JP2003340797A - マイクロ流体デバイス及びその流量調節方法 - Google Patents

マイクロ流体デバイス及びその流量調節方法

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JP2003340797A
JP2003340797A JP2003054187A JP2003054187A JP2003340797A JP 2003340797 A JP2003340797 A JP 2003340797A JP 2003054187 A JP2003054187 A JP 2003054187A JP 2003054187 A JP2003054187 A JP 2003054187A JP 2003340797 A JP2003340797 A JP 2003340797A
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diaphragm
slider
microfluidic device
guide portion
movable member
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JP2003054187A
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English (en)
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Takanori Anazawa
孝典 穴澤
Atsushi Teramae
敦司 寺前
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Kawamura Institute of Chemical Research
Original Assignee
Kawamura Institute of Chemical Research
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い位置決め精度を要しないで、微細な流路に
対してダイヤフラムの変位を制御する。 【解決手段】毛細管状の流路5とこの流路に対して変位
可能なダイヤフラム7とからなるダイヤフラムバルブを
有する。第三樹脂層4のダイヤフラム7の位置に筒状の
案内部13を設けた。案内部13内で流路5の広幅部6
に対向するダイヤフラム7上に鋼球12を設ける。摺動
子を案内部13内に挿入するだけで鋼球12を介してダ
イヤフラム7を精密に変位させて流路5を広幅部6で開
閉制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体が流れる流路
の開閉や流体の流量調節を行うダイヤフラムバルブ機能
を有するマイクロ流体デバイス及びこのデバイスの流量
調節方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マイクロ流体デバイスは、例えば部材中
に微小な流路、或いは流路に接続されて反応槽、電気泳
動カラム、膜分離機構などの適宜構造が形成された微小
ケミカルデバイスとして使用される。このマイクロ流体
デバイスは、内部に毛細管状の流路を有し、化学、生化
学などの微小反応デバイス(マイクロ・リアクター);
集積型DNA分析デバイス、微小電気泳動デバイス、微
小クロマトグラフィーデバイスなどの微小分析デバイ
ス、質量スペクトルや液体クロマトグラフィーなどの分
析試料調製用微小デバイス、抽出、膜分離、透析などの
物理化学的処理デバイス、マイクロアレイ製造用スポッ
タなどとして使用できる。本発明者らが提案した特開2
001−70784号公報にはマイクロ流体デバイスと
して、溝を有する部材の上に柔軟な素材で形成されたフ
ィルム状の部材を固着して溝を毛細管状の流路と成し、
この流路の途中部分を柔軟なフィルム状の部材側から、
重錘、ピンチ、アクチュエーター、ネジなどの圧迫機構
で圧迫するようにしている。このフィルム状の部材を圧
迫して変位させることで、この変位する部分をダイヤフ
ラムバルブとして機能させ、流路の流量調節を行うよう
にしたマイクロ流体デバイスが開示されている。このよ
うなマイクロ流体デバイスでは、ダイヤフラム圧迫機構
としてマイクロ流体デバイスと一体化されていない独立
したバネ式クランプ等の各種アクチュエータを使用して
いる。
【0003】
【特許文献1】特開2001−70784号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たマイクロ流体デバイスにダイヤフラムを圧迫する位置
を限定するための凸状構造が設けられている場合でも、
マイクロ流体デバイスは制御すべき流路の幅が10〜3
00μm程度と非常に小さいためにマイクロ流体デバイ
スとダイヤフラム圧迫機構の相対的な配設位置に極めて
高い精度を要し、そのためにマイクロ流体デバイスの固
定機構やダイヤフラム圧迫機構が高価になるという欠点
があった。また、ダイヤフラム圧迫機構がマイクロ流体
デバイスに固定されたネジ式の圧迫機構を有する場合に
は圧迫時に流路の断面積を調整することが比較的容易で
あるが、ダイヤフラムを圧迫する際にねじる力が働くた
めダイヤフラムを有する部材等を損傷しやすく、薄くて
小さなマイクロ流体デバイスにこのような圧迫機構を採
用することが困難であった。
【0005】本発明は、このような実情に鑑みて、ダイ
ヤフラムを変位させる際に高い位置決め精度を要しない
ようにしたマイクロ流体デバイス及びその流量調節方法
を提供することを目的とする。また本発明の他の目的
は、マイクロ流体デバイスのダイヤフラムを変位させる
際にダイヤフラムにねじる力を働かせることなく開閉ま
たは流量調節操作が可能で、操作と制御が容易なマイク
ロ流体デバイス及びその流量調節方法を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決する方法について鋭意研究した結果、常態で例え
ば開であるダイヤフラムバルブ機構を有するマイクロ流
体デバイスにおいて、ダイヤフラムを変位させる案内部
を設けることによって上述した第一の課題を解決するこ
とが出来る。また更に案内部で誘導される可動部材を設
けることによってダイヤフラムの操作と流量の制御を行
うことで第二の課題を解決するに至った。
【0007】即ち、本発明によるマイクロ流体デバイス
は、毛細管状の流路とこの流路に対して変位可能なダイ
ヤフラムとからなるダイヤフラムバルブを有していて、
ダイヤフラムの変位すべき部位に対応してダイヤフラム
を変位させるための案内部を設けたことを特徴とする。
マイクロ流体デバイスのダイヤフラムに相当する部位に
案内部を設けることによって、この案内部でダイヤフラ
ムの変位を生じさせて流路断面積等を制御することで高
い位置決め精度を必要とすることなく流路に対応してダ
イヤフラムを精密に変位させることができ、極めて微細
な断面積を有する流路を流れる流体の流動停止や流動開
始等の流動制御や流量の調節等を容易に行える。尚、変
位とは流路断面積を変化させて流量を変化させるための
ダイヤフラムの移動をいう。また、ダイヤフラムは元の
位置への完全復帰可能であることが好ましいが、これに
限定されず、例えば、50%復帰でも10%復帰の状態
で保持するようにしても良い。
【0008】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態について
説明する。本実施の形態によるマイクロ流体デバイス
は、案内部に誘導されてダイヤフラムを変位させる可動
部材を設けてもよい。可動部材を案内部に誘導してダイ
ヤフラムを押圧等することで、ダイヤフラム等にねじる
力を作用させることなく簡単且つ高精度にダイヤフラム
を変位させることができる。また可動部材に緩衝部材を
設けてダイヤフラムに対する可動部材の押圧を制御する
ようにしてもよい。マイクロ流体デバイスを構成する各
部材は薄層で微小であるために可動部材による負荷が直
接伝達されるとダイヤフラムを含む各部材は衝撃、過
剰、過大な押圧、過剰な移動等で損傷し易く、またダイ
ヤフラムを変位させるための可動部材の移動量は極微小
であるため、制御が困難になりがちである。そのため緩
衝部材を介して可動部材の負荷をダイヤフラム等に伝達
することで負荷を低減して損傷を防止すると共に可動部
材の相対的に拡大された移動量でダイヤフラムの変位量
を制御することができる。ここで緩衝部材は、可動部材
とダイヤフラムの間若しくは複数の部材からなる可動部
材の間等に直列に配設され、押圧によって変形する特性
を有する部材であれば特に限定されない。例えば、コイ
ルスプリングその他のバネ、ゴムやエラストマー等の弾
性体、発泡ポリエチレンや発泡ポリウレタン等のような
柔軟な多孔質体、綿のような繊維、スライドカムと弾性
体との組み合わせ構造等を挙げることができる。緩衝部
材を直列に配設することで可動部材の相対的に大きな移
動に対してダイヤフラムの微小な変位が得られるために
ダイヤフラムの微小な制御を容易に行える。緩衝部材の
別の配設例として上述の緩衝部材を可動部材と並列に設
けた構成を採用してもよい。このような構成を採用すれ
ば、押圧負荷が可動部材と緩衝部材に分散されるために
衝撃等によるダイヤフラムの損傷を防止できる。また緩
衝部材の別の例として、一定以上の負荷を加えると塑性
変形する構造物、例えば鉛やアルミニウム製の箱等を採
用し、これを可動部材と直列に配設してもよい。この場
合、可動部材に所定以上の負荷がかかると上述の箱に非
回復性の変形を生じてダイヤフラムが保護される。尚、
上述した適宜の緩衝部材や配列構成を併用するようにし
てもよい。また可動部材は案内部内で直線的に移動して
ダイヤフラムを押圧するようにしてもよい。可動部材が
ねじられることなく案内部内をガイドされつつ直線的に
移動してダイヤフラムを押圧することで、ダイヤフラム
を損傷することなく負荷をかけて変位させることができ
る。
【0009】またダイヤフラムと可動部材との間に仲介
部材を設けてもよい。仲介部材を介して可動部材でダイ
ヤフラムを押動することで、可動部材の変位のしかたに
関わらず仲介部材でねじることなくダイヤフラムを圧迫
でき、損傷を防止できる。尚、仲介部材は可動部材の直
径よりも小さな直径を有する部材であることが好まし
く、仲介部材として球状、半球状、筒状や柱状、円錐台
や角錐台等の凸状体であることが好ましいが、可動部材
の負荷をダイヤフラムに伝達できれば凸状体に限定され
ることなく例えば針状構造と凹状構造が組み合わされた
ピボット等の各種形状の部材を採用できる。仲介部材の
材質も任意であり、鋼等の金属、硝子、水晶等の結晶、
重合体等を採用できるが、鋼等の金属や重合体が好まし
い。また仲介部材はダイヤフラムと可動部材のいずれか
に固着されていてもよい。ダイヤフラムに仲介部材を固
着した状態で可動部材で押圧すれば、仲介部材を介して
ダイヤフラムに伝達される負荷は常にダイヤフラムの中
心等の理想的位置に集中できて高精度な変位制御を行え
る。また可動部材に仲介部材を固着した場合にも案内部
によって負荷のかかる位置を調整して集中できる。仲介
部材は枠等によってダイヤフラムに相対する位置から外
れることもないように配設されていてもよいが、ダイヤ
フラムまたはダイヤフラムに重なるフィルム状部材等の
保護層に固着されていてもよい。保護層に固着されてい
る場合にはダイヤフラム側の面でも可動部材側の面でも
よいが、ダイヤフラム側であることがより好ましい。ま
た流路にはダイヤフラムに対応して流路の幅を広げた広
幅部を設けてもよい。流路は極めて微細で小さな断面積
であるから、ダイヤフラムの変位による流量制御は比較
的難しいが、流路断面積が他の部分より大きい広幅部で
制御を行うこととすればより精度の高い流量制御を行え
ることになる。流路は、該流路がダイヤフラムに接する
部分、例えば広幅部において、該部分への流入側開口
部、流出側開口部の一方または両方がダイヤフラムに対
向して設けられ、ダイヤフラムの変位によってこれらの
一方または両方の開口部の周囲とダイヤフラムとの間隙
の断面積を制御し、もしくは開閉するようにしてもよ
く、流路内での流体の流量を制御できる。
【0010】また案内部に対して可動部材をダイヤフラ
ムの押圧位置と非押圧位置との間の適宜位置でロックす
るロック機構を備えてもよい。ロック機構は係止部材に
よる係止構造であってもよく、この場合、案内部に対し
て可動部材をダイヤフラムの押圧位置と非押圧位置との
間の適宜位置で係止させる係止部材を備える構成にして
もよい。ロック機構によって可動部材を適宜位置でロッ
クすることができ、所望の流量制御状態で継続した制御
を容易に行える。或いは係止部材によって可動部材を適
宜位置で係止させることでロックすることができ、所望
の流量制御状態で継続した制御を容易に行える。また係
止部材は案内部に対して可動部材をダイヤフラムの押圧
位置と非押圧位置とのいずれか一方または両方で係止さ
せるようにしてもよい。このような係止部材の一例とし
て、可動部材と案内部の一方を他方に係止させる鈎部を
設けても良い。或いは、弾性変形して係止させる棒状の
係止部材に解除部材を付加してもよい。可動部材と案内
部の一方に設けた係止部材を他方の係止凹部に係合させ
てもよい。係止部材として回転カムの凸状カムを鋸歯案
内に係脱させる構成でもよく、作動腕部と第一及び第二
腕部とからなる切り換え部材を係止部材としてもよい。
その他、各実施の形態や実施例、変形例に示した構成例
を係止部材として採用できる。またダイヤフラムの上部
に保護層を設け、該保護層を介してダイヤフラムを変位
させるようにしてもよい。可動部材等で保護層を介して
ダイヤフラムを押圧して変位させることで流路の開閉制
御を行うことができ、ダイヤフラムに可動部材等の負荷
が直接印加されるのを防止してダイヤフラムを保護でき
る。この場合、保護層に案内部を固着してもよいし案内
部内に保護層を載置するようにしてもよい。尚、仲介部
材はダイヤフラムと保護層の間または保護層の上部や下
部に設けるようにしてもよい。
【0011】また本発明によるマイクロ流体デバイスの
流量調節方法は、毛細管状の流路とこの流路に対して変
位可能なダイヤフラムとからなるダイヤフラムバルブを
有しているマイクロ流体デバイスであって、可動部材を
案内部で誘導してダイヤフラムを変位させて流路を流れ
る流体の流量を制御するようにしたことを特徴とする。
可動部材は案内部で誘導してダイヤフラムの所望の押圧
位置に到達するから、予め案内部を精密に位置決め固定
するようにすればよく、可動部材の位置決めを精密に行
う必要がない。そのため微細な流路であってもダイヤフ
ラムを用いて高精度に流量制御を行える。また、ダイヤ
フラムの変位状態で可動部材を案内部に対して係止保持
するようにしてもよい。可動部材を係止保持すること
で、流路の閉鎖または適宜の開放状態に可動部材を容易
に設定できることになる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。図1乃至図3は第一の実施例を示すもので、
図1はマイクロ流体デバイス本体を示すもので(a)は
平面図、(b)は側面図、図2は図1(a)におけるA
−A線縦断面図、図3はマイクロ流体デバイスの作動機
構を示す斜視図である。なお、以下の実施例等におい
て、「部」は、特に断りがない限り「質量部」を表わ
す。図1及び図2に示すマイクロ流体デバイス本体Dに
おいて、例えばポリスチレン(p1)製の基材1上に第
一樹脂層2(第一層)、第二樹脂層3(第二層)、第三
樹脂層4(第三層)が順次積層されている。第一樹脂層
2及び第二樹脂層3は例えばエネルギー線硬化性組成物
(e1)から、第三樹脂層4は他のエネルギー線硬化性
組成物(e2)からなる。第二樹脂層3には例えば幅1
50μm程度、深さ98μm程度、長さ30mm程度の
断面略四角形の溝が流路5として形成されている。この
流路5の延在方向の途中部分が拡幅されていて例えば直
径300μm程度の円筒型の広幅部6が形成されてい
る。流路5は図では第二樹脂層3の上下両面に貫通する
貫通溝として形成されているが、貫通していない凹溝で
構成してもよい。流路5の広幅部6に対向する第三樹脂
層4の部分は変位可能なダイヤフラム7を構成し、ダイ
ヤフラム7は広幅部6とダイヤフラム7(第三樹脂層
4)とで形成する流路断面積を密閉及び開放或いは増減
する方向に弾性変形する。
【0013】そして流路5の両端部において第三樹脂層
4に例えば直径0.5mmの孔をそれぞれ開けて流体の
流入口8と流出口9を形成し、第三樹脂層4の流入口8
と流出口9上に配管接続具としてルアーフィッティング
10,11をそれぞれ固着する。またダイヤフラム7の
中心で広幅部6とは反対側の面に凸状部材、例えば直径
0.5mmの鋼球12が固着されている。更に鋼球12
の外周側には例えば円筒状の案内部13がダイヤフラム
7に固着されている。この案内部13は流路5の広幅部
6及びダイヤフラム7と略同心円状に配設され、広幅部
6よりも大きな内径を有しており、好ましくはその中心
に鋼球12が位置している。この案内部13はダイヤフ
ラム7を圧迫するための後述する可動部材の挿入をガイ
ドするものであり、圧迫によるダイヤフラム7の変位に
より例えば流路5の広幅部6を閉鎖して流体の流動を停
止させるように制御することができる。換言すれば、第
三樹脂層4に固着された円筒状の案内部13の内側部分
が第三樹脂層4に略直交する方向に変位可能なダイヤフ
ラム7を構成するといえる。本実施の形態によるマイク
ロ流体デバイス(微小ケミカルデバイス)本体Dは上述
の構成を有している。この第一の実施の形態によるマイ
クロ流体デバイス本体Dにおいて、表面に溝を有する第
二樹脂層3の材質や製法は、上述した材質や製法に代え
て、例えば射出成型、溶融レプリカ法、マイクロ光造形
法、フォトリソグラフィー、切削などにより形成された
非積層構造体であっても良い。その素材も、活性エネル
ギー線硬化性組成物の硬化物である樹脂に限定されるこ
となく任意であり、その他の重合体、ガラス、結晶、金
属、半導体、セラミックなどであってもよい。また、ダ
イヤフラム7を有する第三樹脂層4についても同様であ
り、柔軟で変形可能なフィルム状に成形することが可能
な素材であれば、活性エネルギー線硬化性組成物の硬化
物である樹脂に限定されることなく任意であり、例えば
その他の重合体、ガラス、金属などであってもよい。
【0014】次にダイヤフラム7を変位させるダイヤフ
ラム作動機構20を図3により説明する。図3におい
て、マイクロ流体デバイス本体Dを載置するための平板
状の基台23上に支柱24が起立状態で固定されてい
る。この支柱24にはガイド筒22が嵌挿されて支柱2
4の長手方向に沿って進退可能とされ、このガイド筒2
2には上述したマイクロ流体デバイス本体Dの案内部1
3に対して上下方向に摺動して進退可能な摺動子21が
可動部材として一体に取り付けられている。この摺動子
21は略円柱状に形成されていて案内部13内に進入す
る先端側が例えば直径3mm程度の円形をなす略円錐台
形状とされた重錘式のダイヤフラム圧迫具を構成する。
【0015】本実施例によるマイクロ流体デバイスはマ
イクロ流体デバイス本体Dとダイヤフラム作動機構20
を含めて上述の構成を有しており、その変位制御に際し
てはダイヤフラム作動機構20の基台23上にマイクロ
流体デバイス本体Dを配設して摺動子21の直下に案内
部13が位置するように設定する。この状態でマイクロ
流体デバイス本体Dのルアーフィッティング10及び流
入口8から流体を導入して流路5内を流動させて流出口
9及びルアーフィッティング11から流出させることに
なる。そしてダイヤフラム作動機構20の摺動子21を
指等で押動することで摺動子21を支柱24でガイドし
つつ降下させて摺動子21の先端を案内部13内に誘導
する。案内部13内に移動した摺動子21の先端で鋼球
12を圧迫することで、鋼球12を介してダイヤフラム
7が流路5の広幅部6内に変位して樹脂層からなる広幅
部6と共に変形して広幅部6を閉鎖する。これによって
流路5内の流体の流動を停止できる。そして摺動子21
を支柱24に沿って上方に移動させれば摺動子21がダ
イヤフラム7から離間してダイヤフラム7は広幅部6を
開放して流路5内での流体の流動を許容する。尚、摺動
子21によって鋼球12を介してダイヤフラム7を圧迫
する際に、摺動子21の停止位置を調整することで、流
路5及び広幅部6の開閉制御だけでなく、流路断面積の
増減調整を行うこともできて流量の増減制御も行える。
【0016】上述のように本実施例によれば、摺動子2
1によってダイヤフラム7を圧迫する際、摺動子21の
押動位置は案内部13によって高精度に流路5の広幅部
6に対向する位置に案内できる。しかもダイヤフラム7
上には鋼球12が固着されているから、摺動子21の押
圧位置を厳密に調整しなくても、そのために押圧位置が
多少ずれていても負荷をかけるポイントを必ず鋼球12
の位置に集中でき、マイクロ流体デバイス本体Dのよう
に流路5及び広幅部6が極微小微細であっても高精度に
流路5及び広幅部6の開閉制御または流量増減制御を行
うことができる。また流路5がミクロン単位の微細な寸
法構成であっても広幅部6でダイヤフラムを7を制御す
るから流量の制御が容易である。しかも摺動子21はガ
イド筒22を介して支柱24に沿って直線移動すること
でダイヤフラム7を圧迫することができ、捻らないでダ
イヤフラム7を押動するからダイヤフラム7を損傷しな
い。また摺動子21とダイヤフラム7との間に鋼球12
を仲介部材として設けたために、摺動子21の降下によ
るダイヤフラム7に対する衝撃を抑制できる。
【0017】次に本第一の実施例によるマイクロ流体デ
バイスの製法及び得られたデバイス本体Dによる流路5
の開閉試験について実施例1として説明する。 <実施例1> 〔基材1、第一及び第二樹脂層2,3の作製〕2.5cm
×5cm×厚さ3mmのポリスチレン(「ディックスチレン
XC−520」;大日本インキ化学工業株式会社製;以
下[p1]と称する)製の基材1上に、127μm のバ
ーコーターを用いてエネルギー線硬化性組成物[e1]
を塗布し、エネルギー線として紫外線を3秒間照射し
て、流動性が喪失したものの不完全硬化の状態の、厚み
98μmの第一樹脂層2を形成した。第一樹脂層2の上
に、127μm のバーコーターを用いてさらにエネルギ
ー線硬化性組成物[e1]を塗布し、流路5及び広幅部
6と成す部分以外の部分にエネルギー線として紫外線を
3秒間照射して照射部の未硬化塗膜を流動性が喪失した
ものの不完全硬化状態とし、非照射部の未硬化のエネル
ギー線硬化性組成物[e1]を流水によって除去して、
溝形状の流路5及び広幅部6を有する厚み98μmの第
二樹脂層3を固着状態に形成した。以上のようにして第
二樹脂層3に、幅150μm 、深さ98μm 、長さ30
mmからなる断面略矩形の溝をなす流路5、この流路5の
途上に直径300μmの円筒形の広幅部6を形成して、
図1及び2に示した形状の、基材1、第1樹脂層2及び
第2樹脂層3の積層体として構成されている部材[A
1]を作製した。尚、用いたポリスチレン[p1]の引
張弾性率と破断伸び率を測定して表1に示した。
【0018】〔第三樹脂層4の作成と接着〕ポリプロピ
レン二軸延伸フィルム(二村化学社製の「FOR」、厚
さ30μm;図示せず)のコロナ処理面に、127μm
のバーコーターを用いてエネルギー線硬化性組成物[e
2]を塗布した。次いで、エネルギー線として紫外線を
1秒間照射して、流動性は喪失したものの不完全硬化の
状態の塗膜とし、この塗膜面を第二樹脂層3上に積層し
た。次に、ポリプロピレン二軸延伸フィルム側から同じ
紫外線をさらに30秒間照射して該不完全硬化状態の塗
膜を完全硬化させることによって、エネルギー線硬化性
組成物[e2]の硬化物で構成された厚さ64μm の第
三樹脂層4を形成すると同時に、第二樹脂層3の表面に
固着させた。その後、ポリプロピレン二軸延伸フィルム
を剥離することによって、第二樹脂層3と第三樹脂装4
の間に毛細管状の流路5とその途中の広幅部6が形成さ
れ、広幅部6に相対する第三樹脂層4の部分としてダイ
ヤフラム7が形成された微小ケミカルデバイス本体[D
1]前駆体を作製した。
【0019】〔その他の構造の形成〕微小ケミカルデバ
イス本体[D1]前駆体の流路5の両端部において第三
樹脂層4に直径0.5mmのキリ孔を穿つことにより、流
入口8と流出口9を形成した。さらに、流入口8及び流
出口9にそれぞれルアーフィッティング10、11をエ
ポキシ接着剤で接着した。また。直径0.5mmの鋼球
12を、ダイヤフラム7の中心にエネルギー線硬化性組
成物[e2]を紫外線硬化させて接着した。さらに、外
形6mm、内径5.1mm、長さ10mmのポリスチレ
ン製パイプを枠状の案内部13として用い、これを微小
ケミカルデバイス本体[D1]前駆体の第三樹脂層4側
に、鋼球12が中心に来る位置にエポキシ接着剤にて接
着して、微小ケミカルデバイス本体[D1]をマイクロ
流体デバイス本体Dとして得た。
【0020】〔ダイヤフラム作動機構の作製〕図3に示
すダイヤフラム作動機構20は、基台23に垂直に立て
られた支柱24に沿って上下にスライドする真鍮製ガイ
ド筒22に重錘式の摺動子21をはんだ付け等により固
着した。この摺動子21は真鍮製で、直径5.0mm、
長さ100mmの略円柱形状をなしていて、その先端
(下端)部が直径3mmの円形である円錐台状に切削さ
れた。この重錘式ダイヤフラム作動機構20の可動部で
ある摺動子21及びガイド筒22の質量は22.9gで
あった。
【0021】〔流路の開閉試験〕マイクロ流体デバイス
本体Dの流入部8のルアーフィッティング10に接続さ
れた軟質塩化ビニル製チューブ(図示せず)を通してマ
イクロシリンジ(図示せず)からメチレンブルー(和光
純薬株式会社製)にて着色した水を流路5に注入したと
ころ、流出部9のルアーフィッティング11に接続され
た軟質塩化ビニル製チューブ(図示せず)から着色水が
流出した。次に、マイクロ流体デバイス本体Dを基台2
3の上に置き、上記で作製した重錘式ダイヤフラム作動
機構20の摺動子21を案内部13に滑り込ませたとこ
ろ、水の流通が遮断されてその状態が保持された。次い
で、摺動子21を持ち上げて案内部13から取り外すと
水は再び流通した。このように、マイクロ流体デバイス
本体Dを台などに固定することなく、また、ダイヤフラ
ム作動機構20等の圧迫機構との精密な位置合わせを行
うことなく、微小な流路5の開閉が可能であった。
【0022】<エネルギー線硬化性組成物の調製>実施
例1で使用するエネルギー線硬化性組成物の調製方法を
以下に示した。 〔エネルギー線硬化性組成物[e1]の調製〕エネルギ
ー線硬化性化合物として、平均分子量2000の3官能
ウレタンアクリレートオリゴマー(大日本インキ化学工
業株式会社製の「ユニディックV4263」)を60部
(質量)、及び1,6−ヘキサンジオールジアクリレー
ト(第一工業製薬株式会社製の「ニューフロンティアH
DDA」)を20部、及びノニルフェノキシポリエチレ
ングリコール(n=17)アクリレート(第一工業製薬
株式会社製の「N−177E」)を20部、光重合開始
剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
(チバガイギー社製の「イルガキュアー184」)5
部、重合遅延剤として2,4−ジフェニル−4−メチル
−1−ペンテン(関東化学社製)を0.5部、を均一に
混合してエネルギー線硬化性組成物[e1]を調製した。
なお、エネルギー線硬化性組成物[e1]の紫外線硬化物
の引張弾性率及び破断伸び率を表1に示した。また、水
との接触角は13度であった。 〔エネルギー線硬化性組成物[e2]の調製〕エネルギ
ー線重合性化合物(a)として、上記「ユニディックV−
4263」40部、ω−テトラデカンジオールジアクリ
レートとω−ペンタデカンジオールジアクリレートを主
成分とするアクリレート混合物(ソマール株式会社製の
「サートマーC2000」)60部、及び上記「N−1
77E」)20部、光重合開始剤として上記「イルガキ
ュアー184」5部、及び重合遅延剤として上記2,4
−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン0.1部を混
合して、エネルギー線硬化性組成物[e2]を調製した。
なお、エネルギー線硬化性組成物[e2]の紫外線硬化物
は引張弾性率と破断伸び率を表1に示した。また、水と
の接触角は13度であった。 <エネルギー線照射>エネルギー線として、50mW/
cm2の紫外線(ウシオ電機株式会社製のマルチライト
200型光源ユニットを使用)を用い、窒素雰囲気中で
照射した。
【0023】<引張弾性率及び破断伸び率の測定>上述
の製法で得た実施例1の材料p1、e1、e2及び後述
の材料p2について引張弾性率及び破断伸び率の測定を
行った。その測定方法について記述する。 〔測定試料〕エネルギー線硬化性組成物(e1、e2)
硬化物試料は、ガラス上にエネルギー線硬化性組成物
(e1、e2)を塗布し、エネルギー線として下記の紫
外線を30秒間照射して硬化させた後、ガラス板から剥
離してシート状試料を調製した。板状もしくはシート状
の試料は幅10mm、長さ100mmの短冊型に切断して測
定試料とした。測定試料は、24±1℃、湿度55±5
%の室内に16時間以上静置した後に測定に供した。 〔測定方法〕引張試験器として東洋精機製作所製の「ス
トログラフV1−C」を用い、24±1℃、湿度55±
5%雰囲気中で、掴み具間距離80mm、引張速度20mm
/分で測定した。
【0024】測定結果を下記表1に示す
【表1】
【0025】次に本発明の他の実施例とより具体化した
実施例をその製法と共に説明するが、以下の実施例では
マイクロ流体デバイス本体Dの案内部とこれに挿入され
る摺動子の構成を中心に説明する。また上述の第一の実
施例と同一または同様の部分には同一の符号を用いて説
明を省略する。先ず第二の実施例を図4及び図5により
説明する。図4及び図5において、案内部13の外周面
には側面視略L字形のストッパ32が係止部材として設
けられている。ストッパ32は一端の接着部33が案内
部13の第三樹脂層4よりに固着され、他端に向けて上
方に延びて案内部13の上方から内側に湾曲または屈曲
して他端の鉤部31が案内部13に重なる上方位置に延
びている。案内部13内には摺動子21と略同形状の摺
動子35が挿入されている。摺動子35は先端に円柱状
の本体より小径の円盤34を設けて本体と円盤34をテ
ーパ面で連結した構成を有している。
【0026】そして摺動子35は図5(a)に示すよう
に鋼球12を押動しない位置で、その外周面35aにス
トッパ32の鉤部31が当接することで係止させられて
いる。この状態でストッパ32は案内部13の外側に弾
性変形させられて鉤部31で摺動子35を案内部13の
反対側内面に押圧付勢して停止保持している。この状態
から、摺動子35を案内部13内に押動すると、図5
(b)に示すように先端部で鋼球12を押動してダイヤ
フラム7(即ち、第三樹脂層の広幅部6に相対する部
分)を流路5の広幅部6内に変位させて広幅部6を閉鎖
させ流路5を遮断する。これと同時に摺動子35の上端
面35bは弾性復帰したストッパ32の鉤部31で係止
させられ、その位置に保持される。次にストッパ32の
鉤部31を案内部13から退かせるよう弾性変形すれ
ば、ダイヤフラム7の小さな弾性力で摺動子35が上方
に移動して図5(a)に示す初期位置に復帰する。本実
施の形態によれば、ダイヤフラム作動機構として摺動子
35とストッパ32を付加すればよく、構成を簡略にで
きる。本第二の実施例において、摺動子35がダイヤフ
ラム7を圧迫した状態で、鈎状のストッパ32により摺
動子35を係止する機構は、上述の構成に代えて種々の
変形例を採用できる。例えば、ストッパ32の鈎部31
は、摺動子35の上端面35bを係止するのでなく、摺
動子35の外周面に形成された凹部に係合する構成でも
よく、摺動子35の外周面の途上部に鈎部31を係止さ
せる突起等の係合部材を設ける等、適宜の係止構造を採
用できる。
【0027】<実施例2>実施例2として、第二の実施
の形態の製法と開閉試験を説明する。 〔マイクロ流体デバイス本体D2の作製〕厚み1mmの
ポリスチレン[p1]製の板から切り出した、長さ12
mm、幅3mmの部材を先端部2mmの長さに亘って加
熱加工により直角に曲げて、図4及び図5に示したよう
な、鈎部31を有するストッパ32を作製した。これを
鈎部31が案内部13の上端より高さ方向に1mm離れ
た位置になるよう、ストッパ32の反対側の端約3mm
長さの接着部33に於いて案内部13の外周面にエポキ
シ系接着剤を用いて接着した。これ以外は、実施例1と
同様にしてマイクロ流体デバイス[D2]を作製した。
【0028】〔圧迫機構の作製〕実施例1で用いた重錘
式ダイヤフラム作動機構20の代わりに、長さが11m
m、素材がポリスチレン[p1]、及び先端に直径3m
m厚さ1mmのポリウレタン(日本エラストラン社製の
「エラストランF564」;以下[p2]と称する)製
の円盤34が接着されている。これ以外の構成は実施例
1で用いた摺動子21と同形状の摺動子35を作製し
た。図5(a)に示すように、予め摺動子35を案内部
13に挿入しておいた。摺動子35は弾性を有するスト
ッパー32の鈎部31の先端部によって案内部13の反
対側の内壁方向に付勢され、ダイヤフラム7を圧迫する
ことなく任意の位置に保持された。 〔流路の開閉試験〕ダイヤフラム7を圧迫するに際して
は、摺動子35をその上端面35bが弾性変形する鈎部
31の下側に移動して係止されるまで指で約1mm押し
込んだ(図5(b)に示した状態)。また、ダイヤフラ
ム7の圧迫の解除は、指でもって鈎部31を横に押し、
摺動子35の係止を解除することにより実施した。それ
以外は、実施例1と同様にして行い、実施例1と同様の
結果を得た。このように、マイクロ流体デバイス本体D
2を台などに固定することなく、また、大きく複雑な圧
迫機構を必要とせず、正確な位置合わせも必要とせず、
指でもってワンタッチで微小な流路の開閉を行えた。
【0029】図6は本発明の第三の実施例を示すもの
で、第二の実施例との相違点は摺動子35′が第二の実
施例の摺動子35より長く形成されていることである。
そのために図6(a)に示すように摺動子35でダイヤ
フラム7を押動しない状態と、図6(b)に示すように
摺動子35でダイヤフラム7を押動した状態とで、いず
れの場合もストッパ32は弾性変形した状態で鉤部31
が摺動子35′の外周面35′aを押圧して案内部13
に当接させて摩擦でロックして保持することになる。本
第三の実施例によれば、摺動子35′を案内部13に収
容した状態で任意の位置でロックして保持でき、ダイヤ
フラム7の変位による流路5の広幅部6の開閉だけでな
く開口断面積の調整も行えることになり、流量の増減調
整も行える。本第三の実施例において、摩擦力により摺
動子35′をロックする機構は、上述の構成に代えて種
々の変形例を採用し得る。例えば、摺動子35′の鈎部
31が当接する外周面に鈎部31が入り込む浅く小さな
複数の凹部を設け、摺動子35′がダイヤフラム7を圧
迫して流路を閉とする第1位置、流量が1/2と成る第
2位置、ダイヤフラムを圧迫せず流路が全開の第3位置
などでストッパ32を凹部に係止させる機構を採用して
もよい。或いはストッパ32又はその他の付勢機構を摺
動子35′に形成された凹部内に設置し、弾性力で案内
部13の内壁に向けて付勢することによって摩擦力を発
生する機構等を適宜採用してもよい。
【0030】<実施例3>実施例3として、第三の実施
例のデバイスの製法と開閉試験を説明する。 〔マイクロ流体デバイスの作製〕厚み2mmのポリスチ
レン[p1]製の板から切り出して作製したこと以外は
実施例2と同様にしてストッパ32を作製した。 〔圧迫機構の作製〕摺動子35′の長さを20mmとし
たこと以外は実施例2で用いた摺動子35と同じであ
る。これを実施例2と同様に、予め案内部13に挿入し
ておいた。摺動子35’は弾性を有するストッパ32の
鈎部31部によって案内部13の反対側の内壁方向に付
勢され、ダイヤフラム7を圧迫することなく任意の位置
に保持された(図6(a))。 〔流路の開閉試験〕ダイヤフラム7を圧迫するに際して
は、流出部9のルアーフィッティング11に接続された
軟質塩化ビニル製チューブ(図示せず)からの水の流出
が止まるまで摺動子35’を案内部13中に指で押し込
んだ(図6(b))。この状態では、摺動子35’は、
弾性を有するストッパ32の鈎部31によって案内部1
3の反対側の内壁に押しつけられ、摩擦力によって押し
込まれた位置に留まり水の流出が遮断された状態に保持
した。また、ダイヤフラム7の圧迫の解除は、指で摺動
子35’を圧迫前の位置まで引き上げ、図6(a)の状
態に復帰させた。さらに、流出口9のルアーフィッティ
ング11に接続された軟質塩化ビニル製チューブ(図示
せず)からの水等の流体の流出量または流出速度が、摺
動子35′の非押圧状態に対して約1/2となるまで摺
動子35’を案内部13中に指で押し込んだこと以外は
上記と同様の条件で試験を行ったところ、摺動子35’
は上記の場合と同様に摩擦力によって当該押し込まれた
位置に留まり、水等の流出が減少した状態に保持され
た。
【0031】図7及び図8は本発明の第四の実施例を示
すものである。図7において、第三樹脂層4のダイヤフ
ラム7の周囲の部分に固着した円筒状の案内部41は側
壁を下端近傍から上端近傍に向けて厚み方向に貫通して
切り欠いた切り込み部42が形成されている。案内部4
1の外周面において切り込み部42の下側に回転防止爪
43の本体43aが接着されており、この本体43aか
ら延びる略L字形の爪部44は屈曲した先端部が切り込
み部42内に進入する構成とされている。また回転防止
爪43の本体43aの表面には解除部材46がその接着
部48で固着されている。解除部材46は接着部48か
ら上方に延びて先端側が切り込み部42内に位置するよ
うに先端爪部47が湾曲して形成されている。切り込み
部42内で、解除部材46の先端爪部47は回転防止爪
43の爪部44よりも上方に位置し且つ先端爪部47よ
りも爪部44の方が案内部41の内部に突出している。
次に案内部41内に挿入される摺動子51は大径の本体
部50の先端(下端)側に段部52を介して小径の円盤
34を有する二段の段付き略円柱形状を有しており、本
体部50の外表面には長手方向に溝部53が形成されて
いる。この溝部53内には棒状の係止部材54が下側の
基端56で固着されており、係止部材54は基端56か
ら上方に向かうに従って摺動子51から離間するように
外側に傾斜して保持されている。
【0032】そして図8(a)、(b)に示すように案
内部41内に収容された摺動子51の段部52と第三樹
脂層4のダイヤフラム7の周囲の部分との間に緩衝部材
として例えばリターンスプリング57が圧縮状態で配設
されている。摺動子51は案内部41内での上下動位置
に関わらず、回転防止爪43の爪部44が溝部53内に
進入しており、摺動子51の回転を防止している。また
図8(a)に示すように摺動子51が鋼球12を押圧し
ていない状態では係止部材54は摺動子51側に弾性変
形して先端部55が切り込み部42の内側上方で案内部
41の内面に当接している。この状態から摺動子51を
押動すると、図8(b)に示すように、鋼球12を介し
てダイヤフラム7を変位させて流路5の広幅部6を閉鎖
させ、摺動子51と一体に係止部材54が降下してその
先端部55は切り込み部42内で外側に変位して切り込
み部42内の上端に係合することになる。そして摺動子
51はダイヤフラム7を圧迫した状態に保持される。こ
れを解除して流路5を開放状態に戻すには、解除部材4
6の先端爪部47で係合部材54の先端部55を押動し
て切り込み部42との係合を解除すればよく、これによ
ってリターンスプリング57の付勢力で図8(a)に示
す初期位置に摺動子51が戻ることになる。本第四の実
施例において、棒状の係止部材54が摺動子51を係止
する機構に代えて種々の変形例を採用できる。例えば、
後述の第七変形例に示されるように、係止部材54は案
内部41の内面側に設けられていて、摺動子51側壁に
設けられた長穴に入り込んで係止する機構や、案内部4
1に設けられた係止部材54が摺動子51の案内部41
から上方に突出する外周面外側部分に設けられた凸部に
係合して支える機構などを採用してもよい。
【0033】<実施例4>実施例4として、第四の実施
例のデバイスの製法と開閉試験を説明する。 〔マイクロ流体デバイスの作製〕図7及び図8に示すよ
うに、案内部41は軸方向の長さが15mmで、側壁を
下端近傍から上端近傍に向けて厚み方向に貫通して切り
欠いた幅2.2mmの切れ込み部42を形成したこと以
外は案内部13と同様の形状を有している。案内部41
には、厚み1mmのポリスチレン[p1]板から切り出
し、加熱加工により内側に直角に曲げた長さ1.5m
m、幅1.4mmの爪部44を有すると共に本体43a
を備えた回転防止爪43を、案内部41の切れ込み部4
2の下端部の接着位置45にエポキシ系接着剤で接着し
た。さらに、回転防止爪43と同様にして先端部2mm
を内側に直角に曲げた幅が2mm、長さ12mmの解除
部材46を、その基部の接着部48で回転防止爪43の
本体43aにエポキシ系接着剤で接着した。他は実施例
2と同様にしてマイクロ流体デバイスを作製した。回転
防止爪43の先端部は案内部41の内面から径方向内側
に約0.5mm突出して溝53内に位置しており、解除
部材46の先端爪部47は、常態では案内部41の内面
より外側に位置し、指で解除部材46を押して案内部4
1の中心方向に弾性変形させることによって、その先端
爪部47が切り込み部42から案内部41の内側に進入
して、基端56で摺動子51の溝部53に接着された係
止部材54の上端を弾性変形によって摺動子50の中心
方向に押し得るようになっている。
【0034】〔圧迫機構の作製〕摺動子51は全長が1
5mmで、下端部に長さ2mm分だけ直径3mmに切削
して段部52を有する円盤34を設け、本体部50の長
さ方向の一端から他端まで深さ1.5mm、幅1.5m
mの直線状の溝部53を形成した。溝部53中に、幅
1.4mm、厚さ1mm、長さ10mmの係止部材54
を、先端部55が摺動子51の上端より1mm下の位置
に約1mm半径方向外側に出っ張るよう傾斜させて、基
端56にて溝部53の底面に接着した。他は実施例2で
用いた摺動子35と同様の素材、構造に作製した。直径
4.8mm、自由長3mmのコイル状のリターンスプリ
ング57を摺動子51の段部52から円盤34に巻挿
し、摺動子51を、溝部53が回転防止爪43の爪部4
4に合致するようにして、案内部41中に挿入した。図
8(a)に示す初期位置で、摺動子51はリターンスプ
リング57により段部52で支えられ、ダイヤフラム7
を圧迫せずに保持される。また、係止部材54は撓んで
先端部55が案内部41の内面に当接して弾性変形した
状態で溝部53内に没した(図8(a))。 〔流路の開閉試験〕ダイヤフラム7の圧迫は、摺動子5
1を、係止部材54の上端部55が案内部41の切り込
み部42内に突出して上端に係合するまで指で約1mm
押し込めばよい(図8(b))。この状態でダイヤフラ
ム7を変位させて流路5を閉鎖した状態になる。そして
力を解除したところ、係止部材54が切り込み部42の
上端に係合してその位置で摺動子51が係止した。ま
た、ダイヤフラム7の圧迫の解除は、指でもって解除部
材46の先端爪部47を案内部41の中心方向に押せば
よく、係止部材54を摺動子51の溝部42中に押し込
んで係止を解除できて、摺動子51はリターンスプリン
グ57の付勢力によって押し上げられ、図8(a)の状
態に復帰した。それ以外は、実施例2と同様にして行
い、実施例2と同様の結果を得た。
【0035】次に上述した第一乃至第四の実施例による
マイクロ流体デバイスの案内部及び摺動子の変形例につ
いて図9乃至図19により説明する。図9は第一変形例
を示すもので、図9(a)は案内部60が略四角筒形状
で上下に延びるスリット61が形成されている。この案
内部60に挿入される摺動子62は略四角柱形状とさ
れ、先端が四角錐台状のテーパに形成されている。この
変形例によれば、案内部60に対して摺動子62が回転
したりして位置ずれを起こすことがない。図9(b)は
案内部60′の対向する面にそれぞれスリット61が設
けられている。この構成を採用すれば摺動子62の摺動
が容易で、寸法誤差を吸収し易い。図10は第二変形例
を示すもので、案内部63は対向する位置に二分して案
内片63a,63aとして配設され、両案内片63a,
63aの間に摺動子64が摺動可能に配設されている。
ここで、案内片63aと摺動子64の相互の位置ずれを
防ぐためにいずれか一方に摺動方向に延びる凹溝65を
形成し、他方に凹溝65に嵌合するガイド凸部66を設
けている。図11は第三変形例を示すもので、案内部6
7としてプレート68に開けた孔68aの周囲に所定間
隔で3つのポール67aが配設されて構成され、これら
ポール67aの間に摺動子35が挿入されることにな
る。
【0036】図12は第四変形例を示すもので、略角柱
状の支柱69に摺動可能な角筒部70aを有するガイド
部70が設けられ、この角筒部70aの一側に腕部70
bが延びて腕部70bの下面に案内部13内に進退可能
な摺動子71が取り付けられている。図13は第五変形
例を示すもので、支柱69′が円柱状で溝部69a′を
有しており、筒部70a′の内面に溝部69a′に嵌入
して摺動可能なピン72が突出している。図14は第六
変形例を示すもので、案内部73は柱状で断面あり溝状
の溝部73aが形成され、摺動子35にはあり溝73a
に摺動可能に嵌合する断面あり状のガイド凸部74が設
けられている。
【0037】次に図15乃至図19は案内部に対して摺
動子をダイヤフラムの非押圧位置(初期位置)から押圧
位置に移動した際(或いは逆の変位位置でも良い)に係
止するためのロック機構を示す変形例である。先ず図1
5は第七変形例を示すもので、円筒状の案内部75の周
面に貫通孔75aが形成され、案内部75の外周面には
外側から貫通孔75a内に弾性変形で進退可能な解除部
材76が設けられている。略円柱状をなす摺動子77内
の切り欠け部77a内には貫通孔75a内に係合可能な
略鈎形状の係止部材78が支点回りに回動可能に設けら
れコイルバネ等の弾性部材79で貫通孔75a内に突出
する方向に付勢されている。更に好ましくは摺動子77
とダイヤフラム7の周囲の第三樹脂層4との間にリター
ンスプリング57が装着されており、摺動子77はダイ
ヤフラム7の非押圧状態の初期位置に保持される。そし
て、摺動子77を押動することでダイヤフラム7を変位
させると共に摺動子77は係止部材78が貫通孔75a
内に進入した押圧位置で図15に示すように係止してい
る。図15は係止状態を示す。そして解除部材76で係
止部材78を外すことで、リターンスプリング57の付
勢力によって摺動子77が初期位置に戻る。次に図16
は第九変形例を示すもので、摺動子80には係止凹部8
0aが形成されており、案内部81には係止凹部80a
に対向する位置に貫通孔82が内外面に貫通して形成さ
れている。貫通孔82内にはその上部に支点を有する例
えば略支柱状の係止部材83が設けられ、弾性部材84
によって摺動子80内に回動して係止凹部80a内に進
入する方向に付勢されている。そのため、図に示すよう
に摺動子80が押されて押圧位置に至ると係止部材83
が係止凹部80a内に進入して先端で係止され、摺動子
80を係止保持する。そして係止部材83のつまみ83
aを引っ張ると係止部材83が係止凹部80aから外
れ、リターンスプリング57の付勢力で摺動子80が上
方へ移動することになる。
【0038】図17は第十変形例を示すもので、案内部
85内を進退する摺動子86に係止凹部86aが形成さ
れ、案内部85に設けた貫通孔85a内に係止部材87
が摺動可能に挿入されている。そのため、摺動子86が
押されて図17に示す押圧位置に至った時点で、貫通孔
85aを通して係止部材87を進出させると係止部材8
7が係止凹部86a内に進入して摺動子86を係止保持
する。図18は第十一変形例を示すもので、第十変形例
との相違点は係止凹部86a′が摺動子86を貫通して
おり、係止凹部86a′を挟んで貫通孔85a′の反対
側の案内部85内面に凹部85a”を設けたことであ
る。そのため、押圧位置で係止部材87は摺動子85の
係止凹部86a′を貫通して対向する貫通孔85a′と
凹部85a”とに到達して係止することになる。図19
は第十二変形例を示すもので、図17に示す第十変形例
とほぼ同様な構成を有しており、相違点として係止凹部
86aのダイヤフラム7側の面に傾斜面88が設けられ
ている。そのため、図19(a)で非押圧位置である初
期位置にある摺動子86に対して係止凹部86aの傾斜
面88に係止部材87の先端が当接しており、係止部材
87を押動すると傾斜面88が下方に押されるために摺
動子86がリターンスプリング57の付勢力に抗して押
圧位置へ移動し、図19(b)に示すダイヤフラム7の
押圧位置で係止部材87が係止凹部86a内で係止保持
されることになる。
【0039】次に本発明の第五の実施例を図20及び図
21により説明する。図20において、案内部90はダ
イヤフラム7に下端が固着される円筒部91とその上端
に装着される中央穴92a付きの蓋92と円筒部91の
内面に固着される案内板93とで構成されている。案内
板93は複数(図では4枚)の案内板93が周方向にス
リット案内94を介して配列されており、各案内板93
は凸曲状で下部に例えば二つの鋸歯からなる鋸歯案内部
93aが形成されている。また案内部90内に挿入され
てダイヤフラム7を圧迫可能な摺動子95は、案内部9
0の外部上方に略円板状のノブ96が位置し、ノブ96
の下面には凹部96aが形成されている。案内部90内
の上端に位置する摺動子第一部材97は軸部97aが蓋
92の中央穴92aを通して外部のノブ96の凹部96
a内に嵌合されており、軸部97aに対して拡径された
円筒状の本体97bはその外周面に所定間隔で板状のカ
ム98が突出形成され、本体97bの下面には中央凹部
97cの周囲にリング状をなす複数の鋸歯状カム部97
dが形成されている。これらカム98は案内板93間の
スリット案内94内に上下動可能に収容されている。
【0040】摺動子第一部材97の下側に位置する回転
カム99は摺動子第一部材97の中央凹部97cに嵌合
する軸部99aと下面に中央凹部99bを有する本体9
9cとで概略構成され、円筒状の本体99cの外周面に
は所定間隔で凸状カム100が配設されている。凸状カ
ム100は案内板93間のスリット案内94内に上下動
可能に収容されており、その上端に形成された鋸歯形状
のカム部は摺動子第一部材97の鋸歯状カム部97dの
いずれかに嵌合させられる。回転カム99の下側に位置
する摺動子第二部材101は、回転カム99の中央凹部
99bに嵌合する軸部101aと略円筒状の本体101
bとで構成され、本体101bの下面には弾性部材とし
てスプリング102の一端を着座させる着座凹部101
cが形成されている。更に摺動子第二部材101の下側
はスプリング102を介して摺動子第三部材103が設
けられ、この摺動子第三部材103は上面にスプリング
102の他端を着座させる着座凹部103aを形成し、
下面にはダイヤフラム7またはこれに固着した鋼球12
を押動する円盤状の圧迫部103bが設けられている。
【0041】本第五の実施例による摺動子95と案内部
90とは上述の構成を有しており、流路5の開閉操作に
際して、案内部90の上方に位置するノブ96を押動す
ると、円筒部91内で摺動子第一部材97はカム98が
スリット案内94にガイドされつつ下方に降下させら
れ、鋸歯状カム部97dで回転カム99の凸状カム10
0のカム部を押動する。凸状カム100がスリット案内
94でガイドされつつ回転カム99が降下し、凸状カム
100が案内板93の下側に離脱すると、凸状カム10
0が鋸歯状カム部97dで押されて回動し、案内板93
下端の鋸歯案内部93aの二つの鋸歯間の準安定位置9
3bに着座して、回転カム99はその位置に保持され、
ロックされたことになる。回転カム99のロックまでの
下方移動によって摺動子第二部材101が下方に押さ
れ、スプリング102を介して摺動子第三部材103も
下方移動して鋼球12を押動することになる。これによ
ってダイヤフラム7が下方に変位して流路5の広幅部6
を閉鎖する。次にもう1度ノブ96を押動すると摺動子
第一部材97の鋸歯状カム部97dで回転カム99の凸
状カム100を押し、凸状カム100を案内板93の二
つの鋸歯部93aから離脱させる。これによって凸状カ
ム100が鋸歯状カム部97dで回転させられてスリッ
ト案内94内にそれぞれ落ち込み、スプリング102の
復帰力によって各部品が上方移動し、摺動子第一部材9
7が案内部90の蓋92に当接した初期位置に戻る。本
第五の実施例によれば、ノブ96を押す操作を繰り返す
だけで流路5の開閉操作を繰り返して行うことができ
る。本第五の実施例において、ノブ96を繰り返し押動
することによって、摺動子95の一部が各1回の押動毎
に準安定位置93bへの着座とスリット案内94への落
ち込みを繰り返し、これに連動する摺動子第三部材10
3によってダイヤフラム7の変位と解除が繰り返される
ことを特徴とする機構は、種々の変形例を採用できる。
例えば、上述の構成とは逆に、摺動子95に形成された
鋸歯状カム97や凸状カム100が円筒部91の内面に
形成され、鋸歯案内部93a及びスリット案内94が摺
動子95に形成されている構造等を採用できる。
【0042】<実施例5>実施例5として、第五の実施
例によるマイクロ流体デバイスの製法と開閉試験を説明
する。 〔圧迫機構の作製〕ノブ96、摺動子第一部材97、回
転カム99、摺動子第二部材101、スプリング102
及び摺動子第三部材103から成る摺動子95を作製
し、これを、蓋92、案内板93及び円筒部91から成
る案内部90中に装着して、ダイヤフラム作動機構を形
成する。一方、案内部90において、外形9.0mm、
内径7.0mm、長さ30mmのポリスチレン[p1]
製の円筒部91の上部内周面に固着された4枚の案内板
93は周方向にスリット案内94を介して等間隔に配列
されている。摺動子95において、回転カム99は、上
部の軸部99aの先端が摺動子第一部材97の中央凹部
97cの天井に届かない状態に、かつ回転可能なように
遊びを持たせてかみ合わせ、側面の凸状カム100を案
内板93のスリット案内94に合わせて円筒部91内に
装着した。摺動子第二部材101は、上部の軸部101
aの先端が回転カム99の中央凹部99b内の天井に当
接し、かつ回転可能なように遊びを持たせてかみ合わせ
て円筒部91内に装着した。摺動子第三部材103の上
面には着座凹部103aが形成されており、平面状の底
部の中央には、直径3mm、厚さ1mmのポリウレタン
[p2]からなる円盤状圧迫部103bが接着されてい
る。
【0043】〔マイクロ流体デバイスの作製〕以上のよ
うにして作製したダイヤフラム作動機構に関連して、円
筒部91の下端部をマイクロ流体デバイス本体D5の第
三樹脂層4のダイヤフラム7に接着することによって、
マイクロ流体デバイス本体[D5]を作製した。その
際、鋼球12には摺動子95の重量が掛かっているもの
の、ダイヤフラム7を変形させることはなかった。 〔流路の開閉試験〕摺動子95のノブ96を指で繰り返
し押し下げることで、実施例2と同様の流路開閉試験を
行った。即ち、ノブ96を指で押し下げ、摺動子第一部
材97の側面のカム98がスリット案内94内を摺動
し、摺動子第一部材97の鋸歯状カム部97dが回転カ
ム99側面の凸状カム100を下方に押して、凸状カム
100がスリット案内94内を摺動した。ノブ96を初
期位置から約7mm押し下げると、凸状カム100がス
リット案内94の下端から外れ、鋸歯状カム部97dで
押されて回転して案内板93の鋸歯案内部93aに当た
り、ノブ96から指を外すと、凸状カム100は、案内
板93の鋸歯案内部93aの中間である準安定位置93
bに着座した。この時、回転カム99によって摺動子第
二部材101がダイヤフラム7方向に押され、スプリン
グ102によって摺動子第三部材103がダイヤフラム
7方向に付勢されて、鋼球12がダイヤフラム7を圧迫
し、流路5の水の流れを遮断した。次いで、ノブ96を
再び指で押し下げたところ、再び鋸歯状カム部97dが
回転カム99側面の凸状カム100を下方に押して、凸
状カム100が案内板93の二つの鋸歯部93aから外
れ、回転してスリット案内94に嵌り込む。ノブ96か
ら指を外すと、スプリング102による上方への付勢に
よって、凸状カム100はスリット案内94内を摺動し
て、回転カム99は上方に移動し、最初の状態に復帰し
た。この操作を繰り返したところ、ダイヤフラムの圧迫
と解除が繰り返された。
【0044】次に本発明の第六の実施例を図22により
説明する。図において、円筒状の案内部105の周面に
上下方向に延びる貫通孔105aが形成され、貫通孔1
05aには適宜間隔で三つの腕部106a、106b、
106cが延びる略三つ又状の切り換え部材106が係
止部材として設けられ、その中心である回転の支点Oで
貫通孔105aの壁面に支持されている。貫通孔105
aには上下に段差部105b、105cが形成されてお
り、両段差部105b、105cにいずれかの腕部10
6b、106cが当接することによって切り換え部材1
06の回動範囲が制限される。案内部105内には略円
柱形状の摺動子107が進退可能に配設されており、中
途部には径方向即ち水平方向に貫通する段付き孔部10
8が形成されている。段付き孔部108は切り換え部材
106側で上面108aと下面108bとで仕切孔部の
内径が仕切られた小孔部108cを形成し、反対側で孔
部の内径が大きい大孔部108dを形成した段差付きの
空間形状とされている。そして段付き孔部108の小孔
部108c側には切り換え部材106の作動腕部106
aが進入している。段付き孔部108を挟んで切り換え
部材106と反対側の案内部105の内面には作動腕部
106aに一端が連結された圧縮状態のコイルバネ10
9の他端を連結する留め部110が設けられている。そ
して切り換え部材106について第一腕部106bが貫
通孔105aの下側段差部105bに当接した位置まで
回動すると、作動腕部106aが段付き孔部108の上
面108aを押動して摺動子107を非押圧位置に上昇
させ(図22(a)参照)、逆に第二腕部106cが貫
通孔105aの上側段差部105cに当接した位置まで
回動すると、作動腕部106aが段付き孔部108の下
面108bを押動して摺動子107を押圧位置に降下さ
せることになる(図22(b)参照)。コイルバネ10
9は非押圧位置と押圧位置とで安定するために作動腕部
106aを各位置で安定して保持する。
【0045】従って図22(a)に示すように、切り換
え部材106の第一腕部106bが貫通孔105aの下
側段差部105bに当接した位置で、摺動子107はダ
イヤフラム7の非押圧位置にある。この状態から、第二
腕部106cを同図(b)に示すように押動すると切り
換え部材106が反時計回りに回転し、作動腕部106
aが段付き孔部108の下面108bをコイルバネ10
9の付勢力に抗して下方に押動する。これによって第二
腕部106cは貫通孔105aの上側段差部105cに
当接した位置で停止し、押圧位置に移動した摺動子10
7は鋼球12を介してダイヤフラム7を変位させた状態
に保持され流路5を閉鎖する。次に摺動子107を非押
圧位置に戻すには同図(b)に示す位置にある第一腕部
106bを押動して切り換え部材106を時計回りに回
転させればよい。本第六の実施の形態において、複数の
位置でエネルギー的に安定するバネ109を有し、少な
くともその一つの安定位置において、バネ109の弾性
力によって摺動子107がダイヤフラム7を変位させ、
他方の安定位置においてダイヤフラム7の変位を解除す
ることを特徴とする機構は、種々の変形例を採用でき
る。例えば、切り換え部材106の操作する腕部を1つ
としてもよく、電気回路の開閉に用いるトグルスイッチ
型の機構、コイルバネ109又はその代わりの板バネが
摺動子107を貫通した孔部108の中でなく、案内部
105の孔105a又は凹部中に設けられていて操作す
る腕部を一方向に付勢する機構や、或いは1つの操作す
る腕部が複数の切り換え位置でエネルギー的に安定にな
る機構が、切り替え部材又は円筒内壁に固定されたカム
とそれを圧迫する方向に付勢されたバネとによる機構、
等を採用してもよい。
【0046】<実施例6>実施例6として、第六の実施
例のマイクロ流体デバイスの製法と開閉試験を説明す
る。 〔圧迫機構の作製〕図22に示されたように、摺動子1
07と案内部105とでダイヤフラム作動機構が構成さ
れ、案内部105は寸法が外形9mm、内径7mm、長
さ20mmである。 〔流路の開閉試験〕切り替え部材106の案内部105
外にある作動腕部106b、106cを、図22
(a)、(b)に示すように交互に指で押して流路開閉
試験を行った。即ち、切り替え部材106の第二腕部1
06cを、図22(a)に示すように反時計回り方向に
指で押したところ、切り替え部材106は図22(b)
に示した状態で安定し、作動腕部106aによって摺動
子107が下方に付勢され、ダイヤフラムが圧迫されて
水の流通が遮断された。次いで、切り替え部材106の
第一腕部106bを押したところ、切り替え部材106
が時計回りに回転して図22(a)の状態で安定し、ダ
イヤフラム7の圧迫が解除されて水が流通した。
【0047】尚、上述の各実施例では仲介部材を構成す
る鋼球12はダイヤフラム7に固着する構成にしたが、
これに代えて摺動子に固着するようにしてもよく、或い
はダイヤフラム7と摺動子のいずれにも固着されていな
い構成でもよい。また上述の各実施例では、鋼球12を
第三樹脂層4のダイヤフラム7に直接固着することとし
たが、第三樹脂層4の上面に更に保護層を設けてその上
面または下面、或いは第三樹脂層4の表面に鋼球を設け
てもよい。図23は第二の実施例にこのような構成を採
用したマイクロ流体デバイスの変形例の要部縦断面図で
ある。図中、ダイヤフラム7を含む第三樹脂層4の上に
例えば上記材料e1またはe2からなる樹脂層の保護層
112を積層したものであり、保護層112の上に案内
部13を固着し、保護層112の内側即ち第三樹脂層4
側の面(摺動子35側の面でもよい)に鋼球12を固着
した構成である。この様な構成を採用すれば、摺動子3
5による押圧時に直接第三樹脂層4やダイヤフラム7に
負荷や衝撃がかからないためにこれらの部材を保護で
き、損傷を防止できることになる。この場合、損傷に応
じて保護層112のみを交換等すればよい。或いは第三
樹脂層4に図4及び5に示すように円筒状の案内部13
を固着し、案内部13内のダイヤフラム7上に保護層1
12を載置または固着してもよい。また上述の各実施例
等において、流路5に広幅部6は設けなくてもよい。ま
た鋼球12を設けなくても良い。
【0048】図24および図25は、本発明の第七実施
例を示すものである。図に示すマイクロ流体デバイス本
体D6は、基材1上に、第一樹脂層115、第二樹脂層
116、第三樹脂層117および第四樹脂層118が順
次積層されて構成されている。第一樹脂層115は、厚
さ98μmのエネルギー線硬化性組成物[e1]硬化物
で形成されており、第一流路119となる略直線状の欠
損部(幅150μm)を有している。第三樹脂層117
は、厚さ98μmのエネルギー線硬化性組成物[e1]
硬化物で形成されており、第二流路120となる略直線
状の欠損部(幅150μm)を有する。この欠損部の一
方の端部には直径600μmの円形の広幅部6が形成さ
れている。第一流路119と連絡流路121と第二流路
120とで全体の流路122を構成する。第二樹脂層1
16は、厚さ98μmのエネルギー線硬化性組成物[e
1]硬化物で形成されており、第一流路119と第二流
路120の各一方の端部を連通させる連絡流路121と
なる略直径200μmの円形の貫通孔を有している。第
四樹脂層118は、厚さ98μmのエネルギー線硬化性
組成物[e2]硬化物で形成されており、第三樹脂層1
17の広幅部6に対応する部分がダイヤフラム7とな
る。第一流路119の他方の端部に相当する位置の樹脂
層116、117、118に流入口8(直径0.5m
m)を形成し、第二流路120の他方の端部に相当する
位置の第四樹脂層118に流出口9(直径0.5mm)
を形成した。
【0049】このようなマイクロ流体デバイス本体D6
を、上述したマイクロ流体デバイス本体D、D1…に代
えて用いること以外は第一乃至第六の実施例や第一乃至
第十二変形例と同様にして、マイクロ流体デバイスを作
製した。 〔流路の開閉試験〕実施例1〜5と同様にして、流路の
開閉試験を行ったところ、ダイヤフラム7を変位させる
と、ダイヤフラム作動機構20による押圧位置でダイヤ
フラム7は連絡流路121の周縁部に当接して連絡流路
121が塞がれ、着色水の流通が遮断された。非押圧位
置では、ダイヤフラム7が連絡流路121を開放するた
め、着色水の流れが回復した。
【0050】
【発明の効果】本発明によるマイクロ流体デバイスは、
案内部でダイヤフラムの変位を生じさせることで高い位
置決め精度を必要とすることなく流路に対応してダイヤ
フラムを精密に変位させることができ、極めて微細な断
面積を有する流路を流れる流体の流動停止や流動開始等
の流動制御や流量の調節等を容易に行える。
【0051】また案内部に誘導されてダイヤフラムを変
位させる可動部材を設けたから、可動部材でダイヤフラ
ムを押圧することでダイヤフラムにねじる力を作用させ
ることなく簡単且つ高精度に変位させることができる。
また可動部材に緩衝部材を設けてダイヤフラムに対する
可動部材の押圧を制御するようにしたから、マイクロ流
体デバイスに含まれる各部材が薄層で小さくても緩衝部
材を介して可動部材の負荷をダイヤフラムに伝達するこ
とで負荷を低減して損傷を防止することができる。また
ダイヤフラムと可動部材との間に仲介部材を設けたか
ら、仲介部材を介して可動部材で押動することで負荷を
仲介部材に集中できる上にダイヤフラムがねじられるこ
となく圧迫でき、損傷を防止できる。また流路にはダイ
ヤフラムに対応して流路の幅を広げた広幅部を設けたた
め、流路が極めて微細で小さな断面積であっても流路断
面積が他の部分より大きい広幅部で制御を行うことで精
度の高い流量制御を行えることになる。
【0052】また本発明によるマイクロ流体デバイスの
流量調節方法は、可動部材を案内部で誘導してダイヤフ
ラムを変位させ流路を流れる流体の流量を制御するよう
にしたから、可動部材の位置決めを精密に行う必要がな
く微細な流路であってもダイヤフラムを用いて高精度に
流量制御を行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施例によるマイクロ流体デ
バイス本体を示すもので、(a)は平面図、(b)は側
面図である。
【図2】 図1(a)に示すマイクロ流体デバイス本体
のA−A線縦断面図である。
【図3】 マイクロ流体デバイスのダイヤフラム作動機
構を示す要部斜視図である。
【図4】 第二の実施例によるダイヤフラム作動機構の
摺動子と案内部を示す分解斜視図である。
【図5】 ダイヤフラム作動機構の変位状態を示す縦断
面図で、(a)は摺動子がダイヤフラムの非押圧位置に
ある状態を示す図、(b)は摺動子が押圧位置にある状
態を示す図である。
【図6】 第三の実施例によるダイヤフラム作動機構の
摺動子と案内部を示す図で、(a)は摺動子が非押圧位
置にある状態を示す図、(b)は摺動子が押圧位置にあ
る状態を示す図である。
【図7】 第四の実施例によるダイヤフラム作動機構の
摺動子と案内部を示す分解斜視図である。
【図8】 ダイヤフラム作動機構の変位状態を示す縦断
面図で、(a)は摺動子が非押圧位置にある状態を示す
図、(b)は摺動子が押圧位置にある状態を示す図であ
る。
【図9】 (a)は摺動子と案内部の第一変形例を示す
斜視図、(b)は同じく第二変形例を示す斜視図であ
る。
【図10】 摺動子と案内部の第三変形例を示す斜視図
である。
【図11】 摺動子と案内部の第四変形例を示す斜視図
である。
【図12】 摺動子と案内部の第五変形例を示す斜視図
である。
【図13】 摺動子と案内部の第六変形例を示す斜視図
である。
【図14】 摺動子と案内部の第七変形例を示す斜視図
である。
【図15】 摺動子と案内部のロック機構を示す第八変
形例を示す縦断面図である。
【図16】 摺動子と案内部のロック機構を示す第九変
形例を示す縦断面図である。
【図17】 摺動子と案内部のロック機構を示す第十変
形例を示す縦断面図である。
【図18】 摺動子と案内部のロック機構を示す第十一
変形例を示す縦断面図である。
【図19】 摺動子と案内部のロック機構を示す第十二
変形例を示す縦断面図であって、(a)は非押圧位置、
(b)は押圧位置を示す図である。
【図20】 本発明の第五の実施例を示す摺動子と案内
部の分解斜視図である。
【図21】 第五の実施例による摺動子と案内部の縦断
面図である。
【図22】 本発明の第六の実施例による摺動子と案内
部の作動機構を示す縦断面図であって、(a)は摺動子
が非押圧位置にある図、(b)は摺動子が押圧位置にあ
る図である。
【図23】 本発明の他の変形例を示すマイクロ流体デ
バイスの要部縦断面図である。
【図24】 本発明の第七の実施例によるマイクロ流体
デバイス本体を示すもので、(a)は平面図、(b)は
同図(a)におけるB−B線縦断面図である。
【図25】 図24に示すマイクロ流体デバイス本体の
構造を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 基材 2,115 第一樹脂層(第一層) 3,116 第二樹脂層(第二層) 4,117 第三樹脂層(第三層) 5,122 流路 6 広幅部(流路) 7 ダイヤフラム 12 鋼球(仲介部材) 13,41,60,60′,63,67,73,75,85,9
0,105 案内部 20 ダイヤフラム作動機構 21,35,51,62,64,71,77,80,86,95
摺動子(可動部材) 32 ストッパ(係止部材) 46,76 解除部材 54,78,83,87 係止部材 57 リターンスプリング(緩衝部材) 102 スプリング(緩衝部材) 106 切り換え部材(係止部材) 112 保護層 118 第四樹脂層(第四層)
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 1/00 101 G01N 1/00 101L 101M 37/00 101 37/00 101 Fターム(参考) 2G052 CA09 CA35 CA38 3H063 AA10 BB32 DA08 DB15 EE12 FF03 GG17 4G075 AA13 AA39 AA61 BA10 DA02 EC25 EE12 FA01 FB12

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 毛細管状の流路とこの流路に対して変位
    可能なダイヤフラムとからなるダイヤフラムバルブを有
    していて、前記ダイヤフラムの変位すべき部位に対応し
    てダイヤフラムを変位させるための案内部を設けたこと
    を特徴とするマイクロ流体デバイス。
  2. 【請求項2】 前記案内部に誘導されてダイヤフラムを
    変位させる可動部材を設けてなる請求項1記載のマイク
    ロ流体デバイス。
  3. 【請求項3】 前記可動部材に緩衝部材を設けてダイヤ
    フラムに対する可動部材の押圧を制御するようにした請
    求項2記載のマイクロ流体デバイス。
  4. 【請求項4】 前記可動部材は案内部内で直線的に移動
    してダイヤフラムを押圧するようにした請求項2または
    3記載のマイクロ流体デバイス。
  5. 【請求項5】 前記ダイヤフラムと可動部材との間に仲
    介部材を設けてなる請求項2乃至4のいずれかに記載の
    マイクロ流体デバイス。
  6. 【請求項6】 前記仲介部材はダイヤフラムと可動部材
    のいずれかに固着されている請求項5に記載のマイクロ
    流体デバイス。
  7. 【請求項7】 前記流路にはダイヤフラムに対応して流
    路の幅を広げた広幅部を設けてなる請求項1乃至6のい
    ずれか記載のマイクロ流体デバイス。
  8. 【請求項8】 前記流路は、流入側または流出側開口部
    の少なくとも一方が前記ダイヤフラムに対向して設けら
    れ、該ダイヤフラムの変位によって前記流入側または流
    出側開口部の少なくとも一方の開閉または開口断面積を
    制御するようにした請求項1乃至7のいずれか記載のマ
    イクロ流体デバイス。
  9. 【請求項9】 前記案内部に対して可動部材をダイヤフ
    ラムの押圧位置と非押圧位置との間の適宜位置でロック
    するロック機構を備えてなる請求項2乃至8のいずれか
    記載のマイクロ流体デバイス。
  10. 【請求項10】 前記ロック機構は係止部材による係止
    構造である請求項9記載のマイクロ流体デバイス。
  11. 【請求項11】 前記係止部材は案内部に対して可動部
    材をダイヤフラムの押圧位置と非押圧位置とのいずれか
    一方または両方で係止させるようにした請求項10記載
    のマイクロ流体デバイス。
  12. 【請求項12】 前記ダイヤフラムの上部に保護層を設
    け、該保護層を介してダイヤフラムを変位させるように
    した請求項1乃至11のいずれか記載のマイクロ流体デ
    バイス。
  13. 【請求項13】 毛細管状の流路とこの流路に対して変
    位可能なダイヤフラムとからなるダイヤフラムバルブを
    有しているマイクロ流体デバイスであって、可動部材を
    案内部で誘導してダイヤフラムを変位させて前記流路を
    流れる流体の流量を制御するようにしたマイクロ流体デ
    バイスの流量調節方法。
  14. 【請求項14】 前記ダイヤフラムの変位状態で前記可
    動部材を案内部に対して係止保持するようにした請求項
    13記載のマイクロ流体デバイスの流量調節方法。
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