JP2010001798A - 排ガスセンサの異常診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】触媒の下流側に設置された排ガスセンサの応答劣化の診断を、触媒の影響を少なくして精度良く実行するとの課題を解決する。
【解決手段】排ガスセンサ40のセンサ素子43を加熱するヒータ44を備え、ヒータ44の通電を制御して該センサ素子43の温度を制御し、エンジン11の始動までに排ガスセンサ40を活性温度に昇温するとともに、触媒の温度が活性温度に昇温するまでに、排ガスにより変化する該排ガスセンサ40の出力に基づいて排ガスセンサ40の応答劣化を診断することで、触媒38の影響を少なくした状態で、排ガスセンサ40の異常診断を行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、排気管に設置された触媒下流側の排ガスセンサの応答劣化を検出する排ガスセンサの異常診断装置に関するものである。
近年、内燃機関より排出される排ガスの有害成分を低減させるために、排気管に排ガス浄化用の触媒と、該触媒の上流および下流に排ガスの空燃比またはリッチ/リーンを検出する排ガスセンサとを備えたシステムが考案されている。このシステムでは、上流側および下流側の排ガスセンサの出力に基づいて空燃比を所望の空燃比となるようにメインフィードバック制御およびサブフィードバック制御(以下、総称して「空燃比フィードバック制御」という)を行い、触媒による排ガスの浄化効率を高めることで、排ガスに含有している有害成分の低減を図っている。このようなシステムにおいては、例えば、経時劣化等により排ガスセンサに応答劣化が生じると、排ガスの空燃比の変化に対して排ガスセンサの出力の変化が正常時(例えば新品時)に比べて遅れるため、上述した空燃比フィードバック制御の精度が低下してしまう。
この対策として、排ガスセンサの応答劣化を診断するようにしたものが幾つか知られている。例えば、特許文献1には、触媒の下流側に設置された排ガスセンサの応答劣化を診断するために、所定期間における排ガスセンサの出力変化に基づいて排ガスセンサの異常(応答劣化)を検出する技術が開示されている。
特開2003−343339号公報
しかしながら、触媒の下流側に設置された排ガスセンサの出力の応答性の劣化(応答劣化)を診断する場合、触媒の上流側の空燃比が変化しても、触媒の浄化作用(触媒内での排ガスの酸化・還元反応)によって、その変化が下流側の空燃比の変化として現れにくいため、上記従来の公報に開示された技術においても、少なからず触媒による影響を受けてしまい、排ガスセンサの応答劣化を正しく診断することができなかった。
そこで、本発明は、触媒下流側の排ガスセンサの応答劣化の診断を精度良く行うことが可能な排ガスセンサの異常診断装置を提供することを目的とする。
そこで、請求項1に係る発明では、内燃機関の排気管に配置された触媒と、触媒の下流に設けられ、排ガスの空燃比又はリッチ/リーンを検出する排ガスセンサと、該排ガスセンサのセンサ素子を加熱するヒータの通電を制御して該センサ素子の温度を制御する加熱手段とを備えた排ガスセンサの異常診断装置において、触媒が活性し始める前に、前記加熱手段によって前記排ガスセンサのセンサ素子の温度を活性温度に昇温させた状態で、排ガスにより変化する該排ガスセンサの出力に基づいて該排ガスセンサの応答劣化を診断する異常診断手段を備えることを技術的特徴とする。
このように、触媒が活性し始める前に(つまり触媒が排ガスを浄化し始める前に)、排ガスセンサのセンサ素子の温度を活性温度に昇温させて排ガスセンサの出力が排ガスの空燃比又はリッチ/リーンに応じて変化するようにした状態で、内燃機関の始動により排出される排ガスにより変化する該排ガスセンサの出力に基づいて該排ガスセンサの出力の応答性の劣化(応答劣化)を診断することで、触媒の浄化作用による排ガスセンサの応答劣化の誤診断を防止することが可能となる。
近年、アイドルストップ等により内燃機関の停止時間が短い場合がある。内燃機関の停止時間が短いと、触媒温度が活性温度に維持されたままで、内燃機関が再始動される場合があり、このような状態で排ガスセンサの応答劣化を診断すると、触媒の影響により誤診断する虞がある。この対策として、請求項2に係る発明のように、異常診断手段は、内燃機関の冷間始動時に排ガスセンサの応答劣化を診断すると良い。
また、請求項3に係る発明のように、異常診断手段は、内燃機関が始動される際に検出又は推定された触媒温度が所定温度以下のときに冷間始動であると判断して、排ガスセンサの応答劣化を診断すると良い。また、その他に、請求項4に係る発明のように、内燃機関の停止時と、その後、始動される際にそれぞれ検出された内燃機関の冷却水温の差または燃温の差が所定以上の場合に冷間始動であると判断しても良いし、請求項5に係る発明のように、計測手段により計測された停止時間が所定時間以上の場合には冷間始動であると判断しても良い。なお、冷間始動とは、一般的に、内燃機関が暖機していない状態(冷却水温が低い状態)での始動を意味する。
また、請求項6に係る発明のように、異常診断手段は、内燃機関が始動してから排ガスセンサの出力が所定値となるまでの経過時間、または内燃機関が始動してから所定時間経過後の排ガスセンサの出力に基づいて排ガスセンサの応答劣化を診断するようにしても良い。内燃機関が始動するまでは、排ガスセンサの周辺のガスはリーンの値を示しており、内燃機関が始動するとリッチの空燃比の排ガスが供給されることになるため、内燃機関の始動してからの排ガスセンサの出力を検出することで、排ガスセンサの応答劣化を診断することが可能となる。
また、請求項7に係る発明のように、異常診断手段は、排ガスセンサの出力が変化し始めてから所定値となるまでの経過時間、または排ガスセンサの出力が変化し始めてから所定時間経過後の排ガスセンサの出力に基づいて、排ガスセンサの応答劣化を診断しても良い。
また、請求項8に係る発明のように、異常診断手段は、排ガスセンサの出力が第1の判定値から第2の判定値へ変化するまでの経過時間、または排ガスセンサの出力が所定値となってから所定時間経過後の排ガスセンサの出力に基づいて、排ガスセンサの応答劣化を診断するようにしても良い。
更に、請求項8に係る発明において、請求項9に係る発明のように、異常診断手段は、空燃比のリッチ/リーンを強制的に切り換える手段を備え、該空燃比のリーン/リッチを切り換えて排ガスセンサの応答劣化を診断するようにしても良い。この場合、特に、内燃機関が始動開始直後は、空燃比が安定しないため、請求項10に係る発明のように、内燃機関の始動完了後から前記触媒が活性し始めるまでに前記排ガスセンサの応答劣化の診断を終了すると良い。
また、請求項11に係る発明のように、加熱手段は、内燃機関の始動を開始するまでに、排ガスセンサのセンサ素子を活性温度に昇温させると良い。これを実現する手段として、例えば、請求項12乃至15に係る発明のように、排ガスセンサのセンサ素子の加熱を開始する時期を、ドアロックの解除が検出されたときに(請求項12)、ドアの開放が検出されたとき(請求項13)、人がシートに着座したことを検出したとき(請求項14)、イグニッションスイッチのオンを検出したとき(請求項15)とすると良い。
また、触媒が活性していると触媒の影響により排ガスセンサの応答劣化診断を誤診断する虞がある。そこで、請求項16に係る発明のように、触媒の温度が活性温度に昇温しているか否かを判定する判定手段を備え、排ガスセンサの応答劣化の診断が終了するまでに、触媒の温度が活性温度に昇温していると判定されたときに、該排ガスセンサの応答劣化の診断を中止すると良い。これにより、排ガスセンサの応答劣化診断の誤診断を防止することができる。
また、請求項17に係る発明のように、排ガスセンサの応答劣化の診断が完了したときに、判定手段により触媒の温度が活性温度に昇温していると判定された場合に、該排ガスセンサの診断結果を無効にすると良い。この場合でも、排ガスセンサの応答劣化診断の誤診断を防止することができる。なお、触媒が活性したか否かは、触媒温度が活性温度に達しているか否かで判定すると良い。
また、請求項19に係る発明のように、触媒で排ガスが反応し始めるときの触媒温度を活性温度としても良い。これにより、触媒の影響を抑制した状態で、排ガスセンサの応答劣化を診断することが可能となる。
[実施形態(1)]
以下、本発明の実施形態(1)を図1乃至図3に基づいて説明する。
まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。内燃機関である例えば直列4気筒エンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側に、吸入空気量を検出するエアフローメータ14が設けられている。このエアフローメータ14の下流側には、モータ等によって開度調節されるスロットルバルブ15とスロットル開度を検出するスロットル開度センサ16とが設けられている。
更に、スロットルバルブ15の下流側には、サージタンク17が設けられ、このサージタンク17には、吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ18が設けられている。また、サージタンク17には、エンジン11の気筒毎に空気を導入する吸気マニホールド19が設けられ、各気筒の吸気マニホールド19の吸気ポート近傍に、燃料を噴射する燃料噴射弁20がそれぞれ取り付けられている。エンジン運転中は、燃料タンク21内の燃料が燃料ポンプ22によりデリバリパイプ23に送られ、各気筒の噴射タイミング毎に各気筒の燃料噴射弁20から噴射される。デリバリパイプ23には、燃料圧力(燃圧)を検出する燃圧センサ24が取り付けられている。
また、エンジン11には、吸気バルブ25と排気バルブ26の開閉タイミングをそれぞれ可変する可変バルブタイミング機構27、28が設けられている。更に、エンジン11には、吸気カム軸29と排気カム軸30の回転に同期してカム角信号を出力する吸気カム角センサ31と排気カム角センサ32が設けられ、エンジン11のクランク軸の回転に同期して所定クランク角毎(例えば30℃A毎)にクランク角信号のパルスを出力するクランク角センサ33が設けられている。また、吸気バルブ25と排気バルブ26のリフト量をそれぞれ可変する場合には、エンジン11に図示しないリフト量可変装置が設けられている。
一方、エンジン11の各気筒の排気マニホールド35が集合する排気集合部36には、排出ガスの空燃比をリニアに検出する空燃比センサ37が設置され、この空燃比センサ37の下流側に排出ガス中の有害成分であるCO、HC、NOx等を浄化する三元触媒等の触媒38が設けられており、その下流側の排気管には排出ガスのリッチ/リーンを検出する酸素センサ40(排ガスセンサ)が設置されている。一般的に、三元触媒は、触媒温度が活性温度である例えば300℃以上の条件のときに、排ガス中の有害物質であるHC、CO、NOxを無害物質である水素、窒素、水蒸気、二酸化炭素に転換させることができる。
また、酸素センサ40のセンサ素子43(図2参照)は、活性温度が高いため(約300〜400℃以上)、排ガスの熱のみでは、エンジン始動後にセンサ素子27を早期に活性化することは困難である。そこで、酸素センサ40は、ヒータ44(加熱手段)を内蔵し、このヒータ44の発熱によりセンサ素子43の温度を早期に活性温度に昇温させると共に、エンジン運転中にセンサ素子27の温度を活性温度範囲に維持するようにヒータ44への通電をデューティ制御等により制御するようにしている。
この酸素センサ40は、センサ制御回路42によって制御される。センサ制御回路42には、エンジン制御回路41との間でデータを送受信するサブマイクロコンピュータ(以下「サブマイコン」と略記する)が設けられている。また、該サブマイコンは、デューティ信号をヒータ制御回路(図示せず)に入力して、このヒータ制御回路によってヒータ44の通電率(デューティ比)を制御し、ヒータ44を加熱する。
上記空燃比センサ37等の各種センサの出力は、エンジン制御回路(以下「ECU」と表記する)41に入力される。このECU41は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各種のエンジン制御プログラムを実行することで、エンジン運転状態に応じて各気筒の燃料噴射量や点火時期を制御する。
次に、ECU41にて実施される空燃比フィードバック制御の一例について説明する。上記ECU41においては三元触媒38の浄化特性を考慮して空燃比を制御するために、空燃比センサ37の出力値に基づいて空燃比フィードバック制御を行う。つまり、ECU41は、空燃比センサ37で検出される空燃比の出力値(実空燃比)が所望の空燃比(目標空燃比)となるように、実空燃比と目標空燃比の偏差に基づいてフィードバック補正係数を算出し、該フィードバック補正係数を用いて燃料噴射弁20の燃料噴射量を演算する。
次に、燃料噴射量の演算について記述する。まず、予め設定されたマップを用いて、吸気量Qとエンジン回転速度NEとにより定まる基本噴射時間が設定される。そして、この基本噴射時間に目標空燃比と実空燃比との偏差に基づいて算出されたフィードバック補正係数を乗じて最終的な燃料噴射時間を演算する。
目標空燃比は、酸素センサ40の出力に基づいたサブフィードバック制御により補正される。つまり、三元触媒38の浄化特性を考慮する場合、三元触媒38の下流側で検出される空燃比が理論空燃比近傍に制御されるのが良い。本実施形態(1)では、酸素センサ40のリッチ/リーン出力に基づいて目標空燃比を補正している。以上のように、空燃比センサ37によるメインフィードバック制御と、酸素センサ40によるサブフィードバック制御とにより、三元触媒38の浄化特性を最大限に活用した空燃比制御を実行している。なお、空燃比センサ37と酸素センサ40とによる空燃比のフィードバック制御は、三元触媒38の浄化特性を最大限に活用すれば良く、上記の制御方法に限定されるものではないことは言うまでもない。
ところで、触媒38の下流側に設置された酸素センサ40に経時劣化等により酸素センサ40の出力の応答性に劣化(応答劣化)が生じると、排ガスの空燃比の変化に対して酸素センサ40の出力の変化が正常時(例えば新品時)に比べて遅れるため、上述したように空燃比フィードバック制御の精度が低下してしまう可能性がある。そこで、従来システムでは、触媒の下流側に設置された酸素センサの応答劣化の診断する技術が考案されているが、触媒の上流側の空燃比が変化しても、触媒の浄化作用(触媒内での排ガスの酸化・還元反応)によって、その変化が下流側の空燃比の変化として現れにくくなるため、酸素センサの応答劣化を正しく診断することができない場合があった。
より具体的に、図8のタイムチャートを用いて説明する。
図8のタイムチャートは、触媒が活性している場合に、空燃比がリーン燃料からリッチ燃料に切り換わったときにおける三元触媒38の上流側および下流側の排ガスの空燃比の推移を示している。
図8(a)のように、エンジン11から排出される排ガスの空燃比をリーンからリッチに振幅させる時(図8の時刻To )、エンジン11から近い位置に配設される三元触媒38にはリッチ雰囲気の排ガスがそのまま供給され、排気管または触媒38内にて、排ガスのリーン成分(O2 、NOx等)とリッチ成分(HC、CO等)とが混合して酸化・還元反応するため、図8(b)に示すように触媒38の下流側の空燃比はなまされる。
このため、触媒38が活性している状態で、触媒38の下流側に設置された酸素センサ40の応答劣化を検出すると、図8のタイムチャートに示すように触媒38の下流側の空燃比がなまされてしまうため、触媒38の影響により、触媒38の上流側の空燃比の変化に対して、触媒38の下流側の酸素センサ40の出力の変化に遅れが生じたのか、それとも、酸素センサ40の応答劣化により酸素センサ40の出力の変化に遅れが生じたのかを区別することができず、酸素センサ40の応答性の劣化を精度良く検出することは困難である。
そこで、本発明の実施形態(1)では、このような事情を鑑み、ECU41は、以下のプログラムを実行することによって下流側の酸素センサ40の応答劣化診断を制御良く実行する(このECU41の機能が特許請求の範囲でいう異常診断手段に相当する)。まず、図3を用いて実施形態(1)のメインプログラムについて説明する。このプログラムは、エンジン停止中にエンジン11が始動される可能性が高くなったときに起動され、その後、所定時間毎に実行される。なお、エンジン11が始動される可能性が高いと判断するのは、例えば、エンジン停止中に、車両のドアロックが解除されたときにエンジン11が始動される可能性が高いと判断して、プログラムを起動すると良い。また、その他に、車両のドアが開かれたときに、エンジン11が始動される可能性が高いと判断して、このプログラムを起動しても良い。
図3のプログラムが起動されると、まず、ステップS101では、エンジン11の始動開始までに酸素センサ40のセンサ素子43を活性化させるヒータ通電条件が成立した、或いは前回までに実行したプログラムで、既に1度ヒータ通電条件が成立したことがあるか否かを判定する。このヒータ通電条件は、上述したエンジン11が始動される可能性が高いと判定されたときの条件と同じでも良く、エンジン11の停止中に、車両のドアロックが解除されたとき、または、ドアが開かれたときに、ヒータ通電条件が成立したと判定すると良い。この場合、車両のドアロックが解除されたか否か、またはドアが開放されたか否かはスイッチ(例えば、ポジションスイッチ、カーテシスイッチ等)を設けて検出すると良い。なお、この場合、運転席のドアロックが解除されたか、ドアが開放されたか検出すると良い。また、その他に、ドライバーシートに設置されたセンサ(圧力センサ)により、ドライバーシートに人が着座したと検出したとき、或いは、イグニッションスイッチのオンを検出したときにヒータ通電条件が成立したと判定しても良い。
このステップS101で、ヒータ通電条件が成立していないと判定されると、このプログラムを終了する。ステップS101でヒータ通電条件が成立したと判定されると、ヒータ44に通電制御を開始し、ヒータ44の発熱により酸素センサ40のセンサ素子43を早期に活性温度に昇温させて、ステップS102に進む。また、前回のプログラムを実行したときに、既に1度ヒータ通電条件が成立したことを判定しているときには、ステップS102に進む。
次に、ステップS102では、触媒38の下流側に設置された酸素センサ40が活性したか否かを判定する。酸素センサ40が活性したか否かは、例えば、酸素センサ40のセンサ素子温が活性温度(約300〜400℃以上)に昇温したか否かによって判定する。この場合、センサ素子43の素子抵抗はセンサ素子温に応じて変化するため、素子抵抗に基づいてセンサ素子温が活性温度に昇温したか否かを判定しても良い。また、センサ素子温を直接検出することが可能なセンサを設けて検出しても良い。また、ヒータ44の通電率(デューティ比)と、ヒータ44に通電している経過時間とに基づいて酸素センサ40のセンサ素子温を推定しても良い。
このステップS102で酸素センサ40が活性していないと判定されると、このプログラムを終了する。一方、ステップS102で酸素センサ40が活性したと判定されると、ステップS103に進み、エンジン11の始動が開始されたか否かを判定する。このステップS103で、エンジン11の始動が開始されていないと判定されて場合には、このプログラムを終了する。また、ステップS102で、酸素センサ40の活性が遅れたため、診断を開始する前にエンジン11の始動が開始されている場合には、このプログラムを終了する。
ステップS103で、エンジン11の始動が開始されたと判定されると、ステップS104で、エンジン11の始動開始から酸素センサ40の出力Vo がリッチ側の所定値に到達するまでの応答時間を計測する。酸素センサ40で、例えば、0.1V〜0.8Vの範囲で電圧を出力する場合は、リッチ側の所定値は、0.6V〜0.7V付近に予め設定すると良い。一例を挙げて説明すると、エンジン11が始動されるまでは、排気管には空気の充填割合が高いため、酸素センサ40の出力はリーン側の出力(0.1V)を示す。また、エンジン11の始動では、燃料の霧化等の理由により燃料は増量補正されるため、エンジン11の始動後に、燃料が余剰な状態(リッチ状態)で燃焼した排ガスが排気管に供給されることになり、酸素センサ40の出力はリッチ側の出力(0.8V)に変化する。このため、ステップS104では、酸素センサ40の出力値が0.1Vから0.6V(0.7V)に変化するまでの時間が応答時間となる。なお、酸素センサ40が出力する出力(電圧)の範囲、リッチ側の所定値は、上述したものに限定されるものではないことは言うまでもない。
ステップS104で、応答時間を計測すると、ステップS105では、計測した応答時間と酸素センサ40の応答劣化が生じているか判定するための所定値とを比較する。一般的に、酸素センサ40の出力の応答性に劣化が生じると、酸素センサ40の出力の変化速度が遅くなる。このため、酸素センサ40に劣化が生じる程、ステップS104で計測した応答時間が長くなる傾向がある。このように、ステップS105では、ステップS104で計測した応答時間と酸素センサ40の応答劣化を判定する所定値とを比較することにより、酸素センサ40の応答劣化の有無を判定する。
このとき、ステップS105で、ステップS104で計測した応答時間が所定値よりも長いと判定された場合には、酸素センサ40の応答性に劣化が生じていると判定して、酸素センサ40の異常(応答劣化)であると判定する。この場合、運転者に警告するため、異常ランプ(MIL)を点灯したり、サブフィードバック制御を中止するなどすると良い。
また、ステップS105で、ステップS104で計測した応答時間が所定値よりも短いと判定された場合には、酸素センサ40の応答性に劣化が生じていないと判断して、酸素センサ40の正常判定を行う。
以上説明した図3のプログラムでは、エンジン11の始動が開始されてから触媒38が活性し始めるまで(触媒38内で排ガスが反応し始めるまで)に、触媒38の下流側に設置された酸素センサ40の応答劣化を診断するようにしたため、触媒38の影響を受けることなく、酸素センサ40の異常を診断することが可能となる。
なお、上述した図3のプログラムでは、エンジン11が停止している場合、排気管には空気の充填割合が高いため、酸素センサ40の出力はリーン側の出力となり、エンジン11の始動後には、燃料が余剰な状態(リッチ状態)で燃焼した排ガスが排気管に供給されることになり、酸素センサ40の出力はリッチ側に変化することに着目して、エンジン11の始動開始後に酸素センサ40の出力Vo がリッチ側の所定値に到達するまでの応答時間を計測することで、酸素センサ40の応答劣化を診断するようにした。この時、エンジン11の始動を開始してから暫くの間は、触媒温度は低く、触媒38が活性していないため、排ガスは触媒38で反応することなく通過し、触媒38の上流側の空燃比の変化が、触媒38の影響を受けることなく触媒38の下流側の空燃比の変化として現れるため、酸素センサ40の応答劣化を精度良く検出することが可能となる。
上記実施形態(1)では、エンジン11の始動開始から酸素センサ40の出力がリッチ側の所定値に到達するまでの応答時間を計測し、該応答時間と酸素センサ40の応答劣化を判定する所定値とを比較して酸素センサ40の応答劣化の異常を診断するようにしたが、エンジン11の始動開始から所定時間が経過するまでの酸素センサ40の出力変化量を検出し、該出力変化量と酸素センサ40の応答劣化を判定する判定値とを比較して酸素センサ40の応答劣化の異常を診断しても良い。この場合、酸素センサ40に応答劣化が生じると、センサ出力の変化が遅くなるため、酸素センサ40の出力変化量が所定値よりも小さい場合には、酸素センサ40の異常(応答劣化)として判定すると良い。なお、酸素センサ40の出力変化量を検出するのではなく、単に所定時間経過後の酸素センサ40の出力を検出し、該出力が所定値に達しているか否かにより診断しても良い。
なお、酸素センサ40を活性温度まで昇温するためには、暫くの時間が必要である。このため、エンジン11の始動開始までに、酸素センサ40を活性温度まで昇温させるためには、ヒータ44の通電開始時間は早めに設定した方が良く。車両のドアロックが解除されたとき、または、ドアが開かれたときに、ヒータ44の通電を開始すると良い。
[実施形態(2)]
次に、本発明の実施形態(2)について図4を用いて説明する。
本発明の実施形態(1)との相違点は、実施形態(1)では、エンジン11の始動が開始されたか否かを判定し、エンジン11の始動が開始されてから酸素センサ40の出力が所定値に達するまでの時間(応答時間)を計測し、該応答時間と所定値とを比較することにより酸素センサ40の異常を検出するようにしたが、実施形態(2)では、エンジン11の始動開始後、酸素センサ40が排気管に供給される排ガスに対して反応(変化)し始めてから、酸素センサ40の出力が所定値に達するまでの時間(応答時間)を計測して、該応答時間と所定値とを比較することにより酸素センサ40の異常を検出するものである。
以下、本発明の実施形態(1)との相違点のみ説明する。
実施形態(2)では、ステップS203において、酸素センサ40が反応(変化)し始めたか否かを検出する。この場合、酸素センサ40が反応し始めたか否かは、酸素センサ40の出力が所定の判定値に達したときに、酸素センサ40が反応し始めたと判定すると良い。具体的には、エンジン11の始動開始までは、排気管に酸素の含有率が高いため、酸素センサ40の出力はリーン側の出力Vlow となることから、酸素センサ40の出力が、リーン時の出力Vlow に所定値αを加算した判定値(Vlow +α) に達したときに、酸素センサ40が反応(変化)し始めたと判定すると良い。なお、この所定値αは、ノイズによる誤判定を防止するように設定すると良い。また、判定値は、酸素センサ40が反応(変化)し始めたと判定可能な値に設定すると良い。その後、ステップS205に進み、酸素センサ40の応答劣化の診断を行う(以下、図3のステップS105と同じように応答劣化の診断を行う)。
このように、エンジン11の始動開始後、酸素センサ40が排ガスに対して反応し始めてから、酸素センサ40の出力が所定値に達するまでの時間(応答時間)を計測して、該応答時間と所定値とを比較することで酸素センサ40の異常を検出することにより、触媒38の温度が低く、触媒38が活性していない状態で、酸素センサ40の応答劣化を診断することができるため、精度良く酸素センサ40の応答劣化を診断することが可能となる。
なお、上記実施形態(2)では、酸素センサ40が反応し始めてから酸素センサ40の出力がリッチ側の所定値に到達するまでの応答時間を計測し、該応答時間と酸素センサ40の応答劣化を判定する所定値とを比較して酸素センサ40の応答劣化の異常を診断するようにしたが、酸素センサ40が反応し始めてから所定時間が経過するまでの酸素センサ40の出力変化量を検出し、該出力変化量と酸素センサ40の応答劣化を判定する判定値とを比較して酸素センサ40の応答劣化の異常を診断しても良い。この場合、酸素センサ40に応答劣化が生じると、センサ出力の変化が遅くなる。このため、酸素センサ40の出力変化が判定値よりも小さい場合には、酸素センサ40の異常(応答劣化)として判定すると良い。なお、酸素センサ40の出力変化量を検出するのではなく、単に所定時間経過後の酸素センサ40の出力を検出し、該出力が所定値に達しているか否かにより診断しても良い。
[実施形態(3)]
次に、本発明の実施形態(3)について図5を用いて説明する。
本発明の実施形態(1)との相違点は、実施形態(1)では、エンジン11の始動が開始されたか否かを判定し、エンジン11の始動が開始されてから酸素センサ40の出力が所定値に達するまでの時間(応答時間)を計測して、該応答時間と所定値とを比較することにより酸素センサ40の異常を検出するようにしたが、実施形態(3)では、酸素センサ40の出力が第1の判定値から第2の判定値に達するまでの時間(応答時間)を計測して、該応答時間と所定値とを比較することにより酸素センサ40の異常を検出するものである。
以下、本発明の実施形態(1)との相違点のみ説明する。
実施形態(3)において、例えば、空燃比がリッチからリーンに変化するときの酸素センサ40の応答劣化を検出する場合、燃料が余剰な状態(リッチ状態)から不足している状態(リーン状態)に変化する際に、酸素センサ40の出力が、リッチ側に設定された第1の判定値からリーン側に設定された第2の判定値へ変化するときの応答時間に基づいて、酸素センサ40の応答劣化を診断するようにする。より具体的には、ステップS303において、酸素センサ40の出力がリッチ側に設定された第1の判定値に達したか否かを判定する。このステップS303で、酸素センサ40の出力がリッチ側に設定された第1の判定値に達していない場合には、このプログラムを終了する。
このステップS303で、酸素センサ40の出力がリッチ側に設定された第1の判定値に達したと判定されると、次のステップS304で、酸素センサ40の出力がリーン側に設定された第2の判定値に達したか否かを判定する。このステップS304で、酸素センサ40の出力がリーン側に設定された第2の判定値に達していない場合には、このプログラムを終了する。
ステップS304で、酸素センサ40の出力がリーン側に設定された第2の判定値に達したと判定されると、ステップS305で、酸素センサ40の出力が第1の判定値に達してから第2の判定値に達するまでの応答時間を計測する。応答時間の計測は、酸素センサ40の出力が第1の判定値に達したときに計測した時間と判第2の判定値に達したときに計測した時間との差により計測すると良い。また、その他に、酸素センサ40の出力が第1の判定値に達したときから時間を計測し(カウントを始め)、酸素センサ40の出力が第2の判定値に達したときの時間(カウントの値)を応答時間として計測しても良い。その後、S306に進み、酸素センサ40の応答劣化診断を行う(以下、図3のステップS105と同じように応答劣化診断を行う)。
なお、空燃比がリーンからリッチに変化するときの酸素センサ40の応答劣化を検出する場合には、ステップS303で、第1の判定値をリーン側に設定し、ステップS304にて、第2の判定値をリッチ側に設定して、リーン状態からリッチ状態に変化する際に、酸素センサ40の出力が、リーン側に設定された第1の判定値からリッチ側に設定された第2の判定値へ変化するときの応答時間に基づいて、酸素センサ40の応答劣化を診断するようにする。
以上説明した実施形態(3)では、空燃比がリーンからリッチまたはリッチからリーンに変化したときの酸素センサ40の応答劣化を精度良く検出することが可能となる。この場合、触媒38が活性すると、触媒38の浄化能力により酸素センサ40の応答劣化を誤診断する虞があるため、触媒38の温度が活性温度に達するまでに実行すると良い。また、エンジン11の始動が完了するまでは、エンジン11の始動確保のために燃料を余剰にした状態となるように制御しているが、エンジン11の始動が完了した後は、空燃比をリーンからリッチに切り換えることが可能となるため、エンジン11の始動が完了した後から、触媒38の温度が活性温度に昇温するまでに実行すると良い。なお、この場合、空燃比をリッチからリーンに変更すると、ドライバビリティが悪化する虞があるため、エンジン11の回転速度が安定した後に実行すると良い。エンジン11の回転速度の安定したと判定するのは、エンジン11の回転速度の変化量が所定範囲以下になった場合や、エンジン11の回転速度が安定するまでの時間を予め設定し、エンジン11の始動開始後の計測時間が、予め設定された時間となった場合にエンジン11の回転速度が安定しているとすると良い。
また、エンジン11の始動完了後、空燃比をリーン/リッチと強制的に変化させて、空燃比がリーンからリッチ、リッチからリーンに変化したときの酸素センサ40の応答劣化を診断しても良い。
なお、上記実施形態(3)では、酸素センサ40の出力が第1の判定値から第2の判定値に達するまでの時間(応答時間)を計測して、該応答時間と所定値とを比較することにより酸素センサ40の応答劣化を検出するようにしたが、酸素センサ40の出力が所定値となってから所定時間が経過するまでの酸素センサ40の出力変化量に基づいて、酸素センサ40の応答劣化の異常を診断しても良い。この場合、酸素センサ40に応答劣化が生じると、センサ出力の変化が遅くなるため、酸素センサ40の出力変化量が判定値よりも小さい場合には、酸素センサ40の異常(応答劣化)として判定する。なお、酸素センサ40の出力変化量を検出するのではなく、単に、所定時間経過後の酸素センサ40の出力を検出し、該出力が所定値に達しているか否かにより診断しても良い。
また、実施形態(3)では、エンジン11の始動開始前までに、酸素センサ40のセンサ素子43を活性させる必要はなく、酸素センサ40の応答劣化の診断を実行するまでに、酸素センサ40のセンサ素子43を活性させれば良い。
[実施形態(4)]
次に、本発明の実施形態(4)について図6を用いて説明する。
上述した実施形態(1)乃至(3)では、エンジン11の始動開始後、触媒38の温度が低く、触媒38が活性していない状態で、酸素センサ40の応答劣化診断を行うことで、触媒38の影響を少なくした状態で、酸素センサ40の応答性劣化を診断していた。しかしながら、前回エンジン11が停止してから次にエンジン11が始動するまでの停止時間が短いと、触媒38の温度が下がりきっておらず触媒38が活性されている状態で、上述したプログラムを実行することになり、触媒38の影響で誤診断する虞があった。
そこで、本発明の実施形態(4)は、実施形態(1)乃至(3)の酸素センサ40の異常(応答劣化)を診断するプログラムに、更に、酸素センサ40の応答劣化診断を実行するための実行条件を追加するものである。
より具体的には、実施形態(1)乃至(3)のプログラムでは、エンジン11の停止中に始動される可能性が高くなったときに起動され、直ぐに、ヒータ通電条件が成立したか否かを判定していたが、本実施形態(4)では、ヒータ通電条件が成立したか否かを判定する前に、酸素センサ40の応答劣化診断を実行するための実行条件が成立しているか否かを判定する。
以下、実施形態(1)乃至(3)との相違点のみ説明する。
エンジン11の停止中に始動される可能性が高くなったときに図6のプログラムが起動されると、ステップS401にて、酸素センサ40の応答劣化診断を実行するための実行条件が成立しているか否かを判定する。触媒38が活性していると、触媒38の影響により酸素センサ40の応答劣化診断を誤判定する虞があるため、応答劣化診断の実行条件として、触媒38が活性しているか否かを判定する、つまりエンジン11が冷間始動であるか否かを判定する。この診断実行条件は、以下の(1)から(3)のいずれか少なくとも1つの条件が成立したときに、エンジン11が冷間始動であると判断すると良い。
(1)エンジン11が始動される際に検出又は推定された触媒38の温度が所定温度以下の場合
(2)エンジン11の停止時と、その後、始動される際にそれぞれ検出されたエンジン冷却水温の差または燃料温度(燃温)の差が所定値以上の場合
(3)エンジン11の停止時間が所定時間以上の場合
より具体的には、条件(1)は、近年、触媒38の温度を直接検出することが可能なセンサが開発されており、このようなセンサを用いて、触媒38の温度を検出することで、触媒38が活性していない冷間始動であるかを判定するものである。なお、条件(1)では、触媒温度を直接検出することが可能なセンサを用いずに、例えば、エンジン冷却水温等から触媒温度を推定しても良い。
次に、条件(2)では、エンジン冷却水温または燃温は、エンジン11の停止時に検出した場合と、その後、始動される際に検出した場合とでは、それぞれ異なってくるため、エンジン11の停止時に検出した温度と始動時に検出した温度の差が所定値以上の場合には、エンジン11の停止時間が長かったとして、触媒38が活性していない冷間始動であると判定するものである。
条件(3)では、エンジン11の停止時間を計測して、その停止時間が所定時間以上の場合には、触媒38が活性していない冷間始動時であるかを判定するものである。エンジン11の停止時間の計測は、例えば、エンジン11の停止時の時間と、その後、始動される際の時間との差により計測すると良い。
上記条件(1)乃至(3)の他に、例えば、エンジン11の始動される際に検出したエンジン冷却水温と吸気温との差分により、触媒38が活性していない冷間始動時であるかを判定しても良い。この場合、エンジン11の停止時間が短いと、エンジン冷却水温が下がりきっていないため、吸気温との差分が大きくなる。
ステップS401で、上述した診断実行条件が成立していないと判定されると、酸素センサ40の応答劣化の診断プログラムを実行することなく、終了する。ステップS401で、診断実行条件が成立したと判定されると、ステップS402に進み、実施形態(1)乃至(3)の酸素センサの応答劣化の診断プログラムを実行する。
以上説明した実施形態(4)では、触媒38が活性しているか否かを判定する応答劣化診断の実行条件を追加することによって、エンジン11の始動時において、触媒38が活性している状態で酸素センサ40の応答劣化診断を行うことを禁止することができ、応答劣化診断の誤判定を防止ことが可能となる。また、応答劣化診断の実行条件が成立していないと、酸素センサ40の応答劣化の診断プログラムを実行することがないため、酸素センサ40の応答劣化診断のためのヒータ制御を実行せずに済み、無駄な電力の消費を抑制することが可能となる。
なお、本実施形態(4)では、ヒータ通電条件が成立したか否かを判定する前に、酸素センサ40の応答劣化診断を実行するための実行条件が成立しているか否かを判定したが、ヒータ通電条件が成立した後に、エンジン11の始動時に酸素センサ40の応答劣化診断を実行するための実行条件(上記条件)が成立しているか否かを判定しても良い。
[実施形態(5)]
次に、本発明の実施形態(5)について図7を用いて説明する。
上述した実施形態(1)乃至(4)では、エンジン11の始動開始後、触媒温度が低く、触媒38が活性していない状態で、酸素センサ40の応答劣化診断を行うことで、触媒38の影響を少なくした状態で、酸素センサ40の応答性の劣化を診断していた。しかしながら、例えば、酸素センサ40を活性させるまでに時間がかかり、実施形態(1)乃至(4)のプログラムを実行しているときに、触媒38が活性した状態となり、応答劣化診断を誤判定する虞がある。
そこで、本発明の実施形態(5)は、実施形態(1)乃至(4)の酸素センサ40の異常(応答劣化)を診断するプログラムに、更に、触媒38が活性しているか否かを判定し、診断結果を有効とするか無効とするか、または上述した診断プログラムを継続するか禁止するか判定するものである。
以下、実施形態(1)乃至(4)の相違点のみ説明する。
ステップS501にて、実施形態(1)乃至(4)の酸素センサ40の応答劣化の診断プログラムが終了すると、ステップS502にて、触媒38が活性しているか否かを判定する。この触媒38が活性しているか否かは、触媒温度を検出または推定し、該触媒温度が活性温度(例えば300℃)に達したか否かを判定する。また、その他に、エンジン11の始動開始から触媒38が活性するまでの時間を予め設定しておき、エンジン11の始動開始から計測された時間と、予め設定された時間との比較により触媒38が活性しているか否かを判定しても良い。
ステップS502にて、触媒38が活性していると判定されると、触媒38が活性した状態で、上述した酸素センサ40の応答劣化の診断プログラムが実行されている可能性が高いため、ステップS503にて、診断結果を無効にする。また、ステップS502にて、触媒38が活性していないと判定されると、診断結果を有効にする。
なお、図7のプログラムでは、診断プログラム後の触媒38の活性に応じて、診断結果を有効又は無効としたが、触媒38の活性に応じて、診断プログラムを継続するか禁止するか決定しても良い。より具体的には、診断プログラムを実行しているときに、触媒38が活性すると、触媒38の影響により酸素センサ40の応答劣化の診断を精度良く行うことができないため、触媒38が活性していると判定されると、診断プログラムを禁止する。
以上説明した実施形態(5)では、触媒38が活性に応じて、診断結果を有効とするかまたは無効とすることで、触媒38が活性している状態で酸素センサ40の応答劣化診断を行った診断結果を禁止することができ、応答劣化診断の誤判定を防ぐことが可能となる。また、触媒38が活性に応じて、診断プログラムを継続するか禁止することで、応答劣化診断の誤判定を防ぐことができ、また、無駄なプログラムの実行を抑制することが可能となる。
なお、本実施形態では、酸素センサ40の応答性の劣化を診断することについて説明したが、酸素センサに限らず、空燃比をリニアに検出することが可能な空燃比センサを触媒38の下流側設けたシステムに適用しても良い。実施形態(3)の例を挙げて説明すると、空燃比センサの出力が第1の判定値から第2の判定値へ変化するときの応答時間に基づいて、空燃比センサの応答劣化を診断する。このとき、予め設定された燃料を噴射することで空燃比を強制的にリーン/リッチと変化させ、そのときの空燃比センサの出力に基づいて応答劣化を診断すると良い。
また、上述した実施形態では、触媒38の活性温度を、一般的に触媒38が活性していると判断する温度としたが、触媒38内において排ガスが反応するときの温度とすると良い。より具体的には、触媒38が完全に活性する前の半活性状態においても、少量ながら触媒38にて排ガスは浄化され始めるため、触媒38の活性温度を半活性状態の温度(約200℃付近)に設定しても良い。なお、触媒38の活性温度、触媒38の半活性状態の温度は、触媒38の種類、成分によって異なることは言うまでもなく、それぞれ予め計測して設定すると良い。
本発明の排ガスセンサの異常診断装置を採用する各実施形態のエンジン制御システムの概略図である。 本発明の各実施形態の排ガスセンサの概略図である。 実施形態(1)において排ガスセンサの応答劣化を診断するためのフローチャートである。 実施形態(2)において排ガスセンサの応答劣化を診断するためのフローチャートである。 実施形態(3)において排ガスセンサの応答劣化を診断するためのフローチャートである。 実施形態(4)において排ガスセンサの応答劣化を診断するためのフローチャートである。 実施形態(5)において排ガスセンサの応答劣化を診断するためのフローチャートである。 空燃比がリーンからリッチに切り換わったときにおける三元触媒の上流側および下流側の排ガスの空燃比の推移を示すタイムチャートである。
符号の説明
11…エンジン(内燃機関)
37…空燃比センサ
38…触媒
40…酸素センサ(排ガスセンサ)
41…ECU(異常診断手段)
42…センサ制御回路
43…センサ素子
44…ヒータ(加熱手段)

Claims (19)

  1. 内燃機関の排気管に配置された触媒と、
    前記触媒の下流に設けられ、排ガスの空燃比又はリッチ/リーンを検出する排ガスセンサと、
    前記排ガスセンサのセンサ素子を加熱するヒータの通電を制御して該センサ素子の温度を制御する加熱手段とを備えた排ガスセンサの異常診断装置において、
    前記触媒が活性し始める前に、前記加熱手段によって前記排ガスセンサのセンサ素子の温度を活性温度に昇温させた状態で、排ガスにより変化する該排ガスセンサの出力に基づいて該排ガスセンサの応答劣化を診断する異常診断手段を備えることを特徴とする排ガスセンサの異常診断装置。
  2. 前記異常診断手段は、前記内燃機関の冷間始動の際に前記排ガスセンサの応答劣化を診断することを特徴とする請求項1に記載の排ガスセンサの異常診断装置。
  3. 前記異常診断手段は、前記内燃機関が始動される際に検出又は推定された触媒温度が所定温度以下のときに冷間始動であると判断して、前記排ガスセンサの応答劣化を診断することを特徴とする請求項2に記載の排ガスセンサの異常診断装置。
  4. 前記異常診断手段は、前記内燃機関の停止時と、その後、始動される際にそれぞれ検出された内燃機関の冷却水温の差または燃料温度の差が所定以上の場合に冷間始動であると判断して、前記排ガスセンサの応答劣化を診断することを特徴とする請求項2に記載の排ガスセンサの異常診断装置。
  5. 前記内燃機関が停止している時間を計測する計測手段を備え、
    前記異常診断手段は、前記計測手段により計測された停止時間が所定時間以上の場合に冷間始動であると判断して、前記排ガスセンサの応答劣化を診断することを特徴とする請求項2に記載の排ガスセンサの異常診断装置。
  6. 前記異常診断手段は、前記内燃機関が始動してから前記排ガスセンサの出力が所定値となるまでの経過時間、または前記内燃機関が始動してから所定時間経過後の前記排ガスセンサの出力に基づいて前記排ガスセンサの応答劣化を診断することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の排ガスセンサの異常診断装置。
  7. 前記異常診断手段は、前記排ガスセンサの出力が変化し始めてから所定値となるまでの経過時間、または前記排ガスセンサの出力が変化し始めてから所定時間経過後の前記排ガスセンサの出力に基づいて、前記排ガスセンサの応答劣化を診断することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の排ガスセンサの異常診断装置。
  8. 前記異常診断手段は、前記排ガスセンサの出力が第1の判定値から第2の判定値へ変化するまでの経過時間、または前記排ガスセンサの出力が所定値となってから所定時間経過後の前記排ガスセンサの出力に基づいて、前記排ガスセンサの応答劣化を診断することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の排ガスセンサの異常診断装置。
  9. 前記異常診断手段は、空燃比のリッチ/リーンを強制的に切り換える手段を備え、該空燃比のリーン/リッチを強制的に切り換えて前記排ガスセンサの応答劣化を診断することを特徴とする請求項8に記載の排ガスセンサの異常診断装置。
  10. 前記異常診断手段は、前記内燃機関の始動完了後から前記触媒が活性し始めるまでに前記排ガスセンサの応答劣化の診断を終了することを特徴とする請求項9に記載の排ガスセンサの異常診断装置。
  11. 前記加熱手段は、前記内燃機関の始動を開始するまでに、前記排ガスセンサのセンサ素子を活性温度に昇温させることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1つに記載の排ガスセンサの異常診断装置。
  12. 車両のドアロックの解除を検出するドアロック解除検出手段を備え、
    前記加熱手段は、前記ドアロック解除検出手段により前記ドアロックの解除が検出されたときに、前記排ガスセンサのセンサ素子の加熱を開始することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1つに記載の排ガスセンサの異常診断装置。
  13. 車両のドアの開閉を検出するドア開閉検出手段を備え、
    前記加熱手段は、前記ドア開閉検出手段により前記ドアの開放が検出されたときに、前記排ガスセンサのセンサ素子の加熱を開始することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1つに記載の排ガスセンサの異常診断装置。
  14. 車両のシートへの人の着座を検出する着座検出手段を備え、
    前記加熱手段は、前記着座検出手段により前記シートへの人の着座を検出したときに、前記排ガスセンサのセンサ素子の加熱を開始することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1つに記載の排ガスセンサの異常診断装置。
  15. 前記内燃機関のイグニッションスイッチのオン/オフを検出するオン/オフ検出手段を備え、
    前記加熱手段は、前記オン/オフ検出手段により前記イグニッションスイッチのオンを検出したときに、前記排ガスセンサのセンサ素子の加熱を開始することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1つに記載の排ガスセンサの異常診断装置。
  16. 前記触媒の温度が活性温度に昇温しているか否かを判定する判定手段を備え、
    前記異常診断手段は、前記排ガスセンサの応答劣化の診断が終了するまでに、前記判定手段により前記触媒の温度が活性温度に昇温したと判定されたときに、該排ガスセンサの応答劣化の診断を中止することを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1つに記載の排ガスセンサの異常診断装置。
  17. 前記触媒の温度が活性温度に昇温しているか否かを判定する判定手段を備え、
    前記異常診断手段は、前記排ガスセンサの応答劣化の診断が完了したときに、前記判定手段により前記触媒の温度が活性温度に昇温したと判定された場合に、該排ガスセンサの診断結果を無効にすることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1つに記載の排ガスセンサの異常診断装置。
  18. 前記判定手段は、前記触媒の温度を検出する触媒温度検出手段を備え、該触媒温度検出手段の検出値に基づいて前記触媒の温度が活性温度に昇温しているか否かを判定することを特徴とする請求項16又は17に記載の排ガスセンサの異常診断装置。
  19. 前記触媒において排ガスが反応し始めるときの触媒温度を活性温度とすることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1つに記載の排ガスセンサの異常診断装置。
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