JP2002097386A - 加硫ゴムから良質なカーボンブラックを回収する方法、およびそのカーボンブラックを用いたゴム組成物 - Google Patents
加硫ゴムから良質なカーボンブラックを回収する方法、およびそのカーボンブラックを用いたゴム組成物Info
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- JP2002097386A JP2002097386A JP2000288386A JP2000288386A JP2002097386A JP 2002097386 A JP2002097386 A JP 2002097386A JP 2000288386 A JP2000288386 A JP 2000288386A JP 2000288386 A JP2000288386 A JP 2000288386A JP 2002097386 A JP2002097386 A JP 2002097386A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】加硫ゴムの分解を効果的に行え、カーボンブラ
ックの分離、回収を容易とし、得られるカーボンブラッ
クが優れた品質を有する、加硫ゴムから良質なカーボン
ブラックを回収する方法と、そのカーボンブラックを含
有する、物性が良好で、特に引張応力、耐摩耗性に優れ
るゴム組成物の提供。 【解決手段】少なくともカーボンブラックとゴムとを含
有する加硫ゴムを、溶媒中で、体積増加率が40%以上
となるよう膨潤させることを特徴とする加硫ゴムからカ
ーボンブラックを回収する方法。
ックの分離、回収を容易とし、得られるカーボンブラッ
クが優れた品質を有する、加硫ゴムから良質なカーボン
ブラックを回収する方法と、そのカーボンブラックを含
有する、物性が良好で、特に引張応力、耐摩耗性に優れ
るゴム組成物の提供。 【解決手段】少なくともカーボンブラックとゴムとを含
有する加硫ゴムを、溶媒中で、体積増加率が40%以上
となるよう膨潤させることを特徴とする加硫ゴムからカ
ーボンブラックを回収する方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加硫ゴムから良質
なカーボンブラックを効率よく回収する方法、およびそ
のカーボンブラックを用いた優れた物性を示すゴム組成
物に関する。
なカーボンブラックを効率よく回収する方法、およびそ
のカーボンブラックを用いた優れた物性を示すゴム組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、産業廃棄物の処理問題は重要な社
会的課題であるが、特にタイヤはその廃棄量も多く、こ
れを単に焼却して燃料とするだけではなく、その原料で
あるゴム副資材を回収して有効的に再利用することがま
すます重要視されている。
会的課題であるが、特にタイヤはその廃棄量も多く、こ
れを単に焼却して燃料とするだけではなく、その原料で
あるゴム副資材を回収して有効的に再利用することがま
すます重要視されている。
【0003】従来からある、加硫ゴム廃棄物からゴム及
びカーボンブラックなどのゴム資材類を回収する方法と
しては、加硫ゴムを熱分解して、ゴムをガス状あるいは
液状炭化水素として回収する方法を挙げることができ
る。たとえば特開平7−310076号公報には、加硫
ゴムを、テトラリンなどの水素供与性溶媒の存在下で熱
分解して、液状炭化水素とカーボンブラックを得る方法
が開示されている。この方法では、水素供与性溶媒から
供給される高反応性水素により、加硫ゴムの水素化分解
反応が効率よくおこり、そのため比較的低温で熱分解を
することができ、元の高次集合構造に近い構造をもつカ
ーボンブラックを得ることができるとしている。分離、
回収されたカーボンブラックを再利用した加硫ゴムが、
良好な破断時応力、破断伸びを示すことが報告されてい
る。
びカーボンブラックなどのゴム資材類を回収する方法と
しては、加硫ゴムを熱分解して、ゴムをガス状あるいは
液状炭化水素として回収する方法を挙げることができ
る。たとえば特開平7−310076号公報には、加硫
ゴムを、テトラリンなどの水素供与性溶媒の存在下で熱
分解して、液状炭化水素とカーボンブラックを得る方法
が開示されている。この方法では、水素供与性溶媒から
供給される高反応性水素により、加硫ゴムの水素化分解
反応が効率よくおこり、そのため比較的低温で熱分解を
することができ、元の高次集合構造に近い構造をもつカ
ーボンブラックを得ることができるとしている。分離、
回収されたカーボンブラックを再利用した加硫ゴムが、
良好な破断時応力、破断伸びを示すことが報告されてい
る。
【0004】特願平9−516797号公報には、加硫
ゴムを脱硫する方法が開示されている。この方法は、加
硫ゴム片を好ましくは膨潤させる溶媒およびアルカリ金
属に接触させて反応混合物を形成し、この反応混合物を
酸素の不存在下で混合しながら、アルカリ金属が加硫ゴ
ム中の硫黄と反応するに足る温度まで加熱し、そしてゴ
ムの熱分解が起こる温度より低い温度に維持し、それに
より加硫ゴムを脱硫する工程からなる。
ゴムを脱硫する方法が開示されている。この方法は、加
硫ゴム片を好ましくは膨潤させる溶媒およびアルカリ金
属に接触させて反応混合物を形成し、この反応混合物を
酸素の不存在下で混合しながら、アルカリ金属が加硫ゴ
ム中の硫黄と反応するに足る温度まで加熱し、そしてゴ
ムの熱分解が起こる温度より低い温度に維持し、それに
より加硫ゴムを脱硫する工程からなる。
【0005】特開平11−315163号公報には、硬
化ゴムを比較的高分子量のままで解加硫して、ゴムを有
用なゴム製品に再配合および再硬化できる解加硫ゴムと
する方法が開示されている。この方法は、硬化ゴムを2
−ブタノールの存在下に加圧加熱することにより該硬化
ゴムを解加硫して解加硫ゴムとなし、それにより該解加
硫ゴムの2−ブタノール中スラリーを生成させ、そし
て、該解加硫ゴムを該2−ブタノールから分離する工程
よりなる。
化ゴムを比較的高分子量のままで解加硫して、ゴムを有
用なゴム製品に再配合および再硬化できる解加硫ゴムと
する方法が開示されている。この方法は、硬化ゴムを2
−ブタノールの存在下に加圧加熱することにより該硬化
ゴムを解加硫して解加硫ゴムとなし、それにより該解加
硫ゴムの2−ブタノール中スラリーを生成させ、そし
て、該解加硫ゴムを該2−ブタノールから分離する工程
よりなる。
【0006】上述の方法等により、加硫ゴムを分解し、
回収されるカーボンブラックは、ゴム製品用補強材等と
して再使用可能であるが、回収カーボンブラックを用い
て得られる加硫ゴムの物性は、原料として使用された元
のカーボンブラックを用いて得られる加硫ゴムの示すモ
ジュラス、破断時応力、破断伸び等の物性と同等もしく
はそれ以下であり、回収カーボンブラックを用いた加硫
ゴムの物性が向上したとする発明は報告されていない。
回収されるカーボンブラックは、ゴム製品用補強材等と
して再使用可能であるが、回収カーボンブラックを用い
て得られる加硫ゴムの物性は、原料として使用された元
のカーボンブラックを用いて得られる加硫ゴムの示すモ
ジュラス、破断時応力、破断伸び等の物性と同等もしく
はそれ以下であり、回収カーボンブラックを用いた加硫
ゴムの物性が向上したとする発明は報告されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、加硫ゴムの分解を効果的に行え、カーボンブラック
の分離、回収を容易とし、得られるカーボンブラックが
優れた品質を有する、加硫ゴムから良質なカーボンブラ
ックを回収する方法と、そのカーボンブラックを含有す
る、物性が良好で、特に高モジュラスで、耐摩耗性に優
れるゴム組成物を提供することである。
は、加硫ゴムの分解を効果的に行え、カーボンブラック
の分離、回収を容易とし、得られるカーボンブラックが
優れた品質を有する、加硫ゴムから良質なカーボンブラ
ックを回収する方法と、そのカーボンブラックを含有す
る、物性が良好で、特に高モジュラスで、耐摩耗性に優
れるゴム組成物を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、少
なくともカーボンブラックとゴムとを含有する加硫ゴム
を、加硫ゴムとの親和性の高い溶媒中で、体積増加率が
40%以上となるよう膨潤させることを特徴とする加硫
ゴムからカーボンブラックを回収する方法を提供する。
なくともカーボンブラックとゴムとを含有する加硫ゴム
を、加硫ゴムとの親和性の高い溶媒中で、体積増加率が
40%以上となるよう膨潤させることを特徴とする加硫
ゴムからカーボンブラックを回収する方法を提供する。
【0009】前記加硫ゴムを、加硫ゴムとの親和性の高
い溶媒中で、体積増加率が40%以上となるよう膨潤さ
せ、ついで加硫ゴムのゴム主鎖を切断し、得られたカー
ボンブラックとゴム溶液とを含む混合液からカーボンブ
ラックを分離することを特徴とする加硫ゴムからカーボ
ンブラックを回収する方法を提供する。
い溶媒中で、体積増加率が40%以上となるよう膨潤さ
せ、ついで加硫ゴムのゴム主鎖を切断し、得られたカー
ボンブラックとゴム溶液とを含む混合液からカーボンブ
ラックを分離することを特徴とする加硫ゴムからカーボ
ンブラックを回収する方法を提供する。
【0010】前記加硫ゴムのゴム主鎖を切断する方法
が、過酸化物分解、オゾン分解、熱分解、および、放射
線分解からなる群より選ばれる少なくともひとつであ
り、かつ、ゴム主鎖を切断し、加硫ゴムを分解後、溶媒
以外の全固形分[mg]/溶媒[ml]比が30以下で
あるのが好ましい。
が、過酸化物分解、オゾン分解、熱分解、および、放射
線分解からなる群より選ばれる少なくともひとつであ
り、かつ、ゴム主鎖を切断し、加硫ゴムを分解後、溶媒
以外の全固形分[mg]/溶媒[ml]比が30以下で
あるのが好ましい。
【0011】前記混合液から分離したカーボンブラック
を、非酸化性雰囲気中で400〜1000℃の温度で5
〜60分熱処理し、熱処理後の重量を100%として、
熱処理により、カーボンブラック中に残存する有機成分
の量を2.5%以下にするのが好ましい。
を、非酸化性雰囲気中で400〜1000℃の温度で5
〜60分熱処理し、熱処理後の重量を100%として、
熱処理により、カーボンブラック中に残存する有機成分
の量を2.5%以下にするのが好ましい。
【0012】さらに、本発明は、前記加硫ゴムからカー
ボンブラックを回収する方法により回収されたカーボン
ブラックを、天然ゴムもしくはジエン系合成ゴムに配合
し、ついで加硫することにより得られるゴム組成物を提
供する。
ボンブラックを回収する方法により回収されたカーボン
ブラックを、天然ゴムもしくはジエン系合成ゴムに配合
し、ついで加硫することにより得られるゴム組成物を提
供する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。本発明の加硫ゴムからカーボンブラックを回収する
方法(以下、本発明の方法という)は、少なくともカー
ボンブラックとゴムとを含有する加硫ゴムを、加硫ゴム
との親和性の高い溶媒中で、体積増加率が40%以上と
なるよう膨潤させることを特徴とする方法である。
る。本発明の加硫ゴムからカーボンブラックを回収する
方法(以下、本発明の方法という)は、少なくともカー
ボンブラックとゴムとを含有する加硫ゴムを、加硫ゴム
との親和性の高い溶媒中で、体積増加率が40%以上と
なるよう膨潤させることを特徴とする方法である。
【0014】本発明の方法に用いられる加硫ゴムは、カ
ーボンブラックを含有する加硫ゴムである。加硫ゴムに
は、部分的に未加硫部分を含むもの、加硫が十分でない
ものも含まれる。加硫ゴムとしては、例えば、自動車等
のタイヤ、ケーブル、シート、パッキン、成形屑ゴム、
ホース、ベルトなどの各種ゴム製品を挙げることができ
る。これらは、他の構成部材、例えばブラスメッキスチ
ールコードなどの鋼材、ポリエステルカーカスコードと
いった有機繊維等の樹脂を含んでいてもよい。
ーボンブラックを含有する加硫ゴムである。加硫ゴムに
は、部分的に未加硫部分を含むもの、加硫が十分でない
ものも含まれる。加硫ゴムとしては、例えば、自動車等
のタイヤ、ケーブル、シート、パッキン、成形屑ゴム、
ホース、ベルトなどの各種ゴム製品を挙げることができ
る。これらは、他の構成部材、例えばブラスメッキスチ
ールコードなどの鋼材、ポリエステルカーカスコードと
いった有機繊維等の樹脂を含んでいてもよい。
【0015】また、部分的に未加硫部分を含むものとし
ては、加硫の程度が、加硫ゴム製品の加硫の程度に及ば
ない部分を少なくとも一部に有するものであれば、特に
制限なく挙げることができ、加硫ゴム製品の工場で排出
される屑ゴム等を主に挙げることができる。具体的に
は、混練り工程や成形工程等の際に、早期加硫や加硫む
ら(焼け、スコーチ)を起こして排出されたゴム破材、
加硫工程時にいわゆるだれ等を起こして排出された不良
物等を挙げることができる。これらも同様に、上述した
ような鋼材、有機繊維等の他の構成部材を含んでいても
よい。
ては、加硫の程度が、加硫ゴム製品の加硫の程度に及ば
ない部分を少なくとも一部に有するものであれば、特に
制限なく挙げることができ、加硫ゴム製品の工場で排出
される屑ゴム等を主に挙げることができる。具体的に
は、混練り工程や成形工程等の際に、早期加硫や加硫む
ら(焼け、スコーチ)を起こして排出されたゴム破材、
加硫工程時にいわゆるだれ等を起こして排出された不良
物等を挙げることができる。これらも同様に、上述した
ような鋼材、有機繊維等の他の構成部材を含んでいても
よい。
【0016】加硫ゴムの原料となるゴムの種類として
は、硫黄硬化ゴムまたはパーオキサイド架橋ゴムであれ
ば、いずれの種類のゴムでも本発明の方法を適用するこ
とができる。例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴ
ム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタ
ジエンゴム(SBR)、イソプレン−ブタジエンゴム、
クロロプレンゴム(CR)、スチレン−イソプレンゴ
ム、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム、ニトリル
ゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、カ
ルボキシル化ニトリルゴム等のジエン系ゴム、ブチルゴ
ム、ブロモブチルゴム、クロロブチルゴム等の非ジエン
系ゴム等が挙げられる。また、種々のゴムをブレンドし
て得られた加硫ゴムにも本発明の方法は適用できる。
は、硫黄硬化ゴムまたはパーオキサイド架橋ゴムであれ
ば、いずれの種類のゴムでも本発明の方法を適用するこ
とができる。例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴ
ム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタ
ジエンゴム(SBR)、イソプレン−ブタジエンゴム、
クロロプレンゴム(CR)、スチレン−イソプレンゴ
ム、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム、ニトリル
ゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、カ
ルボキシル化ニトリルゴム等のジエン系ゴム、ブチルゴ
ム、ブロモブチルゴム、クロロブチルゴム等の非ジエン
系ゴム等が挙げられる。また、種々のゴムをブレンドし
て得られた加硫ゴムにも本発明の方法は適用できる。
【0017】本発明の方法では、加硫ゴムを溶媒に浸漬
し、加硫ゴムの体積増加率を40%以上となるように、
溶媒中でまず加硫ゴムを膨潤させる。溶媒の温度は、常
温を中心とした0〜40℃が好ましい。加硫ゴムを溶媒
により膨潤させるに先立ち、加硫ゴムを細断し、鋼材、
有機繊維等の構成部材を公知の方法により分離する処理
をしてもよい。
し、加硫ゴムの体積増加率を40%以上となるように、
溶媒中でまず加硫ゴムを膨潤させる。溶媒の温度は、常
温を中心とした0〜40℃が好ましい。加硫ゴムを溶媒
により膨潤させるに先立ち、加硫ゴムを細断し、鋼材、
有機繊維等の構成部材を公知の方法により分離する処理
をしてもよい。
【0018】ここで、体積増加率とは、常温常圧におい
て、加硫ゴムを溶媒に浸漬し、十分膨潤させた後に、溶
媒で膨潤することによって、膨潤前の元の加硫ゴムより
増加した体積の、元の加硫ゴムの体積に対する百分率を
いう。
て、加硫ゴムを溶媒に浸漬し、十分膨潤させた後に、溶
媒で膨潤することによって、膨潤前の元の加硫ゴムより
増加した体積の、元の加硫ゴムの体積に対する百分率を
いう。
【0019】本発明の方法において、溶媒による加硫ゴ
ムの体積増加率は、40%以上、好ましくは150%以
上である。40%以上であれば、加硫ゴムを、後述する
ゴム主鎖を切断する分解処理法により効果的に分解する
ことができ、従って、カーボンブラックの分離、回収が
容易となる。40%未満では、加硫ゴムの分解は良好に
進まず、加硫ゴム中に含まれるカーボンブラックの回収
率も低い。これは、加硫ゴム中のゴム主鎖が、溶媒によ
り膨潤することで、緊張状態となり、効果的にゴム主鎖
の切断が行えるためと考えられる。
ムの体積増加率は、40%以上、好ましくは150%以
上である。40%以上であれば、加硫ゴムを、後述する
ゴム主鎖を切断する分解処理法により効果的に分解する
ことができ、従って、カーボンブラックの分離、回収が
容易となる。40%未満では、加硫ゴムの分解は良好に
進まず、加硫ゴム中に含まれるカーボンブラックの回収
率も低い。これは、加硫ゴム中のゴム主鎖が、溶媒によ
り膨潤することで、緊張状態となり、効果的にゴム主鎖
の切断が行えるためと考えられる。
【0020】加硫ゴムを膨潤させるのに用いられる溶媒
としては、常圧常温下で液状であって、加硫ゴムを、体
積増加率が40%以上となるよう膨潤させることのでき
る、加硫ゴムとの親和性の高い溶媒であれば公知のもの
を広く用いることができる。具体的には炭化水素、アル
コールなどを挙げることができ、炭化水素は、飽和また
は不飽和いずれであってもよく、芳香族、脂肪族、脂環
族などに特に限定されない。このような溶媒としては、
たとえばベンゼン、トルエン、キシレン、テルペン類、
シクロヘキサン、エチルベンゼン、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、デカリン(デカヒドロナフタレン)、テ
トラリン(テトラヒドロナフタレン)、メチルエチルケ
トン(MEK)、アセトン、炭酸ジエチル、酢酸エチ
ル、酢酸イソプロピル、メタノール、エタノール等を挙
げることができる。これらは1種単独でも、2種以上を
併用してもよい。
としては、常圧常温下で液状であって、加硫ゴムを、体
積増加率が40%以上となるよう膨潤させることのでき
る、加硫ゴムとの親和性の高い溶媒であれば公知のもの
を広く用いることができる。具体的には炭化水素、アル
コールなどを挙げることができ、炭化水素は、飽和また
は不飽和いずれであってもよく、芳香族、脂肪族、脂環
族などに特に限定されない。このような溶媒としては、
たとえばベンゼン、トルエン、キシレン、テルペン類、
シクロヘキサン、エチルベンゼン、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、デカリン(デカヒドロナフタレン)、テ
トラリン(テトラヒドロナフタレン)、メチルエチルケ
トン(MEK)、アセトン、炭酸ジエチル、酢酸エチ
ル、酢酸イソプロピル、メタノール、エタノール等を挙
げることができる。これらは1種単独でも、2種以上を
併用してもよい。
【0021】ただし、後述する加硫ゴムのゴム主鎖を切
断する方法として、過酸化物分解を行う場合は、溶媒と
して、過酸化物を溶解しうるものを選択する。例えば、
ベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、
ヘプタン、デカリン(デカヒドロナフタレン)、メタノ
ール、エタノール、テトラリン(テトラヒドロナフタレ
ン)、シクロヘキサンなどが挙げられる。
断する方法として、過酸化物分解を行う場合は、溶媒と
して、過酸化物を溶解しうるものを選択する。例えば、
ベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、
ヘプタン、デカリン(デカヒドロナフタレン)、メタノ
ール、エタノール、テトラリン(テトラヒドロナフタレ
ン)、シクロヘキサンなどが挙げられる。
【0022】加硫ゴムと溶媒の組み合わせは、体積増加
率が40%以上となる組み合わせであれば、特に限定さ
れないが、溶媒として、加硫ゴムとの極性、SP値(溶
解度指数)が近く、加硫ゴムとの親和性が高いものを選
ぶと、加硫ゴムを膨潤させやすいので好ましい。加硫ゴ
ムを膨潤させやすい、加硫ゴムと溶媒の組み合わせとし
ては、例えば、天然ゴム(SP値は7.9〜8.4、以
下、数値はSP値を表す)とトルエン(8.9)、天然
ゴム(7.9〜8.4)とキシレン(8.8)、天然ゴ
ム(7.9〜8.4)とベンゼン(9.2)、NBR
(8.1〜9.4)とアセトン(9.9)、NBR
(8.1〜9.4)とMEK(9.3)、SBR(8.
4〜8.7)とトルエン、SBR(8.4〜8.7)と
キシレン(8.8)等が挙げられる。
率が40%以上となる組み合わせであれば、特に限定さ
れないが、溶媒として、加硫ゴムとの極性、SP値(溶
解度指数)が近く、加硫ゴムとの親和性が高いものを選
ぶと、加硫ゴムを膨潤させやすいので好ましい。加硫ゴ
ムを膨潤させやすい、加硫ゴムと溶媒の組み合わせとし
ては、例えば、天然ゴム(SP値は7.9〜8.4、以
下、数値はSP値を表す)とトルエン(8.9)、天然
ゴム(7.9〜8.4)とキシレン(8.8)、天然ゴ
ム(7.9〜8.4)とベンゼン(9.2)、NBR
(8.1〜9.4)とアセトン(9.9)、NBR
(8.1〜9.4)とMEK(9.3)、SBR(8.
4〜8.7)とトルエン、SBR(8.4〜8.7)と
キシレン(8.8)等が挙げられる。
【0023】極性、SP値が比較的離れている加硫ゴム
と溶媒を組み合わせると、加硫ゴムは膨潤せず、加硫ゴ
ムは分解されにくく、カーボンブラックの回収率が低
い。例えば、比較的極性の小さいNR(7.9〜8.
4)と極性の大きいアセトン(9.9)を組み合わせる
と、加硫ゴムの体積増加率は10%前後にしかならな
い。加硫ゴムとの親和性の低い溶媒を選ぶと、体積増加
率は小さくなり、加硫ゴムが分解しにくくなる。
と溶媒を組み合わせると、加硫ゴムは膨潤せず、加硫ゴ
ムは分解されにくく、カーボンブラックの回収率が低
い。例えば、比較的極性の小さいNR(7.9〜8.
4)と極性の大きいアセトン(9.9)を組み合わせる
と、加硫ゴムの体積増加率は10%前後にしかならな
い。加硫ゴムとの親和性の低い溶媒を選ぶと、体積増加
率は小さくなり、加硫ゴムが分解しにくくなる。
【0024】加硫ゴムを溶媒に浸漬し、膨潤させるに際
し、加硫ゴム/溶媒の重量比が好ましくは30〜0.
1、より好ましくは10〜1となるよう浸漬して行うの
がよい。上記比がこの範囲であると、加硫ゴムのゴム成
分を効果的に分離することが出来るからである。なお、
上記比は、加硫ゴムが、鋼材や樹脂等の他の構成部材を
含む場合は、その他の構成部材の重量部分を除いて、上
記範囲とすることが好ましい。
し、加硫ゴム/溶媒の重量比が好ましくは30〜0.
1、より好ましくは10〜1となるよう浸漬して行うの
がよい。上記比がこの範囲であると、加硫ゴムのゴム成
分を効果的に分離することが出来るからである。なお、
上記比は、加硫ゴムが、鋼材や樹脂等の他の構成部材を
含む場合は、その他の構成部材の重量部分を除いて、上
記範囲とすることが好ましい。
【0025】本発明の方法では、加硫ゴムよりカーボン
ブラックを回収するために、加硫ゴムを膨潤させ、この
加硫ゴムのゴム主鎖を切断する処理をする。処理法とし
ては、加硫ゴム中のゴム主鎖を切断でき、加硫ゴム中の
ゴム成分とカーボンブラックとを概ね分離することがで
き、カーボンブラックを回収することができる方法であ
れば特に制限されない。このような処理法としては、過
酸化物分解、オゾン分解、熱分解、および、放射線分解
からなる群より選ばれる少なくともひとつが好ましい。
これらの方法は、単独で行ってもよく、また、必要に応
じて2種以上を併用してもよい。
ブラックを回収するために、加硫ゴムを膨潤させ、この
加硫ゴムのゴム主鎖を切断する処理をする。処理法とし
ては、加硫ゴム中のゴム主鎖を切断でき、加硫ゴム中の
ゴム成分とカーボンブラックとを概ね分離することがで
き、カーボンブラックを回収することができる方法であ
れば特に制限されない。このような処理法としては、過
酸化物分解、オゾン分解、熱分解、および、放射線分解
からなる群より選ばれる少なくともひとつが好ましい。
これらの方法は、単独で行ってもよく、また、必要に応
じて2種以上を併用してもよい。
【0026】過酸化物分解として、溶媒に加硫ゴムを浸
漬して、加硫ゴムが膨潤した後、溶媒に過酸化物を配合
して、必要に応じて攪拌し、加硫ゴムのゴム主鎖を切断
する処理法を例示することが出来る。過酸化物は、加硫
ゴムが溶媒内で膨潤してから、溶媒に配合するのが好ま
しいが、過酸化物を溶媒に添加し、この過酸化物溶液に
加硫ゴムを浸漬し膨潤させて加硫ゴムのゴム主鎖を切断
することも可能である。過酸化物が添加された溶媒に、
加硫ゴムを浸漬する場合は、上記比は、加硫ゴムと過酸
化物溶液との比とする。
漬して、加硫ゴムが膨潤した後、溶媒に過酸化物を配合
して、必要に応じて攪拌し、加硫ゴムのゴム主鎖を切断
する処理法を例示することが出来る。過酸化物は、加硫
ゴムが溶媒内で膨潤してから、溶媒に配合するのが好ま
しいが、過酸化物を溶媒に添加し、この過酸化物溶液に
加硫ゴムを浸漬し膨潤させて加硫ゴムのゴム主鎖を切断
することも可能である。過酸化物が添加された溶媒に、
加硫ゴムを浸漬する場合は、上記比は、加硫ゴムと過酸
化物溶液との比とする。
【0027】過酸化物としては公知の有機過酸化物を広
く用いることができるが、具体的には、過酸化ベンゾイ
ル、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド
(商品名パークミルP(日本油脂社製)など)、t-ブチ
ルハイドロパーオキサイド(80%ジ−t-ブチルパーオ
キサイド溶液など)、p−メンタンハイドロパーオキサ
イド(商品名パーメンタH(日本油脂社製)など)、ク
メンハイドロパーオキサイド(商品名パークミルH−8
0(日本油脂社製)など)等の有機過酸化物のほか、ア
ゾビスイソブチロニトリル等のラジカル発生剤等も挙げ
ることができる。これら過酸化物は、爆発防止のために
水などを含んでいてもよい。これらのうちでも特に過酸
化ベンゾイルが好ましい。
く用いることができるが、具体的には、過酸化ベンゾイ
ル、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド
(商品名パークミルP(日本油脂社製)など)、t-ブチ
ルハイドロパーオキサイド(80%ジ−t-ブチルパーオ
キサイド溶液など)、p−メンタンハイドロパーオキサ
イド(商品名パーメンタH(日本油脂社製)など)、ク
メンハイドロパーオキサイド(商品名パークミルH−8
0(日本油脂社製)など)等の有機過酸化物のほか、ア
ゾビスイソブチロニトリル等のラジカル発生剤等も挙げ
ることができる。これら過酸化物は、爆発防止のために
水などを含んでいてもよい。これらのうちでも特に過酸
化ベンゾイルが好ましい。
【0028】過酸化物分解をするための処理液は、加硫
ゴム膨潤後、残った溶媒を含めて、全溶媒に過酸化物
を、好ましくは0. 01重量%〜50重量%、より好ま
しくは0.1重量%〜10重量%、特に好ましくは0.
5重量%〜2重量%の濃度となるよう配合して調整す
る。この範囲であると、分解反応が効率的に進むという
利点があるからである。この処理液は、溶媒および/ま
たは過酸化物を2種以上含有していてもよい。
ゴム膨潤後、残った溶媒を含めて、全溶媒に過酸化物
を、好ましくは0. 01重量%〜50重量%、より好ま
しくは0.1重量%〜10重量%、特に好ましくは0.
5重量%〜2重量%の濃度となるよう配合して調整す
る。この範囲であると、分解反応が効率的に進むという
利点があるからである。この処理液は、溶媒および/ま
たは過酸化物を2種以上含有していてもよい。
【0029】上記方法において、処理液として、好まし
くは過酸化ベンゾイルを0.1重量%〜5重量%含有す
るトルエン溶液を用いることができる。
くは過酸化ベンゾイルを0.1重量%〜5重量%含有す
るトルエン溶液を用いることができる。
【0030】上記方法において、加硫ゴムと、過酸化物
を含有する溶媒との比、加硫ゴム(mg)/溶媒(m
l)が好ましくは30以下、更に好ましくは15以下、
最も好ましくは5以下となるように浸漬又は浸漬攪拌す
る。上記比がこの範囲内であると、ゴム成分を効果的に
分解することができるからである。なお、上記比は、加
硫ゴムが、鋼材や樹脂等の他の構成部材を含む場合は、
その他の構成部材の重量部分を除いて、上記範囲とする
ことが好ましい。上記方法の処理温度において、特に高
温にする必要はなく、好ましくは0℃〜40℃、更に好
ましくは10℃〜30℃、特に好ましくは環境温度であ
る。
を含有する溶媒との比、加硫ゴム(mg)/溶媒(m
l)が好ましくは30以下、更に好ましくは15以下、
最も好ましくは5以下となるように浸漬又は浸漬攪拌す
る。上記比がこの範囲内であると、ゴム成分を効果的に
分解することができるからである。なお、上記比は、加
硫ゴムが、鋼材や樹脂等の他の構成部材を含む場合は、
その他の構成部材の重量部分を除いて、上記範囲とする
ことが好ましい。上記方法の処理温度において、特に高
温にする必要はなく、好ましくは0℃〜40℃、更に好
ましくは10℃〜30℃、特に好ましくは環境温度であ
る。
【0031】オゾン分解としては、溶媒にオゾンを添加
して、必要に応じて攪拌し、加硫ゴムのゴム主鎖を切断
する処理法を例示することが出来る。加硫ゴム、特にジ
エン系の加硫ゴムは、少し伸張した状態でオゾンにさら
すと間もなくゴム主鎖が切断されるので、この反応を利
用してゴムの分解を行うことができる。オゾン分解で用
いるオゾンは、市販のオゾン発生装置、酸素ガスの無声
放電等によって発生させることができる。
して、必要に応じて攪拌し、加硫ゴムのゴム主鎖を切断
する処理法を例示することが出来る。加硫ゴム、特にジ
エン系の加硫ゴムは、少し伸張した状態でオゾンにさら
すと間もなくゴム主鎖が切断されるので、この反応を利
用してゴムの分解を行うことができる。オゾン分解で用
いるオゾンは、市販のオゾン発生装置、酸素ガスの無声
放電等によって発生させることができる。
【0032】オゾン分解時の溶媒温度は、好ましくは−
60〜40℃、更に好ましくは−20〜20℃である。
60〜40℃、更に好ましくは−20〜20℃である。
【0033】熱分解は、溶媒の存在下、好ましくは10
0〜300℃、より好ましくは150〜200℃の温度
で、熱分解する方法が例示される。この温度範囲であれ
ば、高次集合構造を維持したカーボンブラックを得るこ
とができる。加硫ゴムを熱分解するに際し、熱分解の促
進のために、シリカ・アルミナ系、アルミナ・酸化鉄
系、ゼオライトなどの粉末あるいはペレット状の触媒を
接触させてもよい。
0〜300℃、より好ましくは150〜200℃の温度
で、熱分解する方法が例示される。この温度範囲であれ
ば、高次集合構造を維持したカーボンブラックを得るこ
とができる。加硫ゴムを熱分解するに際し、熱分解の促
進のために、シリカ・アルミナ系、アルミナ・酸化鉄
系、ゼオライトなどの粉末あるいはペレット状の触媒を
接触させてもよい。
【0034】放射線分解としては、荷電粒子線、電磁波
等の放射線を照射して、ゴム主鎖を切断し、低分子量化
する方法が例示される。
等の放射線を照射して、ゴム主鎖を切断し、低分子量化
する方法が例示される。
【0035】これらのゴム主鎖を切断する方法は、1種
単独で行ってもよいし、2種以上を併用しても良い。例
えば、加硫ゴムを含む溶媒に過酸化物あるいはオゾンを
添加した後、放射線を照射する方法が例示される。オゾ
ン分解あるいは過酸化物分解に、放射線分解を組み合わ
せると、溶媒中に残っている未分解のゴム主鎖を短時間
で効率よく分解することが出来る。
単独で行ってもよいし、2種以上を併用しても良い。例
えば、加硫ゴムを含む溶媒に過酸化物あるいはオゾンを
添加した後、放射線を照射する方法が例示される。オゾ
ン分解あるいは過酸化物分解に、放射線分解を組み合わ
せると、溶媒中に残っている未分解のゴム主鎖を短時間
で効率よく分解することが出来る。
【0036】上記方法により加硫ゴムを分解し、カーボ
ンブラック成分とゴム成分が概ね分離され、カーボンブ
ラックと、ゴムが溶媒に溶解したゴム溶液とを含む混合
液が得られる。このようにして得られる混合液におい
て、溶媒以外の全固形分(mg)/溶媒(ml)が好ま
しくは30以下、更に好ましくは15以下となるがよ
い。この範囲内であると、ゴム成分を効果的に分離する
ことができるとともに、後述のカーボンブラックを混合
液から分離する操作の際に取り扱いが容易だからであ
る。尚ここで、溶媒以外の全固形分とは、上記混合液中
の溶媒以外の全成分をいい、分解前の加硫ゴムの全固形
分に由来する成分を指す。具体的には、溶解したゴム、
分離したカーボンブラック、溶解されずに残ったカーボ
ンブラックを含む加硫ゴムよりなる。
ンブラック成分とゴム成分が概ね分離され、カーボンブ
ラックと、ゴムが溶媒に溶解したゴム溶液とを含む混合
液が得られる。このようにして得られる混合液におい
て、溶媒以外の全固形分(mg)/溶媒(ml)が好ま
しくは30以下、更に好ましくは15以下となるがよ
い。この範囲内であると、ゴム成分を効果的に分離する
ことができるとともに、後述のカーボンブラックを混合
液から分離する操作の際に取り扱いが容易だからであ
る。尚ここで、溶媒以外の全固形分とは、上記混合液中
の溶媒以外の全成分をいい、分解前の加硫ゴムの全固形
分に由来する成分を指す。具体的には、溶解したゴム、
分離したカーボンブラック、溶解されずに残ったカーボ
ンブラックを含む加硫ゴムよりなる。
【0037】本発明の方法において、加硫ゴムを適当な
分解処理法で分解処理し、加硫ゴムが、鋼材や樹脂等の
他の構成部材を含む場合は、それらを除去し、カーボン
ブラックを回収する。すなわち、加硫ゴムを分解処理し
て得られた混合液から、遠心分離、膜分離、デカンテー
ション、濾過等の通常の分離手段により、固形分を分離
し、回収された固形分をトルエンなどで十分に洗浄し、
必要に応じて室温での自然乾燥、真空乾燥などの乾燥処
理をすることにより液体分をほぼ除去して、カーボンブ
ラックを回収することができる。
分解処理法で分解処理し、加硫ゴムが、鋼材や樹脂等の
他の構成部材を含む場合は、それらを除去し、カーボン
ブラックを回収する。すなわち、加硫ゴムを分解処理し
て得られた混合液から、遠心分離、膜分離、デカンテー
ション、濾過等の通常の分離手段により、固形分を分離
し、回収された固形分をトルエンなどで十分に洗浄し、
必要に応じて室温での自然乾燥、真空乾燥などの乾燥処
理をすることにより液体分をほぼ除去して、カーボンブ
ラックを回収することができる。
【0038】得られたカーボンブラックを所定の熱処理
に付すのが好ましい。得られたカーボンブラックを熱処
理に付すと、カーボンブラック中に残存する有機物が効
率よく除去される。また、熱処理を行っても、悪臭を放
つ液体有機成分の生成はほとんどない。所定の熱処理と
は、混合液から分離して得られたカーボンブラックを、
例えば耐熱性チューブを用いて、窒素雰囲気中等の非酸
化性雰囲気中で好ましくは400℃〜1000℃の温度
で、好ましくは5分〜60分加熱するものである。な
お、耐熱性チューブとしては、石英製ガラスチューブ、
ステンレス等の金属製チューブを挙げることができる。
に付すのが好ましい。得られたカーボンブラックを熱処
理に付すと、カーボンブラック中に残存する有機物が効
率よく除去される。また、熱処理を行っても、悪臭を放
つ液体有機成分の生成はほとんどない。所定の熱処理と
は、混合液から分離して得られたカーボンブラックを、
例えば耐熱性チューブを用いて、窒素雰囲気中等の非酸
化性雰囲気中で好ましくは400℃〜1000℃の温度
で、好ましくは5分〜60分加熱するものである。な
お、耐熱性チューブとしては、石英製ガラスチューブ、
ステンレス等の金属製チューブを挙げることができる。
【0039】本発明において、熱処理温度は400℃〜
1000℃が好ましく、500℃〜800℃がより好ま
しい。この範囲内であると、ゴム成分を充分に分解除去
することができ、また、回収されるべきカーボンブラッ
クは、原料として用いた元のカーボンブラックの高次集
合構造を保持し、グラファイトとして回収されることが
ないからである。
1000℃が好ましく、500℃〜800℃がより好ま
しい。この範囲内であると、ゴム成分を充分に分解除去
することができ、また、回収されるべきカーボンブラッ
クは、原料として用いた元のカーボンブラックの高次集
合構造を保持し、グラファイトとして回収されることが
ないからである。
【0040】また、本発明の方法において、熱処理時間
は好ましくは5分〜60分であり、7分〜60分がより
好ましい。上記範囲内であると、後述するように、カー
ボンブラック中に残存する有機成分の量が、所定の範囲
内になるからであり、これにより、回収されるカーボン
ブラックの物性が、原料として使用するカーボンブラッ
クの物性と同等、またはそれ以上となるからである。
は好ましくは5分〜60分であり、7分〜60分がより
好ましい。上記範囲内であると、後述するように、カー
ボンブラック中に残存する有機成分の量が、所定の範囲
内になるからであり、これにより、回収されるカーボン
ブラックの物性が、原料として使用するカーボンブラッ
クの物性と同等、またはそれ以上となるからである。
【0041】熱処理して得られるカーボンブラックは、
熱処理後のカーボンブラックの重量を100%として、
カーボンブラック中に残存するゴム成分等の有機成分の
量が、2.5%以下であるのが好ましく、1%〜2%以
下であるのがより好ましい。
熱処理後のカーボンブラックの重量を100%として、
カーボンブラック中に残存するゴム成分等の有機成分の
量が、2.5%以下であるのが好ましく、1%〜2%以
下であるのがより好ましい。
【0042】ここで、カーボンブラック中に残存する有
機成分の量は、熱重量測定法(TGA)の熱分析法で、
非酸化性雰囲気中で20℃〜700℃における重量変化
により判断する。カーボンブラック中に残存するゴム成
分等の有機成分の量が2.5%以下とは、熱処理後のカ
ーボンブラックの、20℃における重量を100%とし
て、20℃〜700℃におけるカーボンブラックの重量
減が2.5%以下であることをいう。
機成分の量は、熱重量測定法(TGA)の熱分析法で、
非酸化性雰囲気中で20℃〜700℃における重量変化
により判断する。カーボンブラック中に残存するゴム成
分等の有機成分の量が2.5%以下とは、熱処理後のカ
ーボンブラックの、20℃における重量を100%とし
て、20℃〜700℃におけるカーボンブラックの重量
減が2.5%以下であることをいう。
【0043】上記構成をとることにより、本発明のカー
ボンブラックを回収する方法では、加硫ゴムの分解され
る割合が高く、加硫ゴムの分解が効果的に行え、カーボ
ンブラックの分離、回収が容易で、カーボンブラックの
回収率が高い。加硫ゴムの分解に、過酸化物分解、オゾ
ン分解、熱分解あるいは放射線分解を用いる本発明の方
法では、加硫ゴムの分解が、特に効果的に行える。ま
た、加硫ゴム分解後の、溶媒以外の全固形分[mg]/
溶媒[ml]の比が30以下である本発明の方法では、
加硫ゴム分解後、カーボンブラックの分離操作での取り
扱いが良好である。カーボンブラックに所定の熱処理を
行う本発明の方法では、回収されるカーボンブラックの
物性が、原料として使用するカーボンブラックの物性と
同等、またはそれ以上となる。本発明の方法により回収
されるカーボンブラックを使用すると、後述するよう
に、通常のカーボンブラックを配合した加硫ゴムの破断
強度や、硬度、耐摩耗性と同等、またはそれ以上であ
り、かつ、引張応力(モジュラス)が大きいものが得ら
れる。特に、通常公知のカーボンブラックを乾留して得
られる乾留カーボンブラックを配合した場合と比較し
て、本発明の方法により回収されたカーボンブラックを
配合したSBR系の加硫ゴムでは、モジュラス、耐摩耗
性の向上が顕著である。
ボンブラックを回収する方法では、加硫ゴムの分解され
る割合が高く、加硫ゴムの分解が効果的に行え、カーボ
ンブラックの分離、回収が容易で、カーボンブラックの
回収率が高い。加硫ゴムの分解に、過酸化物分解、オゾ
ン分解、熱分解あるいは放射線分解を用いる本発明の方
法では、加硫ゴムの分解が、特に効果的に行える。ま
た、加硫ゴム分解後の、溶媒以外の全固形分[mg]/
溶媒[ml]の比が30以下である本発明の方法では、
加硫ゴム分解後、カーボンブラックの分離操作での取り
扱いが良好である。カーボンブラックに所定の熱処理を
行う本発明の方法では、回収されるカーボンブラックの
物性が、原料として使用するカーボンブラックの物性と
同等、またはそれ以上となる。本発明の方法により回収
されるカーボンブラックを使用すると、後述するよう
に、通常のカーボンブラックを配合した加硫ゴムの破断
強度や、硬度、耐摩耗性と同等、またはそれ以上であ
り、かつ、引張応力(モジュラス)が大きいものが得ら
れる。特に、通常公知のカーボンブラックを乾留して得
られる乾留カーボンブラックを配合した場合と比較し
て、本発明の方法により回収されたカーボンブラックを
配合したSBR系の加硫ゴムでは、モジュラス、耐摩耗
性の向上が顕著である。
【0044】次に本発明のゴム組成物について説明す
る。本発明のゴム組成物は、充填剤として、上述した本
発明の加硫ゴムからカーボンブラックを回収する方法に
より得られるカーボンブラックを使用して製造したゴム
組成物である。
る。本発明のゴム組成物は、充填剤として、上述した本
発明の加硫ゴムからカーボンブラックを回収する方法に
より得られるカーボンブラックを使用して製造したゴム
組成物である。
【0045】本発明のゴム組成物を形成するゴムとして
は、天然ゴム(NR)、若しくは、イソプレンゴム(I
R)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエ
ンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロ
ニトリルブタジエンゴム(NBR)などのジエン系合成
ゴムおよびこれらのブレンド物等を挙げることができ
る。
は、天然ゴム(NR)、若しくは、イソプレンゴム(I
R)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエ
ンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロ
ニトリルブタジエンゴム(NBR)などのジエン系合成
ゴムおよびこれらのブレンド物等を挙げることができ
る。
【0046】また本発明のゴム組成物は公知の加硫剤を
含むことができ、たとえばイオウ、テトラメチルチウラ
ムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィドな
どの非元素イオウ加硫剤、ビスモルホリンジスルフィ
ド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、有機
過酸化物、キノンジオキシム、フェノールホルムアルデ
ヒド樹脂、ニトロソ化合物とジイソシアナート混合物、
酸化亜鉛、酸化マグネシウム、過酸化亜鉛、トリエチレ
ンテトラミン、メチレンジアニリン、ジフェニルグアニ
ジン、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、エチレン
ジアミンカルバメート、ビス−p−アミノシクロヘキシ
ルメタンカルバメートなどを使用することができる。
含むことができ、たとえばイオウ、テトラメチルチウラ
ムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィドな
どの非元素イオウ加硫剤、ビスモルホリンジスルフィ
ド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、有機
過酸化物、キノンジオキシム、フェノールホルムアルデ
ヒド樹脂、ニトロソ化合物とジイソシアナート混合物、
酸化亜鉛、酸化マグネシウム、過酸化亜鉛、トリエチレ
ンテトラミン、メチレンジアニリン、ジフェニルグアニ
ジン、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、エチレン
ジアミンカルバメート、ビス−p−アミノシクロヘキシ
ルメタンカルバメートなどを使用することができる。
【0047】本発明のゴム組成物は、充填剤として、上
述した本発明の方法により得られるカーボンブラックを
含有する。本発明において、上記カーボンブラックの配
合量は、ゴム成分100重量部に対し、好ましくは1重
量部以上、更に好ましくは10重量部〜130重量部で
ある。
述した本発明の方法により得られるカーボンブラックを
含有する。本発明において、上記カーボンブラックの配
合量は、ゴム成分100重量部に対し、好ましくは1重
量部以上、更に好ましくは10重量部〜130重量部で
ある。
【0048】また、本発明のゴム組成物において、引張
応力(モジュラス)が大きく、かつ、耐摩耗性が良好で
あるゴム組成物とするために、充填剤としては、本発明
の方法により得られるカーボンブラックを単独で使用す
ることが好ましいが、上記目的を逸脱しない範囲内にお
いて、他の充填剤と併用することが出来る。他の充填剤
としては、例えば、通常公知のカーボンブラック、シリ
カ等を挙げることが出来る。
応力(モジュラス)が大きく、かつ、耐摩耗性が良好で
あるゴム組成物とするために、充填剤としては、本発明
の方法により得られるカーボンブラックを単独で使用す
ることが好ましいが、上記目的を逸脱しない範囲内にお
いて、他の充填剤と併用することが出来る。他の充填剤
としては、例えば、通常公知のカーボンブラック、シリ
カ等を挙げることが出来る。
【0049】本発明のゴム組成物は、上述の原料ゴム、
カーボンブラック等の充填剤以外に、公知の他の樹脂、
エラストマー、他の配合剤、ゴム副資材を広く含有して
いてもよい。たとえば加硫(硬化)促進剤、加硫促進助
剤、活性剤、加硫遅延剤、軟化剤、可塑剤、粘着剤、粘
着付与剤、硬化剤、発泡剤、発泡助剤、補強剤、老化防
止剤、着色剤、顔料、難燃剤、離型剤などが配合されて
いてもよい。これらは、練り加工時、加硫時、補強充填
時などのいずれの工程で配合されたものであってもよ
い。
カーボンブラック等の充填剤以外に、公知の他の樹脂、
エラストマー、他の配合剤、ゴム副資材を広く含有して
いてもよい。たとえば加硫(硬化)促進剤、加硫促進助
剤、活性剤、加硫遅延剤、軟化剤、可塑剤、粘着剤、粘
着付与剤、硬化剤、発泡剤、発泡助剤、補強剤、老化防
止剤、着色剤、顔料、難燃剤、離型剤などが配合されて
いてもよい。これらは、練り加工時、加硫時、補強充填
時などのいずれの工程で配合されたものであってもよ
い。
【0050】本発明のゴム組成物の製造方法としては、
特に限定されないが、例えばゴムの原料、本発明の方法
で得られたカーボンブラックおよび必要に応じてその他
の添加剤を、2軸押出機、バンバリミキサー、ニーダー
等を用いて、50℃〜180℃程度に加熱下、混練して
製造する方法を用いることができる。
特に限定されないが、例えばゴムの原料、本発明の方法
で得られたカーボンブラックおよび必要に応じてその他
の添加剤を、2軸押出機、バンバリミキサー、ニーダー
等を用いて、50℃〜180℃程度に加熱下、混練して
製造する方法を用いることができる。
【0051】このようにして得られる本発明のゴム組成
物は、引張応力に優れ、耐摩耗性も良好である。従っ
て、タイヤトレッド、タイヤアンダートレッド等、広範
な用途において有用である。
物は、引張応力に優れ、耐摩耗性も良好である。従っ
て、タイヤトレッド、タイヤアンダートレッド等、広範
な用途において有用である。
【0052】
【実施例】以下に、実施例により本発明をさらに具体的
に説明する。 <原料となる加硫ゴムの調製>第1表に示すような成分
組成で配合・混練し、148℃で10分間加熱して加硫
し、加硫ゴムを調製した。なお、カーボンブラックとし
てはASTMコードがN339であるHAF級カーボン
ブラック(表中、HAF級CBと記す)を使用し、老化
防止剤としては、N−フェニル−N’−(1,3−ジメ
チルブチル)−p−フェニレンジアミンを、加硫促進剤
としてはN−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェ
ンアミドを使用している。
に説明する。 <原料となる加硫ゴムの調製>第1表に示すような成分
組成で配合・混練し、148℃で10分間加熱して加硫
し、加硫ゴムを調製した。なお、カーボンブラックとし
てはASTMコードがN339であるHAF級カーボン
ブラック(表中、HAF級CBと記す)を使用し、老化
防止剤としては、N−フェニル−N’−(1,3−ジメ
チルブチル)−p−フェニレンジアミンを、加硫促進剤
としてはN−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェ
ンアミドを使用している。
【0053】
【0054】<溶媒による加硫ゴムの体積増加率、ゴム
分解率、カーボンブラック回収率の検討> (実施例1〜3、比較例1) 体積増加率 上述した天然ゴムをゴム成分とする加硫ゴム1gを、下
記第2表に示す各種溶媒100mlに浸漬し、室温(2
0℃)で3時間経過後の、体積増加率を測定した。結果
を第2表に示す。
分解率、カーボンブラック回収率の検討> (実施例1〜3、比較例1) 体積増加率 上述した天然ゴムをゴム成分とする加硫ゴム1gを、下
記第2表に示す各種溶媒100mlに浸漬し、室温(2
0℃)で3時間経過後の、体積増加率を測定した。結果
を第2表に示す。
【0055】 ゴム分解率 上述の膨潤させた加硫ゴムに、過酸化ベンゾイル(以下
BPOと略称する)を溶解したトルエン溶液を加え、元
から入っている溶媒と、トルエンとの合計に対し、BP
O濃度が1.0重量%となるよう調整し、常温で4日間
浸漬することにより、サラサラの液状化物(懸濁液)を
得た。この混濁液では、溶媒以外の全固形分(mg)/
溶媒(ml)=5であった。この懸濁液を遠心分離し、
透明な溶液と、固形分とに分離した。固形分をトルエン
で洗浄後回収し、自然乾燥および真空乾燥し、得られた
ものの重量を、膨潤前の加硫ゴムの重量から引いて、溶
解した加硫ゴムの重量を算出した。この溶解した加硫ゴ
ムの重量の、膨潤前の加硫ゴムの重量に対する比を求め
てゴム分解率とした。結果を第2表に示す。
BPOと略称する)を溶解したトルエン溶液を加え、元
から入っている溶媒と、トルエンとの合計に対し、BP
O濃度が1.0重量%となるよう調整し、常温で4日間
浸漬することにより、サラサラの液状化物(懸濁液)を
得た。この混濁液では、溶媒以外の全固形分(mg)/
溶媒(ml)=5であった。この懸濁液を遠心分離し、
透明な溶液と、固形分とに分離した。固形分をトルエン
で洗浄後回収し、自然乾燥および真空乾燥し、得られた
ものの重量を、膨潤前の加硫ゴムの重量から引いて、溶
解した加硫ゴムの重量を算出した。この溶解した加硫ゴ
ムの重量の、膨潤前の加硫ゴムの重量に対する比を求め
てゴム分解率とした。結果を第2表に示す。
【0056】 カーボンブラック回収率(CB回収
率) 上述の、懸濁液から分離した固形分をトルエンで洗浄後
回収したものを自然乾燥および真空乾燥させて得られた
ものを、次いで、窒素雰囲気中、800℃で60分熱処
理してカーボンブラックを回収した。加硫ゴムに原料と
して配合したカーボンブラックに対し、回収したカーボ
ンブラックの重量比を、カーボンブラック回収率として
算出した。結果を、下記第2表に示す。
率) 上述の、懸濁液から分離した固形分をトルエンで洗浄後
回収したものを自然乾燥および真空乾燥させて得られた
ものを、次いで、窒素雰囲気中、800℃で60分熱処
理してカーボンブラックを回収した。加硫ゴムに原料と
して配合したカーボンブラックに対し、回収したカーボ
ンブラックの重量比を、カーボンブラック回収率として
算出した。結果を、下記第2表に示す。
【0057】
【0058】(実施例4、比較例2〜6) <ゴム組成物の調製>第3表に示すような成分組成で配
合・混練されたゴム組成物を、148℃で10分間加熱
して加硫し、実施例4、比較例2〜6とした。なお、回
収カーボンブラックとは、実施例3で得られたカーボン
ブラックである。乾留カーボンとは、N339HAF級
カーボンブラックを不活性ガス存在下で400℃で30
分、次いで600℃で30分焼成して得られたカーボン
ブラックである。また、使用したゴムおよび添加剤は下
記のとおりである。 油展SBR:Nipol 9528R(日本ゼオン社
製、27%油展品) 老化防止剤:ノクラック6C(大内新興化学(株)製) シランカップリング剤:Si69(デグッサ社製) DEG:ジエチレングリコール(日本触媒社製) 加硫促進剤DPG:ジフェニルグアニジン(三新化学社
製) 加硫促進剤CZ:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチア
ジルスルフェンアミドノクセラーCZ−G(大内新興化
学(株)製)
合・混練されたゴム組成物を、148℃で10分間加熱
して加硫し、実施例4、比較例2〜6とした。なお、回
収カーボンブラックとは、実施例3で得られたカーボン
ブラックである。乾留カーボンとは、N339HAF級
カーボンブラックを不活性ガス存在下で400℃で30
分、次いで600℃で30分焼成して得られたカーボン
ブラックである。また、使用したゴムおよび添加剤は下
記のとおりである。 油展SBR:Nipol 9528R(日本ゼオン社
製、27%油展品) 老化防止剤:ノクラック6C(大内新興化学(株)製) シランカップリング剤:Si69(デグッサ社製) DEG:ジエチレングリコール(日本触媒社製) 加硫促進剤DPG:ジフェニルグアニジン(三新化学社
製) 加硫促進剤CZ:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチア
ジルスルフェンアミドノクセラーCZ−G(大内新興化
学(株)製)
【0059】実施例4、比較例2〜6で得られたゴム組
成物について、300%モジュラス(M300 )[%]、
破断強度[MPa]、破断伸度[%]、JIS硬度、耐
摩耗性を測定した。結果を第3表に示す。なお、耐摩耗
性については、各ゴム組成物について、ランボーン摩耗
試験機で摩耗して減量した摩耗容積を測定し、以下に示
す式に従って、指数表示した。 耐摩耗性(指数)=[(比較例2の試験片での減量)/
(各試験片での減量)] 数字の大きい方が耐摩耗性が高く良好である。
成物について、300%モジュラス(M300 )[%]、
破断強度[MPa]、破断伸度[%]、JIS硬度、耐
摩耗性を測定した。結果を第3表に示す。なお、耐摩耗
性については、各ゴム組成物について、ランボーン摩耗
試験機で摩耗して減量した摩耗容積を測定し、以下に示
す式に従って、指数表示した。 耐摩耗性(指数)=[(比較例2の試験片での減量)/
(各試験片での減量)] 数字の大きい方が耐摩耗性が高く良好である。
【0060】
【表1】
【0061】本発明のゴム組成物(実施例4)は、通常
公知のカーボンブラックを乾留して得られる、乾留カー
ボンブラックを配合して得れたゴム組成物(比較例6)
と比較して、引張応力、破断強度、破断伸度、硬度、耐
摩耗性において優れていた。また、公知のカーボンブラ
ックであるGPF級カーボンブラックを含有する比較例
2のゴム組成物、FEF級カーボンブラックを含有する
比較例3のゴム組成物と比較して、顕著に破断強度、耐
摩耗性が向上した。HAF級カーボンブラックを含有す
る比較例4のゴム組成物、シリカを含有する比較例5の
ゴム組成物と比較して、引張応力、耐摩耗性は同等もし
くはそれ以上であった。
公知のカーボンブラックを乾留して得られる、乾留カー
ボンブラックを配合して得れたゴム組成物(比較例6)
と比較して、引張応力、破断強度、破断伸度、硬度、耐
摩耗性において優れていた。また、公知のカーボンブラ
ックであるGPF級カーボンブラックを含有する比較例
2のゴム組成物、FEF級カーボンブラックを含有する
比較例3のゴム組成物と比較して、顕著に破断強度、耐
摩耗性が向上した。HAF級カーボンブラックを含有す
る比較例4のゴム組成物、シリカを含有する比較例5の
ゴム組成物と比較して、引張応力、耐摩耗性は同等もし
くはそれ以上であった。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の加硫ゴム
からカーボンブラックを回収する方法によれば、加硫ゴ
ムを効果的に分解することが出来、また、カーボンブラ
ックを加硫ゴムから容易に分離、回収できる。また得ら
れた回収カーボンブラックは再利用に充分耐え得るもの
である。本発明の方法により得られるカーボンブラック
を用いる本発明のゴム組成物は、引張応力に優れ、かつ
耐摩耗性が良好である。従って、本発明のゴム組成物
は、タイヤトレッド、タイヤアンダートレッド等、広範
な用途において有用である。
からカーボンブラックを回収する方法によれば、加硫ゴ
ムを効果的に分解することが出来、また、カーボンブラ
ックを加硫ゴムから容易に分離、回収できる。また得ら
れた回収カーボンブラックは再利用に充分耐え得るもの
である。本発明の方法により得られるカーボンブラック
を用いる本発明のゴム組成物は、引張応力に優れ、かつ
耐摩耗性が良好である。従って、本発明のゴム組成物
は、タイヤトレッド、タイヤアンダートレッド等、広範
な用途において有用である。
Claims (5)
- 【請求項1】少なくともカーボンブラックとゴムとを含
有する加硫ゴムを、加硫ゴムとの親和性の高い溶媒中
で、体積増加率が40%以上となるよう膨潤させること
を特徴とする加硫ゴムからカーボンブラックを回収する
方法。 - 【請求項2】前記加硫ゴムを、加硫ゴムとの親和性の高
い溶媒中で、体積増加率が40%以上となるよう膨潤さ
せ、ついで加硫ゴムのゴム主鎖を切断し、得られたカー
ボンブラックとゴム溶液とを含む混合液からカーボンブ
ラックを分離することを特徴とする請求項1に記載の加
硫ゴムからカーボンブラックを回収する方法。 - 【請求項3】前記加硫ゴムのゴム主鎖を切断する方法
が、過酸化物分解、オゾン分解、熱分解、および、放射
線分解からなる群より選ばれる少なくともひとつであ
り、かつ、ゴム主鎖を切断し、加硫ゴムを分解後、溶媒
以外の全固形分[mg]/溶媒[ml]比が30以下で
あることを特徴とする請求項2に記載の加硫ゴムからカ
ーボンブラックを回収する方法。 - 【請求項4】前記混合液から分離したカーボンブラック
を、非酸化性雰囲気中で400〜1000℃の温度で5
〜60分熱処理し、熱処理後の重量を100%として、
カーボンブラック中に残存する有機成分の量を2.5%
以下にすることを特徴とする請求項2または3に記載の
加硫ゴムからカーボンブラックを回収する方法。 - 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の加硫ゴム
からカーボンブラックを回収する方法により回収された
カーボンブラックを、天然ゴムもしくはジエン系合成ゴ
ムに配合し、ついで加硫することにより得られるゴム組
成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000288386A JP2002097386A (ja) | 2000-09-22 | 2000-09-22 | 加硫ゴムから良質なカーボンブラックを回収する方法、およびそのカーボンブラックを用いたゴム組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000288386A JP2002097386A (ja) | 2000-09-22 | 2000-09-22 | 加硫ゴムから良質なカーボンブラックを回収する方法、およびそのカーボンブラックを用いたゴム組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002097386A true JP2002097386A (ja) | 2002-04-02 |
Family
ID=18771980
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000288386A Withdrawn JP2002097386A (ja) | 2000-09-22 | 2000-09-22 | 加硫ゴムから良質なカーボンブラックを回収する方法、およびそのカーボンブラックを用いたゴム組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002097386A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108299697A (zh) * | 2017-01-11 | 2018-07-20 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种橡胶及其制备方法和橡胶组合物以及硫化橡胶 |
WO2024153780A1 (en) * | 2023-01-19 | 2024-07-25 | Universiteit Antwerpen | Method for processing rubber composite materials |
JP7530424B2 (ja) | 2019-10-23 | 2024-08-07 | ティー.イー.シー. エス.アール.エル. | 使用済みタイヤの熱分解から得られたカーボンブラックの環境に優しい精製及び再活性化方法 |
-
2000
- 2000-09-22 JP JP2000288386A patent/JP2002097386A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108299697A (zh) * | 2017-01-11 | 2018-07-20 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种橡胶及其制备方法和橡胶组合物以及硫化橡胶 |
CN108299697B (zh) * | 2017-01-11 | 2020-06-09 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种橡胶及其制备方法和橡胶组合物以及硫化橡胶 |
JP7530424B2 (ja) | 2019-10-23 | 2024-08-07 | ティー.イー.シー. エス.アール.エル. | 使用済みタイヤの熱分解から得られたカーボンブラックの環境に優しい精製及び再活性化方法 |
WO2024153780A1 (en) * | 2023-01-19 | 2024-07-25 | Universiteit Antwerpen | Method for processing rubber composite materials |
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Date | Code | Title | Description |
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