JPH05194323A - フルオロシクロプロパンカルボン酸誘導体の製法 - Google Patents

フルオロシクロプロパンカルボン酸誘導体の製法

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JPH05194323A
JPH05194323A JP4176304A JP17630492A JPH05194323A JP H05194323 A JPH05194323 A JP H05194323A JP 4176304 A JP4176304 A JP 4176304A JP 17630492 A JP17630492 A JP 17630492A JP H05194323 A JPH05194323 A JP H05194323A
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Makoto Takemura
真 竹村
Isao Hayakawa
勇夫 早川
Katsuhiro Kawakami
勝浩 川上
Takuya Yabune
琢也 矢船
Toshiaki Tojo
俊明 東條
Takanobu Iketani
孝信 池谷
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 抗菌性化合物の原料化合物の簡便な合成法を
提供する。 【構成】 8族の金属原子、モリブデン、鉄、ニッケル
および銅からなる群から選ばれる金属と、カルボン酸
系、アミド系、ハロゲン系、ホスフィン系、および一酸
化炭素からなる群から選ばれる1種以上の配位子とから
構成される触媒、特にロジウムピバレート([Rh[OOCC(C
H3)3]2]2)、ロジウムベンゾイルベンゾエート([Rh[OO
C(C6H4)COC6H5]2]2 )またはロジウムトリフェニルアセ
テート([Rh[OOCC(C6H4)3]2]2 )、の存在下にビニルフ
ルオライドと次式 N2CHCOR (式中、Rはアルキルオキシ基、アラルキルオキシ基、
アルキルチオ基、アラルキルチオ基、アリールオキシ
基、アミノ基、モノもしくはジアルキルアミノ基、モノ
もしくはジフェニルアミノ基、または、アラルキル基を
1もしくは2有するアラルキル置換アミノ基を意味す
る。)で表わされるジアゾ酢酸誘導体を反応させ2−フ
ルオロシクロプロパンカルボン酸誘導体を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた活性と安全性を
備えるニューキノロン誘導体の製造中間体として有用な
化合物の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】合成抗菌薬として優れた特性を有するニ
ューキノロン系の合成抗菌薬の中で、1,2-シス-2- フル
オロシクロプロピル基を1位の置換基として有するキノ
ロン誘導体は強い抗菌活性と高い安全性を兼ね備えてお
り、優れた合成抗菌薬として期待されている(特開平2
−231475号公報参照)。
【0003】1位に1,2-シス-2- フルオロシクロプロピ
ル基を置換基として有するキノロン誘導体の合成原料と
しては2-フルオロシクロプロパンカルボン酸、とりわけ
1,2-シス-2- フルオロシクロプロパンカルボン酸が重要
である。従来、この2-フルオロシクロプロパンカルボン
酸の合成原料である該カルボン酸エステルはブタジエン
を原料とする4工程の反応で合成した後、蒸留によって
分離精製して得ていた。
【0004】
【化1】
【0005】また、ビニルハロゲナイド類とジアゾ酢酸
エチルとをロジウムピバレ−トの存在下に反応させ、1
工程で2-クロロ−または2-ブロモシクロプロパンカルボ
ン酸誘導体を得る方法も知られている(Journal of Org
anometallic Chemistry, 262(1984),85 - 88)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の2-フルオロシク
ロプロパンカルボン酸誘導体の合成法においては、その
工程にトリアルキルスズヒドリド、例えばトリブチルス
ズヒドリドを使用する工程があった。しかし、このトリ
アルキルスズヒドリドは毒性や価格の点で工業的には利
用することが困難である。
【0007】そこで本発明者は、2-フルオロシクロプロ
パンカルボン酸誘導体を簡便に得る製造法を見い出すべ
く鋭意研究を行った。その結果、金属触媒存在下にビニ
ルフルオライドとジアゾ酢酸誘導体を反応させることに
よって1工程で目的の2-フルオロシクロプロパンカルボ
ン酸誘導体が高収率で合成できることを見いだし、さら
に、この反応が使用する金属触媒やジアゾ酢酸誘導体に
応じて立体選択的に進行して1,2-シス-2- フルオロシク
ロプロパンカルボン酸誘導体が選択的に生成することを
見いだし本発明を完成した。
【0008】
【発明の構成】即ち本発明は、8族の金属原子、モリブ
デン、銅および鉄からなる群から選ばれる金属原子と、
カルボン酸系、アミド系、ハロゲン系、ホスフィン系、
および一酸化炭素からなる群から選ばれる1種以上の配
位子とから構成される触媒の存在下にビニルフルオライ
ドと次式 N2CHCOR (式中、Rは ハロゲン原子もしくは炭素数が1から6のアルキルオ
キシ基を有することもあ る炭素数が1から6のアルキ
ルオキシ基、 ハロゲン原子、炭素数が1から6のアルキル基、炭素
数が1から6のハロゲノ アルキル基、炭素数が1から
6のアルキルオキシ基、カルバモイル基、シアノ 基も
しくはアミノ基を有することもある芳香環と、炭素数が
1から6のアルキ レン基、そして酸素原子とから構成
されるアラルキルオキシ基、 ハロゲン原子を有することもある炭素数が1から6の
アルキルチオ基、 ハロゲン原子、炭素数が1から6のアルキル基、炭素
数が1から6のハロゲノ アルキル基、炭素数が1から
6のアルキルオキシ基、カルバモイル基、シアノ 基も
しくはアミノ基を有することもある芳香環と、炭素数が
1から6のアルキ レン基、そして硫黄原子とから構成
されるアラルキルチオ基、 ハロゲン原子、炭素数が1から6のアルキル基、炭素
数が1から6のハロゲノ アルキル基、炭素数が1から
6のアルキルオキシ基、カルバモイル基、シアノ 基も
しくはアミノ基を有することもある芳香環を有するアリ
ールオキシ基、 アミノ基、 炭素数が1から6のアルキル基を有するモノまたはジ
アルキルアミノ基、 ハロゲン原子、炭素数が1から6のアルキル基、炭素
数が1から6のハロゲノ アルキル基、炭素数が1から
6のアルキルオキシ基、カルバモイル基、シアノ 基も
しくはアミノ基を有することもあるフェニル基を1また
は2有するフェニ ル置換アミノ基、または、 ハロゲン原子、炭素数が1から6のアルキル基、炭素
数が1から6のハロゲノ アルキル基、炭素数が1から
6のアルキルオキシ基、カルバモイル基、シアノ 基も
しくはアミノ基を有することもある芳香環と、炭素数が
1から6のアルキ レン基とから構成されるアラルキル
基を1または2有するアラルキル置換アミ ノ基、を意
味する。)で表わされるジアゾ酢酸誘導体を反応させる
ことを特徴とする2−フルオロシクロプロパンカルボン
酸誘導体の製法に関する。
【0009】そして触媒の金属原子がコバルト、ロジウ
ム、イリジウム、ルテニウム、パラジウム、モリブデ
ン、銅または鉄である上記の製法に関する。
【0010】また、触媒の金属原子がロジウムである上
記の製法に関する。
【0011】さらに、触媒の配位子のうちカルボン酸系
の配位子が脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸または
アラルキルカルボン酸残基である上記の製法に関する。
【0012】そして、カルボン酸系の配位子がギ酸、酢
酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草
酸、ピバル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、フェニル酢酸、ジフェニル酢酸、ト
リフェニル酢酸、フェニルプロピオン酸、ジフェニルプ
ロピオン酸、トリフェニルメチル酢酸、安息香酸、ヒド
ロキシ安息香酸、トリフルオロメチル安息香酸、メチル
安息香酸、ジメチル安息香酸、トリメチル安息香酸、フ
ルオロ安息香酸、ジフルオロ安息香酸、トリフルオロ安
息香酸、ペンタフルオロ安息香酸、ベンゾイル安息香
酸、ナフトエ酸、α−メトキシ−α−トリフルオロメチ
ルフェニル酢酸、2-フェニルプロピオン酸、2-フェニル
酪酸、3-フェニル乳酸、2-クロロ-3- フェニルプロピオ
ン酸、メントキシ酢酸、カンファニックアシッド、テト
ラヒドロ-5- オキソ-2- フランカルボン酸、2-メチル酪
酸または2-クロロ酪酸残基である上記の製法に関する。
【0013】また、触媒の配位子のうちアミド系の配位
子がギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草
酸、イソ吉草酸、ピバル酸、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、フェニル酢酸、ジフ
ェニル酢酸、トリフェニル酢酸、フェニルプロピオン
酸、ジフェニルプロピオン酸、トリフェニルメチル酢
酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、トリフルオロメチ
ル安息香酸、メチル安息香酸、ジメチル安息香酸、トリ
メチル安息香酸、フルオロ安息香酸、ジフルオロ安息香
酸、トリフルオロ安息香酸、ペンタフルオロ安息香酸、
ベンゾイル安息香酸、ナフトエ酸、α−メトキシ−α−
トリフルオロメチルフェニル酢酸、2-フェニル酪酸、3-
フェニル乳酸、2-クロロ-3- フェニルプロピオン酸、メ
ントキシ酢酸、カンファニックアシッド、テトラヒドロ
-5- オキソ-2- フランカルボン酸、2-メチル酪酸または
2-クロロ酪酸から導かれたアミドまたはピログルタミン
酸エステルである上記の製法に関する。
【0014】また、触媒の配位子のうちホスフィン系の
配位子がトリフェニルホスフィン類、炭素数1から6の
アルキル基を有するトリアルキルホスフィン類または炭
素数1から6のアルキル基を有するトリアルコキシホス
フィン類である上記の製法に関する。
【0015】そして、触媒がロジウムピバレート([Rh
[OOCC(CH3)3]2]2)、ロジウムベンゾイルベンゾエート
([Rh[OOC(C6H4)COC6H5]2]2 )およびロジウムトリフェ
ニルアセテート([Rh[OOCC(C6H5)3]2]2 )からなる触媒
の群から選ばれた触媒である上記の製法に関する。
【0016】本発明の詳細について以下に説明する。
【0017】本発明の製法の一方の原料であるジアゾ酢
酸誘導体としては、エステル類、アミド類あるいはチオ
エステル類を例示することができる。
【0018】このうちエステル類としては、例えばアル
キルエステル類、アラルキルエステル類そして芳香族エ
ステル類を挙げることができる。
【0019】そしてアルキルエステル類としては、炭素
数1から6のアルキルエステル類、例えば、メチルエス
テル、エチルエステル、ノルマルプロピルやイソプロピ
ル等のプロピルエステル類、ノルマルブチル、イソブチ
ル、第2級ブチルまたは第3級ブチル等のブチルエステ
ル類、その他にペンチルエステル類、ヘキシルエステル
類を例示することができる。さらにアルキルエステルの
他には、例えば光学活性なエステルとしてl-メンチルエ
ステル等を挙げることができる。
【0020】またアラルキルエステル類としては、アリ
ール基と、炭素数が1から6のアルキレン基とから構成
されるアラルキル基からなるアラルキルエステルを挙げ
ることができる。このアリール基は、ハロゲン原子、炭
素数が1から6のアルキル基、炭素数が1から6のハロ
ゲノアルキル基、炭素数が1から6のアルキルオキシ
基、カルバモイル基、シアノ基、水酸基、ニトロ基、シ
アノ基およびアミノ基からなる置換基群から選ばれる複
数個、複数種の置換基で置換されていてもよい。そして
アラルキル基のアリール基としてはフェニル基やナフチ
ル基を挙げることができる。アラルキル基の代表的なも
のとしてベンジル基を挙げることができるがこのベンジ
ル基はさらに上記の如き置換基によって置換されていて
もよい。
【0021】一方、芳香族エステルとしてはフェニルエ
ステルやナフチルエステルを挙げることができるが、こ
れらの芳香環はハロゲン原子、炭素数が1から6のアル
キル基、炭素数が1から6のハロゲノアルキル基、炭素
数が1から6のアルキルオキシ基、カルバモイル基、シ
アノ基、水酸基、ニトロ基、シアノ基およびアミノ基か
らなる置換基群から選ばれる複数個、複数種の置換基で
置換されていてもよい。
【0022】ジアゾ酢酸誘導体がアミド誘導体であると
きは、その窒素原子が置換基を有することがあってもよ
く、例えばアルキル基、アラルキル基、芳香族置換基
類、アシル基等が1または2置換していてもよい。
【0023】この場合、アルキル基としては炭素数1か
ら6の例えば、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル
基やイソプロピル基、シクロプロピル基等のプロピル基
類、ノルマルブチル基、イソブチル基、第2級ブチル基
または第3級ブチル基等のブチル基類、その他にペンチ
ル基類、ヘキシル基類等を例示することができる。
【0024】またアラルキル基としては、アリール基
と、炭素数が1から6のアルキレン基とから構成される
アラルキル基を挙げることができる。このアリール基
は、ハロゲン原子、炭素数が1から6のアルキル基、炭
素数が1から6のハロゲノアルキル基、炭素数が1から
6のアルキルオキシ基、カルバモイル基、シアノ基、水
酸基、ニトロ基、シアノ基およびアミノ基からなる置換
基群から選ばれる複数個、複数種の置換基で置換されて
いてもよい。そしてアラルキル基のアリール基としては
フェニル基やナフチル基を挙げることができる。アラル
キル基の代表的なものとしてベンジル基を挙げることが
できるがこのベンジル基はさらに上記の如き置換基によ
って置換されていてもよい。
【0025】芳香族基としてはフェニル基やナフチル基
を挙げることができるが、これらの芳香環はハロゲン原
子、炭素数が1から6のアルキル基、炭素数が1から6
のハロゲノアルキル基、炭素数が1から6のアルキルオ
キシ基、カルバモイル基、シアノ基、水酸基、ニトロ
基、シアノ基およびアミノ基からなる置換基群から選ば
れる複数個、複数種の置換基で置換されていてもよい。
【0026】アシル基としては脂肪族または芳香族アシ
ル基でよく各種の置換アセチル基類や各種置換ベンゾイ
ル基類等である。
【0027】さて、本発明の製法に使用できる触媒類
は、単独もしくは組み合わせからなる有機あるいは無機
の配位子及び金属原子とから構成されるが、これについ
て以下に説明する。
【0028】先ず金属原子であるが、8族の遷移金属
類、モリブデン、銅、ニッケルあるいは鉄が好ましい。
8族の遷移金属としては、ロジウム(Rh)、パラジウム
(Pd)、コバルト(Co)そしてルテニウム(Ru)等を挙
げることができる。これらの金属原子の原子価は、触媒
を構成したときに2価の状態となっている金属を通常使
用する。しかし、銅の様に1価の状態となっているもの
を用いるもこともある。
【0029】次にこの金属原子に配位する配位子である
が、大別してカルボン酸系、アミド系、ハロゲン系、ホ
スフィン系、オキシム系、スルホン酸系、1,3-ジケトン
系、シッフ塩基系、そして一酸化炭素(CO)等がある。
【0030】カルボン酸系の配位子の例としてはギ酸、
脂肪族カルボン酸類、芳香族カルボン酸類、アラルキル
カルボン酸類の残基を挙げることができる。
【0031】脂肪族カルボン酸としては、酢酸、プロピ
オン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、2-メチル酪酸または2-クロロ酪酸等であり、モ
ノカルボン酸だけでなく、ポリカルボン酸でもよい。ま
た直鎖状だけでなく、分枝状、環状構造であってもよ
い。また、芳香族カルボン酸としては、例えば、安息香
酸を挙げることができるが、この芳香環は更にアルキル
基や水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基そして
アルキルオキシ基,アシル基等で置換されていてもよ
い。芳香族カルボン酸の例として安息香酸、ヒドロキシ
安息香酸、トリフルオロメチル安息香酸、メチル安息香
酸、ジメチル安息香酸、トリメチル安息香酸、フルオロ
安息香酸、ジフルオロ安息香酸、トリフルオロ安息香
酸、ペンタフルオロ安息香酸、ベンゾイル安息香酸、ナ
フトエ酸を挙げることができる。
【0032】アラルキルカルボン酸は、そのアルキル鎖
の炭素数は1から6程度のものであり、もう一方の構成
成分であるアリ−ル基は、ハロゲン原子、炭素数が1か
ら6のアルキル基、炭素数が1から6のハロゲノアルキ
ル基、炭素数が1から6のアルキルオキシ基、カルバモ
イル基、シアノ基、水酸基、ニトロ基、シアノ基および
アミノ基からなる置換基群から選ばれる複数個、複数種
の置換基で置換されていてもよい。
【0033】アリ−ル基(芳香属置換基)がアルキル鎖
の末端の炭素原子上に置換しているとき、アリール基の
数は1から3までのいずれでもよい。一方、アリール基
の結合する位置は特にアルキル鎖の末端の炭素原子でな
くともよく、例えばアルキル鎖内の隣接した複数の炭素
原子に置換した形式でもよい。
【0034】アラルキルカルボン酸の例としては、フェ
ニル酢酸、ジフェニル酢酸、トリフェニル酢酸、フェニ
ルプロピオン酸、ジフェニルプロピオン酸、トリフェニ
ルメチル酢酸、α−メトキシ−α−トリフルオロメチル
フェニル酢酸、2-フェニルプロピオン酸、2-フェニル酪
酸、3-フェニル乳酸、2-クロロ-3- フェニルプロピオン
酸等を挙げることができる。
【0035】これ以外のカルボン酸として例えば、メン
トキシ酢酸、カンファニックアシッド、テトラヒドロ-5
- オキソ-2- フランカルボン酸等を挙げることができ
る。
【0036】アミド系の配位子としては脂肪族アミド
類、芳香族アミド類、アラルキルカルボン酸アミド類な
どである。この各種のアミド類のカルボン酸部分は上で
述べたカルボン酸でよい。また、これ以外のアミド系配
位子として例えば、ピログルタミン酸エステル類を挙げ
ることができる。
【0037】カルボン酸は不斉炭素を含む光学活性なも
のでもよい。例えば、(S)-(-)-α−メトキシ−α−トリ
フルオロメチルフェニル酢酸、(S)-(+)-2-フェニルプロ
ピオン酸、(S)-2-フェニル酪酸、L-(-)-3-フェニル乳
酸、(S)-(+)-2-クロロ-3- フェニルプロピオン酸、(-)-
メントキシ酢酸、(S)-(-)-1-カンフェン酸、(S)-(+)-テ
トラヒドロ-5- オキソ-2- フランカルボン酸、(R)-2-メ
チル酪酸あるいは(S)-2-クロロ酪酸等がその例である。
また、各種のα−アミノ酸類も使用することができ、具
体的にはN-トシルプロリン等のN-置換プロリン類を例示
することができる。
【0038】ホスフィン系の配位子としては、トリアル
キルホスフィン類、トリアルコキシホスフィン類そして
トリフェニルホスフィン類を例示することができる。ト
リアルキルホスフィン類、トリアルコキシホスフィン類
においてはそのアルキル基は炭素数1から6までのもの
でよく、通常は同一のアルキル基が置換したものを使用
するが同一でなくともよい。トリフェニルホスフィン類
にあってはこのフェニル基はアルキル基や水酸基、ハロ
ゲン原子、ニトロ基、シアノ基そしてアルキルオキシ基
等で置換されていてもよい。
【0039】一方、触媒中はアセトニトリル等の溶媒等
を配位子として含んでもよいし、例えばフェニルアセト
ニトリルを含む場合もある。またイミン構造を有する化
合物が配位子となる場合もあるが、この場合には複素環
化合物の構造の一部としてのイミン構造を含む場合もあ
る。さらに配位子として複素環化合物からなる配位子で
もよく例えば、ポルフィン類等がその例である。
【0040】上記の配位子が金属原子に配位して触媒を
構成する際には、一種類の配位子のみが配位して触媒を
構成してもよく、また複数種の配位子が金属原子に配位
して触媒を構成してもよい。
【0041】配位子と金属原子との組み合わせで構成さ
れる触媒の例を次に示す。例えば、金属原子として2価
のロジウムを含むものとして、次の一般式のカルボン酸
系の配位子を含むものがある。
【0042】[Rh(OOCR1)2]2 (式中、R1は各々独立に水素原子または炭素数30迄の
ハロゲン原子で置換されていてもよい直鎖状、分枝状、
もしくは環状のアルキル基、あるいは炭素数1から6の
アルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸
基、アミノ基、カルバモイル基、アシル基もしくは炭素
数1から6のアキルオキシ基を有していてもよいフェニ
ル基、あるいは芳香環が炭素数1から6のアルキル基、
ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、アミノ
基、カルバモイル基、アシル基もしくは炭素数1から6
のアルコキシル基を有していてもよく、アルキル鎖が炭
素数1から6のモノ、ジ、トリ、ビス、もしくはトリス
−アリール−アルキル基を表す。)具体的には次の化合
物を例示することができる。
【0043】[Rh(OOCH)2]2、 [Rh(OOCCH3)2]2、 [Rh(OOCC
2H5)2]2、[Rh(OOCC3H7)2]2、 [Rh(OOCCH(CH3)2]2、 [Rh(OO
CC4H9)2]2、 [Rh[OOCC(CH3)3]2]2、 [Rh[OOCC6H13]2]2
[Rh(OOCC17H35)2]2、[Rh(OOCCF3)2]2、 [Rh(OOCCH2CC
l3)2]2、 [Rh[OOCCH2C6H5]2]2、 [Rh(OOCCH2CH2C6H5)2]2
[Rh[OOCC(C6H5)3]2]2、 [Rh(OOCC6H5)2]2、 [Rh[OOC(C6H
4)CO(C6H5)]2]2
【0044】さらに、アミド系の配位子を有する触媒と
しては次のものを例示することができる。
【0045】Rh2(OOCR1)m(R3NCOR2)n (式中、R1、 R2および R3 は各々独立に水素原子または
炭素数30迄のハロゲン原子で置換されていてもよい直
鎖状、分枝状、もしくは環状のアルキル基、あるいは炭
素数1から6のアルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、
シアノ基、水酸基、アミノ基、カルバモイル基、アシル
基もしくは炭素数1から6のアキルオキシ基を有してい
てもよいフェニル基、あるいは芳香環が炭素数1から6
のアルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水
酸基、アミノ基、カルバモイル基、アシル基もしくは炭
素数1から6のアルコキシル基を有していてもよく、ア
ルキル鎖が炭素数1から6のモノ、ジ、トリ、ビス、も
しくはトリス−アリール−アルキル基を表し、m と nは
各々0から4までの整数で、m + n = 4 である。)さら
にアミド系の配位子を有する触媒として次の構造のもの
を例示することができる。
【0046】
【化2】
【0047】また、上記に例示したもの以外のロジウム
を含む触媒としては以下のハロゲン系、アミド系、ホス
フィン系そして一酸化炭素系のものがある。
【0048】RhCl3、 RhCl(P(C6H5)3)3、 Rh6(CO)16
【0049】また、ロジウム以外の金属を含む触媒とし
ては、銅、パラジウム、マンガン、ルテニウム、コバル
トを含む次のものを例示することができる。
【0050】
【化3】
【0051】CuOSO2CF3、Cu(OSO2CF3)2、カッパーブロン
ズ、 CuCl・P[OCH(CH3)2]3、Cu(acac)2、 Pd(OOCCH3)2、 PdC
l2・2(C6H5CN) Pd[P(C6H5)3]4、 Mo2(OOCCH3)2、Ru2(OOCC
H3)4Cl、(acacはアセチルアセトナトを意味する。)
【0052】金属原子として鉄を含む触媒の例として、
ポルフィリンを配位子とする触媒を挙げることができる
が、このように配位子として複素環化合物を有する触媒
も本発明の方法に使用できる。
【0053】上記の触媒は既に知られている方法によっ
て調製できる。
【0054】本発明の方法は具体的には次の様に実施す
ればよい。
【0055】反応にはまずジアゾ酢酸誘導体を調製す
る。例えばジアゾ酢酸エステルの場合はアミノ酢酸エス
テルから調製すればよく、これは通常の知られた方法に
よって実施すればよい。またジアゾ酢酸アミド類の場合
もこれと同様にして実施すればよい。
【0056】ビニルフルオライド(CH2=CHF)との反応
は次の要領で実施すればよい。即ち、ビニルフルオライ
ドは低沸点物質であるので、反応を例えば室温あるいは
加温状態で行うにはオートクレーブ等の密封容器を使用
して実施すればよく、一方冷却下に実施するのであれば
密封容器を使用しなくともよい。密封容器を使用しない
ときには、液体窒素等を充填したコンデンサーを使用し
てもよい。ビニルフルオライドは冷却下に有機溶媒に導
いて溶解させ、必要量を採取することができる。オート
クレーブを使用する場合にはビニルフルオライドはガス
を加圧下に直接容器内に導入すればよい。
【0057】反応を密封容器を使用して実施するとき
は、例えば、容器内に先ずジアゾ酢酸エステルの溶液を
入れて次にビニルフルオライドを溶解させた溶液を加
え、そして触媒を加えた後に容器を密封し、必要に応じ
て加温して反応させる。
【0058】一方、本発明の方法はビニルフルオライド
の溶液に触媒を加えた混合物中に、ジアゾ酢酸誘導体の
溶液を冷却下に少量ずつ加えて行く方法によって実施す
ると生成物の収率が向上することを本発明者らは見いだ
した。すなわち、本反応はむしろ冷却下で反応を行う方
がより収率よく目的物が得られることが判明した。しか
もこの場合、反応は比較的短時間に終了することも明ら
かとなった。この方法で反応を実施するには密封容器を
使用しなくともよく、また冷却温度もおよそ−40℃以下
であればビニルフルオライドが揮散することもない。
【0059】更に、触媒を溶媒に加えた混合物を冷却し
ておき、ここにビニルフルオライドガスを導入しながら
同時にジアゾ酢酸誘導体の溶液を加える方法でも本発明
の製法は実施できる。
【0060】反応に使用できる溶媒は反応に不活性であ
れば特に限定されない。通常は非極性溶媒が好ましく、
例えば脂肪族炭化水素類や、ハロゲン化炭化水素類等が
よい。具体的にはノルマルヘキサンやシクロヘキサン、
ジクロロメタンや1、2-ジクロロエタン等である。これら
のうちでもジクロロメタンを使用するのが最も一般的で
ある。この他にエーテル類でよい場合もある。
【0061】反応の際に使用する触媒の量はいわゆる触
媒量でよいが、目安としてはジアゾ酢酸エステルのモル
数に対しておよそ10%以下のモル数程度でよく、さらに
好ましくは 0.05 から1%のモル数の範囲の量でよい。
【0062】反応温度は約零下100 ℃から約100 ℃の範
囲でよいが、好ましくは約零下50℃から約50℃の範囲で
ある。
【0063】反応時間はおよそ30分からおよそ48時間の
範囲で実施すれば十分であるが、通常はおよそ1時間か
ら24時間での範囲で実施すればよい。
【0064】生成する1,2-シス-2- フルオロシクロプロ
パンカルボン酸誘導体の立体異性について述べる。2-フ
ルオロシクロプロパンカルボン酸誘導体は、フッ素原子
とカルボキシル基がシス配置のものとトランス配置のも
のが存在する。従来技術におけるビニルハロゲナイドと
ジアゾ酢酸誘導体とのロジウム触媒存在下のハロゲノシ
クロプロパン化合物の生成反応であるが、例えばビニル
ブロマイドとの反応では生成するブロモシクロプロパン
カルボン酸エチルはシス体とトランス体のほぼ等量の混
合物となり、反応に立体選択性は認められないことが発
明者の追試によって明らかとなった。しかし、本発明者
らがロジウムピバレート触媒存在下にビニルフルオライ
ドとジアゾ酢酸誘導体との反応を実施したところ、シス
体のフルオロシクロプロパンカルボン酸エステルが選択
的に生成した。
【0065】本発明者らが研究した結果、シス体とトラ
ンス体の生成比率は使用する触媒によっても変化するこ
とが判明した。例えば、触媒として [Rh[OOCC(CH3)3]2]
2 を使用する方が Pd(OOCCH3)2 を使用するよりもシス
体が生成する割合が大きいことが判明した。
【0066】またシス体とトランス体の生成比率は、使
用するジアゾ酢酸誘導体によっても変化することが判明
した。すなわち、ロジウムトリフェニルアセテート([R
h[OOCC(C6H5)3]2]2)存在下にジアゾ酢酸第三級ブチル
エステルをビニルフルオライドと反応させると、シス体
の生成比が大きいことが判明した。
【0067】本発明の方法では触媒としてロジウムオル
トベンゾイルベンゾエートを触媒として、ビニルフルオ
ライドの塩化メチレン溶液に零下40度の反応温度でジア
ゾ酢酸エステル溶液を滴下する方法を実施すると目的と
するフルオロシクロプロパンカルボン酸エステルがほぼ
定量的な収率で得られる。更にロジウムトリフェニルア
セテート([Rh[OOCC(C6H5)3]2]2)存在下にビニルフル
オライドの塩化メチレン溶液に零下40度の反応温度でジ
アゾ酢酸第三級ブチルエステル溶液を滴下する方法を用
いれば、フルオロシクロプロパンカルボン酸エステルが
ほぼ定量的な収率で得られしかもシス体の生成比が大き
い。
【0068】生成した2-フルオロシクロプロパンカルボ
ン酸誘導体のシス体とトランス体は、例えば蒸留やクロ
マトグラフィー等の通常使用される方法を使用すれば分
離することができる。
【0069】次に本発明を実施例を挙げてより詳細に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0070】
【実施例】
[実施例1] シス-2- フルオロシクロプロパン-1- カ
ルボン酸エチル
【0071】1) グリシンエチルエステル塩酸塩 1.75
g を水 3.1 ml とジクロロメタン 7.5ml の混液に加
え、窒素気流下零下5℃で攪拌した。これに氷冷下、亜
硝酸ナトリウム 1.04 g の水 3.1 ml に溶解した溶液を
滴下した。内温を零下9℃に下げ、5%硫酸 1.04 g を約
3分間で滴下し、滴下終了後10分間攪拌した。反応混合
物を氷冷した分液ロ−トに移し、ジクロロメタン層を氷
冷した5%炭酸ナトリウム水溶液 12.5 mlに注ぎ、残っ
た水層をジクロロメタン 7.5 ml で抽出後、ジクロロメ
タン層と炭酸ナトリウム溶液を共に分液ロートに移し、
酸がなくなるまで振り混ぜた。ジクロロメタン層を分取
し無水硫酸ナトリウムで乾燥し濾過後、約10 mmolのジ
アゾ酢酸エチルエステル溶液を得た。
【0072】2) ジクロロメタン 10 mlを二頸フラスコ
に入れ、約零下60℃に冷却した。これにビニルフルオラ
イド(ガス)を通じて 2.4 gを溶解させた。
【0073】3) オートクレイブ(容積 100 ml )を約
零下60℃に冷却し、上記 1) および 2) で調製した溶液
を入れ、これにロジウムピバレート([Rh[OOCC(C
H3)3]2]2)50mgを加え、密閉後室温で一晩撹拌した(内
圧の上昇が観察された。)。反応混合物をシリカゲルカ
ラムクロマト(シリカゲル 15 g、ジクロロメタン 80 ml
で溶出。)で処理した後、常圧、45℃で約 10 mlまで濃
縮した。次いで、濃縮物の減圧蒸留を行ったところ、ジ
クロロメタンと共に生成物が留出し、この留分のガスク
ロマトグラフィーによる分析、1H-NMRの測定を実施し
た。
【0074】ガスクロマトグラフィー分析条件; 使用機器:SIMAZU GC-14APF 使用カラム:OV-17 カラム温度:50℃(5分)から 100℃に毎分2℃の割合
で昇温 検出器:FID 注入温度:150 ℃ 記録速度:毎分 5 cm
【0075】分析結果; 保持時間、トランス体:4.8 分 保持時間、シス体:11.9分 シス体:トランス体=96:4
【0076】1H-NMR 400MHz(CDCl3)δ:1.10 - 1.19(1
H, m), 1.29(3H, t, J=7.3 Hz), 1.73- 1.86(2H, m),
4.20(2H, q, J=7.3 Hz), 4.73(1H, dddd, J= 64.9, 3.
9, 2.4,3.9 Hz), 5.35(s, CH2Cl2) プロトンの積分比から換算すると、 ジクロロメタン:シス体化合物=4:1であった。
【0077】即ち、蒸留物の重量が 1.21 g であったの
で換算すると、生成物はおよそ 339mg含まれていたこと
となる。収率はジアゾ酢酸エチルから算出して 25.6 %
となった。
【0078】[実施例2] シス-2- フルオロシクロプ
ロパン-1- カルボン酸エチル
【0079】1) 実施例1における 1) と同量の試薬、
同様の操作を行って、ジアゾ酢酸エチルのジクロロメタ
ン溶液を調製した。
【0080】2) −60℃でジクロロメタン 10 mlにビニ
ルフルオライド約 10 g を溶解させた。
【0081】3) オートクレイブを−60℃に冷却し、こ
の中に上記の 1) および 2) で調製した各々の溶液を入
れ、酢酸パラジウム(II)(Pd(OOCCH3)2) 44.9 mgを加え
た後、50℃で3時間、更に室温で 14.5 時間、そして 8
0 ℃で 2.5時間撹拌した。冷却後、反応混合物をシリカ
ゲルカラムクロマト(シリカゲル 15 g、ジクロロメタン
80 mlで溶出。)で処理した後、常圧、45℃で濃縮し
た。これをガスクロマトグラフィーで分析したところシ
ス体とトランス体の比は2:1であった。この比は1H-N
MR(400MHz)に於けるプロトンの積分比からも確認した。
【0082】[参考例1] ロジウム(II)ピバレート・
ダイマー(テトラキス(ピバレート)ジロジウム(II))
【0083】
【化4】
【0084】塩化ロジウム(II)・3水和物 1.0 g、ピバ
ル酸 10 ml, ピバル酸ナトリウム・1水和物 2.0 gを、
脱気した無水エタノール 50 ml中、窒素気流下に1時間
加熱還流した。反応液は橙色から深緑色に変化した。反
応液を放冷後、溶媒を減圧留去して残留物をジクロロメ
タンに溶解し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ジクロロメタンを減圧
留去し、残留物を減圧乾燥すると深緑色の固体が得ら
れ、これをメタノールで再結晶し、結晶を濾取後、40℃
で8時間減圧乾燥し、光沢を帯びた緑色の錯体 1.58 g
を得た。
【0085】[参考例2] テトラキス (2-ベンゾイル
ベンゾエート)ジロジウム(II) 塩化ロジウム(II)・3水和物 500 mg を 95%エタノール
70 mlに溶解しこれにオルトベンゾイル安息香酸 2.149
gと炭酸水素ナトリウム 630 mg を加え窒素ガス気流下
に2時間加熱還流した後、反応液を一晩撹拌した。反応
液をろ過して不溶物を除去し、濾取された不溶物をエタ
ノール 10 mlにて洗浄後、洗液と濾液を合わせた後、溶
媒を減圧留去した。残留物を無水エーテル 100 ml に溶
解し、不溶物を除いて、不要物をエーテル 20 mlにて洗
浄し、洗液と濾液を合した後、無水硫酸ナトリウムにて
乾燥した。エーテルを減圧留去し、残留物をシリカゲル
クロマトグラフィーにて(シリカゲル:20 g、 溶出溶
媒:ジクロロメタン、ジクロロメタン:エーテル=9:
1)精製し、目的物の画分を濃縮後、残留物を60℃で一
晩減圧乾燥し、青緑色粉末の標記の錯体 1.36 g を得
た。
【0086】[参考例3] テトラキス(トリフェニル
プロピオネート)ジロジウム(II) 塩化ロジウム(II)・3水和物 600 mg を 95%エタノール
90 mlに溶解しこれに3,3,3-トリフェニルプロピオン酸
3.44 g と炭酸水素ナトリウム 765 mg を加え、窒素ガ
ス気流下で2時間加熱還流した後、反応液を室温で一晩
撹拌した。反応液をろ過して不溶物を除き、濾取された
不溶物をジクロロメタン 50 mlで洗浄して、洗液と濾液
を合して溶媒を減圧留去した。残留物をジクロロメタン
100 mlに溶解し、不溶物を濾去して濾取された不溶物
をジクロロメタン 10 mlで洗浄し、濾液と洗液を合して
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ジクロロメタンを減圧
留去後、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにて
(シリカゲル:30 g、 溶出溶媒:ノルマルヘキサン:ジ
クロロメタン=1:1)精製し、目的物の画分を集めた
後溶媒を減圧留去し、残留物を60℃で一晩減圧乾燥して
青緑色粉末状の標記の錯体 2.19 g を得た。
【0087】[実施例3] シス-2- フルオロシクロプ
ロパン-1- カルボン酸エチル オートクレーブを約零下60℃に冷却した後、ジアゾ酢酸
エチル(5 mmole相当)を含むジクロロメタン溶液 20 m
lを入れ、次いで 10 mlのジクロロメタンにビニルフル
オライド約 7 gを溶解した溶液を入れ、そして銅(II)ア
セチルアセトナト 26 mgを加えて容器を密閉して室温で
一晩撹拌した。
【0088】反応液をガスクロマトグラフィーにて分析
したところ、2-フルオロシクロプロパンカルボン酸エチ
ルエステルが 19%の生成率で生成し、シス体とトランス
体の生成比は1:2であった。反応液を処理した後の生
成物の 1H-NMR(400MHz) でのプロトン比もこの比率を支
持した。
【0089】また、触媒として Cu(OSO2CF3)2を用い上
記と同様に反応させてところ収率38%、シス体とトラン
ス体の生成比1:3.5で標記の化合物が得られた。さ
らに、Cu(OSO2CF3)2を触媒として18−クラウン−6を
添加し、ジアゾ酢酸第三級ブチルとの反応によって収率
53%、シス体とトランス体の生成比1:2.6で2-フル
オロシクロプロパン-1- カルボン酸第三級ブチルが得ら
れた。
【0090】[実施例4] シス-2- フルオロシクロプ
ロパン-1- カルボン酸エチル オートクレーブを約零下60℃に冷却した後、ジアゾ酢酸
エチル 5 mmole相当を含むジクロロメタン溶液 20 mlを
入れ、次いで 10 mlのジクロロメタンにビニルフルオラ
イド約 5 gを溶解した溶液を入れ、テトラキス (2-ベン
ゾイルベンゾエート)ジロジウム(II) 27.7 mgを加え、
容器を密閉して室温で一晩撹拌した。
【0091】反応液をガスクロマトグラフィーにて分析
したところ、2-フルオロシクロプロパンカルボン酸エチ
ルエステルが 89%の生成率で生成し、シス体とトランス
体の生成比は 1.0 - 1.3:1であった。反応液を処理し
た後の生成物の 1H-NMR(400MHz) でのプロトン比もこの
比率を支持した。
【0092】[実施例5] シス-2- フルオロシクロプ
ロパン-1- カルボン酸エチル 100 mlの三頸フラスコにジクロロメタン 20 ml及びモレ
キュラーシーブス 4A1.5 g を入れ、この溶液を液温が
零下60℃となるように冷却してビニルフルオライドを約
10分間通じて約 10 g を溶解させた。この溶液に、テト
ラキス (2-ベンゾイルベンゾエート)ジロジウム(II) 2
7.7 mgを加えた。反応液の温度が零下40℃となるように
冷却し、ジアゾ酢酸エチル 5 mmole相当をジクロロメタ
ンに溶解してドライアイス−アセトンで冷却した溶液を
1時間で滴下した。滴下終了後、反応液をガスクロマト
グラフィーにて分析したところ、2-フルオロシクロプロ
パンカルボン酸エチルエステルが 91%の生成率で生成
し、シス体とトランス体の生成比は 1.3:1であった。
【0093】[実施例6] シス-2- フルオロシクロプ
ロパン-1- カルボン酸エチル 100 mlの三頸フラスコにジクロロメタン 20 ml及びモレ
キュラーシーブス 4A1.5 g 及びテトラキス (2-ベンゾ
イルベンゾエート)ジロジウム(II) 27.7 mgを加えた。
この溶液を液温が零下20℃となるように冷却し、ビニル
フルオライドを少量ずつ同溶液に導入しながら、ジアゾ
酢酸エチルエステル 5 mmole相当をジクロロメタン 10
mlに溶解した溶液を1時間で滴下した。滴下終了後、反
応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、2-
フルオロシクロプロパンカルボン酸エチルエステルが 9
0%の生成率で生成し、シス体とトランス体の生成比は1.
2:1であった。
【0094】[実施例7] シス-2- フルオロシクロプ
ロパン-1- カルボン酸エチル 塩化メチレン 20 mlを零下70℃に冷却し、ビニルフルオ
ライド(ガス)を通じて10ないし20 gを溶解させた。容
積 100 mlのオートクレイブに窒素気流下にジアゾ酢酸
エチル 10 mmole 相当の塩化メチレン溶液 10 mlを加え
た。これを零下70℃に冷却し、先に調製したビニルフル
オライド溶液および触媒のロジウムトリフェニルアセテ
ート([Rh[OOCC(C6H4)3]2]2)、135.5 mgを加え容器を
密閉した。攪拌しながら温度を室温に戻し、一晩攪拌を
続けた(内圧は上昇した。)。オートクレイブを解放し
過剰のビニルフルオライドを除いた後、ガスクロマトグ
ラフィーにて定量した。
【0095】シス:トランス=48:52(生成比) 収率(ガスクロマトグラフィによる);シス:28%、トラ
ンス:29%
【0096】[実施例8] シス-2- フルオロシクロプ
ロパン-1- カルボン酸エチル 塩化メチレン 20 mlを零下70℃に冷却し、ビニルフルオ
ライド(ガス)を通じて10ないし20 gを溶解させた。こ
こへモレキュラーシーブス 4A 粉末 3 gおよびロジウム
トリフェニルアセテート([Rh[OOCC(C6H5)3]2]2 )、68
mg を加えたのち零下40℃に昇温した。ジアゾ酢酸エチ
ル 10 mmole 相当の塩化メチレン溶液 20 mlを反応液の
温度を零下40℃に保ちながら1.5 時間で滴下した。滴下
終了後、反応の終了をガスクロマトグラフィにて確認
後、反応液を室温に戻し過剰のビニルフルオライドを除
いた。モレキュラーシーブスを濾去した後、ガスクロマ
トグラフィにて定量した。
【0097】シス:トランス=54:46(生成比) 収率(ガスクロマトグラフィによる);シス:40%、トラ
ンス:34%
【0098】[実施例9] シス-2- フルオロシクロプ
ロパン-1- カルボン酸第三級ブチル 100 mlの三頸フラスコにジクロロメタン 10 mlを加え零
下78℃に冷却し、ビニルフルオライド約 5 gを溶解させ
た。同温度にてロジウムトリフェニルアセテート([Rh
[OOCC(C6H5)3]2]2 )、34 mg を加えた後、ジアゾ酢酸
第三級ブチル 355mg相当を含む塩化メチレン溶液 10 ml
を約1分で滴下した。零下78℃で10分攪拌後、反応容器
を零下45℃の冷却浴に移し、1時間攪拌した。冷却を止
めて反応液を室温迄上昇させた後減圧乾固した。これは
標記の化合物のシス:トランス=3.4:1 の混合物であっ
た。上記の残留物をシリカゲルを用いたカラムクロマト
グラフィにてノルマルヘキサンと酢酸エチルの混合溶媒
(10:1)にて溶出し、シス体とトランス体を分離し
た。各々の 1H-NMR スペクトルは下記の通りである。
【0099】シス体:1 H-NMR 90MHz(CDCl3) δ:0.9 - 1.3(2H, m), 1.47(9H,
s), 1.5 - 1.9(1H, m),4.2 - 4.5(0.5H, m), 4.9 - 5.
2(0.5H, m) トランス体:1 H-NMR 90MHz(CDCl3) δ:1.1 - 1.4(2H, m), 1.44(9H,
s), 1.6 - 2.2(1H, m),4.3 - 4.5(0.5H, m), 5.0 - 5.
2(0.5H, m)
【0100】上記の実施例と同様にして各種の触媒を使
用した反応を実施し、表1及び表2に示す結果を得た。
表1には2-フルオロシクロプロパンカルボン酸エチルの
合成例を示し、表2には2-フルオロシクロプロパンカル
ボン酸第三級ブチルの合成例を示した。
【0101】表中の、反応条件の欄の数字は実施例の数
字を意味し、その実施例で使用したのと同様の条件、手
順の反応を行ったことを示す。表1において o-OHはベ
ンゼン環のオルト置換の水酸基を示し、表2において o
-COC6H5は同様にオルト置換のベンゾイル基であること
を示す。表1の6において記載されている触媒の配位子
は(S)-(-)-α−メトキシ−α−トリフルオロメチルフェ
ニル酢酸残基である。
【0102】
【表1】
【0103】
【表2】
【0104】[実施例10] 2-フルオロ-1- シクロプ
ロパンカルボン酸エチル 50 ml の三頸フラスコにアルミナカラム(メルク社製、
Aluminium Oxide 90を充填したもの)を通した乾燥ジク
ロロメタン 10 mlを入れ、テトラキス(トリフェニルア
セタト)ジロジウム([Rh[OOCC(C6H5)3]2]2 )、 16.9 mg
を加え、均一に溶解した後、粉末モレキュラーシーブス
4A、 370 mgを加えた。反応容器をドライアイス−アセ
トン浴に浸し、ビニルフルオライド 576 mg を溶解し
た。反応液の温度を零下35℃から零下40℃に保ちなが
ら、アルゴンガス雰囲気下にジアゾ酢酸エチル 2.5 mmo
l の乾燥ジクロロメタン溶液 5.3 mlを滴下した。この
際、最初の半量を15分、残りの半量は30分をかけて滴下
した。滴下終了後、反応液をゆっくり室温に戻した。ガ
スクロマトグラフィによって分析した結果、反応転化率
は 100%、収率91%、シス:トランス=1.1:1.0 であること
が判明した。
【0105】[実施例11] 2-フルオロ-1- シクロプ
ロパンカルボン酸エチル 50 ml の三頸フラスコにアルミナカラム(メルク社製、
Aluminium Oxide 90を充填したもの)を通した乾燥ジク
ロロメタン 9.0 ml を入れ、粉末モレキュラーシーブス
4A、 370 mgを加えた。反応容器をドライアイス−アセ
トン浴に浸し、ビニルフルオライド 576 mg を溶解し
た。ここにテトラキス(トリフェニルアセタト)ジロジ
ウム([Rh[OOCC(C6H5)3]2]2 )、 1.69 mgを乾燥ジクロロ
メタン 1 ml に溶解した溶液を加えた。反応液の温度を
零下35℃から零下40℃に保ちながら、アルゴンガス雰囲
気下にジアゾ酢酸エチル 2.5 mmol の乾燥ジクロロメタ
ン溶液 5.3 ml を滴下した。この際、最初の半量を120
分、残りの半量は 300分をかけて滴下した。滴下終了
後、反応液をゆっくり室温に戻した。ガスクロマトグラ
フィによって分析した結果、反応転化率は 100%、収率90
%、シス:トランス=1.1:1.0 であることが判明した。
【0106】[参考例4] 2-クロロ-2- フルオロ-1-
シクロプロパンカルボン酸エチル 50 ml の三頸フラスコにアルミナカラム(メルク社製、
Aluminium Oxide 90を充填したもの)を通した乾燥ジク
ロロメタン 9.0 ml を入れ、粉末モレキュラーシーブス
4A、 370 mgを加えた。反応容器をドライアイス−アセ
トン浴に浸し、1-クロロ-1- フルオロエチレン 10.06 g
を溶解した。ここにテトラキス(トリフェニルアセタ
ト)ジロジウム([Rh[OOCC(C6H5)3]2]2 )、 0.68 mgを乾
燥ジクロロメタン 1 ml に溶解した溶液を加えた。反応
液の温度を零下15℃に保ちながら、アルゴンガス雰囲気
下にジアゾ酢酸エチル 2.5 mmolの乾燥ジクロロメタン
溶液5.3 ml を50分で滴下した。滴下終了後、反応液を
ゆっくり室温に戻し、約1時間攪拌した後ガスクロマト
グラフィによって分析した。その結果、反応転化率は10
0%、収率86%、シス:トランス=1.59:1.0であることが判
明した。
【0107】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年8月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた活性と安全性を
備えるニューキノロン誘導体の製造中間体として有用な
化合物の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】合成抗菌薬として優れた特性を有するニ
ューキノロン系の合成抗菌薬の中で、1,2−シス−2
−フルオロシクロプロピル基を1位の置換基として有す
るキノロン誘導体は強い抗菌活性と高い安全性を兼ね備
えており、優れた合成抗菌薬として期待されている(特
開平2−231475号公報参照)。
【0003】1位に1,2−シス−2−フルオロシクロ
プロピル基を置換基として有するキノロン誘導体の合成
原料としては2−フルオロシクロプロパンカルボン酸、
とりわけ1,2−シス−2−フルオロシクロプロパンカ
ルボン酸が重要である。従来、この2−フルオロシクロ
プロパンカルボン酸の合成原料である該カルボン酸エス
テルはブタジェンを原料とする4工程の反応で合成した
後、蒸留によって分離精製して得ていた。
【0004】
【化1】
【0005】また、ビニルハロゲナイド類とジアゾ酢酸
エチルとをロジウムピパレートの存在下に反応させ、1
工程で2−クロロ−または2−ブロモシクロプロパンカ
ルボン酸誘導体を得る方法も知られている(Journ
al of Organometallic Chem
istry,262(1984),85−88)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の2−フルオロシ
クロプロパンカルボン酸誘導体の合成法においては、そ
の工程にトリアルキルスズヒドリド、例えばトリブチル
スズヒドリドを使用する工程があった。しかし、このト
リアルキルスズヒドリドは毒性や価格の点で工業的には
利用することが困難である。
【0007】そこで本発明者は、2−フルオロシクロプ
ロパンカルボン酸誘導体を簡便に得る製造法を見い出す
べく鋭意研究を行った。その結果、金属触媒存在下にビ
ニルフルオライドとジアゾ酢酸誘導体を反応させること
によって1工程で目的の2−フルオロシクロプロパンカ
ルボン酸誘導体が高収率で合成できることを見いだし、
さらに、この反応が使用する金属触媒やジアゾ酢酸誘導
体に応じて立体選択的に進行して1,2−シス−2−フ
ルオロシクロプロパンカルボン酸誘導体が選択的に生成
することを見いだし本発明を完成した。
【0008】
【発明の構成】即ち本発明は、8族の金属原子、モリブ
デン、銅および鉄からなる群から選ばれる金属原子と、
カルボン酸系、アミド系、ハロゲン系、ホスフィン系、
および一酸化炭素からなる群から選ばれる1種以上の配
位子とから構成される触媒の存在下にビニルフルオライ
ドと次式 NCHCOR (式中、Rは ハロゲン原子もしくは炭素数が1から6のアルキルオ
キシ基を有することもある炭素数が1から6のアルキル
オキシ基、 ハロゲン原子、炭素数が1から6のアルキル基、炭素
数が1から6のハロゲノアルキル基、炭素数が1から6
のアルキルオキシ基、カルバモイル基、シアノ基もしく
はアミノ基を有することもある芳香環と、炭素数が1か
ら6のアルキレン基、そして酸素原子とから構成される
アラルキルオキシ基、 ハロゲン原子を有することもある炭素数が1から6の
アルキルチオ基、 ハロゲン原子、炭素数が1から6のアルキル基、炭素
数が1から6のハロゲノアルキル基、炭素数が1から6
のアルキルオキシ基、カルバモイル基、シアノ基もしく
はアミノ基を有することもある芳香環と、炭素数が1か
ら6のアルキレン基、そして硫黄原子とから構成される
アラルキルチオ基、 ハロゲン原子、炭素数が1から6のアルキル基、炭素
数が1から6のハロゲノアルキル基、炭素数が1から6
のアルキルオキシ基、カルバモイル基、シアノ基もしく
はアミノ基を有することもある芳香環を有するアリール
オキシ基、 アミノ基、 炭素数が1から6のアルキル基を有するモノまたはジ
アルキルアミノ基、 ハロゲン原子、炭素数が1から6のアルキル基、炭素
数が1から6のハロゲノアルキル基、炭素数が1から6
のアルキルオキシ基、カルバモイル基、シアノ基もしく
はアミノ基を有することもあるフェニル基を1または2
有するフェニル置換アミノ基、または、 ハロゲン原子、炭素数が1から6のアルキル基、炭素
数が1から6のハロゲノアルキル基、炭素数が1から6
のアルキルオキシ基、カルバモイル基、シアノ基もしく
はアミノ基を有することもある芳香環と、炭素数が1か
ら6のアルキレン基とから構成されるアラルキル基を1
または2有するアラルキル置換アミノ基、を意味す
る。)で表わされるジアゾ酢酸誘導体を反応させること
を特徴とする2−フルオロシクロプロパンカルボン酸誘
導体の製法に関する。
【0009】そして触媒の金属原子がコバルト、ロジウ
ム、イリジウム、ルテニウム、パラジウム、モリブデ
ン、銅または鉄である上記の製法に関する。
【0010】また、触媒の金属原子がロジウムである上
記の製法に関する。
【0011】さらに、触媒の配位子のうちカルボン酸系
の配位子が脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸または
アラルキルカルボン酸残基である上記の製法に関する。
【0012】そして、カルボン酸系の配位子がギ酸、酢
酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草
酸、ピバル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、フェニル酢酸、ジフェニル酢酸、ト
リフェニル酢酸、フェニルプロピオン酸、ジフェニルプ
ロピオン酸、トリフェニルメチル酢酸、安息香酸、ヒド
ロキシ安息香酸、トリフルオロメチル安息香酸、メチル
安息香酸、ジメチル安息香酸、トリメチル安息香酸、フ
ルオロ安息香酸、ジフルオロ安息香酸、トリフルオロ安
息香酸、ペンタフルオロ安息香酸、ベンゾイル安息香
酸、ナフトエ酸、α−メトキシ−α−トリフルオロメチ
ルフェニル酢酸、2−フェニルプロピオン酸、2−フェ
ニル酪酸、3−フェニル乳酸、2−クロロ−3−フェニ
ルプロピオン酸、メントキシ酢酸、カンファニックアシ
ッド、テトラヒドロ−5−オキソ−2−フランカルボン
酸、2−メチル酪酸または2−クロロ酪酸残基である上
記の製法に関する。
【0013】また、触媒の配位子のうちアミド系の配位
子がギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草
酸、イソ吉草酸、ピバル酸、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、フェニル酢酸、ジフ
ェニル酢酸、トリフェニル酢酸、フェニルプロピオン
酸、ジフェニルプロピオン酸、トリフェニルメチル酢
酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、トリフルオロメチ
ル安息香酸、メチル安息香酸、ジメチル安息香酸、トリ
メチル安息香酸、フルオロ安息香酸、ジフルオロ安息香
酸、トリフルオロ安息香酸、ベンタフルオロ安息香酸、
ベンゾイル安息香酸、ナフトエ酸、α−メトキシ−α−
トリフルオロメチルフェニル酢酸、2−フェニル酪酸、
3−フェニル乳酸、2−クロロ−3−フェニルプロピオ
ン酸、メントキシ酢酸、カンファニックアシッド、テト
ラヒドロ−5−オキソ−2−フランカルボン酸、2−メ
チル酪酸または2−クロロ酪酸から導かれたアミドまた
はピログルタミン酸エステルである上記の製法に関す
る。
【0014】また、触媒の配位子のうちホスフィン系の
配位子がトリフェニルホスフィン類、炭素数1から6の
アルキル基を有するトリアルキルホスフィン類または炭
素数1から6のアルキル基を有するトリアルコキシホス
フィン類である上記の製法に関する。
【0015】そして、触媒がロジウムピバレート([R
h[OOCC(CH)、ロジウムベンゾ
イルベンゾェート([Rh[OOC(C)COC
)およびロジウムトリフェニルアセテー
ト([Rh[OOCC(C)からな
る触媒の群から選ばれた触媒である上記の製法に関す
る。
【0016】本発明の詳細について以下に説明する。
【0017】本発明の製法の一方の原料であるジアゾ酢
酸誘導体としては、エステル類、アミド類あるいはチオ
エステル類を例示することができる。
【0018】このうちエステル類としては、例えばアル
キルエステル類、アラルキルエステル類そして芳香族エ
ステル類を挙げることができる。
【0019】そしてアルキルエステル類としては、炭素
数1から6のアルキルエステル類、例えば、メチルエス
テル、エチルエステル、ノルマルプロピルやイソプロピ
ル等のプロピルエステル類、ノルマルブチル、イソブチ
ル、第2級ブチルまたは第3級ブチル等のブチルエステ
ル類、その他にペンチルエステル類、ヘキシルエステル
類を例示することができる。さらにアルキルエステルの
他には、例えば光学活性なエステルとして1−メンチル
エステル等を挙げることができる。
【0020】またアラルキルエステル類としては、アリ
ール基と、炭素数が1から6のアルキレン基とから構成
されるアラルキル基からなるアラルキルエステルを挙げ
ることができる。このアリール基は、ハロゲン原子、炭
素数が1から6のアルキル基、炭素数が1から6のハロ
ゲノアルキル基、炭素数が1から6のアルキルオキシ
基、カルバモイル基、シアノ基、水酸基、ニトロ基、シ
アノ基およびアミノ基からなる置換基群から選ばれる複
数個、複数種の置換基で置換されていてもよい。そして
アラルキル基のアリール基としてはフェニル基やナフチ
ル基を挙げることができる。アラルキル基の代表的なも
のとしてベンジル基を挙げることができるがこのベンジ
ル基はさらに上記の如き置換基によって置換されていて
もよい。
【0021】一方、芳香族エステルとしてはフェニルエ
ステルやナフチルエステルを挙げることができるが、こ
れらの芳香環はハロゲン原子、炭素数が1から6のアル
キル基、炭素数が1から6のハロゲノアルキル基、炭素
数が1から6のアルキルオキシ基、カルバモイル基、シ
アノ基、水酸基、ニトロ基、シアノ基およびアミノ基か
らなる置換基群から選ばれる複数個、複数種の置換基で
置換されていてもよい。
【0022】ジアゾ酢酸誘導体がアミド誘導体であると
きは、その窒素原子が置換基を有することがあってもよ
く、例えばアルキル基、アラルキル基、芳香族置換基
類、アシル基等が1または2置換していてもよい。
【0023】この場合、アルキル基としては炭素数1か
ら6の例えば、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル
基やイソプロピル基、シクロプロピル基等のプロピル基
類、ノルマルプチル基、イソブチル基、第2級ブチル基
または第3級ブチル基等のブチル基類、その他にベンチ
ル基類、ヘキシル基類等を例示することができる。
【0024】またアラルキル基としては、アリール基
と、炭素数が1から6のアルキレン基とから構成される
アラルキル基を挙げることができる。このアリール基
は、ハロゲン原子、炭素数が1から6のアルキル基、炭
素数が1から6のハロゲノアルキル基、炭素数が1から
6のアルキルオキシ基、カルバモイル基、シアノ基、水
酸基、ニトロ基、シアノ基およびアミノ基からなる置換
基群から選ばれる複数個、複数種の置換基で置換されて
いてもよい。そしてアラルキル基のアリール基としては
フェニル基やナフチル基を挙げることができる。アラル
キル基の代表的なものとしてベンジル基を挙げることが
できるがこのベンジル基はさらに上記の如き置換基によ
って置換されていてもよい。
【0025】芳香族基としてはフェニル基やナフチル基
を挙げることができるが、これらの芳香環はハロゲン原
子、炭素数が1から6のアルキル基、炭素数が1から6
のハロゲノアルキル基、炭素数が1から6のアルキルオ
キシ基、カルバモイル基、シアノ基、水酸基、ニトロ
基、シアノ基およびアミノ基からなる置換基群から選ば
れる複数個、複数種の置換基で置換されていてもよい。
【0026】アシル基としては脂肪族または芳香族アシ
ル基でよく各種の置換アセチル基類や各種置換ベンゾイ
ル基類等である。
【0027】さて、本発明の製法に使用できる触媒類
は、単独もしくは組み合わせからなる有機あるいは無機
の配位子及び金属原子とから構成されるが、これについ
て以下に説明する。
【0028】先ず金属原子であるが、8族の遷移金属
類、モリブデン、銅、ニッケルあるいは鉄が好ましい。
8族の遷移金属としては、ロジウム(Rh)、パラジウ
ム(Pd)、コバルト(Co)そしてルテニウム(R
u)等を挙げることができる。これらの金属原子の原子
価は、触媒を構成したときに2価の状態となっている金
属を通常使用する。しかし、銅の様に1価の状態となっ
ているものを用いるもこともある。
【0029】次にこの金属原子に配位する配位子である
が、大別してカルボン酸系、アミド系、ハロゲン系、ホ
スフィン系、オキシム系、スルホン酸系、1,3−ジケ
トン系、シッフ塩基系、そして一酸化炭素(CO)等が
ある。
【0030】カルボン酸系の配位子の例としてはギ酸、
脂肪族カルボン酸類、芳香族カルボン酸類、アラルキル
カルボン酸類の残基を挙げることができる。
【0031】脂肪族カルボン酸としては、酢酸、プロピ
オン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、2−メチル酪酸または2−クロロ酪酸等であ
り、モノカルボン酸だけでなく、ポリカルボン酸でもよ
い。また直鎖状だけでなく、分枝状、環状構造であって
もよい。また、芳香族カルボン酸としては、例えば、安
息香酸を挙げることができるが、この芳香環は更にアル
キル基や水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基そ
してアルキルオキシ基,アシル基等で置換されていても
よい。芳香族カルボン酸の例として安息香酸、ヒドロキ
シ安息香酸、トリフルオロメチル安息香酸、メチル安息
香酸、ジメチル安息香酸、トリメチル安息香酸、フルオ
ロ安息香酸、ジフルオロ安息香酸、トリフルオロ安息香
酸、ペンタフルオロ安息香酸、ベンゾイル安息香酸、ナ
フトエ酸を挙げることができる。
【0032】アラルキルカルボン酸は、そのアルキル鎖
の炭素数は1から6程度のものであり、もう一方の構成
成分であるアリール基は、ハロゲン原子、炭素数が1か
ら6のアルキル基、炭素数が1から6のハロゲノアルキ
ル基、炭素数が1から6のアルキルオキシ基、カルバモ
イル基、シアノ基、水酸基、ニトロ基、シアノ基および
アミノ基からなる置換基群から選ばれる複数個、複数種
の置換基で置換されていてもよい。
【0033】アリール基(芳香属置換基)がアルキル鎖
の末端の炭素原子上に置換しているとき、アリール基の
数は1から3までのいずれでもよい。一方、アリール基
の結合する位置は特にアルキル鎖の末端の炭素原子でな
くともよく、例えばアルキル鎖内の隣接した複数の炭素
原子に置換した形式でもよい。
【0034】アラルキルカルボン酸の例としては、フェ
ニル酢酸、ジフェニル酢酸、トリフェニル酢酸、フェニ
ルプロピオン酸、ジフェニルプロピオン酸、トリフェニ
ルメチル酢酸、α−メトキシ−α−トリフルオロメチル
フェニル酢酸、2−フェニルプロピオン酸、2−フェニ
ル酪酸、3−フェニル乳酸、2−クロロ−3−フェニル
プロピオン酸等を挙げることができる。
【0035】これ以外のカルボン酸として例えば、メン
トキシ酢酸、カンファニックアシッド、テトラヒドロ−
5−オキソ−2−フランカルボン酸等を挙げることがで
きる。
【0036】アミド系の配位子としては脂肪族アミド
類、芳香族アミド類、アラルキルカルボン酸アミド類な
どである。この各種のアミド類のカルボン酸部分は上で
述べたカルボン酸でよい。また、これ以外のアミド系配
位子として例えば、ピログルタミン酸エステル類を挙げ
ることができる。
【0037】カルボン酸は不斉炭素を含む光学活性なも
のでもよい。例えば、(S)−(−)−α−メトキシ−
α−トリフルオロメチルフェニル酢酸、(S)−(+)
−2−フェニルプロピオン酸、(S)−2−フェニル酪
酸、L−(−)−3−フェニル乳酸、(S)−(+)−
2−クロロ−3−フェニルプロピオン酸、(−)−メン
トキシ酢酸、(S)−(−)−1−カンフェン酸,
(S)−(+)−テトラヒドロ−5−オキソ−2−フラ
ンカルボン酸、(R)−2−メチル酪酸あるいは(S)
−2−クロロ酪酸等がその例である。また、各種のα−
アミノ酸類も使用することができ、具体的にはN−トシ
ルプロリン等のN−置換プロリン類を例示することがで
きる。
【0038】ホスフィン系の配位子としては、トリアル
キルホスフィン類、トリアルコキシホスフィン類そして
トリフェニルホスフィン類を例示することができる。ト
リアルキルホスフィン類、トリアルコキシホスフィン類
においてはそのアルキル基は炭素数1から6までのもの
でよく、通常は同一のアルキル基が置換したものを使用
するが同一でなくともよい。トリフェニルホスフィン類
にあってはこのフェニル基はアルキル基や水酸基、ハロ
ゲン原子、ニトロ基、シアノ基そしてアルキルオキシ基
等で置換されていてもよい。
【0039】一方、触媒中はアセトニトリル等の溶媒等
を配位子として含んでもよいし、例えばフェニルアセト
ニトリルを含む場合もある。またイミン構造を有する化
合物が配位子となる場合もあるが、この場合には複素環
化合物の構造の一部としてのイミン構造を含む場合もあ
る。さらに配位子として複素環化合物からなる配位子で
もよく例えば、ポルフィン類等がその例である。
【0040】上記の配位子が金属原子に配位して触媒を
構成する際には、一種類の配位子のみが配位して触媒を
構成してもよく、また複数種の配位子が金属原子に配位
して触媒を構成してもよい。
【0041】配位子と金属原子との組み合わせで構成さ
れる触媒の例を次に示す。例えば、金属原子として2価
のロジウムを含むものとして、次の一般式のカルボン酸
系の配位子を含むものがある。
【0042】[Rh(OOCR)[ (式中、Rは各々独立に水素原子または炭素数30迄
のハロゲン原子で置換されていてもよい直鎖状、分枝
状、もしくは環状のアルキル基、あるいは炭素数1から
6のアルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、
水酸基、アミノ基、カルバモイル基、アシル基もしくは
炭素数1から6のアキルオキシ基を有していてもよいフ
ェニル基、あるいは芳香環が炭素数1から6のアルキル
基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、アミ
ノ基、カルバモイル基、アシル基もしくは炭素数1から
6のアルコキシル基を有していてもよく、アルキル鎖が
炭素数1から6のモノ、ジ、トリ、ビス、もしくはトリ
ス−アリール−アルキル基を表す。)具体的には次の化
合物を例示することができる。
【0043】[Rh(OOCH)、[Rh(OO
CCH、[Rh(OOCC
[Rh(OOCC、[Rh(OOCCH
(CH、[Rh(OOCC
[Rh[OOCC(CH、[Rh[OO
CC13、[Rh(OOCC1735
、[Rh(OOCCF、[Rh(OO
CCHCCl、[Rh[COCCH
、[Rh[OOCCHCH
、[Rh[OOCC(C
[Rh(OOCC、[Rh[OOC(C
)CO(C)]
【0044】さらに、アミド系の配位子を有する触媒と
しては次のものを例示することができる。
【0045】 Rh(OOCR(RNCOR (式中、R、RおよびRは各々独立に水素原子ま
たは炭素数30迄のハロゲン原子で置換されていてもよ
い直鎖状、分枝状、もしくは環状のアルキル基、あるい
は炭素数1から6のアルキル基、ハロゲン原子、ニトロ
基、シアノ基、水酸基、アミノ基、カルバモイル基、ア
シル基もしくは炭素数1から6のアキルオキシ基を有し
ていてもよいフェニル基、あるいは芳香環が炭素数1か
ら6のアルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ
基、水酸基、アミノ基、カルバモイル基、アシル基もし
くは炭素数1から6のアルコキシル基を有していてもよ
く、アルキル鎖が炭素数1から6のモノ、ジ、トリ、ビ
ス、もしくはトリス−アリール−アルキル基を表し、m
とnは各々0から4までの整数で、m+n=4であ
る。)さらにアミド系の配位子を有する触媒として次の
構造のものを例示することができる。
【0046】
【化2】
【0047】また、上記に例示したもの以外のロジウム
を含む触媒としては以下のハロゲン系、アミド系、ホス
フィン系そして一酸化炭素系のものがある。
【0048】RhCl,RhCl(P(C
、Rh(CO)16
【0049】また、ロジウム以外の金属を含む触媒とし
ては、銅、パラジウム、マンガン、ルテニウム、コバル
トを含む次のものを例示することができる。
【0050】
【化3】
【0051】CuOSOCF、Cu(OSOCF
、カッパーブロンズ、CuCl・P[OCH(C
、Cu(acac),Pd(OOCCH
,PdCl・2(CCN)、Pd[P
(C、Mo(OOCCH、Ru
(OOCCHCl、(acacはアセチルアセ
トナトを意味する。)
【0052】金属原子として鉄を含む触媒の例として、
ポルフィリンを配位子とする触媒を挙げることができる
が、このように配位子として複素環化合物を有する触媒
も本発明の方法に使用できる。
【0053】上記の触媒は既に知られている方法によっ
て調製できる。
【0054】本発明の方法は具体的には次の様に実施す
ればよい。
【0055】反応にはまずジアゾ酢酸誘導体を調製す
る。例えばジアゾ酢酸エステルの場合はアミノ酢酸エス
テルから調製すればよく、これは通常の知られた方法に
よって実施すればよい。またジアゾ酢酸アミド類の場合
もこれと同様にして実施すればよい。
【0056】ビニルフルオライド(CH=CHF)と
の反応は次の要領で実施すればよい。即ち、ビニルフル
オライドは低沸点物質であるので、反応を例えば室温あ
るいは加温状態で行うにはオートクレーブ等の密封容器
を使用して実施すればよく、一方冷却下に実施するので
あれば密封容器を使用しなくともよい。密封容器を使用
しないときには、液体窒素等を充填したコンデンサーを
使用してもよい。ビニルフルオライドは冷却下に有機溶
媒に導いて溶解させ、必要量を採取することができる。
オートクレーブを使用する場合にはビニルフルオライド
はガスを加圧下に直接容器内に導入すればよい。
【0057】反応を密封容器を使用して実施するとき
は、例えば、容器内に先ずジアゾ酢酸エステルの溶液を
入れて次にビニルフルオライドを溶解させた溶液を加
え、そして触媒を加えた後に容器を密封し、必要に応じ
て加温して反応させる。
【0058】一方、本発明の方法はビニルフルオライド
の溶液に触媒を加えた混合物中に、ジアゾ酢酸誘導体の
溶液を冷却下に少量ずつ加えて行く方法によって実施す
ると生成物の収率が向上することを本発明者らは見いだ
した。すなわち、本反応はむしろ冷却下で反応を行う方
がより収率よく目的物が得られることが判明した。しか
もこの場合、反応は比較的短時間に終了することも明ら
かとなった。この方法で反応を実施するには密封容器を
使用しなくともよく、また冷却温度もおよそ−40℃以
下であればビニルフルオライドが揮散することもない。
【0059】更に、触媒を溶媒に加えた混合物を冷却し
ておき、ここにビニルフルオライドガスを導入しながら
同時にジアゾ酢酸誘導体の溶液を加える方法でも本発明
の製法は実施できる。
【0060】反応に使用できる溶媒は反応に不活性であ
れば特に限定されない。通常は非極性溶媒が好ましく、
例えば脂肪族炭化水素類や、ハロゲン化炭化水素類等が
よい。具体的にはノルマルヘキサンやシクロヘキサン、
ジクロロメタンや1,2−ジクロロエタン等である。こ
れらのうちでもジクロロメタンを使用するのが最も一般
的である。この他にエーテル類でよい場合もある。
【0061】反応の際に使用する触媒の量はいわゆる触
媒量でよいが、目安としてはジアゾ酢酸エステルのモル
数に対しておよそ10%以下のモル数程度でよく、さら
に好ましくは0.05から1%のモル数の範囲の量でよ
い。
【0062】反応温度は約零下100℃から約100℃
の範囲でよいが、好ましくは約零下50℃から約50℃
の範囲である。
【0063】反応時間はおよそ30分からおよそ48時
間の範囲で実施すれば十分であるが、通常はおよそ1時
間から24時間での範囲で実施すればよい。
【0064】生成する1,2−シス−2−フルオロシク
ロプロパンカルボン酸誘導体の立体異性について述べ
る。2−フルオロシクロプロパンカルボン酸誘導体は、
フッ素原子とカルボキシル基がシス配置のものとトラン
ス配置のものが存在する。従来技術におけるビニルハロ
ゲナイドとジアゾ酢酸誘導体とのロジウム触媒存在下の
ハロゲノシクロプロパン化合物の生成反応であるが、例
えばビニルブロマイドとの反応では生成するブロモシク
ロプロパンカルボン酸エチルはシス体とトランス体のほ
ぼ等量の混合物となり、反応に立体選択性は認められな
いことが発明者の追試によって明らかとなった。しか
し、本発明者らがロジウムピバレート触媒存在下にビニ
ルフルオライドとジアゾ酢酸誘導体との反応を実施した
ところ、シス体のフルオロシクロプロパンカルボン酸エ
ステルが選択的に生成した。
【0065】本発明者らが研究した結果、シス体とトラ
ンス体の生成比率は使用する触媒によっても変化するこ
とが判明した。例えば、触媒として[Rh[OOCC
(CHを使用する方がPd(OOCCH
を使用するよりもシス体が生成する割合が大きい
ことが判明した。
【0066】またシス体とトランス体の生成比率は、使
用するジアゾ酢酸誘導体によっても変化することが判明
した。すなわち、ロジウムトリフェニルアセテート
([Rh[OOCC(C)存在下に
ジアゾ酢酸第三級ブチルエステルをビニルフルオライド
と反応させると、シス体の生成比が大きいことが判明し
た。
【0067】本発明の方法では触媒としてロジウムオル
トベンゾイルベンゾエートを触媒として、ビニルフルオ
ライドの塩化メチレン溶液に零下40度の反応温度でジ
アゾ酢酸エステル溶液を滴下する方法を実施すると目的
とするフルオロシクロプロパンカルボン酸エステルがほ
ぼ定量的な収率で得られる。更にロジウムトリフェニル
アセテート([Rh[OOCC(C
)存在下にビニルフルオライドの塩
化メチレン溶液に零下40度の反応温度でジアゾ酢酸第
三級ブチルエステル溶液を滴下する方法を用いれば、フ
ルオロシクロプロパンカルボン酸エステルがほぼ定量的
な収率で得られしかもシス体の生成比が大きい。
【0068】生成した2−フルオロシクロプロパンカル
ボン酸誘導体のシス体とトランス体は、例えば蒸留やク
ロマトグラフィー等の通常使用される方法を使用すれば
分離することができる。
【0069】次に本発明を実施例を挙げてより詳細に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0070】
【実施例】 [実施例1] シス−2−フルオロシクロプロパン−1
−カルボン酸エチル
【0071】1) グリシンエチルエステル塩酸塩1.
75gを水3.1mlとジクロロメタン7.5mlの混
液に加え、窒素気流下零下5℃で攪拌した。これに氷冷
下、亜硝酸ナトリウム1.04gの水3.1mlに溶解
した溶液を滴下した。内温を零下9℃に下げ、5%硫酸
1.04gを約3分間で滴下し、滴下終了後10分間攪
拌した。反応混合物を氷冷した分液ロートに移し、ジク
ロロメタン層を氷冷した5%炭酸ナトリウム水溶液1
2.5mlに注ぎ、残った水層をジクロロメタン7.5
mlで抽出後、ジクロロメタン層と炭酸ナトリウム溶液
を共に分液ロートに移し、酸がなくなるまで振り混ぜ
た。ジクロロメタン層を分取し無水硫酸ナトリウムで乾
燥し濾過後、約10mmolのジアゾ酢酸エチルエステ
ル溶液を得た。
【0072】2) ジクロロメタン10mlを二頸フラ
スコに入れ、約零下60℃に冷却した。これにビニルフ
ルオライド(ガス)を通じて2.4gを溶解させた。
【0073】3) オートクレイブ(容積100ml)
を約零下60℃に冷却し、上記1)および2)で調製し
た溶液を入れ、これにロジウムピバレート([Rh[O
OCC(CH)50mgを加え、密閉後
室温で一晩撹拌した(内圧の上昇が観察された。)。反
応混合物をシリカゲルカラムクロマト(シリカゲル15
g,ジクロロメタン80mlで溶出。)で処理した後、
常圧、45℃で約10mlまで濃縮した。次いで、濃縮
物の減圧蒸留を行ったところ、ジクロロメタンと共に生
成物が留出し、この留分のガスクロマトグラフィーによ
る分析、H−NMRの測定を実施した。
【0074】ガスクロマトグラフィー分析条件; 使用機器:SIMAZU GC−14APF 使用カラム:OV−17 カラム温度:50℃(5分)から100℃に毎分2℃の
割合で昇温 検出器:FID 注入温度:150℃ 記録速度:毎分5cm
【0075】分析結果; 保持時間、トランス体:4.8分 保持時間、シス体:11.9分 シス体:トランス体=96:4
【0076】H−NMR400MHz(CDCl
δ:1.10−1.19(1H,m),1.29(3
H,t,J=7.3Hz),1.73−1.86(2
H,m),4.20(2H,q,J=7.3Hz),
4.73(1H,dddd,J=64.9,3.9,
2.4,3.9Hz),5.35(s,CHCl) プロトンの積分比から換算すると、 ジクロロメタン:シス体化合物=4:1であった。
【0077】即ち、蒸留物の重量が1.21gであった
ので換算すると、生成物はおよそ339mg含まれてい
たこととなる。収率はジアゾ酢酸エチルから算出して2
5.6%となった。
【0078】[施例2] シス−2−フルオロシクロプ
ロパン−1−カルボン酸エチル
【0079】1) 実施例1における1)と同量の試
薬、同様の操作を行って、ジアゾ酢酸エチルのジクロロ
メタン溶液を調製した。
【0080】2) −60℃でジクロロメタン10ml
にビニルフルオライド約10gを溶解させた。
【0081】3) オートクレイブを−60℃に冷却
し、この中に上記の1)および2)で調製した各々の溶
液を入れ、酢酸パラジウム(II)(Pd(OOCCH
)44.9mgを加えた後、50℃で3時間、更
に室温で14.5時間、そして80℃で2.5時間撹拌
した。冷却後、反応混合物をシリカゲルカラムクロマト
(シリカゲル15g,ジクロロメタン80mlで溶
出。)で処理した後、常圧、45℃で濃縮した。これを
ガスクロマトグラフィーで分析したところシス体とトラ
ンス体の比は2:1であった。この比はH−NMR
(400MHz)に於けるプロトンの積分比からも確認
した。
【0082】[参考例1] ロジウム(II)ピバレー
ト・ダイマー(テトラキス(ピバレート)ジロジウム
(II))
【0083】
【化4】
【0084】塩化ロジウム(II)・3水和物1.0
g、ピバル酸10ml,ピバル酸ナトリウム・1水和物
2.0gを、脱気した無水エタノール50ml中、窒素
気流下に1時間加熱還流した。反応液は橙色から深緑色
に変化した。反応液を放冷後、溶媒を減圧留去して残留
物をジクロロメタンに溶解し、5%炭酸水素ナトリウム
水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ジク
ロロメタンを減圧留去し、残留物を減圧乾燥すると深緑
色の固体が得られ、これをメタノールで再結晶し、結晶
を濾取後、40℃で8時間減圧乾燥し、光沢を帯びた緑
色の錯体1.58gを得た。
【0085】[参考例2] テトラキス(2−ベンゾイ
ルベンゾエート)ジロジウム(II) 塩化ロジウム(II)・3水和物500mgを95%エ
タノール70mlに溶解しこれにオルトベンゾイル安息
香酸2.149gと炭酸水素ナトリウム630mgを加
え窒素ガス気流下に2時間加熱還流した後、反応液を一
晩撹拌した。反応液をろ過して不溶物を除去し、濾取さ
れた不溶物をエタノール10mlにて洗浄後、洗液と濾
液を合わせた後、溶媒を減圧留去した。残留物を無水エ
ーテル100mlに溶解し、不溶物を除いて、不要物を
エーテル20mlにて洗浄し、洗液と濾液を合した後、
無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。エーテルを減圧留去
し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにて(シリ
カゲル:20g、溶出溶媒:ジクロロメタン、ジクロロ
メタン:エーテル=9:1)精製し、目的物の画分を濃
縮後、残留物を60℃で一晩減圧乾燥し青緑色粉末の標
記の錯体136gを得た。
【0086】[参考例3] テトラキス(トリフェニル
プロピオネート)ジロジゥム(II) 塩化ロジウム(II)・3水和物600mgを95%エ
タノール90mlに溶解しこれに3,3,3−トリフェ
ニルプロピオン酸3.44gと炭酸水素ナトリウム76
5mgを加え、窒素ガス気流下で2時間加熱還流した
後、反応液を室温で一晩撹拌した。反応液をろ過して不
溶物を除き、濾取された不溶物をジクロロメタン50m
lで洗浄して、洗液と濾液を合して溶媒を減圧留去し
た。残留物をジクロロメタン100mlに溶解し、不溶
物を濾去して濾取された不溶物をジクロロメタン10m
lで洗浄し、濾液と洗液を合して無水硫酸ナトリウムで
乾燥した。ジクロロメタンを減圧留去後、残留物をシリ
カゲルクロマトグラフィーにて(シリカゲル:30g、
溶出溶媒:ノルマルヘキサン:ジクロロメタン=1:
1)精製し、目的物の画分を集めた後溶媒を減圧留去
し、残留物を60℃で一晩減圧乾燥して青緑色粉末状の
標記の錯体2.19gを得た。
【0087】[実施例3] シス−2−フルオロシクロ
プロパン−1−カルボン酸エチル オートクレーブを約零下60℃に冷却した後、ジアゾ酢
酸エチル(5mmole相当)を含むジクロロメタン溶
液20mlを入れ、次いで10mlのジクロロメタンに
ビニルフルオライド約7gを溶解した溶液を入れ、そし
て銅(II)アセチルアセトナト26mgを加えて容器
を密閉して室温で一晩撹拌した。
【0088】反応液をガスクロマトグラフィーにて分析
したところ、2−フルオロシクロプロパンカルボン酸エ
チルエステルが19%の生成率で生成し、シス体とトラ
ンス体の生成比は1:2であった。反応液を処理した後
の生成物のH−NMR(400MHz)でのプロトン
比もこの比率を支持した。
【0089】また、触媒としてCu(OSOCF
を用い上記と同様に反応させてところ収率38%、シ
ス体とトランス体の生成比1:3.5で標記の化合物が
得られた。さらにCu(OSOCFを触媒とし
て18−クラウン−6を添加し、ジアゾ酢酸第三級ブチ
ルとの反応によって収率53%、シス体とトランス体の
生成比1:2.6で2−フルオロシクロプロパン−1−
カルボン酸第三級ブチルが得られた。
【0090】[実施例4] シス−2−フルオロシクロ
プロパン−1−カルボン酸エチル オートクレーブを約零下60℃に冷却した後、ジアゾ酢
酸エチル5mmole相当を含むジクロロメタン溶液2
0mlを入れ、次いで10mlのジクロロメタンにビニ
ルフルオライド約5gを溶解した溶液を入れ、テトラキ
ス(2−ベンゾイルベンゾエート)ジロジウム(II)
27.7mgを加え、容器を密閉して室温で一晩撹拌し
た。
【0091】反応液をガスクロマトグラフィーにて分析
したところ、2−フルオロシクロプロパンカルボン酸エ
チルエステルが89%の生成率で生成し、シス体とトラ
ンス体の生成比は1.0−1.3:1であった。反応液
を処理した後の生成物のH−NMR(400MHz)
でのプロトン比もこの比率を支持した。
【0092】[実施例5] シス−2−フルオロシクロ
プロパン−1−カルボン酸エチル 100mlの三頸フラスコにジクロロメタン20ml及
びモレキュラーシーブス4A1.5gを入れ、この溶液
を液温が零下60℃となるように冷却してビニルフルオ
ライドを約10分間通じて約10gを溶解させた。この
溶液に、テトラキス(2−ベンゾイルベンゾエート)ジ
ロジウム(II)27.7mgを加えた。反応液の温度
が零下40℃となるように冷却し、ジアゾ酢酸エチル5
mmole相当をジクロロメタンに溶解してドライアイ
スーアセトンで冷却した溶液を1時間で滴下した。滴下
終了後、反応液をガスクロマトグラフィーにて分析した
ところ、2−フルオロシクロプロパンカルボン酸エチル
エステルが91%の生成率で生成し、シス体とトランス
体の生成比は1.3:1であった。
【0093】[実施例6] シス−2−フルオロシクロ
プロパン−1−カルボン酸エチル 100mlの三頸フラスコにジクロロメタン20ml及
びモレキュラーシーブス4A1.5g及びテトラキス
(2−ベンゾイルベンゾエート)ジロジウム(II)2
7.7mgを加えた。この溶液を液温が零下20℃とな
るように冷却し、ビニルフルオライドを少量ずつ同溶液
に導入しながら、ジアゾ酢酸エチルエステル5mmol
e相当をジクロロメタン10mlに溶解した溶液を1時
間で滴下した。滴下終了後、反応液をガスクロマトグラ
フィーにて分析したところ、2−フルオロシクロプロパ
ンカルボン酸エチルエステルが90%の生成率で生成
し、シス体とトランス体の生成比は1.2:1であっ
た。
【0094】[実施例7] シス−2−フルオロシクロ
プロパン−1−カルボン酸エチル 塩化メチレン20mlを零下70℃に冷却し、ビニルフ
ルオライド(ガス)を通じて10ないし20gを溶解さ
せた。容積100mlのオートクレイブに窒素気流下に
ジアゾ酢酸エチル10mmole相当の塩化メチレン溶
液10mlを加えた。これを零下70℃に冷却し、先に
調製したビニルフルオライド溶液および触媒のロジウム
トリフェニルアセテート([Rh[OOCC(C
)、135.5mgを加え容器を密
閉した。攪拌しながら温度を室温に戻し、一晩攪拌を続
けた(内圧は上昇した。)。オートクレイブを解放し過
剰のビニルフルオライドを除いた後、ガスクロマトグラ
フィーにて定量した。
【0095】シス:トランス=48:52(生成比) 収率(ガスクロマトグラフィによる);シス:28%、
トランス:29%
【0096】[実施例8] シス−2−フルオロシクロ
プロパン−1−カルボン酸エチル 塩化メチレン20mlを零下70℃に冷却し、ビニルフ
ルオライド(ガス)を通じて10ないし20gを溶解さ
せた。ここへモレキュラーシーブス4A粉末3gおよび
ロジウムトリフェニルアセテート([Rh[OOCC
(C)、68mgを加えたのち零下
40℃に昇温した。ジアゾ酢酸エチル10mmole相
当の塩化メチレン溶液20mlを反応液の温度を零下4
0℃に保ちながら1.5時間で滴下した。滴下終了後、
反応の終了をガスクロマトグラフィにて確認後、反応液
を室温に戻し過剰のビニルフルオライドを除いた。モレ
キュラーシーブスを濾去した後、ガスクロマトグラフィ
にて定量した。
【0097】シス:トランス=54:46(生成比) 収率(ガスクロマトグラフィによる);シス:40%,
トランス:34%
【0098】[実施例9] シス−2−フルオロシクロ
プロパン−1−カルボン酸第三級ブチル 100mlの三頸フラスコにジクロロメタン10mlを
加え零下78℃に冷却し、ビニルフルオライド約5gを
溶解させた。同温度にてロジウムトリフェニルアセテー
ト([Rh[OOCC(C)、34
mgを加えた後、ジアゾ酢酸第三級ブチル355mg相
当を含む塩化メチレン溶液10mlを約1分で滴下し
た。零下78℃で10分攪拌後、反応容器を零下45℃
の冷却浴に移し、1時間攪拌した。冷却を止めて反応液
を室温迄上昇させた後減圧乾固した。これは標記の化合
物のシス:トランス=3.4:1の混合物であった。上
記の残留物をシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフ
ィにてノルマルヘキサンと酢酸エチルの混合溶媒(1
0:1)にて溶出し、シス体とトランス体を分離した。
各々のH−NMRスペクトルは下記の通りである。
【0099】シス体:H−NMR90MHz(CDC
)δ:0.9−1.3(2H,m),1.47(9
H,s),1.5−1.9(1H,m),4.2−4.
5(0.5H,m),4.9−5.2(0.5H,m) トランス体:H−NMR 90MHz(CDCl
δ:1.1−1.4(2H,m),1.44(9H,
s),1.6−2.2(1H,m),4.3−4.5
(0.5H,m),5.0−5.2(0.5H,m)
【0100】上記の実施例と同様にして各種の触媒を使
用した反応を実施し、表1及び表2に示す結果を得た。
表1には2−フルオロシクロプロパンカルボン酸エチル
の合成例を示し、表2には2−フルオロシクロプロパン
カルボン酸第三級ブチルの合成例を示した。
【0101】表中の、反応条件の欄の数字は実施例の数
字を意味し、その実施例で使用したのと同様の条件、手
順の反応を行ったことを示す。表1においてo−OHは
ベンゼン環のオルト置換の水酸基を示し、表2において
o−COCは同様にオルト置換のベゾイル基であ
ることを示す。表1の6において記載されている触媒の
配位子は(S)−(−)−α−メトキシ−α−トリフル
オロメチルフェニル酢酸残基である。
【0102】
【表1】
【0103】
【表2】
【0104】[実施例10] 2−フルオロ−1−シク
ロプロパンカルボン酸エチル 50mlの三頸フラスコにアルミナカラム(メルク社
製、AluminiumOxide 90を充填したも
の)を通した乾燥ジクロロメタン10mlを入れ、テト
ラキス(トリフェニルアセタト)ジロジウム([Rh
[OOCC(C),16.9mgを
加え、均一に溶解した後、粉末モレキュラーシーブス4
A、370mgを加えた。反応容器をドライアイス−ア
セトン浴に浸し、ビニルフルオライド576mgを溶解
した。反応液の温度を零下35℃から零下40℃に保ち
ながら、アルゴンガス雰囲気下にジアゾ酢酸エチル2.
5mmolの乾燥ジクロロメタン溶液5.3mlを滴下
した。この際、最初の半量を15分、残りの半量は30
分をかけて滴下した。滴下終了後、反応液をゆっくり室
温に戻した。ガスクロマトグラフィによって分析した結
果、反応転化率は100%、収率91%、シス:トラン
ス=1.1:1.0であることが判明した。
【0105】[実施例11] 2−フルオロ−1−シク
ロプロパンカルボン酸エチル 50mlの三頸フラスコにアルミナカラム(メルク社
製、AluminiumOxide 90を充填したも
の)を通した乾燥ジクロロメタン9.0mlを入れ、粉
末モレキュラーシーブス4A、370mgを加えた。反
応容器をドライアイス−アセトン浴に浸し、ビニルフル
オライド576mgを溶解した。ここにテトラキス(ト
リフェニルアセタト)ジロジウム([Rh[OOCC
(C)))、1.69mgを乾燥ジク
ロロメタン1mlに溶解した溶液を加えた。反応液の温
度を零下35℃から零下40℃に保ちながら、アルゴン
ガス雰囲気下にジアゾ酢酸エチル2.5mmolの乾燥
ジクロロメタン溶液5.3mlを滴下した。この際、最
初の半量を120分、残りの半量は300分をかけて滴
下した。滴下終了後、反応液をゆっくり室温に戻した。
ガスクロマトグラフィによって分析した結果、反応転化
率は100%、収率90%、シス:トランス=1.1=
1.0であることが判明した。
【0106】[参考例4] 2−クロロ−2−フルオロ
−1−シクロプロパンカルボン酸エチル 50mlの三頸フラスコにアルミナカラム(メルク社
製、AluminiumOxide 90を充填したも
の)を通した乾燥ジクロロメタン9.0mlを入れ、粉
末モレキュラーシーブス4A、370mgを加えた。反
応容器をドライアイス−アセトン浴に浸し、1−クロロ
−1−フルオロエチレン10.06gを溶解した。ここ
にテトラキス(トリフェニルアセタト)ジロジウム
([Rh[OOCC(C)、0.6
8mgを乾燥ジクロロメタン1mlに溶解した溶液を加
えた。反応液の温度を零下15℃に保ちながら、アルゴ
ンガス雰囲気下にジアゾ酢酸エチル2.5mmolの乾
燥ジクロロメタン溶液5.3mlを50分で滴下した。
滴下終了後、反応液をゆっくり室温に戻し、約1時間攪
拌した後ガスクロマトグラフィによって分析した。その
結果、反応転化率は100%、収率86%、シス:トラ
ンス=1.59:1.0であることが判明した。
【0107】[参考例5] 2−クロロ−2−フルオロ
−1−シクロプロパンカルボン酸エチル 50mlの三頸フラスコにアルミナカラム(メルク社
製、AluminiumOxide 90を充填したも
の)を通した乾燥ジクロロメタン9.0mlを入れ、粉
末モレキュラーシーブス4A、370mgを加えた。こ
こにテトラキス(トリフェニルアセタト)ジロジウム
([Rh[OOCC(C)、0.3
4mgを乾燥ジクロロメタン1mlに溶解した溶液を加
えた。室温で(およそ22℃)1−クロロ−1−フルオ
ロエチレンを少量ずつ導通し、導通させながらジアゾ酢
酸エチル2.5mmolの乾燥ジクロロメタン溶液5.
3mlを12分で滴下した。滴下終了後、導通を止め、
室温で10分攪拌した後ガスクロマトグラフィによって
分析した。その結果、反応転化率は76%、収率76
%、シス:トラン=1.68:1.0であることが判明
した。
【0108】上記の実施例10、11および参考例4、
5において使用したガスクロマトグラフィーの分析条件
を次に示す。 ・カラム:Shimadzu CBP1−M25−02
5(OV−1,SE−30) ・カラム温度:100℃ ・インジェクター温度:200℃ ・検出器温度:250℃ ・キャリヤーガス:ヘリウム ・保持時間; a)2−フルオロ−1−シクロブロパンカルボン酸エチ
ル:シス体:2.45分、トランス体:2.02分. b)2−クロロ−2−フルオロ−1−シクロプロパンカ
ルボン酸エチル:シス体:2.72分、トランス体:2
60分. (2−ロロ−2−フルオロ−1−シクロプロパンカルボ
ン酸エチルに関してはフッ素原子とカルボン酸エステル
部分がシクロプロパン環の同一面上にあるものをシス体
と呼び、塩素原子とカルボン酸エステル部分がシクロプ
ロパン環の同一面上にあるものをトランス体と呼ぶ。)
【0109】また、収率はジアゾ酢酸エチルを基にして
算出した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 67/347 // C07B 61/00 300 (72)発明者 早川 勇夫 東京都江戸川区北葛西1丁目16番13号 第 一製薬株式会社東京研究開発センター内 (72)発明者 川上 勝浩 東京都江戸川区北葛西1丁目16番13号 第 一製薬株式会社東京研究開発センター内 (72)発明者 矢船 琢也 東京都江戸川区北葛西1丁目16番13号 第 一製薬株式会社東京研究開発センター内 (72)発明者 東條 俊明 東京都江戸川区北葛西1丁目16番13号 第 一製薬株式会社東京研究開発センター内 (72)発明者 池谷 孝信 東京都江戸川区北葛西1丁目16番13号 第 一製薬株式会社東京研究開発センター内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 8族の金属原子、モリブデン、銅および
    鉄からなる群から選ばれる金属原子と、カルボン酸系、
    アミド系、ハロゲン系、ホスフィン系、および一酸化炭
    素からなる群から選ばれる1種以上の配位子とから構成
    される触媒の存在下にビニルフルオライドと次式 N2CHCOR (式中、Rは ハロゲン原子もしくは炭素数が1から6のアルキルオ
    キシ基を有することもあ る炭素数が1から6のアルキ
    ルオキシ基、 ハロゲン原子、炭素数が1から6のアルキル基、炭素
    数が1から6のハロゲノ アルキル基、炭素数が1から
    6のアルキルオキシ基、カルバモイル基、シアノ 基も
    しくはアミノ基を有することもある芳香環と、炭素数が
    1から6のアルキ レン基、そして酸素原子とから構成
    されるアラルキルオキシ基、 ハロゲン原子を有することもある炭素数が1から6の
    アルキルチオ基、 ハロゲン原子、炭素数が1から6のアルキル基、炭素
    数が1から6のハロゲノ アルキル基、炭素数が1から
    6のアルキルオキシ基、カルバモイル基、シアノ 基も
    しくはアミノ基を有することもある芳香環と、炭素数が
    1から6のアルキ レン基、そして硫黄原子とから構成
    されるアラルキルチオ基、 ハロゲン原子、炭素数が1から6のアルキル基、炭素
    数が1から6のハロゲノ アルキル基、炭素数が1から
    6のアルキルオキシ基、カルバモイル基、シアノ 基も
    しくはアミノ基を有することもある芳香環を有するアリ
    ールオキシ基、 アミノ基、 炭素数が1から6のアルキル基を有するモノまたはジ
    アルキルアミノ基、 ハロゲン原子、炭素数が1から6のアルキル基、炭素
    数が1から6のハロゲノ アルキル基、炭素数が1から
    6のアルキルオキシ基、カルバモイル基、シアノ 基も
    しくはアミノ基を有することもあるフェニル基を1また
    は2有するフェニ ル置換アミノ基、または、 ハロゲン原子、炭素数が1から6のアルキル基、炭素
    数が1から6のハロゲノ アルキル基、炭素数が1から
    6のアルキルオキシ基、カルバモイル基、シアノ 基も
    しくはアミノ基を有することもある芳香環と、炭素数が
    1から6のアルキ レン基とから構成されるアラルキル
    基を1または2有するアラルキル置換アミ ノ基、を意
    味する。)で表わされるジアゾ酢酸誘導体を反応させる
    ことを特徴とする2−フルオロシクロプロパンカルボン
    酸誘導体の製法
  2. 【請求項2】 触媒の金属原子がコバルト、ロジウム、
    イリジウム、ルテニウム、パラジウム、モリブデン、銅
    または鉄である請求項1記載の製法
  3. 【請求項3】 触媒の金属原子がロジウムである請求項
    1記載の製法
  4. 【請求項4】 カルボン酸系の配位子が脂肪族カルボン
    酸、芳香族カルボン酸またはアラルキルカルボン酸残基
    である請求項1、2または3記載の製法
  5. 【請求項5】 カルボン酸系の配位子がギ酸、酢酸、プ
    ロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピ
    バル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ス
    テアリン酸、フェニル酢酸、ジフェニル酢酸、トリフェ
    ニル酢酸、フェニルプロピオン酸、ジフェニルプロピオ
    ン酸、トリフェニルメチル酢酸、安息香酸、ヒドロキシ
    安息香酸、トリフルオロメチル安息香酸、メチル安息香
    酸、ジメチル安息香酸、トリメチル安息香酸、フルオロ
    安息香酸、ジフルオロ安息香酸、トリフルオロ安息香
    酸、ペンタフルオロ安息香酸、ベンゾイル安息香酸、ナ
    フトエ酸、α−メトキシ−α−トリフルオロメチルフェ
    ニル酢酸、2-フェニルプロピオン酸、2-フェニル酪酸、
    3-フェニル乳酸、2-クロロ-3- フェニルプロピオン酸、
    メントキシ酢酸、カンファニックアシッド、テトラヒド
    ロ-5- オキソ-2- フランカルボン酸、2-メチル酪酸また
    は2-クロロ酪酸残基である請求項4記載の製法
  6. 【請求項6】 アミド系の配位子がギ酸、酢酸、プロピ
    オン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル
    酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
    リン酸、フェニル酢酸、ジフェニル酢酸、トリフェニル
    酢酸、フェニルプロピオン酸、ジフェニルプロピオン
    酸、トリフェニルメチル酢酸、安息香酸、ヒドロキシ安
    息香酸、トリフルオロメチル安息香酸、メチル安息香
    酸、ジメチル安息香酸、トリメチル安息香酸、フルオロ
    安息香酸、ジフルオロ安息香酸、トリフルオロ安息香
    酸、ペンタフルオロ安息香酸、ベンゾイル安息香酸、ナ
    フトエ酸、α−メトキシ−α−トリフルオロメチルフェ
    ニル酢酸、2-フェニル酪酸、3-フェニル乳酸、2-クロロ
    -3- フェニルプロピオン酸、メントキシ酢酸、カンファ
    ニックアシッド、テトラヒドロ-5- オキソ-2- フランカ
    ルボン酸、2-メチル酪酸または2-クロロ酪酸から導かれ
    たアミドまたはピログルタミン酸エステルである請求項
    1、2、または3記載の製法
  7. 【請求項7】 ホスフィン系の配位子がトリフェニルホ
    スフィン類、炭素数1から6のアルキル基を有するトリ
    アルキルホスフィン類または炭素数1から6のアルキル
    基を有するトリアルコキシホスフィン類である請求項
    1、2、または3記載の製法
  8. 【請求項8】 ロジウムピバレート([Rh[OOCC(C
    H3)3]2]2)、ロジウムベンゾイルベンゾエート([Rh[OO
    C(C6H4)COC6H5]2]2 )およびロジウムトリフェニルアセ
    テート([Rh[OOCC(C6H5)3]2]2 )からなる触媒の群から
    選ばれた触媒の存在下にビニルフルオライドと次式 N2CHCOR (式中、Rは ハロゲン原子もしくは炭素数が1から6のアルキルオ
    キシ基を有することもあ る炭素数が1から6のアルキ
    ルオキシ基、 ハロゲン原子、炭素数が1から6のアルキル基、炭素
    数が1から6のハロゲノ アルキル基、炭素数が1から
    6のアルキルオキシ基、カルバモイル基、シアノ 基も
    しくはアミノ基を有することもある芳香環と、炭素数が
    1から6のアルキ レン基、そして酸素原子とから構成
    されるアラルキルオキシ基、 ハロゲン原子を有することもある炭素数が1から6の
    アルキルチオ基、 ハロゲン原子、炭素数が1から6のアルキル基、炭素
    数が1から6のハロゲノ アルキル基、炭素数が1から
    6のアルキルオキシ基、カルバモイル基、シアノ 基も
    しくはアミノ基を有することもある芳香環と、炭素数が
    1から6のアルキ レン基、そして硫黄原子とから構成
    されるアラルキルチオ基、 ハロゲン原子、炭素数が1から6のアルキル基、炭素
    数が1から6のハロゲノ アルキル基、炭素数が1から
    6のアルキルオキシ基、カルバモイル基、シアノ 基も
    しくはアミノ基を有することもある芳香環を有するアリ
    ールオキシ基、 アミノ基、 炭素数が1から6のアルキル基を有するモノまたはジ
    アルキルアミノ基、 ハロゲン原子、炭素数が1から6のアルキル基、炭素
    数が1から6のハロゲノ アルキル基、炭素数が1から
    6のアルキルオキシ基、カルバモイル基、シアノ 基も
    しくはアミノ基を有することもあるフェニル基を1また
    は2有するフェニ ル置換アミノ基、または、 ハロゲン原子、炭素数が1から6のアルキル基、炭素
    数が1から6のハロゲノ アルキル基、炭素数が1から
    6のアルキルオキシ基、カルバモイル基、シアノ 基も
    しくはアミノ基を有することもある芳香環と、炭素数が
    1から6のアルキ レン基とから構成されるアラルキル
    基を1または2有するアラルキル置換アミ ノ基、を意
    味する。)で表わされるジアゾ酢酸誘導体を反応させる
    ことを特徴とする2−フルオロシクロプロパンカルボン
    酸誘導体の製法
  9. 【請求項9】 触媒がロジウムピバレート([Rh[OOCC(C
    H3)3]2]2)である請求項8記載の製法
  10. 【請求項10】 触媒がロジウムベンゾイルベンゾエー
    ト([Rh[OOC(C6H4)COC6H5]2]2 )である請求項8記載の
    製法
  11. 【請求項11】 触媒がロジウム(2-ベンゾイル)ベン
    ゾエートである請求項10記載の製法
  12. 【請求項12】 触媒がロジウムトリフェニルアセテー
    ト([Rh[OOCC(C6H5)3]2]2 )である請求項8記載の製法
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