JP4202716B2 - 熱可塑性樹脂発泡成形体及びその製造方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
エネルギー吸収材は、自動車バンパーの芯材、自動車のドアトリム、精密機械の緩衝包装材などの様々な用途に用いられている。ポリスチレン系樹脂発泡体、ポリオレフィン系樹脂発泡体に代表される熱可塑性樹脂発泡成形体は、型内発泡成形などにより任意の形状を容易に作成しうること、リサイクル性に優れていることなどの特性から、該エネルギー吸収材によく用いられている。
【0002】
本発明はエネルギー吸収材用途に使用される熱可塑性樹脂発泡成形体、及びその製造方法に関する。特に高歪み時においても衝撃による荷重を低く抑えることができ、エネルギー吸収効率が高い熱可塑性樹脂発泡成形体、及びその製造方法に関する。
【0003】
【従来の技術】
エネルギー吸収材は緩衝包装材や自動車バンパー芯材などに用いられており、精密機械や自動車などに落下、衝突などの衝撃が発生しても、それ自身及びその衝突対象(以後、被保護物)に過大な衝撃を発生させないことを目的とする。エネルギー吸収材は、衝撃を受けるとそれ自身が部分破壊したり変形を生じたりすることにより、衝撃エネルギーを異なるエネルギーに変換することにより衝撃エネルギーを吸収する。
【0004】
前記機構により、被保護物は衝突により発生したエネルギーを直接受けることなく、破壊、機能消失を避けられる。しかし、いくらエネルギーを直接受けることがないとは言え、被保護物には衝撃による荷重が発生する。この荷重が大きすぎると、やはり被保護物は破壊、機能消失してしまう。したがってエネルギー吸収材は、発生する最大衝撃荷重が出来るだけ小さい方が望ましい。一方エネルギー吸収量は、該衝撃荷重とエネルギー吸収材の変形量の積算であるため、衝撃荷重が大きい方がより多くのエネルギーを吸収できる。これら2つの相反する事象より、エネルギー吸収材の特性は、低歪み時から高歪み時まで、変位によらず一定の衝撃荷重を生じるもの、すなわちエネルギー吸収効率の高いものが望ましい。
【0005】
エネルギー吸収材用途に使用される発泡成形体について、そのエネルギー吸収効率を高めるため、様々な発明がなされている。特許文献1には、重量平均分子量が4.5万以上12万以下である発泡スチレン系樹脂粒子を用いた発泡成形品が、JIS K7220で定められた圧縮試験において、圧縮歪みが5%の時の圧縮応力をX、50%の時の圧縮応力をYとしたときY/Xの値が2.0以下となることが示されている。しかし発泡スチレン系樹脂を用いた発泡成形品の圧縮応力は、圧縮歪みが50%前後から急激に上昇するため、該発泡成形品を用いたエネルギー吸収材を考えた場合、圧縮歪みが50%までであれば良好なエネルギー吸収効率を持つと考えられるが、それ以上の圧縮歪みが必要とされる用途では改良効果が少ないと考えられる。
【0006】
また特許文献2には、ASTM D790に準拠して測定したメルトフローレートが20−100g/10分であるポリプロピレンホモポリマーを用いた場合、静的圧縮において圧縮時に気泡構造が破壊され高歪み時にも応力の上昇が抑えられ、エネルギー吸収効率が良いと示されている。しかし本発明者らが動的圧縮試験での性能を評価したところ改善効果が小さかった。これは動的圧縮試験のような高速での変位を受けた場合は、該公報にて記述のある気泡構造の破壊が起こりにくい為であると推測される。
【0007】
さらに特許文献3には、弾性体よりなる格子状のエネルギー吸収体は、圧縮・挫屈を利用してエネルギー吸収効率が良くなることが示されている。しかし該公報の方法は形状が限定されるという欠点があった。
【0008】
一方単独の樹脂では得られない物性を得るため、2種以上の樹脂を様々な状況で混合させ、新規な性能を付与する研究も多々行われている。例えば、異なる樹脂同士を、相溶化剤等の存在、非存在下で溶融混練し、新規に様々な物性を持つ発泡成形体を得る方法は、ここに枚挙するまでも無く、広く検討されている。
【0009】
溶融混練以外の方法に関しても様々な発明がなされている。すなわち、特許文献4には、2種類以上の熱可塑性樹脂発泡粒子を、混合することなく同時成形することにより、部分毎に異なる特性を持つ成形品を得ることが出来ることが示されている。該公報記載の方法は、成形品部分毎に元原料に対応した物性を得ることができるとしているが、特にエネルギー吸収効率については、なんら開示されていない。
【0010】
また、特許文献5には、ポリオレフィン系樹脂と、粒径の小さいポリスチレン系樹脂を混合して押し出し機に供給し、ポリスチレン系樹脂が溶融せずポリオレフィン系樹脂のみが溶融する条件で溶融混合しペレット化することにより、ポリスチレン系樹脂が微分散したポリオレフィン系樹脂ペレットを作製し、これを発泡、成形することにより発泡樹脂成形体を得る方法が示されている。該公報記載の成形体はポリオレフィン系樹脂発泡成形体の様な柔軟性に加え、分散したポリスチレン系樹脂によってポリオレフィン系樹脂発泡成形体より強度が高くなると言う長所がある。しかし強度という面からは、ポリオレフィン系樹脂発泡成形体よりは高いものの、ポリスチレン系樹脂発泡成形体に比較し弱くなることは容易に推察でき、少ない歪みでエネルギーを効率よく吸収できると言う点では劣ると言わざるを得ない。
【0011】
さらに、特許文献6には、軟質発泡樹脂をマトリックスとし、該マトリックスに発泡ガラスビーズ等の無機材を分散させることにより、小さな衝撃に対しては軟質発泡樹脂の変形で吸収し、大きな衝撃には無機材により衝撃吸収することが可能な発泡成形体について示されている。該公報記載の方法も、軟質発泡樹脂をマトリックスとしているため、少ない歪みにおけるエネルギー吸収は小さく、また大きな歪みが発生した際は無機材による強度上昇のため、かなりの衝撃荷重が発生しエネルギー吸収材としては好ましくない。
【0012】
また、特許文献7には、融点の異なる2種のポリプロピレン系樹脂発泡粒子を用いて、低融点のポリプロピレン系樹脂発泡粒子のみが溶融する条件で型内成形する方法が記載されている。該公報によれば、成形時の加熱条件を低くでき、少ない歪みではソフト感を感じる、すなわち応力が弱く、大きな歪み時には強度が高くなる、と言う特徴を持つ。これに関しても比較的強度が低い低融点のポリプロピレン系樹脂の発泡樹脂をマトリックスとしているため、少ない歪みにおけるエネルギー吸収は小さく、また大きな歪みが発生した際は比較的強度が高い高融点のポリプロピレン系樹脂の発泡樹脂による強度上昇のため、かなりの衝撃荷重が発生しエネルギー吸収材としては好ましくない。
【0013】
【特許文献1】
特開2002−212332号公報
【0014】
【特許文献2】
特開平10−45939号公報
【0015】
【特許文献3】
特開平7−228144号公報
【0016】
【特許文献4】
特公昭54−73863号公報
【0017】
【特許文献5】
特公昭61−12736号公報
【0018】
【特許文献6】
特公昭61−55128号公報
【0019】
【特許文献7】
特開2002−200635号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
エネルギー吸収材用途に、様々な発泡成形体が用いられている。発泡体がエネルギーを吸収する機構は様々であるが、概ね2種に大別することが出来る。すなわち、硬質ポリウレタンフォーム等のように、衝撃が加わった場合に発泡成形体を構成するセルが破壊され、その破壊によりエネルギーを吸収するタイプ、あるいは発泡ポリスチレンや発泡ポリオレフィンなどのように、衝撃が加わった場合に成形体が変形し、その変形応力によりエネルギーを吸収するタイプである。
【0021】
前者は、エネルギーの吸収機構が発泡成形体を構成するセルの破壊であるため、衝撃を受けた際に生じる衝撃荷重が、変位によらずほぼ一定となるため、エネルギー吸収効率が高い。しかし、これらは一般に熱可塑性樹脂ではなく、リサイクル性や望む形状への成形のしやすさ、すなわち成形性に劣っているという欠点も持つ。
【0022】
一方後者は熱可塑性樹脂に代表され、リサイクル性や成形性などが良好である。反面、エネルギー吸収機構が成形体の変形によるが、この変形応力は歪みにより大きく変化し、とくに歪みが大きくなると衝撃荷重が急激に増大する。このため、特に材料厚みを大きくとれないときなど、許容荷重を越えてしまうと言う問題があった。
【0023】
本発明は前記問題に鑑みなされたものであり、リサイクル性、成形性などに優れる熱可塑性樹脂を用いて、高歪み時においても衝撃による荷重を低く抑えることができる、エネルギー吸収効率の高い発泡成形体を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、熱可塑性樹脂発泡体に、大きな衝撃を受けた際に破壊される構造を付与し、この破壊応力により衝撃エネルギーを効率良く吸収出来ることを発見した。該構造を付与するためには、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子をポリスチレン系樹脂発泡体中に分散させることが有効であることを発見し、本発明を完成するに至った。
【0025】
すなわち、本発明は、
ポリスチレン系樹脂からなる発泡体(A)中に、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)が分散している熱可塑性樹脂発泡成形体に関する。
【0026】
好ましい実施態様としては、ポリスチレン系樹脂からなる発泡体(A)を構成するポリスチレン系樹脂が、スチレン0〜70重量%、α−メチルスチレン10〜80重量%、アクリロニトリル5〜50重量%の単量体組成の共重合体であることを特徴とする前記に記載の熱可塑性樹脂発泡成形体に関する。
【0027】
より好ましい実施態様としては、ポリスチレン系樹脂からなる発泡体(A)を構成するポリスチレン系樹脂が、α−メチルスチレン50〜80重量%、アクリロニトリル20〜50重量%の単量体組成の共重合体であることを特徴とする前記いずれか1項に記載の熱可塑性樹脂発泡成形体に関する。
【0028】
また、好ましい実施態様としては、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)を構成するポリオレフィン系樹脂がポリプロピレン系樹脂であることを特徴とする前記いずれか1項に記載の熱可塑性樹脂発泡成形体に関する。
【0029】
さらに好ましい実施態様としては、ポリスチレン系樹脂からなる発泡体(A)の割合が10〜80体積%、及びポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)の割合が90〜20体積%である事を特徴とする前記いずれか1項に記載の熱可塑性樹脂発泡成形体に関する。
【0030】
さらに好ましい実施態様としては、ポリスチレン系樹脂からなる発泡体(A)が、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)の間隙を埋める三次元的に網目状の構造を持つ、前記いずれか1項に記載の熱可塑性樹脂発泡成形体に関する。
【0031】
さらに好ましい実施態様としては、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)同士、及びポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)とポリスチレン系樹脂からなる発泡体(A)が、部分的、もしくは完全に融着しておらず、非連続に分散している前記いずれか1項に記載の熱可塑性樹脂発泡成形体に関する。
【0032】
さらに好ましい実施態様としては、動的圧縮試験に基づく60%歪み時の荷重(F60%)と、同20%歪み時の荷重(F20%)との比(F60%/F20%)が、1.60以下であることを特徴とする前記いずれか1項に記載の熱可塑性樹脂発泡成形体に関する。
【0033】
特に好ましい実施態様としては、密度が50g/L以上であることを特徴とする前記いずれか1項に記載の熱可塑性樹脂発泡成形体に関する。
【0034】
また、ポリスチレン系樹脂からなる発泡粒子(C)と、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)とを混合した状態で成形金型内に充填し、ついで成形金型内に加熱媒体を導いて、ポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)同士は融着するが、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)同士は融着しない条件下で型内成形することを特徴とする、熱可塑性樹脂発泡成形体の製造方法に関する。
【0035】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる発泡体(A)の基材樹脂となるポリスチレン系樹脂は、スチレン単独重合体でも、スチレンもしくはスチレン系誘導体を50重量%以上含む共重合体でも良い。スチレン系誘導体としては、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレンスチレン等があげられる。またスチレンもしくはスチレン系誘導体と共重合する他の単量体としては、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレートエチルメタクリレート、セチルメタクリレート等のアクリル酸及びメタクリル酸のエステル、あるいはアクリロニトリル、ジメチルフマレート、エチルフマレート、無水マレイン酸等の各単量体があげられ、これらの単量体を単独、もしくは2種以上混合して用いることが出来る。また、より高い強度を求める場合は、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレート等の2官能性単量体を併用しても良いが、その場合、ポリスチレン系樹脂の伸びが落ちることがありうるため、若干発泡倍率が落ちる傾向があることに注意する必要がある。
【0036】
本発明で用いる発泡体(A)の基材樹脂となるポリスチレン系樹脂は、好ましくはスチレン0〜70重量%、α−メチルスチレン10〜80重量%、アクリロニトリル5〜50重量%の単量体組成の共重合体、より好ましくはα−メチルスチレン50〜80重量%、アクリロニトリル20〜50重量%の単量体組成の共重合体である。該共重合体はスチレンの単独重合体に比べ、強度や耐熱性、耐薬品性に優れている。また強度が高いことに加え脆さがあることから、低歪み時の衝撃荷重が高く、かつ大きな衝撃を受けた際に生じる破壊が発生しやすくなる。
【0037】
本発明で用いるポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)の基材となるポリオレフィン系樹脂の具体例としては、たとえばエチレン−プロピレンランダム共重合体、1−ブテン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−1−ブテン−プロピレンランダム3元共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、ホモポリプロピレンなどのポリプロピレン系樹脂;低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリエチレン系樹脂;ポリブテン、ポリペンテンなどがあげられる。これらのうちではエチレン−プロピレンランダム共重合体、1−ブテン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−1−ブテン−プロピレンランダム3元共重合体、ホモポリプロピレンがポリオレフィン系樹脂発泡粒子を容易に得られる事、スチレン系樹脂が溶融する温度範囲でも溶融しない熱特性を持つ物が多く、スチレン系樹脂と融着しにくい事から好ましい。
【0038】
前記ポリオレフィン系樹脂から該樹脂発泡粒子(B)を得る方法は特に限定はないが、例えば耐圧容器内に、ポリオレフィン系樹脂粒子、分散剤および分散助剤を含む水系分散媒ならびに発泡剤を仕込み、攪拌しながら昇温して一定圧力、一定温度として樹脂粒子に発泡剤を含浸させた後、加圧容器内より低圧雰囲気中に放出して発泡させる方法が挙げられる。
【0039】
本発明による熱可塑性樹脂発泡成形体は、ポリスチレン系樹脂からなる発泡体(A)中に、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)が分散している。ポリスチレン系樹脂からなる発泡成形体(A)のみであると、大きな衝撃を受けた際にもポリスチレン系樹脂からなる発泡体(A)が破壊するまでにかなりの衝撃荷重が発生する。また、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)はポリスチレン系樹脂では無くポリオレフィン系樹脂を用い、かつ分散することにより、互いの樹脂が融着せずポリスチレン系樹脂からなる発泡体(A)の破壊を促す。
【0040】
本発明による熱可塑性樹脂発泡成形体は、ポリスチレン系樹脂からなる発泡体(A)の割合が好ましくは10〜80体積%、より好ましくは15〜70体積%、更に好ましくは20〜50体積%及びポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)の割合が好ましくは90〜20体積%、より好ましくは85〜30体積%、さらに好ましくは80〜50体積%である事が望ましい。ポリスチレン系樹脂からなる発泡体(A)の割合が該範囲を下回ると低温での成形が難しくなり、該範囲を上回ると大きな衝撃を受けた際にもポリスチレン系樹脂からなる発泡体(A)が破壊するまでにかなりの衝撃荷重が発生するため、エネルギーを効率よく吸収することが難しくなる。
【0041】
本発明による熱可塑性樹脂発泡成形体は、より好ましくはポリスチレン系樹脂からなる発泡体(A)が三次元的に網目構造を持つ。前記のポリスチレン系樹脂からなる発泡体(A)の破壊は、この三次元的な網目構造の場合に、より効率よく発生する。
【0042】
またポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)同士、及びポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)とポリスチレン系樹脂からなる発泡体(A)が部分的、もしくは完全に融着しておらず、非連続に分散している場合、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)の未融着部分が該熱可塑性樹脂発泡成形体内においてクラックとなり、ポリスチレン系樹脂からなる発泡体(A)の破壊を生じやすくする。
【0043】
本発明で定義される熱可塑性樹脂発泡成形体は、動的圧縮試験に基づく60%歪み時の荷重F60%と該20%歪み時の荷重F20%との比(F60%/F20%)が、1.60以下であることを特徴とする熱可塑性樹脂発泡成形体を内包される。該発泡成形体において、その荷重比F60%/F20%は1.50以下であることがより望ましく、1.40以下がさらに望ましい。ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)が最適にポリスチレン系樹脂からなる発泡体(A)中に分散し、かつポリスチレン系樹脂からなる発泡体(A)の構造が最適な網目構造を有するとき、該荷重比は1.00に近づき最適なエネルギー吸収効率を発現する。該動的圧縮試験は、後述する実施例での方法に基づいた試験とする。
【0044】
本発明における熱可塑性樹脂発泡成形体は、好ましくは密度が50g/L以上、より好ましくは80g/L以上である。該密度が50g/L未満であると、衝撃を受ける際に成形体構造の破壊が発生せず、成形体の変形のみが発生する確率が高い。
【0045】
本発明は、ポリスチレン系樹脂からなる発泡粒子(C)と、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)とを混合した状態で成形金型内に充填し、ついで成形金型内に加熱媒体を導いて、ポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)同士は融着するが、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)同士は融着しない条件下で型内成形することを特徴とする、熱可塑性樹脂発泡成形体の製造方法に関する。
【0046】
本発明で用いられる型内発泡成形方法としては、従来より既知の成形方法を用いることが出来る。例えば閉鎖しうるが密閉し得ない成形型内に熱可塑性樹脂発泡粒子を充填し、水蒸気などを加熱媒体として0.05〜0.6MPaの加熱水蒸気圧で3〜30秒の加熱時間で成形し熱可塑性樹脂発泡粒子を融着させ、このあと成形金型を水冷により型内発泡成形体取り出し後の型内発泡成形体の変形を抑制できる程度まで冷却した後、金型を開き型内発泡成形体を得る方法などが挙げられる。
【0047】
この際、熱可塑性樹脂発泡粒子として十分均一に混合したポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)とポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)を用い、ポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)同士は融着するが、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)同士は融着しない加熱条件で成形することにより、ポリスチレン系樹脂からなる発泡体中にポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)が分散している構造の熱可塑性樹脂発泡成形体が容易に得られる。
【0048】
ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)同士が融着する条件下で型内成形した場合、得られる熱可塑性樹脂発泡成形体は強い衝撃を受けた際に破壊よりも変形が優先的に生じる。このためエネルギー吸収効率は通常の熱可塑性樹脂発泡成形体と同等になる。またポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)同士だけでなく、ポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)も融着しない条件下で型内成形した場合、原料の粒子はバラバラなままで、成形体は得られない。
【0049】
該製造方法において、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)とポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)の密度差は小さいほど好ましい。密度差が大きいと均一に混合するのが難しくなり、また均一に混合した状態で充填できても、型内成形の間に分級が発生しやすい。つまり得られる型内成形体の部位による密度、性能のバラツキが発生しやすい。
【0050】
該製造方法において、ポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)の大きさとポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)の大きさに特に制限はないが、通常0.1〜10mm程度の大きさである。またポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)の大きさがポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)の大きさより小さい方が好ましい。この場合、ポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)をポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)の間により均等に存在させることが可能となり、該発泡粒子それぞれを大きく発泡させなくとも粒子間隙を埋めることが容易になり、ポリスチレン系樹脂からなる発泡体(A)の三次元的な網目構造を形成しやすい。
【0051】
該製造方法において用いられるポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)、及びポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)の嵩密度は、一般に該製造方法に適用しうるものであれば特に制限はないが、これらを原料に得られる熱可塑性樹脂発泡成形体の密度を前記のごとく50g/L以上にすることが望ましいことから、嵩密度が30g/L以上、より好ましくは50g/L以上の物が好適に使用しうる。
【0052】
【実施例】
次に本発明を実施例及び比較例に基づき説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(動的圧縮試験サンプルの調整)
型内発泡成形にて得られた該発泡成形体を、75±1℃の乾燥室内で16時間乾燥した後、23±1℃の恒温室で24時間放置した。この後該発泡成形体から100×300×60mmのサンプル(厚み方向の上下面にのみスキン有り)を切り出し、23±1℃の恒温室で24時間放置することにより、動的圧縮試験用の評価用サンプルを得た。
(動的圧縮試験)
吉田精機(株)製緩衝材用落下衝撃試験機CST−320Sを用いて、以下に示す条件にて試験を行った。なお、治具の円柱長さ方向と評価サンプルの縦方向が一致するよう、サンプル中心めがけて落下させ、このとき発生する衝撃荷重と、評価サンプルの変位を測定した。
【0053】
治具:直径φ70mm、長さ150mmの円柱状の丸棒
サンプル:縦100mm×横300mm×厚み60mm
落下高さ:81.6cm(衝突速度:4.0m/s)
重錘重量:30−80kg(評価サンプルの密度等により選定)
該落下試験において評価サンプルに与えるエネルギーは、落下高さと重錘重量の積で決まる。本発明における落下高さと重錘重量は、評価サンプルの歪みが65%以上になるように決定した。
(荷重)
前記試験機の円柱治具を取り付けた重錘を固定する台に、共和電業(株)製加速度変換器AS−500Bを固定し、該重錘台にかかる加速度Gを計測した。衝撃により発生する荷重Fは、加速度Gと重錘重量Mとの積として次式によって得られる。
【0054】
F[kN]=G×M×9.8/1000
(変位)
評価サンプルの変位はアンリツ(株)製光マイクロ変位計KL137Aを用いて測定した。前記試験機に該変位計を用いる場合には、重錘を固定する台に変位計から発する赤外線を反射する板を取り付け、これと変位計との距離Hを測定する。評価サンプルの変位を計算する方法は、測定した距離のうち、加速度計の出力が得られる、すなわち落下治具と評価サンプルが接した時点の距離H0から次式により算出する
変位[mm]=H0−H
(歪み)
該動的圧縮試験に基づく歪みとは次式で表すように変位を評価サンプルの厚みで除し、百分率で表したものである。
【0055】
歪み[%]=変位/評価サンプル厚み×100
(荷重比)
該動的圧縮試験に基づく60%歪み時の荷重F60%と、20%歪み時の荷重F20%は、文言通り前記のごとく歪みを規定した場合に、該歪み時に測定される荷重で定義する。これらの値より次式に従って荷重比を算出する。
【0056】
荷重比=(F60%)/(F20%)
(原料に用いた発泡粒子)
ポリスチレン系樹脂発泡粒子C−1として、α−メチルスチレン70重量%、アクリロニトリル30重量%の単量体組成を持つ共重合体(30℃、0.3% DMF溶液における比粘度ηSP=O.17)を基材樹脂とし、発泡剤としてブタンを6%含む、粒径1mm、嵩密度143g/Lの発泡粒子を用いた。
【0057】
ポリスチレン系樹脂発泡粒子C−2として、スチレン45重量%、α−メチルスチレン35重量%、アクリロニトリル20重量%の単量体組成を持つ共重合体(30℃、0.3% DMF溶液における比粘度ηSP=O.14)を基材樹脂とし発泡剤としてブタンを2%含む、粒径1mm、嵩密度75g/Lの発泡粒子を用いた。
【0058】
ポリオレフィン系樹脂発泡粒子B−1として、エチレン−プロピレンランダム共重合体(融点146.7℃、MFR=7g/10分)を基材樹脂とする、粒径3mm、嵩密度134g/Lの発泡粒子を用いた。
【0059】
ポリオレフィン系樹脂発泡粒子B−2として、エチレン−プロピレンランダム共重合体(融点146.7℃、MFR=7g/10分)を基材樹脂とする、粒径3mm、嵩密度71g/Lの発泡粒子を用いた。
【0060】
ポリオレフィン系樹脂発泡粒子B−3として、エチレン−プロピレンランダム共重合体(融点142.5℃、MFR=6g/10分)を基材樹脂とする、粒径3mm、嵩密度131g/Lの発泡粒子を用いた。
【0061】
ポリオレフィン系樹脂発泡粒子B−4として、ホモポリプロピレン(融点165.3℃、MFR=4g/10分)を基材樹脂とする、粒径3mm、嵩密度137g/Lの発泡粒子を用いた。
【0062】
(実施例1)
ポリスチレン系樹脂からなる発泡粒子(C)としてはC−1、ポリオレフィン系樹脂からなる発泡粒子(B)としてはB−1を用い、B−1のみ前もって耐圧容器内で空気により0.2MPaの圧力で16時間加圧することにより発泡力を付与した。
【0063】
前記ポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)とポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)を体積分率35:65で混合し、これを縦320mm×横320mm×厚み60mmの金型内に充填し、0.20MPaの水蒸気で10秒間加熱、融着させ熱可塑性樹脂発泡成形体を得た。該発泡成形体の密度は148g/Lであった。
【0064】
これから切り出した評価サンプルの断面を観察すると、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)同士、及びポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)とポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)はほとんど融着しておらず、非連続に分散していた。またポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)はポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)の間隙を埋めるように三次元的に網目状の発泡体(A)となっていた。
【0065】
該評価用サンプルを用い、重錘重量80kgの条件で、動的圧縮試験を行った。該動的圧縮試験にて得られた、20%歪み時の荷重F20%は14.83kN、60%歪み時の荷重F60%は14.45kNであった。また60%歪み時の荷重F60%と20%歪み時の荷重F20%との比(F60%/F20%)は0.97であった。
【0066】
(実施例2)
ポリスチレン系樹脂からなる発泡粒子(C)としてはC−2、ポリオレフィン系樹脂からなる発泡粒子(B)としてはB−2を用い、B−2のみ前もって耐圧容器内で空気により0.2MPaの圧力で16時間加圧することにより発泡力を付与した。
【0067】
前記ポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)とポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)を体積分率30:70で混合し、これを縦320mm×横320mm×厚み60mmの金型内に充填し、0.20MPaの水蒸気で10秒間加熱、融着させ熱可塑性樹脂発泡成形体を得た。該発泡成形体の密度は85g/Lであった。
【0068】
これから切り出した評価サンプルの断面を観察すると、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)同士、及びポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)とポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)はほとんど融着しておらず、非連続に分散していた。またポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)はポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)の間隙を埋めるように三次元的に網目状の発泡体(A)となっていた。
【0069】
該評価用サンプルを用い、重錘重量30kgの条件で、動的圧縮試験を行った。該動的圧縮試験にて得られた、20%歪み時の荷重F20%は4.12kN、60%歪み時の荷重F60%は4.72kNであった。また60%歪み時の荷重F60%と20%歪み時の荷重F20%との比(F60%/F20%)は1.15であった。
【0070】
(実施例3)
ポリスチレン系樹脂からなる発泡粒子(C)としてはC−1、ポリオレフィン系樹脂からなる発泡粒子(B)としてはB−3を用い、B−3のみ前もって耐圧容器内で空気により0.2MPaの圧力で16時間加圧することにより発泡力を付与した。
【0071】
前記ポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)とポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)を体積分率35:65で混合し、これを縦320mm×横320mm×厚み60mmの金型内に充填し、0.20MPaの水蒸気で10秒間加熱、融着させ熱可塑性樹脂発泡成形体を得た。該発泡成形体の密度は150g/Lであった。
【0072】
これから切り出した評価サンプルの断面を観察すると、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)はやや変形していたものの、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)同士、及びポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)とポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)はほとんど融着しておらず、非連続に分散していた。またポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)は全体的に広がっているものの、三次元的に網目状の発泡体(A)となっていた。
【0073】
該評価用サンプルを用い、重錘重量80kgの条件で、動的圧縮試験を行った。該動的圧縮試験にて得られた、20%歪み時の荷重F20%は13.35kN、60%歪み時の荷重F60%は19.68kNであった。また60%歪み時の荷重F60%と20%歪み時の荷重F20%との比(F60%/F20%)は1.47であった。
【0074】
(実施例4)
ポリスチレン系樹脂からなる発泡粒子(C)としてはC−1、ポリオレフィン系樹脂からなる発泡粒子(B)としてはB−4を用い、B−4のみ前もって耐圧容器内で空気により0.2MPaの圧力で16時間加圧することにより発泡力を付与した。
【0075】
前記ポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)とポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)を体積分率35:65で混合し、これを縦320mm×横320mm×厚み60mmの金型内に充填し、0.20MPaの水蒸気で10秒間加熱、融着させ熱可塑性樹脂発泡成形体を得た。該発泡成形体の密度は151g/Lであった。
【0076】
これから切り出した評価サンプルの断面を観察すると、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)同士、及びポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)とポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)はほとんど融着しておらず、非連続に分散していた。またポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)はポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)の間隙を埋めるように三次元的に網目状の発泡体(A)となっていた。
【0077】
該評価用サンプルを用い、重錘重量80kgの条件で、動的圧縮試験を行った。該動的圧縮試験にて得られた、20%歪み時の荷重F20%は22.23kN、60%歪み時の荷重F60%は22.56kNであった。また60%歪み時の荷重F60%と20%歪み時の荷重F20%との比(F60%/F20%)は1.01であった。
【0078】
(実施例5)
ポリスチレン系樹脂からなる発泡粒子(C)としてはC−1、ポリオレフィン系樹脂からなる発泡粒子(B)としてはB−1を用い、B−1のみ前もって耐圧容器内で空気により0.2MPaの圧力で16時間加圧することにより発泡力を付与した。
【0079】
前記ポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)とポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)を体積分率65:35で混合し、これを縦320mm×横320mm×厚み60mmの金型内に充填し、0.20MPaの水蒸気で10秒間加熱、融着させ熱可塑性樹脂発泡成形体を得た。該発泡成形体の密度は153g/Lであった。
【0080】
これから切り出した評価サンプルの断面を観察すると、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)同士、及びポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)とポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)はほとんど融着しておらず、非連続に分散していた。またポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)は体積分率が高く、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)の間隙を埋めるというより、ポリスチレン系樹脂からなる発泡体中にポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)が浮いているような構造を取っていた。
【0081】
該評価用サンプルを用い、重錘重量80kgの条件で、動的圧縮試験を行った。該動的圧縮試験にて得られた、20%歪み時の荷重F20%は17.55kN、60%歪み時の荷重F60%は26.76kNであった。また60%歪み時の荷重F60%と20%歪み時の荷重F20%との比(F60%/F20%)は1.52であった。
【0082】
(実施例6)
ポリスチレン系樹脂からなる発泡粒子(C)としてはC−1、ポリオレフィン系樹脂からなる発泡粒子(B)としてはB−1を用い、B−1のみ前もって耐圧容器内で空気により0.2MPaの圧力で16時間加圧することにより発泡力を付与した。
【0083】
前記ポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)とポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)を体積分率50:50で混合し、これを縦320mm×横320mm×厚み60mmの金型内に充填し、0.20MPaの水蒸気で10秒間加熱、融着させ熱可塑性樹脂発泡成形体を得た。該発泡成形体の密度は150g/Lであった。
【0084】
これから切り出した評価サンプルの断面を観察すると、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)同士、及びポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)とポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)はほとんど融着しておらず、非連続に分散していた。またポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)はポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)の間隙を埋めるように三次元的に網目状の発泡体(A)となっていた。
【0085】
該評価用サンプルを用い、重錘重量70kgの条件で、動的圧縮試験を行った。該動的圧縮試験にて得られた、20%歪み時の荷重F20%は15.53kN、60%歪み時の荷重F60%は14.80kNであった。また60%歪み時の荷重F60%と20%歪み時の荷重F20%との比(F60%/F20%)は0.95であった。
【0086】
(実施例7)
ポリスチレン系樹脂からなる発泡粒子(C)としてはC−1、ポリオレフィン系樹脂からなる発泡粒子(B)としてはB−1を用い、B−1のみ前もって耐圧容器内で空気により0.2MPaの圧力で16時間加圧することにより発泡力を付与した。
【0087】
前記ポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)とポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)を体積分率20:80で混合し、これを縦320mm×横320mm×厚み60mmの金型内に充填し、0.20MPaの水蒸気で10秒間加熱、融着させ熱可塑性樹脂発泡成形体を得た。該発泡成形体の密度は145g/Lであった。
【0088】
これから切り出した評価サンプルの断面を観察すると、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)同士、及びポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)とポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)はほとんど融着しておらず、非連続に分散していた。またポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)はポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)の間隙を埋めるように三次元的に網目状の発泡体(A)となっていた。
【0089】
該評価用サンプルを用い、重錘重量80kgの条件で、動的圧縮試験を行った。該動的圧縮試験にて得られた、20%歪み時の荷重F20%は12.69kN、60%歪み時の荷重F60%は18.44kNであった。また60%歪み時の荷重F60%と20%歪み時の荷重F20%との比(F60%/F20%)は1.25であった。
【0090】
(実施例8)
ポリスチレン系樹脂からなる発泡粒子(C)としてはC−1、ポリオレフィン系樹脂からなる発泡粒子(B)としてはB−1を用い、B−1に特に発泡力を付与させる操作を行わなかった。
【0091】
前記ポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)とポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)を体積分率35:65で混合し、これを縦320mm×横320mm×厚み60mmの金型内に充填し、0.20MPaの水蒸気で10秒間加熱、融着させ熱可塑性樹脂発泡成形体を得た。該発泡成形体の密度は147g/Lであった。
【0092】
これから切り出した評価サンプルの断面を観察すると、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)同士、及びポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)とポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)はほとんど融着しておらず、非連続に分散していた。またポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)はポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)の間隙を埋めるように三次元的に網目状の発泡体(A)となっていた。
【0093】
該評価用サンプルを用い、重錘重量80kgの条件で、動的圧縮試験を行った。該動的圧縮試験にて得られた、20%歪み時の荷重F20%は13.80kN、60%歪み時の荷重F60%は15.10kNであった。また60%歪み時の荷重F60%と20%歪み時の荷重F20%との比(F60%/F20%)は1.09であった。
【0094】
(実施例9)
ポリスチレン系樹脂からなる発泡粒子(C)としてはC−1、ポリオレフィン系樹脂からなる発泡粒子(B)としてはB−4を用い、B−4のみ前もって耐圧容器内で空気により0.2MPaの圧力で16時間加圧することにより発泡力を付与した。
【0095】
前記ポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)とポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)を体積分率35:65で混合し、これを縦320mm×横320mm×厚み60mmの金型内に充填し、0.30MPaの水蒸気で10秒間加熱、融着させ熱可塑性樹脂発泡成形体を得た。該発泡成形体の密度は152g/Lであった。
【0096】
これから切り出した評価サンプルの断面を観察すると、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)同士、及びポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)とポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)はほとんど融着しておらず、非連続に分散していた。またポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)はポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)の間隙を埋めるように三次元的に網目状の発泡体(A)となっていた。
【0097】
該評価用サンプルを用い、重錘重量80kgの条件で、動的圧縮試験を行った。該動的圧縮試験にて得られた、20%歪み時の荷重F20%は21.51kN、60%歪み時の荷重F60%は23.13kNであった。また60%歪み時の荷重F60%と20%歪み時の荷重F20%との比(F60%/F20%)は1.07であった。
【0098】
(比較例1)
ポリスチレン系樹脂からなる発泡粒子(C)としてC−1を用い、ポリオレフィン系樹脂からなる発泡粒子(B)を混合せず、単独で使用した。
【0099】
前記ポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)を縦320mm×横320mm×厚み60mmの金型内に充填し、0.12MPaの水蒸気で10秒間加熱、融着させ熱可塑性樹脂発泡成形体を得た。該発泡成形体の密度は161g/Lであった。
【0100】
これから切り出した評価サンプルの断面を観察すると、当然ポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)のみの発泡体(A)となっていた。
【0101】
該評価用サンプルを用い、重錘重量80kgの条件で、動的圧縮試験を行った。このサンプルのみ発生する荷重が非常に高いので評価サンプルの縦寸法を50mmに設定し、荷重の算出は得られた測定値に2を乗じた。該動的圧縮試験にて得られた、20%歪み時の荷重F20%は25.80kN、60%歪み時の荷重F60%は48.08kNであった。また60%歪み時の荷重F60%と20%歪み時の荷重F20%との比(F60%/F20%)は1.86であった。
【0102】
(比較例2)
ポリスチレン系樹脂からなる発泡粒子(C)としてC−2を用い、ポリオレフィン系樹脂からなる発泡粒子(B)を混合せず、単独で使用した。
【0103】
前記ポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)を縦320mm×横320mm×厚み60mmの金型内に充填し、0.12MPaの水蒸気で10秒間加熱、融着させ熱可塑性樹脂発泡成形体を得た。該発泡成形体の密度は85g/Lであった。
【0104】
これから切り出した評価サンプルの断面を観察すると、当然ポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)のみの発泡体(A)となっていた。
【0105】
該評価用サンプルを用い、重錘重量70kgの条件で、動的圧縮試験を行った。該動的圧縮試験にて得られた、20%歪み時の荷重F20%は9.30kN、60%歪み時の荷重F60%は16.21kNであった。また60%歪み時の荷重F60%と20%歪み時の荷重F20%との比(F60%/F20%)は1.74であった。
【0106】
(比較例3)
ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)としてB−1を用い、ポリスチレン系樹脂からなる発泡粒子(C)を混合せずに単独で使用した。B−1には前もって耐圧容器内で空気により0.2MPaの圧力で16時間加圧することにより発泡力を付与した。
【0107】
前記ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)を縦320mm×横320mm×厚み60mmの金型内に充填し、0.32MPaの水蒸気で10秒間加熱、融着させ熱可塑性樹脂発泡成形体を得た。該発泡成形体の密度は145g/Lであった。
【0108】
これから切り出した評価サンプルの断面を観察すると、当然ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)のみの発泡体となっていた。
【0109】
該評価用サンプルを用い、重錘重量80kgの条件で、動的圧縮試験を行った。該動的圧縮試験にて得られた、20%歪み時の荷重F20%は11.35kN、60%歪み時の荷重F60%は29.00kNであった。また60%歪み時の荷重F60%と20%歪み時の荷重F20%との比(F60%/F20%)は2.56であった。
【0110】
(比較例4)
ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)としてB−2を用い、ポリスチレン系樹脂からなる発泡粒子(C)を混合せずに単独で使用した。B−2には前もって耐圧容器内で空気により0.2MPaの圧力で16時間加圧することにより発泡力を付与した。
【0111】
前記ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)を縦320mm×横320mm×厚み60mmの金型内に充填し、0.32MPaの水蒸気で10秒間加熱、融着させ熱可塑性樹脂発泡成形体を得た。該発泡成形体の密度は80g/Lであった。
【0112】
これから切り出した評価サンプルの断面を観察すると、当然ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)のみの発泡体となっていた。
【0113】
該評価用サンプルを用い、重錘重量40kgの条件で、動的圧縮試験を行った。該動的圧縮試験にて得られた、20%歪み時の荷重F20%は5.14kN、60%歪み時の荷重F60%は9.87kNであった。また60%歪み時の荷重F60%と20%歪み時の荷重F20%との比(F60%/F20%)は1.92であった。
【0114】
(比較例5)
ポリスチレン系樹脂からなる発泡粒子(C)としてはC−1、ポリオレフィン系樹脂からなる発泡粒子(B)としてはB−1を用い、B−1のみ前もって耐圧容器内で空気により0.2MPaの圧力で16時間加圧することにより発泡力を付与した。
【0115】
前記ポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)とポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)を体積分率35:65で混合し、これを縦320mm×横320mm×厚み60mmの金型内に充填し、0.32MPaの水蒸気で10秒間加熱、融着させ熱可塑性樹脂発泡成形体を得た。該発泡成形体の密度は149g/Lであった。
【0116】
これから切り出した評価サンプルの断面を観察すると、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)同士が融着することにより連続的に三次元的に網目状の発泡体となっており、その間隙にポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)が存在していた。
【0117】
該評価用サンプルを用い、重錘重量80kgの条件で、動的圧縮試験を行った。該動的圧縮試験にて得られた、20%歪み時の荷重F20%は13.92kN、60%歪み時の荷重F60%は25.00kNであった。また60%歪み時の荷重F60%と20%歪み時の荷重F20%との比(F60%/F20%)は1.80であった。
【0118】
(比較例6)
ポリスチレン系樹脂からなる発泡粒子(C)としてはC−2、ポリオレフィン系樹脂からなる発泡粒子(B)としてはB−2を用い、B−2のみ前もって耐圧容器内で空気により0.2MPaの圧力で16時間加圧することにより発泡力を付与した。
【0119】
前記ポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)とポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)を体積分率30:70で混合し、これを縦320mm×横320mm×厚み60mmの金型内に充填し、0.32MPaの水蒸気で10秒間加熱、融着させ熱可塑性樹脂発泡成形体を得た。該発泡成形体の密度は82g/Lであった。
【0120】
これから切り出した評価サンプルの断面を観察すると、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)同士が融着することにより連続的に三次元的に網目状の発泡体となっており、その間隙にポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)が存在していた。
【0121】
該評価用サンプルを用い、重錘重量30kgの条件で、動的圧縮試験を行った。該動的圧縮試験にて得られた、20%歪み時の荷重F20%は4.16kN、60%歪み時の荷重F60%は9.98kNであった。また60%歪み時の荷重F60%と20%歪み時の荷重F20%との比(F60%/F20%)は2.40であった。
【0122】
以上の実施例、比較例の結果を表1にまとめた。表1の結果を見ると、本発明の熱可塑性樹脂発泡成形体を用いると、単独樹脂種では得られない、エネルギー吸収効率の極めて高いエネルギー吸収材が得られることが分かる。したがって本発明の効果は明らかである。
【表1】
【0123】
【発明の効果】
衝撃エネルギー吸収用のエネルギー吸収材として熱可塑性樹脂発泡成形体を用いた場合、そのエネルギー吸収機構が変形応力への変換であるため、衝撃により発生する荷重は歪みに大きく依存する。すなわち、低歪み時の変形応力は小さいが、高歪み時の変形応力はかなり大きくなる。このことは特にエネルギー吸収材の厚みを多くとれないときなどに問題となり、大きな衝撃を受けた場合に衝撃荷重が増大し、被保護物の破損を起こす畏れがある。
【0124】
本発明者らは、強度の高いポリスチレン系樹脂発泡体を骨格とし、これと相溶しにくいポリオレフィン系樹脂発泡粒子をポリスチレン系樹脂発泡体中に分散させた熱可塑性樹脂発泡成形体を考案した。
【0125】
本発明の熱可塑性樹脂発泡成形体は、低歪み時には高強度のポリスチレン系樹脂の効果により衝撃荷重を高くできる。また高歪み時には発泡体中に分散したポリオレフィン系樹脂発泡粒子がクラックとなり、ポリスチレン系樹脂発泡体骨格の破壊が発生し、衝撃荷重の増大を回避できる。この結果、低歪みから高歪み時まで一定の衝撃荷重を持ち、極めてエネルギー吸収効率の高いエネルギー吸収材となる。
【0126】
本発明により、例えば自動車の側突パッドや近年注目を浴びている歩行者保護バンパーの芯材として、それ程大きな厚みを取らなくても大きな衝撃荷重が発生せず、かつリサイクル、成形性の優れた熱可塑性樹脂発泡成形体を得ることが可能になる。
【0127】
また本発明者らは、ポリスチレン系樹脂の比較的低い加熱温度でも成形可能な性質と、これに比べると成形に必要な加熱温度が高いポリオレフィン系樹脂の性質に着目し、それぞれを発泡粒子の状態でブレンドし、ポリスチレン系樹脂が融着しポリオレフィン系樹脂が融着しない条件で型内発泡成形に用いる製造方法を考案した。
【0128】
本発明記載の製造方法を用いると、エネルギー吸収効率の極めて高いエネルギー吸収材を容易に製造することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明記載の熱可塑性樹脂発泡成形体(実施例1)、ポリスチレン系樹脂からなる発泡体(比較例1)、ポリオレフィン系樹脂からなる発泡体(比較例3)について、それぞれ動的圧縮試験により得られる衝撃荷重−歪み曲線を示す。
【図2】本発明記載の熱可塑性樹脂発泡成形体の断面図(イメージ)。断面の楕円がポリオレフィン系樹脂発泡粒子。周囲の灰色の部分がポリスチレン系樹脂発泡体
Claims (10)
- ポリスチレン系樹脂からなる発泡体(A)中に、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)が分散している熱可塑性樹脂発泡成形体。
- ポリスチレン系樹脂からなる発泡体(A)を構成するポリスチレン系樹脂が、スチレン0〜70重量%、α−メチルスチレン10〜80重量%、アクリロニトリル5〜50重量%の単量体組成の共重合体であることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂発泡成形体。
- ポリスチレン系樹脂からなる発泡体(A)を構成するポリスチレン系樹脂が、α−メチルスチレン50〜80重量%、アクリロニトリル20〜50重量%の単量体組成の共重合体であることを特徴とする請求項1、あるいは請求項2記載の熱可塑性樹脂発泡成形体。
- ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)を構成するポリオレフィン系樹脂がポリプロピレン系樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂発泡成形体。
- ポリスチレン系樹脂からなる発泡体(A)の割合が10〜80体積%、及びポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)の割合が90〜20体積%である事を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂発泡成形体。
- ポリスチレン系樹脂からなる発泡体(A)が、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)の間隙を埋める三次元的に網目状の構造を持つ、請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂発泡成形体。
- ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)同士、及びポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)とポリスチレン系樹脂からなる発泡体(A)が、部分的、もしくは完全に融着しておらず、非連続に分散している請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂発泡成形体。
- 動的圧縮試験に基づく60%歪み時の荷重(F60%)と、同20%歪み時の荷重(F20%)との比(F60%/F20%)が、1.60以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂発泡成形体。
- 密度が50g/L以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂発泡成形体。
- ポリスチレン系樹脂からなる発泡粒子(C)と、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)とを混合した状態で成形金型内に充填し、ついで成形金型内に加熱媒体を導いて、ポリスチレン系樹脂発泡粒子(C)同士は融着するが、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(B)同士は融着しない条件下で型内成形することを特徴とする、熱可塑性樹脂発泡成形体の製造方法。
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JP2002310111A JP4202716B2 (ja) | 2002-10-24 | 2002-10-24 | 熱可塑性樹脂発泡成形体及びその製造方法 |
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