JP2003342872A - 放射性鉱物含有機能材およびその製造方法 - Google Patents

放射性鉱物含有機能材およびその製造方法

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JP2003342872A JP2002156405A JP2002156405A JP2003342872A JP 2003342872 A JP2003342872 A JP 2003342872A JP 2002156405 A JP2002156405 A JP 2002156405A JP 2002156405 A JP2002156405 A JP 2002156405A JP 2003342872 A JP2003342872 A JP 2003342872A
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inorganic porous
porous material
hydrophilic polymer
radioactive mineral
functional material
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JP2002156405A
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Kimihisa Sugiyama
公寿 杉山
Naoaki Hashimoto
直晃 橋本
Yoshinobu Fujimoto
好信 藤本
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Rengo Co Ltd
Original Assignee
Rengo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有害物質などの吸着・除去効率に優れている
ばかりでなく、対象物に積極的に作用し、生体の健康増
進や青果物の鮮度保持、食品の風味向上にも寄与し得る
機能材を提供すること。 【解決手段】 親水性高分子と無機多孔物と放射性鉱物
を含む機能材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有害物質などの吸
着・除去効率に優れているばかりでなく、対象物に積極
的に作用し、生体の健康増進や青果物の鮮度保持、食品
の風味向上にも寄与し得る機能材およびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来の吸着剤は、物理および化学吸着を
利用して有害な物質を除去することに主眼がおかれ、対
象物(生物を含む)に積極的な作用を及ぼすことを目的
としたものではなかった。
【0003】一方、人体の冷え症などを和らげることな
どを目的として、遠赤外線を放出する鉱物を練り込んだ
繊維を含有する布(「遠赤外線の時代」、(株)人間と
歴史社、今野和義著(1986);「遠赤外線セラミッ
クスの高度利用」、(株)アイピシー(1996))が
得られているが、これには有害物質などの吸着・除去性
能はなく、また、温度が過度に上昇し、かえって人体な
どの対象物に悪影響を及ぼすことがあった。
【0004】また、放射性鉱物を含有させ、これにより
防虫性を有する材料(特開平6−123004号公報)
や健康増進効果を有する材料(特開平6−319807
号公報)が得られているが、これらは有害物質などの吸
着・除去性能を有するものではなかった。
【0005】以上のように、優れた有害物質などの吸着
・除去性能に加えて、対象物に積極的に作用し、青果物
やカット野菜の鮮度保持効果や生体の健康増進効果など
を兼ね備えた材料はこれまで得られていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、有害物質な
どの吸着・除去効率に優れているばかりでなく、対象物
に積極的に作用し、生体の健康増進や青果物の鮮度保
持、食品の風味向上にも寄与し得る機能材を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討した結果、親水性高分子と無
機多孔物と放射性鉱物を含む機能材が、有害物質などの
吸着・除去を効率的に行うことができるばかりでなく、
対象物に積極的に作用し、生体の健康増進や青果物の鮮
度保持、食品の風味向上にも寄与し得ることを見出し、
本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の
通りである。 [1] 親水性高分子と無機多孔物と放射性鉱物を含む
機能材。 [2] 親水性高分子がセルロースである、上記[1]
記載の機能材。 [3] 無機多孔物がゼオライトである、上記[1]ま
たは[2]記載の機能材。 [4] 放射性鉱物がモナズ石、ゼノタイム、フェルグ
ソン石およびサマルスキー石から選ばれる少なくとも一
種である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の機能
材。 [5] 放射性鉱物と無機多孔物を、内添、含浸、塗工
または噴霧のいずれかの方法で親水性高分子基材に含ま
せることを特徴とする、上記[1]記載の機能材の製造
方法。 [6] 親水性高分子がその実体内に無機多孔物を有す
る無機多孔物−親水性高分子複合体から造られる繊維
と、放射性鉱物を有する機能向上繊維とを含む、織物、
不織布または紙。 [7] 放射性鉱物を有する機能向上繊維が上記[1]
記載の機能材から造られる繊維である、上記[6]記載
の織物、不織布または紙。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の機能材は、親水性高分子
と無機多孔物と放射性鉱物を含むものであって、有害物
質などの吸着・除去効率に優れているばかりでなく、対
象物に積極的に作用し、生体の健康増進や青果物の鮮度
保持、食品の風味向上にも寄与し得るものである。
【0009】本発明における放射性鉱物とは、放射線を
放射する鉱物をいい、例えば、モナズ石、ゼノタイム、
フェルグソン石、サマルスキー石、ユークセン石、コル
ンブ石、タンタル石、閃ウラン鉱、燐灰ウラン鉱、燐銅
ウラン鉱などが挙げられるがこれらに限定されるもので
はない。これらのなかでも、含有しているウランやトリ
ウムの量が比較的少なく、得られた機能材から発生する
放射線量を後述する好適な範囲である計数率に換算して
15〜100カウント/秒に調整しやすいことから、モ
ナズ石、ゼノタイム、フェルグソン石、サマルスキー石
が特に好ましい。また、これらの放射性鉱物は機能材中
に2種以上含ませることができる。
【0010】本発明の機能材中の放射性鉱物の含有量
は、特に限定されないが、使用する放射性鉱物の特性
(強度、放射線量など)、得られる機能材の強度、性
能、風合い、重量などの点で、機能材全体の好ましくは
0.2〜20重量%であり、より好ましくは0.5〜1
5重量%である。ここでいう機能材中の放射性鉱物の含
有量は、以下の式により算出される値である。
【0011】
【数1】
【0012】[式中、r:機能材中の放射性鉱物の含有
量(重量%)、A:機能材の乾燥重量、B:該機能材を
400℃の電気炉で灰化した後の灰分重量、C:機能材
に存在する全無機成分(無機多孔物、バインダー、後記
添加物など)における放射性鉱物の存在比を示す。ここ
で、機能材に存在する全無機成分における放射性鉱物の
存在比(C)は灰分を粉末X線回折法または蛍光X線分
析法(特に測定対象がシリカゲルのような非晶質を含む
場合)で測定することにより求めることができる。]
【0013】上記機能材から放射される放射線量は、吸
着された除去対象を除去するためには高いほど好ましい
が、人体や親水性高分子基材に対する悪影響を避けるた
め、実用上は人体に悪影響を与えないと考えられる程度
の低レベルの放射線量であることが好ましい。ここでい
う低レベルの放射線量とは、放射性鉱物に常時人体が接
触している状態(およそ1cm線量当量率)での年間被
爆量がおおよそ250ミリシーベルトの実効線量当量に
なる程度の放射線量のことをいう。すなわち、GMサー
ベイメーター(例えば、TGS−121;アロカ(株)
製)で放射性鉱物から照射される放射線量を1cmの距
離で測定した場合、30マイクロシーベルト/hあるい
は100カウント/秒の計数率と測定される量である。
したがって、本発明の機能材により放射される放射線量
は、実用上、計数率に換算して15〜100カウント/
秒が好ましく、20〜90カウント/秒であることが好
ましい。
【0014】低レベルの放射線の発生量を調べる方法
は、GM計数管を用いるのが一般的である。GM計数管
の原理は、アルゴンに少量のハロゲンガスを充填した金
属性の円筒の中心に細い電極があり、これにプラスの電
圧をかけておき、この中に放射線が飛び込んでガスがイ
オン化することにより、電気信号が現れることを利用し
ている。実施例中で使用しているGMサーベイメーター
(TGS−121;アロカ(株)製)では計数管の内径
が20mm(面積3.14cm2)であるため、機能材
から放射される放射線量は、該機能材の見かけ上の表面
積と計数率との積で規定される。すなわち一辺が25c
mの正方形の機能材シートから放射される放射線の計数
率が16.7カウント/秒であったならば、シート面方
向に向かって3324カウント/秒の放射線が出ている
ことになる。
【0015】本発明において基材となる親水性高分子と
しては、水に対して膨潤するものであれば特に制限はな
く、例えば、パルプ、ケナフ、麻、コットンなどの天然
セルロース、レーヨン、キュプラ、ポリノジック、リヨ
セルなどの再生セルロース、絹、羊毛などの天然ポリア
ミド、PVA、ポリアクリロニトリル、エチレン酢酸ビ
ニルコポリマーなどの石油系ポリマーが挙げられる。な
かでも取り扱い易さ、価格などの点から、好ましくは天
然セルロース(特にパルプ)または再生セルロースが挙
げられる。
【0016】本発明における無機多孔物としては、親水
性高分子を溶解、分解または崩壊させないものであれば
特に限定されないが、例えば、ゼオライト、シリカゲ
ル、ハイドロタルサイト、ハイドロキシアパタイト、粘
土鉱物類等が挙げられる。なかでも、最も用途が広いと
いう点からゼオライトが好ましい。また、これらの無機
多孔物は、2種以上を併用してもよい。
【0017】ゼオライトとしては、特に制限はなく、公
知のゼオライトを使用することができる。また、ゼオラ
イト骨格中のアルミニウム1分子に対するケイ素分子の
割合(Si/Al比)についても種々の値を有するゼオ
ライトが使用できる。具体的には、A型ゼオライト(S
i/Al比:1)、X型ゼオライト(Si/Al比:
1.0〜1.5)、Y型ゼオライト(Si/Al比:
1.5〜3.0)、ZSM−5型ゼオライト(Si/A
l比:10以上)、ZSM−11型ゼオライト(Si/
Al比:10以上)、シリカライト(Si/Al比:無
限大)、合成モルデナイト(Si/Al比:4.5〜1
2)などの合成ゼオライトや、天然モルデナイト(Si
/Al比:4.2〜5.0)、天然クリノプチロライト
(Si/Al比:4.25〜5.25)などの天然ゼオ
ライトなどが挙げられる。また、これらの合成ゼオライ
トや天然ゼオライトの骨格内アルミニウムを脱離させた
ゼオライトも使用できる。例えば、骨格内アルミニウム
を脱離させたY型ゼオライト、骨格内アルミニウムを脱
離させたクリノプチロライト、および骨格内アルミニウ
ムを脱離させたモルデナイトなどが挙げられる。なかで
も、比較的合成が容易である点からA型ゼオライト〔特
に4Aゼオライト(Na12Si12Al1248・27H2
O)〕、X型ゼオライト、Y型ゼオライトが好ましい。
【0018】本発明の機能材中の上記無機多孔物の含有
量は、特に制限されないが、好ましくは1〜70重量%
であり、特に好ましくは10〜50重量%である。無機
多孔物の含有量が当該範囲内であれば十分な吸着能力が
得られ、かつ容易に製造することができる。ここでいう
機能材中の無機多孔物の含有量は、上記機能材中の放射
性鉱物の含有量と同様にして測定される値である。
【0019】本発明の機能材は、無機多孔物、放射性鉱
物および親水性高分子が本発明の目的を達成されるよう
に組み合わされたものであればいかなる態様であっても
よい。例えば、無機多孔物および放射性鉱物が直接親水
性高分子に結合したものであってもよく、また、無機多
孔物および/または放射性鉱物がバインダーを介して親
水性高分子に結合したものや、無機多孔物および放射性
鉱物が塗料とともに親水性高分子に結合したものであっ
てもよい。さらに、無機多孔物および放射性鉱物が親水
性高分子に設けられた内孔に充填されたものであっても
よい。
【0020】上記バインダーとしては、無機多孔物およ
び/または放射性鉱物を親水性高分子基材に結合させる
ことができるものであれば特に限定されず、例えば、樹
脂、無機系硬化剤などが挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0021】上記樹脂としては、天然樹脂、合成樹脂ま
たはこれらのブレンド品などが挙げられる。天然樹脂と
しては、松脂、セラック、ワックス、コラーゲン、プロ
ポリス、漆、タール、アルギン酸ナトリウム、カルボキ
シメチルセルロースなどが挙げられる。合成樹脂として
はポリビニルアルコール(PVA)、アクリル樹脂、シ
リコーンゴム、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などが挙
げられる。好ましくは水に分散させやすく、好適に使用
されるセルロースとの接着性が高いことから、アルギン
酸ナトリウムおよびPVAが挙げられる。
【0022】上記無機系硬化剤としては、セメント、石
膏、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、二酸化チタ
ン、ゼオライト、粘土鉱物、コロイダルシリカ、アパタ
イトまたはタルサイト様化合物が挙げられる。好ましく
は水に分散させやすく、硬化性が高いことからセメン
ト、石膏、ケイ酸カルシウムが挙げられる。
【0023】また、無機多孔物および放射性鉱物は、親
水性高分子の表面および内部を問わず、また、直接また
は間接(例えば、バインダーを介して)を問わず、間
隙、内孔(特に基材が多孔質である場合)、基材の実体
内などに物理化学的に保持されていればよい。なかで
も、耐久性の点から、無機多孔物および/または放射性
鉱物が基材の実体内に含有されているものが好ましい。
【0024】ここでいう親水性高分子基材の実体内と
は、例えば、親水性高分子基材がパルプ等の天然セルロ
ースからなる場合、天然セルロースを構成成分とする基
材の内部、より詳細には、細胞壁を構成するミクロフィ
ブリル(φ約0.1μm)とミクロフィブリルとの隙間
(100〜5000Å)を膨潤させることによって生じ
る部位(サイト)あるいはミクロフィブリル中のミセル
で、セルロース分子鎖が結晶化していない領域を膨潤さ
せることによって生じる部位(サイト)を意味し、例え
ば、セルロースの細胞壁表面、細胞壁内に元々存在する
細孔および細胞内腔(ルーメン)は含まれない。また、
親水性高分子基材の実体内に無機多孔物および/または
放射性鉱物を含有するとは、無機多孔物および/または
放射性鉱物の一部または全部がセルロース基材の実体内
に存在することを意味する。
【0025】本発明の機能材の形状は、特に限定され
ず、用途に応じて、例えば、球状物、粒状物、角状物、
繊維状物、糸状物、棒状物、管状物、円筒状物、シート
状物、板状物、俵状物、段ボールハニカム状物、不定形
状物などとすることができる。例えば、観賞魚などの水
槽の水質浄化剤(材)などとして使用する場合には、砂
に混ぜやすい点から球状物や粒状物の形状が好ましい。
また、これらは多孔質であってもよい。
【0026】本発明の機能材は、放射性鉱物と無機多孔
物を、内添、含浸、塗工または噴霧のいずれかの方法で
親水性高分子基材に含ませることにより製造することが
できる。
【0027】〔内添法〕上記内添法とは、抄造の前で紙
料(紙となる前の原料)に鉱物を添加する方法(「紙お
よびパルプ、製紙の化学と技術」第3巻(1983)参
照)をいい、本発明においては、無機多孔物と放射性鉱
物の存在下で親水性高分子基材を離解(すなわち、親水
性高分子基材の繊維と繊維を解きほぐすこと)し、次い
で得られた無機多孔物および放射性鉱物を含む離解液を
成型操作(例えば、抄紙)することにより無機多孔物と
放射性鉱物を親水性高分子基材中に含有させる方法を意
味する。
【0028】離解操作における親水性高分子基材および
離解用媒質の使用量は、特に限定されないが、水が繊維
と繊維の隙間に入り、かつ、充分な乱流が起こるなどの
点から、得られる離解液中の親水性高分子の濃度が、
0.1〜5重量%(好ましくは0.5〜3重量%)とな
るように決定することが好ましい。
【0029】無機多孔物および放射性鉱物は、成型操作
前に離解液に含有されていればよく、離解用媒質に予め
含有させても、親水性高分子基材を離解した後に離解液
に含有させてもよい。また、無機多孔物および放射性鉱
物の使用量は、特に限定されないが、繊維と繊維の隙間
に充分入り、抄紙の際にからみ取られるなどの点から、
得られる離解液中のそれぞれの濃度が、0.01〜10
重量%(好ましくは0.05〜5重量%)となるように
決定することが好ましい。
【0030】離解操作により得られる離解液において
は、無機多孔物および放射性鉱物が均一に分散している
ことが重要である。例えば、充填剤の平均粒子径や比重
が大きすぎると成型前に紙料と分離してしまい、均質な
製品とならず、粉落ちなどの原因となる。したがって、
内添法における無機多孔物および放射性鉱物は、平均粒
子径が0.1〜150μm(好ましくは0.5〜50μ
m)であり、かつ、比重が1.0〜3.0(好ましくは
1.5〜2.5)であるものが好ましい。なお、ここで
いう平均粒子径とは、超小角X線散乱装置((株)リガ
ク製)を用いた散乱ピーク角度から求めたメジアン径を
意味する。また、比重は、ピクノメーターを用いた真比
重測定法により測定されるものである。
【0031】離解操作としては特に限定されず、例え
ば、東洋精機工業(株)製離解機などの公知の離解機な
どを用いて行うことができる。離解条件としては、使用
する離解機のマニュアルなどを参照し、使用する親水性
高分子基材、無機多孔物および放射性鉱物などの種類お
よび使用量などに応じて適宜設定することができるが、
一般的に、繊維3〜10g、水1〜3l、撹拌速度40
0〜1000r.p.m.、撹拌時間3〜10分といっ
た条件で行うことができる。
【0032】上記のようにして得られる離解液を原料と
して用いて、用途などに応じて種々の形状の機能材に成
型することができる。例えば、粒状物とする場合、各種
の造粒機〔例えば、半乾式/低水分造粒機(例えば、デ
ィスクペレッターF−5型;不二パウダル(株)製)、
一軸式エクストルーダー(例えば、E−P20;(株)
スエヒロEPM製)〕、各種の整粒機〔例えば、球形整
粒機(例えば、マルメライザーQ−400型;不二パウ
ダル(株)製)、摩砕型整粒機(例えば、ネビュライザ
ーNS20;(株)奈良機械製作所製)〕を使用するこ
とができる。また、シート状とする場合、例えば、各種
抄紙機〔例えば、角型シートマシン(熊谷理機工業
(株)製)、テスト抄紙機ハイドロフォーマー(斎藤鉄
工所(株)製)など〕などを使用することができる。成
型条件は、使用する装置のマニュアルなどを参照し、使
用する親水性高分子基材、所望する機能材の形状、粒
径、粒子の揃い具合などに応じて適宜設定することがで
きる。
【0033】なお、造粒・整粒する際は、回転数やペレ
ットの大きさにより割れや再粉砕が起こる場合があるの
で、水蒸気を噴霧したり、回転数を調節したりすること
が好ましい。
【0034】成型した後、必要に応じて乾燥する。該乾
燥方法としては、特に限定されず、通常の乾燥手段(例
えば、送風乾燥機、真空乾燥機、電磁波乾燥機、赤外線
乾燥機)を用いて行えばよい。乾燥温度は特に限定され
ず、通常、室温から150℃までであるが、短時間で乾
燥させるためには60℃〜150℃が好ましい。また、
乾燥時間も特に限定されず、乾燥温度に応じて適宜設定
すればよいが、通常、5分〜48時間、好ましくは10
分〜24時間である。
【0035】上記内添法を、針葉樹漂白クラフトパルプ
(NBKP)、無機多孔物(13Xゼオライト(平均粒
子径:3μm))および放射性鉱物(モナズ石(平均粒
子径:100μm))を原料にして、13Xゼオライト
とモナズ石を含むシート状機能材を得る場合を例に説明
する。まず、水に各原料をそれぞれNBKP1〜20g
/l、13Xゼオライト(平均粒子径:3μm)0.5
〜10g/l、モナズ石(平均粒子径:100μm)
0.5〜10g/lおよびアルギン酸ナトリウム0.5
〜10g/lの濃度で分散させた後、離解機(東洋精機
工業(株)製など)で3〜10分間離解し、この離解ス
ラリーを抄紙機(角型シートマシン;熊谷理機工業
(株)製など)で抄紙することで無機多孔物と放射性鉱
物を含むシート状機能材を得ることができる。
【0036】上記内添法は、製紙業界では日常的に白色
度や印刷適正、光沢性を向上させるために行われている
方法であり、例えば、シート状の形状を有する機能材を
製造する場合に特に好適に用いることができる。
【0037】〔含浸法〕上記含浸法はサイジング(紙に
インキや水の浸透抵抗性を付与する工程)を施していな
い基材を、無機多孔物および放射性鉱物を分散させたス
ラリーに浸すことでスラリーを吸収させるとともに無機
多孔物および放射性鉱物を基材に含有させる方法であ
る。
【0038】上記含浸法においては、無機多孔物および
放射性鉱物の両方を含有するスラリーに基材を含浸させ
ることにより、無機多孔物および放射性鉱物を基材に同
時に含有させる方法でもよく、あるいは無機多孔物を含
有するスラリーと放射性鉱物を含有するスラリーに基材
を別々に含浸させることにより、無機多孔物と放射性鉱
物を別々に基材に含有させる方法でもよい。
【0039】上記無機多孔物および放射性鉱物のスラリ
ーとしては、使用する無機多孔物および放射性鉱物など
によって適宜選択することができるが、無機多孔物と放
射性鉱物がスラリー中で沈降しないように、粘度を調節
したり、含浸中に撹拌を施すことが重要である。したが
って、該スラリーとしては、例えば、水やアセトニトリ
ル、ジメチルスルホキシドなどの媒質に上記バインダー
や増粘剤(例えば、カルボキシメチルセルロースなど)
を加えて粘度を高めたものなどが挙げられる。
【0040】上記スラリー中の無機多孔物および放射性
鉱物は、分散性、機能材における粉落ち防止などの点か
ら、その平均粒子径は好ましくは0.1〜150μm
(より好ましくは0.5〜50μm)である。ここでい
う平均粒子径は、上記内添法における無機多孔物および
放射性鉱物の平均粒子径と同様にして測定されるもので
ある。
【0041】上記スラリー中の無機多孔物および放射性
鉱物の濃度は、使用する無機多孔物および放射性鉱物の
分散性、目的とする機能材中の含有量などに応じて適宜
選択することができるが、操作性、特に基材の比重やス
ラリーに充分に、かつ、短時間で浸漬できるなどの点か
ら、それぞれの濃度として、通常、0.01〜10重量
%であり、好ましくは0.05〜5重量%である。
【0042】上記スラリーにおけるバインダーとして
は、上述したバインダーのなかでも水への分散性および
溶解性が高いなどの点から、好ましくはアルギン酸ナト
リウムおよびPVAが挙げられる。また、スラリー中の
バインダーの含有量は、使用するバインダーの種類、使
用する無機多孔物および放射性鉱物の濃度および種類な
どに応じて適宜選択することができるが、通常、0.0
1〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%であ
る。
【0043】上記スラリーにおける増粘剤としては特に
限定されないが、例えば、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセ
ルロース、変性デンプンなどが挙げられる。好ましくは
水への分散性、溶解性が高く、少量で増粘しやすいなど
の点から、カルボキシメチルセルロースが挙げられる。
また、スラリー中の増粘剤の含有量は、使用する増粘剤
の種類、使用する無機多孔物および放射性鉱物の濃度お
よび種類などによって適宜選択することができるが、通
常、0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重
量%である。
【0044】上記スラリーの粘度は、好ましくは操作
性、特に適度な流動性と液ギレのよさなどの点から、1
0〜100,000センチポイズ、より好ましくは10
0〜2000センチポイズである。ここでいう粘度は、
B型粘度計により測定されるものである。
【0045】また、親水性高分子を膨潤して無機多孔物
および放射性鉱物の担持率を高める目的で上記スラリー
にアルカリ化合物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウムなど)を0.1〜1mol/l(好ましくは
0.2〜0.8mol/l)添加してもよい。
【0046】上記無機多孔物および放射性鉱物のスラリ
ーに親水性高分子基材を浸漬させる方法としては特に限
定されず、例えば、親水性高分子基材を無機多孔物およ
び放射性鉱物のスラリーに浸漬する方法などが挙げられ
る。
【0047】上記無機多孔物および放射性鉱物のスラリ
ーに浸漬させる場合の温度は特に限定されないが、通常
5〜90℃であり、好ましくは10〜60℃である。ま
た、浸漬時間も特に限定されないが、通常、1秒〜30
分、好ましくは1秒〜15分である。
【0048】浸漬後、必要に応じて上記のようにして所
望の形状に成型してもよい。
【0049】浸漬(さらに成型)した後、必要に応じて
乾燥する。該乾燥方法としては、特に限定されず、通常
の乾燥手段(例えば、送風乾燥機、真空乾燥機、電磁波
乾燥機、赤外線乾燥機)を用いて行えばよい。乾燥温度
は特に限定されず、通常、室温から150℃までである
が、短時間で乾燥させるためには60℃〜150℃が好
ましい。また、乾燥時間も特に限定されず、通常、5分
〜2時間であるが、媒質を充分に揮発させる必要性があ
る場合には、10分〜30時間が好ましい。
【0050】上記含浸法を、コットン不織布、無機多孔
物(シリカゲル(平均粒子径:1μm))および放射性
鉱物(ゼノタイム(平均粒子径:50μm))を原料に
して、シリカゲルとゼノタイムを含む不織布状機能材を
得る場合を例に説明する。まず、水にシリカゲルとゼノ
タイムをそれぞれ0.5〜2g/l、カルボキシメチル
セルロースを0.5〜5g/lの濃度で含有させたスラ
リー(粘度:10000センチポイズ)にコットン不織
布を15〜25℃で1〜5秒間浸す。この際、スラリー
を撹拌することが好ましい。次いで、スラリーより不織
布を取り出し、60〜150℃で5分〜1時間乾燥する
ことによりシリカゲルとゼノタイムを含む不織布状機能
材を得ることができる。
【0051】上記含浸法は、元々の基材の形状に左右さ
れないので、例えば、不織布、ボード、球状体およびこ
れらの多孔体の形状を種々の形状を有する機能材を製造
する場合に特に好適に用いることができる。
【0052】〔塗工法〕上記塗工法は、コーターにより
親水性高分子基材に無機多孔物と放射性鉱物を分散させ
た塗料を塗布することにより無機多孔物と放射性鉱物を
親水性高分子基材中に含有させる方法である。
【0053】上記塗工法における塗料としては、上記含
浸法における無機多孔物および放射性鉱物のスラリーと
同様のものが挙げられる。ただし、塗工の場合は含浸法
よりもスラリーの粘度が低い方が機械適性がよい。
【0054】上記塗工液の粘度は、好ましくは塗工機の
塗工ロールに乗りやすく、かつ、かすれなどが起きにく
い点から、10〜5000センチポイズ、より好ましく
は10〜1000センチポイズである。ここでいう粘度
は、上記含浸法におけるスラリーと同様にして測定され
るものである。
【0055】上記塗工法においては、塗工液中の無機多
孔物と放射性鉱物の濃度と、基材の塗料の吸収スピード
が重要である。塗工液中の無機多孔物と放射性鉱物の濃
度が低すぎると何回でも塗り上げなければならず、逆に
濃度が高すぎると擦れや粉落ちが生じる場合がある。ま
た、基材の吸収スピードが余りに速いと塗工自体が不可
能となり、逆に吸収スピードが遅ければ希望する塗工量
にすることが困難である。一方、吸収されない基材であ
るフィルムなどの場合は、吸収スピードよりも塗工液の
伸びの方が重要である。基材は基本的に親水性であるの
で、水系スラリーとなるが、粘度が余りに低い場合、塗
工が途切れたり、逆に粘度が高すぎると塗工ロールに乗
らなかったり、塗工ムラが生じたりする。
【0056】上記塗工法における塗工液中の無機多孔物
および放射性鉱物の濃度は、上記の理由から、好ましく
は0.01〜10重量%、より好ましくは0.05〜5
重量%である。
【0057】また、上記塗工法における基材の塗工液の
吸収スピードは、上記の理由から、例えば塗工機として
マルチコーターを使用する場合、塗工ロールと基材の接
触時間として好ましくは0.1〜2秒、より好ましくは
0.5〜1秒である。
【0058】塗工操作としては、特に限定されず、例え
ば、マルチコーターM−200((株)ヒラノテクノシ
ード製)などの公知の塗工機を用いて、ロール塗工、エ
アナイフ塗工、ブレード塗工、キャスト塗工、押出し塗
工などの公知の方法を用いて行うことができる。また、
塗工の態様も特に限定されず、片面塗工、両面塗工でも
よく、また、1回塗り、2回塗りなどいずれの態様でも
よい。また、塗工条件としては、使用する塗工機のマニ
ュアルなどを参照し、使用する親水性高分子基材、無機
多孔物および放射性鉱物などの種類および使用量などに
応じて適宜設定することができるが、一般的に、塗工液
と粘度と吸収スピードを目視で判断しながら、その操作
中に回転速度の調節を行い、連続運転できる条件を見出
す。
【0059】上記塗工法を、段ボール原紙(表層NUK
P)、無機多孔物(4Aゼオライト(平均粒子径:3μ
m))および放射性鉱物(フェルグソン石(平均粒子
径:10μm))を原料にして、4Aゼオライトとフェ
ルグソン石を含む段ボール原紙を得る場合を例に説明す
る。まず、4Aゼオライト(平均粒子径:3μm)およ
びフェルグソン石(平均粒子径:10μm)をそれぞれ
0.5〜2g/lでアルギン酸ナトリウム水溶液(0.
5〜2%)に分散させた塗工液(粘度:1000センチ
ポイズ)を、コーター(例えば、マルチコーターM−2
00;(株)ヒラノテクノシード製)を使用して、ロー
ル品にスリットした段ボール原紙に20〜50g/m2
の塗工量で塗工することにより、4Aゼオライトとフェ
ルグソン石を含む段ボール原紙を得ることができる。
【0060】上記塗工法は、印刷業では日常的に行われ
ている方法であるので、例えば、シート基材あるいはフ
ィルム基材に特定の印刷を施した機能材であるとか、円
筒状の形状を有する機能材を製造する場合に特に好適に
用いることができる。
【0061】〔噴霧法〕上記噴霧法は、無機多孔物と放
射性鉱物を分散させた液を基材に均一にスプレーするこ
とにより、無機多孔物と放射性鉱物を親水性高分子基材
中に含有させる方法である。
【0062】上記分散液としては、上記含浸法における
無機多孔物および放射性鉱物のスラリーと同様のものが
挙げられる。ただし、上記塗工液よりも更に粘度が低い
ものが好ましい。
【0063】上記噴霧法においては、スプレーノズルの
目詰まりが生じないように、分散液中の無機多孔物と放
射性鉱物の平均粒子径と、均一な霧となるように分散液
の濃度が重要である。
【0064】上記噴霧法における分散液中の無機多孔物
および放射性鉱物の平均粒子径は、上記の理由から、好
ましくは0.1〜10μm、より好ましくは0.1〜1
μm)である。ここでいう平均粒子径は、上記内添法に
おける無機多孔物および放射性鉱物の平均粒子径と同様
にして測定されるものである。
【0065】また、上記噴霧法における分散液中の無機
多孔物および放射性鉱物の濃度は、上記の理由から、好
ましくは0.01〜10重量%、より好ましくは0.0
5〜5重量%である。
【0066】上記噴霧法を、混紡シーツ(綿:ポリエス
テル=50:50)、無機多孔物(ハイドロキシアパタ
イト(平均粒子径:1μm))および放射性鉱物(サマ
ルスキー石(平均粒子径:1μm))を原料にして、ハ
イドロキシアパタイトとサマルスキー石を含む寝装用シ
ーツを得る場合を例に説明する。まず、ハイドロキシア
パタイト(平均粒子径:1μm)を0.3〜20g/l
およびサマルスキー石(平均粒子径:1μm)を1.5
〜10g/lで分散させた水に、超叩解セルロース繊維
(セリシュ:ダイセル工業(株)製)を1〜10%で含
有させた噴霧液を、混紡シーツ上に噴霧器を用いて噴霧
することにより、ハイドロキシアパタイトとサマルスキ
ー石を含む寝装用シーツを得ることができる。
【0067】上記噴霧法は、塗工よりも更に薄い層を形
成することができるので、糸状、棒状、繊維状である機
能材を製造する場合に特に好適に用いることができる。
【0068】また、上記の含浸、塗工および噴霧法にお
いては、出発原料として、無機多孔物を有する親水性高
分子基材用いることができる。例えば、無機多孔物を実
体内に含有する親水性高分子基材(以下、無機多孔物−
親水性高分子複合体とも称する)を出発原料として使用
することで、無機多孔物を実体内に含有し、かつ、放射
性鉱物を含む機能材を得ることができる。
【0069】上記無機多孔物−親水性高分子複合体は、
特開平10−120923号公報等に記載される方法に
より製造することができる。例えば、無機多孔物がA型
ゼオライトであり、基材がパルプであるA型ゼオライト
−パルプ複合体は、パルプを10〜50,000mmo
l/lの塩基性物質の水溶液で膨潤させ、1〜10,0
00mmol/lのアルミニウム化合物の水溶液を混合
し、次いで、1〜1,000mmol/lのケイ素化合
物の水溶液を混合した後、20〜100℃で1時間〜2
0日間処理することにより製造することができる。
【0070】また、無機多孔物および放射性鉱物を実体
内に含有する親水性高分子基材は、木材からの硫酸パル
プ法、溶解パルプ(DP)を溶解させた後再生するビス
コース法や銅アンモニア法、ポリ酢酸ビニルをケン化す
る方法において、親水性高分子基材の原料液中に無機多
孔物および放射性鉱物を分散させておくことにより製造
することができる。あるいは、上記のビスコース法など
によって予め放射性鉱物を親水性高分子基材の実体内に
含有させ、次いで該放射性鉱物を実体内に含有させた基
材に対して特開平10−120923号公報等に記載さ
れる方法を適用し、無機多孔物を実体内で生成させるこ
とによっても製造することができる。
【0071】本発明の機能材おける無機多孔物には、
銀、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、コバルト、パラジウム、
白金等の金属が担持されていることが好ましい。これに
より、触媒含有機能材にさらに吸着能力が付与される。
例えば、銅を担持した場合、銅はS基やN基と錯体を形
成するので、硫化水素やアンモニア等のS基やN基を含
有する物質に対する吸着能力が格別に向上する。このよ
うな金属を担持した無機多孔物を含有する基材は、特開
平10−120923号公報などに記載される方法によ
り製造することができる。例えば、上記ゼオライト−パ
ルプ複合体のゼオライト部分に金属を担持させる場合、
1〜100mmol/lの金属塩の水溶液に該複合体を
浸漬させればよい。
【0072】また、本発明の機能材は、必要に応じて、
補強材、フィブリル化セルロース(例えば、超叩解セル
ロース繊維)、紙力増強剤、歩留向上剤等の抄紙時に一
般的に添加される添加物を含有していてもよく、また、
架橋や置換基導入等の化学修飾がされていてもよい。こ
のような添加剤は、上記製造方法に従って本発明の機能
材を製造する間や製造後に添加することで本発明の機能
材に含ませることができる。また、上記化学修飾は、本
発明の機能材の製造途中に施してもよいが、簡便である
ことから、予め親水性高分子に施しておくことが好まし
い。
【0073】本発明の機能材は、ウラン系列、トリウム
系列およびその壊変によって生ずるラドン、トロンなど
を含む放射線を発生する鉱物から生成する活性酸素やマ
イナスイオンを用いて、無機多孔物によって吸着された
成分を効率的に分解する能力を有する。したがって、シ
ックハウス症候群の原因物質(例えば、ホルムアルデヒ
ド、ベンゼン、キシレン、トルエンなど)の低減や、エ
チレンガスを分解除去することによる青果物やカット野
菜の鮮度保持に有用である。また、本発明の機能材は、
放射線を放射することから、生体の健康増進にも適用す
ることができる。
【0074】本発明の織物、不織布または紙は、親水性
高分子がその実体内に無機多孔物を有する無機多孔物−
親水性高分子複合体から造られる繊維と、放射性鉱物を
有する機能向上繊維とを含むものである。
【0075】上記放射性鉱物を有する機能向上繊維とし
ては、放射性鉱物を有するものであって、適度の強度
(例えば、JIS L1069「繊維の引張り強さ試験
方法」にて測定した強度が4〜1500gf/d程度、
好ましくは20〜500gf/d程度)を有し、かつ、
無機多孔物−親水性高分子複合体から造られる繊維がも
つ特性を改良するものあるいは該繊維が持たない特性を
付与しうるものが挙げられる。
【0076】具体的には、例えば、ポリエチレンテレフ
タレート系ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維、ポ
リウレタン繊維、(ポリ)アクリル繊維、セルロース繊
維(例えば、レーヨン、キュプラ等)等の化学繊維(共
重合体も含む)、ウール、絹、綿、麻、ケナフ等の天然
繊維、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維(例えば、銅、
アルミニウム、鉄、ステンレス等)等の無機繊維、活性
炭繊維などの繊維に上記放射性鉱物が含有されているも
のが挙げられる。このようなものとしては、上述した本
発明の機能材から造られる繊維、特開平6−31980
7号公報に記載される健康材料、特開平2−10471
2号公報に記載される抗菌性繊維などが挙げられる。当
該繊維の鮮度、断面形状や各種ポリマー安定剤の有無、
目付、密度等については、特に限定されない。また、こ
れらの繊維は2種以上を併用してもよい。
【0077】本発明の織物、不織布または紙は、上記の
無機多孔物−親水性高分子複合体から造られる繊維およ
び放射性鉱物を有する機能向上繊維とから自体公知の方
法により製造することができる。
【0078】本発明の織物には、織物を構成する経緯糸
に用いる糸の種類により混紡織物、交織織物等がある
が、強度の点から混紡織物であることが好ましい。織物
を構成する経緯糸の密度等は特に限定されない。
【0079】本発明の不織布には、その製造方法により
乾式不織布、湿式不織布等あるが、製造方法の簡素化、
或いは原料の種類によっては乾式不織布が好ましい。例
えば、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂が原料ならば乾式
不織布が好ましく、パルプ、レーヨン等の親水性高分子
の場合は、結合に水素結合が必要な点から湿式不織布が
好ましい。
【0080】本発明の紙は、従来の抄紙方法(湿式法
等)により製造することができる。例えば、無機多孔物
−親水性高分子複合体から造られる繊維の量が多く、且
つ機能向上繊維も親水性の繊維である場合は、特に湿式
法により製造することが好ましい。また、機能向上繊維
がポリエチレン等の疎水性の繊維である場合であって
も、当該疎水性繊維が親水性繊維より少量で用いられる
場合には湿式法が好ましい。後者の場合、原料段階でそ
れぞれがよく混合していることが重要であるため、必要
に応じて界面活性剤等の添加物が加えられる。
【0081】本発明の織物、不織布または紙の厚さは、
特に限定されないが、通常、20〜500μm程度であ
り、乾燥時間や熱融着時間が短くなる、折り加工に適す
るなどの点から、好ましくは30〜100μmである。
【0082】無機多孔物−親水性高分子複合体から造ら
れる繊維と放射性鉱物を有する機能向上繊維との使用割
合は特に限定されないが、機能材の強度および効能・効
果が充分期待できるなどの点から、好ましくは10:9
0〜90:10(重量割合)、特に好ましくは40:6
0〜60:40である。
【0083】本発明の織物、不織布または紙には、親水
性高分子がその実体内に無機多孔物を有する無機多孔物
−親水性高分子複合体から造られる繊維および放射性鉱
物を有する機能向上繊維の他に、必要に応じて紙力増強
のためのポリアクリルアミド、澱粉等、白色度向上のた
めの無機顔料、機能性付与のための活性炭、シリカゲ
ル、疎水性ゼオライト、二酸化チタン等の添加剤を加え
ることができる。
【0084】本発明の織物、不織布または紙は、無機多
孔物−親水性高分子複合体から造られる繊維と放射性鉱
物を有する機能向上繊維とを組み合わせることによっ
て、無機多孔物−親水性高分子複合体の有するガス吸着
能、揮発性有機溶剤除去能、難燃性、保温性、重金属お
よび放射性元素除去能に加えて、高強度となり、さらに
放射性鉱物による吸着物質の分解による除去能の向上、
さらに放射線による健康増進効果も期待できることか
ら、例えば、肌着、足拭きマット、シーツ、手袋、枕カ
バー、枕・布団・ちゃんちゃんこ・クッション等の中
綿、障子紙、壁紙、衣装カバー、クッションカバー、布
団収納袋、防虫シート、掃除機用パック、エアコンフィ
ルター、空気清浄機用フィルター、食器用束子、水切り
ゴミ袋、カーペット、ホットカーペットカバー、カーテ
ン、冷蔵庫用脱臭シート、特殊濾紙、野菜・肉等の鮮度
保存シート、鮮度保持輸送用包装材料、壁材、床材、天
井材、結露吸水シート等の様々な用途に使用することが
できる。
【0085】特に、本発明の織物、不織布または紙に用
いられる無機多孔物−親水性高分子複合体に銀、銅また
は亜鉛等の金属を担持させた金属担持無機多孔物−親水
性高分子複合体を用いることによって、上記の性質に加
えて更に抗菌性および悪臭除去能等の性質を付与するこ
とができる。従って、紙おむつ、おむつカバー、自動車
用携帯トイレ、靴中敷き、人工皮革、自動車・列車・飛
行機・船舶等の内装(座席シート、シートカバー)、タ
オル、トイレ便座カバー、眼鏡や腕時計のケース、貴金
属の保護材等の様々な用途にも使用することができる。
【0086】
【実施例】以下、本発明を実施例等でより詳細に説明す
るが、これらに限定されるものではない。なお、実施例
における各特性値の測定法を以下に示す。また、以下の
実施例等で「室温」とは、「15〜25℃」を意味し、
「%」は特に言及しない限り、「重量%」を意味する。
【0087】[機能材中の無機多孔物および放射性鉱物
の含有量]機能材を60℃で恒量となるまで乾燥し、次
いで恒量となったるつぼ中で1gを精秤した。次いで4
00℃の電気炉中で灰化させ、灰分を秤量した。該灰分
を粉末X線回折装置(RINT−2000:(株)リガ
ク製)で分析し、無機多孔物および放射性鉱物の三強線
(その化合物を特徴付ける三本の強度)のピーク強度か
ら、予め純粋な無機多孔物および放射性鉱物とを種々の
割合で混合し作成しておいた検量線のデータに当てはめ
ることにより、機能材中の全無機成分における無機多孔
物および放射性鉱物のそれぞれの存在比を決定し、以下
の式により機能材中の無機多孔物および放射性鉱物のそ
れぞれの含有量を測定した。
【0088】
【数2】
【0089】[式中、r:機能材中の無機多孔物または
放射性鉱物の含有量(重量%)、A:機能材の乾燥重
量、B:該機能材を400℃の電気炉で灰化した後の灰
分重量、C:機能材に存在する全無機成分における無機
多孔物または放射性鉱物の存在比を示す。]
【0090】[放射線量(1cm放射線当量率)]放射
線量の測定にはアロカ株式会社製のGMサーベイメータ
ーTGS−121)を用いた。
【0091】[複合体中のゼオライト含有量]複合体を
60℃で恒量となるまで乾燥し、次いで恒量となったる
つぼ中で1gを精秤した。次いで400℃の電気炉中で
灰化させ、灰分を秤量した。複合体の乾燥重量あたりの
灰分量をゼオライト含有量とした。
【0092】[ゼオライト中のX型ゼオライトの比率]
ゼオライト中のX型ゼオライトの比率は、上記のように
して得た複合体の灰分を粉末X線回折装置((株)リガ
ク RINT−2000)で分析し、2θ=6.120
°のピーク強度から、予め純粋なA型ゼオライトとX型
ゼオライトとを種々の割合で混合し作成しておいた検量
線のデータに当てはめて決定した。
【0093】[平均粒子径]平均粒子径は、超小角X線
散乱装置((株)リガク製)を用いて散乱ピーク角度か
ら求めた(メジアン径)。
【0094】[スラリーの粘度]B型粘度計を用いて、
容器に入ったスラリーを直接センチポイズで読み取っ
た。
【0095】[ホルムアルデヒドガス濃度]ホルムアル
デヒドガス濃度は、ガステック式ガス検知管9ILを用
いる検知管法で測定した。
【0096】[エチレンガス濃度]エチレンガス濃度
は、以下の条件による島津製作所製ガスクロマトグラフ
により測定した。 カラム:ガスクロパック54(ジーエルサイエンス社
製) キャリア:N2(窒素ガス) 流速:50ml/min 温度:140℃ 検出器:FID(水素炎イオン化検出器)
【0097】以下は、無機多孔物−親水性高分子複合体
(特開平10−120923号公報)のうち、無機多孔
物としてX型ゼオライト、親水性高分子として針葉樹漂
白クラフトパルプ(NBKP)を用いた場合の製造例で
ある。
【0098】製造例1 NBKP(王子製紙(株)製)1kgに、1号L2珪酸
ソーダ(東曹産業(株))1080gと48%液体苛性
ソーダ(東亞合成(株))2100gの混合水溶液51
60mlを加え、よく撹拌した後、液体アルミン酸ソー
ダ(住友化学工業(株))を1500g添加し、よく撹
拌した。この原料を温水循環装置(設定温度60℃)で
加熱し始め、材料温度が58℃に達した時に、更に副原
料として1号L2珪酸ソーダ660gおよび水を750
0ml加え、よく撹拌した後、材料温度が84℃に到達
するまで温水循環装置の温度設定を90℃に切り換えて
2時間かけて加熱した。この後84℃で1時間30分保
温した後、合成物を取り出した。これを小型遠心脱水機
((株)三陽理化学機械製作所製:SYK−5000−
15A)を用いて固液分離し、繊維を取り出した。取り
出した合成物のゼオライト含有量は41.0重量%であ
り、このゼオライト中のX型ゼオライトの比率は92.
0重量%であった。
【0099】実施例1 製造例1で製造した複合体10gに、モナズ石の微粉末
(平均粒子径:100μm)1gを分散させたアルギン
酸ナトリウム1%水溶液100ml(粘度:2000セ
ンチポイズ)を加え、室温で1時間撹拌した後、熊谷理
機工業製角型シートマシーン(抄紙面25×25cm、
水道水15L使用、吸引なし)で抄紙した。得られたシ
ートは定法でプレスし、ドラム式乾燥機を用いて145
℃で10分間乾燥した。得られた機能材中のX型ゼオラ
イトは39重量%であり、モナズ石は4.2重量%であ
った。この時の1cm放射線当量率は、5μSv/h
(計数率16.7カウント/秒)であった。
【0100】比較例1 NBKP10gに、モナズ石の微粉末(平均粒子径:1
00μm)1gを分散させたアルギン酸ナトリウム1%
水溶液(粘度:2000センチポイズ)100mlを加
え、室温で撹拌した後、熊谷理機工業製角型シートマシ
ーンで抄紙した。得られたシートは定法でプレスし、ド
ラム式乾燥機を用いて145℃で10分間乾燥した。得
られた材料中のモナズ石は4.1重量%であった。この
時の1cm放射線当量率は、5μSv/h(計数率1
6.7カウント/秒)であった。
【0101】比較例2 製造例1で製造した複合体10gにアルギン酸ナトリウ
ム1%水溶液100mlを加え、室温で撹拌した後、熊
谷理機工業製角型シートマシーンで抄紙した。得られた
シートは定法でプレスし、ドラム式乾燥機を用いて14
5℃で10分間乾燥した。得られた材料中のX型ゼオラ
イトは39重量%であった。
【0102】実験例1 実施例1、比較例1および比較例2で得られた材料それ
ぞれ10×10cmを2Lのガスバッグ内に封入し、内
部のガスを抜いた後、30ppmのホルムアルデヒドガ
ス1.5Lを封入した。60分後、24時間後の内部の
ホルムアルデヒドガス濃度を検知管法で測定した。その
結果を表1に示す。
【0103】
【表1】
【0104】表1に示すように、60分後にそれぞれの
ホルムアルデヒドガス濃度を測定したところ、実施例1
は0ppmであったのに対し、比較例1は20ppm残
存しており、比較例2も5ppm残存していた。24時
間後に再びそれぞれのホルムアルデヒドガス濃度を測定
したところ、実施例1は60分と同じ0ppmであった
が、比較例1は0.5ppm、比較例2も0.2ppm
残存していた。この結果は、無機多孔物と低レベルの放
射線を発生する鉱物とを複合化することにより、有害物
質の除去が相乗的に発揮されたことを意味する。
【0105】製造例2 ビスコースを再生の際に発泡させた球状多孔粒子である
発泡セルロースビーズ(ビスコパール(φ4mm);レ
ンゴー(株)製)10.0gを水酸化ナトリウム水溶液
(2.5g/50mL)に含浸せしめた後、日産化学
(株)製40重量%シリカゾルを17.5g加え、更に
アルミン酸ナトリウム2.5gおよび水酸化ナトリウム
2.5gの混合水溶液50mLを加え、1時間熟成した
後、90℃で24時間浸漬させることによりY型ゼオラ
イト担持発泡セルロースビーズ9.1gを得た。このY
型ゼオライト担持発泡セルロースビーズのゼオライト担
持率は17.3重量%であった。
【0106】実施例2 製造例2で得られたY型ゼオライト担持発泡セルロース
ビーズ10gに、フェルグソン石の微粉末(平均粒子
径:100μm)0.5gを分散させたポリビニルアル
コール1%水溶液(粘度:500センチポイズ)100
mlを加え、全体に含浸させた後、ヤマト科学製の定温
乾燥機(DG82)を用いて60℃で24時間乾燥し
た。得られた機能材(10.4g)中のY型ゼオライト
は15.1重量%であり、フェルグソン石は3.5重量
%であった。この時の1cm放射線当量率は、6μSv
/h(計数率20.0カウント/秒)であった。
【0107】比較例3 発泡セルロースビーズ(ビスコパール(φ4mm);レ
ンゴー(株)製)10gに、フェルグソン石の微粉末
(平均粒子径:1〜10μm)0.5gを分散させたポ
リビニルアルコール1%水溶液100mlを加え、全体
に含浸させた後、ヤマト科学製の定温乾燥機を用いて6
0℃で24時間乾燥した。得られた材料中のフェルグソ
ン石は3.3重量%であった。この時の1cm放射線当
量率は、6μSv/h(計数率20.0カウント/秒)
であった。
【0108】比較例4 製造例2と同様の方法で得られたY型ゼオライト担持発
泡セルロースビーズ10gに、ポリビニルアルコール1
%水溶液100mlを加え、全体に含浸させた後、ヤマ
ト科学製の定温乾燥機を用いて60℃で24時間乾燥し
た。得られた材料中のY型ゼオライトは15.7重量%
であった。
【0109】実験例2 実施例2、比較例3および4で得られた材料それぞれ1
gを一辺が10cmの不織布の袋に入れ、これを10L
の容量のガスバッグの中に入れた。まだ青さが残るバナ
ナ(6本付)を2本ずつに分け、このガスバッグの中に
入れ、空気を8〜9L導入した後、封入した。
【0110】封入から24時間後、72時間後、120
時間後の内部のエチレンガス濃度を島津製作所製ガスク
ロマトグラフで測定した。その結果を表2に示す。
【0111】
【表2】
【0112】表2に示すように、24時間後にそれぞれ
のエチレンガス濃度を測定したところ、実施例2の系は
0.5ppmであり、外観に特に変化はなかった。比較
例3の系は1ppmであり、外観に特に変化はなかっ
た。比較例4の系は0.8ppmであり、これも外観に
変化はなかった。72時間後の内部のエチレンガス濃度
を同様に測定したところ、実施例2の系は1ppmであ
り、外観に変化はなかったが、比較例3は10ppmと
なっており、バナナの表面は黄色に変色していた。比較
例4は5ppmとなっており、比較例3ほどではないが
黄色に変色していた。120時間後の内部のエチレンガ
ス濃度を同様に測定したところ、実施例2の系は5pp
mであり、バナナの表面は黄色に変色していた。比較例
3は20ppmとなっており、バナナの表面は黄色だけ
でなく黒点が認められた。比較例4は25ppmとなっ
ており、比較例3以上に黒点が増え、ガスバッグの内面
が結露していた。内部の濃度を測定した後にバナナを取
り出したところ、実施例2は食用に最適な状態であった
が、比較例3および4はアルコール臭がしており、内部
で嫌気状態になっていたことを伺わせた。この結果は、
Y型ゼオライトによる吸着効果と、低レベルの放射線が
青果物の老化促進物質の分泌を遅らせ、かつ呼吸量を低
下させたことによって、青果物の鮮度保持効果が相乗的
に発揮されたことを意味する。
【0113】実施例3 発泡セルロースビーズ(ビスコパール(φ4mm);レ
ンゴー(株)製)10gに、1号L2珪酸ソーダを5g
およびサマルスキー石の微粉末(平均粒子径:50μ
m)1gを分散させたポリビニルアルコール1%水溶液
(粘度:500センチポイズ)100mlを加え、室温
で30分浸漬させた後、1Nの硫酸浴1L中で中和し、
発泡セルロースビーズ中にシリカゲルを析出させた。こ
れをヤマト科学製の低温乾燥機を用いて60℃で24時
間乾燥し、シリカゲル−サマルスキー石担持発泡セルロ
ースビーズ12.2gを得た。この機能材中にシリカゲ
ルは10.7重量%、サマルスキー石は6.5重量%担
持されていた。この時の1cm放射線当量率は、7μS
v/h(計数率23.3カウント/秒)であった。
【0114】
【発明の効果】本発明の機能材は、放射線を発生する放
射性鉱物と吸着性能に優れた無機多孔物を含むことによ
って、有害物質などの吸着・除去を効率的に行うことが
できるばかりでなく、対象物に積極的に作用し、生体の
健康増進や青果物の鮮度保持、食品の風味向上にも寄与
することができる。また、本発明の織物、不織布または
紙は、無機多孔物−親水性高分子複合体から造られる繊
維と放射性鉱物を有する機能向上繊維とを組み合わせる
ことによって、無機多孔物−親水性高分子複合体の有す
るガス吸着能、揮発性有機溶剤除去能、難燃性、保温
性、重金属および放射性元素除去能に加えて、高強度と
なり、さらに放射性鉱物による吸着物質の分解による除
去能の向上、さらに放射線による健康増進効果も期待で
きることから、従来にはない機能を有する素材として幅
広い分野において有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // D06M 101:06 D06M 11/12 11/06 (72)発明者 藤本 好信 大阪市福島区大開4丁目1番186号 レン ゴー株式会社中央研究所内 Fターム(参考) 4B069 AB03 HA01 HA11 HA13 KA05 KB05 KC11 KC21 4C080 AA05 AA07 BB02 CC02 HH05 JJ06 KK08 MM01 MM04 NN24 QQ03 4G066 AA61B AA66B AC02B BA22 BA38 CA51 CA52 DA01 EA20 FA03 FA12 FA15 4L031 AA02 AB31 AB32 BA20 BA24 CA00 DA00 DA08 DA21 4L055 AG25 AG28 AH01 AH02 AH50 AJ04 BE08 FA30 GA05 GA30

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親水性高分子と無機多孔物と放射性鉱物
    を含む機能材。
  2. 【請求項2】 親水性高分子がセルロースである、請求
    項1記載の機能材。
  3. 【請求項3】 無機多孔物がゼオライトである、請求項
    1または2記載の機能材。
  4. 【請求項4】 放射性鉱物がモナズ石、ゼノタイム、フ
    ェルグソン石およびサマルスキー石から選ばれる少なく
    とも一種である、請求項1〜3のいずれかに記載の機能
    材。
  5. 【請求項5】 放射性鉱物と無機多孔物を、内添、含
    浸、塗工または噴霧のいずれかの方法で親水性高分子基
    材に含ませることを特徴とする、請求項1記載の機能材
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 親水性高分子がその実体内に無機多孔物
    を有する無機多孔物−親水性高分子複合体から造られる
    繊維と、放射性鉱物を有する機能向上繊維とを含む、織
    物、不織布または紙。
  7. 【請求項7】 放射性鉱物を有する機能向上繊維が請求
    項1記載の機能材から造られる繊維である、請求項6記
    載の織物、不織布または紙。
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