関温度のうちの少なくともいずれか一方に基づいて触
    媒の推定温度の初期値を求める手段と、 該内燃機関の始動後、少なくとも該内燃機関の回転数及
    び負荷からあらかじめ定めた相関関係に基づいて、該内
    燃機関の定常運転状態における触媒の定常推定温度を逐
    次求める手段と、 前記初期値を起点として前記定常推定温度に応答遅れを
    有して追従する値をなまし処理により逐次求め、その求
    めた値を触媒の現在推定温度として得る手段とを備え、 前記なまし処理におけるなまし係数を前記内燃機関の回
    転数及び負荷に応じて可変的に設定することを特徴とす
    る触媒の温度推定装置。
  2. 【請求項2】前記定常推定温度を求める手段は、前記内
    燃機関の運転中の回転数及び負荷からあらかじめ定めた
    相関関係に基づいて触媒の定常推定温度の基本値を求
    め、この基本値を、内燃機関の点火時期の遅角度合い
    と、排ガスの吸気系への還流度合いと、スロットル弁の
    略全開時の燃料供給量の増量度合いとの少なくともいず
    れか一つに応じて補正することにより、前記定常推定温
    度を求めることを特徴とする請求項1記載の触媒の温度
    推定装置。
  3. 【請求項3】前記内燃機関のフュエルカット中は、前記
    定常推定温度と、前記なまし係数とをそれぞれ所定値に
    設定する手段を備えることを特徴とする請求項1又は2
    記載の触媒の温度推定装置。
  4. 【請求項4】前記なまし係数を既に求められた触媒の現
    在推定温度の最新値に応じて補正する手段を備えること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の触媒
    の温度推定装置。
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