JP2003341449A - 衝撃吸収部材 - Google Patents

衝撃吸収部材

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 衝撃荷重が作用したときの圧縮ひずみが一定
値を超えたときの急激な圧縮応力の上昇を生じさせるこ
とがなく、衝撃吸収部材としての性能を広い衝撃荷重の
範囲にわたって維持することができ、特に自動車用の用
途に適した衝撃吸収部材を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂を発泡させて所定密度の発
泡熱可塑性樹脂を得た後、この発泡熱可塑性樹脂を金型
に充填,加熱して形成される衝撃吸収部材において、基
部11と、この基部11の少なくとも一面側に形成さ
れ、この衝撃吸収部材1に作用する衝撃荷重の作用方向
と同方向に突出する複数列のリブ12とを有する構成と
してある。リブ12の幅tを、基部11側から先端側に
向けて連続的又は段階的に減少させるのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衝撃荷重が作用し
たときにそのエネルギの一部を吸収して衝撃を緩和する
衝撃吸収部材に関し、特に、自動車のバンパや側突パッ
ド等の用途に適した発泡熱可塑性樹脂製の衝撃吸収部材
に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、自動車においては、万一の衝突
時に乗員を保護するために、客室へのダメージを最小限
に抑えることを目的として、ボディを構造的に変形しや
すくしたり、バンパや天井,ドア,側突パッドなどの内
部に衝撃吸収部材を設けて、衝突時の衝撃をできるだけ
吸収するようにすることが行われている。従来、前記し
た衝撃吸収部材としては、熱硬化性の発泡ウレタンが多
く用いられていた。しかし、このような熱硬化性の発泡
ウレタンは、リサイクルが困難である上、コスト的にも
割高であるという問題があった。そこで、近年ではリサ
イクルが容易で、包装用の緩衝材として広く用いられて
いる発泡ポリスチレンや発泡ポリプロピレン等の発泡熱
可塑性樹脂が多く使用されるに至っている。
【0003】しかしながら、このような発泡熱可塑性樹
脂は、衝撃吸収の性能面で以下のような問題がある。す
なわち、発泡ポリスチレンや発泡ポリプロピレン等の発
泡熱可塑性樹脂で形成された衝撃吸収部材においては、
圧縮ひずみ(原厚に対する圧縮変形の割合、以下の説明
では適宜に%を用いる)が0.5(50%)を超える
と、内部に発生する応力(圧縮応力)が急激に上昇し、
以後、衝撃吸収部材としての性能が著しく低下する。し
たがって、発泡熱可塑性樹脂製の衝撃吸収部材を自動車
等の用途に用いる場合は、圧縮ひずみが5〜50%の範
囲内で設計を行わなければならず、設計の自由度が低い
という問題がある。また、多種多様な衝撃荷重に対応す
るようにするためには、衝撃吸収部材の肉厚を大きくす
る必要があり、バンパや天井,ドア,側突パッドなどの
各部の寸法が大きくなるといった問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
にかんがみてなされたもので、衝撃荷重が作用したとき
の圧縮ひずみが一定値を超えたとき、例えば50%を超
えたときに、急激な圧縮応力の上昇を生じさせることが
なく、衝撃吸収部材としての性能を広い衝撃荷重の範囲
にわたって維持することができ、特に自動車用の用途に
適した衝撃吸収部材を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明は、熱可塑性樹脂を発泡さ
せて所定密度の発泡熱可塑性樹脂を得た後、この発泡熱
可塑性樹脂を金型に充填,加熱して形成される衝撃吸収
部材において、基部と、この基部の少なくとも一面側に
形成され、この衝撃吸収部材に作用する衝撃荷重の作用
方向と同方向に突出する複数列のリブとを有する構成と
してある。この構成によれば、衝撃吸収部材に衝撃荷重
が作用すると、主としてリブが弾性変形して衝撃荷重を
吸収するので、衝撃吸収部材の圧縮ひずみが大きくなっ
ても急激な圧縮応力の上昇を抑制することができる。
【0006】請求項2に記載の発明は、前記リブの幅
を、前記基部側から先端側に向けて連続的又は段階的に
減少させた構成としてある。このように、リブの断面形
状は、台形状、三角形状,半円状又は階段状等、種々の
ものの中から、衝撃荷重の大きさや種類に応じて、適宜
に選択することができる。
【0007】請求項3に記載の発明は、前記リブの平均
幅が、前記衝撃吸収部材の全厚の、0.05倍以上であ
って0.3倍以下であるものとして構成してある。例え
ば、断面台形状のリブにおいて、下底部の幅をt1、上
底部の幅をt2、衝撃吸収部材の全厚をt3としたとき
に、(t1+t2)/2で表されるリブの平均幅tが、
0.05×t3≦t≦0.3×t3となるようにt1,
t2,t3を選択するとよい。リブの平均幅tが衝撃吸
収部材の全厚t3の0.05倍よりも小さいと、リブの
幅が小さくなりすぎて、衝撃吸収部材の発泡成形が困難
になるうえ、衝撃荷重が加わったときに十分な圧縮応力
が得られない。また、衝撃吸収部材の全厚t3の0.3
倍を越えて大きいと、衝撃荷重が作用したときの圧縮応
力が大きくなって、必要とする衝撃吸収性能が十分に得
られない。
【0008】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の発明において、前記リブの幅が前記基部側から前記先
端側までテーパ状に減少するように形成され、前記基部
側から前記先端側までの傾斜角度αが、前記基部の垂線
に対して3°≦α≦7°の範囲内である構成としてあ
る。すなわち、リブが台形状の断面を有する場合におい
て、上記0.05×t3≦t≦0.3×t3の条件を満
たしつつ、前記台形の傾斜面の傾斜角度αが、前記基部
の垂線に対して3°≦α≦7°となるようにリブの幅及
び衝撃吸収部材の全厚を選択することで、好ましい衝撃
吸収性能を得ることができる。
【0009】請求項5に記載の発明は、前記衝撃荷重の
作用方向と同方向の縦ひずみ(ε)が0.5になったと
きに、前記衝撃吸収部材に生じる前記衝撃荷重の作用方
向と同方向の応力(σ)が、0.01MPa≦σ≦2.
5MPaの範囲である構成としてある。縦ひずみεが
0.5になったとき、すなわち圧縮による変形率が50
%になったときに、圧縮応力が0.01MPa未満で
は、十分な衝撃吸収性を得ることができず、また、2.
5MPaよりも高いと、圧縮応力が高すぎて、衝撃に対
する反発力が大きくなり、衝撃を吸収しにくくなって衝
撃吸収性能が低下するという不具合がある。
【0010】請求項6に記載の発明は、前記発泡熱可塑
性樹脂が発泡スチレン系共重合体である構成としてあ
る。発泡スチレン系共重合体は、製造コスト、リサイク
ル性、発泡成形性等の点から好ましい。また、このよう
な材料を用いることで、本発明の衝撃吸収部材を、自動
車のバンパや天井,ドア,側突パッド等に適用すること
ができる。
【0011】請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の
いずれかに記載の衝撃吸収部材を、前記衝撃荷重の作用
方向と同方向に複数重ねて構成している。このように、
上記した構成の衝撃吸収部材を複数重ねて一つの衝撃吸
収部材を構成するようにしてもよく、このようにするこ
とで、より大きな衝撃荷重に対して、大きな衝撃吸収性
能を発揮する衝撃吸収部材を得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の衝撃吸収部材の好
適な実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の衝撃吸収部材の一実施形態にかかり、
その一部を拡大した斜視図である。衝撃吸収部材1は、
平板状の基部11と、この基部11の一面に形成された
複数列のリブ12とを有している。このリブ12は、基
部11の一面に均等間隔で平行に形成されているととも
に、基部11の一端から他端までほぼ直線状に延びてい
る。
【0013】[リブの条件]この実施形態では、リブ1
2の断面形状は、図1に示すように台形をなしていて、
この台形の下底部分(基部11側の底辺部分)の幅t1
が、上底部分(リブ12の先端部分)の幅t2よりも大
きくなるように形成されている。さらに、この実施形態
では、リブ12の平均幅t=(t1+t2)/2と、衝
撃吸収部材1の全厚t3(リブ12の先端から基部11
の他面までの厚み)との関係が、0.05×t3≦t≦
0.3×t3となるように、幅t1,t2及び全厚t3
を選択するとよい。0.05倍未満ではリブの幅が小さ
くなりすぎ、衝撃吸収部材の発泡成形が困難になるだけ
でなく、衝撃荷重を加えたときに、衝撃吸収部材の内部
に十分な圧縮応力が発生せず、また、0.3倍を超える
と、衝撃吸収部材の内部に発生する圧縮衝撃荷重が大き
くなり過ぎ、必要とする衝撃吸収性能が十分に得られな
い。
【0014】また、上記の条件の下で、リブ12の傾斜
面の傾斜角度αが、基部11の垂線に対して3°〜7°
の範囲となるように、幅t1,t2及び全厚t3を選択
するのがよい。0.05×t3≦t≦0.3×t3の条
件の下で傾斜角度αを3°未満とすると、衝撃吸収部材
の全厚に対してリブの幅が小さくなりすぎ、衝撃荷重が
作用したときにリブ12が座屈しやすくなるばかりでな
く、十分な衝撃吸収性能が得られなくなる。また、0.
05×t3≦t≦0.3×t3の条件の下で傾斜角度α
を7°より大きくすると、衝撃吸収部材の全厚に対して
リブの幅が大きくなりすぎ、衝撃荷重を加えたときに圧
縮ひずみが50%を超えるあたりから、急激な圧縮応力
の上昇がおこって、本発明の目的を達成することができ
なくなる。
【0015】なお、リブ12の断面形状は上記の台形に
限らず三角形や半円形等であってもよい。また、連続的
に幅が変化するものに限らず、衝撃荷重の作用方向に沿
って段階的に幅が変化するものであってもよい。このよ
うにすることで、衝撃に対してリブ折れによる応力の低
下を抑制し、また、圧縮ひずみが大きくなっても急激な
応力の上昇を抑制することができるという利点がある。
【0016】このように、種々の断面形状のリブの中か
ら最適な形状のリブを選択するようにすると、衝撃荷重
に応じて最適な衝撃吸収性能を発揮する衝撃吸収部材を
容易に得ることができるほか、衝撃荷重の種類や大きさ
等に応じて、衝撃吸収部材の衝撃吸収性能を調整するこ
とが可能になる。また、圧縮ひずみが一定以上大きくな
ったときに、急激に圧縮応力が高くなる現象を防止する
ことができ、広範な衝撃吸収性能を有する衝撃吸収部材
を得ることができる。
【0017】[熱可塑性樹脂]本発明に使用される熱可
塑性樹脂の材料としては、種々のものが使用可能である
が、ポリスチレンやスチレンとアクリロニトリル、メタ
クリロニトリル、α−メチルスチレン、無水マレイン
酸、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等
のマレイミド系単量体、アクリル酸、アクリル酸エステ
ル等のアクリル酸系単量体、メタクリル酸、メタクリル
酸エステル等のメタクリル酸系単量体を共重合させたス
チレン系共重合体、メタクリル酸系単量体の単独重合
体、メタクリル酸系単量体及びアクリル酸系単量体の2
種類以上の組合せによる共重合体、ポリエチレン、ポリ
プロピレン等のオレフィン系樹脂などが挙げられる。
【0018】上記の中でも、製造コスト、リサイクル
性、発泡成形性等の点から、スチレン系共重合体が好ま
しく、耐熱性、耐油性に優れるアクリロニトリル・スチ
レン共重合体が製造コストや性能の点から好適である。
なお、発泡性アクリロニトリル・スチレン共重体の樹脂
としては、例えば、日立化成工業(株)製の『HIBE
ADS GR』(商品名)を用いることができる。もち
ろん、上記した本発明の要件を備えるものであって、自
動車用の衝撃吸収部材として用いることができるのであ
れば、他の樹脂を用いてもよい。
【0019】[発泡剤]本発明に使用される熱可塑性樹
脂の発泡剤としては、発泡性スチレン系樹脂等の製造に
一般的に用いられている発泡剤を用いることができる。
この発泡剤は、常温常圧下で気体又は液体であり、かつ
上記熱可塑性樹脂を溶解しないような易揮発性有機化合
物であるのが好ましい。例えば、ブタン、プロパン、ペ
ンタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘ
キサン等の環式脂肪族炭化水素などが挙げられる。ま
た、必要に応じて、熱可塑性樹脂を溶解または膨潤させ
ることができるエチルベンゼン、トルエン、スチレン、
キシレン等の有機溶剤やエポキシ化大豆油、植物油等を
可塑剤として使用してもよい。
【0020】[発泡熱可塑性樹脂の条件]熱可塑性樹脂
を一次発泡させて得られる本発明の発泡熱可塑性樹脂
は、衝撃荷重が作用したときに、衝撃吸収部材の用途に
応じた適度な圧縮応力を生じさせるものでなければなら
ない。この圧縮応力が大きすぎると、衝撃加重が作用し
た際の反発力が大きくなりすぎて衝撃を十分に吸収する
ことができず、また、小さすぎると、衝撃加重に耐えら
れず容易に破壊してしまい、所望の衝撃吸収性能を得る
ことができない。
【0021】本発明の衝撃吸収部材を自動車に適用する
場合の圧縮応力の範囲は、JIS−Z0235に規定さ
れる方法に準じて測定した圧縮ひずみが0.5の下にお
いて、0.01〜2.5MPaの範囲であるのが好まし
い。これは、圧縮ひずみが0.5になったときに、圧縮
応力が0.01MPa未満では、圧縮応力が小さすぎ
て、十分な衝撃吸収性能を得ることができず、また、
2.5MPaよりも高いと、圧縮応力が大きすぎて、衝
撃荷重に対する反発力が大きくなり、衝撃を吸収しにく
くなって衝撃吸収性能が低下する不具合があるからであ
る。なお、上記の範囲内において、より好ましい圧縮応
力の範囲は0.05〜2.0MPaであり、さらに好ま
しい圧縮応力の範囲は0.1〜1.5MPaである。
【0022】[他の実施形態]図2は、本発明の衝撃吸
収部材の他の実施形態を示す部分拡大斜視図である。こ
の実施形態の衝撃吸収部材2は、図1に示した衝撃吸収
部材1を二つ準備し、それぞれを互いに対向させて組み
合わせた形態をなしている。この実施形態によれば、高
い衝撃吸収性能を有する二つの衝撃吸収部材1を組み合
わせて、新たな一つの衝撃吸収部材2を形成すること
で、衝撃吸収部材2の全体としての肉厚をほとんど増大
させることなく、衝撃吸収性能を二倍にすることができ
るという利点がある。
【0023】
【実施例】本発明の衝撃吸収部材の衝撃吸収性能を検証
するにあたり、以下の手順で対象となる衝撃吸収部材を
製造した。まず、発泡性アクリロニトリル・スチレン共
重合樹脂(例えば、上記した『日立化成工業(株)製:
HIBEADS GR』)を、発泡スチロール用のバッ
チ式発泡機(例えば、『日立化成テクノプラント(株)
社製発泡機:HBP−500LW』)を用いて、嵩密度
66.7kg/m3(発泡倍数:15倍)に予備発泡し
た。次いで、成形を行うまでの18時間、通気性の良い
サイロに保管した。この後、発泡スチロール用成形機
(例えば、『日立化成工業(株)社製:モルデックス1
0VS』)に所定の金型をセットして型締めしたのち、
発泡粒子をキャビティ内に充填し、0.08MPaのゲ
ージ圧を有する水蒸気で25秒間加熱した。さらに、水
冷工程及び真空冷却工程を経て、以下の表1及び図1に
示すような衝撃吸収部材を得た。
【0024】
【表1】
【0025】上記手順で得られた衝撃吸収部材を、縦1
40mm×横140mm×厚み46mmの試験体とし、
JIS−Z0235に基づいて、衝撃荷重試験をおこな
った。衝撃荷重試験は、試験体より広い平面をもち、質
量が可変できるおもりを、試験体表面に垂直に規定速度
で落下させて行った。おもりは4.5kg、落下高さは
2.5mとした。そして、おもりに生じた加速度(G
値)と試験体の厚さ変化量とを測定し、衝撃吸収部材の
衝撃吸収性能を評価した。
【0026】<衝撃吸収部材の評価>上記の衝撃荷重試
験の結果を図3のグラフに示す。図3のグラフにおい
て、横軸は衝撃吸収部材の圧縮ひずみ(%)で縦軸は衝
撃吸収部材に生じる圧縮応力の大きさ(N/cm)で
ある。実施例1,2及び比較例1,2を比較してわかる
ように、リブの傾斜角度αは大き過ぎても小さ過ぎて
も、衝撃吸収部材としては好ましくない。
【0027】これに対して、リブの傾斜角度αが適切
で、かつ、幅t1,t2及び全厚t3の大きさも適切で
あると、圧縮ひずみが50%を超えても圧縮応力の急激
な上昇は発生せず、衝撃吸収部材としての良好な性能を
維持できることがわかる。本発明においては、幅t1,
t2及び全厚t3や傾斜角度α等の各部の寸法を種々に
変化させて上記の実験を繰り返すことにより、用途に応
じた適切な衝撃吸収性能を有する衝撃吸収部材を得るこ
とができるものである。なお、ハニカム構造の衝撃吸収
部材が知られているが、本発明の衝撃吸収部材は、この
ようなハニカム構造の衝撃吸収部材と比べても成形がし
やすく、かつ、ハニカム構造の衝撃吸収部材と同等以上
の衝撃吸収性能を発揮することができる。本発明の衝撃
吸収部材は、特に、自動車用として適切な応力ひずみと
衝撃荷重の関係を得ることができ、衝撃荷重に対してリ
ブ折れによる応力の低下や圧縮ひずみが大きくなったと
きの急激な応力の上昇を有効に抑制することができるも
のである。
【0028】本発明の好適な実施形態について説明した
が、本発明は上記の実施形態及び実施例に限定されるも
のではない。例えば、本発明の用途は、自動車のバンパ
や側突パッド等に限らず、鉄道車両や航空機,自動二輪
車,自転車、建築物及び家具等、衝撃が加わる可能性が
あるあらゆる対象物に適用が可能である。また、平板状
の基部11の一面側にリブ12を形成するものとして説
明したが、基部11の両面にリブ12を形成してもよ
い。さらに、上記の説明でリブ12は、基部11の一端
から他端までほぼ直線状に延びているものとして説明し
たが、波形や曲線状、不定形状等種々のものを選択する
ことができる。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、適切な衝撃吸収性能を
広範な圧縮ひずみの範囲内で有するため、衝撃吸収部材
及びこの衝撃吸収部材を設ける部品等の設計の自由度が
増大する。また、リブの断面形状を種々に変更すること
で、衝撃荷重の種類や大きさに応じた適切な衝撃吸収性
能を有する衝撃吸収部材を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の衝撃吸収部材の一実施形態にかかり、
その一部を拡大した斜視図である。
【図2】図1の衝撃吸収部材を対向させて組み合わせ
た、本発明の第二の実施形態の衝撃吸収部材の一部を拡
大した斜視図である。
【図3】本発明の衝撃吸収部材の衝撃吸収性能を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
1 衝撃吸収部材(第一の実施形態) 2 衝撃吸収部材(第二の実施形態) 11 基部 12 リブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小谷 正弘 千葉県市原市五井南海岸14番地 日立化成 工業株式会社五井事業所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂を発泡させて所定密度の発
    泡熱可塑性樹脂を得た後、この発泡熱可塑性樹脂を金型
    に充填,加熱して形成される衝撃吸収部材において、 基部と、この基部の少なくとも一面側に形成され、この
    衝撃吸収部材に作用する衝撃荷重の作用方向と同方向に
    突出する複数列のリブとを有すること、 を特徴とする衝撃吸収部材。
  2. 【請求項2】 前記リブの幅を、前記基部側から先端側
    に向けて連続的又は段階的に減少させたことを特徴とす
    る請求項1に記載の衝撃吸収部材。
  3. 【請求項3】 前記リブの平均幅が、前記衝撃吸収部材
    の全厚の、0.05倍以上であって0.3倍以下である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の衝撃吸収部
    材。
  4. 【請求項4】 前記リブの幅が前記基部側から前記先端
    側までテーパ状に減少するように形成され、 前記基部側から前記先端側までの傾斜角度αが、前記基
    部の垂線に対して3°≦α≦7°の範囲内であることを
    特徴とする請求項3に記載の衝撃吸収部材。
  5. 【請求項5】 前記衝撃荷重の作用方向と同方向に生じ
    る縦ひずみ(ε)が0.5になったときに、前記衝撃吸
    収部材に生じる前記衝撃荷重の作用方向と同方向の応力
    (σ)が、0.01MPa≦σ≦2.5MPaの範囲で
    あることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
    衝撃吸収部材。
  6. 【請求項6】 前記発泡熱可塑性樹脂が発泡スチレン系
    共重合体であることを特徴とする請求項1〜5のいずれ
    かに記載の衝撃吸収部材。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の衝撃吸
    収部材を、前記衝撃荷重の作用方向と同方向に複数重ね
    たことを特徴とする衝撃吸収部材。
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