JP2003342229A - オキシブチニン及びその誘導体の製法 - Google Patents

オキシブチニン及びその誘導体の製法

Info

Publication number
JP2003342229A
JP2003342229A JP2002157290A JP2002157290A JP2003342229A JP 2003342229 A JP2003342229 A JP 2003342229A JP 2002157290 A JP2002157290 A JP 2002157290A JP 2002157290 A JP2002157290 A JP 2002157290A JP 2003342229 A JP2003342229 A JP 2003342229A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
metal
oxybutynin
siloxynitrile
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002157290A
Other languages
English (en)
Inventor
Masakatsu Shibazaki
正勝 柴▲崎▼
Motomu Kanai
求 金井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
University of Tokyo NUC
Original Assignee
University of Tokyo NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by University of Tokyo NUC filed Critical University of Tokyo NUC
Priority to JP2002157290A priority Critical patent/JP2003342229A/ja
Priority to US10/438,851 priority patent/US20040006243A1/en
Priority to CA002429058A priority patent/CA2429058A1/en
Publication of JP2003342229A publication Critical patent/JP2003342229A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F9/00Compounds containing elements of Groups 5 or 15 of the Periodic Table
    • C07F9/02Phosphorus compounds
    • C07F9/547Heterocyclic compounds, e.g. containing phosphorus as a ring hetero atom
    • C07F9/655Heterocyclic compounds, e.g. containing phosphorus as a ring hetero atom having oxygen atoms, with or without sulfur, selenium, or tellurium atoms, as the only ring hetero atoms
    • C07F9/6552Heterocyclic compounds, e.g. containing phosphorus as a ring hetero atom having oxygen atoms, with or without sulfur, selenium, or tellurium atoms, as the only ring hetero atoms the oxygen atom being part of a six-membered ring
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C219/00Compounds containing amino and esterified hydroxy groups bound to the same carbon skeleton
    • C07C219/02Compounds containing amino and esterified hydroxy groups bound to the same carbon skeleton having esterified hydroxy groups and amino groups bound to acyclic carbon atoms of the same carbon skeleton
    • C07C219/20Compounds containing amino and esterified hydroxy groups bound to the same carbon skeleton having esterified hydroxy groups and amino groups bound to acyclic carbon atoms of the same carbon skeleton the carbon skeleton being unsaturated
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F9/00Compounds containing elements of Groups 5 or 15 of the Periodic Table
    • C07F9/66Arsenic compounds
    • C07F9/70Organo-arsenic compounds
    • C07F9/80Heterocyclic compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C2601/00Systems containing only non-condensed rings
    • C07C2601/12Systems containing only non-condensed rings with a six-membered ring
    • C07C2601/14The ring being saturated

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】オキシブチニン及びその誘導体を汎用的、か
つ、大量に供給することが可能な製法の提供。 【解決手段】 本発明のオキシブチニン及びその誘導体
の製法は、一般式 【化1】 (但し、[化1]中R1、R2、R3は、芳香族環上の置換基で
あり、R4は、水素、又は電子吸引基を示す。また、2つ
のRによって閉環構造を取り得る。R5は、メチル基、
メトキシ基、ジメチルアミノ基、又は電子吸引基を示
す。Xは、P又はAsである。nは1〜3である。)で表さ
れる配位子のカテコール部分に金属が結合している不斉
触媒の存在下、フェニルケトンと、シリルシアニドとを
反応させて得られたシロキシニトリルを、還元剤と反応
させてアルデヒドを得て、得られたアルデヒドを酸化さ
せることにより、又は前記シロキシニトリルを加水分解
することにより得ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オキシブチニン及
びその誘導体の製法に関し、特に、不斉触媒を用いたオ
キシブチニン及びその誘導体の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】オキシブチニン(ジトロパン)は、気管支
拡張薬、頻尿治療薬として適用可能であり、副作用が少
なく、高齢化社会に向けてますます重要度が高まってく
る医薬品である。このオキシブチニンは、ムスカリンレ
セプターの拮抗薬であり、頻尿治療薬のリードとしてph
ase 3臨床試験段階にある。
【0003】このような有用なオキシブチニンの合成法
として、キラル修飾剤を当量用いたジアステレオ選択的
な合成法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
キラル修飾剤を用いた合成法によれば、等量のキラル源
の着脱が必要なことなどから環境調和性高くオキシブチ
ニンを供給することが不可能であるという問題を有す
る。
【0005】それゆえ、当該有用なオキシブチニン及び
その誘導体を環境調和性高く供給することが可能であれ
ば、今後の医学及び薬学における貢献度が極めて高い。
【0006】そこで、本発明の目的は、オキシブチニン
及びその誘導体を汎用的、かつ、大量に供給することが
可能な製法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、発明者らは、アルデヒドやイミン等の触媒的不斉シ
アノシリル化反応等に関して鋭意研究を重ねた結果、本
発明のオキシブチニン及びその誘導体の製法を見出すに
至った。
【0008】本発明のオキシブチニン及びその誘導体の
製法は、一般式
【化3】 (但し、[化3]中R1、R2、R3は、芳香族環上の置換基で
あり、R4は、水素、又は電子吸引基を示す。また、2つ
のRによって閉環構造を取り得る。R5は、メチル基、
メトキシ基、ジメチルアミノ基、又は電子吸引基を示
す。Xは、P又はAsである。nは1〜3である。)で表さ
れる配位子のカテコール部分に金属が結合している不斉
触媒の存在下、フェニルケトンと、シリルシアニドとを
反応させて得られたシロキシニトリルを、還元剤と反応
させてアルデヒドを得て、得られたアルデヒドを酸化す
ることにより、又は前記シロキシニトリルを加水分解す
ることにより得ることを特徴とする。
【0009】また、本発明のオキシブチニン及びその誘
導体の製法の好ましい実施態様において、フェニルケト
ンが、シクロヘキシルフェニルケトン、シクロペンチル
フェニルケトン又はそのフッ素置換体、シクロブチルフ
ェニルケトン、及びこれらのフェニル基上の置換体から
なる群から選択される少なくとも1種であることを特徴
とする。
【0010】また、本発明のオキシブチニン及びその誘
導体の製法の好ましい実施態様において、金属が、金属
錯体として結合していることを特徴とする。
【0011】また、本発明のオキシブチニン及びその誘
導体の製法の好ましい実施態様において、金属錯体が、
下記式、
【化4】 ([化4]中、Mは、金属を示す。Rは、何も存在しない
状態であるか、アルコキシド、CN、Cl、F、Br又はIであ
る。)に示す構造からなることを特徴とする。
【0012】また、本発明のオキシブチニン及びその誘
導体の製法の好ましい実施態様において、金属が、チタ
ン、ジルコニウム、イッテルビウム、アルミニウム、ガ
リウム、ガドリニウム、サマリウム、ランタンからなる
群から選択される少なくとも1種であることを特徴とす
る。
【0013】また、本発明のオキシブチニン及びその誘
導体の製法の好ましい実施態様において、金属が、希土
類金属であることを特徴とする。
【0014】また、本発明のオキシブチニン及びその誘
導体の製法の好ましい実施態様において、還元剤が、ジ
イソブチルアルミニウムヒドリド、ラネ-ニッケル、ス
ーパーヒドリド、ジイソプロピルアルミニウムヒドリド
からなる群から選択される少なくとも1種であることを
特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明に用いる配位子は、次式、
【化5】 (但し、[化5]中R1、R2、R3は、芳香族環上の置換基で
あり、R4は、水素、又は電子吸引基を示す。また、2つ
のRによって閉環構造を取り得る。R5は、メチル基、
メトキシ基、ジメチるアミノ基、又は電子吸引基を示
す。Xは、P又はAsである。nは1〜3である。)で表さ
れる。nは、整数に限定されない。従って、nが異なる
複数の配位子を用いて、触媒を同時に行うこともでき
る。
【0016】上記式[化5]の骨格となる配位子は、例え
ば、以下のように合成することができる。合成過程にお
ける反応を[化6]に示した。
【0017】
【化6】
【0018】アルコール1をナトリウム アルコキシド
とした後、アレン−クロム錯体への求核置換反応によ
り、アルコール1の水酸基にカテコール部分を導入した
2を得る。出発原料となるアルコールとしては、特に限
定されないが、例えば、糖を原料とするアルコールを挙
げることができる。2のアセタールを、DIBAL−Hにより
還元し3とした後、アルコールをトシル化し4とする。
4とPhPKを反応させ、生じたホスフィンをHOで酸
化することで、5とする。5をパラジウム(Pd/C)触媒
により還元的に脱ベンジル化し、その後AlCl−EtSHで
メチルエーテルを脱保護し、1-Lを得ることができる。
【0019】[化6]に示すように、配位子1−Lを既知
のアルコールから5g程度のスケールで容易に合成するこ
とができる。
【0020】R1、R2、及びRは、芳香族環上の置換基
であり、特に限定されるものではない。置換基として、
具体的には、アルキル、エーテル、アミン、エステル等
を挙げることができる。R1として、ルイス酸性を高める
という観点から、好ましくは、エステル基、R2、R3とし
て、ルイス塩基性を高めるという観点から、好ましく
は、エーテル、アミン、アルキル基を挙げることができ
る。
【0021】R4としては、水素の他、電子吸引基を挙げ
ることができる。より吸引性が高いという観点から、電
子吸引基としては、−F、−NH3、−CF、−CCl3、−NO
2、―CN、−CHO4、−COCH3、−COCH3、−CO2H、−SO2CH
3、ベンゾイル基、及びベンゾイル基類縁体を挙げるこ
とができる。
【0022】R5としては、水素、メチル基、メトキシ
基、ジメチルアミノ基、又は電子吸引基を示す。電子吸
引基としては、上述のR4に使用したものを同様に使用す
ることができる。
【0023】また、本発明に用いる不斉触媒は、[化1]
の配位子のカテコール部分に金属が結合する。不斉触媒
とは、触媒自体が光学活性物質を生成する能力をもつ触
媒で、正しくは、エナンチオ区別触媒のことを意味す
る。金属は、配位子のカテコール部分のヒドロキシル基
にて金属錯体を形成することが可能である。
【0024】カテコール部分に結合する金属としては、
チタン、ジルコニウム、イッテルビウム、アルミニウ
ム、ガリウムからなる群から選択される少なくとも1種
を挙げることができる。これらの金属を単独で、又は組
み合わせて使用することができる。エナンチオ選択性が
高いという観点から、金属としては、チタンを挙げるこ
とができる。
【0025】また、カテコール部分に結合する金属とし
ては、希土類金属を挙げることができる。希土類金属と
しては、例えば、La、Ce、Pr、Nd,Pm、S
m、Eu、Gd、Dy、Ho、Erからなる群から選択
される少なくとも1種を挙げることができる。高いエナ
ンチオ選択性が得られるという観点から、希土類金属と
しては、好ましくは、Gd、Smを挙げることができる。
【0026】本発明に用いる不斉触媒としては、金属錯
体が、下記式
【化7】 に示す構造からなることができる。
【0027】チタン、ジルコニウム等の場合、[化7]に
示す構造を取り得る。Rとしては、アルコキシド、C
N、Cl、F、Br、Iなどを挙げることができる。Rとし
て、これらアルコキシド、CN、Cl、F、Br、又はIを用い
た配位子により、不斉触媒の安定化を図ることができ
る。なお、イッテルビウム等の場合のように、結合形態
から、CNなどの配位子を必要としないものも存在する。
【0028】本発明に用いる不斉触媒は、ケトンのシア
ノシリル化反応を触媒することができる。シアノシリル
化とは、カルボニル炭素にシアニドが求核付加をし、生
じたアルコキシドがシリル基により補足されることをい
う。
【0029】本発明のオキシブチニン及びその誘導体の
製法によれば、オキシブチニン及びその誘導体は、上記
不斉触媒の存在下、ケトンとシリルシアニドとを反応さ
せて得られたシロキシニトリルを、還元剤と反応させて
アルデヒドを得て、得られたアルデヒドを酸化すること
により得ることができる。
【0030】ケトンのシアノシリル化反応によって得ら
れるシロキシニトリルは、4級α−ヒドロキシカルボン
酸などの有用物質を、一工程で得ることを可能とする。
【0031】ここで、本発明に用いる不斉触媒の基質と
なるケトンは、フェニルケトンである。フェニルケトン
としては、シクロヘキシルフェニルケトン、シクロペン
チルフェニルケトン又はそのフッ素置換体、シクロブチ
ルフェニルケトン、及びこれらのフェニル基上の置換体
を例示することができる。
【0032】また、シリルシアニドとしては、例えば、
トリメチルシリルシアニド(TMSCN)、トリエチルシリル
シアニド、t−ブチルジメチルシリルシアニド等を挙げ
ることができる。なお、同様に適用してシロキシニトリ
ルが得られる物質としては、シリルシアニド以外に、HC
N、トリメチルすずシアニド等を挙げることができる。
【0033】また、ケトンのシアノシリル化反応に用い
る溶媒は、特に限定されるものではない。溶媒として
は、例えば、トルエン、CH2Cl2などの低極性溶媒、テト
ラヒドロフラン(THF)、ジメトキシエタン、エーテル、
アセトニトリル、プロピオニトリルなどの配位性溶媒を
挙げることができる。反応速度を上げ、高エナンチオ選
択性を得るという観点から、溶媒としては、好ましく
は、テトラヒドロフラン(THF)、ジメトキシエタン、エ
ーテル、アセトニトリル、プロピオニトリルなどの配位
性溶媒を挙げることができる。
【0034】シアノシリル化反応の反応温度は、室温で
もよく特に限定されないが、高エナンチオ選択性を得る
という観点から、−78〜室温℃、好ましくは、−60
〜0℃、さらに好ましくは、−60〜−20℃である。
下限を−60℃としたのは、エナンチオ選択性を高める
という理由からであり、上限を室温としたのは、反応速
度を上げるという理由からである。
【0035】また、ケトンの濃度は、目的とする生成物
に応じて適宜変更することができ、特に限定されない。
ケトンの濃度が高いほど反応速度が高いという傾向があ
る。
【0036】上述のように得られたシロキシニトリル
を、適当な還元剤と反応させると、アルデヒドが得られ
る。その後、当該アルデヒドを酸化することにより、最
終的に、オキシブチニン及びその誘導体を得ることがで
きる。
【0037】適当な還元剤としては、たとえば、ジイソ
ブチルアルミニウムヒドリド、ラネ-ニッケル、スーパ
ーヒドリド、ジイソプロピルアルミニウムヒドリドなど
を挙げることができる。収率が高いという観点から、還
元剤としては、ジイソブチルアルミニウムヒドリドが好
ましい。
【0038】この場合の反応温度は、室温でもよく特に
限定されないが、収率が高いという観点から、−100
〜20℃、好ましくは、−78〜−40℃である。下限
を−78℃としたのは、副反応を防ぐという理由からで
あり、上限を−40℃としたのは、反応速度を上げると
いう理由からである。
【0039】すなわち、ジメチルアルミニウムヒドリド
を用いてシロキシニトリルを還元するには、シロキシニ
トリルを、CHCl、トルエン、へキサンなどの溶
媒に溶解あるいは懸濁させ、ついで、当該シロキシニト
リルに対して1〜5当量のジメチルアルミニウムヒドリ
ドを加えて、−78℃〜−40℃の適当な温度で1〜2
4時間攪拌すると還元が終了する。その後必要に応じて
後処理をおこなうことによりアルデヒドが得られる。
【0040】こうして得られたアルデヒドを亜塩素酸ナ
トリウム、過マンガン酸カリウム、重クロム酸カリウム
などの適当な酸化剤で酸化すれば、オキシブチニン及び
その誘導体を得ることができる。
【0041】あるいは、前記シロキシニトリルを加水分
解することによってもオキシブチニン及びその誘導体を
得ることができる。
【0042】
【実施例】ここで、本発明の一実施例を説明するが、本
発明は、下記の実施例に限定して解釈されるものではな
い。また、本発明の要旨を逸脱することなく、適宜変更
することが可能であることは言うまでもない。
【0043】実施例1 まず、配位子1−Lとして、[化1]中のR1〜R3が何も存在
しない状態であり、R4及びR5が共にそれぞれ水素の場合
について調べた。
【0044】[3−ベンジルオキシ−4−(2−メトキシフ
ェニル)−テトラハイドロ−ピラノ[3,2−d][1,3]ジオキ
シン−8−オールアルコール(以下、1とする)をナトリ
ウムアルコキシドとした後、アレン−クロム錯体への求
核置換反応により、アルコールの水酸基にカテコール部
分を導入した8−(2−メトキシフェニル)−2−フェ
ニル−ヘキサハイドロ−ピラノ[3,2−d][1,3]ジオキシ
ン(以下、2とする)を得る。2のアセタールを、DIBAL−
Hにより還元し[3−ベンジルオキシ−4−(2−メトキシフ
ェニル)−テトラハイドロピラン−2−イル]メタノール
(以下、3とする)とした後、アルコールをトシル化しト
ルエン−4−スルホン酸 3−ベンジルオキシ−4−(2−
メトキシフェニル)−テトラハイドロピラン−2−イル−
メチルエステル(以下、4とする)とする。4とPhPKを
反応させ、生じたホスフィンをH Oで酸化すること
で、3−ベンジルオキシ−2−(ジフェニルホスフィノイ
ルメチル)−4−(2−メトキシフェニル)−テトラハイド
ロピラン(以下、5とする)とする。5をパラジウム(Pd/
C)触媒により還元的に脱ベンジル化し、その後AlCl 3−E
tSHでメチルエーテルを脱保護し、本発明の配位子1-Lを
得ることができる。
【0045】得られた配位子1-Lの物性値を以下に示
す。 融点 219−220℃ H NMR(500MHz、CDCl3)δ1.94(m、1H)、2.14(m、1H)、
2.69(ddd、J=9.8、15.0,15.0Hz、1H)、2.84(ddd、J=
2.8,9.5、15.3Hz、1H)、3.23(ddd、J=1.9、12.2、12.
2Hz、1H)、3.34(dddd、J=2.8,7.0,9.4,9.8Hz、1H)、
3.55(ddd、J=5.5、8.9,11.6Hz、1H)、3.73(dd、J=8.
9,9.4Hz、1H)、3.90(ddd、J=1.2、5.7、12.2Hz、1H)、
6.71(ddd、J=1.9,7.4、7.4Hz、1H)、6.96(m、3H)、7.
51(m、6H)、7.75(m、4H)、8.92(s、1H);13C NMR (125M
Hz、CDCl) δ31.62,37.61(d、J=68Hz)、65.50,74.9
6、76.11、84.84,117.22、119.14、122.45、125.50、1
28.90、129.00、129.03、129.13、130.60(d、J=10Hz)、
131.11(d、J=9Hz)、132.47、145.89、150.15:31P NMR
(202MHz、CDCl3)、δ34.0 IR 3422、1156、1103cm-1 C25H27O5Pとしての分析値:C、67.67;H、6.10%. 実測値:C、67.92;H、5.94%
【0046】次に、当該配位子を用いて、オキシブチニ
ン誘導体の合成を試みた。合成ルートを以下の[化8]に
示す。
【化8】 Gd(OiPr)3と配位子1−Lを1:2の混合比で調製した
(S)-選択的触媒を5mol%用いて、市販のシクロヘキシル
フェニルケトンに対して、−60℃でシアノシリル化を行
ったところ、32時間で反応が完結し、収率96%、94%
ee(エナチオマー過剰率)で目的の(S)-シアノヒドリン
が得られた。シリルシアニドとしては、TMS(テトラメチ
ルシラン)CN(120mol%)を用いた。また、溶媒としては、
プロピオニトリルを使用した。
【0047】(S)−シアノヒドリンのスペクトルデータ
を以下に示す。 1HNMR 0.09(s、9H)、
1.02−1.21(m、5H)、1.35−1.39(m、1H)、1.62-1.65
(m、1H)、1.68−1.75(m、2H)、1.79−1.82
(m、1H)、1.99−2.03(m、1H)、7.32-7.39(m、3
H)、7,45−7.47(m、2H)
【0048】ついで、前記シアノヒドリンをジイソブチ
ルアルミニウムヒドリドで還元(CH 2Cl2溶媒中、-78
℃、8時間)しアルデヒドとした後、亜塩素酸ナトリウ
ムで酸化することにより、オキシブチニンの基本骨格を
収率36%で得られた。
【0049】実施例2 次に、配位子2として、[化1]中のR1〜R3及びR5が水素
であり、R4がフッ素である場合について調べた。また、
配位子3として、[化1]中のR1〜R3、R5が水素であり、R
4が閉環構造である場合について調べた。その他の場合
は、実施例1と同様に実験を行い、オキシブチニンの基
本骨格の生成を試みた。結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】表1中、eeは、エナンチオマー過剰率を示
す。具体的に、配位子1においては、不斉触媒の濃度を
適宜変更した場合についていずれも良好な収率、エナン
チオマー過剰率を達成し、配位子2及び3においても同様
に良好な結果を示した。
【0052】これらのシアノヒドリンを用いてオキシブ
チニンの基本骨格を、実施例1と同様に作成した結果、
いずれも収率36%で得られた。
【0053】
【発明の効果】本発明のオキシブチニン及びその誘導体
の製法によれば、汎用性高く、重要な医薬品を大量、か
つ、環境調和性高く供給することが可能であるという有
利な効果を奏する。したがって、医学及び薬学の研究に
おいてもその貢献度は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07F 7/18 C07F 7/18 P C07M 7:00 C07M 7:00 Fターム(参考) 4G069 AA06 AA08 BA27A BA27B BC16A BC17A BC42A BC44A BC44B BC50A BC51A BE27A BE27B CB57 DA02 4H006 AA02 AC46 AC81 BA08 BA09 BA10 BA28 BA44 BA45 BA48 BA70 BJ20 BJ50 BN10 BS10 4H039 CA65 CC30 4H049 VN01 VP01 VQ41 VR23 VR41 VU36

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 (但し、[化1]中R1、R2、R3は、芳香族環上の置換基で
    あり、R4は、水素、又は電子吸引基を示す。また、2つ
    のRによって閉環構造を取り得る。R5は、メチル基、
    メトキシ基、ジメチルアミノ基、又は電子吸引基を示
    す。Xは、P又はAsである。nは1〜3である。)で表さ
    れる配位子のカテコール部分に金属が結合している不斉
    触媒の存在下、フェニルケトンと、シリルシアニドとを
    反応させて得られたシロキシニトリルを、還元剤と反応
    させてアルデヒドを得て、得られたアルデヒドを酸化す
    ることにより、又は前記シロキシニトリルを加水分解す
    ることにより得ることを特徴とするオキシブチニン及び
    その誘導体の製法。
  2. 【請求項2】フェニルケトンが、シクロヘキシルフェニ
    ルケトン、シクロペンチルフェニルケトン又はそのフッ
    素置換体、シクロブチルフェニルケトン、及びこれらの
    フェニル基上の置換体からなる群から選択される少なく
    とも1種であることを特徴とする請求項1記載の製法。
  3. 【請求項3】金属が、金属錯体として結合していること
    を特徴とする請求項1記載の製法。
  4. 【請求項4】金属錯体が、下記式、 【化2】 ([化2]中、Mは、金属を示す。Rは、何も存在しない
    状態であるか、アルコキシド、CN、Cl、F、Br又はIであ
    る。)に示す構造からなる請求項3記載の製法。
  5. 【請求項5】金属が、チタン、ジルコニウム、イッテル
    ビウム、アルミニウム、ガリウム、ガドリニウム、サマ
    リウム、ランタンからなる群から選択される少なくとも
    1種である請求項3又は4項に記載の不斉触媒。
  6. 【請求項6】金属が、希土類金属であることを特徴とす
    る請求項3又は4項に記載の製法。
  7. 【請求項7】還元剤が、ジイソブチルアルミニウムヒド
    リド、ラネ-ニッケル、スーパーヒドリド、ジイソプロ
    ピルアルミニウムヒドリドからなる群から選択される少
    なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜6項に記
    載の製法。
JP2002157290A 2002-05-30 2002-05-30 オキシブチニン及びその誘導体の製法 Pending JP2003342229A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002157290A JP2003342229A (ja) 2002-05-30 2002-05-30 オキシブチニン及びその誘導体の製法
US10/438,851 US20040006243A1 (en) 2002-05-30 2003-05-16 Method of producing oxybutynin and its derivatives
CA002429058A CA2429058A1 (en) 2002-05-30 2003-05-21 Method of producing oxybutynin and its derivatives

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002157290A JP2003342229A (ja) 2002-05-30 2002-05-30 オキシブチニン及びその誘導体の製法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003342229A true JP2003342229A (ja) 2003-12-03

Family

ID=29773219

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002157290A Pending JP2003342229A (ja) 2002-05-30 2002-05-30 オキシブチニン及びその誘導体の製法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20040006243A1 (ja)
JP (1) JP2003342229A (ja)
CA (1) CA2429058A1 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
US20040006243A1 (en) 2004-01-08
CA2429058A1 (en) 2003-11-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7205425B2 (en) Optically active nitro alcohol derivatives, optically active amino alcohol derivatives, and process for producing thereof
Fujimori et al. Stereoselective conjugate addition reactions using in situ metallated terminal alkynes and the development of novel chiral P, N-ligands
EP2123661A1 (en) Chiral iridium aqua complex and method for producing optically active hydroxy compound by using the same
US7906651B2 (en) Method for producing optically active hydroxymethylated compounds
JP2003342229A (ja) オキシブチニン及びその誘導体の製法
US6693206B2 (en) Hydrolytic kinetic resolution of epoxides
CN101412679B (zh) 高对映体纯邻氨基醇的合成方法
JP3671209B2 (ja) 配位子及びそれを用いた不斉触媒
FR2915995A1 (fr) Ligands chiraux de type carbenes n-heterocycliques pour la catalyse asymetrique.
JP3890404B2 (ja) 配位子及びそれを用いた不斉触媒
JPH01228994A (ja) γ−シリルアリルアルコール及びその製造法
CN109867691A (zh) 一种芳基胺类衍生物及其制备方法和应用
JP2005200347A (ja) ケトイミンのシアノ化、及び当該シアノ化によるシロキシニトリルの製法
JP4529419B2 (ja) 光学活性含フッ素化合物類、及びこれらの製造方法
Lim et al. Rhodium-catalyzed coupling reaction of 2-vinylpyridines with allyl ethers
JP2005041791A (ja) 光学活性四級アンモニウム塩、その製造法、並びにそれを用いた光学活性α−アミノ酸誘導体の製造法
CN115707518B (zh) 一种手性双核铑金属催化剂及其制备方法和应用
JP3531176B2 (ja) 光学活性なシリル化合物の製造法
JP2001011006A (ja) 不斉アルドール反応方法
JP5263732B2 (ja) 光学活性1,2−ジアミン化合物の製造方法及び光学活性触媒
KR102200558B1 (ko) 2-플루오르메틸 사이클로펜탄온 유도체의 제조방법
US6998495B2 (en) Method for producing optically active 3,5-dihydroxycarboxylic acid derivative
JPH05194323A (ja) フルオロシクロプロパンカルボン酸誘導体の製法
KR101465351B1 (ko) 비대칭 알돌촉매 반응을 통한 키랄성 베타-하이드록시 싸이오에스터 화합물의 제조방법 및 이에 의해 제조된 키랄성 베타-하이드록시 싸이오에스터 화합물
KR101925198B1 (ko) 베타 치환 감마 나이트로 다이싸이오에스터 화합물의 합성방법, 이에 의해 제조된 베타 치환 감마 나이트로 다이싸이오에스터 화합물, 이로부터 유도된 신규한 감마아미노산 화합물 및 베타 치환 감마 아미노 부티르산 화합물의 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20040715

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050316

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070821

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080507