JP2003340648A - 電解加工用電極およびその電極を用いて製造した動圧軸受 - Google Patents

電解加工用電極およびその電極を用いて製造した動圧軸受

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Yasuhiro Kobayashi
康裕 小林
Kazuo Okai
和夫 岡井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 絶縁被膜の基体に対する密着力が高く、所定
の加工精度を長期にわたって安定して維持できること
で、加工効率の高い電解加工用電極およびそれを用いて
製造された動圧軸受を提供する。 【解決手段】 電極(電極工具)表面の導電部1a以外
の領域に形成された凹部1bを覆う絶縁被膜2として、
電着塗装を用いた電着塗装膜2aを形成する。この電着
塗装膜2aは、基体1との密着面に電解液が浸透し難
く、剥離等の発生が抑えられ、所定の加工精度を安定し
て維持できる。また、高精度加工が要求される動圧軸受
装置の動圧溝の形成に、本発明の電極工具を用いた電解
加工を用いることにより、絶縁被膜の剥離等に起因する
電極工具等の交換作業や不良の発生等が抑えられ、この
部材を使用して組み立てられる動圧軸受全体としてのコ
ストの低減を達成することが可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電解加工に使用さ
れる電極および動圧軸受に関し、更に詳しくは、動圧溝
等の凹部の加工を、長期にわたって高精度に維持するこ
とができる電解加工用電極およびそれを用いて製造され
た動圧軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】金属の表面加工に用いられる電解加工法
は、食塩水や硝酸ナトリウム水溶液等の電解液中に、加
工形状に対応した形状の導電部を有する電極(以下、電
極工具と記述する)を被加工物の表面に近接して対向配
置し、この電極工具と被加工物との間に電流を流すこと
により、被加工物表面を電気化学的に溶解させて、電極
工具の導電部パターンに対応した彫り込み形状(凹部)
を形成する加工方法である。
【0003】電解加工は、近年、特開平9−19293
2および特開平10−86020等に公知のように、電
極工具と被加工物を所定の間隔(加工間隙)で固定し、
電解液を循環させながら、あらかじめ設定された印加総
電気量を目標値として電流を流し加工を行う加工法であ
り、微細な表面形状の加工に多用されるようになってき
ている。特に、ハードディスク装置等の高速および高精
度の回転が要求される機構に用いられる動圧軸受装置の
動圧溝は、その溝深さを±0.5μm程度の高精度とす
ることが要求されることから、その加工には、高精度加
工が可能な電解加工が好適に採用されている。
【0004】このような電解加工に用いられる電極工具
は、例えば銅系あるいは鉄系合金からなる金属等の導電
性基体を用い、加工パターンで基体表面の一部が露出す
るように、加工パターン以外の領域を非導電性材料(絶
縁被膜)で被覆した構造のものが多い。
【0005】図6は、微細な表面形状の電解加工に用い
られる従来の電極工具の構造を示す模式的断面図であ
る。電極工具の構成としては、図6(a)に示すよう
な、金属製の基体11の表面に非導電性材料樹脂からな
る一様なレジスト膜を形成した後、フォトリソグラフィ
あるいは熱等により加工パターン以外の部分を硬化さ
せ、未硬化の加工パターン部分を除去して絶縁被膜12
を形成し、基体11の露出面を導電部11aとして用い
る構造の電極工具、あるいは、図6(b)に示すよう
な、基体11の表面の加工パターンを除く領域をエッチ
ング等によって削り落とし、形成された凹部11bに、
非導電性材料樹脂を埋め込んで硬化させて絶縁被膜13
を形成し、基体11の露出面を導電部11aとして用い
る構造の電極工具、が主に用いられている。なお、上記
した両タイプの電極工具とも、電解加工の対象となる被
加工物は、導電部11aのある図示下方に電極工具と所
定の間隔(加工間隙)をおいて、対向配置されることと
なる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、以上のよう
な微細な表面形状の電解加工に用いられる電極(電極工
具)においては、加工パターン以外の領域の絶縁被膜も
微細になるため、これに用いられる非導電性材料(絶縁
被膜)の基体に対する密着力が弱くなり易く、電解加工
中に流される電解液の影響により、この絶縁体が剥離し
てしまうという問題があった。
【0007】従来、このような絶縁被膜に用いられる非
導電性材料樹脂は、紫外線あるいは熱等により硬化を行
うものが多く、電極工具に用いられる導電性基体との密
着性は一般的に低い。また、基体に銅系金属が用いられ
ている場合は、その基体の表面に形成される酸化物によ
って、非導電性材料樹脂との密着性が更に低くなってし
まう。
【0008】更にまた、このような微細な表面形状の電
解加工は、電極工具と被加工物との加工間隙を狭く設定
して行われることから、間隙の壁面に形成されている絶
縁被膜が電解液の流動から受けるせん断方向の力も大き
い。図6(a)で示した電極工具のように、絶縁被膜1
2が表面より突出したタイプの場合は、加工パターンが
微細になるほど基体11と非導電性材料との密着力が弱
くなり、絶縁被膜12の剥離の発生率が高くなる。ま
た、図6(b)のように、削り落とされた凹部11bに
絶縁被膜13が埋め込まれ、表面が略平坦であるタイプ
の電極工具の場合は、電解液の流れに伴う力の影響は受
けにくいものの、絶縁被膜13と基体11との界面に徐
々に電解液が浸透し、最終的には絶縁被膜13が剥離す
るという問題は避けられない。
【0009】このような絶縁被膜の剥離が発生すると、
正確な加工パターンを被加工物に転写することができな
くなる上、絶縁被膜の剥離片が電極工具と被加工物との
加工間隙を詰まらせてしまうという問題も発生する。こ
の剥離片の詰まりは、電解液の流れを部分的に阻害し、
その部分の加工形状の不良を引き起こして、この被加工
物を部材として使用している最終製品、つまり動圧軸受
等の歩留まりを左右することとなる。また、この剥離片
の詰まりは、最悪の場合、何らかの形で電気的短絡を引
き起こし、電極工具と被加工物の両者に損傷を生じさ
せ、これらの交換作業を余儀なくされることもある。
【0010】本発明は、このような実情を鑑みてなされ
たもので、絶縁被膜の基体に対する密着力が高く、所定
の加工精度を長期にわたって安定して維持できること
で、加工効率の高い電解加工用電極およびそれを用いて
製造された動圧軸受を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明は、表面に凹部を形成すべ
き被加工物と、導電性基体の表面に所定パターンの導電
部が形成されてなる電極とを、電解液中に対向させて浸
漬するとともに、これら被加工物と電極とを加工用電源
の正極および負極にそれぞれ接続して電流を流すことに
よって、被加工物表面に電極の導電部パターンに対応し
た形状の凹部を形成する電解加工用電極において、前記
電極の表面における前記導電部パターン以外の領域に
は、絶縁被膜として電着塗装膜が形成されていることを
特徴とする。
【0012】本発明は、電解加工に用いられる電極(電
極工具)において、基体表面の導電部パターン以外の領
域を覆う絶縁被膜を、電着塗料を用いた電着塗装によっ
て形成することにより、所期の目的を達成しようとする
ものである。電着塗装は、自動車の車体の外装等に用い
られているもので、下地との密着性が良く耐久性および
耐薬品性が高い上、工程が簡単なことから低コストで作
製することができる。
【0013】すなわち、請求項1に係る発明によれば、
電極(電極工具)表面の導電部以外の領域を覆う絶縁被
膜として、この電着塗料による被膜を用いることによ
り、従来この種の電極工具に用いられていた非導電性材
料樹脂膜に比べ、基体との密着力が向上する。更に、こ
の絶縁被膜は、基体との密着面に電解液が浸透し難く、
剥離等の発生が抑えられ、電極工具表面の加工パターン
を長期にわたり維持することができる。従って、本発明
の電解加工用電極は、所定の加工精度を安定して維持で
きることから、微細な形状の加工を効率良く実施するこ
とが可能となる。
【0014】また、請求項2に記載の発明は、前記絶縁
被膜が、前記電着塗装膜と、この電着塗装膜の上面に形
成された非導電性材料膜と、から形成されていることを
特徴とする。
【0015】電着塗装により形成される被膜は、その工
程上、形成可能な膜厚が数十μmとされるが、請求項2
に係る発明のように、電着塗装膜の上面に別の新たな非
導電性材料樹脂からなる被膜を形成することにより、そ
れ以上の膜厚の絶縁被膜を形成することができる。ま
た、この別の非導電性材料による電着塗装膜の被覆は、
樹脂の上に樹脂を重ねることになり、基体の上に直接非
導電性材料を被覆する場合に比べ、馴染みが良く密着性
が高くなり、剥離を起こし難い。従って、この構成によ
り形成された絶縁被膜は、基体表面に形成した電着塗装
膜の電解液の浸透抑制効果と相まって、剥離等の損傷の
発生が抑えられる。
【0016】ここで、前記絶縁被膜と前記導電部とから
なる電極表面の形状は、略平坦な面であることが好まし
い(請求項3)。
【0017】請求項3に係る発明によれば、電極工具表
面の絶縁被膜と導電部との間の段差がほぼなくなり、絶
縁被膜が、電解液の流動により受けていたせん断方向の
力をより軽減することができる。このような略平坦な表
面形状は、電着塗装膜あるいはその上に形成される非導
電性材料膜の形成後に、電極工具の表面に研磨加工等を
行うことで実現できる。更に、電極工具表面を面一とす
れば、電解液の流動が円滑に行われることにより、安定
した電気化学反応が促進され、加工精度を向上させる効
果も奏することができ好適である。
【0018】また、前記電極の導電性基体の材質とし
て、オーステナイト系ステンレスを好適に採用すること
ができる(請求項4)。
【0019】請求項4に係る発明によれば、基体の材質
としてオーステナイト系ステンレスを用いて、その表面
に電着塗装膜からなる絶縁被膜を形成することにより、
絶縁被膜と基体との密着力が高く、かつ、基体自身が薬
品等に対する耐食性を有することで、長寿命な電極工具
とすることができる。
【0020】一方、請求項5に記載の発明は、相対回転
自在に配置された二つの部材の互いの対向面のいずれか
一方に、複数条の動圧溝を形成し、これらの二つの部材
の相対回転時に、この動圧溝によって上記対向面間に充
填された潤滑流体に圧力を発生させ、これら二つの部材
を非接触に支持する動圧軸受において、前記動圧溝が、
請求項1、2、3または4に記載の電極を用いた電解加
工により形成されていることを特徴とする。
【0021】すなわち、高精度加工が要求される動圧溝
の形成に、本発明の電極工具を用いた電解加工を用いる
ことにより、動圧軸受の部材を所定の加工精度で効率良
く製造することができる。また、絶縁被膜の剥離等に起
因する電極工具等の交換作業や不良の発生等が抑えられ
ることから、この部材を使用して組み立てられる動圧軸
受全体としてのコストの低減を達成することが可能にな
る。
【0022】
【発明の実施の形態】以下図面を参照しつつこの発明の
実施の形態について説明する。図1は、本発明の第1の
実施の形態における電極工具の構造を示す模式的断面図
であり、図2は、その製造方法を示す模式図である。な
お、実際の電極工具は全体として複雑な形状であるが、
被加工物と対向せず電解加工に関与しない部位に関して
は、説明が煩雑になるのを避けるため、構成を省略およ
び簡略化して図示する。
【0023】この電極工具は、導電性の基体1における
被加工物と対向する表面(図1の図示下方)に、加工パ
ターンとなる導電部1aのみを露出させるべく、それ以
外の領域を絶縁被膜2で被覆したものである。この絶縁
被膜2は、電着塗装膜2aにより、加工パターン以外の
領域に形成された凹部1bを埋め込むように形成されて
いる。
【0024】この電極工具の製造方法は、図2に示すよ
うに、まず最初に、導電性の基体1の被加工物と対向す
る表面(図2(a)上方)における加工パターン(導電
部)1a以外の領域に、所定の形状の凹部1bを形成す
る(図2(b))。基体1の材質としては、銅系、鉄系
等の金属が採用され、中でも耐食性に優れるオーステナ
イト系ステンレス(SUS303,304等)が好適で
ある。このような基体1に凹部1bを形成する方法は、
エッチング、電解加工、機械加工、レーザー加工、放電
加工、またはショットブラスト等の方法を用いることが
可能である。
【0025】次いで、凹部1bが形成された基体1に、
電着塗装を施す前の下地処理を行う。下地処理は、脱脂
洗浄工程を経た後、基体1の表面に化成処理を施す。こ
の化成処理は、鉄系等の金属の電着塗装における下地処
理として一般的に用いられているもので、金属表面の酸
化膜を除去し、耐食性を向上させる効果がある。本実施
の形態における化成処理は、樹脂等との密着性を考慮し
て、クロメート処理あるいはパーカー処理(パーカーラ
イジング:リン酸塩系およびリン酸マンガン系)が用い
られる。このような化成処理が施された基体1の表面に
は、厚さ数μmの化成処理被膜(図示せず)が形成さ
れ、この後形成される電着塗装膜との密着性を向上させ
る効果を発揮する。
【0026】下地処理された基体1は、電着塗料浴中に
浸漬され、電着塗装が施される(図2(c))。電着塗
装は、複雑な形状を有する表面全体に対し均一にコーテ
ィングできるという特性を有する。そのため、電着塗装
膜2aは、凹部1b等の微細な形状に対しても、それを
均一に埋め込むように形成することが可能である。電着
塗装に用いられる樹脂(電着塗料)としては、電解加工
における耐電圧および電解液に対する耐食性を考慮し
て、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂あるいはポリイミ
ド系樹脂が好適に採用される。なお、アニオン系電着塗
料の場合は電極工具を陽極として、カチオン系電着塗料
の場合は電極工具を陰極として通電することで、表面に
電着塗料による被膜が形成される。また、電着塗料の被
膜が形成された基体1は、オーブン等の加熱工程を経
て、電着塗装膜2aの完全な膜化と硬化が行われること
となる。
【0027】そして、表面に電着塗装膜2aが形成され
た基体1は、研磨加工等により、表面の導電部1a上の
電着塗装膜2aを取り去り、基体1表面の加工パターン
を露出させることで、導電部1aと絶縁被膜2とからな
る表面が面一となった電極工具を得ることができる(図
2(d))。
【0028】以上の構成により、本実施の形態における
電極工具は、絶縁被膜2として電着塗装膜2aが用いら
れていることから、基体1と絶縁被膜2との密着力が高
く、基体1との密着面への電解液の浸透が防止される。
また、導電部1aと絶縁被膜2との間の段差がなく、絶
縁被膜2が電解液の流動によるせん断方向の力をほぼ受
けることがない。従って、本実施の形態における電極工
具は、絶縁被膜2の剥離等に起因する損傷が防止され、
具表面の加工パターンを長期にわたり高精度に維持する
ことができる。
【0029】次に、本発明の第2の実施の形態について
説明する。図3は、第2の実施の形態における電極工具
の構造を示す模式的断面図である。この電極工具も、導
電性の基体1における被加工物と対向する表面(図示下
方)に、加工パターンとなる導電部1aのみを露出させ
るべく、それ以外の領域を絶縁被膜2で被覆したもので
ある。第1の実施の形態と異なる点は、この電着塗装膜
2aからなる絶縁被膜2が、加工パターン以外の領域
に、表面より突出するように形成されている点である。
【0030】本実施の形態における電極工具の絶縁被膜
2も、基本的には第1の実施の形態と同様の電着塗装方
法により製造される。ただし、基体1の表面に凹部を形
成することはせず、まず最初に、基体1の被加工物と対
向する表面全体に、電着塗装を施す前の下地処理を行
う。そして、下地処理された基体1表面全体に電着塗装
処理を施し、加熱工程を経て電着塗装膜2aを作製す
る。このような方法により、第1の実施の形態と同様の
特徴を有する電着塗装膜2aが、被加工物と対向する表
面全体に形成されることとなる。導電部1aを表面に露
出させる方法は、予めマスキング手段等を用いて加工パ
ターン以外の領域上の電着塗装膜2aを保護した後、シ
ョットピーニング等により、加工パターン上の電着塗装
膜2aを取り除くことにより行われる。
【0031】以上の構成により、本実施の形態における
電極工具も、第1の実施の形態同様、基体1と絶縁被膜
2との密着力が高い。また、密着面に電解液が浸透し難
く、絶縁被膜2の剥離が防止される。従って、絶縁被膜
2の剥離等に起因する損傷が抑制され、電極工具表面の
加工パターンを長期にわたり高精度に維持することがで
きる。
【0032】次に、本発明の第3の実施の形態について
説明する。図4は、本発明の第1の実施の形態における
電極工具の構造を示す模式的断面図であり、図5は、そ
の製造方法を示す模式図である。この電極工具も、導電
性の基体1における被加工物と対向する表面(図4の図
示下方)に、加工パターンとなる導電部1aのみを露出
させるべく、それ以外の領域に形成された凹部1bを絶
縁被膜3で被覆したものである。第1の実施の形態と異
なる点は、この絶縁被膜3が、電着塗装膜3aとこの膜
3aの上面を覆う非導電性材料膜3bとから形成されて
いる点である。
【0033】本実施の形態における電極工具の構成は、
絶縁被膜の膜厚が、電着塗装によって形成可能な膜厚以
上の厚みが要求される場合に適用されるもので、基本的
には第1の実施の形態と同様の電着塗装方法を用いて製
造される。図5に示すように、第1の実施の形態同様、
導電性の基体1の被加工物と対向する表面(図5(a)
上方)における加工パターン(導電部)1a以外の領域
に、所定の形状の凹部1bを形成する(a)。基体1の
材質としては、耐食性に優れるオーステナイト系ステン
レス(SUS303,304等)が好適に採用される。
また、凹部1bは、エッチング、電解加工、機械加工、
レーザー加工、放電加工、またはショットブラスト等の
方法を用いて形成することができる。
【0034】次いで、凹部1bが形成された基体1に、
電着塗装を行う前の下地処理を施す。下地処理も、第1
の実施の形態同様、脱脂洗浄工程を経た後、クロメート
処理あるいはパーカー処理等の化成処理が行われる。ま
た、下地処理された基体1には電着塗装が施され、加熱
工程を経て電着塗装膜3aの硬化が行われることとなる
(図5(b))。なお、電着塗装に用いられる樹脂(電
着塗料)としては、耐電圧および耐食性を考慮して、エ
ポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂あるいはポリイミド系樹
脂が好適に採用される。
【0035】その後、本実施の形態においては、電着塗
装膜3a上面に、別の非導電性材料樹脂からなる被膜3
bが形成される(図5(c))。この場合に使用される
非導電性材料樹脂は特に限定されないが、その樹脂は、
先に形成されている電着塗装膜3aとの密着性(なじ
み)を考慮して選択されることが望ましい。例えば、電
着塗装膜3aがエポキシ系樹脂で形成されている場合
は、同様なエポキシ系の樹脂が、電着塗装膜3aがウレ
タン系樹脂で形成されている場合は、同様にウレタン系
の樹脂が好適に採用される。また、電着塗装膜3a上に
非導電性材料膜3bを積層する方法としては、使用する
樹脂に合わせて、フォトレジスト、スプレー噴霧やバー
コート等のコーティング手法を適宜選択すれば良い。
【0036】そして、表面に非導電性材料膜3bが形成
された基体1は、研磨加工等により、表面の導電部1a
上の非導電性材料膜3bと電着塗装膜3aを取り去り、
基体1表面の加工パターンを露出させることで、導電部
1aと絶縁被膜3とからなる表面が面一となった電極工
具を得ることができる(図5(d))。
【0037】以上の構成により、本実施の形態における
電極工具は、基体1と電着塗装膜3aとの密着力が高
く、またこの電着塗装膜3aとその上面に形成される非
導電性材料膜3bとの密着力も同様に高い。従って、こ
れらの界面に電解液が浸透し難く、剥離等の損傷の発生
が抑えられる。また、第1の実施の形態同様、表面が面
一で、絶縁被膜3は電解液の流動によるせん断方向の力
をほぼ受けることがない。従って、本実施の形態におけ
る電極工具も、絶縁被膜3の剥離等に起因する損傷が防
止され、具表面の加工パターンを長期にわたり高精度に
維持することができる。
【0038】一方、動圧軸受装置の動圧溝の形成に、以
上の第1から第3の実施の形態で示した電極工具を用い
た電解加工を用いることにより、動圧軸受の部材を所定
の加工精度で効率良く生産することができる。また、こ
れらの電極工具は、絶縁被膜の剥離等に起因する電極工
具等の交換作業や不良の発生等が抑えられることから、
動圧軸受装置全体としてのコストを低減することができ
る。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の電解加工
用電極によれば、電極(電極工具)表面の導電部以外の
領域を覆う絶縁被膜として、電着塗料による被膜を用い
ることにより、基体と絶縁被膜との密着力を向上させる
ことができる。また、これらの密着面は、電解液が浸透
し難く、剥離等の損傷の発生が抑えられることから、電
極工具表面の加工パターンが長期にわたり維持される。
【0040】また更に、電極工具表面を研磨加工等によ
り面一とすれば、絶縁被膜が電解液の流動により受けて
いたせん断方向の力を軽減することができる上、電解液
の流動が円滑に行われることから、加工精度を向上させ
る効果も奏することができる。
【0041】そして、本発明の電極工具は、所定の加工
精度を安定して維持できることから、高精度加工が要求
される動圧溝の形成に、本発明の電極工具を用いた電解
加工を用いることにより、動圧軸受の部材を所定の加工
精度で効率良く生産することができる。また、絶縁被膜
の剥離等に起因する電極工具等の交換作業や不良の発生
等が抑えられることから、この部材を使用して組み立て
られる動圧軸受全体としてのコストの低減を達成するこ
とが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態における電極工具
の構造を示す模式的断面図である。
【図2】第1の実施の形態における電極工具の製造方法
を表す模式図である。
【図3】この発明の第2の実施の形態における電極工具
の構造を示す模式的断面図である。
【図4】この発明の第3の実施の形態における電極工具
の構造を示す模式的断面図である。
【図5】第3の実施の形態における電極工具の製造方法
を表す模式図である。
【図6】従来の電解加工に用いられる電極の構造例を示
す模式的断面図である。
【符号の説明】
1 基体 1a 導電部 1b 凹部 2,3 絶縁被膜 2a,3a 電着塗装膜 3b 非導電性材料膜 11 基体 11a 導電部 11b 凹部 12,13 絶縁被膜(非導電性材料膜)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3C059 AA02 AB01 DA00 DC01 HA17 3J011 CA02 CA05 DA02 SB02 SB12 SB15 SC01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に凹部を形成すべき被加工物と、導
    電性基体の表面に所定パターンの導電部が形成されてな
    る電極とを、電解液中に対向させて浸漬するとともに、
    これら被加工物と電極とを加工用電源の正極および負極
    にそれぞれ接続して電流を流すことによって、被加工物
    表面に電極の導電部パターンに対応した形状の凹部を形
    成する電解加工用電極において、 前記電極の表面における前記導電部パターン以外の領域
    には、絶縁被膜として電着塗装膜が形成されていること
    を特徴とする電解加工用電極。
  2. 【請求項2】 前記絶縁被膜が、前記電着塗装膜と、こ
    の電着塗装膜の上面に形成された非導電性材料膜と、か
    ら形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電
    解加工用電極。
  3. 【請求項3】 前記絶縁被膜と前記導電部とからなる電
    極表面が、略平坦な面に形成されていることを特徴とす
    る請求項1または2に記載の電解加工用電極。
  4. 【請求項4】 前記電極の導電性基体が、オーステナイ
    ト系ステンレスであることを特徴とする請求項1、2ま
    たは3に記載の電解加工用電極。
  5. 【請求項5】 相対回転自在に配置された二つの部材の
    互いの対向面のいずれか一方に、複数条の動圧溝を形成
    し、これらの二つの部材の相対回転時に、この動圧溝に
    よって上記対向面間に充填された潤滑流体に圧力を発生
    させ、これら二つの部材を非接触に支持する動圧軸受に
    おいて、 前記動圧溝が、請求項1、2、3または4に記載の電極
    を用いた電解加工により形成されていることを特徴とす
    る動圧軸受。
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