JP2003342421A - 水素化クロロプレン系ゴム組成物 - Google Patents
水素化クロロプレン系ゴム組成物Info
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- JP2003342421A JP2003342421A JP2002155144A JP2002155144A JP2003342421A JP 2003342421 A JP2003342421 A JP 2003342421A JP 2002155144 A JP2002155144 A JP 2002155144A JP 2002155144 A JP2002155144 A JP 2002155144A JP 2003342421 A JP2003342421 A JP 2003342421A
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- hydrogenated
- polymer
- rubber composition
- compound
- chloroprene rubber
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Abstract
(57)【要約】
【課題】耐寒性、耐オゾン性等の特性の改良された優れ
たゴム弾性体を提供する。 【解決手段】(A)2−クロロ−1,3−ブタジエン単
量体及び、必要に応じてそれと共重合可能な単量体とを
重合してなるクロロプレン系重合体に水素を導入し、該
重合体中に存在する炭素炭素2重結合の1部分が単結合
に変換された水素化クロロプレン重合体に、(B)チア
ゾール化合物、キノン化合物のうち少なくとも1種類以
上の化合物、及び(C)受酸剤を配合してなるゴム組成
物。
たゴム弾性体を提供する。 【解決手段】(A)2−クロロ−1,3−ブタジエン単
量体及び、必要に応じてそれと共重合可能な単量体とを
重合してなるクロロプレン系重合体に水素を導入し、該
重合体中に存在する炭素炭素2重結合の1部分が単結合
に変換された水素化クロロプレン重合体に、(B)チア
ゾール化合物、キノン化合物のうち少なくとも1種類以
上の化合物、及び(C)受酸剤を配合してなるゴム組成
物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素雰囲気中、触
媒を用いてクロロプレン系重合体に水素を導入し、該重
合体中に存在する炭素炭素二重結合の一部分が単結合に
変換された重合体を主成分とし、加硫剤としてチアゾー
ル化合物、キノン化合物のうち少なくとも1種類以上の
化合物と受酸剤を含有してなるゴム組成物に関するもの
である。
媒を用いてクロロプレン系重合体に水素を導入し、該重
合体中に存在する炭素炭素二重結合の一部分が単結合に
変換された重合体を主成分とし、加硫剤としてチアゾー
ル化合物、キノン化合物のうち少なくとも1種類以上の
化合物と受酸剤を含有してなるゴム組成物に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】クロロプレン重合体(クロロプレンゴ
ム)は、そのバランスした特性を活かして自動車部品、
接着剤、各種工業部品など広範囲の分野に用いられてい
る。しかし、クロロプレンゴムは分子内に極性基である
塩素が付加しいているため、低温下で高分子鎖の柔軟性
が損なわれ、他のジエン系ゴムであるブタジエンゴムや
イソプレンゴムなどと比べて耐寒性に劣ることが知られ
ている。また、分子内に二重結合を有するため、高分子
主鎖が炭素−炭素結合からなる重合体に比べて、オゾン
劣化が起きやすいことが知られている。
ム)は、そのバランスした特性を活かして自動車部品、
接着剤、各種工業部品など広範囲の分野に用いられてい
る。しかし、クロロプレンゴムは分子内に極性基である
塩素が付加しいているため、低温下で高分子鎖の柔軟性
が損なわれ、他のジエン系ゴムであるブタジエンゴムや
イソプレンゴムなどと比べて耐寒性に劣ることが知られ
ている。また、分子内に二重結合を有するため、高分子
主鎖が炭素−炭素結合からなる重合体に比べて、オゾン
劣化が起きやすいことが知られている。
【0003】クロロプレン重合体の特性を改良する手段
として、ブタジエン単量体やイソプレン単量体などの様
なコモノマー成分とラジカル共重合させる方法がある
(Rubber Chemistry and Tec
hnology;49,670(1976))が、クロ
ロプレン単量体(2−クロロ−1,3−ブタジエン単量
体)は他の単量体に比べてラジカル重合速度が非常に速
く、優位に共重合するコモノマーの種類が限られ、特性
改良の範囲が制限されていた。
として、ブタジエン単量体やイソプレン単量体などの様
なコモノマー成分とラジカル共重合させる方法がある
(Rubber Chemistry and Tec
hnology;49,670(1976))が、クロ
ロプレン単量体(2−クロロ−1,3−ブタジエン単量
体)は他の単量体に比べてラジカル重合速度が非常に速
く、優位に共重合するコモノマーの種類が限られ、特性
改良の範囲が制限されていた。
【0004】コモノマー成分を共重合して改良する方法
以外に、クロロプレン重合体中に存在する炭素炭素二重
結合部位に水素を付加させて単結合とすることが試みら
れている(Macromolecules,27,69
85(1994))。
以外に、クロロプレン重合体中に存在する炭素炭素二重
結合部位に水素を付加させて単結合とすることが試みら
れている(Macromolecules,27,69
85(1994))。
【0005】しかし、クロロプレン重合体中に存在する
炭素炭素二重結合の一部に水素を付加させて単結合に変
換させたいわゆる水素化クロロプレン重合体を、ゴム弾
性体とする方法は知られていない。
炭素炭素二重結合の一部に水素を付加させて単結合に変
換させたいわゆる水素化クロロプレン重合体を、ゴム弾
性体とする方法は知られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐寒性、耐
オゾン性等の特性の改良された優れたゴム弾性体を提供
するものである。
オゾン性等の特性の改良された優れたゴム弾性体を提供
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するため、水素雰囲気中、触媒を用いてクロロ
プレン系重合体に水素を導入し、該重合体中に存在する
炭素炭素二重結合の一部分が単結合に変換された重合体
が、良好なゴム弾性体を形成する方法について検討した
結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は水素雰囲
気中、触媒を用いてクロロプレン系重合体に水素を導入
し、該重合体中に存在する炭素炭素二重結合の一部分が
単結合に変換された重合体とチアゾール化合物、キノン
化合物のうち少なくとも1種類以上の化合物及び受酸剤
からなる水素化クロロプレン系ゴム組成物である。
題を解決するため、水素雰囲気中、触媒を用いてクロロ
プレン系重合体に水素を導入し、該重合体中に存在する
炭素炭素二重結合の一部分が単結合に変換された重合体
が、良好なゴム弾性体を形成する方法について検討した
結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は水素雰囲
気中、触媒を用いてクロロプレン系重合体に水素を導入
し、該重合体中に存在する炭素炭素二重結合の一部分が
単結合に変換された重合体とチアゾール化合物、キノン
化合物のうち少なくとも1種類以上の化合物及び受酸剤
からなる水素化クロロプレン系ゴム組成物である。
【0008】以下に本発明を詳細に説明する。まず、本
発明の水素化重合体を合成するための原料として用いる
クロロプレン系重合体とは、例えば特開平2001−2
88304に記載したようにして得たものである。
発明の水素化重合体を合成するための原料として用いる
クロロプレン系重合体とは、例えば特開平2001−2
88304に記載したようにして得たものである。
【0009】こうして得られたクロロプレン系重合体を
用いて、特開2001−288304に記載したように
水素化して、水素化クロロプレン重合体を得る。
用いて、特開2001−288304に記載したように
水素化して、水素化クロロプレン重合体を得る。
【0010】こうして得られた水素化クロロプレン重合
体は、原料として用いたクロロプレン系重合体に比べて
耐寒性、耐オゾン性などに優れており、通常のクロロプ
レン重合体あるいはクロロプレン共重合体の用途のみな
らず、耐寒性、耐オゾン性を必要とする種々のゴム用途
に好適である。
体は、原料として用いたクロロプレン系重合体に比べて
耐寒性、耐オゾン性などに優れており、通常のクロロプ
レン重合体あるいはクロロプレン共重合体の用途のみな
らず、耐寒性、耐オゾン性を必要とする種々のゴム用途
に好適である。
【0011】本発明で用いるチアゾール化合物として
は、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジ
ルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜
鉛塩、2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシ
ルアミン塩、2−(N、N−ジエチルチオカルバモイル
チオ)ベンゾチアゾール、2−(4’−モルホリノジチ
オ)ベンゾチアゾールなどが挙げられる。
は、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジ
ルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜
鉛塩、2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシ
ルアミン塩、2−(N、N−ジエチルチオカルバモイル
チオ)ベンゾチアゾール、2−(4’−モルホリノジチ
オ)ベンゾチアゾールなどが挙げられる。
【0012】本発明で用いるキノン化合物としてはp−
キノンジオキシム、1,4−ベンゾキノン、2,3−ジ
クロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン、ヒドロ
キノン、p、p’−ジベンゾイルキノンジオキシムなど
が挙げられる。
キノンジオキシム、1,4−ベンゾキノン、2,3−ジ
クロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン、ヒドロ
キノン、p、p’−ジベンゾイルキノンジオキシムなど
が挙げられる。
【0013】本発明で用いるチアゾール化合物、キノン
化合物のうち少なくとも1種類以上の化合物の添加量と
しては、水素化クロロプレン系ゴム100質量部に対し
て、0.5〜10質量部である。
化合物のうち少なくとも1種類以上の化合物の添加量と
しては、水素化クロロプレン系ゴム100質量部に対し
て、0.5〜10質量部である。
【0014】本発明で用いる受酸剤としては、ベリリウ
ム、マグネシウム、亜鉛、カルシウム、ストロンチウ
ム、バリウム、ゲルマニウム、チタニウム、錫、ジルコ
ニウム、鉛、アンチモン、バナジウム、ビスマス、モリ
ブデン、タングステン、テルル、セレン、鉄、ニッケ
ル、コバルト、オスミウムの元素単体および上記化合物
の酸化物または水酸化物またはエポキシ化合物等があげ
られる。エポキシ化合物としては、トリス(2,3−エ
ポキシプロピル)イソシアヌレート、1,2−エポキシ
シクロヘキサン、1,8−エポキシ−p-メンタン、エ
ポキシエタン、ブチル2,3−エポキシプロピルエーテ
ル、2,3−エポキシ−1−プロパノール、1,2−エ
ポキシ−4−エポキシエチルシクロヘキサン、1,2−
エポキシブタン、プロピレンオキシド等が挙げられる。
ム、マグネシウム、亜鉛、カルシウム、ストロンチウ
ム、バリウム、ゲルマニウム、チタニウム、錫、ジルコ
ニウム、鉛、アンチモン、バナジウム、ビスマス、モリ
ブデン、タングステン、テルル、セレン、鉄、ニッケ
ル、コバルト、オスミウムの元素単体および上記化合物
の酸化物または水酸化物またはエポキシ化合物等があげ
られる。エポキシ化合物としては、トリス(2,3−エ
ポキシプロピル)イソシアヌレート、1,2−エポキシ
シクロヘキサン、1,8−エポキシ−p-メンタン、エ
ポキシエタン、ブチル2,3−エポキシプロピルエーテ
ル、2,3−エポキシ−1−プロパノール、1,2−エ
ポキシ−4−エポキシエチルシクロヘキサン、1,2−
エポキシブタン、プロピレンオキシド等が挙げられる。
【0015】本発明で用いる受酸剤の添加量は、水素化
クロロプレン系ゴム100質量部に対して0.1〜30
質量部、好ましくは1〜20質量部が好ましい。0.1
質量部未満の場合には、水素化クロロプレン系ゴム組成
物より発生する塩素により腐食等の問題が発生する。ま
た、水素化クロロプレン系ゴム組成物100質量部に対
して受酸剤30質量部より多く添加した場合には、加硫
物の特性が劣る問題がある。
クロロプレン系ゴム100質量部に対して0.1〜30
質量部、好ましくは1〜20質量部が好ましい。0.1
質量部未満の場合には、水素化クロロプレン系ゴム組成
物より発生する塩素により腐食等の問題が発生する。ま
た、水素化クロロプレン系ゴム組成物100質量部に対
して受酸剤30質量部より多く添加した場合には、加硫
物の特性が劣る問題がある。
【0016】本発明による水素化クロロプレン系ゴム組
成物には、必要に応じて、補強剤、充填剤、軟化剤、可
塑剤、加工助剤、老化防止剤などを配合することができ
る。補強剤としては、カーボンブラック、シリカなどが
挙げられ、ゴムの機械的強度を増大させるために用いら
れる。一般には、水素化クロロプレン系ゴム100質量
部に対して、5〜100質量部の範囲で用いられる。ま
た、炭酸カルシウム、クレー、タルクなどの充填剤も適
宜添加することができる。
成物には、必要に応じて、補強剤、充填剤、軟化剤、可
塑剤、加工助剤、老化防止剤などを配合することができ
る。補強剤としては、カーボンブラック、シリカなどが
挙げられ、ゴムの機械的強度を増大させるために用いら
れる。一般には、水素化クロロプレン系ゴム100質量
部に対して、5〜100質量部の範囲で用いられる。ま
た、炭酸カルシウム、クレー、タルクなどの充填剤も適
宜添加することができる。
【0017】軟化剤としては、潤滑油、プロセスオイ
ル、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルトな
どの石油系軟化剤、ナタネ油、アマニ油、ヒマシ油、ヤ
シ油などの脂肪油系軟化剤がある。可塑剤としては、フ
タル酸誘導体であるジブチルフタレート、ジ−n−オク
チルフタレートなど、ジイソフタル酸誘導体であるジイ
ソオクチルイソフタレートなど、アジピン酸誘導体であ
るジ−n−ブチルアジペート、ジ−(2−エチルヘキシ
ル)アジペート、ジ(n−オクチル)アジペートなど、
アゼライン酸誘導体であるジ−(2−エチルヘキシル)
アゼレート、ジイソオクチルアゼレートなど、セバシン
酸誘導体であるジ−n−ブチルセバケート、ジ−(2−
エチルヘキシル)セバケートなどがある。この他、マレ
イン酸誘導体、フマル酸誘導体、トリメリット酸誘導
体、リン酸誘導体、グリセリン誘導体などがある。これ
ら可塑剤は、水素化クロロプレン系ゴム100質量部に
対して、最大40質量部程度まで添加することができ
る。
ル、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルトな
どの石油系軟化剤、ナタネ油、アマニ油、ヒマシ油、ヤ
シ油などの脂肪油系軟化剤がある。可塑剤としては、フ
タル酸誘導体であるジブチルフタレート、ジ−n−オク
チルフタレートなど、ジイソフタル酸誘導体であるジイ
ソオクチルイソフタレートなど、アジピン酸誘導体であ
るジ−n−ブチルアジペート、ジ−(2−エチルヘキシ
ル)アジペート、ジ(n−オクチル)アジペートなど、
アゼライン酸誘導体であるジ−(2−エチルヘキシル)
アゼレート、ジイソオクチルアゼレートなど、セバシン
酸誘導体であるジ−n−ブチルセバケート、ジ−(2−
エチルヘキシル)セバケートなどがある。この他、マレ
イン酸誘導体、フマル酸誘導体、トリメリット酸誘導
体、リン酸誘導体、グリセリン誘導体などがある。これ
ら可塑剤は、水素化クロロプレン系ゴム100質量部に
対して、最大40質量部程度まで添加することができ
る。
【0018】加工助剤としては、ステアリン酸などの脂
肪酸、ステアロアミドの脂肪酸アミド、ブチルステアレ
ートなどの脂肪酸エステルなどが用いられる。これら加
工助剤は、水素化クロロプレン系ゴム100質量部に対
して、0.1〜5質量部程度添加することができる。
肪酸、ステアロアミドの脂肪酸アミド、ブチルステアレ
ートなどの脂肪酸エステルなどが用いられる。これら加
工助剤は、水素化クロロプレン系ゴム100質量部に対
して、0.1〜5質量部程度添加することができる。
【0019】老化防止剤としては、アミン系、イミダゾ
ール系、カルバミン酸金属塩、フェノール系、ワックス
などが使用でき、水素化クロロプレン系ゴム100質量
部に対して、0.1〜10質量部程度添加することがで
きる。
ール系、カルバミン酸金属塩、フェノール系、ワックス
などが使用でき、水素化クロロプレン系ゴム100質量
部に対して、0.1〜10質量部程度添加することがで
きる。
【0020】更に、本発明の水素化クロロプレン系ゴム
組成物の特性を損なわない範囲で、他種ゴムをブレンド
することも可能である。ブレンド可能なゴムの一例を挙
げれば、通常のクロロプレンゴム、天然ゴム、イソプレ
ンゴム、ブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、ニ
トリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、塩素
化ポリエチレン、クロロスルフォン化ポリエチレン、水
素化ニトリルゴムなどがある。
組成物の特性を損なわない範囲で、他種ゴムをブレンド
することも可能である。ブレンド可能なゴムの一例を挙
げれば、通常のクロロプレンゴム、天然ゴム、イソプレ
ンゴム、ブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、ニ
トリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、塩素
化ポリエチレン、クロロスルフォン化ポリエチレン、水
素化ニトリルゴムなどがある。
【0021】本発明で得られる水素化クロロプレン系ゴ
ム組成物は、通常のクロロプレンゴムと同様に、ミキシ
ングロール、ニーダー、バンバリーなどの密閉混合機な
どを用いて各種配合剤を混練添加することによって得ら
れる。
ム組成物は、通常のクロロプレンゴムと同様に、ミキシ
ングロール、ニーダー、バンバリーなどの密閉混合機な
どを用いて各種配合剤を混練添加することによって得ら
れる。
【0022】本発明の組成物からなるゴムホース、ベル
ト、ガスケット、シール部品、防振ゴム部品は、通常の
クロロプレンゴムと同様に、ミキシングロール、ニーダ
ー、バンバリーなどの密閉混合機などを用いて各種配合
剤を混練添加した後、加硫することによって得られる。
加硫時の温度や加硫時間は適宜設定することができ、例
えば、加硫温度は130〜220℃の範囲である。
ト、ガスケット、シール部品、防振ゴム部品は、通常の
クロロプレンゴムと同様に、ミキシングロール、ニーダ
ー、バンバリーなどの密閉混合機などを用いて各種配合
剤を混練添加した後、加硫することによって得られる。
加硫時の温度や加硫時間は適宜設定することができ、例
えば、加硫温度は130〜220℃の範囲である。
【0023】「実験例」クロロプレンゴムとして電気化
学工業社製M−40を用い、容量30LのSUS316
製耐圧反応器の中に、トルエン15,100gとクロロ
プレンゴム1500gを入れ、上蓋を締めた後、室温
下、窒素ガスを通気した状態で攪拌、溶解し、クロロプ
レン重合体溶液を作製した。一方、窒素雰囲気のグロー
ブボックス中で容量10Lのガラス製容器に、トルエン
6,500gを入れ、水素化触媒としてクロロトリス−
(トリフェニルホスフィン)ロジウムRhCl(P(C
6H5)3)3(以下、Rh錯体と略記する)を1.5
g、配位子としてトリフェニルホスフィンを4.3g加
えた後に攪拌し、溶解した。この水素化触媒と配位子を
溶解した触媒溶液を反応器に仕込んだ後、反応器内の内
容物を攪拌、溶解した(攪拌翼アンカー翼、回転数12
0rpm、室温、10分間)。次に、前記した容積30
Lの耐圧反応器に、水素ガス(水素ガス純度99.99
995%)ラインを連結し、反応器内に水素ガスを導入
して反応器内圧力を5.0MPaとし、反応器外側のジ
ャケットを100±1℃に維持した。その後、反応器内
の水素ガス圧力と温度を、上記条件のまま5時間保持し
た。所定時間経過後、反応液を冷却した後、反応器内の
水素ガスを開放し、内容液(以下、水素化重合体溶液と
称す)を取り出した。この水素化重合体溶液に二倍量の
メタノールを添加して水素化重合体を析出させ、次に多
量の純水と接触させた後、ダブルドラムドライヤーを通
して水素化重合体を乾燥した。こうして約1300gの
水素化クロロプレン系ゴムを得た。
学工業社製M−40を用い、容量30LのSUS316
製耐圧反応器の中に、トルエン15,100gとクロロ
プレンゴム1500gを入れ、上蓋を締めた後、室温
下、窒素ガスを通気した状態で攪拌、溶解し、クロロプ
レン重合体溶液を作製した。一方、窒素雰囲気のグロー
ブボックス中で容量10Lのガラス製容器に、トルエン
6,500gを入れ、水素化触媒としてクロロトリス−
(トリフェニルホスフィン)ロジウムRhCl(P(C
6H5)3)3(以下、Rh錯体と略記する)を1.5
g、配位子としてトリフェニルホスフィンを4.3g加
えた後に攪拌し、溶解した。この水素化触媒と配位子を
溶解した触媒溶液を反応器に仕込んだ後、反応器内の内
容物を攪拌、溶解した(攪拌翼アンカー翼、回転数12
0rpm、室温、10分間)。次に、前記した容積30
Lの耐圧反応器に、水素ガス(水素ガス純度99.99
995%)ラインを連結し、反応器内に水素ガスを導入
して反応器内圧力を5.0MPaとし、反応器外側のジ
ャケットを100±1℃に維持した。その後、反応器内
の水素ガス圧力と温度を、上記条件のまま5時間保持し
た。所定時間経過後、反応液を冷却した後、反応器内の
水素ガスを開放し、内容液(以下、水素化重合体溶液と
称す)を取り出した。この水素化重合体溶液に二倍量の
メタノールを添加して水素化重合体を析出させ、次に多
量の純水と接触させた後、ダブルドラムドライヤーを通
して水素化重合体を乾燥した。こうして約1300gの
水素化クロロプレン系ゴムを得た。
【0024】「実施例1〜3」以下に実施例により本発
明を詳しく説明するが、本発明は下記の実施例により限
定されるものではない。以下の説明において特に断りの
ない限り、部及び%は質量基準であらわす。表1に示す
配合処方により、4インチロールを用いて配合し、水素
化クロロプレン系ゴム組成物を得た。油圧プレスを用い
て160℃で30分間加硫し、加硫シートを得た。この
加硫物の物性測定結果を表1に示した。引張強度、破断
伸びの力学的特性はJIS K6251に、硬さはK6
253に、耐オゾン性はK6259に、ゲーマン捻り試
験測定はK6261に準拠した。
明を詳しく説明するが、本発明は下記の実施例により限
定されるものではない。以下の説明において特に断りの
ない限り、部及び%は質量基準であらわす。表1に示す
配合処方により、4インチロールを用いて配合し、水素
化クロロプレン系ゴム組成物を得た。油圧プレスを用い
て160℃で30分間加硫し、加硫シートを得た。この
加硫物の物性測定結果を表1に示した。引張強度、破断
伸びの力学的特性はJIS K6251に、硬さはK6
253に、耐オゾン性はK6259に、ゲーマン捻り試
験測定はK6261に準拠した。
【0025】「比較例1〜2」実施例と同様に実施した
比較例の結果を、表1に示す。
比較例の結果を、表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】表−1で用いたデンカクロロプレンM−4
0は、電気化学工業製M−40 表−1で用いたカーボンブラックは、旭カーボン製#5
5 表−1で用いたノクラックCDは、大内新興製 ノクラ
ックCD 表−1で用いたノクラック6Cは、大内新興製 ノクラ
ック6C
0は、電気化学工業製M−40 表−1で用いたカーボンブラックは、旭カーボン製#5
5 表−1で用いたノクラックCDは、大内新興製 ノクラ
ックCD 表−1で用いたノクラック6Cは、大内新興製 ノクラ
ック6C
【0028】実施例と比較例との対比から、本発明によ
って得られる水素化クロロプレン系ゴム組成物は、優れ
た耐寒性、耐オゾン性を有することは明らかである。
って得られる水素化クロロプレン系ゴム組成物は、優れ
た耐寒性、耐オゾン性を有することは明らかである。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、クロロプレン系重合体
中の炭素炭素二重結合の一部を単結合に変換させた水素
化クロロプレン系重合体とチアゾール化合物、キノン化
合物のうち少なくとも1種類以上の化合物を含有したゴ
ム組成物は、良好なゴム弾性体を示す。こうして得られ
た水素化クロロプレン系ゴム組成物は優れた耐寒性と耐
オゾン性を有し、また水素化クロロプレン系重合体の分
子構造上、耐候性、耐熱性などの優れた特性を併せ持つ
ゴム組成物である。従って、実用上、工業上の有用性が
期待できる。
中の炭素炭素二重結合の一部を単結合に変換させた水素
化クロロプレン系重合体とチアゾール化合物、キノン化
合物のうち少なくとも1種類以上の化合物を含有したゴ
ム組成物は、良好なゴム弾性体を示す。こうして得られ
た水素化クロロプレン系ゴム組成物は優れた耐寒性と耐
オゾン性を有し、また水素化クロロプレン系重合体の分
子構造上、耐候性、耐熱性などの優れた特性を併せ持つ
ゴム組成物である。従って、実用上、工業上の有用性が
期待できる。
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Fターム(参考) 4J002 AC091 DA087 DA097 DA107
DA117 DE077 DE087 DE097
DE107 DE117 DE127 DE137
DE157 EE056 EL027 EV326
FD010 FD020 FD030 FD140
FD170 FD207 GC00 GJ00
GL00 GM00 GM01
Claims (6)
- 【請求項1】(A)水素雰囲気中、触媒を用いてクロロ
プレン系重合体に水素を導入し、該重合体中に存在する
炭素炭素二重結合の一部分が単結合に変換された重合体
と、 (B)チアゾール化合物、キノン化合物のうち少なくと
も1種類以上の化合物 (C)受酸剤 からなることを特徴とする水素化クロロプレン系ゴム組
成物。 - 【請求項2】上記(C)の受酸剤が、ベリリウム、マグ
ネシウム、亜鉛、カルシウム、ストロンチウム、バリウ
ム、ゲルマニウム、チタニウム、錫、ジルコニウム、
鉛、アンチモン、バナジウム、ビスマス、モリブデン、
タングステン、テルル、セレン、鉄、ニッケル、コバル
ト、オスミウムの元素単体および上記化合物の酸化物ま
たは水酸化物またはエポキシ化合物から選ばれた少なく
とも1種以上を添加してなることを特徴とする請求項1
または2記載の水素化クロロプレン系ゴム組成物。 - 【請求項3】上記(B)のチアゾール化合物、キノン化
合物のうち少なくとも1種類以上の化合物が水素化クロ
ロプレン系ゴム100質量部当たり0.1〜20質量部
である請求項1〜3のいずれか1項記載のゴム組成物。 - 【請求項4】上記(C)の受酸剤が水素化クロロプレン
ゴム100質量部当たり0.1〜30質量部である請求
項1〜4のいずれか1項記載のゴム組成物。 - 【請求項5】請求項1〜4のいずれか1項記載の水素化
クロロプレン系ゴム組成物を加硫してなることを特徴と
する加硫物 - 【請求項6】請求項5の加硫物からなるゴムホース、ベ
ルト、ガスケット、シール部品、防振ゴム部品
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002155144A JP2003342421A (ja) | 2002-05-29 | 2002-05-29 | 水素化クロロプレン系ゴム組成物 |
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JP2002155144A JP2003342421A (ja) | 2002-05-29 | 2002-05-29 | 水素化クロロプレン系ゴム組成物 |
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Family Applications (1)
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JP2002155144A Pending JP2003342421A (ja) | 2002-05-29 | 2002-05-29 | 水素化クロロプレン系ゴム組成物 |
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-
2002
- 2002-05-29 JP JP2002155144A patent/JP2003342421A/ja active Pending
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