JP2003340176A - 刃物の加工方法及びその加工装置及び電気かみそり用内刃 - Google Patents
刃物の加工方法及びその加工装置及び電気かみそり用内刃Info
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Abstract
すると共に製造コストの削減、加工工具寿命の延長及び
加工品質の向上を図ること。 【解決手段】 刃物1の刃先加工において、少なくとも
刃物1の被加工面1aを研削工程の事前又は同時に脆化
させた上で研削加工を行なう。
Description
びその加工装置及び電気かみそり用内刃に関するもので
ある。
ッジ出し(刃付け)は一般的に研削加工によって行われ
ているが、刃物の被加工面の研削加工を行なう際には、
切込量に対応して塑性変形を伴う。このため刃先を鋭利
化する場合においてはバリ(カエリ)などの加工変質層
が生じやすくなるという問題があった。また加工時には
加工工具に対する切削抵抗が増加するので加工時の消費
電力の増加、加工工具の寿命の短縮をきたすうえに、後
工程でのバリ取り作業が必要となる。
例の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的と
するところは、刃先のバリを抑制でき、バリ取り作業を
省略できると共に製造コストの削減、加工工具寿命の延
長及び加工品質の向上を図ることができる刃物の加工方
法を提供することにあり、別の目的とするところは、バ
ッチ的に大量生産が可能となり、しかも研削時にバリ発
生が抑制でき、後のバリ取り工程を削減することが可能
な刃物の加工装置を提供することにあり、別の目的とす
るところは、刃先にバリがなく、高品質でしかも低コス
トな電気かみそり用内刃を提供することにある。
に本発明に係る刃物の加工方法は、刃物1の刃先加工に
おいて、少なくとも刃物1の被加工面1aを研削工程の
事前又は同時に脆化させた上で研削加工を行なうことを
特徴としており、このように構成することで、刃物1を
脆化させることにより、加工時の塑性変形などの加工変
質層を極力小さくでき、塑性変形による刃先1bのバリ
の発生を抑制でき、バリ取り作業が不要となると共に、
加工工具2の寿命を延長できる。
面側に断面凸状のリブ3を設けるのが好ましく、この場
合、安全剃刀のように両面研削しなくても、片側研削だ
けで刃先1bを鋭利化することが可能となる。
て研削加工を行なうのが好ましく、この場合、リアルタ
イムに刃物1に脆化雰囲気をつくり、加工中は常に雰囲
気状態が維持されるので、加工に伴う雰囲気変動が抑制
され、加工品質が向上する。
工を行なうのが好ましく、この場合、脆化処理、研削加
工が別々に行なうことが可能となる。
研削加工を行なうのが好ましく、この場合、常温で延性
であった性質が徐々に低下する性質を利用して加工を行
なうことができる。つまり、温度低下と共に脆性の割合
は増加することで、塑性変形低減に伴う刃先1bのバリ
の発生が抑制できると共に、加工時のエネルギーも低減
できるので切削抵抗が減少し、加工工具2の寿命も延長
する。また、低温であるため熱変形、焼き付きなどの熱
影響を極力抑制できると共に、加工工具2の寿命を延長
することができる。
工を行なうのが好ましく、この場合、刃物1自身を冷却
することでその被加工面1aを高い信頼性で脆化状態と
することができる。
が好ましく、この場合、刃物1の冷凍によって、低温脆
化作用だけでなく、周囲の氷が治具の役割を果たして研
削時の刃先1bのバリ発生に対する抵抗となる。
雰囲気下での加工量を常温時での加工量よりも多く設定
するのが好ましく、この場合、熱膨張、収縮に伴う寸法
誤差を極力低減できるようになる。
1aを低温雰囲気に冷却して研削加工を行なうのが好ま
しく、この場合、刃物1の加工工具2に接する被加工面
1aを局部的に冷却することにより、装置の簡素化を図
りつつ、被加工面1aを確実に脆化状態として研削加工
を行なうことができる。
削加工を行なうのが好ましく、この場合、加工工具2と
接する刃物1の被加工面1aの温度を上昇させることな
く脆化処理できる。
気に冷却して研削加工を行なうのが好ましく、この場
合、刃物1及び加工工具2全体を同一の低温雰囲気に制
御維持しやすくなり、温度制御がしやすくなる。
く、この場合、冷却媒体の取り扱い、供給がそれぞれ容
易となる。
く、この場合、気体6の場合と比べてはるかに冷却効率
が高くなる。
のが好ましく、この場合、冷却媒体を無駄なく循環再利
用できるので経済的であり、環境上の問題も起きにくく
なる。
が好ましく、この場合、刃物1を低温雰囲気に冷却して
研削加工を行なうにあたって、体心立方晶系材料は所定
温度を境に急激に脆性の割合が増加する特性があること
から、低温脆化の効果によりバリの発生を抑制すること
ができると共に、加工工具2の寿命延長の効果が一層高
まる。
鋼からなるのが好ましく、この場合、刃物1を低温雰囲
気に冷却して研削加工を行なうにあたって、マルテンサ
イト系ステンレス鋼は、サビ、腐食に対する耐久性が高
いため、刃物1の材質として好都合であると共に、磁性
を有するため磁気吸引による固定が可能となる。
ら支持して研削加工を行なうのが好ましく、この場合、
鋭利な形状の刃先1bを背面側から支持することで、加
工工具2の加圧力によって弾性変形したり、割れや欠け
を生じたりするのを防止できると共に、バリの成長も防
止できる。
く、この場合、氷4によって刃物1を冷却して脆化を促
進できるうえに、刃先1b近傍まで氷4で覆うようにし
て支持して刃物1と同時に氷4も削るような加工をする
ことで、刃先1bに発生しやすいバリの横方向への成長
を抑制できる。
しく、この場合、刃先1b近傍までワックス8で覆うよ
うにして支持して刃物1と同時にワックス8も削るよう
な加工をすれば、刃先1bに発生しやすいバリの横方向
への成長を抑制することができる。またワックス8は刃
物1に対して固定が容易であり、加工終了後も加熱によ
り容易に除去できる。
く、この場合、金属製の治具5によって加圧力に対する
支持剛性が高く、弾性変形や塑性変形に対する変形抑制
効果を高くすることができる。
5bよりも上方に段差状に突出させて、治具上面5bが
仕上面となるように研削加工を行なうのが好ましく、こ
の場合、治具5上方に突出している被加工面1aは治具
5との段差による切欠き効果による応力集中によって脆
性破壊して一度に除去加工が可能となると共に、治具5
で支持されている刃物1部分は破壊の影響を受けずに不
要な部分だけが除去できる。
て研削加工を行なうのが好ましく、この場合、刃物1を
水素雰囲気Hにすることで大気雰囲気で延性であった性
質が徐々に低下する、いわば水素脆化の性質を利用して
加工を行なうことができる。
が好ましく、この場合、予め刃物1に事前に焼入れ処理
を施して表面硬化することで、延性であった性質が表面
層1cは脆性を有することとなり、これにより、表面層
1cは内部に比べて冷却速度は速く、表面層1cの硬度
が最も増して、表面脆化が行われる。
するのが好ましく、この場合、予め刃物1の被加工面1
a周辺にレーザ照射して局部加熱することにより、脆化
を必要とする局部的な部位だけ熱処理が可能であり、反
りや変形などの寸法変化や熱影響による変質層が極力低
減できる。
好ましく、この場合、予め窒化により刃物1表面を脆化
することで加工時の加圧力に伴う塑性変形を抑制するこ
とができ、チッピングや欠けといった損傷の広がりを抑
制できる。
のが好ましく、この場合、予め刃物1表面に粒子を噴射
することで、刃物1表面を局部的に変形させて加工硬化
と同時に脆化させて加工時の加圧力に伴う塑性変形を抑
制できる。
ることにより脆化処理するのが好ましく、この場合、加
工時にチッピングや欠けといった損傷の広がりを抑制す
ることが可能であるうえに、表面に圧縮残留応力が存在
することで疲労強度が向上し、商品の寿命が延長する。
くとも刃物1の被加工面1aを脆化させる手段と、刃物
1周辺を脆化雰囲気にするための空間9と、脆化された
刃物1を研削するための加工工具2とを備え、少なくと
も刃物1の被加工面1aを脆化させて研削加工を行なう
ことが可能となっていることを特徴としており、このよ
うに構成することで、リアルタイムに脆化雰囲気にしな
がら研削加工を行なうことが可能となる。また空間9内
に刃物1を複数個格納することでバッチ的に大量生産が
可能となり、さらに刃物1の被加工面1aを脆化させて
研削加工を行なうことで、研削時にバリ発生が抑制で
き、後のバリ取り工程を削減することが可能となる。
上記刃物1が、刃穴を有する外刃11の内面を摺接する
内刃12であって、少なくとも外刃11との摺接部であ
る内刃縁12bを脆化させて研削加工が施されているこ
とを特徴としており、このように構成することで、研削
時に刃先1bにバリの発生がなく、刃先1bの鋭利度が
向上してひげの剃り味が良好となる高品質な内刃12が
得られると共に、これまで必要としていたバリ除去工程
が不要となり、低コスト化を図ることができる。
施形態に基づいて説明する。
物1(被加工物)の被加工面1aを研削工程する場合の
一例を示しており、図2、図3は刃物1の一例として往
復動電気かみそり用の内刃12を示している。図2、図
3において、内刃12の構造は外刃に倣うように半円状
の概略形状をした複数個の内刃片12aを整列させて往
復駆動源と連通したべース部13に取り付けられてい
る。内刃片12aは図2に示す半円板タイプと図3に示
す薄肉円環タイプとに大別される。いずれの場合も内刃
片12aの断面は図4に示すように、片側に平坦な内刃
縁12b、片側角部に鋭角となる刃先1bを有し、背面
側に断面凸状のリブ3を突設させた複雑な断面形状とな
っている。ここで、背面側にリブ3を設ける理由は、ヒ
ゲ剃り時の音を共鳴増幅させて剃り味感を出させる官能
的な効果がある。なお一般に、ナイフ、包丁、安全かみ
そりなどの平滑な板状刃物では両面を研削することでバ
リを抑制しながら刃先のエッジ出しを行なう手法が多い
が、図4に示すような刃先形状においては、くさび形状
のすくい面14側に砥石2aなどの加工工具2を用いる
ことが困難で片側のみの研削により刃付けを行なうこと
となる。この場合、加工時、刃物1の被加工面1a付近
には負荷に応じた塑性変形を伴い、バリが発生してしま
う。
先1bのエッジ出し(刃付け)は一般的に研削加工によ
って行われる。一般的に、切削、研削、砥粒などの圧力
切込加工においては文字どおり砥石2aを刃物1に強制
的に負荷させて除去加工を行なうものである。従って、
加工時、刃物1の被加工面1a付近には負荷に応じた塑
性変形を伴う。例えば、文献(谷口紀男:ナノテクノロ
ジーの基礎と応用、工業調査会、1988年)によれば
材料表面に与えた圧痕aに対する塑性変形の広がりcの
比(c/a)は、弾塑性論によって材料の硬度Hvに対
する弾性係数Eの比(E/Hv)と相関関係がある。
(c/a)は砥石2aの刃物1に対する切込み量と加工
時の塑性変形量の関係と置き換えれば、加工に伴う塑性
変形の挙動が説明できる。刃物加工の場合、刃先1bで
塑性変形が生じれば、そのままバリ(カエリ)となって
研削後の仕上品質が悪く、後工程でバリ除去が必要とな
る。
工面1aを研削工程の事前又は同時に脆化させるもので
ある。刃物1を脆化させることで加工時の塑性変形など
の加工変質層を極力小さくし、バリの発生を抑制させる
ことができる。材料脆化の手段としては後述する低温脆
化、水素脆化、焼入脆化、窒化脆化、粒子噴射脆化、脆
性を有する膜付与などが挙げられる。これらはいずれの
手段においても塑性変形による刃先1bのバリの発生を
抑制することを狙ったものである。また被加工面1aに
おいて塑性変形を抑制することは塑性変形に費やされる
エネルギーが低減できることであり、砥石2aに対する
切削抵抗が減少するので加工時の消費電力の低減、砥石
2aの寿命の延長が図れると共に、後工程でのバリ取り
作業が不要となる。
に断面凸状のリブ3を突設させ、刃物1の被加工面1a
を研削工程の事前又は同時に脆化させた上で被加工面1
aのみを平面状に研削加工しており、これにより、片側
研削だけで被加工面1aの角部に鋭角となる刃先1bを
形成することができる。しかも、刃断面形状が背面側に
凸状のリブ3を有する複雑形状の場合(平滑な板状刃物
でない場合)は、上記のように加工時に刃物1の被加工
面1aを脆化させることで加工時の塑性変形などの加工
変質層を極力小さくし、バリの発生を抑制させることが
できる効果に加えて、安全剃刀のように両面研削しなく
ても片側研削で刃先1bの鋭利化が可能となる。
5〜図7は、被加工面1aをリアルタイムに脆化処理さ
せて研削加工を行なう場合の一例を示している。図5は
本実施形態のフローチャートを示しており、砥石2aの
始点・終点の設定及び脆化雰囲気目標の設定後に、砥石
2aを開始点に移動させ、脆化雰囲気を保ちながら研削
加工を施す。これにより、常に刃物1周辺が脆化雰囲気
となるようにリアルタイムに検知しながら、所望量の脆
化処理を行ない、同時に研削加工を行なうことができ
る。なお、雰囲気とは例えば低温脆化であれば温度を対
象とし、冷媒で刃物1の脆化温度域まで冷却し、その温
度で研削加工を行なう。なお後述する水素脆化であれば
水素濃度などを対象とする。またリアルタイムに脆化処
理と研削加工を行なうためには、図6に示すように、被
加工面1aに向かってノズル15から脆化雰囲気となる
冷却媒体6aを噴射したり、図7に示すように、密閉容
器やチャンバー内に刃物1と砥石2aを格納してチャン
バーごと脆化雰囲気となる冷却媒体6aを封入させる方
法も考えられる。これにより、リアルタイムに被加工面
1a周辺に脆化雰囲気をつくることができ、加工中は常
に雰囲気状態が維持されるので、加工に伴う雰囲気変動
が抑制され、加工品質が向上するものである。
処理させて研削加工を行なう場合の一例を示している。
図8は脆化処理工程と研削工程に時間差を設ける場合の
フローチャートを示している。本方法では、図9(a)
に示すように、被加工面1aに向かってノズル15から
脆化雰囲気となる冷却媒体6aを噴射して脆化処理を行
なった後に、図9(b)に示すように、砥石2aによる
研削加工を施す。なお、刃物1が脆性を維持できる手段
として、後述の焼入れ、窒化、異種材料付加などの材料
改質的な手段等であってもよい。本方法によれば脆化処
理、研削加工が別々に行なうことが可能であるため従来
の装置が利用できると共に、脆化処理、研削加工が別々
に行なうことが可能となるので、装置の簡素化、製造コ
ストの低減を図ることができる。
を示している。本実施形態では、少なくとも刃物1の被
加工面1aを低温雰囲気Rにして脆化させて研削加工を
行なう方法である。一般に常温で金属材料を研削加工し
た場合、切込量に対応して塑性変形を伴う。従って刃先
1bを鋭利化する場合においてはバリなどの加工変質層
が生じやすくなる。そこで、図10に示すように、被加
工面1aを低温雰囲気Rにすることで、常温で延性であ
った性質が徐々に低下する性質を利用して加工を行なう
ものである。なお衝撃試験における脆性破壊面の割合及
び破壊に至るエネルギーと温度の関係で温度低下と共に
脆性の割合は増加しエネルギーは減少する。これは温度
が低下することで衝撃時の吸収エネルギーが低下し塑性
変形に費やされなくなって脆性破壊に至る。本方法によ
れば塑性変形低減に伴う刃先1bのバリの発生が抑制で
きると共に、加工時のエネルギーも低減できるので切削
抵抗が減少し、砥石2aの寿命も延長することができ
る。さらに、低温であるため従来のような熱変形、焼き
付きなどの熱影響が極力抑制できるものである。
に冷却して研削加工を行なう場合を示している。本実施
形態では刃物1自身を冷却することで被加工面1aを脆
化状態とするものである。刃物1自身を冷却する方法と
しては、図11(a)→(b)に示すように、事前に刃
物1を低温雰囲気Rで冷却する工程を経て研削する方法
や、図12に示すように、研削加工と同時に刃物1を低
温状態R’にある治具5からの熱伝導により冷却する方
法などが考えられる。本方法によれば、刃物1自身の冷
却であるため、脆化する上で信頼性が一層高められる。
なう場合の一例を示している。本実施形態は被加土物を
冷凍にする方法としては実用的には事前に刃物1を氷点
下に冷凍する工程を経て研削加工を行なう方法が考えら
れる。特に、刃物1を水中で冷凍すれば、刃物1の周囲
を氷4で形成する構成となり、低温脆化作用だけでな
く、周囲の氷が治具5の役割を果たし、これにより研削
時の刃先1bのバリ発生に対する抵抗となることが期待
できる。
して、低温雰囲気R下での加工量を常温時での加工量よ
りも多く設定する場合の一例を示している。本実施形態
では低温雰囲気R下での加工量を常温での寸法を予測し
て予め多めに設定するものである。つまり加工時の温度
と常温との温度差から生じる熱収縮に伴う寸法誤差を予
め予測して、冷凍時はその予測量だけ余分に加工すれば
よい。一般に材料の線膨張係数α、温度差△T、対象物
体の基準寸法L、温度変化に伴う寸法変化△Lとすれ
ば、△L/L=α・△T(熱ひずみに相当)の関係が成
立する。複雑な形状に対しては相似的に熱変形しない
が、傾向としては上式から変形の挙動が定性的に予測で
きるとして、温度差△Tに対する寸法変化△Lは、△L
=α・L・△Tで表され、加工予測量として設定する。
本方法によれば、常温時の寸法に合わせて加工を行なう
ようになるので、熱膨張、収縮に伴う寸法誤差を極力低
減できるものである。
工面1aを低温雰囲気に冷却して研削加工を行なう場合
を示している。本実施形態は、刃物1の砥石2aに接す
る被加工面1aを冷却して低温雰囲気とすることで被加
工面1aを脆化状態として研削加工を行なうものであ
り、被加工面1aを冷却する方法としては、図15に示
すように、研削加工の事前又は同時に冷却媒体6aを被
加工面1aに対してノズル15からの冷却媒体6aで局
部的に強制噴射する方法などが考えられる。本方法によ
れば冷却媒体6aを局部的に供給するので装置としては
簡素化しやすくなる。その一方で、局部的に冷却する場
合、周囲との熱容量の関係で低温化に時間がかかったり
温度変化が起きやすくなるため、冷却は研削加工の事前
から長時間連続に行っておく必要がある。
に冷却して研削加工を行なう場合の一例を示している。
本実施形態は砥石2aを冷却して低温雰囲気とすること
で砥石2aと接する刃物1の被加工面1aの温度を上昇
させずに研削加工を行なうものである。砥石2aを冷却
する方法としては、例えば図16に示すように、砥石2
a表面に冷却媒体6aをノズル15で強制噴射する方法
があり、この場合、装置としては簡素化しやすい。また
別の方法としては図17に示すように、砥石2a中央の
回転軸20周辺に冷却媒体を封入して冷却し、砥石2a
表面に向けて矢印ニ、ホで示す方向に温度低下を図る方
法などが考えられる。図16に示す砥石2a表面の冷却
方法或いは図17に示す砥石2a内部からの冷却伝達方
法によれば、砥石2aの温度上昇がまず抑えられるの
で、砥石2aの破損を避けることができる。
雰囲気Rに冷却して研削加工を行なう場合の一例を示し
ている。本実施形態は刃物1、砥石2a及び刃物1と砥
石2aが接する被加工面雰囲気で構成される領域全体を
冷却して低温雰囲気Rとすることで研削加工を行なうも
のである。冷却する方法としては、チャンバーなどの密
閉された空間9内部に刃物1及び砥石2aを格納した上
で空間9内を同一の低温雰囲気Rに冷却する方法が考え
られる。これらの方法によれば、刃物1、砥石2a及び
被加工面雰囲気が同一の低温に制御維持しやすく、温度
変化も起きにくい。従って加工温度を厳密に制御する必
要がある場合は本方法が最も有力な手段と思われる。他
の方法として、例えば前記図10、図11で示した刃物
1を冷却する手段と、前記図15で示した被加工面雰囲
気を冷却する手段と、前記図16、図17で示した砥石
2aを冷却する手段とを組み合わせた方法であってもよ
い。
いる場合の一例を示している。本実施形態は刃物1、被
加工面雰囲気、砥石2a又は構成要素全体に対して低温
雰囲気に冷却させるための気体6を利用する。例えば、
冷却空気、窒素などの不活性ガスが適用される。供給は
被加工面雰囲気や砥石2aの冷却であれば、例えば図1
9に示すように、ノズル15を用いて冷却ガスを狙いに
対して噴射する方法が考えられる。また図20に示すよ
うに、構成要素全体の冷却であればチャンバーなどの密
閉された空間9内に冷却ガスを封入する方法が考えられ
る。これらの方法によれば、取り扱い、供給が容易であ
ると共に不活性ガスなどは加工時に発生しやすい酸化に
伴う加工変質層を抑制する効果がある。
いる場合の一例を示している。本実施形態は刃物1、被
加工面雰囲気、砥石2a又は構成要素全体に対して、低
温雰囲気に冷却させるための液体7を利用する。例え
ば、液体窒素、液化炭酸ガスが適用される。供給は図2
1に示すノズル15を用いて液体7を狙いに対して噴射
する方法が考えられる。また図22に示す冷却源21か
ら密閉された空間9に液体7を封入して構成要素全体を
冷却する方法が考えられる。また砥石2aや刃物1の冷
却であれば治具5内部に配管を連通して液体7を流すこ
とで治具5を冷却する方法も考えられる。これらの方法
によれば、液体7を扱うので、密閉容器、配管などの供
給、漏れ止めに対する装置が大掛かりになるが、冷却効
率という点においては気体6と比べてはるかに冷却効率
が高く、加工品質向上を図ることが可能である。
aを循環させて繰返し利用する場合の一例を示してい
る。本実施形態は刃物1、被加工面雰囲気、砥石2a又
は構成要素全体に対して低温雰囲気に冷却させる冷却媒
体6aを循環させて繰返し利用する。冷却媒体6aは気
体でも液体でもよい。ちなみにノズルなどを用いて冷却
媒体6aを噴射する場合などの方法では、後方にダクト
を設けて回収循環する方法が考えられる。また構成要素
全体の冷却であれば、図23に示すように、チャンバー
などの密閉された空間9に冷却媒体6aの供給口23と
排出口24とを設け、冷却源21からの冷却媒体6aを
循環経路25内に循環する方法が考えられる。また砥石
2a或いは刃物1の冷却であれば砥石2a内部或いは刃
物1の治具5内部に配管を連通して冷却媒体6aを流し
ながら排出口から封入口へ循環するようにすればよい。
これらの方法によれば、冷却媒体6aを無駄なく循環再
利用できるので経済的である。またチャンバーや配管に
よる循環方式であれば、冷却媒体6aが外部に漏れるこ
とがなく環境上問題が起きにくいものである。
下で脆化処理する方法の他例として、刃物1の材質を体
心立方晶(bcc)系材料として低温雰囲気に冷却して
研削加工を行なうようにしてもよい。本実施形態では、
刃物1の材質を体心立方晶系の材料を用いて刃物1を低
温雰囲気にして脆化させて研削加工を行なう方法であ
る。前記図10で示したように刃物1の被加工面1aを
低温雰囲気にすることで常温で延性であった性質が徐々
に低下してバリなどの加工変質層を抑制することを述べ
たが、さらに材質を体心立方晶の結晶構造を持つものと
することで、常温で延性であった性質がある温度を境に
脆性に変化する、つまり低温脆化の効果によりバリの発
生を抑制することができる。例えば、軟鋼(SM41B
鋼)の衝撃試験における脆性破壊面の割合と温度の関係
で+10℃から−20℃の範囲を境に急激に脆性の割合
が増加する。この急激な変化は体心立方晶に特有の特徴
であり、材質により異なる固有値(延性脆性遷移温度)
を持っている。従って上記温度以下により温度制御する
ことで脆性状態での加工が可能である。本方法によれば
低温の効果に脆化しやすい材料の効果が重複されて、図
10の実施形態での効果がより大きくなり、バリ抑制、
熱影響レスなどの高品位加工、砥石2aの寿命延長が期
待できる。
サイト系ステンレス鋼を用いて低温雰囲気下で脆化処理
して研削加工を行なうようにしてもよい。本実施形態は
前記刃物1の材質を体心立方晶(bcc)系材料として
低温雰囲気に冷却して研削加工を行なう場合の実施形態
の中で、刃物1の材質にマルテンサイト系ステンレス鋼
を用いて刃物1を低温雰囲気にして脆化させて研削加工
を行なう方法である。マルテンサイト系ステンレス鋼は
体心立方晶であり、前記実施形態で示した効果が得られ
るだけでなく、ステンレス鋼の本来の特徴であるサビ、
腐食に対する耐久性が高いため、刃物1などの製品には
好都合な材料である。さらにマルテンサイト系は磁性を
有するため磁気吸引による固定が可能であり、加工時の
固定にも好都合である。マルテンサイト系ステンレス鋼
の主な化学成分Wt%を表1に示す。本方法に用いるマ
ルテンサイト系ステンレス鋼は、サビ、腐食に対する耐
久性が高いため刃物1などの製品には好都合な材料であ
り、また磁性を有するため磁気吸引による固定が可能で
あり加工時の固定にも好都合である。
事前に又は同時に脆化処理して研削加工を行なう場合に
おいて、図24に示すように、加工時に治具5にて刃物
1を背面側から支持して研削加工を行なうようにしても
よい。刃物1など刃物1を加工する場合、刃先1bは鋭
利な形状であるために砥石2aの加圧力によって弾性変
形したり、割れや欠けを生じたりする。また塑性変形に
より発生する刃先1bのバリが自由表面側に成長したり
する。このような不具合を避けるために、図24に示す
ように、刃物1を背面から支持できる治具5を設けるこ
とで、刃物1の弾性変形、割れ、欠け及びバリの成長な
どを防止することができる。
氷4で支持して研削加工を行なう場合の一例を示してい
る。氷4で支持することで、図24の実施形態で示した
効果が得られるだけでなく、刃物1を冷却する効果も得
られたり、刃先1b近傍まで氷4で覆うようにして支持
して刃物1と同時に氷4も削るような加工をすれば、刃
先1bに発生しやすいバリの横方向への成長を抑制する
ことができる。
ワックス8で支持して研削加工を行なう場合の一例を示
している。ワックス8で支持することで、図24の実施
形態で示した効果が得られるだけでなく、刃先1b近傍
までワックス8で覆うようにして支持して刃物1と同時
にワックス8も削るような加工をすれば、刃先1bに発
生しやすいバリの横方向への成長を抑制することができ
る。また、ワックス8は刃物1に対して固定が容易であ
り、加工終了後も加熱により容易に除去することが可能
である。
金属治具5aで支持して研削加工を行なう場合の一例を
示している。しかして加工時に刃物1を背面側から金属
治具5aで支持することで、前記図24の実施形態で示
した効果に加えて、加圧力に対する支持剛性が高く、弾
性変形や塑性変形に対する変形抑制効果を高くすること
ができる。
を治具上面5bよりも上方に段差状に突出させて、治具
上面5bが仕上面となるように研削加工を行なう場合の
一例を示している。本実施形態は、図28に示すよう
に、治具上面5bが仕上面となるように加工前に刃物1
に対して治具上面5bに段差Dを設けて、刃先1bが自
由表面となるようにセッティングしておき、加工時に
は、砥石2aの切り込みを治具上面5bまで行なう。こ
の場合、図29に示すように、自由表面にある被加工面
1aは治具5との段差Dによる切欠き効果による応力集
中によって脆性破壊して一度に除去加工が可能となる。
またバリ発生を抑制できると共に刃先1bを鋭利化でき
る。さらに治具5で覆われている刃物1部分は治具5で
支持されているために破壊の影響を受けずに不要な部分
だけが除去できるものである。
を示している。本実施形態は刃物1の被加工面1aを水
素雰囲気Hにして脆化させて研削加工を行なう方法であ
る。一般に大気中、常温で金属材料を研削加工した場
合、切込量に対応して塑性変形を伴う。従って刃先1b
を鋭利化する場合においてはバリなどの加工変質層が生
じやすくなる。そこで、図30に示すように、被加工面
1aを水素雰囲気Hにすることで大気雰囲気で延性であ
った性質が徐々に低下するいわば水素脆化の性質を利用
して加工を行なうものである。ちなみに、水素を含んだ
雰囲気中では被加工面1aにHが侵入してCu2Oやそ
の他の酸化物を還元し、発生した水蒸気によって粒界に
割れや空孔が生じるためにもろくなることが知られてお
り、これを水素脆化という。この水素脆化を研削加工さ
れる刃物1の被加工面1aに施すことによって、塑性変
形低減に伴う刃先1bのバリの発生が抑制できると共に
加工時のエネルギーも低減でき、切削抵抗が減少し、砥
石2aの寿命も延長するものである。
場合において、材料脆化の一例として焼入れにより事前
に脆化処理する場合の一例を示している。本実施形態
は、図31(a)→(b)→(c)に示すように、少な
くとも刃物1の被加工面1aを焼入れにより脆化させて
研削加工を行なう方法である。一般に金属材料を研削加
工した場合、切込量に対応して塑性変形を伴う。従って
刃先1bを鋭利化する場合においてはバリなどの加工変
質層が生じやすくなる。そこで、予め被加工面1aを事
前に焼入れ処理を施して表面硬化することで延性であっ
た性質が表面層1cによって脆性を有することとなる。
方法としては、図31(a)に示す加熱炉Jの中で所定
の温度まで加熱(鋼の場合:700℃〜900℃)した
上で、所定の冷却速度で常温まで急冷(鋼の場合:約1
0秒程度以下)する。これにより、図31(b)に示す
表面層1cは内部に比べて冷却速度は速く、表面層1c
の硬度が最も増して、表面脆化が行われる。本方法によ
れば、塑性変形低減に伴う刃先1bのバリの発生が抑制
できると共に加工時のエネルギーも低減でき、図31
(c)に示す加工時に切削抵抗が減少し、砥石2aの寿
命も延長するものである。また表面層1cのみ脆化が可
能であるため内部の延性を維持でき、加工時にチッピン
グや欠けといった損傷の広がりを抑制することが可能で
ある。
処理する場合の一例を示している。ちなみに、焼入れは
刃物1全体を炉内で加熱後、急冷を行なう方法が一般的
であるが、この場合、加熱時或いは冷却時の温度変化や
材料組織変態により、変形などの寸法変化を生じやす
い。そこで、予め被加工面1a周辺のみレーザ照射装置
15aからレーザ照射して局部加熱した後、瞬間冷却を
行なう。刃物1の場合は、図32(a)に示すように、
刃先1b周辺のみにレーザを照射して加熱後、急冷する
(図32(b)の状態)。これにより、脆化を必要とす
る局部的な部位(脆化域イ)だけの熱処理が可能であ
り、その後、図32(c)に示す研削加工を施す。しか
して図31の実施形態の効果に加えて、反りや変形など
の寸法変化や熱影響による変質層が極力低減できるもの
となる。
を行ない、窒化により事前に脆化処理する場合を示して
いる。本実施形態は、少なくとも刃物1の被加工面1a
を窒化により脆化させて研削加工を行なう方法である。
一般に常温で金属材料を研削加工した場合、切込量に対
応して塑性変形を伴う。従って刃先1bを鋭利化する場
合においてはバリなどの加工変質層が生じやすくなる。
そこで、金属材料を対象にした場合に被加工面1aを予
め窒化により刃物1表面を脆化することで研削加工時の
加圧力に伴う塑性変形を抑制する。窒化の方法は例えば
図33(a)に示すように、対象材料を密閉された空間
9に格納後、アンモニアガスを封入して雰囲気温度を上
昇(鋼の場合は500℃〜600℃)させて、加圧(7
kPa〜10kPa)保持することで、アンモニアNH
3は高温で不安定となり、NとHに分解され、窒化雰囲
気Nが得られる。鋼の場合、分解されたNがFe或いは
Al、Crなどの添加元素と化合して硬くて脆い窒化物
を分散形成する。本方法によれば、窒化脆化後に図32
(b)に示す窒化層1dの研削加工を施すことにより、
塑性変形低減に伴う刃先1bのバリの発生が抑制できる
と共に研削加工時のエネルギーも低減でき、切削抵抗が
減少し、砥石2aの寿命も延長するものものである。ま
た表面層のみ脆化が可能であるため内部の延性を維持で
き、研削加工時にチッピングや欠けといった損傷の広が
りを抑制することが可能である。
脆化を行ない、粒子噴射により事前に脆化処理する場合
を示している。本実施形態は少なくとも刃物1の被加工
面1aに粒子噴射して脆化させて研削加工を行なう方法
である。一般に常温で金属材料を研削加工した場合、切
込量に対応して塑性変形を伴う。従って刃先1bを鋭利
化する場合においてはバリなどの加工変質層が生じやす
くなる。そこで、図34(a)に示すように、予め被加
工面1aに粒子を噴射して刃物1表面を局部的に変形さ
せて加工硬化と同時に脆化させて研削加工時の加圧力に
伴う塑性変形を抑制する。噴射の方法は大きさがμm〜
mmオーダーの不定形或いは球状の金属又は非金属(セ
ラミックス、ガラス、樹脂など)の粒子ニを、図34
(a)に示すノズル15a等の手段で加速して刃物1表
面に投射する。本方法によれば、刃物1の表面層に無数
の凹みを生じさせて加工硬化、脆化させると同時に圧縮
残留応力を表面層に帯びさせることができる。これによ
り、脆化を必要とする局部的な部位(脆化域イ)だけの
脆化処理が可能であり、その後、図34(c)に示す研
削加工を施す。これにより研削加工時、塑性変形低減に
伴う刃先1bのバリの発生が抑制できると共に研削加工
時のエネルギーも低減でき、切削抵抗が減少し、砥石2
aの寿命も延長するものである。また表面層のみ脆化が
可能であるため内部の延性を維持でき、研削加工時にチ
ッピングや欠けといった損傷の広がりを抑制することが
可能である。さらに表面に圧縮残留応力が存在すること
で疲労強度が向上し、商品の寿命が延長する。
脆性を有する膜付与を示している。本実施形態では少な
くとも刃物1の被加工面1aに異種材料を膜状に付加し
て脆化させて研削加工を行なう方法を示している。一般
に常温で金属材料を研削加工した場合、切込量に対応し
て塑性変形を伴う。従って刃先1bを鋭利化する場合に
おいてはバリなどの加工変質層が生じやすくなる。そこ
で、チャンバー等の空間9内において予め被加工面1a
に異種材料を膜状に付加して刃物1表面を硬化させると
同時に脆化させて、加工時の加圧力に伴う塑性変形を抑
制する。異種材料としてはDLC(ダイヤモンド・ライ
ク・カーボン)、チタン合金、セラミックスなどが挙げ
られるが、スパッタ蒸着、或いは図35に示すイオン源
50から蒸着物質ホを放出するイオンプレーティングな
どの物理的付着加工法によって表面に純度な膜を形成す
ることができる。本方法によれば刃物1の表面層1eが
脆性材料で構成されるので、図36に示す加工時、塑性
変形低減に伴う刃先1bのバリの発生が抑制できる。さ
らに、加工時のエネルギーも低減でき、切削抵抗が減少
し、砥石2aの寿命も延長するものである。また表面層
1eのみ脆化が可能であるため内部の延性を維持でき、
加工時にチッピングや欠けといった損傷の広がりを抑制
することが可能である。さらに表面に圧縮残留応力が存
在することで疲労強度が向上し、商品の寿命が延長す
る。
の加工装置の一例を示している。本実施形態では、刃物
1を格納するための密閉された空間9と、刃物1を脆化
させる手段と、空間9を脆化雰囲気にして脆化された刃
物1を研削するための加工工具2とを備えており、刃物
1を脆化させて研削加工を行なうものである。空間9は
内部の雰囲気が維持できるような剛体で構成されたいわ
ゆるチャンバーなどの耐圧物体が望ましい。また空間9
内に脆化雰囲気を導入するための手段として、例えば図
37に示すように、低温脆化雰囲気とする場合は冷却源
21と空間9とを配管60で連通して、冷却源21から
空間9内に冷却媒体6aが導入できるように配置する。
加工工具2は、刃物1を研削するための砥石2a、砥石
2aを回転させるための砥石駆動装置(図示せず)、刃
物1を固定するためのステージ16、該ステージ16を
砥石2aに対して相対的に移動させるためのステージ駆
動装置17などから構成されており、これらは空間9内
部にすべて格納される。以上のような構成によって、リ
アルタイムに脆化雰囲気にしながら研削加工を行なうこ
とが可能となる。手順は図38のフローチャートに示
す。図39は研削工程の事前に冷却媒体6aにより脆化
雰囲気にする場合の一例を示し、図40は後の研削工程
を示す。この研削工程は、前記図5のフローチャートと
同様の手順で行なう。本方法によれば、密閉された空間
9内に刃物1を複数個格納することでバッチ的に大量生
産が可能である。また本装置を使用することで研削時に
バリ発生が抑制でき、これまで行われていたバリ取り工
程を削減することが可能となる。
て往復型電気かみそりの内刃12を例示している。本例
の内刃12は、図44に示すように、刃穴を有する外刃
11と、その内面を摺接して矢印ハで示す方向に往復動
する内刃12とを備えている。ここでは、少なくとも外
刃11との摺接部である内刃縁12bを脆化させ、加工
工具2にて研削加工が施された内刃12を示している。
内刃12の製造工程は、例えば図41に示すように、ス
テンレス鋼のような金属板10をプレス加工によって略
半円状に打抜いた内刃片12aを空間9内で熱処理後、
合成樹脂と共に射出成形によってベース部13と一体化
し、次に一体化した内刃12をその断面形状に成形した
砥石2aにより研削を行なうことで所望の寸法に仕上げ
ると共に内刃縁12bにエッジを形成する方法がある。
別の製造工程としては、図42に示すように、ステンレ
ス鋼のような金属板10をプレス加工によってスリット
状に穴を打抜いて複数の桟12cを形成し、これを空間
9内で熱処理後、表面を砥石2aにて平面研削により所
望の寸法に仕上げると共に内刃縁12bにエッジを形成
する。さらに残部を矢印ロで示す方向へ曲げ加工して略
半円状(かまぼこ状)に成形した上で合成樹脂と共に射
出成形によってベース部13と一体化する方法がある。
従来では、いずれの場合も研削時には図43(b)に示
すように、刃先1bのエッジ部分にバリ10が生じる。
バリ10の存在は刃先1bの鋭利度を鈍らせるため電気
かみそりにとってひげの剃り味を損なう原因となる。し
たがって、これまで研削後に回転ブラシやサンドブラス
ト、電解研磨、磁気研磨などによってバリ10の除去仕
上げ加工を行っているのが実状である。これに対して本
発明方法によれば、前述のように加工時に内刃12を事
前又はリアルタイムに脆化させた上で研削加工を施すも
のであるから、図41に示す半円板タイプ、或いは図4
2に示す薄肉円環タイプのいずれの場合も、刃先断面は
図43(a)に示すように、片側に平坦な内刃縁12
b、片側角部に鋭角となる刃先1bを有し、背面側に断
面凸状のリブ3を突設させた形状とする。これにより、
研削時に刃先1bにバリがなく高品質な内刃12が得ら
れると共に、これまで必要としていたバリ除去工程が不
要となり、低コストな内刃12を提供することが可能と
なる。
は、往復式電気かみそり用内刃以外に、ヘアーカッタ
ー、電気バリカンの刃等でもよく、さらには一般の各種
刃物類に広く適用可能である。
刃物の加工方法にあっては、刃物の刃先加工において、
少なくとも刃物の被加工面を研削工程の事前又は同時に
脆化させた上で研削加工を行なうようにしたので、刃物
を脆化させることで、加工時の塑性変形などの加工変質
層を極力小さくでき、塑性変形による刃先のバリの発生
を抑制できるようになる。これにより、後工程でのバリ
取り作業が不要となる。また、被加工面において塑性変
形を抑制することは、塑性変形に費やされるエネルギー
が低減できることであり、加工工具に対する切削抵抗が
減少するので、脆化に伴う刃先のバリの抑制効果が得ら
れ、そのうえ加工時の消費電力の低減、加工工具寿命の
延長を図ることができる。
の効果に加えて、刃物の片側を被加工面とし、背面側に
断面凸状のリブを設けたので、安全剃刀のように両面研
削しなくても、片側研削だけで刃先を鋭利化することが
可能となる。また凸状のリブを突設させることで、ヒゲ
剃り時の音を共鳴増幅させて剃り味感を出させる官能的
な効果も得られる。
の効果に加えて、刃物をリアルタイムに脆化処理させて
研削加工を行なうので、リアルタイムに刃物に脆化雰囲
気をつくり、加工中は常に雰囲気状態が維持されるの
で、加工に伴う雰囲気変動が抑制され、加工時の脆性加
工を確実にでき、加工品質の向上を図ることができる。
の効果に加えて、刃物を事前に脆化処理させて研削加工
を行なうので、脆化処理、研削加工が別々に行なうこと
が可能となり、また事前に所望の材料物性値にしておく
ことで加工装置を簡素化でき、製造コストの低減を図る
ことができる。
4記載の効果に加えて、刃物を低温雰囲気下で脆化処理
して研削加工を行なうので、一般に常温で金属材料を研
削加工した場合、切込量に対応して塑性変形を伴い、刃
先を鋭利化する場合においてはバリなどの加工変質層が
生じやすくなるのに反し、刃物を低温雰囲気にすること
で、常温で延性であった性質が徐々に低下する性質を利
用して加工を行なうことができる。つまり、温度低下と
共に脆性の割合は増加することで、塑性変形低減に伴う
刃先のバリの発生が抑制できると共に、加工時のエネル
ギーも低減できるので切削抵抗が減少し、加工工具寿命
も延長される。また、低温であるため熱変形、焼き付き
などの熱影響を極力抑制できると共に、加工工具寿命を
一層延長することができる。
の効果に加えて、刃物を低温雰囲気に冷却して研削加工
を行なうので、刃物自身を冷却することでその被加工面
を脆化状態とすることができ、加工信頼性を高めること
ができる。
の効果に加えて、刃物を冷凍して研削加工を行なうの
で、刃物の冷凍によって、低温脆化作用だけでなく、周
囲の氷が治具の役割を果たし、刃先のバリ(カエリ)を
抑制できる。
6又は7記載の効果に加えて、常温での刃物の寸法を予
測して、低温雰囲気下での加工量を常温時での加工量よ
りも多く設定するので、熱膨張、収縮に伴う寸法誤差を
極力低減でき、常温での仕上り寸法精度を高めることが
できる。
の効果に加えて、刃物の加工工具に接する被加工面を低
温雰囲気に冷却して研削加工を行なうので、例えばノズ
ルなどで冷却媒体を被加工面に噴射するだけで、刃物の
加工工具に接する被加工面を局部的に容易に冷却するこ
とが可能となり、装置の簡素化を図りつつ、被加工面を
確実に脆化状態として研削加工を行なうことができる。
載の効果に加えて、加工工具を低温雰囲気に冷却して研
削加工を行なうので、加工工具と接する刃物の被加工面
の温度を上昇させることなく脆化処理できると共に、加
工工具の温度上昇が抑えられるので、熱による破損を避
けることができる。
載の効果に加えて、刃物及び加工工具全体を低温雰囲気
に冷却して研削加工を行なうので、刃物及び加工工具全
体を同一の低温雰囲気に制御維持しやすくなり、加工に
伴う温度変化も起きにくいことから、加工温度を厳密に
制御する必要がある場合であっても、温度制御がしやす
くなる。
は9又は10又は11記載の効果に加えて、冷却媒体に
気体を用いるので、冷却媒体の取り扱い、供給がそれぞ
れ容易となる。特に不活性ガスなどの気体は、加工時に
発生しやすい酸化に伴う加工変質層を抑制する効果があ
る。
は9又は10又は11記載の効果に加えて、冷却媒体に
液体を用いるので、気体の場合と比べてはるかに冷却効
率が高くなり、加工品質向上を図ることが可能である。
は9又は10又は11記載の効果に加えて、冷却媒体を
循環させて繰返し利用するので、冷却媒体を無駄なく循
環再利用できるので経済的であり、特にチャンバーや配
管による循環方式であれば、冷却媒体が外部に漏れるこ
とがなく環境上問題が起きにくくなる。
載の効果に加えて、刃物が体心立方晶系材料からなるの
で、刃物を低温雰囲気に冷却して研削加工を行なうにあ
たって、体心立方晶系材料は所定温度を境に急激に脆性
の割合が増加する特性があることから、低温脆化の効果
により急激な脆性が引き起こされやすくなり、これによ
りバリの発生を抑制できると共に、加工工具の寿命延長
の効果が一層高まる。
載の効果に加えて、刃物がマルテンサイト系ステンレス
鋼からなるので、刃物を低温雰囲気に冷却して研削加工
を行なうにあたって、マルテンサイト系ステンレス鋼
は、サビ、腐食に対する耐久性が高いため、刃物の材質
として好都合であると共に、磁性を有するため磁気吸引
による固定が可能であり、加工時の固定にも好都合であ
る。
は4記載の効果に加えて、加工時に治具にて刃物を背面
側から支持して研削加工を行なうので、鋭利な形状の刃
先を背面側から支持することで、加工工具の加圧力によ
って弾性変形したり、割れや欠けを生じたりするのを防
止できると共に、バリの成長も防止することができる。
記載の効果に加えて、治具が氷であるので、加工時に刃
先を背面側から氷で支持して研削加工を行なうことによ
り、氷によって刃物を冷却して脆化を促進できるうえ
に、刃先近傍まで氷で覆うようにして支持して刃物と同
時に氷も削るような加工をすることで、刃先に発生しや
すいバリの横方向への成長を抑制することができる。
記載の効果に加えて、上記治具がワックスであるので、
加工時に刃先を背面側からワックスで支持して研削加工
を行なうにあたって、刃先近傍までワックスで覆うよう
にして支持して刃物と同時にワックスも削るような加工
をすれば、刃先に発生しやすいバリの横方向への成長を
抑制することができる。またワックスは刃物に対して固
定が容易であり、加工終了後も加熱により容易に除去す
ることが可能である。
記載の効果に加えて、上記治具が金属であるので、加工
時に刃先を背面側から金属製の治具で支持して研削加工
を行なうことにより、加圧力に対する支持剛性が高く、
弾性変形や塑性変形に対する変形抑制効果を高くするこ
とができる。
記載の効果に加えて、刃物の被加工面を治具上面よりも
上方に段差状に突出させて、治具上面が仕上面となるよ
うに研削加工を行なうのが好ましく、この場合、治具上
方に突出している被加工面は治具との段差による切欠き
効果による応力集中によって脆性破壊して一度に除去加
工が可能となると共に、治具で支持されている刃物1部
分は破壊の影響を受けずに不要な部分だけが除去できる
ものである。
は4記載の効果に加えて、刃物を水素雰囲気下で脆化処
理して研削加工を行なうので、刃物を水素雰囲気にする
ことで大気雰囲気で延性であった性質が徐々に低下す
る、いわば水素脆化の性質を利用して加工を行なうこと
ができる。従って、塑性変形低減に伴う刃先のバリの発
生が抑制できると共に加工時のエネルギーも低減できる
ものであり、しかも切削抵抗が減少し、加工工具寿命も
延長するものである。さらに少なくとも被加工面に水素
を照射するだけで脆化でき、装置を簡素化することがで
きる。
載の効果に加えて、刃物を焼入れにより脆化処理するの
で、予め刃物に事前に焼入れ処理を施して表面硬化する
ことで、延性であった性質が表面層は脆性を有すること
となり、これにより、表面層は内部に比べて冷却速度は
速く、表面層の硬度が最も増して、表面脆化が行われ
る。従って、塑性変形低減に伴う刃先のバリの発生が抑
制できると共に加工時のエネルギーも低減でき、切削抵
抗が減少して加工工具寿命も延長し、さらに加えて、表
面層のみ脆化が可能であるため内部の延性を維持でき、
加工時にチッピングや欠けといった損傷の広がりを抑制
することが可能である。
記載の効果に加えて、刃物をレーザ焼入れにより脆化処
理するので、予め刃物の被加工面周辺にレーザ照射して
局部加熱することにより、脆化を必要とする局部的な部
位だけ熱処理が可能であり、また焼入れを行なう領域が
限定できるので、反りや変形などの寸法変化や熱影響に
よる変質層が極力低減できる。
載の効果に加えて、刃物を窒化により脆化処理するの
で、予め窒化により刃物表面を脆化することで加工時の
加圧力に伴う塑性変形を抑制することができ、チッピン
グや欠けといった損傷の広がりを抑制することが可能と
なる。
載の効果に加えて、刃物を粒子噴射により脆化処理する
ので、予め刃物表面に粒子を噴射することで、刃物表面
を局部的に変形させて加工硬化と同時に脆化させて加工
時の加圧力に伴う塑性変形を抑制することができる。ま
た、表面に圧縮残留応力が存在することで疲労強度が向
上し、商品の寿命が延長する。
載の効果に加えて、刃物表面に異種材料を膜状に付加す
ることにより脆化処理するので、刃物の表面層が脆性材
料で構成されるので、加工時には、塑性変形低減に伴う
刃先のバリの発生が抑制できる。さらに、加工時のエネ
ルギーも低減でき、切削抵抗が減少して加工工具寿命も
延長する。さらに表面層のみ脆化が可能であるため内部
の延性を維持でき、加工時にチッピングや欠けといった
損傷の広がりを抑制することが可能であるうえに、表面
に圧縮残留応力が存在することで疲労強度が向上し、商
品の寿命が延長する。
工装置は、少なくとも刃物の被加工面を脆化させる手段
と、刃物周辺を脆化雰囲気にするための空間と、脆化さ
れた刃物を研削するための加工工具とを備え、少なくと
も刃物の被加工面を脆化させて研削加工を行なうことが
可能となっているので、リアルタイムに刃物周辺を脆化
雰囲気にしながら研削加工を行なうことが可能となる。
また空間内に刃物を複数個格納することでバッチ的に大
量生産が可能となり、さらに刃物の被加工面を脆化させ
て研削加工を行なうことで、研削時にバリ発生が抑制で
き、後のバリ取り工程を削減することが可能な加工装置
を提供できる。
そり用内刃は、刃物が、刃穴を有する外刃の内面を摺接
する内刃であって、少なくとも外刃との摺接部である内
刃縁を脆化させて研削加工が施されているので、研削時
に刃先にバリの発生がなく、刃先の鋭利度が向上してひ
げの剃り味が良好となる高品質な内刃が得られると共
に、これまで必要としていたバリ除去工程が不要とな
り、低コストな内刃を提供することができる。
は内刃片の斜視図である。
(b)は内刃片の斜視図である。
A’−A’線断面図である。
ある。
削加工工程の模式図である。
る。
ある。
バリの説明図である。
図である。
Claims (29)
- 【請求項1】 刃物の刃先加工において、少なくとも刃
物の被加工面を研削工程の事前又は同時に脆化させた上
で研削加工を行なうことを特徴とする刃物の加工方法。 - 【請求項2】 刃物の片側を被加工面とし、背面側に断
面凸状のリブを設けたことを特徴とする請求項1記載の
刃物の加工方法。 - 【請求項3】 刃物をリアルタイムに脆化処理させて研
削加工を行なうことを特徴とする請求項2記載の刃物の
加工方法。 - 【請求項4】 刃物を事前に脆化処理させて研削加工を
行なうことを特徴とする請求項2記載の刃物の加工方
法。 - 【請求項5】 刃物を低温雰囲気下で脆化処理して研削
加工を行なうことを特徴とする請求項3又は4記載の刃
物の加工方法。 - 【請求項6】 刃物を低温雰囲気に冷却して研削加工を
行なうことを特徴とする請求項5記載の刃物の加工方
法。 - 【請求項7】 刃物を冷凍して研削加工を行なうことを
特徴とする請求項6記載の刃物の加工方法。 - 【請求項8】 常温での刃物の寸法を予測して、低温雰
囲気下での加工量を常温時での加工量よりも多く設定す
ることを特徴とする請求項5又は6又は7記載の刃物の
加工方法。 - 【請求項9】 刃物の加工工具に接する被加工面を低温
雰囲気に冷却して研削加工を行なうことを特徴とする請
求項5記載の刃物の加工方法。 - 【請求項10】 加工工具を低温雰囲気に冷却して研削
加工を行なうことを特徴とする請求項5記載の刃物の加
工方法。 - 【請求項11】 刃物及び加工工具全体を低温雰囲気に
冷却して研削加工を行なうことを特徴とする請求項5記
載の刃物の加工方法。 - 【請求項12】 冷却媒体に気体を用いることを特徴と
する請求項6又は9又は10又は11記載の刃物の加工
方法。 - 【請求項13】 冷却媒体に液体を用いることを特徴と
する請求項6又は9又は10又は11記載の刃物の加工
方法。 - 【請求項14】 冷却媒体を循環させて繰返し利用する
ことを特徴とする請求項6又は9又は10又は11記載
の刃物の加工方法。 - 【請求項15】 刃物が体心立方晶系材料からなること
を特徴とする請求項5記載の刃物の加工方法。 - 【請求項16】 刃物がマルテンサイト系ステンレス鋼
からなることを特徴とする請求項5記載の刃物の加工方
法。 - 【請求項17】 加工時に治具にて刃物を背面側から支
持して研削加工を行なうことを特徴とする請求項3又は
4記載の刃物の加工方法。 - 【請求項18】 上記治具が氷であることを特徴とする
請求項17記載の刃物の加工方法。 - 【請求項19】 上記治具がワックスであることを特徴
とする請求項17記載の刃物の加工方法。 - 【請求項20】 上記治具が金属であることを特徴とす
る請求項17記載の刃物の加工方法。 - 【請求項21】 上記刃物の被加工面を治具上面よりも
上方に段差状に突出させて、治具上面が仕上面となるよ
うに研削加工を行なうことを特徴とする請求項17又は
18又は19又は20記載の刃物の加工方法。 - 【請求項22】 刃物を水素雰囲気下で脆化処理して研
削加工を行なうことを特徴とする請求項3又は4記載の
刃物の加工方法。 - 【請求項23】 刃物を焼入れにより脆化処理すること
を特徴とする請求項4記載の刃物の加工方法。 - 【請求項24】 刃物をレーザ焼入れにより脆化処理す
ることを特徴とする請求項23記載の刃物の加工方法。 - 【請求項25】 刃物を窒化により脆化処理することを
特徴とする請求項4記載の刃物の加工方法。 - 【請求項26】 刃物を粒子噴射により脆化処理するこ
とを特徴とする請求項4記載の刃物の加工方法。 - 【請求項27】 刃物表面に異種材料を膜状に付加する
ことにより脆化処理することを特徴とする請求項4記載
の刃物の加工方法。 - 【請求項28】 少なくとも刃物の被加工面を脆化させ
る手段と、刃物周辺を脆化雰囲気にするための空間と、
脆化された刃物を研削するための加工工具とを備え、少
なくとも刃物の被加工面を脆化させて研削加工を行なう
ことを可能としたことを特徴とする刃物の加工装置。 - 【請求項29】 刃物が、刃穴を有する外刃の内面を摺
接する内刃であって、少なくとも外刃との摺接部である
内刃縁を脆化させて研削加工が施されたことを特徴とす
る電気かみそり用内刃。
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- 2002-05-27 JP JP2002153078A patent/JP4496701B2/ja not_active Expired - Fee Related
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