JP2003340190A - 洗濯用ネット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗濯をする立場から極めて開閉操作がし易く
使い勝手の良い洗濯用ネットを提供すること。 【解決手段】 ネット状袋体に設けられた務歯１０Ａよ
りなる開口部６を有し、該開口部６がスライダ３と引き
手２を備えたスライドファスナー７により開閉自在とな
っている洗濯用ネットであって、前記開口部の端部に
は、スライドファスナー７の引き手２を引っ張る際に
（容易に行えるように）掴みの対象となる把手１，１’
を設けた洗濯用ネット。 【効果】 本発明によれば、大型化した洗濯用ネットの
開口部を開閉する際に開閉操作性が容易、且つ確実とな
る。この把手に視認性容易な色彩が付与されていること
により、大型化した洗濯用ネットでも開口部および本発
明の把手を容易に視認することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、洗濯用ネットに関
し、更に詳しくは、洗濯用ネットの開口部において、ス
ライドファスナーの開閉が容易に行なえる洗濯用ネット
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】家庭用の洗濯機において、下着（立体形
状の物も含む）、ベビー用衣類、或いは靴下等の繊細で
傷みやすい洗濯物を洗濯する場合に、一般的に、洗濯用
ネットが使用されている。洗濯用ネットを使うことによ
り、洗濯物が、洗濯機の撹拌翼で擦られたり、洗濯槽内
面と接触したりして傷付くことを防止でき、また他の洗
濯物と絡んで傷むことも防止できる。

【０００３】この洗濯用ネットは、通常、洗濯用ネット
内に洗濯液が通過し易いように編ネットよりできてお
り、中に入れる洗濯物の形状に適合するように種々の立
体形状のものが開発されている。洗濯用ネットとして
は、例えば薄物のストッキング等を洗濯する場合には、
比較的、扁平形状の洗濯用ネットが使用され、立体的な
ブラジャー等の洗濯物の場合には、それらの形状に見合
った立体形状の洗濯用ネットが使用される。

【０００４】特に、毛布のような嵩張った大物を洗濯す
る場合等では、特大型の立体形状の洗濯用ネットが必要
とされる。上述されている洗濯用ネットには、他の洗濯
物を損傷しないための防止策、開口部の開き防止策、ス
ライドファスナー等の突起物による洗濯物や洗濯機への
損傷を防止するための損傷防止策等が講じられている。

【０００５】例えば、スライドファスナー閉口端近傍
に、スライダを覆うためにカバーや布帯等を取り付けて
いるものがその一つである。ところで、最近の洗濯用ネ
ットは、家庭用の洗濯機の大型化（例えば、洗濯槽の容
量が、４kgから８kgへ増加）に伴い、それに応じて洗濯
用ネットの容量が大きくなってきた。

【０００６】その結果、現在、洗濯用ネットの開口部
は、以前のネット状袋体に較べて、益々大きく、すなわ
ち長くなる傾向にある。洗濯用ネットの開口部が長くな
ることで、衣類の出し入れが容易となるが、その反面、
開口部が長くなるとスライダを掴んで移動する開閉距離
が必然的に長くなる。

【０００７】通常、開口部を閉める場合は、一方の手で
開口端の付近を掴んで支え、他方の手でスライダの引き
手を掴んで、閉口端に向けて引っ張る動作を行う。この
場合、開口端の付近はネット地自体なので掴みにくく、
一旦掴むと、その領域に皺がより、スライダの移動がし
にくくなる欠点がある。

【０００８】また、支え力が務歯テープに効率よく働か
ず、分散してしまう問題もある。開口部が長い場合に
は、その分、開口端の付近の支えをより確実にさせるた
めに、強い力で開口端付近を掴まなければならない。力
の弱い人（例えば老人）には、指力が衰え強く掴むこと
が苦手な人が多く、開口部の長い洗濯用ネットの開閉操
作性は使用者にとって必ずしも良いものとはいえず、使
い勝手の上で満足できるものではなかった。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる実状
を背景に、上記の問題点を克服するためになされたもの
である。すなわち、本発明の目的は、上記の問題点を解
決すべく、洗濯をする立場から極めて開閉操作がし易く
使い勝手の良い洗濯用ネットを提供することである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】かくして、本発明者は、
このような課題背景に対して、鋭意研究を重ねた結果、
洗濯用ネットにおいて、開口部に手で掴む対象となるた
めの把手を設けることで、スライドファスナーの開閉を
容易、且つ確実に行い得ることを見出し、この知見に基
づいて本発明を完成させたものである。

【００１１】即ち、本発明は、（１）、ネット状袋体に
設けられた務歯よりなる開口部を有し、該開口部がライ
ダと引き手を備えたスライドファスナーにより開閉自在
となっている洗濯用ネットであって、前記開口部の端部
には、スライドファスナーの引き手を引っ張る際に（容
易に行えるように）掴みの対象となる把手を設けたこと
に存する。

【００１２】そして、（２）、開口部の両方の端部に把
手が設けられていることに存する。

【００１３】そしてまた、（３）、開口部の一方の端部
に把手が設けられていることに存する。

【００１４】そしてまた、（４）、把手が平面状に形成
されていることに存する。

【００１５】そしてまた、（５）、把手がループ状に形
成されていることに存する。

【００１６】そしてまた、（６）、開口部の閉口する端
部にはスライダの引き手を弾圧的に覆うカバー体を設け
たことに存する。

【００１７】そしてまた、（７）、把手は視認容易な色
彩（模様も色も含む）が付与されていることに存する。

【００１８】そしてまた、（８）、ネット状袋体が、球
形、筒形、又は角形であることに存する。

【００１９】本発明は、この目的に沿ったものであれ
ば、上記１〜８の中から選ばれた２つ以上を組み合わせ
た構成も当然採用可能である。

【００２０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、実
施例に基づき図面により詳細に説明する。 〔第１の実施の形態〕図１は、洗濯用ネットＮの全体を
示す図である。また、図２は、スライドファスナー７の
近傍の一部拡大図である。

【００２１】本実施例における洗濯用ネットＮは、図１
に示すように、本体がネット状袋体で形成され、その開
口部６を開閉自在にするスライドファスナー７を有す
る。この洗濯用ネットＮの開口部６は、務歯１０Ａを有
する務歯テープ１０によって形成されており、スライダ
３と引き手２とで構成されているスライドファスナー７
がそれに噛合するように取り付けられている。

【００２２】そして、洗濯用ネットＮの使用者は、スラ
イドファスナー７を引っ張って開口部６を開くことによ
り、そこから洗濯物を出し入れすることが可能である。
洗濯用ネットＮには、スライドファスナー７の引き手２
を引っ張る際に、それが容易に行えるように掴みの対象
となる把手１，１’が取り付けられている。この把手
１，１’は、開口部６の開き始めの開口端９と、閉じ終
わりの閉口部との両方の端部に備えられている。

【００２３】このような把手１，１’は、図に示される
ようにループ状に形成されていてもよく、また、平面状
であってもよい。特にループ状に形成することで、その
ループに指を引っ掛けて把手１，１’を掴むことがで
き、より確実な支え力を得ることができる。そして、こ
れら把手１，１’には、視認性容易な色彩が付与されて
いることが好ましい。

【００２４】このようにすることで、大型化した洗濯用
ネットＮにおいても容易に把手１，１’の位置を視認す
ることができる。また、把手１，１’が両開口端にある
ことから開口部自体の大きさを（すなわち距離は）把手
１，１’の間隔をヒントに認識することができ、洗濯物
の出し入れの際、引っ掛けるようなことはなく出し入れ
の操作が容易に行える。さて洗濯用ネットＮは、構成基
布５を、適宜、縫製することによりに形成されている。

【００２５】構成基布５は、穴目を有する経編ネット組
織で編成されており、このように間隙のある経編ネット
組織とすることで洗濯液の流出入（通過）を容易にで
き、極力、洗濯効果を向上させることができる。次に、
把手1'を使った開口部６の開閉操作を以下に説明する。

【００２６】いま、スライドファスナー７が開口端９に
あり開口部が開かれている状態を想定する。まず、一方
の手で掴みの対象となる開口端９にある把手１’を掴
み、他方の手でスライドファスナー７の引き手２を掴
む。そして、把手１’を掴んで支えながら、スライドフ
ァスナー７を引っ張る（図３参照）。

【００２７】すなわち、スライダ３を閉じる方向に案内
する。この場合、把手１’が開口端９に取り付けられて
いるために、把手１’の支え力（スライダ３が閉じる方
向に移動する際に発生する閉口端８方向への力に対して
抵抗する力）が務歯テープ１０に有効に作用する。

【００２８】そのために、スライドファスナー７の移動
がスムースに行えて、閉じる動作が容易に行えるのであ
る。ここで、把手１，１’がループ状に形成されている
場合には、そのループに指を引っ掛けて把手１，１’を
掴むことで、より確実な支え力を得ることができる。こ
のように指を引っ掛ける場合は、洗濯用ネットが、洗濯
後に水や洗剤に濡れた状態においてさえも、十分な支え
力を維持できる。

【００２９】次にいま、スライドファスナー７が閉口端
８にあり開口部６が閉じられている状態を想定する。こ
の場合にも、上述したように、一方の手で掴みの対象と
なる閉口端８にある把手１を掴み、他方の手でスライド
ファスナー７の引き手２を掴んで引っ張れば、把手１の
支え力が務歯テープ１０に有効に作用することとなる
（図４参照）。

【００３０】そのために、スライドファスナー７の移動
がスムースに行えて、開き動作が容易に行えるのであ
る。以上の実施の形態において、把手１，１’は、閉口
端８又は開口端９の一方のみに取り付けることも採用可
能である。また、把手１，１’は、ループ状や平面状で
はなくても、掴むことができる形状であれば他の形状で
もよい。

【００３１】〔第２の実施の形態〕本実施の形態は、開
口部６の閉口する端部にスライダ３の引き手２を弾圧的
に覆うカバー体であるスライダーカバー４を設けた例で
ある。図５は、閉口端８の近傍にスライダーカバー４
が、開口部６を跨ぐような形で縫込まれている状態を示
した拡大図面である。

【００３２】ここで、スライダーカバー４は、務歯テー
プ１０の終端付近に曲面状に突出して取り付けられてい
る。そして、このスライダーカバー４は、曲面状に突出
した状態を常に保持できるように、形態保持力のある素
材、好ましくは、ジャガード織機により編み込まれたジ
ャガードゴム（平織りゴム）が使用されている。

【００３３】さて、この実施の形態における把手１，
１’を使った開口部の開閉操作は、上述した第１の実施
の形態と同じであるが、開口部６を閉じた状態、すなわ
ち、スライドファスナー７が閉口端８にある場合には、
スライドファスナー７がこのスライダーカバー４に覆わ
れた状態となる。この場合、スライダ３が、スライダー
カバー４の近接位置まで引き寄せられた際、スライドフ
ァスナー７の引き手２は、閉口端８の反対方向に寝かせ
るように倒される。

【００３４】そして、スライダ３は、スライダーカバー
４の下方に押し込まれる（図６参照）。これでスライド
ファスナー７は、スライダーカバー４に覆われて、他の
洗濯物を損傷すること等が防止される。また、スライド
ファスナー７は、スライダーカバー４により弾圧状態と
なっているため、不用意に飛び出すことはない。

【００３５】また、図６に示すように、スライドファス
ナー７の引き手２が、一部を露出した状態でスライダー
カバー４に隠される場合や、スライダ３の部分が閉口端
８側に一部を露出した状態でスライダーカバー４に隠さ
れる場合（図示せず）もありえるが、大部分がスライダ
ーカバー４に隠されることにより、上述の防止効果を得
られる。スライダ３を開く方向に案内する場合には、ま
ず、スライドファスナー７をスライダーカバー４の閉口
端８側から押し出すことで、引き手２を掴める状態にす
る。

【００３６】次に、一方の手で掴みの対象となる閉口端
８にある把手１を掴み、他方の手でスライドファスナー
７の引き手２を掴んで引っ張ることで、把手１の支え力
が務歯テープ１０に有効に作用することとなる（図７参
照）。この時、スライダーカバー４は、スライダ３が収
納されていない状態ではあるが、曲面状に突出した状態
のまま維持される。

【００３７】以上、本発明を説明してきたが、本発明
は、実施の形態にのみ限定されることなく、その本質か
ら逸脱しない範囲で、他の種々の変形例が可能である。

【００３８】例えば、洗濯用ネットの構造として、ここ
では扁平形の洗濯用ネットを示したがこれに限らず、図
８に示すように、球形、筒形、又は角形等各種各様の形
状が可能であり、ネット地の編組織も一定の通水性があ
る限り変更自由である。

【００３９】また、把手には視認容易な色彩を付与され
ているとしているが、視認性の向上の観点からも模様や
色も含んでいても良い。

【００４０】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
大型化した洗濯用ネットの開口部を開閉する際にスライ
ドファスナーの引き手を引っ張る動作を容易に行えるよ
うに掴みの対象となる把手を開閉時の支え部とすること
で開閉操作性が容易、且つ確実となる。

【００４１】また、この把手に視認性容易な色彩が付与
されていることにより、大型化した洗濯用ネットでも開
口部および本発明の把手を容易に視認することができ
る。更には、把手がループ状に形成されていることによ
り、洗濯用ネットが洗濯後で、水や洗剤に濡れていても
確実な支え力を得ることができる。

【００４２】更に、開口部の閉口する端部には引き手を
弾圧的に覆うスライダーカバーを設けたことにより、ス
ライドファスナーが他の洗濯物を損傷することを防止し
たり、他の洗濯物との接触により、スライダが開口した
り、することを防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、スライドの引き手を引っ張る際に（容
易に行えるように）掴みの対象となる把手を取り付けた
洗濯用ネットの全体を示す図である。

【図２】図２は、把手を取り付けた洗濯用ネットのスラ
イドファスナー近傍の一部拡大図である。

【図３】図３は、スライドファスナーが開口部の開口端
にある場合において、開口部を閉じる際の動作説明図で
ある。

【図４】図４は、スライドファスナーが開口部の閉口端
にある場合において、開口部を開ける際の動作説明図で
ある。

【図５】図５は、閉口端の近傍にカバー体が、開口部を
跨ぐような形で縫込まれている状態を示した一部拡大図
である。

【図６】図６は、スライドファスナーの引き手が、一部
を露出した状態でスライダーカバーに隠されている図で
ある。

【図７】図７は、別の洗濯用ネットの開口部を開ける際
の動作説明図である。

【図８】図８は、本発明球形（Ａ）、 筒型（Ｂ），又は
角系（Ｃ）の洗濯ネットに適用した場合の例を示した図
である。

【符号の説明】

１，１’…把手 ２…引き手 ３…スライダ ４…スライダーカバー ５…構成基布 ６…開口部 ７…スライドファスナー ８…閉口端 ９…開口端 １０…務歯テープ １０Ａ…務歯 Ｎ…洗濯用ネット

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ネット状袋体に設けられた務歯よりなる開
   口部を有し、該開口部がスライダと引き手を備えたスラ
   イドファスナーにより開閉自在となっている洗濯用ネッ
   トであって、 前記開口部の端部には、スライドファスナーの引き手を
   引っ張る際に（容易に行えるように）掴みの対象となる
   把手を設けたことを特徴とする洗濯用ネット。
2. 【請求項２】開口部の両方の端部に把手が設けられてい
   ることを特徴とする請求項１記載の洗濯用ネット。
3. 【請求項３】開口部の一方の端部に把手が設けられてい
   ることを特徴とする請求項１記載の洗濯用ネット。
4. 【請求項４】把手が平面状に形成されていることを特徴
   とする請求項１記載の洗濯用ネット。
5. 【請求項５】把手がループ状に形成されていることを特
   徴とする請求項１記載の洗濯用ネット。
6. 【請求項６】開口部の閉口する端部にはスライダの引き
   手を弾圧的に覆うカバー体を設けたことを特徴とする請
   求項１記載の洗濯用ネット。
7. 【請求項７】把手は視認容易な色彩（模様も色も含む）
   が付与されていることを特徴とする請求項１記載の洗濯
   用ネット。
8. 【請求項８】ネット状袋体が、球形、筒形、又は角形で
   あることを特徴とする請求項１記載の洗濯用ネット。