JP2001226410A - 回収ゴムを用いたゴム組成物 - Google Patents

回収ゴムを用いたゴム組成物

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JP2001226410A
JP2001226410A JP2000035831A JP2000035831A JP2001226410A JP 2001226410 A JP2001226410 A JP 2001226410A JP 2000035831 A JP2000035831 A JP 2000035831A JP 2000035831 A JP2000035831 A JP 2000035831A JP 2001226410 A JP2001226410 A JP 2001226410A
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peroxide
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JP2000035831A
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Yoshitaka Udagawa
好隆 宇田川
Susumu Ashizawa
進 芦沢
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

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  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ゴム組成物全般から回収できる回収ゴムであっ
て、ゴム組成物の原料ゴムとして再利用することができ
る回収ゴム、およびこの回収ゴムを配合してなる物性の
よいゴム組成物の提供。 【解決手段】過酸化物を0.01重量%〜50重量%含
有する有機溶剤に、ゴム組成物を浸漬又は浸漬攪拌し、
前記ゴム組成物を分解処理して得られる、不純物として
上記過酸化物の分解生成物を5重量%以下含有する回収
ゴム、および上記方法により分解処理して得られる回収
液状物を、100℃〜160℃の温度で5分〜30分熱
処理して得られる上記不純物を含有する回収ゴムによ
り、上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、再利用可能な回収
ゴムに関するものであり、より詳しくは、ゴム組成物の
廃棄物に所定の処理を施すことにより得られる優れた物
性を持つ回収ゴム、およびこの回収ゴムを配合したゴム
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、産業廃棄物の処理問題は重要な社
会的課題であるが、特にタイヤはその廃棄量も多く、こ
れを単に焼却して燃料とするだけではなく、その原料で
あるゴム資材を回収して有効的に再利用することがます
ます重要視されている。
【0003】このため従来からある、加硫ゴム廃棄物か
らゴム及びカーボンブラックなどのゴム資材類を回収す
る方法としては、加硫ゴム廃棄物を熱分解して、ゴムを
ガス状あるいは液状炭化水素として回収する方法を挙げ
ることができる。例えば、特開昭60−40193号公
報には、古タイヤ、ケーブル廃棄物などの加硫ゴム廃棄
物をポリエチレン、ポリプロピレン廃棄物などとともに
150℃〜500℃の温度、20bar〜800bar
の圧力下、溶剤の存在下に熱分解し、ゴムを液状炭化水
素として得る方法が開示されている。また特開平7−3
10076号公報には、加硫ゴムを熱分解して炭化水素
(ガス状生成物)と、カーボンブラックを含む分解オイ
ル(スラリー状生成物)とを得るに際して、該熱分解を
テトラリンなどの水素供与性溶媒の存在下に行うことに
より、イオウ含量の少ない分解オイルを得る方法が開示
されている。同様に、日本エネルギー学会誌74(19
95)91には、水素または窒素環境下、300℃〜4
40℃の高温で加硫ゴムを熱分解して、分解オイルおよ
びカーボンブラックを得る方法が開示されている。
【0004】このような、熱分解反応により加硫ゴム製
品からゴム資材類を回収する方法によって、加硫ゴム中
のゴム成分は、ほぼ完全に低分子量の炭化水素(C4
ベンゼン、C4 −シクロヘキサン等)に転換されてしま
う。このような回収炭化水素は、主に軽質燃料として再
利用されるに留まり、ある程度の高分子量が要求され
る、ゴム組成物のゴム原料として再利用することはでき
なかった。また、このような産業廃棄物の処理問題は加
硫ゴム製品に留まらず、加硫ゴム製品を製造する際に不
可避的に生成される精錬くず、加工くずといった未加硫
くずゴムの処理においても問題となってきており、これ
らの原料であるゴム副資材を回収して有効的に再利用す
ることも、同様に重要課題となってきている。
【0005】以上から、もし常温あるいは比較的低温、
常圧下で、熱分解装置、加熱装置などの設備を必要とせ
ずに、ゴム廃棄物全般から再利用に耐え得るゴム成分を
分離回収することができ、また、その回収ゴムを配合し
てなるゴム組成物が需要の高いゴム組成物に必要な特定
の物性を示すものであれば、その産業上の利用価値は甚
大である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術に鑑みてなされたものであり、ゴム組成物全
般から回収できる回収ゴムであって、ゴム組成物の原料
ゴムとして再利用することができる回収ゴム、およびこ
の回収ゴムを配合してなる物性のよいゴム組成物を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、熱分解装
置、加熱装置等の装置を必要とせずに、低コストで簡便
且つ容易に加硫ゴム組成物のゴム成分と充填剤成分とを
分離回収する方法を開発し、その分離方法によって回収
した液状成分を調べてみたところ、意外にも、高分子量
を有する液状ゴムを分離することができ、この液状ゴム
を配合したゴム組成物は、原料として用いられる通常の
原料ゴムを配合したゴム組成物と比して、ヒステリシス
が大きく、損失正接(tanδ)が大きいことを見出し
た。また、このような優れた特性を持つ回収ゴムは、加
硫ゴム組成物のみならず、加硫ゴム製品を製造する過程
で不可避的に生ずる未加硫くずゴム等の未加硫ゴム組成
物を分解処理しても得ることができることを見出し、本
発明を完成させた。
【0008】即ち、本発明の回収ゴムは、過酸化物を
0.01重量%〜50重量%含有する有機溶剤に、ゴム
組成物を浸漬又は浸漬攪拌し、前記ゴム組成物を分解処
理して得られ、不純物として、上記過酸化物の分解生成
物を5重量%以下含有することを特徴としている。
【0009】また、本発明の回収ゴムは、上記分解処理
をして得られた回収液状物を、100℃〜160℃の温
度で5分〜30分熱処理して得られる、上記過酸化物の
分解生成物を5重量%以下含有するものであってもよ
い。
【0010】ここで、前記過酸化物が過酸化ベンゾイル
であり、前記有機溶剤がトルエンであることが好まし
い。
【0011】また、本発明のゴム組成物は、上記回収ゴ
ムと、ゴム及び/又は樹脂とを含有することを特徴とす
るものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明を具体的に説明す
る。本発明の回収ゴムは、過酸化物を0.01重量%〜
50重量%含有する有機溶剤に、ゴム組成物を浸漬又は
浸漬攪拌し、前記ゴム組成物を分解処理して得られるも
のであり、上記過酸化物の分解生成物を5重量%以下含
有する。
【0013】本発明において、回収ゴムの原料となるゴ
ム組成物は、ゴム組成物全般である。すなわち、ゴム組
成物は、加硫されていても、加硫されていなくても(未
加硫)よく、部分的に加硫されているもの、加硫度が充
分でないものも含まれる。加硫ゴム組成物としては、例
えば、自動車等のタイヤ、ケーブル、シート、パッキ
ン、成形屑ゴム、ホース、ベルトなどの各種ゴム製品を
挙げることができる。これらは、他の構成部材、例えば
ブラスメッキスチールコードなどの鋼材、ポリエステル
カーカスコードといった有機繊維等の樹脂を含んでいて
もよい。また、未加硫ゴム組成物としては、加硫の程度
が、加硫ゴム製品の加硫の程度に及ばない部分を少なく
とも一部に有するゴム組成物であれば、特に制限なく挙
げることができ、加硫ゴム製品の工場で排出される未加
硫くずゴム等を主に挙げることができる。具体的には、
混練り工程や成形工程等の際に、早期加硫や加硫むら
(焼け、スコーチ)を起こして排出されたゴム破材、加
硫工程時にいわゆるだれ等を起こして排出された不良物
等を挙げることができる。これらも同様に、上述したよ
うな鋼材、有機繊維等の他の構成部材を含んでいてもよ
い。また、これらのゴム組成物は、後述する本発明のゴ
ム組成物に含有されるゴム、充填剤等を含んでいてもよ
い。充填剤としては、後述するゴム組成物の分解処理が
より好適に行われる観点から、カーボンブラックを含有
していることが好ましい。
【0014】本発明において、ゴム組成物を一旦分解処
理し、その後本発明の回収ゴムを得る、またはゴム組成
物を分解処理して本発明の回収ゴムを得るものである。
本発明において、ゴム組成物の分解処理は、過酸化物を
0.01重量%〜50重量%含有する有機溶剤に、ゴム
組成物を浸漬又は浸漬攪拌することにより行われる。
【0015】ここで、ゴム組成物の分解処理に使用され
る過酸化物としては、公知の有機過酸化物を広く用いる
ことができるが、具体的には、過酸化ベンゾイル、ジイ
ソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド(商品名パ
ークミルP(日本油脂社製)など)、t-ブチルハイドロ
パーオキサイド(80%ジ−t-ブチルパーオキサイド溶
液など)、p−メンタンハイドロパーオキサイド(商品
名パーメンタH(日本油脂社製)など)、クメンハイド
ロパーオキサイド(商品名パークミルH−80(日本油
脂社製)など)等の有機過酸化物のほか、アゾビスイソ
ブチロニトリル等のラジカル発生剤等も挙げることがで
きる。これら過酸化物は、爆発防止のために水などを含
んでいてもよい。これらのうちでも特に過酸化ベンゾイ
ルが好ましい。
【0016】また、有機溶剤としては、常圧常温下で液
状であって、過酸化物を溶解しうるものであれば公知の
ものを広く用いることができる。具体的には炭化水素、
アルコールなどを挙げることができ、炭化水素は、飽和
または不飽和いずれであってもよく、芳香族、脂肪族、
脂環族などに特に限定されない。このような有機溶剤と
しては、たとえばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキ
サン、デカリン(デカヒドロナフタレン)、メタノー
ル、エタノール、テトラリン(テトラヒドロナフタレ
ン)、シクロヘキサンなどを挙げることができ、特に好
ましくはトルエン、ベンゼン、キシレンである。
【0017】ゴム組成物を分解する処理液は、上記の有
機溶剤に過酸化物を0. 01重量%〜50重量%、好ま
しくは0.1重量%〜10重量%、更に好ましくは0.
5重量%〜2重量%の濃度で含有するものを用いる。こ
の範囲であると、反応が効率的に進むという利点がある
からである。この処理液は、有機溶剤及び/又は過酸化
物を2種以上含有していてもよい。
【0018】上記方法において、処理液として、好まし
くは過酸化ベンゾイルを0.01重量%〜50重量%含
有するトルエン溶液を用いることができる。
【0019】上記方法において、過酸化物を含有した上
記有機溶剤中にゴム組成物を浸漬又は浸漬攪拌するが、
この際、ゴム組成物と有機溶剤との比、ゴム組成物(m
g)/有機溶剤(ml)が好ましくは30以下、更に好
ましくは15以下、最も好ましくは5以下となるように
浸漬又は浸漬攪拌する。上記比がこの範囲内であると、
ゴム成分を容易に分離することができるからである。な
お、上記比は、ゴム組成物が、鋼材や樹脂等の他の構成
部材を含む場合は、その他の構成部材の重量部分を除い
て、上記範囲とすることが好ましい。また、上記方法に
おいて、ゴム組成物の分解処理は、処理液にゴム組成物
を浸漬又は浸漬攪拌することにより行われるが、ゴム組
成物に応じてこれらの表面に処理液を多量に流す方法、
スプレー塗布等いかなる手段を用いることもできる。
【0020】また、本発明において、過酸化物を含有し
た上記有機溶剤中にゴム組成物を浸漬または浸漬攪拌す
る際のゴム組成物の形状に特に限定はないが、ゴム成分
と他の成分との分離を容易にする観点から、少なくとも
1の辺が2mm超であるブロック体にすることが好まし
い。従って、ゴム組成物の形状としては、加硫ゴム廃材
や未加硫ゴムくずをそのままで、特に処理を行わず、必
要な場合は、少なくとも1つの辺が2mm超であり、一
辺が2mm〜40mm、好ましくは2.5mm〜10m
mのブロック体に細分したものとしてもよい。この範囲
であると、ゴム組成物からのゴム成分の分離が容易であ
り、また裁断工程が容易であるからである。また、上記
分解処理方法の処理温度において、特に高温にする必要
はなく、好ましくは0℃〜40℃、更に好ましくは10
℃〜30℃、特に好ましくは環境温度である。
【0021】本発明において、ゴム組成物を上記のよう
に分解処理し、処理後の溶液から、充填剤や、鋼材や樹
脂等の他の構成部材等の固形分を除去する。ここで、固
形分の分離法としては、遠心分離、膜分離、濾過等の通
常の分離手段を取ることができる。こうして得られる固
形分除去後の回収液状物は、液状ゴムとともに、処理液
として使用した有機溶剤、過酸化物、および過酸化物の
分解生成物を含有するものである。このため、真空蒸留
もしくは加熱蒸留を行い、または放置して、回収液状物
から有機溶剤をできるだけ除去する。続いて、析出して
きた過酸化物および過酸化物の分解生成物をメタノー
ル、水等でできるだけ除去し、粘性液状体の本発明の回
収ゴムを得る。
【0022】本発明において、得られた回収ゴムは、重
合を促し、分子量を増やすという観点から、熱処理に付
すことが好ましい。ここで、熱処理は、100℃〜16
0℃で、好ましくは120℃〜140℃で、5分〜30
分、好ましくは10分〜20分加熱するものである。こ
の範囲内であると、分子量が大きくなり、弾性が付与さ
れるからである。
【0023】本発明において、上記のように、ゴム組成
物を分解処理し、必要に応じて熱処理することにより得
られる回収ゴムは、重量平均分子量が5000〜3万で
ある液状ゴムである。本発明の回収ゴムは、原料である
ゴム組成物を分解処理する際に使用された微量の過酸化
物や、過酸化物の分解生成物、硫黄等の加硫剤を含有し
ていても良い。過酸化物の分解生成物としては、例え
ば、過酸化物の水酸化物を挙げることができる。ここ
で、回収ゴム中の過酸化物の分解生成物の含有量は、5
重量%以下であることが好ましく、更に好ましくは、2
重量%以下である。本発明の回収ゴムは、メタノールや
水等で処理し、不溶物を回収することにより、容易に、
重量平均分子量1万以上の純粋な回収ゴムとすることが
できる。
【0024】本発明の回収ゴムは分子量が比較的大きい
ため、ゴム組成物の原料として充分に再利用することが
できる。本発明の回収ゴムは、公知のゴムや公知の液状
ポリマー、公知のアロマオイルと比較して、特異な性質
を持つ。例えば、本発明の回収ゴムを使用したゴム組成
物は、従来公知の原料ゴムを配合したゴム組成物(基本
配合)を配合したゴム組成物に比して、ヒステリシスが
大きく、また、損失正接(tanδ)が大きい。例え
ば、ゴム成分として、公知のゴムを配合し、液状ポリマ
ーやアロマオイルを含まない基本配合のゴム組成物のヒ
ステリシスを100とした場合、全ゴム成分中、熱処理
をしていない回収ゴムを10重量部配合することによ
り、ヒステリシスを200以上とし、20重量部配合す
ることにより、400以上とすることができる。また、
回収ゴムとして、熱処理後のものを使用すると、例えば
10重量部配合することにより、ヒステリシスを280
以上とすることができる。また、損失正接(tanδ)
についても同様に、基本配合のゴム組成物のtanδを
100とした場合、全ゴム成分中、熱処理をしていない
回収ゴムを10重量部配合することにより、tanδを
180以上とし、20重量部配合することにより、27
0以上とすることができる。また、回収ゴムとして、熱
処理後のものを使用すると、例えば10重量部配合する
ことにより、tanδを180以上とすることができ
る。本発明の回収ゴムが特異な特性を有する理由は現時
点では充分解明されておらず、定かではないが、過酸化
物やその分解生成物、加硫剤等の微量の不純物を含有し
ているため、また回収ゴムが極性基を有するためと発明
者らは考えている。
【0025】本発明の回収ゴムは以上のような特異な性
質を有することから、本発明の回収ゴムを配合した後述
する本発明のゴム組成物は、例えば、近年急速に普及し
つつある、振動エネルギーの吸収装置、すなわち、防
振、除振、免震装置等に好適に使用することができる。
また、上記のような特性を有するゴム組成物は、高温に
おける損失正接(tanδ)の低下がないため、レース
タイヤに好適に使用することができる。
【0026】次に、本発明のゴム組成物について説明す
る。本発明のゴム組成物は、原料ゴムとして、上述した
本発明に係る回収ゴムを使用して製造したゴム組成物で
ある。
【0027】本発明のゴム組成物を形成するゴムとし
て、本発明に係る回収ゴムを含有する。本発明におい
て、本発明に係る回収ゴムの配合量は、全ゴム成分10
0重量部中、好ましくは1重量部〜20重量部、更に好
ましくは5重量部〜20重量部である。ゴム組成物の破
断物性が著しく低下してしまうのを防ぐため、配合量は
50重量部以下であることが好ましい。
【0028】また、本発明において、ゴム組成物のヒス
テリシスを大きくするため、本発明に係る回収ゴムと他
のゴムとを併用することができる。ここで、他のゴムと
しては公知のゴムを挙げることができ、例えば、天然ゴ
ム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタ
ジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、ブチ
ルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)などのゴ
ムおよびこれらのブレンド物等を挙げることができる。
【0029】また本発明のゴム組成物は公知の加硫剤を
含むことができ、例えば、イオウ、テトラメチルチウラ
ムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィドな
どの非元素イオウ加硫剤、ビスモルホリンジスルフィ
ド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、有機
過酸化物、キノンジオキシム、フェノールホルムアルデ
ヒド樹脂、ニトロソ化合物とジイソシアナート混合物、
酸化亜鉛、酸化マグネシウム、過酸化亜鉛、トリエチレ
ンテトラミン、メチレンジアニリン、ジフェニルグアニ
ジン、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、エチレン
ジアミンカルバメート、ビス−p−アミノシクロヘキシ
ルメタンカルバメートなどを使用することができる。
【0030】また、本発明のゴム組成物は公知の充填剤
を含むことができ、例えば、カーボンブラック、シリ
カ、酸化亜鉛、炭酸カルシウム等、好ましくはカーボン
ブラック、シリカを挙げることができる。本発明におい
て、充填剤の配合量は、ゴム成分100重量部に対し、
好ましくは1重量部以上、更に好ましくは10重量部〜
130重量部である。
【0031】本発明のゴム組成物は、上述の原料ゴム、
カーボンブラック等の充填剤以外に、公知の他の樹脂、
エラストマー、他の配合剤、ゴム副資材を広く含有して
いてもよい。たとえば加硫(硬化)促進剤、加硫促進助
剤、活性剤、加硫遅延剤、軟化剤、可塑剤、粘着剤、粘
着付与剤、硬化剤、発泡剤、発泡助剤、補強剤、老化防
止剤、着色剤、顔料、難燃剤、離型剤などが配合されて
いてもよい。これらは、練り加工時、加硫時、補強充填
時などのいずれの工程で配合されたものであってもよ
い。
【0032】本発明のゴム組成物の製造方法としては、
特に限定されないが、例えばゴムの原料、回収カーボン
ブラックおよび必要に応じてその他の添加剤と2軸押出
機、バンバリミキサー、ニーダー等を用いて、50℃〜
180℃程度に加熱下、混練して製造する方法を用いる
ことができる。
【0033】
【実施例】以下に、実施例により本発明をさらに具体的
に説明する。 <原料となるゴム組成物の調製>第1表に示すような成
分組成で配合・混練し、148℃で10分間加熱して加
硫し、ゴム組成物を調製した。なお、カーボンブラック
としてはN339を使用し、老化防止剤としては、N−
フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フ
ェニレンジアミンを、加硫促進剤としてはN−t−ブチ
ル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミドを使用してい
る。
【0034】
【0035】<回収ゴムの調製>過酸化ベンゾイル(以
下BPOと略称する)濃度が1重量%のトルエン溶液7
lに対し、上述したゴム組成物を70g浸漬し、攪拌す
ることにより、サラサラの液状化物(懸濁液)を得た。
この懸濁液を遠心分離し、透明な溶液相と、固形状生成
物とに分離した。この透明な溶液相を放置してトルエン
を飛ばし、析出するBPOおよび安息香酸を濾過および
水洗により除去し、回収ゴム1を得た。回収ゴム1は、
粘着質な液状体であり、重量平均分子量が約10000
であった。また、回収ゴム1の赤外線吸収スペクトルを
調べたところ、ポリイソプレンに帰属するピーク(極性
基を含む)、安息香酸に帰属するピークが観測された。
これらのピークから、回収ゴム1は、ポリイソプレン骨
格を有する液状ゴムであり、BPOの分解生成物である
安息香酸を2重量%有するものであることがわかった。
【0036】回収ゴム1を、140℃で10分熱処理し
て、得られたゴムを回収ゴム2とした。回収ゴム2は、
回収ゴム1と同様に粘着質の液状体であるが、少し弾性
が付与され、重量平均分子量が約15000であった。
また、同様に赤外線吸収スペクトルを調べたところ、安
息香酸を1重量%有するポリイソプレン骨格液状ゴムで
あることがわかった。
【0037】(実施例1〜4、比較例1〜3) <ゴム組成物の調製>第2表に示すような成分組成で配
合・混練されたゴム組成物を、148℃で10分間加熱
して加硫し、実施例1〜4、比較例1〜3とした。な
お、使用した老化防止剤および加硫促進剤は上述したゴ
ム組成物に使用したものと同様である。なお、液状ポリ
マーとして、クラレ社製のLIR−50(重量平均分子
量63000)を使用し、アロマオイルとして、出光興
産製のダイアナプロセスAH−24を使用した。
【0038】
【表1】
【0039】<ヒステリシス曲線>実施例1〜4、比較
例1〜3のゴム組成物を幅10mm、長さ150mm、
厚さ1mmの短冊状試験片に切り出し、JIS K 6
254に準拠する方法により、伸びが100%になるま
で5回引張りを与え、引張応力を測定した。結果を図1
および図2に示す。なお、図1(a)は実施例1、
(b)は実施例2、(c)は実施例3および(d)は実
施例4の結果を示しており、図2(a)は比較例1、
(b)は比較例2、(c)は比較例3の結果を示してい
る。なお、図中の縦軸のスケールはいずれも同じであ
る。また、それぞれのヒステリシスを測定し、基本配合
(比較例1)に対する割合として、比較例1のヒステリ
シスを100とした割合を計算した。結果は、第3表に
示す。
【0040】<応力−歪特性>実施例1〜4および比較
例1〜3のゴム組成物を、厚さ1mmのダンベル状試験
片(JIS3号)に切り出し、JIS K 6251に
準拠して、300%モジュラス(M300 )〔MPa〕、
破断強度(TB )〔MPa〕、破断伸び(EB
〔%〕、S−S曲線から求められる面積に対応するエネ
ルギー(ENG)〔MPa〕を測定した。結果を第3表
に示す。
【0041】<損失正接(tanδ)の測定>実施例1
〜4および比較例1〜3のゴム組成物を、幅5mm、長
さ100mm、厚さ1mmの短冊状試験片に切り出し、
JIS K 6394に準拠する方法(初期歪10%、
振幅±2%、周波数20Hz)により、0℃、20℃お
よび60℃における損失正接(tanδ)を測定し、基
本配合(比較例1)に対する割合として、比較例1の6
0℃における損失正接を100とした割合を計算した。
結果は第3表に示す。
【0042】
【表2】
【0043】図1および図2から明らかなように、基本
配合であるゴム組成物(比較例1)と比して、本発明の
ゴム組成物である回収ゴム1を含有したゴム組成物(実
施例1〜3)および回収ゴム2を含有したゴム組成物
(実施例4)は、高ヒステリシスを示す。また、回収ゴ
ムの含有量が5重量%(実施例1)であるよりも、20
重量%(実施例3)であるほうが、顕著である。このよ
うな特性は、液状ポリマーやアロマオイルを含有する比
較例2および比較例3ではほとんど見られず、本発明の
回収ゴムが特異な性質を有することがわかる。また、第
3表から、応力−歪特性については、回収ゴム1の含有
量が多くないゴム組成物においては、基本配合である比
較例1と比して、低下が少ないことがわかる。また、3
00%モジュラスの値については、回収ゴム2を含有す
るゴム組成物(実施例4)は、基本配合である比較例1
の値とほぼ同じであることがわかる。また、第3表か
ら、回収ゴム1または2を含むゴム組成物の損失正接
(tanδ)は基本配合である比較例1の損失正接と比
して大きく、特に60℃における損失正接(tanδ)
が非常に大きいことがわかる。また、回収ゴム1の含有
量が多い(実施例2、3)、または回収ゴム2を含有す
るゴム組成物(実施例4)においては、0℃の損失正接
よりも60℃における損失正接のほうが大きいという、
特異な性質を有することがわかる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
回収ゴムは、加硫の有無やその程度にかかわらず、ゴム
組成物全般の廃棄物から容易に回収できるものである。
また、得られた回収ゴムは再利用に充分耐え得るもので
あり、また、特異な性質を持つものである。また、本発
明の回収ゴムを原料として用いる本発明のゴム組成物
は、高ヒステリシスを示し、減衰性能に優れているた
め、各種の免震、除震、防震等の振動エネルギーの吸収
装置等に好適に使用することができ、また、損失正接
(tanδ)が大きく、特に60℃におけるtanδが
大きいため、特に高グリップ特性を持つタイヤのトレッ
ド等広範な用途において有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は実施例1、(b)は実施例2、
(c)は実施例3、(d)は実施例4のヒステリシス曲
線を表す図である。
【図2】 (a)は比較例1、(b)は比較例2、
(c)は比較例3のヒステリシス曲線を表す図である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F301 AA03 AB02 AB03 CA03 CA04 CA09 CA13 CA22 CA32 CA41 CA72 4J002 AC01X AC03X AC06X AC08X AC09X AC13W BB18X EK006 EK046

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】過酸化物を0.01重量%〜50重量%含
    有する有機溶剤に、ゴム組成物を浸漬又は浸漬攪拌し、
    前記ゴム組成物を分解処理して得られる、上記過酸化物
    の分解生成物を5重量%以下含有することを特徴とする
    回収ゴム。
  2. 【請求項2】過酸化物を0.01重量%〜50重量%含
    有する有機溶剤に、ゴム組成物を浸漬又は浸漬攪拌し、
    前記ゴム組成物を分解処理して得られる回収液状物を、
    100℃〜160℃の温度で5分〜30分熱処理して得
    られる、上記過酸化物の分解生成物を5重量%以下含有
    することを特徴とする回収ゴム。
  3. 【請求項3】前記過酸化物が過酸化ベンゾイルであり、
    前記有機溶剤がトルエンであることを特徴とする請求項
    1または2に記載の回収ゴム。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の回収ゴム
    と、ゴム及び/又は樹脂とを含有することを特徴とする
    ゴム組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003072313A (ja) * 2001-08-31 2003-03-12 Yokohama Rubber Co Ltd:The 乗用車用タイヤ
JP2003082163A (ja) * 2001-09-14 2003-03-19 Yokohama Rubber Co Ltd:The 回収ゴムおよびそれを用いたゴム組成物
JP2008266381A (ja) * 2007-04-17 2008-11-06 Sumitomo Rubber Ind Ltd 液状再生ゴムを含むタイヤトレッド用ゴム組成物およびそれを用いたトレッドを有する空気入りタイヤ

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