JP2003337115A - 酸素センサ - Google Patents
酸素センサInfo
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Abstract
散限界電流を計測すると共に、一方のポンピング電極と
基準電極との間に生じる起電力によってリッチ・リーン
判定を行う酸素センサにおいて、前記リッチ・リーン判
定の精度を向上させる。 【解決手段】 基準電極60に酸素を供給するための酸
素供給用電圧を印加すると共に、基準電極60を緻密層
57で覆う。これにより、第1ポンピング電極58から
基準電極60に輸送される酸素が、基準電極60を囲む
緻密層57に溜め込まれることになり、基準電極の酸素
分圧を高い状態に安定させることができ、第1ポンピン
グ電極58の酸素分圧と基準電極60の酸素分圧との差
に応じた起電力がストイキ特性を示すようになる。
Description
排気管に装着されて空燃比の検出に用いられる酸素セン
サに関する。
酸素センサとして、酸素イオン伝導性固体電解質層を挟
んで設けられるポンピング電極間に電圧を印加したとき
の拡散限界電流を計測する一方、前記ポンピング電極の
一方と基準電極との間に発生する起電力から空燃比のリ
ッチ・リーンを判別する構成の酸素センサが知られてい
る(特開昭61−100651号公報参照)。
素センサにおいては、基準電極の電圧特性がストイキ特
性にならずになまされ、然も、大きくばらつくため、リ
ッチ・リーンの判定精度が安定せず、空燃比を精度良く
検出することが困難であるという問題があった。本発明
は上記問題点に鑑みなされたものであり、酸素イオン伝
導性の固体電解質層を挟んで一対のポンピング電極を形
成する一方、該一対のポンピング電極の一方に対して固
体電解質層を挟んで基準電極を形成してなり、ポンピン
グ電極間に電圧を印加したときの限界電流を計測すると
共に、一方のポンピング電極と基準電極との間に生じる
起電力を計測するよう構成された酸素センサにおいて、
前記基準電極の電圧に基づくリッチ・リーン判別が安定
して精度良く行えるようにすることを目的とする。
発明では、基準電極と一方のポンピング電極間に、基準
電極に酸素を供給するための酸素供給用電圧を印加する
と共に、基準電極を緻密層で覆う構成とした。上記構成
によると、酸素供給用電圧が印加されることで、基準電
極に向けて酸素が固体電解質層を介して輸送され、か
つ、基準電極の周囲が緻密層で覆われることで、輸送さ
れた酸素が基準電極の周囲に溜め込まれる。
であっても、基準電極の酸素分圧を高い状態に安定させ
ることができ、基準電極を、擬似的に基準酸素濃度の電
極(参照電極)とすることができるから、基準電極の電
圧に基づく酸素濃度測定の精度を向上させることができ
る。請求項2記載の発明では、一方のポンピング電極と
基準電極との間に生じる起電力に応じて、ポンピング電
極間に印加する電圧を切り換える構成とした。
れる基準電極と一方のポンピング電極との間に、酸素分
圧差に応じて発生する起電力の判定結果から、ポンピン
グ電圧の切り換え(電圧の向きの切り換え)が行われ
る。従って、基準電極の電圧に基づき精度良く判定され
る酸素濃度から、ポンピング電圧が精度良く切り換えら
れ、結果的に、拡散限界電流に基づくリニアな酸素濃度
測定の精度が向上する。
の外周に環状にガス拡散層を形成し、該ガス拡散層の外
側に、前記固体電解質層,緻密層,一対のポンピング電
極,基準電極をそれぞれ環状に形成する構成とした。上
記構成によると、ロッド状の基体の外周に同心円状に、
ガス拡散層,固体電解質層,一対のポンピング電極、緻
密層,基準電極が積層される。
ング部として機能し、センサの取り付け方向や被検出ガ
スの流れ方向などに影響されることなく、酸素濃度を安
定した精度で検出でき、また、ロッド形状であることで
耐熱衝撃性が高く、被水によるクラックの発生率を大幅
に低減できる。
基づいて説明する。図1は、実施形態における酸素セン
サの断面図であり、この酸素センサは内燃機関の排気管
に取り付けられて、機関の空燃比を検出するセンサであ
る。図1に示す酸素センサは、ホルダ1,センサ素子
2,プロテクタ3,コンタクトフランジ4,ケース5等
によって構成される。
材料によって段付筒状に形成され、先端側外周に取り付
け部としてのおねじ部1Aが形成されている。そして、
内燃機関の排気管の周壁を貫通して設けられる取り付け
穴の内周に形成されるめねじ部に、前記おねじ部1Aを
締め付けることで、酸素センサが、その先端部を排気管
内に内在させるようにして装着される。
ると共に、その先端側に後述するようなセンシング部2
Aを備える。プロテクタ3は、耐熱性の高い金属板等を
用いて有底筒状に形成されると共に、被測定ガス(機関
排気)をプロテクタ3内に導入するための孔3Aが複数
箇所に形成されている。
が、前記ホルダ1のおねじ部1Aよりも先端側のおねじ
部1Aよりも外径が小さな先端部1Cに外挿されるよう
に取り付けられ、溶接によって固定される。前記プロテ
クタ3内には、センサ素子2のセンシング部2Aが配置
され、前記プロテクタ3を介して導入される排気ガス
(被測定ガス)中にセンシング部2Aが晒されること
で、機関の空燃比(被測定ガス中の酸素濃度)が検出さ
れる。
ンタクトフランジ4を介してホルダ1に組み付けられ
る。前記コンタクトフランジ4には前記センサ素子2が
圧入され、このセンサ素子2が圧入されたコンタクトフ
ランジ4をホルダ1に圧入させることで、ホルダ1に対
してセンサ素子2が組み付けられる。
て有底筒状に形成され、ホルダ1の基端部に外挿される
ように取り付けられて溶接によって固定され、その基端
側からセンシング部2Aを構成するヒータパターンや電
極に接続されるリードが導出される。図2及び図3は、
前記センシング部2Aの構成を詳細に示す図である。
ルミナロッド51の外周に、それぞれ環状に形成され
る、ヒータパターン52,アルミナ絶縁層53,第1ガ
ス拡散層54,酸素イオン伝導性の緻密なジルコニア固
体電解質層55を、この順に積層して構成され、固体電
解質層55の外周は、軸方向に並設される第2ガス拡散
層(保護層)56と緻密層57とで覆われる。
れるジルコニア固体電解質層55の外側には、第2ポン
ピング電極59(外側電極)が白金等によって環状に形
成され、この第2ポンピング電極59(外側電極)と対
向するジルコニア固体電解質層55の内側には、白金等
からなる第1ポンピング電極58が環状に形成される。
ア固体電解質層55の外側には、白金等からなる基準電
極60が環状に形成される。尚、前記緻密層57は、ム
ライト系(シリカ添加)のアルミナによって、平均粒径
が0.3〜0.5μmに形成され、また、前記拡散層54,5
6は、アルミナ,ジルコニアを主成分とするセラミック
混合粉によって形成され、前記セラミック混合粉の平均
粒径を0.4〜0.8μmとしてある。
ンド(例えば1.5V程度の基準電位)に接続され、ま
た、前記基準電極60には、基準電極60に向けて酸素
を輸送させるための酸素供給用電源65が接続される。
ここで、前記基準電極60の電圧は、第1ポンピング電
極58の酸素分圧と基準電極60の酸素分圧との差に応
じて変化する。
あって排気ガス中に多くの酸素が存在する場合には、酸
素供給用電源65による電圧印加によって第1ポンピン
グ電極58から基準電極60に向けて酸素が輸送される
ものの、拡散層54を介して第1ポンピング電極58に
酸素が拡散する結果、第1ポンピング電極58の酸素分
圧と基準電極60の酸素分圧との差は小さく、酸素分圧
差により第1ポンピング電極58と基準電極60との間
で発生する起電力が小さく、基準電極60の電圧は低く
なる。
であって排気ガス中の酸素量が僅かである状態では、第
1ポンピング電極58から基準電極60に向けて酸素が
輸送された酸素が、基準電極60を覆う緻密層57に溜
め込まれる結果、基準電極60の酸素分圧は安定的に高
く維持されるのに対して、第1ポンピング電極58の酸
素分圧は低くなり、結果、第1ポンピング電極58の酸
素分圧と基準電極60の酸素分圧との差が大きくなっ
て、この大きな酸素分圧差によって第1ポンピング電極
58と基準電極60との間に大きな起電力が発生し、基
準電極60の電圧は高くなる。
させるための酸素供給用電源65を接続し、かつ、基準
電極60を緻密層57で覆うことで、基準電極60の酸
素分圧を空燃比変化に大きく影響されることなく高い状
態に安定的に維持でき、擬似的に基準酸素濃度の電極
(参照電極)とすることができるから、基準電極60の
電圧を、空燃比のリッチ・リーンでオン・オフ的に切り
換わる安定した出力特性とすることができる(図4参
照)。
出力(リッチ・リーンセンサ出力)として出力される一
方、比較器61に出力され、この比較器61において所
定の比較用電圧66(理論空燃比相当電圧)と比較され
る。そして、空燃比がリッチで前記基準電極60の電圧
が比較用電圧66よりも高いときには、比較器61から
ポンピング電圧として前記第1ポンピング電極58の電
圧よりも低い電圧(例えば1V)が出力され、空燃比が
リーンで前記基準電極60の電圧が比較用電圧よりも低
いときには、比較器61からポンピング電圧として前記
第1ポンピング電極58の電圧よりも高い電圧(例えば
2V)が出力されるようになっている。
想グランド(例えば1.5V程度の基準電位)に固定であ
るから、空燃比のリッチ・リーンによって仮想グランド
よりも高い電圧と低い電圧とに切り換えることで、ポン
ピング電極58,59間における電位の方向が切り換え
られる。前述のように、酸素供給用電源65による基準
電極60に向けての酸素輸送と基準電極60を覆う緻密
層57との作用によって、基準電極60の電圧を、空燃
比のリッチ・リーンでオン・オフ的に切り換わる安定し
た出力として得ることができるから、リッチ・リーンの
判別に基づくポンピング電圧の切り換えを精度良く行わ
せることができる。
ング電極59に印加される。例えば、排気ガス中に酸素
が残らず、水素(H2),一酸化炭素(CO),炭化水
素(HC)の濃度が高い空燃比のリッチ状態では、第1
ポンピング電極58側の電位が第2ポンピング電極59
よりも高いことから、カソード側となる第2ポンピング
電極59において二酸化炭素,水に電子が付与されるこ
とで、酸素イオンが発生する。
55を介してアノード側である第1ポンピング電極58
に向けて輸送され、第1ポンピング電極58では、輸送
された酸素イオンと排気中の一酸化炭素,水素とが反応
して、二酸化炭素,水分,電子に分解される。即ち、第
1ポンピング電極58に向けて酸素を輸送することで、
前記基準電極60と第1ポンピング電極58との間の酸
素分圧差を縮小させるように、換言すれば、前記基準電
極60の電圧に基づくリッチ・リーン判定がリッチから
リーンンに反転するように制御される。
空燃比のリーン状態では、第2ポンピング電極59側の
電位が第1ポンピング電極58よりも高いことから、カ
ソード側となる第1ポンピング電極58において、排気
ガス中に残存する酸素に電子が付与されて、酸素イオン
が発生する。そして、前記酸素イオンは、固体電解質層
55を介してアノード側となる第2ポンピング電極59
に向けて輸送され、第2ポンピング電極59において酸
素と電子とに分解される。
素を輸送することで、前記基準電極60と第1ポンピン
グ電極58との間の酸素分圧差を拡大させるように、換
言すれば、前記基準電極60の電圧に基づくリッチ・リ
ーン判定がリーンからリッチに反転するように制御され
る。上記のようにして電圧の向きがリッチ・リーンによ
って切り換えられるポンピング電極58,59の間に流
れる拡散限界電流(ポンピング電流)Ipは、理論空燃
比を基準にリニアに変化するので、前記拡散限界電流
(ポンピング電流)Ipを電流検出抵抗Rの端子間電圧
として検出し、これを空燃比センサ出力として出力し、
前記ストイキセンサ出力と空燃比センサ出力とから空燃
比が求められる。
ッド状のものとしたが、プレート状のセンサ素子2につ
いても、同様な構成で同様な効果を得ることができる。
但し、センサ素子2をロッド形状とすることで、センサ
の取り付け方向や被検出ガスの流れ方向などに影響され
ることなく、酸素濃度を安定した精度で検出でき、ま
た、耐熱衝撃性が高く、被水によるクラックの発生率を
大幅に低減できる。
以外の技術思想について、以下にその効果と共に記載す
る。 (イ)請求項1〜3のいずれか1つに記載の酸素センサ
において、前記緻密層が、ムライト系アルミナにより平
均粒径0.3〜0.5μmに形成されることを特徴とする酸素
センサ。
は、ムライト系アルミナによって平均粒径0.3〜0.5μm
に形成され、ここで酸素の溜め込みを行う。これによ
り、基準電極における酸素分圧を、要求される高い値に
安定させることができる緻密層を形成できる。 (ロ)請求項2記載の酸素センサにおいて、酸素センサ
で機関の空燃比を検出する構成とし、前記基準電極の電
圧と理論空燃比相当の比較用電圧とを比較することで、
空燃比の理論空燃比に対するリッチ・リーンを判別し、
該判別結果に応じてポンピング用電圧の印加方向を前記
リッチ・リーン判別が反転する方向に切り換える構成と
した。
いて判別される空燃比のリッチ・リーンに応じて、リッ
チ・リーン判別が反転する方向にポンピング用電圧の印
加方向(酸素の輸送方向)を切り換える。これにより、
空燃比のリッチ・リーン判別を反転させる方向に電圧を
印加したときの拡散限界電流から、空燃比を精度良く検
出できる。
図、(B)は斜視図。
ロッド、52…ヒータパターン、53…アルミナ絶縁
層、54…第1ガス拡散層、55…ジルコニア固体電解
質層、56…第2ガス拡散層(保護層)、57…緻密
層、58…第1ポンピング電極、59…第2ポンピング
電極、60…基準電極
Claims (3)
- 【請求項1】酸素イオン伝導性の固体電解質層を挟んで
一対のポンピング電極を形成する一方、該一対のポンピ
ング電極の一方に対して前記固体電解質層を挟んで基準
電極を形成してなり、前記ポンピング電極間に電圧を印
加したときの限界電流を計測すると共に、前記一方のポ
ンピング電極と基準電極との間に生じる起電力を計測す
るよう構成された酸素センサであって、 前記基準電極と前記一方のポンピング電極間に、前記基
準電極に酸素を供給するための酸素供給用電圧を印加す
ると共に、前記基準電極を緻密層で覆ったことを特徴と
する酸素センサ。 - 【請求項2】前記一方のポンピング電極と基準電極との
間に生じる起電力に応じて、前記ポンピング電極間に印
加する電圧を切り換えることを特徴とする請求項1記載
の酸素センサ。 - 【請求項3】ロッド状の基体の外周に環状にガス拡散層
を形成し、該ガス拡散層の外側に、前記固体電解質層,
緻密層,一対のポンピング電極,基準電極をそれぞれ環
状に形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の酸
素センサ。
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---|---|---|---|
JP2002142749A JP3860068B2 (ja) | 2002-05-17 | 2002-05-17 | 酸素センサ |
US10/431,534 US7258772B2 (en) | 2002-05-17 | 2003-05-08 | Oxygen sensor and method of manufacturing same |
DE10322178A DE10322178A1 (de) | 2002-05-17 | 2003-05-16 | Sauerstoffsensor und Verfahren zum Herstellen desselben |
CNB031364233A CN100380117C (zh) | 2002-05-17 | 2003-05-19 | 氧气传感器和制造该氧气传感器的方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005351740A (ja) * | 2004-06-10 | 2005-12-22 | Hitachi Ltd | 酸素濃度検出素子 |
-
2002
- 2002-05-17 JP JP2002142749A patent/JP3860068B2/ja not_active Expired - Fee Related
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