JP2003336700A - ハイブリッド変速機の変速制御装置 - Google Patents

ハイブリッド変速機の変速制御装置

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JP2003336700A
JP2003336700A JP2002146104A JP2002146104A JP2003336700A JP 2003336700 A JP2003336700 A JP 2003336700A JP 2002146104 A JP2002146104 A JP 2002146104A JP 2002146104 A JP2002146104 A JP 2002146104A JP 2003336700 A JP2003336700 A JP 2003336700A
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motor
generator
power
electric power
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Hiroshi Oba
大羽  拓
Hiroshi Iwano
岩野  浩
Kazuhiro Takeda
和宏 竹田
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/7072Electromobility specific charging systems or methods for batteries, ultracapacitors, supercapacitors or double-layer capacitors

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  • Structure Of Transmissions (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Arrangement Of Transmissions (AREA)
  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 走行中のエンジン始動時はモータ/ジェネレ
ータが発電するから、この発電力を利用して電気走行領
域を拡大する。 【解決手段】 演算部33aでは、車速VSPが高いほど
モータ/ジェネレータの発電力分だけ小さくなる、エン
ジン始動に必要なエンジン始動要求電力Pstを検索す
る。演算部33bでは、Pstと、バッテリ放電可能電力P
boと、バッテリ充電可能電力Pbiとから電気走行可能電
力(=Pbo-Pst+Pbi)を演算する。判定部33cでは、
(Pbo-Pst+Pbi)と、運転状態に応じた目標駆動力対応
の基本発電力tPeoとを対比し、tPeo<(Pbo-Pst+Pbi)な
ら電力走行可能なバッテリ状態として電気走行許可フラ
グFevを「1」にすると共にエンジン運転不要故に目標
エンジン出力tPeを0にし、tPeo≧(Pbo-Pst+Pbi)なら
電力走行不能なバッテリ状態としてFevを「0」にする
と共に、tPeoと、目標とする充放電電力tPcとから目標
エンジン出力tPeを(tPe=tPeo+tPc)の演算により算
出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジン等の原動
機とモータ/ジェネレータとを搭載したハイブリッド車
両に有用なハイブリッド変速機、特に、これら原動機と
モータ/ジェネレータとの間における差動装置により無
段変速動作を行わせることが可能なハイブリッド変速機
の変速制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハイブリッド変速機としては一般的に、
シリーズ式と、パラレル式と、両者を組み合わせたシリ
ーズ式+パラレル式の3方式のものが知られているが、
いずれもエンジン回転エネルギーの全部または一部を発
電機により一旦電気エネルギーに変換し、この電気エネ
ルギーとバッテリからの電力とで車両駆動系に結合され
たモータを駆動して車両の走行を行わせ、余剰な電気エ
ネルギーをバッテリに蓄電するのが普通である。そし
て、エンジン動作点を最適燃費が実現されるよう定めて
バッテリへの充放電をタイミング良く行わせることによ
り、運転状態に応じた要求駆動力を良好な燃費のもとで
発生させ得るものである。
【0003】従来のハイブリッド変速機の変速制御装置
を、特開2001−173479号公報や、特開平9−
308012号公報に記載されたシリーズ式+パラレル
式のハイブリッド変速機用の変速制御装置について以下
に説明する。この種ハイブリッド変速機は、サンギヤ、
リングギヤおよびキャリアよりなる単純遊星歯車組で前
記の差動装置を構成し、共線図上の中央に位置するキャ
リアにエンジンから入力を結合し、共線図上でキャリア
の両側に位置するサンギヤおよびリングギヤのうち、サ
ンギヤには一方のモータ/ジェネレータを、またリング
ギヤには車輪駆動系への出力および他方のモータ/ジェ
ネレータをそれぞれ結合する。
【0004】かかる従来のハイブリッド変速機における
変速制御装置にあっては、エンジンを停止した状態でモ
ータ/ジェネレータのみによる電気走行を行わせるべき
電気走行領域(EV領域)を決定するに際し、前者の特開
2001−173479号公報の場合、車速に応じてエ
ンジンを停止(電気走行)、始動を判断する手法を採用
し、また後者の特開平9−308012号公報の場合、
運転状態に応じた要求駆動トクと車速とから求めた要求
駆動力に応じてエンジンを停止(電気走行)、始動を判
断する手法を採用することが提案されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前者のように
車速のみで電気走行領域を定める場合、要求駆動力を考
慮していないため、同じ車速のもとでも負荷が高い場合
はこれがバッテリの使用可能電力を越えてしまい、エン
ジンの始動が不能になってしまうことがあり、また後者
のように要求駆動力のみで電気走行領域を決定する場
合、全ての領域でバッテリの使用可能電力を越えないよ
うに設定する必要があり、このため全ての領域でエンジ
ン始動用の電力分を見込んで電気走行領域を例えば図18
に破線で示すごとくに設定する必要があり、電気走行領
域がその分狭くなるという問題を生ずる。
【0006】電気走行領域が上記の通り狭くなる理由
を、共線図が図16および図17に示すごとくに表されるハ
イブリッド変速機との関連において以下に詳述する。こ
のハイブリッド変速機は、共線図上の両端に位置する回
転メンバにモータ/ジェネレータMG1,MG2を結合し、両端
間に位置する2個の内側回転メンバにそれぞれエンジンE
NGからの入力Inおよび車輪駆動系への出力Outを結合し
たもので、図16は、エンジンENGを停止させた電気走行
(EV)モードでの停車状態からエンジンENGを始動させ
る時の動作を、また図17は、エンジンENGを停止させた
電気走行(EV)モードでの走行状態からエンジンENGを
始動させる時の動作をそれぞれ示す。
【0007】電気走行(EV)モード停車状態からエンジ
ンENGを始動させる時は、図16に矢印で示すようにモ
ータ/ジェネレータMG1,MG2およびエンジンENGの全て
を回転数上昇方向に駆動する必要があって、エンジンEN
Gの始動に数Kwもの電気エネルギーが必要である。これ
に対し電気走行(EV)モード走行状態からエンジンENG
を始動させる時は、図17に矢印で示すようにエンジン
ENGの回転数を始動用に図16と同じく上昇させてエン
ジンENGをクランキングするも、モータ/ジェネレータMG
1,MG2の回転数を0に向けて低下させることから、こ
れらモータ/ジェネレータMG1,MG2は回転イナーシャを
解放して発電作用を行うこととなり、図16の場合とは
逆にモータ/ジェネレータMG1,MG2は電気エネルギーを
出力する。
【0008】従って、或る程度以上の車速で電気走行し
ている状態でのエンジン始動時は、モータ/ジェネレー
タMG1,MG2の解放イナーシャによるエネルギーでエン
ジンENGを始動用に回転上昇させることができる。これ
がため、或る程度以上の車速で電気走行している状態で
エンジンを始動する場合は、エンジン始動用の電力が少
なくてよく、エンジン始動用の電力は高車速ほど少なく
てよい。しかるに従来は前記したごとく、全ての領域で
エンジン始動用の電力分を見込んで電気走行領域を設定
していたため、つまり、車速が高いほどエンジン始動用
の電力が少なくてよく電気走行領域を図18に実線で示
すごとくに定めても差し支えないにもかかわらず低車速
時と同様にエンジン始動用の電力分を見込んで電気走行
領域を同図に破線で示すごとくに定めていたため、モー
タ/ジェネレータMG1,MG2の解放イナーシャによるエネ
ルギーが利用されないで電気走行領域がその分狭くな
る。
【0009】本発明は上記の問題に鑑み、電気走行領域
を目標駆動力だけでなく、上記のごとく車速に応じて異
なるエンジンの始動に必要な電力によっても定めるよう
にし、これにより電気走行領域を可能な限り広くできる
ようにしたハイブリッド変速機の変速制御装置を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的のため本発明に
よるハイブリッド変速機の変速制御装置は、請求項1に
記載のごとく、3個以上の回転メンバを有する2自由度
の差動装置を具え、共線図上の少なくとも一端における
回転メンバにモータ/ジェネレータを結合し、他の2個
の回転メンバにそれぞれ原動機からの入力および駆動系
への出力を結合したハイブリッド変速機を前提とし、原
動機を停止させた状態でモータ/ジェネレータのみによ
る電気走行を行わせるべき電気走行領域を、車両の運転
状態から求めた目標駆動力と、バッテリ出力可能電力
と、車速に応じ高車速ほど小さくなる原動機の始動要求
電力とに応じて定めるよう構成する。
【0011】
【発明の効果】かかる本発明の構成によれば、電気走行
領域を目標駆動力およびバッテリ出力可能電力のほか
に、車速に応じ高車速ほど小さくなる原動機の始動要求
電力に応じて定めるため、車速に応じて原動機の始動要
求電力が小さくなるのに呼応して電気走行領域を可能な
限り広くすることができ、従来装置の前記した問題を解
消し得る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形
態になる変速制御装置を適用するためのハイブリッド変
速機を例示し、これを本実施の形態においては、前輪駆
動車(FF車)用のトランスアクスルとして用いるのに
有用な以下に詳述する構成となす。
【0013】図において1は変速機ケースを示し、該変
速機ケース1の軸線方向(図の左右方向)右側(エンジ
ンENGに近い前側)にラビニョオ型プラネタリギヤセッ
ト2を、また図の左側(エンジンENGから遠い後側)に
例えば複合電流2層モータ4を可とするモータ/ジェネ
レータ組を内蔵する。これらラビニョオ型プラネタリギ
ヤセット2および複合電流2層モータ4は変速機ケース
1の主軸線上に同軸に配置するが、この主軸線からオフ
セットさせて平行に配置したカウンターシャフト5およ
びディファレンシャルギヤ装置6をも変速機ケース1内
に内蔵させる。
【0014】ラビニョオ型プラネタリギヤセット2は、
ロングピニオンP1およびリングギヤRを共有するシング
ルピニオン遊星歯車組7およびダブルピニオン遊星歯車
組8の組み合わせになり、シングルピニオン遊星歯車組
7はサンギヤS2およびリングギヤRにそれぞれロングピ
ニオンP1を噛合させた構造とし、ダブルピニオン遊星歯
車組8はサンギヤS1およびロングピニオンP1の他に、大
径のショートピニオンP2を具え、ショートピニオンP2を
サンギヤS2およびロングピニオンP1に噛合させた構造と
する。そして遊星歯車組7,8のピニオンP1,P2を全
て、共通なキャリアCにより回転自在に支持する。
【0015】以上の構成になるラビニョオ型プラネタリ
ギヤセット2は、サンギヤS1、サンギヤS2、リングギヤ
R、およびキャリアCの4個の回転メンバを主たる要素と
し、これら4個の回転メンバのうち2個のメンバの回転
速度を決定すると他のメンバの回転速度が決まる2自由
度の差動装置を構成する。そして4個の回転メンバの回
転速度順は、サンギヤS1、リングギヤR、キャリアC、サ
ンギヤS2の順番である。なお本実施の形態で用いるラビ
ニョオ型プラネタリギヤセット2は、シングルピニオン
遊星歯車組7およびダブルピニオン遊星歯車組8のリン
グギヤ同士を結合し、キャリア同士を結合したものに等
価である。
【0016】複合電流2層モータ4は、内側ロータ4ri
と、これを包囲する環状の外側ロータ4roとを、変速機
ケース1内に同軸に回転自在に支持して具え、これら内
側ロータ4riおよび外側ロータ4ro間における環状空間に
同軸に配置した環状ステ-タ4sを変速機ケース1に固
設して構成する。環状コイル4sと内側ロータ4riとで
内側のモータ/ジェネレータである第1のモータ/ジェ
ネレータMG1が構成され、環状コイル4sと外側ロータ4
roとで外側のモータ/ジェネレータである第2のモータ
/ジェネレータMG2が構成される。ここでモータ/ジェ
ネレータMG1,MG2はそれぞれ、複合電流を供給される時
は供給電流に応じた個々の方向の、また供給電流に応じ
た個々の速度(停止を含む)の回転を出力するモータと
して機能し、複合電流を供給されない時は外力による回
転に応じた電力を発生する発電機として機能する。
【0017】ラビニョオ型プラネタリギヤセット2の上
記した4個の回転メンバには、回転速度順に、つまり図
2および図3の共線図にも示したがサンギヤS1、リング
ギヤR、キャリアC、サンギヤS2の順に、第1モータ/ジ
ェネレータMG1、原動機であるエンジンENG、ディファレ
ンシャギヤ装置6を含む車輪駆動系への出力(Out)、
第2モータ/ジェネレータMG2をそれぞれ結合する。
【0018】この結合を図1に基づき以下に詳述する
に、リングギヤRを上記の通りエンジン(ENG)回転が入
力される入力要素とするため、このリングギヤRをエン
ジンクランクシャフト9に結合する。サンギヤS1は中空
軸13を介して第1モータ/ジェネレータMG1の内側ロー
タ4riに結合し、このモータ/ジェネレータMG1および
中空軸13を遊嵌する軸14を介してサンギヤS2を第2
モータ/ジェネレータMG2の外側ロータ4roに結合す
る。
【0019】キャリアCを前記のごとく、車輪駆動系へ
回転を出力する出力要素とするため、このキャリアCに
中空軸15を介して出力歯車16を結合し、これをカウ
ンターシャフト5上のカウンター歯車17に噛合させ
る。カウンターシャフト5には別にファイナルドライブ
ピニオン18を一体的に設け、これを、ディファレンシ
ャルギヤ装置6に設けたファイナルドライブリングギヤ
19に噛合させる。変速機からの出力回転は、ファイナ
ルドライブピニオン18およびファイナルドライブリン
グギヤ19により構成されるファイナルドライブギヤ組
を経てディファレンシャルギヤ装置6に至り、このディ
ファレンシャルギヤ装置により左右駆動輪20に分配さ
れるものとする。
【0020】上記の構成になるハイブリッド変速機は、
前記した通り図2および図3に示すような共線図により
表すことができ、これら図2および図3の横軸は遊星歯
車組7,8のギヤ比により決まる回転メンバ間の距離
比、つまりリングギヤRおよびキャリアC間の距離を1と
した時のサンギヤS1およびリングギヤR間の距離の比を
αで示し、キャリアCおよびサンギヤS2間の距離をβで
示したものである。
【0021】また図2の縦軸は、各回転メンバの回転速
度、つまりリングギヤRへのエンジン回転数Ne、サンギ
ヤS1(モータ/ジェネレータMG1)の回転数Nm1、キャリ
アCからの出力(Out)回転数No、およびサンギヤS2(モ
ータ/ジェネレータMG2)の回転数Nm2を示し、2個の回
転メンバの回転速度が決まれば他の2個の回転メンバの
回転速度が決まる。図2において回転バランス式は、(N
m1-No):(Ne-No)=(1+α):1および(Ne-Nm2):(Ne-No)=
(1+β):1で表され、モータ/ジェネレータMG1,MG2の
回転数Nm1,Nm2はそれぞれ、エンジン回転数Neおよび出
力回転数Noから次式により求めることができる。 Nm1=(1+α)Ne-α・No・・・(1) Nm2=(1+β)No-β・Ne・・・(2)
【0022】図3の縦軸は、各回転メンバに働くエンジ
ントルクTe、モータ/ジェネレータMG1,MG2のトルクTm
1,Tm2、および出力(Out)トルクToを示す。ここで、リ
ングギヤRに結合した入力回転系はエンジンENGが存在す
るためその回転イナーシャが大きく、またキャリアCに
結合した出力(Out)回転系も車輪やディファレンシャ
ルギヤ装置などが存在するためその回転イナーシャが大
きいことから、共線図上におけるレバー重心Gは図3に
示すごとく、イナーシャが大きなリングギヤR(エンジ
ンENG)およびキャリアC(出力Out)間に位置し、この
位置を以下ではサンギヤS1からの距離Xgcとして示す。
【0023】定常状態を維持(車速一定で目標駆動トル
クを実現)するためには、4個の回転メンバに働くトル
クによる重心G周りの並進運動γおよび回転運動δが共
に0であることである。つまり並進運動γについては、
Tm1+Te+(To+Tm2)=0が成立し、また回転運動δについて
は、Tm1×Xgc+Te(Xgc-α)=To(α+1-Xgc)+T2(α+1+β-Xg
c)が成立することである。これら2式を解いてトルクバ
ランス式は次式で表される。 Tm1=-{β・To+(1+β)Te}(α+1+β)・・・(3) Tm2=-{(1+α)To+α・Te}(α+1+β)・・・(4)
【0024】図2および図3の共線図におけるレバーの
傾き(変速比)は、変速機の入力(エンジン)回転数Ne
と、入力(エンジン)トルクTeとの組み合わせであるエ
ンジン動作点(Ne,Te)、サンギヤS1に係わるモータ/
ジェネレータMG1の回転数Nm1と、トルクTm1との組み合
わせであるモータ/ジェネレータ動作点(Nm1,Tm1)、
サンギヤS2に係わるモータ/ジェネレータMG2の回転数N
m2と、トルクTm2との組み合わせであるモータ/ジェネ
レータ動作点(Nm2,Tm2)により決まり、これらにより
出力Outの回転数No(車速)と、トルクToとの組み合わ
せ(No,To)が定まる。
【0025】なお図1ではモータ/ジェネレータMG1,MG
2を複合電流2層モータとして構成したが、モータ/ジ
ェネレータMG1,MG2はこれに限られず、例えば個々にス
テータを有する別個のユニットとして構成し、これらモ
ータ/ジェネレータMG1,MG2を相互に径方向へオフセッ
トさせて配置することができる。
【0026】上記したハイブリッド変速機の変速制御シ
ステムは図4に示すごとく、ハイブリッドコントローラ
21を具え、このハイブリッドコントローラ21は後述
する目標エンジントルク(tTe)指令をエンジンコント
ローラ22に供給し、エンジンコントローラ22がエン
ジンENGを当該目標トルク発生状態で運転させるように
機能する。
【0027】ハイブリッドコントローラ21は更に、モ
ータ/ジェネレータMG1,MG2の目標トルク(tTm1)指令
および目標トルク(tTm2)指令をそれぞれモータコン
トローラ23に供給し、モータコントローラ23がイン
バータ24およびバッテリ25によりモータ/ジェネレ
ータMG1,MG2をそれぞれの目標トルク発生状態で動作さ
せるように機能する。
【0028】目標トルクtTe,tTm1,tTm2を求めるため
ハイブリッドコントローラ21には、アクセルペダル踏
み込み量からアクセル開度APOを検出するアクセル開度
センサ26からの信号と、車速VSPを検出する車速セン
サ27からの信号と、エンジン回転数Neを検出するエン
ジン回転センサ28からの信号と、第1モータ/ジェネ
レータMg1の回転数Nm1を検出する第1モータ/ジェネレ
ータ回転センサ29からの信号と、第2モータ/ジェネ
レータMg2の回転数Nm2を検出する第2モータ/ジェネレ
ータ回転センサ30からの信号とを入力する。ハイブリ
ッドコントローラ21はこれら入力情報を基に、図5に
ブロック線図で示す処理を行ってハイブリッド変速機の
変速制御を以下のごとくに行う。
【0029】目標駆動トルク演算部31は、アクセル開
度APOおよび車速VSPから運転者要求している車輪の目標
駆動トルクtTdを周知のマップ検索などの手法により
求める。基本発電力演算部32は、車速VSPに車輪タイ
ヤ半径などで決まる定数Krを掛けて車輪駆動軸回転数Nd
を求め、乗算器32aで車輪駆動軸回転数Ndと上記目標
駆動トルクtTdとの乗算により車輪の目標駆動力tPv
を算出し、これにモータ/ジェネレータMG1,MG2の損失分
を加算して基本発電力tPeoを求める。なお、基本発電
力tPeoの算出に当たっては、モータ/ジェネレータMG1,
MG2の損失分に加えて、必要に応じラビニョオ型プラネ
タリギヤセット2の伝動ロス分をも加算することができ
る。
【0030】目標エンジン(原動機)出力演算部33
は、上記の基本発電力tPeoに加えて、現在におけるバ
ッテリ25の放電可能電力Pboおよび充電可能電力Pbi
と、車速VSPとを入力され、これらに基づき図6の処理
を行って電気走行可否判断を行って、その判断結果に基
づき目標エンジン(原動機)出力tPeを求めると共に電
気走行可能なら「1」、不可能なら「0」となる電気走
行許可フラグFevを出力する。
【0031】図6のエンジン始動要求電力演算部33a
では、図16および図17につき前述した電気走行モー
ドでのエンジン始動時に必要なエンジン始動要求電力Ps
tを、図7に例示するような予定のマップから車速VSPを
基に検索して求める。図7に例示するエンジン始動要求
電力Pstは、図16および図17につき前述した理由か
ら、或る車速を越えると車速の上昇につれて低下する。
電気走行可能電力演算部33bでは、上記エンジン始動
要求電力Pstと、バッテリ放電可能電力Pboと、バッテリ
充電可能電力Pbiとから電気走行可能電力(=Pbo-Pst+P
bi)を演算する。電気走行可否判定部33cでは、電気
走行可能電力(=Pbo-Pst+Pbi)と前記した基本発電力t
Peoとを対比し、tPeo<(Pbo-Pst+Pbi)であれば電力走
行が可能なバッテリ状態であるから、電気走行許可フラ
グFevを「1」にセットし、tPeo≧(Pbo-Pst+Pbi)であ
れば電力走行が不可能なバッテリ状態であるから、電気
走行許可フラグFevを「0」にリセットする。
【0032】電気走行可否判定部33cでは更に、上記
の判断により電力走行が可能なバッテリ状態であると判
断した場合、エンジンの運転が不要であるから目標エン
ジン(原動機)出力tPeを0にし、電力走行が不可能な
バッテリ状態であると判断した場合、前記した基本発電
力tPeoと、目標とする充放電電力tPc(正極性が充電、
負極性が放電)とから目標エンジン(原動機)出力tPe
を(tPe=tPeo+tPc)の演算により算出する。なお目標
とする充放電電力tPcは、現在におけるバッテリ25の
放電可能電力Pboおよび充電可能電力Pbiと、基本発電力
tPeoと、エンジンの効率を考慮して決定する。
【0033】図5のエンジン(原動機)動作点決定部3
4は、上記のごとくに決定した目標エンジン(原動機)
出力tPeおよび電気走行許可フラグFevのほかにエンジン
回転数Neを入力され、目標エンジン(原動機)出力tPe
を発生させるための目標エンジン(原動機)トルクtTe
および目標エンジン(原動機)回転数tNeの組み合わせ
としてエンジン(原動機)動作点を決定する。なお、電
気走行許可フラグFevが「1」で電気走行が行われる場
合は、エンジン始動要求がないから目標エンジン(原動
機)出力tPeを0にするため、目標エンジン(原動機)
トルクtTeも、目標エンジン(原動機)回転数tNeも0
にする。
【0034】ところで、エンジン(原動機)動作点決定
部34が目標エンジン(原動機)出力tPeを発生させる
ための目標エンジン(原動機)トルクtTeおよび目標エ
ンジン(原動機)回転数tNeの組み合わせを決定するに
際しては、好ましくは、図8に例示するエンジン性能線
図を基に目標エンジン(原動機)出力tPeを最低燃費で
発生させるエンジントルクTeおよびエンジン回転数Neの
組み合わせをエンジン動作点(tTe,tNe)とする最適
燃費制御を用いるのが良い。また図9の瞬時t1における
ように、電気走行許可フラグFevが「1」から「0」に
切り替わってエンジン始動要求があった場合は、目標エ
ンジン(原動機)回転数tNeを0から所定の時間変化割
合でエンジンの始動用クランキング回転数Ncrまで上昇
させるのがよい。かかるクランキング回転数Ncrになっ
た瞬時t2にエンジンENGに燃料を噴射し、エンジンの始
動を行う。
【0035】図8は、エンジン出力ごとにこれを発生す
るエンジントルクTeおよびエンジン回転数Neの組み合わ
せを等馬力線として示し、各等馬力線上にあって対応す
るエンジン出力を最低燃費で発生させるエンジントルク
Teおよびエンジン回転数Neの組み合わせをA,B点により
示し、各等馬力線上の最低燃費点A,Bを結ぶ線を最適燃
費線として示す。図8を基に最適燃費制御によりエンジ
ン動作点(tTe,tNe)を求めるに際しては、目標エン
ジン(原動機)出力tPeに対応する等馬力線と最適燃費
線との交点を例えばA点のように決定し、当該点に対応
するエンジントルクTeおよびエンジン回転数Neの組み合
わせをエンジン動作点(tTe,tNe)と定める。
【0036】図5における第1モータ/ジェネレータ目標
トルク演算部35は、前記した目標駆動トルクtTdをフ
ァイナルギヤ比Gfで除算して求め得る変速機目標出力ト
ルクtTo、および上記の目標エンジントルクtTeから、
第1モータ/ジェネレータMG1の目標トルクtTm1を、前
記(3)式に対応する次のトルクバランス式 tTm1=-{β・tTo+(1+β)tTe}(α+1+β)・・・(5) の演算により求める。
【0037】同じく図5における第2モータ/ジェネレー
タ目標回転数演算部36は、車輪駆動軸回転数Ndにファ
イナルギヤ比Gfを掛けて求め得る変速機出力回転数No、
および目標エンジン回転数tNeから、第2モータ/ジェ
ネレータMG2の目標回転数tNm2を、前記(2)式に対応
する次の回転バランス式 tNm2=(1+β)No-β・tNe・・・(6) の演算により求める。
【0038】第2モータ/ジェネレータ目標トルク演算
部37は、第2モータ/ジェネレータMG2の目標回転数t
Nm2および当該モータ/ジェネレータの実回転数Nm2を入
力され、実回転数Nm2をフィードバックゲインKgで目標
回転数tNm2に一致させるための当該モータ/ジェネレー
タMG2の目標トルクtTm2を以下のフィードバック演算に
より求める。 tTm2=Kg(tNm2-Nm2) ・・・(7)
【0039】図4のエンジンコントローラ22およびモ
ータコントローラ23はエンジンENG、第1モータ/ジ
ェネレータMG1および第2モータ/ジェネレータMG2をそ
れぞれ、ハイブリッドコントローラ21で上記のごとく
に求めた対応する目標トルクtTe,tTm1,tTm2が実現され
るよう制御することにより目標駆動トルクtTdを実現す
ることができる。ところで本実施の形態によれば図6に
つき前述したところから明らかなように、電気走行許可
フラグFevにより電気走行領域を決定するに際し、車両
の運転状態から求めた目標駆動力tPv(図6では基本発電
力tPeo)およびバッテリ出力可能電力(放電可能電力Pb
oと充電可能電力Pbiとの差)の他に、車速VSPに応じ図7
に例示するごとく高車速ほど小さくなるエンジンENG
(原動機)の始動要求電力Pstをも考慮して定めるた
め、図16および図17につき前述したごとく車速上昇
に応じモータ/ジェネレータMG1,MG2の発電分でエンジ
ンENG(原動機)の始動要求電力Pstが小さくなるのに呼
応して電気走行領域を図18に実線で示すごとく可能な限
り広くすることができ、従来装置の前記した問題を解消
することができる。
【0040】図5における目標エンジン出力演算部33
は、図6につき前述した機能を果たす構成とする代わり
に、図10に示すような機能を果たす構成にすることが
できる。本実施の形態においては、停車時エンジン始動
要求電力演算部33dで、車速VSPが0の停車状態からエ
ンジンを図16につき前述したごとく始動させるためエ
ンジン回転数を始動用クランキング回転数Ncr(図9参
照)まで上昇させるのに必要な停車時エンジン始動要求
電力Psto(図7参照)を求める。ここで停車時エンジン
始動要求電力Pstoは固定値としてもよいし、エンジン冷
却水温などの条件に応じて変化するマップ値でもよい。
【0041】またエンジン始動時発生電力演算部33e
では、図17につき前述したごとく電気走行中にエンジ
ンを始動させる時モータ/ジェネレータMG1,MG2が回転
数低下によってイナーシャ分で発生する電力Piを演算す
る。ここでエンジン始動時発生電力Piは、図17におけ
る出力Outの回転数、つまり車速VSPが或る値より高い領
域において出現し、また車速VSPが高いほど大きいこと
から、図11に例示するごとき車速VSPに応じた変数と
する。またエンジン始動時発生電力Piは、エンジン回転
数を始動用クランキング回転数Ncr(図9参照)まで上
昇させる時にモータ/ジェネレータMG1,MG2が発生する
電力であるから、この始動用クランキング回転数Ncr
と、図9の瞬時t1〜t2間における目標エンジン回転数tN
eの上昇勾配によっても異ならせるのが実際的であり、
このエンジン始動時発生電力Piはマップデータとして予
め定めておくのがよい。
【0042】図10に示す本実施の形態においては、上
記のようにして求めた停車時エンジン始動要求電力Psto
およびエンジン始動時発生電力Piの差分(Psto-Pi)を
減算器33fにより求め、これをリミッター33gにより
0より小さな値とならないように制限してエンジン始動
時要求電力Pstとする。以後は図6におけると同様、電
気走行可能電力演算部33bでエンジン始動要求電力Ps
tと、バッテリ放電可能電力Pboと、バッテリ充電可能電
力Pbiとから電気走行可能電力(=Pbo-Pst+Pbi)を演算
し、電気走行可否判定部33cで、電気走行可能電力
(=Pbo-Pst+Pbi)と基本発電力tPeoとの対比により、t
Peo<(Pbo-Pst+Pbi)であれば電力走行が可能なバッテ
リ状態であるから、電気走行許可フラグFevを「1」に
セットし、tPeo≧(Pbo-Pst+Pbi)であれば電力走行が
不可能なバッテリ状態であるから、電気走行許可フラグ
Fevを「0」にリセットして出力し、電気走行可否判定
部33cで更に、上記の判断により電力走行が可能なバ
ッテリ状態であると判断した場合、エンジンの運転が不
要であるから目標エンジン(原動機)出力tPeを0に
し、電力走行が不可能なバッテリ状態であると判断した
場合、基本発電力tPeoと、目標とする充放電電力tPcと
から目標エンジン(原動機)出力tPeを(tPe=tPeo+tP
c)の演算により算出する。
【0043】かかる本実施の形態によれば、停車時エン
ジン始動要求電力Pstoおよび高車速時ほど大きくなるモ
ータ/ジェネレータMG1,MG2のエンジン始動時発生電力
Piを個別に求め、両者の差分(Pi-Psto)をエンジン始
動要求電力Pstとして用いるから、エンジン始動要求電
力Pstが一層正確なものとなり、電気走行領域をできる
だけ広くし得るという前記の作用効果を更に顕著なもの
にすることができる。
【0044】なお上記では、ハイブリッド変速機が図1
および図2に示すように共線図上に4個の回転メンバが
存在する構成である場合の変速制御について述べたが、
共線図上に4個以上の回転メンバが存在する構成のハイ
ブリッド変速機に対しても勿論のこと、また図12〜図
14または図15に示すごとく共線図上に3個の回転メ
ンバが存在する構成のハイブリッド変速機に対しても同
様の変速制御を適用して同じ作用効果を達成することが
できる。
【0045】図12〜図14に示すハイブリッド変速機
について以下に説明する。このハイブリッド変速機は図
12に概略を示すように、サンギヤ41s、リングギヤ
41rおよびキャリア41cよりなる単純遊星歯車組4
1で差動装置を構成し、キャリア41cに入力軸42か
らのエンジンENGの回転を入力する。キャリア41cへ
の入力回転は、一方でサンギヤ41sおよび中空軸43
を経てモータ/ジェネレータ44に伝達し、他方でリン
グギヤ41r、スプロケット45およびチェーン46を
経て車輪47に伝達するようになし、リングギヤ41r
にはモータ/ジェネレータ48を結合する。
【0046】上記の構成を共線図により示すと図13お
よび図14に示すごとくに表され、差動装置が、単純遊
星歯車組41で構成された3要素、2自由度の差動装置
であるため、車輪駆動系を結合される出力(Out)要素
としてのリングギヤ41rにモータ/ジェネレータ48
を直結し、エンジンENGが結合された入力要素としての
キャリア41cを挟んで出力Outと反対の側に位置する
サンギヤ41sにモータ/ジェネレータ44を結合する
こととなる。
【0047】図13および図14に示す共線図におい
て、横軸は遊星歯車組41のギヤ比により決まる回転メ
ンバ間の距離比、つまりサンギヤ41sおよびキャリア
41c間の距離を1とした時のサンギヤ41sおよびリ
ングギヤ41r間の距離の比をσで示すものである。
【0048】図13の縦軸は、各回転メンバの回転速
度、つまりキャリア41cへのエンジン回転数Ne、サン
ギヤ41s(モータ/ジェネレータ44)の回転数N1、
およびリングギヤ41r(モータ/ジェネレータ48)
からの出力(Out)回転数Noを示し、2個の回転メンバ
の回転速度が決まれば他の1個の回転メンバの回転速度
が決まる。図13において回転バランス式は、(N1-N
o):(Ne-No)=(1+σ):σで表され、サンギヤ41s(モ
ータ/ジェネレータ44)の回転数N1は、次式により求
めることができる。 N1=No+(Ne-No)(1+σ)/σ・・・(8)
【0049】図14の縦軸は、各回転メンバに働くエン
ジントルクTe、モータ/ジェネレータトルクT1、出力ト
ルクTo、およびモータ/ジェネレータトルクT2を示し、
各回転メンバに結合された回転系のイナーシャを質量と
見なし、それぞれに作用する上記のエンジントルクTe、
モータ/ジェネレータトルクT1、出力トルクTo、および
モータ/ジェネレータT2に応じて各回転メンバの回転速
度は変化する。ここで、キャリア41cに結合した入力
回転系はエンジンENGが存在するためその回転イナーシ
ャが大きく、またリングギヤ41rに結合した出力(Ou
t)回転系も車輪やディファレンシャルギヤ装置などが
存在するためその回転イナーシャが大きいことから、共
線図上におけるレバー重心Gは図14に示すごとく、イ
ナーシャが大きなキャリア41c(エンジンENG)およ
びリングギヤ41r(出力Out)間に位置し、この位置
を以下ではサンギヤ41sからの距離Xgcとして示す。
【0050】定常状態を維持(車速一定で目標駆動トル
クを実現)するためには、各回転メンバに働くトルクに
よる重心G周りの並進運動γおよび回転運動δが共に0
であることである。つまり並進運動γについては、T1+T
e+(To+T2)=0が成立し、また回転運動δについては、T1
×Xgc+Te(Xgc-1)=(To+T2)(1+σ-Xgc)が成立することで
ある。これら2式を解いてトルクバランス式は次式で表
される。 T1=-Te{σ/(1+σ)}・・・(9) T2=-To-Te{1/(1+σ)}・・・(10)
【0051】図13の共線図をもとにエンジンENGの始
動時における作用を説明するに、電気走行(EV)モード
停車(No=0)状態からエンジンENGを始動(Ne=0→Ne>Nc
rへクランキング)させる時は、図16につき前述した
と同じ理由により、つまりモータ/ジェネレータ44お
よびエンジンENGを回転数上昇方向に駆動する必要があ
って、エンジンENGの始動に数Kwもの電気エネルギーが
必要である。これに対し電気走行(EV)モード走行(No
>0)状態からエンジンENGを始動(Ne=0→Ne>Ncrへクラ
ンキング)させる時は、図17につき前述したと同じ理
由により、そして図13に矢印で示すようにエンジンEN
Gの回転数Neを始動用にクランキング回転数Ncrへと上昇
させてエンジンENGをクランキングするも、モータ/ジェ
ネレータ44の回転数N1を0に向けて低下させることか
ら、モータ/ジェネレータ44は回転イナーシャを解放
して発電作用を行うこととなり、停車状態からの始動と
は逆にモータ/ジェネレータ44は電気エネルギーを出
力する。
【0052】従って、或る程度以上の車速で電気走行し
ている状態でのエンジン始動時は、モータ/ジェネレー
タ44の解放イナーシャによるエネルギーでエンジンEN
Gを始動用に回転上昇させることができる。これがた
め、或る程度以上の車速で電気走行している状態でエン
ジンを始動する場合は、エンジン始動用の電力が少なく
てよく、エンジン始動用の電力は高車速ほど少なくてよ
い。そこで図12〜図14に示すようなハイブリッド変
速機においても、図5〜図11につき前述したと同様な
変速制御を適用してエンジンを始動させることで、電気
走行領域を広くするという前記の作用効果を達成するこ
とができる。
【0053】なお図5〜図11につき前述した変速制御
は更に、図15の共線図に示すごときハイブリッド変速
機に対しても適用することができる。図15は、図12
〜図14に示すハイブリッド変速機におけるキャリア4
1cおよびリングギヤ41rに対して結合する要素を逆
にして、つまり、キャリア41cに車輪駆動系への出力
Outを結合し、リングギヤ41rにエンジンENGを結合し
た構成のハイブリッド変速機の共線図を示す。
【0054】かかるハイブリッド変速機においても、電
気走行(EV)モード停車(No=0)状態からエンジンENG
を始動(Ne=0→Ne>Ncrへクランキング)させる時は、図
16につき前述したと同じ理由により、つまりモータ/
ジェネレータ44およびエンジンENGを回転数上昇方向
に駆動する必要があって、エンジンENGの始動に数Kwも
の電気エネルギーが必要である。これに対し電気走行
(EV)モード走行(No>0)状態からエンジンENGを始動
(Ne=0→Ne>Ncrへクランキング)させる時は、図17に
つき前述したと同じ理由により、そして図15に矢印で
示すようにエンジンENGの回転数Neを始動用にクランキ
ング回転数Ncrへと上昇させてエンジンENGをクランキン
グするも、モータ/ジェネレータ44の回転数N1を0に
向けて低下させることから、モータ/ジェネレータ44
は回転イナーシャを解放して発電作用を行うこととな
り、停車状態からの始動とは逆にモータ/ジェネレータ
44は電気エネルギーを出力する。
【0055】従って、或る程度以上の車速で電気走行し
ている状態でのエンジン始動時は、モータ/ジェネレー
タ44の解放イナーシャによるエネルギーでエンジンEN
Gを始動用に回転上昇させることができる。これがた
め、或る程度以上の車速で電気走行している状態でエン
ジンを始動する場合は、エンジン始動用の電力が少なく
てよく、エンジン始動用の電力は高車速ほど少なくてよ
い。そこで図15に示す共線図となるようなハイブリッ
ド変速機においても、図5〜図11につき前述したと同
様な変速制御を適用してエンジンを始動させることで、
電気走行領域を広くするという前記の作用効果を達成す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による変速制御装置を適用し得るハイ
ブリッド変速機を例示する線図的構成図である。
【図2】 同ハイブリッド変速機の回転バランス式を求
めるのに用いた共線図である。
【図3】 同ハイブリッド変速機のトルクバランス式を
求めるのに用いた共線図である。
【図4】 本発明の一実施の形態になるハイブリッド変
速機の変速制御装置を示すブロック線図である。
【図5】 同実施の形態になる変速制御装置を機能別ブ
ロック線図として示す説明図である。
【図6】 図5に示す変速制御装置における目標エンジ
ン出力演算部を示す機能別ブロック線図である。
【図7】 同目標エンジン出力演算部において用いるエ
ンジン始動要求電力の変化特性を例示する線図である。
【図8】 エンジンの最適燃費線を等出力線とともに例
示するエンジンの性能線図である。
【図9】 エンジン始動時における目標エンジン回転数
の設定要領を例示するタイムチャートである。
【図10】 図5に示す変速制御装置における目標エン
ジン出力演算部の他の構成例を示す機能別ブロック線図
である。
【図11】 同構成例になる目標エンジン出力演算部に
おいて用いるエンジン始動時発生電力の変化特性を例示
する線図である。
【図12】 本発明による変速制御装置を適用可能な他
の形式のハイブリッド変速機を示す線図的斜視図であ
る。
【図13】 同ハイブリッド変速機の回転数バランス式
を求めるのに用いた共線図である。
【図14】 同ハイブリッド変速機のトルクバランス式
を求めるのに用いた共線図である。
【図15】 本発明による変速制御装置を適用可能な更
に他の形式のハイブリッド変速機に係わる共線図であ
る。
【図16】 4要素、2自由度の差動装置を用いたハイ
ブリッド変速機の変速動作を、電気走行モード停車状態
でエンジン始動させる場合について説明するのに用いた
共線図である。
【図17】 同ハイブリッド変速機の変速動作を、電気
走行モード走行状態でエンジン始動させる場合について
説明するのに用いた共線図である。
【図18】 本発明による変速制御装置を適用した場合
と、従来装置による場合とで比較して電気走行領域の違
いを示す領域線図である。
【符号の説明】
1 変速機ケース 2 ラビニョオ型プラネタリギヤセット(差動装置) ENG エンジン(原動機) 4 複合電流2層モータ MG1 第1モータ/ジェネレータ MG2 第2モータ/ジェネレータ 7 シングルピニオン遊星歯車組 8 ダブルピニオン遊星歯車組 S1 サンギヤ S2 サンギヤ P1 ロングピニオン P2 ショートピニオン R リングギヤ C キャリア 21 ハイブリッドコントローラ 22 エンジンコントローラ 23 モータコントローラ 24 インバータ 25 バッテリ 26 アクセル開度センサ 27 車速センサ 28 エンジン回転センサ 29 第1モータ/ジェネレータ回転センサ 30 第2モータ/ジェネレータ回転センサ 31 目標駆動トルク演算部 32 基本発電力演算部 33 目標エンジン出力演算部 33a エンジン(原動機)始動要求電力演算部 33b 電気走行可能電力演算部 33c 電気走行可否判定部 33d 停車時エンジン(原動機)始動要求電力演算部 33e エンジン始動時発生電力演算部 33f 減算器 33g リミッター 34 エンジン動作点決定部 35 第1モータ/ジェネレータ目標トルク演算部 36 第2モータ/ジェネレータ目標回転数演算部 37 第2モータ/ジェネレータ目標トルク演算部 41 単純遊星歯車組 44 モータ/ジェネレータ 45 スプロケット 47 車輪 48 モータ/ジェネレータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B60K 6/04 530 B60K 6/04 530 17/04 17/04 G B60L 11/14 ZHV B60L 11/14 ZHV (72)発明者 竹田 和宏 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3D039 AA04 AB27 AC39 AC74 AC78 3J028 EA27 EA30 EB10 EB16 EB31 EB62 EB63 EB66 FA06 FB02 FB12 FC17 FC63 GA01 HC04 HC05 5H115 PA11 PC06 PG04 PI22 PI29 PO01 PO06 PO17 PU01 PU28 PV09 QE05 QE06 QE10 QE12 QH01 QI04 RE02 RE13 SE05 SE08 TE01 TE02 TE05 TI01 TO14

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共線図上に配置される回転メンバとして
    3個以上の回転メンバを有し、これら回転メンバのうち
    2個のメンバの回転状態を決定すると他のメンバの回転
    状態が決まる2自由度の差動装置を具え、共線図上の少
    なくとも一端における回転メンバにモータ/ジェネレー
    タを結合し、他の2個の回転メンバにそれぞれ原動機か
    らの入力および駆動系への出力を結合し、モータ/ジェ
    ネレータの制御により無段変速を行い得るようにしたハ
    イブリッド変速機において、前記原動機を停止させた状
    態でモータ/ジェネレータのみによる電気走行を行わせ
    るべき電気走行領域を、車両の運転状態から求めた目標
    駆動力と、バッテリ出力可能電力と、車速に応じ高車速
    ほど小さくなる原動機の始動要求電力とに応じて定める
    よう構成したことを特徴とするハイブリッド変速機の変
    速制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の変速制御装置におい
    て、前記ハイブリッド変速機が、共線図上に配置される
    回転メンバとして4個の回転メンバを有する2自由度の
    差動装置を具え、共線図上の内側に位置する2個の内側
    回転メンバにそれぞれ原動機からの入力および駆動系へ
    の出力を結合し、共線図上の外側に位置する2個の外側
    回転メンバにそれぞれ2個のモータ/ジェネレータを結
    合し、これらモータ/ジェネレータの制御により無段変
    速を行い得るようにしたハイブリッド変速機であること
    を特徴とするハイブリッド変速機の変速制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の変速制御装置
    において、前記高車速ほど小さくなる原動機の始動要求
    電力に代え、原動機の停車時始動要求電力および高車速
    ほど大きくなる原動機始動時モータ/ジェネレータ発電
    力を用いて前記電気走行領域を定めるよう構成したこと
    を特徴とするハイブリッド変速機の変速制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100413209C (zh) * 2005-04-13 2008-08-20 日产自动车株式会社 车辆用驱动控制装置
JP2016203839A (ja) * 2015-04-24 2016-12-08 スズキ株式会社 ハイブリッド車両の制御装置

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