JPH0241195A - 耐久性切断刃 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野１ 本発明は新規な耐久性切断刃に関するものである。さら
に詳しくいえば、本発明は、撥水性が良好で極めて優れ
た切れ味を何し、かつ寿命が著しく長い上に、安価な包
丁、食肉や野菜の裁断を行うスリッター、カミソリ、医
療用メス、ミクロトーム用ナイフなと、生物を切断する
ための耐久性切断刃に関するものである。

［従来の技術１ 従来、包丁や、食肉、野菜などを裁断するスリッター、
カミソリ、医療、用メスなど、生物を切断する刃物は素
材として、通常ステンレス鋼などの鋼が使用されている
。しかしながら、これらの生物を切断する刃物は刃先か
極めて鋭角であり、素材にステンレス鋼などの鋼を使用
する場合、刃先かすぐに鈍ってしまい、切れ味か悪くな
るため、終始刃先をとぎなおさなければならず、またさ
びやすいなどの欠点を有している。

したがって、このような欠点を改良するために、素材と
して酸化ジルコニウム系のセラミックスを用いることか
試みられている。しかしながら、このようなセラミック
スは、硬くて加工が困難であり、かつ脆くて刃先が欠け
やすい上、撥水性が十分ではないため、切れ味も必ずし
も満足しうるものではなく、しかも高価であるなどの欠
点を有している。まｊ：、刃先に酸化アルミニウムの薄
膜片を設けＩ；切断刃が提案されているが（特開昭６３
−８９２８４号公報）、この切断刃においても、該酸化
アルミニウムの撥水性が必ずしもよいとはいえず、切れ
味は十分に満足しうるものではない。

他方、ダイヤモンドは硬く、かつ撥水性が良好で極めて
優れた切れ味を有し、刃物にとって最高の材料であるこ
とが知られているが、極めて高価であり、かつ加工が困
難であることから、ミクロトーム用ダイヤモンドナイフ
など、特殊な用途の刃物にしか用いられていない。

［発明か解決しようとする課題］ 本発明は、このような事情のもとで、撥水性が良くて極
めて優れた切れ味を有し、かつさびにくくて寿命か長く
、刃先をとぎなおすという煩雑な作業を行う必要がない
上に、比較的安価で容易に作成しうる、生物を切断する
ための耐久性切断刃を提供することを目的としてなされ
たものである。

［課題を解決するための手段１ 本発明者らは前記の優れた特徴を有する耐久性切断刃を
開発するために鋭意研究を重ねた結果、硬質炭素膜かダ
イヤセントに近い硬さ及び撥水性を有することに着目し
、この硬質炭素膜をステンレス鋼などの刃物の刃先部に
、ＰＶＤ法によって被着することにより、その目的を達
成しうろことを見い出し、この知見に基づいて本発明を
完成するに至った。

すなわち、本発明は、刃先部に、ＰＶＤ法により硬質炭
素膜を被着したことを特徴とする耐久性切断刃を提供す
るものである。

以下、本発明の詳細な説明する。

本発明の耐久性切断刃は、従来の方法によって作成され
たステンレス鋼などを素材とする刃物の刃先部に、膜厚
０．５μｍ〜３．０μｍ程度の硬質炭素膜をＰＶＤ法（
物理気相蒸着法）によって被着したものである。本発明
において用いられるＰＶＤ法については特に制限はなく
、公知のＰＶＤ法、例えは真空蒸着法、スパンタリング
法、イオンブレーティング法など、任意の方法を用いる
ことかでさる。

前記真空蒸着法はＩ　Ｏ−’　−１０−’Ｔｏ　ｒ　ｒ
程度の真空中において、硬質炭素膜形成性材料を例えば
抵抗、高周波誘導、電子線、輻射加熱なとの方法によっ
て加熱蒸発させて、刃先部の表面で凝縮させることによ
り、硬質炭素膜を形成させる方法であり、また、スパン
タリング法は、アルゴンカスなどの不活性ガスの存在下
、１０−’〜１０−”Ｔｏｒｒ程度の真空中で、一対の
電極に直流又は交流電圧を印加してグロー放電を起こさ
せ、イオンの衝撃によって硬質炭素膜形成性材料から炭
素ラジカルを飛び出させるか、あるいは電極間に高層Ｊ
！Ｌｆ圧を印加してプラズマを発生させ、硬質炭素膜形
成性材料から炭素ラジカルを飛び出させて、刃先部に付
着させることにより、硬質炭素膜を形成させる方法であ
る。

一方、イオンブレーティング法は、イオン化したカス雰
囲気下での蒸着法のことであり、１〜２．５Ｘ　ＬＯ−
２Ｔｏ　ｒ　ｒ程度のアルゴンガス中で蒸着を行う低圧
直流イオンブレーティング法、１０−”Ｔｏｒｒ以下の
高真空中で行う高真空イオンブレーティング法及び活性
ガス中で行う活性反応蒸着法（ＡＲＥ法）に大別するこ
とができる。

このようなＰＶＤ法において用いられ硬質炭素膜形成材
料としては、通常黒鉛が使用され、また該ＰＶＤ法によ
って形成された硬質炭素膜は、ＣＶＤ法（化学気相蒸着
法）で形成された気相合成ダイヤモンド膜と異なり、ス
テンレス鋼などの鋼の表面も、容易に被着することがで
きる上、該硬質炭素膜の形成時に、刃物を加熱する必要
がないので、刃物か焼鈍されることがなく、シかも形成
された膜の表面か極めて滑らかであるという特徴を有し
ている。

次に、本発明の耐久性切断刃における刃先部に硬質炭素
膜を被着させる好適な方法の１例を添付図面に従って説
明する。第１図は該硬質炭素膜を高周波スバソ′タリ〉
・グ法によって形成させる装置の１例の概略図であって
、真空容器（図示せず）の中に設置されたカンード側電
極ｌには、硬質炭素膜形成性材料の黒鉛ターゲット２が
取付けられており、一方硬質炭素膜が被着される刃物３
は水冷されているアノード側電極４上に載置されている
。真空容器中にアルゴンガスを導入し、さらに所望に応
し炭素源ガスと水素ガスとの混合カスを導入して、通常
ｔ３．５６ＭＨｚの高周波室Ｊ７によりＩＫＶ〜３ＫＶ
程度の電圧を印加することによって、電極間にプラズマ
を発生し、黒鉛ターゲット及び所望に応して導入される
炭素源ガスから炭素ラジカルが飛ひ出して、刃物３の刃
先部の表面７こ硬質炭素膜が形成される。

二の高周波スパッタリング法において、所望に応して導
入される炭素源カスとしては、メタンやエタンなとの低
級炭化水素が好ましく用いられる。

このようなＰＶＤにより、ステンレス鋼などの鋼で作成
された刃物の刃先部の表面に、硬質炭素膜を被着するこ
とによって、刃物の切れ味や寿命を向上させることがで
きる上、加工が困難なセラミックスやダイヤセントなと
の特殊材料で作成された刃物に比へて安価に提供できる
。

本発明の耐久性切断刃は、例えは包丁、食肉や野菜の裁
断を行うスリッター、カミソリ、医療用メス、ミツ０ド
ーム用ナイフなと、生物を切断するための切断刃として
好適に用し・られる。

［実施例］ 次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するか、
本発明はこれらの例によってなんら限定されるものでは
ない。

実施例１ 第１図に示す装置を使用し、スパッターガスとしてアル
ゴン９０％、水素９．９％、メタン０．１％の混合ガス
を、ターゲットとして黒鉛ターゲットを用い、１３．５
６ＭＨｚ高周波電源の出力４００　Ｗ（８、，８Ｗ／　
ｃｍ”）　、圧力５Ｘ４０−２Ｔｏｒｒ、基板温度常温
、ターゲットと基板間の距離３５　ｍｍ、スパッター時
間５時間の条件でスパッターリングを行い、加工肉スラ
インング用ステンレス鋼製丸刃スリッターの刃先部に、
膜厚３μｎ１の硬′ａ炭素膜を被着させた。

このようにして刃先部に硬質炭素膜か被着されたステン
レス鋼製刃物で肉の切断試験を行ったところ、硬質炭素
膜か被着されていない刃物と比較して切断抵抗か小さく
、切れ味か良かった。第２図は、この刃先部に硬質炭素
膜か被着された加工肉切断用丸刃スリンターの平面図で
あり、丸刃スリッター８の刃先部に硬質炭素膜９か被着
された構造を示している。

実施例２ 第１図に示す装置を使用し、スパッターカスとしてアル
ゴン８０％、水素１９，６％、メタン０．４％の混合ガ
スを、ターゲットとして黒鉛タープ７）を用い、１３．
５６ＭＨｚ高周波電源の出力３００Ｗ　（６，６Ｗ／Ｃ
Ｉｌ＋”）　、ガス圧力８×１Ｏ−２７ｏｒ、ｒ、基板
温度常温、ターゲットと基板間の距離３０ｍｍ、スパッ
ター時間５時間の条件でスパッタリングを行い、カミソ
リの刃の刃先部に、膜厚ｌ　５μｍの硬質炭素膜を被着
させた。

このようにして刃先部に硬質炭素膜か被着されたカミソ
リの刃を用い、髭剃りを行ったところ、硬質炭素膜が被
着されていないカミソリの刃に比べて、剃り味が良く、
１０日間毎日髭を剃っても切れ味は全くおちなかった。

これに対し、硬質炭素膜か被着されていないカミソリの
刃は、３日間毎日髭を剃ると切れ味が極めて悪くなった
。

第３図は、この刃先部に硬質炭素膜が被着されたカミソ
リの刃の平面図であり、カミソリの刃１０の刃先部に硬
質炭素膜９が被着された構造を示している。

実施例３ 第１図の装置を使用し、高周波電源の出力を５００　Ｗ
　（１１，０Ｗ／ｃｍ”）　、スパンターガスにＡｒ８
０％、混合ガス（ＣＨ，／Ｈ２＝　１／１００）２０％
、ノノス圧力３ｘ　ｌ　０−２Ｔｏ　ｒ　ｒ、基板温度
常温、ターゲットと基板間の距離２５ｍｍ、スパッター
時間５時間の生成条件にてステンレス鋼製医療用替刃メ
スの刃先部に硬質炭素膜の成膜を行った。その結果２μ
ｍの膜厚のものが得られた。

第４図は、この刃先部に硬質炭素膜が被着された替メツ
メスの刃の平面図であり、替刃メスの刃１１の刃先部に
硬質炭素膜９か被着された構造を示している。

［発明の効果］ 本発明の耐久性切断刃は、その刃先部に硬質炭素膜か披
ｊｖされたものであって、撥水性が良好で極めてｆ％れ
だ切れ味を有し、かつさびにくくて寿命か著しく長く、
ときなおすなどの煩雑な作業を行う必要がない上、容易
に作成することができ、かつ比較的安価であるなど、護
れた特徴を有し、特ｌこカミソリの刃なととして好適で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の耐久性切断刃における刃先部に、硬質
炭素膜を高周波スパッタリング法によって被着させるた
めの装置の１例の概略図、第２図、第３図及び第４図は
、それぞれ本発明の耐久性切断刃の異なった例の平面図
である。 図中符号ｌはカソード側電極、２は黒鉛ターゲット、３
は硬質炭素膜が被着される刃物、４はアノード側電極、
５はスパッタ粒子、６は黒鉛粒子、７は高周波電源、８
は丸刃スリッター　９は硬質炭素膜、１０はカミソリの
刃、１１は医療用替刃メスである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １　刃先部に、ＰＶＤ法により硬質炭素膜を被着したこ
   とを特徴とする耐久性切断刃。