JP2003339371A - 新規エタノール生産菌及びエタノールの生産法 - Google Patents

新規エタノール生産菌及びエタノールの生産法

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JP2003339371A
JP2003339371A JP2002155085A JP2002155085A JP2003339371A JP 2003339371 A JP2003339371 A JP 2003339371A JP 2002155085 A JP2002155085 A JP 2002155085A JP 2002155085 A JP2002155085 A JP 2002155085A JP 2003339371 A JP2003339371 A JP 2003339371A
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Japan
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ethanol
bacterium
clostridium
gas
carbon
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Naomichi Nishio
尚道 西尾
Yutaka Nakashimada
豊 中島田
Shigeyuki Watanabe
繁幸 渡邊
Hiroaki Otsuka
宏明 大塚
Osamu Chiyoda
修 千代田
Toru Tanaka
徹 田中
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Cosmo Oil Co Ltd
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    • C12P7/02Preparation of oxygen-containing organic compounds containing a hydroxy group
    • C12P7/04Preparation of oxygen-containing organic compounds containing a hydroxy group acyclic
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    • C12P7/065Ethanol, i.e. non-beverage with microorganisms other than yeasts
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
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    • C12N1/00Microorganisms, e.g. protozoa; Compositions thereof; Processes of propagating, maintaining or preserving microorganisms or compositions thereof; Processes of preparing or isolating a composition containing a microorganism; Culture media therefor
    • C12N1/20Bacteria; Culture media therefor
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    • C12R2001/145Clostridium
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 常温常圧下で気体状である炭素化合物を
原料として40℃以上の温度でエタノール産生能を有する
クロストリジウム属又はその派生属に属する菌;及びこ
れを用いるエタノールの生産法。 【効果】 本発明によれば、40℃以上の高温で二酸化炭
素等のガスを原料としてエタノールを効率良く生産する
菌が提供できる。また、この菌を用いれば、地球温暖化
の原因となる二酸化炭素等のガスを冷却することなくそ
のまま用いて安価に、効率良く、かつ連続してエタノー
ルを生産することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は二酸化炭素などの気
体状炭素化合物を原料として高温条件でエタノール生産
能を有する菌及びこれを用いた効率的なエタノールの生
産法に関する。
【0002】
【従来の技術】石油の枯渇化や地球温暖化に伴う炭酸ガ
ス問題などを背景として、これまでに多くのエネルギー
源の開発が進められている。なかでも輸送用などに用い
られる移動体エネルギーとしては、既存の設備利用や安
全面から比較的容易に導入されると考えられる新規液体
燃料の開発に注目が集まっている。これまでの液体燃料
製造方法としては、天然ガスからの炭化水素製造、合成
ガスからのメタノール製造、石炭の液化、糖蜜・でんぷ
んからのエタノール製造などが挙げられる。なかでもエ
タノールは、オクタン価が高いという物性から、海外で
はガソリン基材としての利用がなされており、国内にお
いてもその利用について期待されている。
【0003】これまでのエタノール製造は微生物を用い
た発酵生産であり、サトウキビやトウモロコシといった
農作物を原料としている。エタノールが燃料として利用
されるためには、安価に製造される必要があるが、これ
までの生産方法では原料が食糧と競合していることから
原料が高価となり、安価なエタノール生産は非常に難し
い。そのため、近年安価な原料を用いたエタノール生産
技術開発が注目されている。そのひとつに、農業廃棄物
や廃木材といった安価な有機性廃棄物を原料とし、酸や
酵素による糖化処理を行い、その溶液を発酵しエタノー
ル生産する方法がある。この方法は、原料が廃棄物であ
ることから安価なエタノール生産が期待できるが、糖化
段階で生じる処理水や培養後の高負荷水の排水処理など
二次的処理設備が必要となることなど、コスト面や技術
面で解決すべき点が多く、そのため糖を原料としないエ
タノール生産技術開発が望まれていた。
【0004】その解決策として、一酸化炭素、二酸化炭
素等のガスを原料としたエタノール生産技術開発が進め
られている。この技術は、ガスを利用できる微生物を用
い、燃焼等により得られたガスを主原料としてエタノー
ルを生産する技術である。これまでに、ガスを原料して
エタノールを生産する微生物として知られているもの
は、Clostridium ljyungdahlii(USP-5173429(1992))、及
びClostridium autoethanogenum sp.(Jamal Abriniら,A
rch. Microbiol. 161:345-351(1994))が知られている。
いずれも一酸化炭素を含んだガスを原料として、37℃の
条件で生育及びエタノールを生産するとされている。
【0005】しかしながら、これらの菌を利用してエタ
ノール生産をする際、原料となる一酸化炭素、二酸化炭
素等のガスは高温・高圧条件で製造されることが多い。
そのため、37℃の条件でエタノールを生育及び生産する
菌を用いる場合には、熱交換システムや大型タンクなど
のガスの冷却設備が必要となり、設備面において膨大な
費用がかかる。また、生産されるエタノールは菌に対し
て毒性があることから、培養液中から抜きながら培養し
て連続生産をすることが効率的な生産方法であると考え
られるが、従来の菌は培養温度及びエタノール生産温度
が低いことから生産物を抜くために費やされるエネルギ
ーが大きくなってしまうことなどがあり、生産温度が低
いことは工業的生産利用には不利である。そのため、よ
り高温でガスを原料としてエタノールを生産する菌が望
まれていた。
【0006】また、前述にあるように、従来技術では一
酸化炭素が含まれているガスが原料として用いられてい
るが、炭素源として温暖化ガスの1種である二酸化炭素
を利用してエタノール生産をできる菌が得られれば、温
暖化ガスの削減効果が期待できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、より高温条
件において二酸化炭素等のガスを原料として高効率にエ
タノールを生産できる菌、及び当該菌を用いて高温条件
下でガスを原料として効率よくエタノールを生産する方
法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の菌が40℃以
上の高温条件下で二酸化炭素等のガスを原料としてエタ
ノールを生産すること、またこのような菌を用いれば高
温条件下でのガスを原料とするエタノール生産方法にお
いて、生成したエタノールを培養液から連続的に回収な
がらエタノール生産を行うことができることを見出し、
本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、常温常圧下で気体状
である炭素化合物を原料として40℃以上の温度でエタノ
ール産生能を有するクロストリジウム属又はその派生属
に属する菌を提供するものである。
【0010】また、本発明は、常温常圧下で気体状であ
る炭素化合物を原料として40℃以上の温度でエタノール
産生能を有するクロストリジウム属又はその派生属に属
する菌を、常温常圧でガス状である炭素化合物の存在
下、40℃以上の温度で培養することを特徴とするエタノ
ールの生産法を提供するものである。
【0011】さらに、本発明は、40℃以上の温度でエタ
ノール生産能を有する菌を、40℃以上の温度で培養し、
生成したエタノールを気化させることにより培養液から
分離し、次いで液化することを特徴とするエタノールの
生産法を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のエタノール生産法に用い
られる菌は、40℃以上の温度でエタノール生産能を有す
る菌である。従来、40℃以上の高温条件でエタノールを
生産する菌は全く知られていない。当該エタノール生産
菌の好ましい生産温度は50〜100℃であり、さらに50〜8
0℃が特に好ましい。
【0013】また、本発明で用いるエタノール生産菌と
しては、常温常圧下で気体状(ガスともいう)である炭
素化合物を原料としてエタノールを生産する能力を有す
るものが好ましい。ここで常温常圧とは、25℃大気圧を
いう。当該炭素化合物としては、一酸化炭素、二酸化炭
素、メタン、エタン、エチレンなどが挙げられ、このう
ち一酸化炭素及び二酸化炭素から選ばれる1種又は2種
が好ましい。これらの炭素化合物に加えて、水素、硫化
水素等を併用することもできる。混合ガスの例として
は、一酸化炭素と水素の混合ガス、二酸化炭素と水素の
混合ガス、一酸化炭素と二酸化炭素と水素の混合ガス等
が挙げられる。その際には、窒素などの不活性ガスやメ
タンガス、硫化水素などの他種類のガス等が混合してい
てもエタノール生産に阻害がない限り特に問題はない。
また、これらの炭素化合物は、ガス状で添加することも
可能であるが、炭酸塩などの二酸化炭素発生源となりう
る物質を添加し培養液中で二酸化炭素を発生させてもよ
い。これらの中で、二酸化炭素と水素の使用が温暖化ガ
スの削減効果が最も高い。なお、本発明における二酸化
炭素や一酸化炭素には、炭素を含む原料、すなわちメタ
ンやエタンなどのガスや石炭や木材などの有機性物質を
燃焼などによる酸化によって製造したものも含む。ま
た、本発明における水素には、硫化水素やメタン等の水
素を含む物質を酸化して製造したものも含まれることは
いうまでもない。
【0014】本発明で用いるエタノール生産菌として
は、常温常圧下で気体状の炭素化合物を原料として、40
℃以上の高温条件でエタノールを生産する菌であれば特
に制限はなく、好気性菌、嫌気性菌のいずれでも問題は
ないが、好ましくはCollinsら(Collins M.D. Internat
ional Journal of Systematic Bacteriology, Oct.(199
4) 812-826)の報告にてCLUSTER V、VI、VIIに分類され
ている、クロストリジウム(Clostridium)属またはそ
の派生属であるサーモアナエロバクテリウム(Thermoan
aerobacterium)属、サーモアナエロバクター(Thermoa
naerobacter)属、モーレラ(Moorella)属に属する菌
が挙げられる。さらには、本発明において初めて見出さ
れた新種の菌である、クロストリジウム・エスピー(Cl
ostridiumsp.)No.16-1(独立行政法人 産業技術総合
研究所 特許生物寄託センター FERM P-18850)、クロ
ストリジウム・エスピーNo.16-2(独立行政法人 産業
技術総合研究所 特許生物寄託センター FERM P-1885
1)、クロストリジウム・エスピーNo.22-1(独立行政法
人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター FERM
P-18852)、及びこれらの菌と同様の種としての性質を
有する類縁の菌を好ましく用いることができる。なお、
上記したように、本発明で見出されたこれらの菌は新種
の菌であり、クロストリジウム属に属し、クロストリジ
ウム属の派生種であるサーモアナエロバクテリウム属、
サーモアナエロバクター属及びモーレラ属の性質も有す
るが、属種を決定する際の指標である諸性質が公知の同
属菌とは明らかに異り、新種である可能性が非常に高
い。なお、本発明において見出された菌は、エタノール
の他に酢酸などの有機酸も生産する。
【0015】嫌気性菌利用による培養方法では、原則的
には一般の微生物の場合と同様であるが、酸素の混入を
防ぐことが必要であり、実験室ではブチルゴム栓等で密
閉した培養器中で、静置あるいは振とうする方法が用い
られる。やや大きい規模では通常用いられる発酵槽が利
用でき、装置内の酸素は窒素などの不活性ガスや炭酸ガ
スなどの原料ガスなどで置換することにより嫌気的な状
態を作ることが可能である。
【0016】培養に用いることができる炭素源は、本発
明の特徴である二酸化炭素や一酸化炭素などの気体状炭
素化合物の他、炭酸塩など二酸化炭素を発生することの
できる無機塩も利用することができる。しかしながら、
炭素源としてはガスのみに制限されるのではなく、通常
培養で利用される糖類、アミノ酸類などを併用すること
もできる。なお、本発明で得られた菌は、ガスを原料と
してエタノールを生産するだけでなく、糖を原料として
もエタノールを生産することができる(実施例1参
照)。
【0017】また、ガスの供給方法にも特に制限はな
く、培地中にガスを溶解させるために加圧する方法、あ
るいは、常圧にて連続してガスを供給する方法などがあ
る。また、培地中へ溶解させる方法としてはガスを発生
させることができる塩類、例えば炭酸塩、炭酸水素塩を
加えることも可能である。
【0018】窒素源は塩化アンモニウムのようなアンモ
ニウム塩や硝酸ソーダのような硝酸塩のように、通常発
酵に用いうる各種窒素化合物を用いることができる。ま
た、培地への添加成分にも特に制限はなく、必要に応
じ、リン酸二水素カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸マ
ンガン、塩化ナトリウム、塩化コバルト、塩化カルシウ
ム、硫酸亜鉛、硫酸銅、モリブデン酸ナトリウムなどの
無機化合物や酵母エキスなどのビタミン源を添加するこ
とは、通常培養で行われるとおりである。
【0019】培養の形態には特に制限はなく、通常利用
されている攪拌混合槽のほか、一段あるいは多段の気泡
塔型発酵槽、ドライチューブ型の発酵槽、充てん型発酵
槽、流動層型発酵槽などでも利用できる。
【0020】本発明のエタノール生産方法は、ガスを原
料として40℃以上の高温条件下で培養してエタノールを
生産するものであるが、高温で培養することにより生成
したエタノールを気化して培養液から分離すればエタノ
ールの蓄積による生産阻害を改善し、また、未反応ガス
とともに排出された気化エタノールは冷却などで容易に
分離回収できるので、連続生産ができることを見出し
た。このような連続培養は前記のガスを原料とするエタ
ノール生産の他、高温条件でエタノールを生産すること
のできる菌を用いれば、従来の糖などの原料をもちいた
エタノール生産に応用することも可能である。なお、当
該連続培養における培地組成については、前述と同様で
あり特に制限はない。
【0021】また、当該連続生産における培養の形態
も、特に制限はない。一般に効率良く生産させるために
は培養時の菌濃度を高くする必要があるが、本発明にお
いても当業者によって知られている公知の方法を利用す
ることができる。例えば、図3のフロー図に示す方法の
他、集積菌を利用する方法や固定化菌を利用する方法な
どを利用することができる。固定化法においては通常利
用されているビーズを利用した方法、膜を利用した方
法、ホロファイバーを利用した方法などが例として挙げ
られる。なお、これまで糖を原料としたエタノール生産
においてホロファイバーを利用した方法では原料由来に
よる目詰まりなどの技術的問題が指摘されていたが、ガ
スを原料とすることでこの問題の解決が可能である。
【0022】生成したエタノールを気化させる条件とし
ては、加圧、常圧、減圧のいずれの状態においても可能
であるが、培養の連続性から温度条件やガスの溶解性な
どの面を考慮して決定するのがよい。
【0023】気化したエタノールを液化する方法につい
ては、特に制限はなく、例えば水を冷媒に用いた冷却、
空気を冷媒に用いた冷却、ガスを冷媒に用いた方法など
公知の冷却方法を利用することができる。また、冷却温
度については、気化したエタノールが液化する温度であ
れば特に制限はないが、常圧であればエタノールの沸点
以下の温度(78℃以下)で行うことが好ましい。
【0024】
【実施例】以下、具体的例により本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により制限されるものではない。
【0025】実施例1 本発明にて見出した菌は、公知の同属種あるいは近縁種
には高熱性の酢酸菌があるが、エタノールを生産する点
や後に述べる諸性質において公知の同属菌と相違してお
り、新菌種であると考えられる。見出した菌株のうち、
No.16-1、No.16-2、No.22-1の株について菌分類学的性
質を記す。これらには、正式名称はまだ付されていない
為、本発明ではクロストリジウム・エスピー(Clostrid
ium sp.)No.16-1(独立行政法人 産業技術総合研究所
特許生物寄託センター FERMP-18850)、クロストリジ
ウム・エスピーNo.16-2(独立行政法人 産業技術総合
研究所 特許生物寄託センター FERM P-18851)、クロ
ストリジウム・エスピーNo.22-1(独立行政法人 産業
技術総合研究所 特許生物寄託センター FERMP-1885
2)として表示する。この菌学的性質の検討には、「微
生物の分類と同定(下巻)」(長谷川武治著、学会出版
センター)、バージーズ・マニュアル・オブ・システマ
ティック・バクテリオロジー(BERGEY'S MANUAL OF Sys
tematic Bacteriology 1984)に記載されている方法に
従って行った。また、16SrDNAの部分塩基配列約500bpを
調査し、帰属分類群の推定を行った。
【0026】(1)No.16-1の菌分類学的性質 (創生法)本株は、栃木県塩原郡にて採取された土壌か
ら分離された菌株である。すなわち、表1に示す液体培
地5mLを試験管に分注し、滅菌後約0.5gの土壌を添加し
てブチルゴム栓で密栓後、気相を水素(75%)と二酸化
炭素(25%)を含むガスに置換し、55℃で振とう培養
し、3週間ごとに植え継ぎを行った。2回液体培地で植え
継いだ後、0.5%フルクトース及び2%寒天を加えた寒天
培地を用いてロールチューブ法(メソッド・イン・マイ
クロバイオロジー、3巻B、117項(1969))アカデミッ
クプレス)により単菌分離し、さらに気相を水素(75
%)と二酸化炭素(25%)を含むガスに置換した表1に
示す液体培地にて55℃で振とう培養して生育させて本菌
を得た。
【0027】(顕微鏡的所見) 1.細胞の形および大きさ:単独もしくは2連の稈菌
(湾曲あり)、幅0.5μm、長さ3.0-4.0μm 2.鞭毛:あり 3.胞子:あり 4.グラム染色:陽性(培養後期は不定)
【0028】(培地組成)表1に例示する。
【0029】
【表1】
【0030】(生育状態)表1の組成に2%の寒天を加え
た寒天培地での生育は次のとおりである。 形状:円形 周縁:円滑 隆起:わずかに隆起 表面:円滑・光沢あり 色調:クリーム色
【0031】(生理学的性質) 酸素に対する態度:偏性嫌気性 生育pH範囲:至適pH7.0、生育範囲pH5.0-8.0 生育温度範囲:至適温度60℃、生育温度範囲40-65℃ インドール産生:− ゼラチンの加水分解:+ エスクリン加水分解:+ カタラーゼ産生:− 色素の生成:− ビタミン要求性:チアミン
【0032】(炭素源の資化など)APIシステム(bioMe
rieux France)により、API20Aの測定方法に従い、生化
学的性状試験を実施した。さらに、追加試験として以下
の試験を行ない、炭素源の資化性の確認をした。炭素源
を1%添加した表1の培地5mLを試験管に加え、無菌培地
を作製して本菌を植菌し、気相を窒素の除菌ガスに置換
し、60℃で7日間静置培養した。生育は660nmの吸光度を
分光光度計(UV2100PC島津製作所製)で測定した。660n
mの吸光度が炭素源を含まないコントロールとの差が0.1
未満のものを「資化しない」、0.1以上0.3未満を「わず
かに資化する」、0.3以上のものを「資化する」とし
た。 「資化するもの」D-グルコース、D-フルクトース、ガラ
クトース、D-キシロース、アラビノース、トレハロー
ス、マンニトール、乳糖、マルトース、サリシン、D-セ
ロビオース、D-マンノース。 また、一酸化炭素や水素のある環境下では二酸化炭素も
資化した。 「わずかに資化するもの」ラムノース、リボース。 「資化しないもの」ソルビトール、グリセリン、D-ラフ
ィノース。
【0033】(生成物)資化することが確認できた炭素
源1%添加した表1の培地5mLを試験管に加え、無菌培地
を作製して本菌を植菌し、気相を窒素の除菌ガスに置換
し、60℃で7日間静置培養した。いずれの炭素源におい
ても、エタノール、酢酸の生産が確認された。また、二
酸化炭素を炭素源とした場合、表1の培地5mLを試験管に
加え、無菌培地を作製して本菌を植菌し、気相を二酸化
炭素(25%)、水素(75%)の除菌ガスに置換し、55℃で
7日間振とう培養した。その場合には、エタノール及び
酢酸の生産が確認された。
【0034】(16SrDNAの部分塩基配列)PrepMan(登録
商標)Method(Applied Biosystems, US)を使用し、本
菌からのゲノムDNAを抽出した。抽出したゲノムDNAを鋳
型としてPCRにより16SrDNAの塩基配列約500bpを増幅
し、塩基配列をシーケンスして解析に使用した。PCR産
物の精製、サイクルシーケンスにはMicroSeq(登録商
標)500 16SrDNA Bacterial Sequencing Kit(Applied B
iosystems, US)を使用した。ゲノムDNA抽出からサイク
ルシーケンスまでの操作に関してはApplied Biosystems
のプロトコール(P/N4308132 Rev.A)に従い、サーマル
サイクラーにはGeneAmp PCR System 9600(Applied Bios
ystems, US)を、DNAシーケンサーにはABI PRISM 377 DN
A Sequencer (Applied Biosystems, US)を使用した。本
菌の16SrDNAの部分塩基配列は、以配列番号1に示す塩基
配列であった。
【0035】得られた16SrDNAについてBLASTを用いたD
NA塩基配列データベース(GenBank/EMBL/DDBJ)に対し
て相同性検索を行ったところ、Thermoanaerobacterium
aotearoense JW/SL-NZ613T株に98.34%、Thermoanaero
bacterium sp. C-1株に97.18%、Thermoanaerobacteriu
m sp. C38-4株に97.18%、Clostridium sp. C-4株に96.
97%、Clostridium sp. C41-3株に95.79%と、クロスト
リジウム属に帰属することが推定された。
【0036】(在来類似種との比較など)上記菌学的性
質から、No.16-1は偏性嫌気性の有胞子稈菌で、その主
要発酵代謝産物は二酸化炭素と水素からはエタノールと
酢酸を生産することを特徴とする菌株である。この性状
からバージーズ・マニュアル・オブ・デターミネイティ
ブ・バクテリオロジー第8版、バージーズ・マニュアル
・オブ・システマティック・バクテリオロジー、微生物
の分類と同定(下巻)を参照して検索すると、クロスト
リジウムに属する菌株であると考えられる。また、バー
ジーズ・マニュアル・オブ・デターミネイティブ・バク
テリオロジー第8版、バージーズ・マニュアル・オブ・
システマティック・バクテリオロジー、極限環境微生物
ハンドブック(大島泰郎 サイエンスフォーラム 1991)
には、諸性状がNo.16-1と一致する菌種の記載は無かっ
た。50℃以上の高温条件で生育し、二酸化炭素と水素で
生育して酢酸を生産する菌としてはMoorella thermoace
tica (Clostridium thermoaceticum), Moorella thermo
autotrophica(Clostridium thermoautotrophicum), Ace
togenium kivuiが知られているが、同原料からはエタノ
ールと酢酸を生産する菌はこれまでに認められていな
い。また、これらの菌との性状比較を行うと、表2に示
す点で異なっていた。以上のことから、本菌株はクロス
トリジウム属に属する新菌種であると考えられることか
ら、クロストリジウム・エスピーNo.16-1と命名した。
【0037】(2)No.16-2の菌分類学的性質 (創生法)本株は、栃木県塩原郡にて採取された土壌か
ら分離された菌株である。すなわち、表1に示す液体培
地5mLを試験管に分注し、滅菌後約0.5gの土壌を添加し
てブチルゴム栓で密栓後、気相を水素(75%)と二酸化
炭素(25%)を含むガスに置換し、55℃で振とう培養
し、3週間ごとに植え継ぎを行った。2回液体培地で植え
継いだ後、0.5%フルクトース及び2%寒天を加えた寒天
培地を用いてロールチューブ法により単菌分離し、さら
に気相を水素(75%)と二酸化炭素(25%)を含むガス
に置換した表1に示す液体培地にて55℃で振とう培養し
て生育させて本菌を得た。
【0038】(顕微鏡的所見) 1.細胞の形および大きさ:単独もしくは2連の稈菌
(湾曲あり)、幅0.6-0.7μm、長さ3.0-5.0μm 2.鞭毛:あり 3.胞子:あり 4.グラム染色:陽性(培養後期は不定)
【0039】(培地組成)表1に例示する。
【0040】(生育状態)表1の組成に2%の寒天を加え
た寒天培地での生育は次のとおりである。 形状:円形 周縁:円滑 隆起:わずかに隆起 表面:円滑・光沢あり 色調:クリーム色
【0041】(生理学的性質) 酸素に対する態度:偏性嫌気性 生育pH範囲:至適pH7.0、生育範囲pH5.0-8.0 生育温度範囲:至適温度60℃、生育温度範囲45-65℃ インドール産生:− ゼラチンの加水分解:+ エスクリン加水分解:+ カタラーゼ産生:− 色素の生成:− ビタミン要求性:なし
【0042】(炭素源の資化など)APIシステム(bioMe
rieux France)により、API20Aの測定方法に従い、生化
学的性状試験を実施した。さらに、追加試験として以下
の試験を行ない、炭素源の資化性の確認をした。炭素源
を1%添加した表1の培地5mLを試験管に加え、無菌培地
を作製して本菌を植菌し、気相を窒素の除菌ガスに置換
し、60℃で7日間静置培養した。生育は660nmの吸光度を
分光光度計(UV2100PC 島津製作所製)で測定した。66
0nmの吸光度が炭素源を含まないコントロールとの差が
0.1未満のものを「資化しない」、0.1以上0.3未満を
「わずかに資化する」、0.3以上のものを「資化する」
とした。 「資化するもの」D-グルコース、D-フルクトース、ガラ
クトース、キシロース、アラビノース、トレハロ ー
ス、D-マンニトール、乳糖、マルトース、サリシン、グ
リセリン、セロビオース、D-マンノース、D-ラフィノー
ス、 また、一酸化炭素や水素のある環境下では二酸化炭素も
資化した。 「わずかに資化するもの」ラムノース、 「資化しないもの」リボース、ソルビトール
【0043】(生成物)資化することが確認できた炭素
源1%添加した表1の培地5mLを試験管に加え、無菌培地
を作製して本菌を植菌し、気相を窒素の除菌ガスに置換
し、60℃で7日間静置培養した。いずれの炭素源におい
ても、エタノール、酢酸の生産が確認された。また、二
酸化炭素を炭素源とした場合、表1の培地5mLを試験管に
加え、無菌培地を作製して本菌を植菌し、気相を二酸化
炭素(25%)、水素(75%)の除菌ガスに置換し、55℃で
7日間振とう培養した。その場合には、エタノール及び
酢酸の生産が確認された。
【0044】(16SrDNAの部分塩基配列)PrepMan(登録
商標)Method(Applied Biosystems, US)を使用し、本
菌からのゲノムDNAを抽出した。抽出したゲノムDNAを鋳
型としてPCRにより16SrDNAの塩基配列約500bpを増幅
し、塩基配列をシーケンスして解析に使用した。PCR産
物の精製、サイクルシーケンスにはMicroSeq(登録商
標)500 16SrDNA Bacterial Sequencing Kit(Applied B
iosystems, US)を使用した。ゲノムDNA抽出からサイク
ルシーケンスまでの操作に関してはApplied Biosystems
のプロトコール(P/N4308132 Rev.A)に従い、サーマル
サイクラーにはGeneAmp PCR System 9600 (Applied Bio
systems, US)を、DNAシーケンサーにはABI PRISM 377 D
NA Sequencer (Applied Biosystems, US)を使用した。
本菌の16SrDNAの部分塩基配列は、配列番号2に示す塩基
配列であった。
【0045】得られた16SrDNAについてBLASTを用いたD
NA塩基配列データベース(GenBank/EMBL/DDBJ)に対し
て相同性検索を行ったところ、Moorella thermoautotro
phica(Clostridium thermoautotrophicum)DSM1974株
に99.08%、Moorella thermoacetica(Clostridium the
rmoaceticum)ATCC 39037株に98.90%、Moorella therm
oacetica(Clostridium thermoaceticum)ET-5a株に98.
71%の相同性を示したことから、本菌はクロストリジウ
ム属に帰属することが推定された。
【0046】(在来類似種との比較など)上記菌学的性
質から、No.16-2は偏性嫌気性の稈菌で、その主要発酵
代謝産物は二酸化炭素と水素からはエタノールと酢酸で
あることを特徴とする菌株である。この性状からバージ
ーズ・マニュアル・オブ・デターミネイティブ・バクテ
リオロジー第8版、バージーズ・マニュアル・オブ・シ
ステマティック・バクテリオロジー、微生物の分類と同
定下巻を参照して検索すると、クロストリジウムに属す
る菌株であると考えられる。また、バージーズ・マニュ
アル・オブ・デターミネイティブ・バクテリオロジー第
8版、バージーズ・マニュアル・オブ・システマティッ
ク・バクテリオロジー、極限環境微生物ハンドブック
(大島泰郎 サイエンスフォーラム 1991)には、諸性状
がNo.16-1と一致する菌種の記載は無かった。50℃以上
の高温条件で生育し、二酸化炭素と水素で生育して酢酸
を生産する菌としてはMoorella thermoacetica(Clostri
dium thermoaceticum), Moorellathermoautotrophica(C
lostridium thermoautotrophicum), Acetogenium kivui
が知られているが、いずれの菌もエタノールと酢酸を生
産するという報告はない。また、これらの菌との性状比
較を行うと、表2に示す点で異なっていた。以上のこと
から、本菌株はクロストリジウム属に属する新菌種であ
ると考えられることから、クロストリジウム・エスピー
No.16-2と命名した。
【0047】(3)No.22-1の菌分類学的性質 (創生法)本株は、千葉県にて採取された地下土壌から
分離された菌株である。すなわち、表1に示す液体培地5
mLを試験管に分注し、滅菌後約0.5gの土壌を添加してブ
チルゴム栓で密栓後、気相を水素(75%)と二酸化炭素
(25%)を含むガスに置換し、55℃で振とう培養し、3
週間ごとに植え継ぎを行った。2回液体培地で植え継い
だ後、0.5%フルクトース及び2%寒天を加えた寒天培地
を用いてロールチューブ法により単菌分離し、さらに気
相を水素(75%)と二酸化炭素(25%)を含むガスに置
換した表1に示す液体培地にて55℃で振とう培養して生
育させて本菌を得た。
【0048】(顕微鏡的所見) 1.細胞の形および大きさ:単独もしくは2連の稈菌、
幅0.5-0.6μm、長さ2.0-3.0μm 2.鞭毛:あり 3.胞子:あり 4.グラム染色:陽性
【0049】(培地組成)表1に例示する。
【0050】(生育状態)表1の組成に2%の寒天を加え
た寒天培地での生育は次のとおりである。 形状:円形 周縁:円滑 隆起:わずかに隆起 表面:円滑・光沢あり 色調:クリーム色
【0051】(生理学的性質) 酸素に対する態度:偏性嫌気性 生育pH範囲:至適pH7.0、生育範囲pH5.0-7.5 生育温度範囲:至適温度60℃、生育温度範囲40-75℃ インドール産生:− ゼラチンの加水分解:+ エスクリン加水分解:+ カタラーゼ産生:− 色素の生成:− ビタミン要求性:なし
【0052】(炭素源の資化など)APIシステム(bioMe
rieux France)により、API20Aの測定方法に従い、生化
学的性状試験を実施した。さらに、追加試験として以下
の試験を行ない、炭素源の資化性の確認をした。炭素源
を1%添加した表1の培地5mLを試験管に加え、無菌培地
を作製して本菌を植菌し、気相を窒素の除菌ガスに置換
し、60℃で7日間静置培養した。生育は660nmの吸光度を
分光光度計(UV-2100PC 島津製作所製)で測定した。6
60nmの吸光度が炭素源を含まないコントロールとの差が
0.1未満のものを「資化しない」、0.1以上0.3未満を
「わずかに資化する」、0.3以上のものを「資化する」
とした。 「資化するもの」D-グルコース、D-フルクトース、ガラ
クトース、キシロース、アラビノース、トレハロ ー
ス、リボース、乳糖、マルトース、サリシン、D-セロビ
オース、D-マンノース、また、一酸化炭素や水素のある
環境下では二酸化炭素も資化した。 「わずかに資化するもの」ラムノース、 「資化しないもの」ソルビトール、グリセリン、ラフィ
ノース
【0053】(生成物)資化することが確認できた炭素
源1%添加した表1の培地5mLを試験管に加え、無菌培地
を作製して本菌を植菌し、気相を窒素の除菌ガスに置換
し、60℃で7日間静置培養した。いずれの炭素源におい
ても、エタノール、酢酸の生産が確認された、また、二
酸化炭素を炭素源とした場合、表1の培地5mLを試験管に
加え、無菌培地を作製して本菌を植菌し、気相を二酸化
炭素(25%)、水素(75%)の除菌ガスに置換し、55℃で
7日間振とう培養した。その場合には、エタノール及び
酢酸の生産が確認された。
【0054】(16SrDNAの部分塩基配列)PrepMan(登録
商標)Method(Applied Biosystems, US)を使用し、本
菌からのゲノムDNAを抽出した。抽出したゲノムDNAを鋳
型としてPCRにより16SrDNAの塩基配列約500bpを増幅
し、塩基配列をシーケンスして解析に使用した。PCR産
物の精製、サイクルシーケンスにはMicroSeq(登録商
標)500 16SrDNA Bacterial Sequencing Kit (Applied
Biosystems, US)を使用した。ゲノムDNA抽出からサイク
ルシーケンスまでの操作に関してはApplied Biosystems
のプロトコール(P/N4308132 Rev.A)に従い、サーマル
サイクラーにはGeneAmp PCR System 9600(Applied Bios
ystems, US)を、DNAシーケンサーにはABI PRISM 377 DN
A Sequencer(Applied Biosystems, US)を使用した。本
菌の16SrDNAの部分塩基配列は、配列番号3に示す塩基配
列であった。
【0055】得られた16SrDNAについてBLASTを用いたD
NA塩基配列データベース(GenBank/EMBL/DDBJ)に対し
て相同性検索を行ったところ、Thermoanaerobacterium
aotearoense JW/SL-NZ613T株に98.14%、Clostridium t
hermoamylolyticum DSM2335株に97.58%、Thermoanaero
bacterium sp. C38-4株に97.18%の相同性を示したこと
より、本菌はクロストリジウム属に帰属することが推定
された。
【0056】(在来類似種との比較など)上記菌学的性
質から、No.16-2は偏性嫌気性の稈菌で、その主要発酵
代謝産物は二酸化炭素と水素からはエタノールと酢酸を
生産することを特徴とする菌株である。この性状からバ
ージーズ・マニュアル・オブ・デターミネイティブ・バ
クテリオロジー第8版、バージーズ・マニュアル・オブ
・システマティック・バクテリオロジー、微生物の分類
と同定下巻を参考に検索すると、クロストリジウムに属
する菌株であると考えられる。また、バージーズ・マニ
ュアル・オブ・デターミネイティブ・バクテリオロジー
第8版、バージーズ・マニュアル・オブ・システマティ
ック・バクテリオロジー、極限環境微生物ハンドブック
(大島泰郎サイエンスフォーラム 1991)には、諸性状
がNo.22-1と一致する菌種の記載は無かった。50℃以上
の高温条件で生育し、二酸化炭素と水素で生育して酢酸
を生産する菌としてはMoorella thermoacetica(Clostri
dium thermoaceticum), Moorella thermoautotrophica
(Clostridium thermoautotrophicum), Acetogenium kiv
uiが知られているが、いずれの菌もエタノールと酢酸を
生産するという報告はない(表2)。また、同菌はNo.16
-1と16SrDNAの部分塩基配列が類似していたが、菌の形
状やビタミン要求性が異なることから、区別できるもの
であった。また、これらの菌との性状比較を行うと、表
2に示す点で異なっていた。以上のことから、本菌株は
クロストリジウム属に属する新菌種であると考えられる
ことから、クロストリジウム・エスピーNo.22-1と命名
した。
【0057】
【表2】
【0058】実施例2 本発明にて得たクロストリジウム・エスピーNo.16-1株、
クロストリジウム・エスピーNo.16-2株、クロストリジウ
ム・エスピーNo.22-1株を以下のように培養した。表1に
示す培地を試験管に5mL分注滅菌後、気相を二酸化炭素
(25%)と水素(75%)を含む除菌ガスにて置換し、さ
らに同ガスにて2気圧になるように調整した後、同培地
で培養を行った各菌の培養液250μLを滅菌シリンジにて
添加して55℃、150rpm振とうにて10日間培養を行った。
培養液の一部を遠心分離機にて菌体を分離し、ガスクロ
マトグラフィーにより生成物の定量を行った。その結
果、クロストリジウム・エスピーNo.16-1株では0.5mM、
クロストリジウム・エスピーNo.16-2株では1.8mM、クロ
ストリジウム・エスピーNo.22-1株では1.5mMのエタノー
ルを生成していた。
【0059】実施例3 クロストリジウム・エスピーNo.16-2株を以下のように
培養した。表1に示す培地を試験管に5mL分注滅菌後、気
相を一酸化炭素(60%)、二酸化炭素(10%)と水素
(30%)を含む除菌ガス(以下ガスAとする)と二酸化
炭素(25%)と水素(75%)を含む除菌ガス(以下ガス
Bとする)にてそれぞれ置換し、さらに各ガスにて2気圧
になるように調整した後、同培地で培養を行った各菌の
培養液250μLを滅菌シリンジにて添加して55℃、150rpm
振とう培養した。7、14日目の培養液の一部を遠心分離
機にて菌体を分離し、ガスクロマトグラフィーにより生
成物の定量を行った。ガスAを用いてクロストリジウム
・エスピーNo.16-2株を培養した結果、エタノール生産
量が最大3.8mMであった(図1)。
【0060】実施例4 クロストリジウム・エスピーNo.16-2株を用いて、集積
培養を行った。表1に示す培地に0.5%フルクトースを添
加した培地を用いて60℃にて3日間静置培養し、遠心分
離により菌を回収した。表1に示す培地を試験管に5mL分
注滅菌後、気相を二酸化炭素(25%)と水素(75%)を
含む除菌ガスにて置換し、さらに同ガスにて2気圧にな
るように調整した後、660nmの吸光度が4.0になるように
調製した菌を滅菌シリンジにて添加し、55℃、150rpm振
とう培養を行った。7、14日目の培養液の一部を遠心分
離機にて菌体を分離し、ガスクロマトグラフィーにより
生成物の定量を行った。その結果、最大11mMのエタノー
ル生産を確認した(図2)。
【0061】実施例5 クロストリジウム・エスピーNo.16-2株の集積菌を用い
て、連続培養を行った。表1に示す培地0.5%フルクトー
スを添加した培地を用いて60℃にて5日間静置培養し、
遠心分離により菌を回収した。表1に示す培地を1L培養
槽に300mL添加して滅菌後、気相を二酸化炭素(25%)
と水素(75%)を含む除菌ガスにて置換した。660nmの
吸光度が4.0になるように回収した菌を調製した後、シ
リンジにて培養槽に添加し、図3に示す装置により60
℃、常圧、800rpmにて攪拌培養を行った。20℃の水を用
いた冷却管の出口から得られた溶液を回収し、ガスクロ
マトグラフィーによりエタノールの定量を行った。その
結果、28日間の連続培養の結果、平均1.0g/L/dayの生産
を維持することができた(図4)。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、40℃以上の高温で二酸
化炭素等のガスを原料としてエタノールを効率良く生産
する菌が提供できる。また、この菌を用いれば、地球温
暖化の原因となる二酸化炭素等のガスを冷却することな
くそのまま用いて安価に、効率良く、かつ連続してエタ
ノールを生産することができる。
【0063】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> COSMO OIL CO., LTD <120> Novel Ethanol Producing Microorganisms and A Process for Producing Ethanol <130> P02441405 <140> <141> <160> 3 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 492 <212> DNA <213> clostridium sp. No. 16-1 <400> 1 gagtttgatc ctggctcagg acgaacgctg gcggcgtgcc taacacatgc aagtcgagcg 60 aagggagtac tacggtacga acttagcggc ggacgggtga gtaacgcgtg gacaatctac 120 cctgtagacy gggataacac cccgaaaggg gtgctaatac cggataatgt caagagtggc 180 atcayttttt gaagaaagga gaaatccgct ataggatgag tccgcgtccc attagctagt 240 tggcggggta aaagcccacc aaggcgacga tgggtagccg gcctgagagg gtgaacggcc 300 acactggaac tgagacacgg tccagactcc tacgggaggc agcagtgggg aatattgtgc 360 aatgggggaa accctgacac agcgacgccg cgtgagcgaa gaaggccttc gggtcgtaaa 420 gctcaatagt atgggaagat aatgacggta ccatacgaaa ccccggctaa ctacgtgcca 480 gcagccgcgg ta 492 <210> 2 <211> 544 <212> DNA <213> clostridium sp. No. 16-2 <400> 2 gagtttgatc ctggctcagg acaaacgctg gcggcgtgcc taacacatgc aagtcgagcg 60 gtctttaatt ggggaaatct tcggatggaa ccgattaaag atagcggcgg acgggtgagt 120 aacgcgtggg taatctaccc ttcagactgg gataacaccg ggaaactggt gctaataccg 180 gatacggtct acgggaggca tcttctgtag aagaaaggtg gcgcaagcta ccgctgaagg 240 atgagcccgc gtcccattag ctagttggtg aggtaatggc tcaccaaggc gacgatgggt 300 agccggcctg agagggtggt cggccacact gggactgaga cacggcccag actcctacgg 360 gaggcagcag tggggaatct tgcgcaatgg gcgaaagcct gacgcagcaa cgccgcgtga 420 gcgatgaagg ccttcgggtt gtaaagctct gtcatcaggg acgaagtctt aaaggcgaat 480 agtctttaag gtgacggtac ctgaggagga acccccggct aactacgtgc cagcagccgc 540 ggta 544 <210> 3 <211> 494 <212> DNA <213> colstridium sp. No. 22-1 <400> 3 gagtttgatc ctggctcagg acgaacgctg gcggcgtgcc taacacatgc aagtcgagcg 60 aagggagtac tacggtacga acttagcggc ggacgggtga gtaacgcgtg gacaatctac 120 cctgtagacy gggataacac cccgaaaggg gtgctaatac cggataatgt caagaggtgg 180 catcayytyt tgaagaaagg agaaatccgc tataggatga gtccgcgtcc cattagctag 240 ttggcggggt aaaagcccac caaggcgacg atgggtagcc ggcctgagag ggtgaacggc 300 cacactggaa ctgagacacg gtccagactc ctacgggagg cagcagtggg gaatattgtg 360 caatggggga aaccctgaca cagcgacgcc gcgtgagcga agaaggcctt cgggtcgtaa 420 agctcaatag tatgggaaga taatgacggt accatacgaa agccccggct aactacgtgc 480 cagcagccgc ggta 494
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明菌株によるエタノール生産能を示す図で
ある。
【図2】本発明菌株の集積培養によるエタノール生産能
を示す図である。
【図3】本発明による連続培養システムの概略を示す図
である。
【図4】本発明の連続培養によるエタノール生産量の推
移を示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成15年5月20日(2003.5.2
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】本発明で用いるエタノール生産菌として
は、常温常圧下で気体状の炭素化合物を原料として、40
℃以上の高温条件でエタノールを生産する菌であれば特
に制限はなく、好気性菌、嫌気性菌のいずれでも問題は
ないが、好ましくはCollinsら(Collins M.D. Internat
ional Journal of Systematic Bacteriology, Oct.(199
4) 812-826)の報告にてCLUSTER V、VI、VIIに分類され
ている、クロストリジウム(Clostridium)属またはそ
の派生属であるサーモアナエロバクテリウム(Thermoan
aerobacterium)属、サーモアナエロバクター(Thermoa
naerobacter)属、モーレラ(Moorella)属に属する菌
が挙げられる。さらには、本発明において初めて見出さ
れた新種の菌である、クロストリジウム・エスピー(Cl
ostridiumsp.)No.16-1(独立行政法人 産業技術総合
研究所 特許生物寄託センター FERM BP-8372)、クロ
ストリジウム・エスピーNo.16-2(独立行政法人 産業
技術総合研究所 特許生物寄託センター FERM BP-837
3)、クロストリジウム・エスピーNo.22-1(独立行政法
人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター FERM
BP-8374)、及びこれらの菌と同様の種としての性質を
有する類縁の菌を好ましく用いることができる。なお、
上記したように、本発明で見出されたこれらの菌は新種
の菌であり、クロストリジウム属に属し、クロストリジ
ウム属の派生種であるサーモアナエロバクテリウム属、
サーモアナエロバクター属及びモーレラ属の性質も有す
るが、属種を決定する際の指標である諸性質が公知の同
属菌とは明らかに異り、新種である可能性が非常に高
い。なお、本発明において見出された菌は、エタノール
の他に酢酸などの有機酸も生産する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】実施例1 本発明にて見出した菌は、公知の同属種あるいは近縁種
には高熱性の酢酸菌があるが、エタノールを生産する点
や後に述べる諸性質において公知の同属菌と相違してお
り、新菌種であると考えられる。見出した菌株のうち、
No.16-1、No.16-2、No.22-1の株について菌分類学的性
質を記す。これらには、正式名称はまだ付されていない
為、本発明ではクロストリジウム・エスピー(Clostrid
ium sp.)No.16-1(独立行政法人 産業技術総合研究所
特許生物寄託センター FERMBP-8372)、クロストリジ
ウム・エスピーNo.16-2(独立行政法人 産業技術総合
研究所 特許生物寄託センター FERM BP-8373)、クロ
ストリジウム・エスピーNo.22-1(独立行政法人 産業
技術総合研究所 特許生物寄託センター FERMBP-837
4)として表示する。この菌学的性質の検討には、「微
生物の分類と同定(下巻)」(長谷川武治著、学会出版
センター)、バージーズ・マニュアル・オブ・システマ
ティック・バクテリオロジー(BERGEY'S MANUAL OF Sys
tematic Bacteriology 1984)に記載されている方法に
従って行った。また、16SrDNAの部分塩基配列約500bpを
【書類名】 受託番号変更届
【提出日】 平成15年5月20日
【旧寄託機関の名称】 独立行政法人産業技術総合研
究所 特許生物寄託センター
【旧受託番号】 FERM P−18850
【新寄託機関の名称】 独立行政法人産業技術総合研
究所 特許生物寄託センター
【新受託番号】 FERM BP−8372
【旧寄託機関の名称】 独立行政法人産業技術総合研
究所 特許生物寄託センター
【旧受託番号】 FERM P−18851
【新寄託機関の名称】 独立行政法人産業技術総合研
究所 特許生物寄託センター
【新受託番号】 FERM BP−8373
【旧寄託機関の名称】 独立行政法人産業技術総合研
究所 特許生物寄託センター
【旧受託番号】 FERM P−18852
【新寄託機関の名称】 独立行政法人産業技術総合研
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───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:01) (72)発明者 大塚 宏明 埼玉県幸手市権現堂1134−2 コスモ石油 株式会社中央研究所内 (72)発明者 千代田 修 埼玉県幸手市権現堂1134−2 コスモ石油 株式会社中央研究所内 (72)発明者 田中 徹 東京都港区芝浦1−1−1 コスモ石油株 式会社内 Fターム(参考) 4B064 AC03 CA02 CC06 CD02 CD30 DA16 4B065 AA01X BA22 BB02 BB03 BB04 BB20 BB29 BC03 BC07 CA06

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常温常圧下で気体状である炭素化合物を
    原料として40℃以上の温度でエタノール産生能を有する
    クロストリジウム属又はその派生属に属する菌。
  2. 【請求項2】 常温常圧下で気体状である炭素化合物
    が、一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、エタン及びエチ
    レンから選ばれる化合物である請求項1記載の菌。
  3. 【請求項3】 常温常圧下で気体状である炭素化合物
    が、一酸化炭素及び二酸化炭素から選ばれる1種又は2
    種である請求項1又は2記載の菌。
  4. 【請求項4】 クロストリジウム属又はその派生属が、
    クロストリジウム属、サーモアナエロバクテリウム属、
    サーモアナエロバクター属又はモーレラ属である請求項
    1〜3のいずれか1項記載の菌。
  5. 【請求項5】 クロストリジウム属に属する菌である請
    求項1〜4のいずれか1項記載の菌。
  6. 【請求項6】 クロストリジウム・エスピー No.16-1
    株(FERM P-18850)、クロストリジウム・エスピー No.1
    6-2株(FERM P-18851)、クロストリジウム・エスピー N
    o.22-1株(FERM P-18852)又はこれらの類縁菌である請求
    項1〜5のいずれか1項記載の菌。
  7. 【請求項7】 常温常圧下で気体状である炭素化合物を
    原料として40℃以上の温度でエタノール産生能を有する
    クロストリジウム属又はその派生属に属する菌を、常温
    常圧でガス状である炭素化合物の存在下、40℃以上の温
    度で培養することを特徴とするエタノールの生産法。
  8. 【請求項8】 常温常圧下で気体状である炭素化合物
    が、一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、エタン及びエチ
    レンから選ばれる化合物である請求項7記載の生産法。
  9. 【請求項9】 常温常圧下で気体状である炭素化合物
    が、一酸化炭素及び二酸化炭素から選ばれる1種又は2
    種である請求項7又は8記載の生産法。
  10. 【請求項10】 生成したエタノールを気化させて培養
    液から分離し、次いで液化させて回収するものである請
    求項7〜9のいずれか1項記載の生産法。
  11. 【請求項11】 常温常圧下で気体である炭素化合物を
    原料として40℃以上の温度でエタノール生産能を有する
    菌を、40℃以上の温度で培養し、生成したエタノールを
    気化させることにより培養液から分離し、次いで液化す
    ることを特徴とするエタノールの生産法。
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