JP2003342495A - カーボンブラックを含む粉体の製造方法 - Google Patents

カーボンブラックを含む粉体の製造方法

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JP2003342495A
JP2003342495A JP2002150402A JP2002150402A JP2003342495A JP 2003342495 A JP2003342495 A JP 2003342495A JP 2002150402 A JP2002150402 A JP 2002150402A JP 2002150402 A JP2002150402 A JP 2002150402A JP 2003342495 A JP2003342495 A JP 2003342495A
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Takashi Shikakubo
隆志 鹿久保
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Abstract

(57)【要約】 【課題】加硫ゴム組成物、特にタイヤ、ゴム屑などのゴ
ム廃材などを有効再利用すべくなされたものであって、
カーボンブラックを配合してなる加硫ゴム組成物から、
補強性の低いカーボンブラックとして加工改良剤に使用
することが可能なカーボンブラックを含む粉体を容易か
つ簡便に製造する製造方法、および該製造方法により製
造されるカーボンブラックを含む粉体、さらに該カーボ
ンブラックを含む粉体を含有してなる組成物の提供。 【解決手段】カーボンブラックを配合してなる加硫ゴム
組成物を220〜400℃の温度に加熱して可塑化させ
る熱処理工程と、該熱処理工程後に、加熱により可塑化
した前記加硫ゴム組成物を有機溶媒で抽出することで溶
媒抽出分と抽出残物とを分離する有機溶媒抽出工程と、
該有機溶媒抽出工程後に、分離した前記抽出残物を乾
燥、粉砕させて、カーボンブラックを含む粉体を得る乾
燥・粉砕工程とを具備することを特徴とするカーボンブ
ラックを含む粉体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加硫ゴム組成物か
らカーボンブラックを含む粉体を得るカーボンブラック
を含む粉体の製造方法、および該製造方法により製造さ
れるカーボンブラックを含む粉体、さらに該カーボンブ
ラックを含む粉体を含有してなる組成物に関し、さらに
詳しくは、タイヤ、ゴムチューブなどのゴム廃材、ゴム
屑などの加硫ゴム組成物から再利用可能な材料として回
収される補強性の低いカーボンブラックを含む粉体の製
造方法、および該製造方法により製造されるカーボンブ
ラックを含む粉体、さらに該カーボンブラックを含む粉
体を含有してなる組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、廃棄物処理、特に産業廃棄物から
の原材料回収・再利用は重要な社会的課題である。排出
量の多いタイヤなどのゴム廃材についても、原材料回収
・再利用が望まれるが、加硫安定化されたゴム廃材から
原料として再使用し得る可能な品質のゴム、カーボンブ
ラックなどを回収することは容易ではなく、そのほとん
どが燃料として直接焼却されているのが実情である。例
えば、ゴム廃材から原材料を回収しようとする際には、
高温(通常500℃以上)または高圧(通常20bar
以上)分解が一般的である。このような高温または加圧
分解に用いるための触媒、溶媒なども種々提案されてい
る(米国特許3,704,108 、同3,996,022 、欧州特許7178
9 、特開昭60-40193号公報、特開平7-310076号公報な
ど)。
【0003】上記高温または高圧分解方法では、ゴム成
分はガス状の低分子炭化水素またはオイルとして回収す
ることができるが、ゴム原料としてそのまま使用し得る
ような高分子量ゴムで回収することは困難である。ま
た、カーボンブラックについては、高温分解後に原料カ
ーボンブラックと同品質のカーボンブラックを回収する
ことは困難であり、上記加圧分解においても、回収され
るカーボンブラックは、分離困難な油(場合によっては
未分解架橋ゴム)などとの混合状態で得られるため、カ
ーボンブラックの再利用は実質的に困難であるとされて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、加硫ゴム組
成物、特にタイヤ、ゴム屑などのゴム廃材などを有効再
利用すべくなされたものであって、カーボンブラックを
配合してなる加硫ゴム組成物から、補強性の低いカーボ
ンブラックとして加工改良剤に使用することが可能なカ
ーボンブラックを含む粉体を容易かつ簡便に製造する製
造方法、および該製造方法により製造されるカーボンブ
ラックを含む粉体、さらに該カーボンブラックを含む粉
体を含有してなる組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、カーボンブ
ラックを配合してなる加硫ゴム組成物からカーボンブラ
ックを回収する方法として、本出願人による特願200
1−065439号明細書に記載されている熱処理によ
る回収方法、具体的には、(1)カーボンブラックおよ
びゴムを含むゴム成形品に、220〜400℃の温度で
実質的に加熱前の外形を保持し得る熱処理を加えた後、
(2)有機溶媒で抽出して溶媒抽出分と抽出残物とを分
離し、(4)分離された抽出残物を、(i) 500℃以上
の温度で加熱するか、または(ii)過酸化物を0.01〜
50%含むゴム溶解剤に溶解することにより、ゴム成分
を分解し、カーボンブラックを回収する、ゴム成形品か
らの材料回収方法をさらに検討した。
【0006】そこで、本発明者は、上記検討の結果、溶
媒抽出の残物をそのまま乾燥させ、粉砕して得られるカ
ーボンブラックを含む粉体が、補強性が低いカーボンブ
ラックとして加工改良剤に使用することが可能であるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発
明は、以下に示す(1)〜(5)のカーボンブラックを
含む粉体の製造方法、および該製造方法により製造され
るカーボンブラックを含む粉体、さらに該カーボンブラ
ックを含む粉体を含有してなる組成物を提供する。
【0007】(1)カーボンブラックを配合してなる加
硫ゴム組成物を220〜400℃の温度に加熱して可塑
化させる熱処理工程と、該熱処理工程後に、加熱により
可塑化した前記加硫ゴム組成物を有機溶媒で抽出するこ
とで溶媒抽出分と抽出残物とを分離する有機溶媒抽出工
程と、該有機溶媒抽出工程後に、分離した前記抽出残物
を乾燥、粉砕させて、カーボンブラックを含む粉体を得
る乾燥・粉砕工程とを具備することを特徴とするカーボ
ンブラックを含む粉体の製造方法(第1の態様)。
【0008】(2)前記加硫ゴム組成物が、天然ゴム、
イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエ
ンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴムおよびアクリロ
ニトリルブタジエンゴムからなる群より選ばれる少なく
とも1種のゴムと、カーボンブラックとを含有するゴム
組成物の一部または全部を加硫させた加硫ゴム組成物で
あることを特徴とする上記(1)に記載のカーボンブラ
ックを含む粉体の製造方法。
【0009】(3)上記加硫ゴム組成物が、さらに、タ
イヤに用いられる加硫ゴム組成物であることを特徴とす
る上記(1)または(2)に記載のカーボンブラックを
含む粉体の製造方法。
【0010】(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記
載のカーボンブラックを含む粉体の製造方法により製造
されるカーボンブラックを含む粉体(第2の態様)。
【0011】(5)上記(4)に記載のカーボンブラッ
クを含む粉体と、ゴムおよび/または樹脂とを含有する
ことを特徴とする組成物(第3の態様)。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明の第1の態様は、カーボンブラックを配合し
てなる加硫ゴム組成物を220〜400℃の温度に加熱
して可塑化させる熱処理工程と、該熱処理工程後に、加
熱により可塑化した上記加硫ゴム組成物を有機溶媒で抽
出することで溶媒抽出分と抽出残物とを分離する有機溶
媒抽出工程と、該有機溶媒抽出工程後に、分離された上
記抽出残物を乾燥、粉砕させて、カーボンブラックを含
む粉体を得る乾燥・粉砕工程とを具備することを特徴と
するカーボンブラックを含む粉体の製造方法である。以
下、図1に模式的に示すプロセスフローを参照しながら
本発明の第1の態様を具体的に説明する。なお、本発明
は図1に限定されない。
【0013】図1のプロセスフローに示すように、本発
明の第1の態様に係るカーボンブラックを配合してなる
加硫ゴム組成物からカーボンブラックを含む粉体を製造
する製造方法では、上述した(1)熱処理工程と、
(2)有機溶媒抽出工程と、(3)乾燥・粉砕工程とを
具備している。以下に、上記各工程について詳細に説明
する。
【0014】(1)熱処理工程 カーボンブラックを配合してなる加硫ゴム組成物を、2
20〜400℃の温度に加熱して可塑化させる工程であ
る。本発明で熱処理に供される上記加硫ゴム組成物は、
カーボンブラックを配合してなるゴム組成物を一部また
は全部を加硫したものであればよく、その形状は何ら限
定されない。また、後述する原料ゴムおよびカーボンブ
ラック以外の成分も特に限定されず、他の構成材料との
複合体であってもよい。
【0015】上記ゴム組成物に含有されるカーボンブラ
ック以外の原料ゴムとしては、通常のゴム(液状ゴムを
含む)を用いることができる。具体的には、通常のゴム
としては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム
(IR)、ブタジエンゴム(BR)、1,2−ポリブタ
ジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブ
チルゴム(IIR)、エチレン−プロピレンゴム、アク
リルゴム、多硫化ゴム、スチレン−イソプレン−スチレ
ンブロックコポリマー(SIS)が挙げられる。これら
のゴムは、1種あるいは2種以上を組み合わせて用いて
もよい。これらのうち、天然ゴム(NR)、イソプレン
ゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブ
タジエンゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)を原料
ゴムとして用いることが好ましく、天然ゴム(NR)、
イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)を用い
ることが、後述する有機溶媒抽出工程において、溶媒抽
出(溶解)によりゴムを回収しやすいといった理由から
より好ましい。したがって、上記加硫ゴム組成物として
は、具体的には、例えば、原料ゴムとして天然ゴム(N
R)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)
を含有し、さらに、カーボンブラックを含有するゴム組
成物の一部または全部を加硫したものであることが好ま
しい。
【0016】ここで、加硫とはゴムに加硫剤、加硫促進
剤などを混ぜて加熱し、分子間の橋かけ結合による網目
構造をつくり、ゴムをエラストマーにする操作である。
上記ゴム組成物の加硫は、例えば、イオウ、テトラメチ
ルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスル
フィドなどの非元素イオウ加硫剤、ビスモルホリンジス
ルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィ
ド、有機過酸化物、キノンジオキシム、フェノールホル
ムアルデヒド樹脂、ニトロソ化合物とジイソシアナート
混合物、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、過酸化亜鉛、ト
リエチレンテトラミン、メチレンジアニリン、ジフェニ
ルグアニジン、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、
エチレンジアミンカルバメート、ビス−p−アミノシク
ロヘキシルメタンカルバメート、ステアリン酸、オレイ
ン酸などの加硫系(加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤な
ど)によりされたものであってもよい。
【0017】上記ゴム組成物は、カーボンブラック以外
の充填剤を含有していてもよく、具体的には、例えば、
シリカ、酸化亜鉛、炭酸カルシウムなどの充填剤として
公知のものを特に限定することなく挙げることができ
る。また、上記ゴム組成物は、上記充填剤に加えて、公
知の樹脂、他のエラストマー、各種配合剤、ゴム副資材
を広く含有していてもよく、例えば、活性剤、加硫遅延
剤、軟化剤、可塑剤、粘着剤、粘着付与剤、硬化剤、発
泡剤、発泡助剤、補強剤、老化防止剤、着色剤、顔料、
難燃剤、離型剤などの添加剤を含有していてもよい。上
記ゴム組成物に含有する各成分(原料ゴム、カーボンブ
ラック、充填剤および添加剤等)の含有量は、特に限定
されない。また、上記複合体の構成材料としては、スチ
ールコードなどの鋼材、ポリエステルカーカスコードな
どの繊維などが挙げられる。
【0018】また、上記ゴム組成物の一部または全部を
加硫して得られる加硫ゴム組成物としては、具体的に
は、例えば、天然ゴムタイヤ、合成ゴムタイヤ、ブラダ
ー、ライナーなどの自動車用ゴム部品、ケーブル、ベル
ト、ホース、シート、パッキンなどのゴム製品、および
精錬屑、加工屑などの成形屑ゴムなどが挙げられる。こ
れらのゴム成形品は、必ずしも使用されたものでなくて
もよいが、ゴム廃材であることがコストおよびリサイク
ルの点で望ましい。これらのうち、タイヤあるいはその
成形屑ゴムを加硫ゴム組成物として用いることが、天然
ゴムおよびイソプレンを高純度で回収することができる
ゴム廃材である理由から好ましい。また、ブチルゴム原
料の自動車用ゴム部品廃材を用いることも好ましい。加
硫ゴム組成物は、熱処理効率および抽出効率を向上させ
るために、切断などにより細分化して用いることが好ま
しい。
【0019】加硫ゴム組成物を、220〜400℃の温
度に加熱して可塑化させる際の加熱は、加熱装置、具体
的には、例えば、オーブン、管状炉などを用いて行うこ
とができる。上記加熱は、空気中、窒素ガス中などの不
活性雰囲気下のいずれで行ってもよいが、ゴムの変性
(酸化)を避ける必要がある場合には不活性雰囲気下で
行うことが好ましい。上記加熱の条件としては、加熱原
料(加硫ゴム組成物)、加熱環境などによっても異なる
が、220〜400℃、好ましくは250〜350℃、
より好ましくは280〜300℃の温度範囲で行われ
る。また、加熱時間は、10〜30分程度であればよ
く、好ましくは15〜20分程度である。
【0020】(2)有機溶媒抽出工程 上記熱処理工程において加熱により可塑化した加硫ゴム
組成物を、有機溶媒で抽出することにより溶媒抽出(溶
解)分と抽出残物(不溶分)とに分離する工程である。
具体的には、上記(1)の熱処理工程において加熱によ
り可塑化した加硫ゴム組成物を、有機溶媒に浸漬させ、
遠心分離、ろ過などの汎用の分離手段により、溶媒抽出
分を抽出させて、抽出残物と分離する。この際、有機溶
媒を加熱しても構わないが、作業コスト面から、室温
(通常0〜40℃程度)の有機溶媒中に浸漬することが
好ましい。浸漬時間は、6〜12時間であることが望ま
しく、通常8〜10時間である。また、有機溶媒は固形
の加硫ゴム組成物を充分浸漬し得る程度の量で用いるこ
とが好ましく、通常は1kgの加硫ゴム組成物を8〜1
0リットル程度の有機溶媒に浸漬させることが好まし
い。
【0021】ここで、有機溶媒としては、例えば、飽和
または不飽和の炭化水素を用いることができ、該炭化水
素は芳香族、脂肪族、脂環族などに特に限定されない。
たとえばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、デ
カリン(デカヒドロナフタレン)、テトラリン(テトラ
ヒドロナフタレン)、シクロヘキサンなどを用いること
ができる。これらを組合わせて用いてもよい。これらの
うち、シクロヘキサン、トルエン、キシレンが好ましく
用いられる。
【0022】(3)乾燥・粉砕工程 上記有機溶媒抽出工程後に、分離した抽出残物を乾燥、
粉砕させて、カーボンブラックを含む粉体を得る工程で
ある。具体的には、上記抽出残物を加熱真空乾燥機等で
乾燥させた後に、ボールミル等の粉砕機で粉砕させて、
高濃度のカーボンブラックを含む残渣をカーボンブラッ
クを含む粉体として得る工程である。また、この乾燥・
粉砕工程は、上記粉砕後に、さらにメッシュを通して上
記カーボンブラックを含む粉体を、より細かな粉体とす
る工程を有していてもよい。
【0023】したがって、本発明の第1の態様に係るカ
ーボンブラックを配合してなる加硫ゴム組成物からカー
ボンブラックを含む粉体を製造する製造方法では、上述
した(1)熱処理工程と、 (2)有機溶媒抽出工程と、
(3)乾燥・粉砕工程とを具備するカーボンブラックを
含む粉体の製造方法である。
【0024】また、本発明において、図1に示すよう
に、上記(2)の有機溶媒抽出工程後の溶媒抽出分から
ゴムを回収してもよい。ここで、ゴムの回収は、具体的
には、上記有機溶媒抽出工程で分離された溶媒抽出分か
ら有機溶媒を除去することによりゴムを回収する工程の
ことであり、有機溶媒を、例えば、蒸留により除去する
ことによりゴムを得る工程である。
【0025】本発明の第2の態様に係るカーボンブラッ
クを含む粉体は、通常、主成分となるカーボンブラック
以外に、少量のゴム成分を含んでいることが、ガスクロ
マトグラフィーおよびTGA熱重量分析により確認でき
る。ゴム成分の含量(重量)は、カーボンブラックを含
む粉体の重量を100%とした場合、10〜40%であ
ることが好ましく、20〜30%であることがより好ま
しい。上記カーボンブラックを含む粉体は、室温で黒色
粉末状の固体であり、通常のカーボンブラックと同様に
使用した場合、減衰性能に優れたゴム組成物を形成する
ことができる。このため、該カーボンブラックを含む粉
体は補強性の低いカーボンブラックである加工改良剤と
して使用することができる。
【0026】本発明の第3の態様に係る組成物は、上記
カーボンブラックを含む粉体と、ゴムおよび/または樹
脂とを含有することを特徴とする組成物である。ここ
で、ゴムおよび/または樹脂について、ゴムとしては、
第1の態様に係る加硫ゴム組成物におけるゴム組成物で
記載した原料ゴムを用いることができる。また、樹脂と
しては、公知の樹脂を用いることができ、具体的には、
例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリニトリル
系樹脂、ポリメタクリレート系樹脂、ポリビニル系樹
脂、フッ素系樹脂、イミド系樹脂、ポリアセタールなど
が挙げられる。また、第3の態様に係る組成物は、上記
ゴムおよび/または樹脂以外に、カーボンブラック(以
下、バージンカーボンブラックともいう)、充填剤およ
び添加剤等を含有してもよい。バージンカーボンブラッ
クを含有する場合、上記組成物中のカーボンブラックを
含む粉体とバージンカーボンブラックとの混合比は、目
的などに応じて適宜に選択することができる。カーボン
ブラックを含む粉体をゴムおよび/または樹脂に配合し
てなる組成物は、後述するようにムーニービスが低下し
て加工性が改善されるため好ましい。
【0027】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。 (比較例1)比較例1として、下記表1に示す成分組成
(重量比)で配合・混練してゴム組成物を調整した後
に、160℃で20分間加熱して加硫し、原料となる加
硫ゴム組成物を調製した。なお、天然ゴム(NR)とし
てはRSS3号、カーボンブラック(CB)としてはシ
ョウワブラックS118(昭和キャボット社製)を使用
し、亜鉛華としては酸化亜鉛3種(正同化学工業社
製)、ステアリン酸としてはビーズステアリン酸(日本
油脂社製)、老化防止剤1および2はそれぞれサントフ
レックス6PPD(フレキシス社製)およびノクラック
224(大内新興化学工業社製)を、パラフィンワック
スとしてはサンノック(大内新興化学工業社製)、硫黄
としては油処理硫黄(軽井沢精錬所製)、加硫促進剤と
してはノクセラーNS−P(大内新興化学工業社製)を
使用した。
【0028】(実施例1、2) (1)比較例1で得られた加硫ゴム組成物を1cm角に
切断し、電熱炉を用いて、窒素雰囲気下、300℃の温
度で、20分間加熱して可塑化させた。 (2)上記で加熱により可塑化した加硫ゴム組成物50
0gをトルエン5リットル中に浸漬し、8時間室温で静
置した後、遠心分離し、トルエン抽出分と抽出残物とを
分離した。 (3)抽出残物を、真空乾燥機で乾燥させた後、ボール
ミルで粉砕し、250μmメッシュを通し、黒色粉末の
カーボンブラックを含む粉体(CB300)を得た。
【0029】上記カーボンブラックを含む粉体(CB3
00)を用いて、下記表1に示す成分組成(重量比)で
配合・混練してゴム組成物を調整した後に、160℃で
20分間加熱して加硫し、加硫ゴム組成物を調製した。
なお、NR、CB、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤
1および2、パラフィンワックス、硫黄および加硫促進
剤は比較例1と同様のものを使用した。
【0030】比較例1、実施例1および2で得られたゴ
ム組成物および加硫ゴム組成物の物性値を下記に示す方
法に従って測定した。結果を下記表1に示す。 <ムーニービス>比較例1、実施例1および2で得られ
たゴム組成物をJIS−K6300-1994 に記載の方法
に準拠して、100℃にてムーニー粘度を測定した。 <ムーニースコーチ> (1)ムーニースコーチタイム(ML5up) 比較例1、実施例1および2で得られたゴム組成物をJ
IS−K6300-1994 に記載の方法に準拠して、最大
200ムーニー単位まで測定できるL型ローターを用
い、測定温度125℃の測定条件で、ローターのシャフ
トにかかるトルクを測定しムーニー単位で記録した(こ
の値がムーニー粘度である)。粘度−時間曲線を作り、
この曲線における最低値を、MINトルク(最低ムーニ
ー粘度)として、最低ムーニー粘度よりムーニー粘度が
5ポイントだけ上昇するまでに経過した時間(分)を測
定した。
【0031】<リュプケJIS硬度>JIS−K625
3-1997 のP法に準拠して、比較例1、実施例1および
2の加硫ゴム組成物を厚さ10mmに切り出し、硬度
(HS)〔RT℃〕を測定した。
【0032】<ブランク引張り試験>JIS−K625
1-1993 に準拠して、比較例1、実施例1および2の加
硫ゴム組成物を厚さ2mmのダンベル状試験片(ダンベ
ル状3号形)に切り出し、100%モジュラス
(M100 )〔MPa〕、200%モジュラス(M200
〔MPa〕、300%モジュラス(M300 )〔MP
a〕、400%モジュラス(M400)〔MPa〕、破断
強度(TB )〔MPa〕、破断伸び(EB )〔%〕を測
定した。 <ブランク引裂き試験>JIS−K6252-1993 に準
拠して、比較例1、実施例1および2の加硫ゴム組成物
を厚さ2mmのトラウザ型試験片に切り出し、引裂強さ
(TR)〔N/mm〕を測定した。
【0033】
【表1】
【0034】表1に示す結果より、実施例1および2の
ゴム組成物のムーニービスおよびムーニースコーチの値
が、比較例1のゴム組成物のその値と比べ、低くなって
いることが明らかとなり、補強性の低いカーボンブラッ
クを含む粉体をゴムに配合してなるゴム組成物は加工性
に優れていることが分かった。また、リュプケ硬度、ブ
ランク引張り試験およびブランク引裂き試験の結果か
ら、本発明のカーボンブラックを含む粉体をゴムに配合
してなるゴム組成物を加硫して得られる加硫ゴム組成物
は実用上問題ないレベルであることが分かった。
【0035】
【発明の効果】上記のような本発明によれば、カーボン
ブラックを配合してなる加硫ゴム組成物、特に、廃棄タ
イヤ、ゴム屑、電線被覆ゴム廃棄物などのゴム廃材か
ら、補強性が低く加工改良剤として有用なカーボンブラ
ックを含む粉体を確実に製造することができ、また、カ
ーボンブラックを含む粉体を組成物に配合することで、
該組成物のムーニービスを下げることができ、加工性が
改善されるため有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の態様の一例を示すプロセスフ
ローである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カーボンブラックを配合してなる加硫ゴム
    組成物を220〜400℃の温度に加熱して可塑化させ
    る熱処理工程と、 該熱処理工程後に、加熱により可塑化した前記加硫ゴム
    組成物を有機溶媒で抽出することで溶媒抽出分と抽出残
    物とを分離する有機溶媒抽出工程と、 該有機溶媒抽出工程後に、分離した前記抽出残物を乾
    燥、粉砕させて、カーボンブラックを含む粉体を得る乾
    燥・粉砕工程とを具備することを特徴とするカーボンブ
    ラックを含む粉体の製造方法。
  2. 【請求項2】前記加硫ゴム組成物が、天然ゴム、イソプ
    レンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴ
    ム、ブチルゴム、クロロプレンゴムおよびアクリロニト
    リルブタジエンゴムからなる群より選ばれる少なくとも
    1種のゴムと、カーボンブラックとを含有するゴム組成
    物の一部または全部を加硫させた加硫ゴム組成物である
    ことを特徴とする請求項1に記載のカーボンブラックを
    含む粉体の製造方法。
  3. 【請求項3】前記加硫ゴム組成物が、さらに、タイヤに
    用いられる加硫ゴム組成物であることを特徴とする請求
    項1または2に記載のカーボンブラックを含む粉体の製
    造方法。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載のカーボン
    ブラックを含む粉体の製造方法により製造されるカーボ
    ンブラックを含む粉体。
  5. 【請求項5】請求項4に記載のカーボンブラックを含む
    粉体と、ゴムおよび/または樹脂とを含有することを特
    徴とする組成物。
JP2002150402A 2002-05-24 2002-05-24 カーボンブラックを含む粉体の製造方法 Withdrawn JP2003342495A (ja)

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