JP2003342374A - リン酸系ポリマー - Google Patents

リン酸系ポリマー

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JP2003342374A JP2002157164A JP2002157164A JP2003342374A JP 2003342374 A JP2003342374 A JP 2003342374A JP 2002157164 A JP2002157164 A JP 2002157164A JP 2002157164 A JP2002157164 A JP 2002157164A JP 2003342374 A JP2003342374 A JP 2003342374A
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Takashi Kamidate
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 効果的に歯表面への細菌の吸着を阻害するこ
とのできるポリマー、及びそれを含有する口腔用組成物
の提供。 【解決手段】 (ポリ)アルキレングリコールと(ポ
リ)リン酸又はその塩が、エステル結合により、交互に
連結した、特に口腔用である、リン酸系ポリマー、並び
にこのリン酸系ポリマーと、水及び/又は炭素数1〜5
の低級アルコールを含有する口腔用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オーラルケア剤に
有用な、歯表面への細菌付着を阻害する口腔用として有
用な新規ポリマー及びそれを含有する口腔用組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】歯垢が
歯周病や虫歯の原因であることは公知の事実であり、更
に、歯垢を放置しておくと、除去が困難な歯石(結晶性
カルシウム)に変化する。歯垢の形成は、唾液中の蛋白
質が歯表面に吸着し、ペリクルと呼ばれる皮膜が形成さ
れ、このペリクルに細菌が吸着することで始まる。その
ため、従来から細菌や、微生物の吸着を阻害する剤が提
案されている。
【0003】例えば、特開平9−175965号公報に
は、塩化ジメチルジアリルアンモニウムのホモポリマー
及び塩化ジメチルジアリルアンモニウムと少なくとも1
種のエチレン性不飽和炭化水素結合を有する重合可能な
モノマーとのコポリマーから選ばれるポリマーとベタイ
ン型界面活性剤とからなる組成物が、歯表面への微生物
の付着抑制に効果があることが開示されているが、この
組成物は、細菌吸着抑制効果が十分でない。
【0004】また特開昭57−135817号公報に
は、ビニルホスホン酸から誘導される単位の分子配置を
持つ単位とビニルホスホニルフルオリドから誘導される
単位とから構成される水溶性コポリマーにより、だ液処
理被膜ヒドロキシアパタイトビーズヘ細菌が吸着するの
を阻止出来ることが開示されているが、その効果はまだ
十分ではない。
【0005】本発明の課題は、更に効果的に歯表面への
細菌の吸着を阻害することのできるポリマー、及びそれ
を含有する口腔用組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、(ポリ)アル
キレングリコールと(ポリ)リン酸又はその塩が、エス
テル結合により、交互に連結した、特に口腔用である、
リン酸系ポリマー、並びにこのリン酸系ポリマーと、水
及び/又は炭素数1〜5の低級アルコールを含有する口
腔用組成物に係わる。
【0007】
【発明の実施の形態】[リン酸系ポリマー]本発明のリ
ン酸系ポリマーは、(ポリ)アルキレングリコールと
(ポリ)リン酸又はその塩が、エステル結合により、交
互に連結したものである。
【0008】ここで(ポリ)アルキレングリコールと
は、アルキレングリコール、ポリアルキレングリコール
又はそれらの混合物を意味する。(ポリ)アルキレング
リコール中、アルキレン基としては、炭素数1〜5のア
ルキレン基が好ましく、(ポリ)エチレングリコール、
(ポリ)プロピレングリコール、又はポリ(エチレング
リコール/プロピレングリコール)が更に好ましい。ポ
リ(エチレングリコール/プロピレングリコール)中、
エチレングリコールとプロピレングリコールは、ブロッ
ク、ランダム何れのコポリマーでもよい。(ポリ)アル
キレングリコールの平均重合度は、1〜200が好まし
く、20〜200が更に好ましく、20〜140が特に
好ましい。
【0009】また本発明において、(ポリ)リン酸と
は、リン酸、ポリリン酸、好ましくはジリン酸又はそれ
らの混合物を意味し、リン酸であることが好ましい。塩
の対イオンとしては、金属、アンモニウム、総炭素数1
〜22のアルキルもしくはアルケニルアンモニウム、炭
素数1〜22のアルキルもしくはアルケニル置換ピリジ
ニウム、総炭素数1〜22のアルカノールアンモニウ
ム、又は塩基性アミノ酸が挙げられ、ナトリウム、カリ
ウム等のアルカリ金属塩が好ましい。
【0010】本発明のリン酸系ポリマーとしては、下記
一般式(I)で表わされる構造を有するリン酸系ポリマ
ーが好ましい。
【0011】
【化2】
【0012】[式中、R1及びR2は同一又は異なって、
水素原子又は炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアル
キル基を示し、n×m個のR1、n×m個のR2は同一で
も異なっていても良い。nは1〜200の数を示す。m
は1〜200の数を示す。Mは水素原子、金属、アンモ
ニウム、総炭素数1〜22のアルキルもしくはアルケニ
ルアンモニウム、炭素数1〜22のアルキルもしくはア
ルケニル置換ピリジニウム、総炭素数1〜22のアルカ
ノールアンモニウム、又は塩基性アミノ酸を示し、m+
3個のMは同一でも異なっていても良い。] 一般式(I)において、R1及びR2は同一又は異なって、
水素原子又はメチル基が好ましい。nは20〜200が
好ましく、20〜140が更に好ましい。mは3〜10
0が好ましく、3〜50が更に好ましい。Mは水素原
子、又はナトリウム、カリウム等のアルカリ金属が好ま
しい。
【0013】本発明のリン酸系ポリマーの分子量は、後
述する測定法により、重量平均分子量で1,000から
100,000が好ましく、5,000から20,00
0が更に好ましい。
【0014】この範囲内では、細菌吸着の阻害効果が高
く、水溶液中の粘度が適度で扱いやすい。また、本発明
のリン酸系ポリマーは、口腔用であることが好ましい。
【0015】尚、本明細書において、分子量は以下の方
法で測定した値である。
【0016】<分子量測定法>ゲルパーミュエーション
クロマトグラフィー(GPC)を用い、以下の条件で重
量平均分子量を求めた。 ・条件 カラム:G4000PWXL+G2500PWXL(ト
ーソー社製) 溶離液:0.2Mリン酸水溶液/アセトニトリル=9/
1 検出:RI 流量:1mL/min カラム温度:40℃ 換算分子量:ポリエチレングリコール。
【0017】[ポリマーの合成法]本発明のリン酸系ポ
リマーの合成法は特に限定されず、公知の方法を選択で
きる。なかでも、両末端水酸基のポリアルキレングリコ
ールと、所定のリン酸化剤を反応させて合成する方法が
好ましい。
【0018】リン酸化剤としては、リン酸、ポリリン
酸、五酸化リン、オキシ塩化リン等が用いられるが、オ
キシ塩化リンを用いるのが好ましい。使用する溶媒は、
ポリアルキレングリコールとリン酸化剤が溶解し、不活
性なものであれば限定されないが、テトラヒドロフラ
ン、クロロホルム、塩化メチレン、ジエチルエーテル、
ジメトキシエタンが好ましい。あるいは無溶媒で反応を
行っても良い。
【0019】リン酸化剤の使用量は、ポリアルキレング
リコールの水酸基に対して、1.0〜1.2当量が好ま
しい。
【0020】生成する塩酸ガスをトラップする剤とし
て、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチ
ルアミン、ピリジン、ピコリン等の有機三級アミンや、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の金属水酸化物、
あるいは過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、リン
酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウ
ム、グルタミン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、ジ
クロロ酢酸ナトリウム等の金属塩を用いるのが好まし
い。トラップ剤の使用量は、使用するリン酸化剤に対し
て、1.0〜1.1当量が好ましい。リン酸化する際の
温度は、好ましくは−30℃〜5℃の間が、反応性と副
反応の抑制の面で好ましく、−5℃〜5℃が更に好まし
い。この反応温度では、副反応が起こりにくく、リン酸
のトリエステルは生成しにくい。
【0021】[口腔用組成物]本発明の口腔用組成物
は、本発明のリン酸系ポリマーと、水及び/又は炭素数
1〜5の低級アルコールを含有するものである。ここ
で、低級アルコールとは、炭素数1〜5の直鎖又は分岐
鎖の飽和アルコールが好ましく、なかでもエタノール、
イソプロピルアルコールが更に好ましく、エタノールが
特に好ましい。水及び低級アルコールから選ばれる2種
以上を組み合わせて用いることもできる。
【0022】本発明のリン酸系ポリマーの口腔用組成物
中の含有量は、0.1〜20質量%が好ましく、0.1
〜5質量%が更に好ましい。水及び/又は低級アルコー
ルの含有量は、0.1〜99.9質量%が好ましく、5
〜80質量%が更に好ましい。
【0023】本発明の口腔用組成物は、殺菌剤を全組成
中に0.1〜5質量%、特に0.01〜1質量%配合す
るのが、歯垢阻害の点で好ましい。このような殺菌剤と
しては、例えば塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルヘキシ
ジン、トリクロサン、塩化セチルピリジニウム、イソプ
ロピルメチルフェノール、塩化デカリニウム、塩酸アル
キルジアミノエチルグリシン等が挙げられる。
【0024】本発明の口腔用組成物には、更に口腔用組
成物に通常用いられる成分、例えば界面活性剤、研摩
剤、オリゴ糖類又は糖アルコール等の甘味料、香料、保
存剤、美白剤、湿潤剤、粘結剤等を、本発明の効果を損
なわない範囲で適宜配合できる。その他、血行促進剤、
抗炎症剤、止血剤、鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、更にこれ
らの作用を有する植物エキス等の薬効剤を含有すること
も好ましい。血行促進剤としては、例えばビタミンE、
ニコチン酸dl−α−トコフェロール、塩化ナトリウム
等が挙げられ;抗炎症剤としては、例えばアラントイ
ン、β−グリチルレチン酸、グリチルリチン酸、エピジ
ヒドロコレステリン、ジヒドロコレステロール、ε−ア
ミノカプロン酸、ヒノキチオール、塩化リゾチーム、イ
ンドメタシン、イブプロフェン等が挙げられ;止血剤と
しては、例えばトラネキサム酸、トロンビン、アスコル
ビン酸、ルチン等が挙げられ;鎮痛剤としては、例えば
アスピリン、アセトアミノフェン、サリチル酸メチル等
が挙げられ;抗ヒスタミン剤としては、例えばシメチジ
ン、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ジフェンヒド
ラミン、塩酸プロメタジン等が挙げられ;植物エキスと
しては、例えばウイキョウエキス、ウコンエキス、オウ
ゴンエキス、オトギリソウエキス、カモミラエキス、ク
マザサエキス、シソエキス、セージエキス、チョウジエ
キス、ニンジンエキス、ハマメリスエキス、ヒバマタエ
キス、マロニエエキス、モモ葉エキス、ローズマリーエ
キス、ユーカリエキス等が挙げられる。薬効剤は1種以
上を用いることができ、全組成中に0.01〜5質量
%、特に0.1〜1質量%配合するのが好ましい。
【0025】本発明の口腔用組成物は、通常の方法によ
り製造される。また、通常の方法により、口腔内に適用
でき、これを用いて歯ぐきをマッサージすることもでき
る。
【0026】本発明の口腔用組成物は、練り歯磨き、粉
歯磨き、水歯磨き、マウスウォッシュ、歯牙コーティン
グ剤、チューインガム等の剤形に使用できる。特に練り
歯磨とするのが好ましい。
【0027】[細菌吸着阻害性]本発明のリン酸系ポリ
マーは、効果的に歯表面への細菌の吸着を阻害すること
ができ、口腔用ポリマーとして有用であるが、本発明に
おいて、ポリマーの細菌吸着阻害性は下記式(II)で定義
される細菌吸着阻害値で示した。
【0028】 細菌吸着阻害値=[(A−X)/(A−B)]×100 …(II) [式中、Aは口腔用ポリマーを含有しない標識細菌液
中、唾液処理を行ったヒドロキシアパタイト板へ付着し
た細菌数(×107cells/cm2)を示し、Bは口腔用ポ
リマーを含有しない標識細菌液中、唾液処理を行ってい
ないヒドロキシアパタイト板へ付着した細菌数(×10
7cells/cm2)を示し、Xは0.5質量%の口腔用ポリ
マーを含有する標識細菌液中、唾液処理を行ったヒドロ
キシアパタイト板へ付着した細菌数(×107cells/cm
2)を示す。] 即ち、口腔用ポリマーを含有しない標識細菌液中、唾液
処理を行ったヒドロキシアパタイト板へ付着した細菌数
(A)と、口腔用ポリマーを含有しない標識細菌液中、
唾液処理を行っていないヒドロキシアパタイト板へ付着
した細菌数(B)との差を基準値(100)として、
(A)と0.5質量%の口腔用ポリマーを含有する標識
細菌液中、唾液処理を行ったヒドロキシアパタイト板へ
付着した細菌数(X)の差を、式(II)に示すように数値
化したものを、細菌吸着阻害値とした。
【0029】本発明の口腔用ポリマーは、この細菌吸着
阻害値が、10以上であることが好ましく、15以上で
あることが更に好ましい。
【0030】
【実施例】例中の%は、特記しない限り質量%である。
【0031】合成例1(ポリマー1の合成) 200mLの4口ナス型フラスコに冷却管と窒素導入管、攪
拌羽根をつけ、窒素置換後、オキシ塩化リン2.0g(0.0
13mol)とテトラヒドロフラン60mLを入れた。攪拌しな
がら、−30℃まで冷却した後、ポリエチレングリコール
(和光純薬製、平均分子量1000)12.15g(0.012mo
l)、トリエチルアミン1.34g(0.013mol)、テトラヒ
ドロフラン60mLの混合物を1時間かけて滴下した。室温
で2時間攪拌後、イオン交換水20gを加え一晩攪拌し
た。得られた粗生成物を、セルロール透析膜で3日透析
を行い、その後凍結乾燥し無色の粉末2.0gを得た。
【0032】得られた粉末を10%重水溶液として1H−
NMRの測定を行ったところ、図1に示す結果が得ら
れ、δ=3.6〜3.8ppmにポリオキシエチレン鎖のメチレ
ンのプロトンを確認した。また、P−NMRの測定を行
ったところ、図2に示す結果が得られ、1〜2ppmにリ
ン酸エステル由来のピークを確認した。重量平均分子量
はゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GP
C:ポリエチレングリコール換算)より6000であった。
【0033】このことから該化合物がポリエチレングリ
コールとリン酸の共重合体で、式(I)において、R1
2=H、n=20、m=5、M=Hである化合物であっ
た。
【0034】合成例2(ポリマー2の合成) 合成例1でオキシ塩化リン1.2g(0.007mol)、ポリエ
チレングリコール(和光純薬製、平均分子量6000)12.2
g(0.002mol)、トリエチルアミン0.68g(0.007mmo
l)を用いて同様の操作を行い、無色の粉末11.5gを得
た。重量平均分子量はゲルパーミュエーションクロマト
グラフィー(GPC:ポリエチレングリコール換算)よ
り18000であった。
【0035】このことから該化合物がポリエチレングリ
コールとリン酸の共重合体で、式(I)において、R1
2=H、n=140、m=3、M=Hである化合物であっ
た。
【0036】実施例1:細菌吸着阻害性の評価 合成例1及び2で合成したポリマー1及び2、並びに表
1に示す比較ポリマーを細菌吸着阻害剤として用い、下
記方法で細菌吸着阻害性を評価した。
【0037】<細菌吸着阻害性評価法>ヒト口腔内より
単離したS.mutans保存菌体を10μCi/mL メチル化
3H]-チミジン0.2%グルコース含有ブレインハートイ
ンフュージョン培地(DIFCO社)10mLに接種し、37℃で2
4時間嫌気培養した。緩衝KCl溶液(50mM KCl、1mM CaC
l2、0.1mM MgCl2含有1mMリン酸緩衝液)で3回洗浄
後、5mg/mLウシ血清アルブミン含有緩衝KCl溶液に1
×109CFU/mLの濃度で分散させ、3H標識S.mutans液とし
た。
【0038】旭光学(株)製ヒドロキシアパタイト(HA
p)平板1cm×1cm×2mmを細菌吸着阻害剤(ポリマ
ー)0.5%水溶液1mLで37℃1時間処理をした。緩衝KCl
溶液2mLで2回洗浄後、健常男性被験者7名より採取し
た耳下腺唾液1mL中、4℃で24時間処理した。緩衝KCl
溶液2mLで3回洗浄後、5mg/mLウシ血清アルブミン含
有緩衝KCl溶液0.5mLと、上記3H標識S.mutans液0.5mLを
加え、37℃で1時間処理した。緩衝KCl溶液で3回洗浄
後、HAp平板を2N NaOH 1mL中で1時間処理した。2N H
Cl 1mLで中和後、液体シンチレーションカウンターに
て、3H放射活性を測定し、細菌吸着数を出した。この値
をXと定義し、表1に示した。
【0039】上記の実験で、該細菌吸着阻害剤0.5%水
溶液の代わりに緩衝KCl溶液1mLを用いて同様の処理を
行ったときの、細菌吸着数をAと定義する。A=5.67
(×107cells/cm2)であった。
【0040】HAp平板を緩衝KCl溶液2mLで2回洗浄後、
5mg/mLウシ血清アルブミン含有緩衝KCl溶液0.5mLと、
上記3H標識S.mutans液0.5mLを加え、37℃で1時間処理
した。緩衝KCl溶液で3回洗浄後、HAp平板を2N NaOH
1mL中で1時間処理した。2NHCl 1mLで中和後、液体
シンチレーションカウンターにて、3H放射活性を測定
し、細菌吸着数を出した。この値をBと定義する。B=
0.33(×107cells/cm2)であった。
【0041】上記A,B及びXの値から、上記式(II)で
定義される細菌吸着阻害値を求めた。結果を表1に示
す。
【0042】
【表1】
【0043】処方例1:歯磨き剤 次の処方により常法に従い、練り歯磨きを製造した。
【0044】 ポリマー1 5.0% シリカ 30.0% ソルビトール 30.0% ラウリル硫酸ナトリウム 1.0% カルボキシメチルセルロース*1 1.0% サッカリン 0.1% 塩化ベンゼトニウム 0.5% 香料 0.3%水 32.1% 計 100 % *1:カルボキシメチルセルロース(商品名サンローズF
20−HC、日本製紙(株)製)。
【0045】処方例2:洗口剤 次の処方により常法に従い、洗口剤を製造した。
【0046】 ポリマー1 5.0% エタノール 20.0% ピロリン酸ナトリウム 2.0% サッカリン 0.1% 塩酸クロルヘキシジン 0.3% 香料 0.3%水 72.3% 計 100 %
【0047】
【発明の効果】本発明のリン酸系ポリマーは、有効な細
菌吸着阻害効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 合成例1で合成したポリマー1の1H−NM
Rスペクトルである。
【図2】 合成例1で合成したポリマー1のP−NMR
スペクトルである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (ポリ)アルキレングリコールと(ポ
    リ)リン酸又はその塩が、エステル結合により、交互に
    連結したリン酸系ポリマー。
  2. 【請求項2】 下記一般式(I)で表わされる構造を有
    する請求項1記載のリン酸系ポリマー。 【化1】 [式中、R1及びR2は同一又は異なって、水素原子又は
    炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を示
    し、n×m個のR1、n×m個のR2は同一でも異なって
    いても良い。nは1〜200の数を示す。mは1〜20
    0の数を示す。Mは水素原子、金属、アンモニウム、総
    炭素数1〜22のアルキルもしくはアルケニルアンモニ
    ウム、炭素数1〜22のアルキルもしくはアルケニル置
    換ピリジニウム、総炭素数1〜22のアルカノールアン
    モニウム、又は塩基性アミノ酸を示し、m+3個のMは
    同一でも異なっていても良い。]
  3. 【請求項3】 R1及びR2が、同一又は異なって、水素
    原子又はメチル基である請求項2記載のリン酸系ポリマ
    ー。
  4. 【請求項4】 口腔用である請求項1〜3記載のリン酸
    系ポリマー。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3記載のリン酸系ポリマー、
    並びに水及び/又は炭素数1〜5の低級アルコールを含
    有する口腔用組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006526047A (ja) * 2003-05-09 2006-11-16 プロミーシウス ディベロプメンツ リミテッド 重合体物質の製造方法
JP2011127078A (ja) * 2009-12-21 2011-06-30 Tokyo Univ Of Science リン酸化アルキレングリコールポリマー誘導体およびその製造方法

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