JP2003341119A - 記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

記録ヘッドの製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】歩留まりが高く、しかも記録紙に鮮明な印画を
形成することができる記録ヘッドを得ることが可能な記
録ヘッドの製造方法を提供する。 【解決手段】長尺状を成す複数の区画に区分されている
単結晶シリコンウエハ1aの上面に絶縁層2を形成する
工程と、前記各区間内の長辺に沿って多数の発熱抵抗体
3を直線状に取着・配列させる工程と、前記隣接する区
画間の境界部に位置する絶縁層2に溝2aを形成し、該
溝2aの底面にシリコンを露出させる工程と、前記単結
晶シリコンウエハ1aを溝2aの底面でダイシングする
ことにより各区画に分断して複数の記録ヘッドを得る工
程と、を含む記録ヘッドの製造方法によって記録ヘッド
を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ファクシミリやビ
デオプリンタ等のプリンタ機構として組み込まれるサー
マルヘッドやインクジェットヘッド等の記録ヘッドの製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ファクシミリやビデオプリン
タ等のプリンタ機構として組み込まれる記録デバイスと
して、サーマルヘッドやインクジェットヘッド等の記録
ヘッドが用いられている。
【0003】かかる従来の記録ヘッドとしては、図8に
示すようなサーマルヘッドが知られており、かかるサー
マルヘッドは、酸化珪素からなる絶縁層12が被着され
ている長尺状を成すシリコン基板11の上面に、その長
辺に沿って多数の発熱抵抗体13を配列するとともに、
これら各発熱抵抗体13に一対の電極を被着した構造を
有しており、例えばインクリボンを用いて印画を行う場
合、インクリボンと記録紙を重ね合わせた状態でプラテ
ンローラ等で発熱抵抗体13上に搬送しながら、発熱抵
抗体13を外部からの印画信号に基づいて個々に選択的
に発熱させるととともに、該発熱した熱を発熱抵抗体1
3上のインクリボンに伝導させてインクリボンのインク
を加熱・溶融させ、これを記録紙に押圧・転写させるこ
とによってサーマルヘッドとして機能する。
【0004】このようなサーマルヘッドは、1枚の単結
晶シリコンウエハから複数個のサーマルヘッドを得る
“複数個取り”による手法が採用されており、かかる
“複数個取り”による製造方法は、まず、長尺状を成す
複数の区画に区分される単結晶シリコンウエハの上面に
酸化珪素からなる絶縁層を熱酸化法により形成し、次
に、前記各区画上に、その長辺に沿って多数の発熱抵抗
体を取着・配列するとともに、該発熱抵抗体に電気的に
接続される図示しない電極等を被着させ、最後に、前記
単結晶シリコンウエハをダイヤモンドブレード等を用い
てダイシングすることにより各区画に分断することによ
って複数のサーマルヘッドが同時に得られる。
【0005】尚、上述のサーマルヘッドにおいては、シ
リコン基板の幅をできるだけ小さくするため、あるい
は、記録動作時、発熱抵抗体の熱によって溶融したイン
クリボンのインクを良好に記録紙に転写させるため、前
記発熱抵抗体13をシリコン基板11の長辺に対してで
きるだけ近づけて配置させるようにしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のサーマルヘッドを製造する際に使用される単結
晶シリコンウエハは比較的脆い性質を有していることか
ら、単結晶シリコンウエハを各区画毎に分断する際、ダ
イヤモンドブレード等によって単結晶シリコンウエハに
印加される押圧力により、得られるサーマルヘッドの角
にチッピングが生じることがある。それ故、かかるチッ
ピングがシリコン基板11の長辺近傍に配列される発熱
抵抗体13に到達し、発熱抵抗体13の一部が欠けて印
画不良を起こしてしまい、サーマルヘッドの歩留まり低
下を招く欠点を有していた。
【0007】また、上述した従来のサーマルヘッドの製
造方法に使用される単結晶シリコンウエハは、その上面
に形成された絶縁層12を構成する酸化珪素と線膨張係
数が大きく異なることから、単結晶シリコンウエハ上面
に絶縁層12を形成する際に印加された熱によって、単
結晶シリコンウエハ内部には大きな熱応力が蓄積された
状態にある。このため、単結晶シリコンウエハを長尺状
に分断すると、単結晶シリコンウエハ内部に蓄積された
熱応力が一度に多量に開放され、単結晶シリコンウエハ
より分断して得られるサーマルヘッドが弓状に湾曲して
しまい、かかるサーマルヘッドを用いて記録紙に形成さ
れた画像に歪みを生じる欠点を有していた。
【0008】本発明は、上記欠点に鑑み案出されたもの
であり、その目的は、歩留まりが高く、しかも記録紙に
鮮明な印画を形成することができる記録ヘッドを得るこ
とが可能な記録ヘッドの製造方法を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の記録ヘッドの製
造方法は、長尺状を成す複数の区画に区分されている単
結晶シリコンウエハの上面に絶縁層を形成する工程と、
前記各区間内の長辺に沿って多数の発熱抵抗体を直線状
に取着・配列させる工程と、前記隣接する区画間の境界
部に位置する絶縁層に溝を形成し、該溝の底面にシリコ
ンを露出させる工程と、前記単結晶シリコンウエハを溝
の底面でダイシングすることにより各区画に分断して複
数の記録ヘッドを得る工程と、を含むことを特徴とする
ものである。
【0010】また、本発明の記録ヘッドの製造方法は、
前記長尺状を成す複数の区画は、その長辺が単結晶シリ
コンウエハの<110>方向に対して略平行に配されて
いることを特徴とするものである。
【0011】更に、本発明の記録ヘッドの製造方法は、
前記絶縁層が単結晶シリコンウエハの上面を熱酸化法に
より酸化して形成されていることを特徴とするものであ
る。
【0012】本発明の記録ヘッドの製造方法によれば、
長尺状を成す複数の区画に区分されている単結晶シリコ
ンウエハの上面に絶縁層を形成するとともに、隣接する
区画間の境界部に位置する絶縁層に溝を形成し、該溝の
底面にシリコンを露出させるようにしたことから、単結
晶シリコンウエハの内部に蓄積されている熱応力の一部
が前記境界部より適度に開放されることとなり、分断時
に一度に開放される単結晶シリコンウエハ内の熱応力の
量を減少させることができる。従って、単結晶シリコン
ウエハをダイシングして得られる記録ヘッドの湾曲度合
いを低減して、発熱抵抗体の配列の直線性を良好に保持
することができ、記録紙に対して歪みの少ない良好な画
像を記録する記録ヘッドを得ることが可能となる。
【0013】しかもこの場合、熱応力の蓄積量が小さい
溝の底面で単結晶シリコンウエハをダイシングするよう
にしたことから、得られる記録ヘッドの角にチッピング
が生じ、発熱抵抗体が欠けてしまうといった不具合が有
効に防止され、記録ヘッドの歩留まりを向上させること
ができる。
【0014】また、本発明の記録ヘッドの製造方法によ
れば、隣接する区画間の境界部に溝を形成したことか
ら、溝の底面と該溝近傍の絶縁層の上面との間に段差が
存在することとなり、単結晶シリコンウエハをダイシン
グする際に、過度に大きな押圧力が単結晶シリコンウエ
ハに印加される等して、万一、記録ヘッドにチッピング
が発生したとしても、かかるチッピングが絶縁層の上面
まで到達して発熱抵抗体に欠けが生じることはほとんど
なく、記録ヘッドの歩留まりを更に高めることができ
る。
【0015】更に、本発明の記録ヘッドの製造方法によ
れば、単結晶シリコンウエハ上面に形成される長尺状を
成す複数の区画の長辺を、単結晶シリコンウエハの機械
的強度が高い<110>方向に対して略平行となるよう
に配することにより、単結晶シリコンウエハより得られ
る記録ヘッドにチッピングが生じる頻度が更に少なくな
り、記録ヘッドの歩留まりが飛躍的に向上する上に、記
録ヘッドに生じる反りの量が更に低減され、記録紙に形
成される画像をより鮮明にすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に基づい
て詳細に説明する。図1は本発明の記録ヘッドの製造方
法を用いて製作されたサーマルヘッドの平面図、図2は
図1のサーマルヘッドの断面図であり、かかるサーマル
ヘッドは、シリコン基板1上に形成された絶縁層2の上
面に、多数の発熱抵抗体3を配列させた構造を有してい
る。
【0017】前記シリコン基板1は、単結晶シリコンに
より形成された後述の単結晶シリコンウエハ1aを分断
して長尺状に形成されており、その上面の面方位が(1
00)面に、長辺が<110>方向に合致させてあり、
上面に絶縁層2や多数の発熱抵抗体3、図示しない一対
の電極等が形成され、これらを支持するための支持母材
として機能する。
【0018】また、前記シリコン基板1上に設けられる
絶縁層2は、シリコン基板1を形成する単結晶シリコン
と発熱抵抗体3等とを電気的に絶縁するとともに、その
内部で発熱抵抗体3の発する熱の一部を蓄積して発熱抵
抗体3の熱応答性を高めるためのものであり、酸化珪素
を主成分とする無機質材料により1.0μm〜20.0
μmの厚みに形成されている。
【0019】このような絶縁層2の上面には、シリコン
基板1の外縁に沿った領域に溝2aが環状に形成されて
おり、その溝2aの底面にはシリコン基板1が露出した
形となっている。
【0020】更に、前記絶縁層2の上面に設けられる多
数の発熱抵抗体3は、前記シリコン基板1の長辺に沿っ
て、例えば300dpi(dot per inch)の密度で直線
状に被着・配列されており、各々がTaSiO系、Ti
SiO系、TiCSiO系等の電気抵抗材料により形成
されているため、両端に接続される一対の電極を介して
所定の電力が印加されるとジュール発熱を起こし、記録
紙に印画を形成するのに適した所定の温度に発熱する。
【0021】かくして上述したサーマルヘッドは、イン
クリボン及び記録紙を重ね合わせた状態で、これらをプ
ラテンローラ等で発熱抵抗体3上に搬送しながら、発熱
抵抗体3に図示しない一対の電極を介して所定の電力を
印加し、発熱抵抗体3を外部からの印画信号に基づいて
個々に選択的に発熱させるととともに、該発熱した熱を
発熱抵抗体3上のインクリボンに伝導させてインクリボ
ンのインクを加熱・溶融させ、これを記録紙に押圧・転
写させることによってサーマルヘッドとして機能する。
【0022】次に本発明の一実施形態にかかる記録ヘッ
ドの製造方法を図3及び図4を用いて詳述する。まず、
図3(a)に示す如く、単結晶シリコンウエハ1aの上
面に絶縁層2を形成する。
【0023】前記単結晶シリコンウエハ1aは、まず従
来周知のチョコラルスキー法(引き上げ法)を採用する
ことにより、単結晶シリコンからなるインゴット(塊)
を得、これを所定厚みにスライスした上、表面を研磨す
ることにより製作される。
【0024】かかる単結晶シリコンウエハ1aは、その
上面が後述する溝2aによって長尺状を成す複数の区画
に区分され、更にこれら各区画の長辺は単結晶シリコン
ウエハ1aの<110>方向と略平行に配されており、
これら各区画内に多数の発熱抵抗体3や図示しない電極
等がそれぞれ形成される。
【0025】また、前記絶縁層2は、従来周知の熱酸化
法や薄膜形成技術等を採用することにより、単結晶シリ
コンウエハ1aの上面を酸化することにより例えば1.
0μm〜20.0μmの厚みに形成される。このとき、
単結晶シリコンウエハ1aの内部には、絶縁層2を形成
する酸化珪素との線膨張係数の違いに起因した熱応力が
多量に印加された状態となる。次に、図3(b)及び図
4に示す如く、前記絶縁層2を従来周知のフォトリソグ
ラフィー技術及びエッチング技術を採用することにより
所定パターンに加工する。
【0026】前記絶縁層2は、隣接する区画間の境界部
を帯状にエッチング除去することによって該境界部に沿
って溝2aが形成され、該溝2aの底面にはシリコンが
露出されることとなり、かかる溝2aより単結晶シリコ
ンウエハ1aの内部に蓄積された熱応力の一部が適度に
開放される。
【0027】尚、前記絶縁層2に形成される溝2aは、
断面四角形状を成しており、その幅が50μm〜200
μmに、深さが2.0μm〜50μmにそれぞれ設定さ
れる。次に、図3(c)に示す如く、前記絶縁層2の上
面に、発熱抵抗体3や図示しない一対の電極を被着させ
る。
【0028】前記発熱抵抗体3は、各区画の長辺に沿っ
て直線状に被着・配列されており、このような発熱抵抗
体3や図示しない一対の電極は、従来周知の薄膜形成技
術、具体的には、スパッタリング、フォトリソグラフィ
ー及びエッチング等によって各区画に所定パターンに形
成される。(4)最後に、図3(d)に示す如く、単結
晶シリコンウエハ1aを前記溝2aの底面でダイシング
する。
【0029】このダイシングは、例えば、回転可能に支
持されたダイヤモンドブレードを具備するカッティング
装置等が好適に用いられ、これにより単結晶シリコンウ
エハ1aが区画毎に分断され、複数のサーマルヘッドが
得られる。
【0030】以上のような製造方法によれば、長尺状を
成す複数の区画に区分されている単結晶シリコンウエハ
1aの上面に絶縁層2を形成するとともに、隣接する区
画間の境界部に位置する絶縁層2に溝2aを形成し、該
溝2aの底面にシリコンを露出させるようにしたことか
ら、単結晶シリコンウエハの内部に蓄積されている熱応
力の一部が前記境界部より適度に開放され、単結晶シリ
コンウエハ1aの分断時に一度に開放される単結晶シリ
コンウエハ内部の熱応力の量を減少させることができ
る。従って、単結晶シリコンウエハ1aをダイシングし
て得られるサーマルヘッドの湾曲度合いを低減して、発
熱抵抗体3の配列の直線性を良好に保持することがで
き、記録紙に対して歪みの少ない良好な画像を記録する
サーマルヘッドを得ることが可能となる。
【0031】しかもこの場合、熱応力の蓄積量が小さい
溝2aの底面で単結晶シリコンウエハ1aをダイシング
するようにしたことから、得られるサーマルヘッドの角
にチッピングが生じ、発熱抵抗体3が欠けてしまうとい
った不具合が有効に防止され、サーマルヘッドの歩留ま
りを向上させることができる。
【0032】また、上述したサーマルヘッドの製造方法
によれば、隣接する区画間の境界部に溝2aを形成した
ことから、溝2aの底面と該溝近傍の絶縁層2の上面と
の間に段差が存在することとなり、単結晶シリコンウエ
ハ1aをダイシングする際に、過度に大きな押圧力が単
結晶シリコンウエハ1aに印加される等して、万一、サ
ーマルヘッドにチッピングが発生したとしても、かかる
チッピングが絶縁層2の上面まで到達して発熱抵抗体3
に欠けが生じることはほとんどなく、サーマルヘッドの
歩留まりを更に高めることができる。
【0033】更に、上述したサーマルヘッドの製造方法
によれば、単結晶シリコンウエハ上面に形成される長尺
状を成す複数の区画の長辺を、機械的強度が比較的高い
<110>方向に対して略平行となるように配したこと
から、単結晶シリコンウエハ1aより得られるサーマル
ヘッドにチッピングが生じる頻度が更に少なくなり、サ
ーマルヘッドの歩留まりが飛躍的に向上する上に、サー
マルヘッドに生じる反り量が更に低減され、記録紙に形
成される画像をより鮮明にすることができる。
【0034】尚、本発明は上述の実施の形態に限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲におい
て種々の変更・改良が可能である。
【0035】例えば、上述の形態においては、前記溝2
aを、前記各区画内に発熱抵抗体3や図示しない一対の
電極等を被着させる前に設けるようにしたが、これに代
えて、図5に示す如く、前記溝2aを、各区画内に発熱
抵抗体3や図示しない一対の電極等を被着させた後に設
けるようにしても構わない。
【0036】また、上述の形態においては、本発明の記
録ヘッドの製造方法をサーマルヘッドに適用した場合に
ついて説明したが、これに代えて、本発明の製造方法を
インクジェットヘッドに適用しても良く、この場合も同
様の効果が得られる。尚、インクジェットヘッドを製造
する場合は、上述した製造方法によりヘッド基板を得た
後、該ヘッド基板上に、発熱抵抗体3に対応する多数の
インク吐出孔を有したノズル部材を間に所定の間隙を形
成するように配設するとともに、該間隙にインクを充填
すれば良い。
【0037】更に、上述の形態において、前記絶縁層2
に形成される溝2aの底面と側面との間に形成される角
部を曲面状に成すとともに、その曲率半径を5.0μm
〜50.0μmに設定しておけば、溝の内面が角の無い
滑らかな曲面状となり、それ故、溝の内面に存在する角
部を起点として単結晶シリコンウエハにひび割れが発生
することはほとんどなく、これによってもサーマルヘッ
ド等をはじめとする記録ヘッドの品質を高めることがで
きる。
【0038】また更に、上述の実施形態において、前記
発熱抵抗体3や図示しない一対の電極を窒化珪素や酸化
珪素等からなる保護膜で被覆するようにしても良い。こ
のとき、隣接する区画間の境界部に位置する保護膜に凹
部を設けるようにしても良く、この場合、保護膜を構成
する窒化珪素等と単結晶シリコンウエハ1aとの間の線
膨張係数の違いに起因した熱応力の一部が保護膜に形成
された凹部からも適度に開放されることとなり、サーマ
ルヘッドのチッピングや反りをより効果的に防止でき
る。更に、図6(c)に示す如く、前記凹部5aを溝2
aよりも幅広に形成しておけば、単結晶シリコンウエハ
1aをダイシングする時に、ダイヤモンドブレードが凹
部5aの側面に当たって保護膜5が剥がれるといった不
具合を有効に防止することができるという利点もある。
従って、前記凹部5aを溝2aよりも幅広に形成してお
くことが好ましい。尚、前記保護膜5は、従来周知のC
VD(Chemical Vapor Deposition)法やスパッタリン
グ等の薄膜形成技術を採用することにより形成され、ま
た前記凹部5aは、図6または図7に示す如く、保護膜
5を形成した後、かかる保護膜5を従来周知のフォトリ
ソグラフィー技術及びエッチング技術により所定パター
ンに加工することにより形成される。
【0039】
【発明の効果】本発明の記録ヘッドの製造方法によれ
ば、長尺状を成す複数の区画に区分されている単結晶シ
リコンウエハの上面に絶縁層を形成するとともに、隣接
する区画間の境界部に位置する絶縁層に溝を形成し、該
溝の底面にシリコンを露出させるようにしたことから、
単結晶シリコンウエハの内部に蓄積されている熱応力の
一部が前記境界部より適度に開放されることとなり、分
断時に一度に開放される単結晶シリコンウエハ内の熱応
力の量を減少させることができる。従って、単結晶シリ
コンウエハをダイシングして得られる記録ヘッドの湾曲
度合いを低減して、発熱抵抗体の配列の直線性を良好に
保持することができ、記録紙に対して歪みの少ない良好
な画像を記録する記録ヘッドを得ることが可能となる。
【0040】しかもこの場合、熱応力の蓄積量が小さい
溝の底面で単結晶シリコンウエハをダイシングするよう
にしたことから、得られる記録ヘッドの角にチッピング
が生じ、発熱抵抗体が欠けてしまうといった不具合が有
効に防止され、記録ヘッドの歩留まりを向上させること
ができる。
【0041】また、本発明の記録ヘッドの製造方法によ
れば、隣接する区画間の境界部に溝を形成したことか
ら、溝の底面と該溝近傍の絶縁層の上面との間に段差が
存在することとなり、単結晶シリコンウエハをダイシン
グする際に、過度に大きな押圧力が単結晶シリコンウエ
ハに印加される等して、万一、記録ヘッドにチッピング
が発生したとしても、かかるチッピングが絶縁層の上面
まで到達して発熱抵抗体に欠けが生じることはほとんど
なく、記録ヘッドの歩留まりを更に高めることができ
る。
【0042】更に、本発明の記録ヘッドの製造方法によ
れば、単結晶シリコンウエハ上面に形成される長尺状を
成す複数の区画の長辺を、単結晶シリコンウエハの機械
的強度が高い<110>方向に対して略平行となるよう
に配することにより、単結晶シリコンウエハより得られ
る記録ヘッドにチッピングが生じる頻度が更に少なくな
り、記録ヘッドの歩留まりが飛躍的に向上する上に、記
録ヘッドに生じる反りの量が更に低減され、記録紙に形
成される画像をより鮮明にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録ヘッドの製造方法を用いて製作さ
れたサーマルヘッドの断面図である。
【図2】図1の製造方法によって製作されたサーマルヘ
ッドの断面図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる記録ヘッドの製造
方法を説明するための各工程毎の断面図である。
【図4】図3の記録ヘッドの製造方法に用いられるシリ
コンウエハの平面図である。
【図5】(a)〜(e)は記録ヘッドの製造方法を説明
するための各工程毎の断面図である。
【図6】(a)〜(c)は保護膜及び凹部の形成方法を
説明するための各工程毎の断面図である。
【図7】(a)及び(b)は保護膜及び凹部の他の形成
方法を説明するための各工程毎の断面図である。
【図8】従来の製造方法によって製作されたサーマルヘ
ッドの断面図である。
【符号の説明】
1・・・シリコン基板 1a・・・単結晶シリコンウエハ 2・・・絶縁層 2a・・・溝 3・・・発熱抵抗体 5・・・保護膜 5a・・・凹部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長尺状を成す複数の区画に区分されている
    単結晶シリコンウエハの上面に絶縁層を形成する工程
    と、 前記各区間内の長辺に沿って多数の発熱抵抗体を直線状
    に取着・配列させる工程と、 前記隣接する区画間の境界部に位置する絶縁層に溝を形
    成し、該溝の底面にシリコンを露出させる工程と、 前記単結晶シリコンウエハを溝の底面でダイシングする
    ことにより各区画に分断して複数の記録ヘッドを得る工
    程と、を含むことを特徴とする記録ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】前記長尺状を成す複数の区画は、その長辺
    が単結晶シリコンウエハの<110>方向に対して略平
    行に配されていることを特徴とする請求項1に記載の記
    録ヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】前記絶縁層が単結晶シリコンウエハの上面
    を熱酸化法により酸化して形成されていることを特徴と
    する請求項1または請求項2に記載の記録ヘッドの製造
    方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010005897A (ja) * 2008-06-26 2010-01-14 Kyocera Corp 記録ヘッドおよびその製造方法、ならびに記録ヘッドを備える記録装置
JP2020090082A (ja) * 2018-12-07 2020-06-11 チェン ファ コーティング テクノロジー,インコーポレイテッド 感熱式プリントヘッドの製造方法

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