JP4341384B2 - 往復刃の製造方法及びこれを用いて製造した往復刃 - Google Patents

往復刃の製造方法及びこれを用いて製造した往復刃 Download PDF

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Description

本発明は、電気シェーバ等の往復式切断工具に用いられる往復刃とこれの製造方法に関するものである。
従来から、多数の刃孔を有する板状の固定刃と、この固定刃の内面に摺動するように往復駆動されて前記刃孔から導入される対象物を切断する往復刃と、を具備する往復式切断工具が提供されている。上記の往復式切断工具として代表的には電気シェーバがあり、固定刃である外刃の刃孔から導入される髭を、往復刃である内刃に多数設けてある刃部の刃先で切断するようになっている。このような往復刃としては、刃部を有するアーチ状のブレードを支持部材に多数植設した構造のものが一般的であるが(特許文献1参照)、この構造のものにあっては、部品点数が多い為に製造コストが高くなるという問題や、高重量化してしまうという問題や、各ブレードに髭屑が付着しやすく髭の飛散量も大きいという問題があった。
これに対して、薄板状の金属板に、所定方向に沿って並ぶようにスリット状の刃孔を多数穿設するとともに、この金属板の隣接する刃孔間の部分に、前記所定方向が切断方向となるようなすくい面と逃げ面とを有する刃部を成形し、このような刃形状を成形した後にすくい面側を研磨することでエッジを仕上げて、一枚の金属製薄板から成る往復刃を得ることも提案されている(特許文献2参照)。上記の一枚薄板から成る往復刃であれば、部品点数も少なく軽量化されるとともに、髭等も付着し難く髭の飛散量も低減されるといった利点がある。しかしながら、上記の一枚薄板から成る往復刃の製造工程においては、プレス加工等により刃部を成形した時点でその刃先部分にバリが発生することが避けられず、逃げ面側の研磨加工によってこのバリを除去しようとするには、大きな研磨深さが要求されていた。
特開平5−15665号公報 特開平10―323461号公報
本発明は上記問題点に鑑みて発明したものであって、一枚板から成る往復刃の製造工程においてその刃先に形成されるバリを、大きな研磨深さを要することなく容易に且つ確実に除去して精度良くエッジを仕上げることのできる往復刃の製造方法、及び、これを用いて製造した往復刃を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために本発明に係る往復刃の製造方法を、薄板状の金属板9に、所定方向D2が切断方向D1となるようなすくい面S1と逃げ面S2とを有する刃部7を成形した後に、すくい面S1側に向けて粉体17を噴射することで前記刃部7の刃先8又は刃先8のバリ16を逃げ面S2側に押し曲げる粉体噴射加工を行い、その後に、刃部7の逃げ面S2側を研磨してエッジを仕上げる研磨加工を行うことを特徴としたものとする。このようにすることで、刃部7を成形した時点でその刃先8に不可避的に発生するバリ16を、逃げ面S2側に押し曲げた状態に変形させた後に研磨により除去することができ、これにより大きな研磨深さを要さずにバリ16を除去してエッジを仕上げることが可能となる。即ち、上記の製造方法によれば、一枚板から成る往復刃の製造工程中においてその刃先8に形成されるバリ16を、容易に且つ確実に除去して精度良くエッジを仕上げることができるものである。
また、前記粉体噴射加工が、すくい面S1側に向けて球状の粉体17を噴射する、すくい面ショットピーニング加工であることも好ましく、このようにすることで、バリ16を逃げ面S2側に押し曲げると同時に、刃部7の刃先硬度を向上させることができるものである。
また、前記粉体噴射加工が、すくい面S1側に向けて粒状の粉体17を噴射する、すくい面ショットブラスト加工であることも好ましく、このようにすることで、バリ16の除去が更に確実に行われるものである。
また、前記研磨加工の後に、逃げ面S2側に向けて球状の粉体17を噴射する逃げ面ショットピーニング加工を行うことも好ましく、このようにすることで、刃部7の刃先硬度が更に向上するとともに、逃げ面S2における摺動性も向上するものである。
また、前記粉体17として、銀粒子や、四フッ化エチレン粒子や、酸化チタン粒子を用いることも好ましく、銀粒子を用いた場合には刃部7に銀膜を生成して抗菌効果を発揮させることができ、四フッ化エチレン粒子を用いた場合には刃部7に四フッ化エチレン膜を生成して滑り性を向上させることができ、酸化チタン粒子を用いた場合には刃部7に酸化チタン膜を生成して光触媒効果を発揮させることができるものである。
また、前記粉体17を、液体に混ぜ込んだ状態で噴射することも好ましく、このようにすることで、刃部7の刃先形状を制御し易くなるものである。
また、前記研磨加工を、遊離砥粒を用いて行うことも好ましく、このようにすることで、研磨加工時に新たなバリ16が発生することを防止することができる。遊離砥粒は1〜5μm径のダイヤモンド砥粒であることが好ましく、このようにすることで研磨加工を高効率で行うことができるものである。
そして、前記した製造方法を用いて製造された往復刃は、刃先8のバリ16が容易且つ確実に除去されて精度良くエッジが仕上げられたものとなり、高品質且つ安価な往復刃として提供されるものである。
本発明は、一枚板から成る往復刃の製造工程において刃先部分に形成されるバリを、容易に且つ確実に除去して精度良くエッジを仕上げることのできる往復刃の製造方法、及び、これを用いて製造した往復刃を提供することができるものである。
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。図8には、本発明の実施の形態における一例の往復刃を示している。この往復刃は、例えば電気シェーバに用いられる薄板状の金属板から成る内刃1であって、電気シェーバ本体2に突設した取付け軸3に着脱自在に装着される内刃ホルダ4に、アーチ状に湾曲した状態で保持されるものである。電気シェーバ本体2には、この取付け軸3や内刃ホルダ4を覆うように外刃フレーム5が着脱自在に装着され、外刃フレーム5の先端開口部分にアーチ状に湾曲した状態で保持してある外刃6の内面に、前記内刃1の外面が押し付けられるようになっている。しかして、電気シェーバ本体2に内蔵したモータ(図示せず)により取付け軸3を往復駆動すると、内刃1は外刃6の内面に押し付けられながらその往復方向に摺動し、外刃6に多数穿設してある刃孔(図示せず)から導入される髭を、内刃1に多数形成してある刃部7の刃先8部分で切断するようになっている。ここで、本例の内刃1は、薄板状の金属板9に多数の刃孔10をスリット状に穿設するとともに、隣合う刃孔10に挟まれる金属板9の部分をブレード部11とし、このブレード部11に刃先8部分を有する刃部7を成形したものである。図1に示すように、ブレード部11は、断面略矩形状を成すベース部12と、ベース部12の一端側からテーパ状に幅を広げながら延設される刃部7とから成り、この刃部7の両側のテーパ面14をすくい面S1として、刃部7の先端を切り落とすように形成される逃げ面S2と両側のすくい面S1との間にそれぞれ、鋭角に尖った刃先8が形成されるようになっている。前記構造の内刃1は、内刃ホルダ4に保持された状態で、刃部7の切断方向D1と往復方向とが一致するように往復駆動され、両側の刃先8のうち進行側の刃先8によって円滑に髭が切断処理されるものである。
次に、本例の往復刃である内刃1の製造方法について説明する。図1には、製造方法の第一例を示してある。まず、厚さ0.4mmのステンレス製平板素材を薄板状の金属板9として用い、この金属板9に対してプレス抜き加工によって所定方向D2に沿って並ぶ多数の抜き孔13をスリット状に形成するとともに、隣接する抜き孔13に挟まれる金属板9の各部分に対して、絞り加工によって前記所定方向D2の両側にテーパ面14を形成する。テーパ面14は金属板9の表面9aに近付くほど互いに距離を隔てるように形成する。そして、この後に金属板9の厚さが0.35mmとなるまで表面9a側を平面研削加工する。上記の各加工を行う刃形状形成工程[I]によって、金属板9の所定方向D2に沿って並ぶように多数の刃孔10が形成されるとともに、この金属板9の隣接する刃孔10間の部分が、ベース部12と刃部7とから成るブレード部11に成形される。刃部7は所定方向D2の両側にテーパ面14を有する部分であり、前記の平面研削加工により研削された研削面15と各テーパ面14との間には、鋭角に尖った刃先8が形成されることとなる。即ち、上記の刃形状形成工程[I]によって形成されたテーパ面14が本例のすくい面S1となり、研削面15が本例の逃げ面S2となり、すくい面S1と逃げ面S2との交差部分が、所定方向D2を切断方向D1とする刃部7の刃先8となるものである。
刃形状形成工程[I]においては、バリ16が不可避的に発生する。即ち、図示のように、平面研削加工により金属板9の表面9aを研削して逃げ面S2を形成することで、加工終了時点で、刃先8から突起した状態のバリ16が発生してしまう。このバリ16は、研削方向(つまり、逃げ面S2と平行な方向)からすくい面S1側に傾斜した角度で突起して生成されるものである。ここで、仮に刃形状形成工程[I]の直後に逃げ面S2側を研磨することで、このすくい面S1側に傾斜して突起するバリ16を除去しようとすれば、大きな研磨深さが要求されることとなる。
そこで、本例の製造方法においては、刃形状形成工程[I]によって前記所定方向D2が切断方向D1となるようなすくい面S1と逃げ面S2とを有する刃部7を多数成形した後に、すくい面S1側に向けて微細な粉体17を噴射する粉体噴射加工を行い、その後に、各刃部7の逃げ面S2側を研磨して刃先8のエッジを仕上げる研磨加工を行う。これは、すくい面S1に粉体17を衝突させることで、刃先8のバリ16のうち比較的小さな(例えば厚みが1μm以下程度の)ものを除去するとともに、刃先8又はバリ16のうち比較的大きな(例えば厚みが2μmを超える程度の)ものを逃げ面S2側に傾斜するように押し曲げ、その後の逃げ面S2側の研磨加工によって、逃げ面S2側に押し曲げられたバリ16を除去し、刃先8のエッジを仕上げるものである。本例においては、粉体噴射加工として、平均粒径が40μm程度の二酸化シリコン製の球状の粉体17を用いてこれを0.3MPaの圧力ですくい面S1に衝突させるすくい面ショットピーニング加工を行っているので、上記したバリ16の処理と同時に、刃先硬度を向上させることができる。このとき、すくい面S1の凹凸はRy=2μm以下となるように平滑化される。逃げ面S2の研磨加工としては、1〜5μm(例えば2μm)径のダイヤモンド砥粒である遊離砥粒を含有した研磨液(図示せず)を用い、ポリッシャー回転数80min−1、ワーク押え圧100kPaでのポリシング加工を6分間行うが、上記ポリシング加工に限らず他の研磨加工であっても構わない。そして、上記のように、刃形状形成工程[I]と、すくい面S1に対して粉体噴射加工(すくい面ショットピーニング加工)を行うすくい面粉体噴射工程(すくい面ショットピーニング工程)[II]と、逃げ面S2に研磨加工を行う逃げ面研磨工程[III]とを、この順で経ることにより、結果としてエッジが0.5μm以下の刃部7が容易且つ確実に得られ、この刃部7を有する金属板9をアーチ状に曲げ加工することで一例の内刃1が得られるものである。
なお、粉体噴射加工としては上記のすくい面ショットピーニング加工に限らず、粒状の粉体17を用いてこれをすくい面S1側に噴射する、すくい面ショットブラスト加工を行っても良い。この場合のすくい面粉体噴射工程(すくい面ショットブラスト工程)[II]を採用することで、バリ16が更に容易に除去可能になるといった利点がある。また、粉体噴射加工における粉体17の噴射量や圧力を適宜調整することで、図2に示すように、すくい面S1と逃げ面S2との成す角度を、逃げ面S2に近い側の部分のすくい面S1と逃げ面S2との成す角度αと、逃げ面S2から遠い側の部分のすくい面S1と逃げ面S2との成す角度βの二段階で構成し、角度αが角度βよりも大きくなるように成形することも好適である。この場合、刃先8の強度が向上するといった利点がある。
図3には、第二例の製造方法を示してある。本例の製造方法は研磨加工を行うまでは第一例の製造方法と同様であるから、同様の構成については説明を省略し、研磨加工後に行う逃げ面ショットピーニング加工についてのみ説明する。図示のように、本例においては、逃げ面研磨工程[III]において逃げ面S2をポリシング加工により研磨して刃部7のエッジを仕上げた後に、平均粒径が40μm程度の二酸化シリコン製の球状の粉体17を逃げ面S2側に向けて噴射し、0.1MPaの圧力で逃げ面S2に衝突させる。これにより、逃げ面S2全体に1〜2μm程度の凹凸を形成して硬度を向上させることができる。上記のような逃げ面ショットピーニング加工を行う逃げ面ショットピーニング工程[IV]を、刃形状形成工程[I]、すくい面粉体噴射工程[II]、逃げ面研磨工程[III]の後に更に経ることで、刃先硬度を更に向上させ、また逃げ面S2における摺動性を向上させることができるものである。
図4には、第三例の製造方法を示してある。本例の製造方法は研磨加工を行うまでは第一例の製造方法と同様であるから、同様の構成については説明を省略し、研磨加工後に行う逃げ面・すくい面ショットピーニング加工についてのみ説明する。図示のように、本例においては、逃げ面研磨工程[III]において逃げ面S2をポリシング加工により研磨して刃部7のエッジを仕上げた後に、平均粒径が50μm程度の四フッ化エチレン粒子を粉体17としてこれを逃げ面S2とすくい面S1の両側に向けて噴射し、それぞれ0.3MPaの圧力で衝突させる。上記のような逃げ面・すくい面ショットピーニング加工を行う逃げ面・すくい面ショットピーニング工程[IV]を、刃形状形成工程[I]、すくい面粉体噴射工程[II]、逃げ面研磨工程[III]の後に経ることで、刃部7の逃げ面S2とすくい面S1の両面の硬度を更に向上させると同時に、両面に四フッ化エチレン膜(テフロン(R)膜)を生成して滑り性を向上させることができる。なお、刃部7に四フッ化エチレン膜を生成してある内刃1とそうでない内刃1とを対比した実機試験によれば、前者の場合には後者の場合に比べて外刃6との間での焼き付き不良の発生率が1/4以下となり、また付着した髭の清掃性も明らかに向上することが確認されている。
ここで、上記した第一例〜第三例の製造方法のすくい面粉体噴射工程[II]においては、二酸化シリコン製の粉体17を用いているが、これに限定されるものではない。即ち、粉体17として、銀粒子や、酸化チタン粒子や、四フッ化エチレン粒子を用いることも好適であり、例えば銀粒子を用いた場合には、バリ16の押し曲げや刃先8の硬度向上と同時に、すくい面S1に銀膜を生成して雑菌の生存及び増殖を防止することができる。刃部7に銀膜を生成してある内刃1とそうでない内刃1とを、黄色ブドウ球菌を用いた抗菌効果試験により対比した結果、後者の場合には処理後30℃に保持し24時間経過させた時点で菌が殆ど死滅しないことに比べて、前者の場合には菌を検出することができなかった。また、粉体17として酸化チタン粒子を用いた場合には、バリ16の押し曲げや刃先8の硬度向上と同時に、すくい面S1に酸化チタン膜を生成して光触媒効果を発揮させ、この光触媒効果により刃部7に付着した皮脂成分を自然分解させることができる。また、粉体17として四フッ化エチレン粒子を用いた場合には、すくい面S1に四フッ化エチレン膜(テフロン(R)膜)を生成して滑り性を向上させることができる。
また、粉体17として、上記した銀粒子や、酸化チタン粒子や、四フッ化エチレン粒子を、二酸化シリコン製の球状の粒子と混合させて用いることも好適であり、このように複数材質の粒子を用いることにより、バリ16の押し曲げや刃先8の硬度向上といった効果と、抗菌効果、光触媒効果、滑り性向上効果等の他の効果を、共に高レベルで発揮させることが可能になる。例えば銀粒子と二酸化シリコン製の球状の粒子とを40:60の割合で混合させたものを粉体17として用い、これを0.3MPaの圧力で20秒間衝突させた場合には、バリ16の押し曲げや刃先8の硬度向上といった効果と抗菌効果とが共に十分なレベルで確認されるものである。
また、第二の製造方法の逃げ面ショットピーニング工程[IV]で用いる粉体17を、上記のような銀粒子や、酸化チタン粒子や、四フッ化エチレン粒子や、これに酸化シリコン製の球状の粒子を混合させたものとすること、及び、第三の製造方法の逃げ面・すくい面ショットピーニング工程[IV]で用いる粉体17を、上記のような銀粒子や、酸化チタン粒子や、これに酸化シリコン製の球状の粒子を混合させたものや、四フッ化エチレン粒子に酸化シリコン製の球状の粒子を混合させたものとすることも好適である。これらの場合にも、すくい面粉体噴射工程[II]について上記した内容と同様に、刃先8の硬度向上という効果や摺動性向上という効果に加えて、抗菌効果、光触媒効果、滑り性向上効果等の他の効果が、共に発揮されるものである。
更に、これらの各種粉体17を、粘性の高い液体に混ぜ込んだ状態で噴射することも好適である。この場合、刃先形状を制御し易くなるという利点がある。
図5には、第四例の製造方法を示してある。本例の製造方法は刃形状形成工程[I]中に余肉切削加工を行うこと以外は第一例の製造方法と同様であるから、同様の構成については説明を省略して余肉切削加工についてのみ説明する。図示のように、本例においては絞り加工後に、逃げ面S2側に突起して生成される余肉部分(図示せず)を多刃CBN工具等を用いて切削除去する余肉切削加工を行い、その後に逃げ面S2の平面研削加工を行う。これにより、刃形状形成工程[I]中で大きなバリ16が発生しないようにすることができ、後工程での工程時間が短縮されるものである。なお、同様の余肉切削加工を、第一例〜第三例の製造方法で行った場合も同様の効果が得られることは勿論である。
図6には、第五例の製造方法を示してある。本例の製造方法は逃げ面研削工程[III]後に熱処理工程[IV]を経ること以外は第一例の製造方法と同様であるから、同様の構成については説明を省略して熱処理工程[IV]についてのみ説明する。図示のように、本例においては逃げ面研削工程[III]にて逃げ面S2にポリシング加工を行った後に、適当な熱処理条件を用いて刃部7の熱処理加工を行っており、この熱処理加工により刃先硬度が向上されるものである。なお、同様の熱処理加工を、第一例〜第四例の製造方法で行った場合も同様の効果が得られることは勿論である。
図7には、第六例の製造方法を示してある。本例の製造方法は逃げ面研削工程[III]後に硬質膜処理工程[IV]を経ること以外は第一例の製造方法と同様であるから、同様の構成については説明を省略して硬質膜処理工程[IV]についてのみ説明する。図示のように、本例においては逃げ面S2にポリシング加工を行った後に、DLC膜等の硬質膜を刃部7の刃面全体に生成する被膜生成加工を行っており、この被膜生成加工を行うことにより刃部7が更に高硬度に形成されるものである。なお、同様の被膜生成加工を、第一例〜第五例の製造方法で行った場合も同様の効果が得られることは勿論である。
以上、本例の往復刃として電気シェーバの内刃1を用いて説明してきたが、これに限定されるものではなく、固定刃と摺動するように往復刃を往復駆動させて対象物を切断する構造の往復式切断工具の往復刃であれば、同様の構成が適用されるものである。
本発明の実施の形態における往復刃の製造方法の第一例を示す説明図である。 同上の製造方法において、刃部のすくい面の角度を二段階に形成する場合の説明図である。 本発明の実施の形態における往復刃の製造方法の第二例を示す説明図である。 本発明の実施の形態における往復刃の製造方法の第三例を示す説明図である。 本発明の実施の形態における往復刃の製造方法の第四例を示す説明図である。 本発明の実施の形態における往復刃の製造方法の第五例を示す説明図である。 本発明の実施の形態における往復刃の製造方法の第六例を示す説明図である。 本発明の実施の形態における往復刃の一例の説明図であり、(a)は電気シェーバ本体に装着した状態、(b)は電気シェーバ本体から取り外してある状態を示している。
符号の説明
1 内刃
7 刃部
8 刃先
9 金属板
10 刃孔
16 バリ
17 粉体
D2 所定方向
S1 すくい面
S2 逃げ面

Claims (11)

  1. 薄板状の金属板に、所定方向が切断方向となるようなすくい面と逃げ面とを有する刃部を成形した後に、すくい面側に向けて粉体を噴射することで前記刃部の刃先又は刃先のバリを逃げ面側に押し曲げる粉体噴射加工を行い、その後に、刃部の逃げ面側を研磨してエッジを仕上げる研磨加工を行うことを特徴とする往復刃の製造方法。
  2. 前記粉体噴射加工が、すくい面側に向けて球状の粉体を噴射する、すくい面ショットピーニング加工であることを特徴とする請求項1に記載の往復刃の製造方法。
  3. 前記粉体噴射加工が、すくい面側に向けて粒状の粉体を噴射する、すくい面ショットブラスト加工であることを特徴とする請求項1に記載の往復刃の製造方法。
  4. 前記研磨加工の後に、逃げ面側に向けて球状の粉体を噴射する逃げ面ショットピーニング加工を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の往復刃の製造方法。
  5. 前記粉体として、銀粒子を用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の往復刃の製造方法。
  6. 前記粉体として、四フッ化エチレン粒子を用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の往復刃の製造方法。
  7. 前記粉体として、酸化チタン粒子を用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の往復刃の製造方法。
  8. 前記粉体を、液体に混ぜ込んだ状態で噴射することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の往復刃の製造方法。
  9. 前記研磨加工を、遊離砥粒を用いて行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の往復刃の製造方法。
  10. 前記遊離砥粒が、1〜5μm径のダイヤモンド砥粒であることを特徴とする請求項9に記載の往復刃の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする往復刃。
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