JP2003335696A - 水溶性キトサンと木香抽出物で構成された天然セル伝達体 - Google Patents

水溶性キトサンと木香抽出物で構成された天然セル伝達体

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JP2003335696A JP2002138026A JP2002138026A JP2003335696A JP 2003335696 A JP2003335696 A JP 2003335696A JP 2002138026 A JP2002138026 A JP 2002138026A JP 2002138026 A JP2002138026 A JP 2002138026A JP 2003335696 A JP2003335696 A JP 2003335696A
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soluble chitosan
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チャンソク ソ
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 皮膚に対する刺激性が殆どなく、且つ広範囲
な抗菌スペクトルと抗炎症効果とを有する天然セル伝達
体を提供する。 【解決手段】 水溶性キトサン(HFP)と木香(Inula Hele
nium L.)抽出物とを含有することを特徴とする天然セル
伝達体である。なお、本発明は、天然セル伝達体に関す
るもので、さらに詳しくは水溶性キトサン(HFP)と木香
(Inula Helenium L.)抽出物が共に含有された天然セル
伝達体であって、既存の有機合成抗菌剤の短所を解消し
ながら、優れた諸特性、改善された抗菌効果、抗炎症効
果を有し、且つ広範囲な抗菌スペクトルを示すことがで
きる天然セル伝達体に関し、従って、該天然セル伝達体
は、食品、化粧品、医薬品等に使われ得るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は天然セル伝達体(nat
ural cell control carrier)に関するもので、さらに詳
しくは水溶性キトサン(HFP)と木香(Inula Helenium L.)
抽出物が共に含有された天然セル伝達体であって、既存
の有機合成抗菌剤の短所を解消しながら、優れた諸特
性、改善された抗菌効果、抗炎症効果を有し、且つ広範
囲な抗菌スペクトルを示すことができる天然セル伝達体
に関し、従って、該天然セル伝達体は、食品、化粧品、
医薬品等に使用できるものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に、食品、化粧品、医薬品を汚染
する微生物は、大きく細菌と黴に分けることができる。
また、細菌は、大きくグラム陽性細菌とグラム陰性細菌
に分けることができ、黴はイースト(Yeast)とモルド(mo
ld)に分けることができる。これら微生物は、水分が存
在する環境で生育できることが知られている。特に、化
粧品のように水分活性(Aw)の高い場合、微生物は、よく
生育する。食品、化粧品で微生物が増殖すると、炭水化
物の分解によりガスが生成したり、油脂化合物から脂肪
酸やケトンの残基が生成して酸敗が生じたり、蛋白質の
腐敗により異臭が発生したりもする。微生物の汚染と増
殖による化粧品等の製品の変質を防ぐために、抗菌剤が
用いられる。一般的に、食品、化粧品、医薬品等に使わ
れる抗菌剤としては、メチルp-ヒドロキシベンゾエイ
ト、プロピルp-ヒドロキシベンゾエイト、イミダゾリジ
ニルウレア、クエン酸、プロピレングリコール及びフェ
ノキシエタノール等があり、これらを適正含量で混合し
て使ったり、抗菌体系を増強する物質を任意に併用する
ことにより、より優れた抗菌効果を持つようにする。
【0003】しかし、有機合成抗菌剤には、耐性増加、
副作用、毒性、発癌性、正体不明物質の生成等の問題が
あり、品目の規制、使用量の限度規制等が徐々に厳しく
なっており、また、消費規制と客に対する境界性好み魅
力の低下により、徐々に購買力が落ちてきている。ま
た、医薬、食品、化粧品に使われる有機合成抗菌剤は、
少量の使用でも皮膚に対する刺激性と毒性が大きいた
め、接触性皮膚炎やアレルギーのような皮膚関連の副作
用を起こす原因となる。
【0004】従って、医薬、食品、化粧品等に用いられ
る抗菌剤は、抗菌力以外にも皮膚に対して低刺激性であ
り、毒性と耐性を有さない必要がある。本発明はこのよ
うな要求を充足する天然セル伝達体に関するものであ
り、水溶性キトサン(HFP)と木香抽出物(Inula Helenium
L.)で構成される。
【0005】キトサンの抗菌活性については既に広く知
られているが、そのメカニズムは殆ど分っておらず、キ
トサンのアミングループの陽電荷と微生物細胞壁の陰電
荷とが反応して微生物の成長を抑えることが推測される
だけである。本発明者等は、発明に使われた水溶性キト
サン(HFP)に対して、細胞での強力なNO生成機能、遺伝
子突然変異防止性、染色体変異防止能、細胞再生能力、
及び細胞調節性等の細胞活性が優秀であり、その安定
性、無毒性を検証したことがある[InternationalJourna
l of Immunopharmacology 22. 2000, 923 933; 米国特
許第5,730,876]。本発明者等の実験結果によれば、上記
した水溶性キトサン(HFP)は、細菌とイーストに対して
は強力な抗菌活性を示すものの、モルドに対しては抗菌
活性が全くなく、もしくは劣ることが分った。
【0006】
【発明の解決しようとする課題】本発明者等は、既存の
有機合成抗菌剤の短所を解消しつつ優れた諸特性と広範
囲な抗菌スペクトルを示す天然セル伝達体を開発しよう
とする努力の一環として、水溶性キトサン(HFP)を抗菌
剤に適用する場合の短所を補完できる天然物を検索した
ところ、水溶性キトサン(HFP)と木香抽出物(Inula Hele
nium L.)を併用することにより、細菌とイーストに対し
ては勿論、モルドに対しても優れた抗菌活性を示し、更
に抗炎症効果まで有する新規な天然セル伝達体を開発す
るに至った。本発明の水溶性キトサン(HFP)と木香抽出
物(Inula Helenium L.)を結合した形態の天然セル伝達
体に対して抗菌活性を試験した結果、バクテリア、酵母
及びモルドに対する抗菌効果が非常に優秀であり、ま
た、貼布試験(patch test)を通じて皮膚に対する刺激性
を試験した結果、有機合成防腐剤を使った時より30%〜6
0%程度皮膚刺激性が低いことが確認でき、更に、優れた
抗炎症効果を有することも確認した。
【0007】従って、本発明は、皮膚に対する刺激性が
殆どなく、且つ広範囲な抗菌スペクトルと抗炎症効果と
を有する天然セル伝達体を提供することにその目的があ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、水溶性キトサ
ン(HFP)と木香(Inula Helenium L.)抽出物で構成された
天然セル伝達体をその特徴とする。
【0009】また、本発明は、水溶性キトサン(HFP)と
木香(Inula Helenium L.)抽出物で構成された天然セル
伝達体を含有する抗菌剤を含む。
【0010】また、本発明は、水溶性キトサン(HFP)と
木香(Inula Helenium L.)抽出物で構成された天然セル
伝達体を含有する抗炎症剤を含む。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳しく説明すると
下記の通りである。本発明の天然セル伝達体の抗菌メカ
ニズムは、構成物が水分を含有する系(状態)で陽電荷(+
charge)を有することから始まる。即ち、細菌の細胞壁
成分であるテイコ酸(Teichoic acid)は、細胞壁(cell w
all)の伸張を調節する役割をし、陰電荷(- charge)を帯
びている。そのため、細胞壁(cell wall)の表面は、テ
イコ酸により陰電荷(- charge)を帯びることになる。従
って、陽電荷(+ charge)を帯びた本発明の天然セル伝達
体は、表面に陰電荷(- charge)を帯びた細菌の細胞壁と
強くイオン結合し、細菌の活性を強力に抑え成長を妨げ
る。強いイオン結合と薬物の伝達とにより、活動が制約
された細菌は、致命的な損傷を受け、急激にその活性が
落ちる。
【0012】また、本発明の天然セル伝達体は、上記し
た抗菌活性と共に抗炎症にも優れた効果を示す。炎症
は、損傷に対する生きている組織の反応であり、生体組
織がある原因により損傷を受けたとき、この損傷を局所
化させ損傷した部位を正常状態に戻すための防御機構で
ある。炎症には、損傷部位の血管、神経、体液及び細胞
の反応が関与する。炎症の原因としては、生物的原因
(細菌)、物理的原因(外傷)、化学的原因(内因性または
外因性化学物質)、免疫学的原因がある。炎症反応は、
血管変化、液体滲出、及び白血球浸潤が特徴であり、そ
の症状は、発赤、腫れ、熱及び痛みとして現れ、特に本
発明の天然セル伝達体は、白血球浸潤の回復力が優秀で
ある。
【0013】以上で説明したような本発明の天然セル伝
達体の構成について、より具体的に説明すると下記の通
りである。本発明で使用する水溶性キトサンは、米国特
許第5,730,876号に記載されている方法に基づき製造さ
れ、オリゴ糖対比分子量の範囲が100,000〜300,000であ
り、水に対する溶解特性に基づき免疫蛋白質を結合製造
したもので、セル伝達体としてセル及びアミノ酸を認識
し、tRNAがセル(cell)を刺激して間接的効果を発生す
る。このような水溶性キトサン(HFP)は、細胞内でのNO
生成機能、遺伝子突然変異防止性、細胞再生能力、細胞
調節性等の諸般の細胞活性が優秀であり、安定性、無毒
性が検証された高効率キトサンである[HFPTM, (株)Ja-K
wang製品; International Journal of Immunopharmacol
ogy 22. 2000, 923〜933]。
【0014】また、本発明の天然セル伝達体を構成する
他の成分は、木香抽出物であり、木香(Inula Helenium
L.)の有効成分は未だ知られていないが、その精油は、
防腐作用、抗炎症作用、駆虫作用があるため、漢医薬材
料として食品、医薬に現在広く活用されている。木香(I
nula Helenium L.)の幹と根には1〜5%の精油があるが、
この精油の結晶を「ヘレニン」と呼び、セリナン型のセ
スクイテルペンラクトンの混合物である。この混合物の
主要成分は、アラントラクトン(C15H20O2)、イソアラン
トラクトン(C15H20O2)、ジハイドロアラントラクトン(C
15H22O2)、アラントール酸等である。精油にはヘレニン
の他にも、トリテルペンアルコールであるダミラジエニ
ルアセテート(C32H52O2)、少量のアラントール(C15H23O
2)、及びプロアズレンが含有されている。根には、イヌ
リン(44%まで)、プソイドイヌリン、イヌレニン、サポ
ニン、苦み物質、色素、痕跡量のアルカロイドがある。
【0015】本発明では、下記のような抽出過程を経て
収得した木香抽出物を、有効成分として用いる。まず、
木香(Inula Helenium L.)の根を細かく切った後、50〜8
0%エタノールに3〜10日間浸出させて抜いた後、1次濾過
し、残液を冷蔵(-4℃)で3〜7日間熟成させ不溶解物を沈
澱させた後、2次濾過する。2次濾過された木香抽出物溶
液を、ロータリーエバポレーター(rotary evaporator)
と凍結乾燥機(freeze dryer)で固形粉になるまで乾燥さ
せ固体の木香抽出物を得る。
【0016】以上で説明した水溶性キトサン(HFP)と木
香抽出物(Inula Helenium L.)が含有された溶液を再度
冷凍乾燥し、透析のような生物学的分離方法を用いて物
理的誘導化過程を実施し、本発明の目的とする天然セル
伝達体を得る。
【0017】一方、本発明の天然セル伝達体を構成する
水溶性キトサン(HFP)と木香抽出物(Inula Helenium L.)
の構成比は、それぞれの最小阻止濃度(MIC)の結果を基
に決定される。
【0018】
【表1】
【0019】本発明の天然セル伝達体は、水溶性キトサ
ン(HFP)0.01〜99.99重量%と木香抽出物0.01〜99.99重量
%とを含み、望ましくは水溶性キトサン(HFP)50.00〜90.
00重量%と木香抽出物10.00〜50.00重量%とを含む。ま
た、本発明の天然セル伝達体を製品化するためには、天
然抗菌剤を純水に溶解させ、その濃度が1〜30%(w/v)に
なるよう希釈した後、再度凍結乾燥して製品化すること
ができる。上記表1から分かるように、キトサン(HFP)
と木香抽出物のそれぞれを使う時は自己固有範囲の抗菌
特性以外には効果が少ないが、一定の含量比で構成され
た本発明の天然セル伝達体は、キトサン(HFP)の持続
性、伝達性及び相互依存性によって抗菌効果を向上させ
ることができ、各構成要素がそれぞれ有する短所を補完
して、しきい部分で最大限効率化されることが分かる。
【0020】本発明の天然セル伝達体に対して抗菌活性
を試験した結果、バクテリア、酵母及びモルドに対する
抗菌効果が非常に優れており、また、皮膚に対する刺激
性を試験した結果、既存の有機合成抗菌剤を使った時よ
りも30%〜60%程度低い皮膚刺激性を示すことが確認で
き、更に、優れた抗炎症効果を有することも確認した。
【0021】
【実施例】本発明を下記の実施例に基づきさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらに限られるものではない。
【0022】製造例 1: 水溶性キトサンの収得[米国特
許第5,730,876号参照] リゾチーム(lysozyme)とキトサナーゼ(chitosanase)酵
素溶液中、25〜40℃で30〜70KHz範囲の変速超音波工程
の脱離反応を経て、逆方向の分離膜工程で分子量の小さ
い部分を分画除去し、相対的に分子量の大きい水溶性キ
トサンを収集して濾過及び冷凍乾燥を繰り返して得た。
以上の方法で得られた水溶性キトサンはオリゴ糖対比分
子量の範囲が10万〜30万であり、水に対する溶解性を備
え、ここに免疫プロテイン(Immuno Protein)をナノコー
ティング(size 50 nm)して細胞伝達体型(cell carrier
form)を製造した。なお、このような水溶性キトサン
は、(株)Ja-KwangからHFPTMの製品名で市販されてい
る。
【0023】製造例 2 : 木香抽出物の収得 木香(Inula Helenium L.)の根を細かく切った後、70%エ
タノールに5日間浸出させて抜いた後、1次濾過して、残
液を冷蔵(-4℃)で5日間熟成させ不溶解物を沈澱させた
後、2次濾過した。2次濾過された木香抽出物の溶液をロ
ータリーエバポレーター(rotary evaporator)と凍結乾
燥機(freeze dryer)で固形粉になるまで乾燥させ木香抽
出物を得た。
【0024】実施例 1 : 抗菌力比較試験 水溶性キトサン(HFP)、木香(Inula Helenium L.)抽出
物、及び水溶性キトサン-木香抽出物で構成されたセル
伝達体(cell carrier)のそれぞれに対する抗菌活性を調
べるため、下記のような比較実験を行った。
【0025】CTFA微生物学ガイドラインで推薦する菌の
うち、各種を代表する5種の菌を選定した後、標準プレ
ート計数法(plate count method)を使って各菌株に対す
る最小阻止濃度(MIC)を測定した。最小阻止濃度は、水
溶性キトサン(HFP)、木香抽出物(Inula Helenium L.)、
及び水溶性キトサン-木香抽出物で構成されたセル伝達
体のそれぞれを異なる濃度で含有する寒天プレートに試
験菌をストリーキングし(streaking)、3日間培養の後、
菌の生長有無を確認して決定した。
【0026】1. 試験菌 グラム陽性菌: スタフィロコッカスアウレウス(Staphyl
ococcus aureus)ATCC6538P グラム陰性腸内菌: エスケリキアコリ(Escherichia col
i)ATCC 8739 グラム陰性菌: シュードモナスアエルギノーザ(Pseudom
onas aeruginosa)ATCC9027 イースト: カンジダアルビカンス(Candida albicans)AT
CC 10231 モルド: アスペルギルスニゲル(Aspergillus niger)ATC
C 9642 2. 使用培地 栄養寒天(nutrient agar)培地、ポテトブドウ糖寒天(po
tato dextrose agar)培地
【0027】
【表2】
【0028】上記表2から、水溶性キトサン(HFP)の抗
菌活性は、木香(Inula Helenium L.)抽出物により強化
されたことが分かる。特に、抗菌構成体を化粧品等に適
用するためには抗菌活性を示す菌株の範囲が広くなけれ
ばならないが、上記比較実験で選定された菌等は、化粧
品を汚染し得る菌等のうち、代表的な菌を選定したもの
であるので、これらの菌に対しては必ず抗菌活性を示さ
なければならない。上記表2の結果は、水溶性キトサン
(HFP)と木香(Inula Helenium L.)のそれぞれを単独で使
う場合は欠乏点もあり得るが、これらを併用する場合は
優れた特性を示す抗菌剤となり得ることを示す。このよ
うに水溶性キトサン-木香抽出物で構成された本発明の
セル伝達体が優れた抗菌特性を示すことができたのは、
水溶性キトサン(HFP)固有の特性によるが、該水溶性キ
トサン(HFP)は、特質の向上効果と持続性が非常に優秀
であり、木香抽出物のような他の天然植物素材等と併用
した場合、併用した他の素材の特性を向上させることが
できる。従って、本発明の天然セル伝達体は、既存の有
機合成抗菌剤に比べて遜色のない抗菌特性を示すので、
既存の合成抗菌剤の代替として使用できることが確認で
きた。
【0029】実施例 2 : スキンローション剤形での抗
菌力試験 下記の表3に示したような組成を有するスキンローショ
ン1〜4のそれぞれに対して、スタフィロコッカスアウレ
ウス(Staphylococcus aureus)ATCC 6538P, エスケリキ
アコリ(Escherichia coli)ATCC 8739, シュードモナス
アエルギノーザ(Pseudomonas aeruginosa)ATCC 9027,
カンジダアルビカンス(Candida albicans)ATCC 10231及
びアスペルギルスニゲル(Aspergillus niger)ATCC 9642
菌株に対する抗菌活性実験を行った。その結果を下記の
表4〜表8に示す。
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】
【表5】
【0033】
【表6】
【0034】
【表7】
【0035】
【表8】
【0036】上記表4〜表8の細菌に対する抗菌力試験
において、本発明の天然セル伝達体が含有されたスキン
ローションは、自己処方(self-prepared)エタノールと
同等の抗菌力を見せる。しかし、イーストやモルドに対
する抗菌力においては、本発明の水溶性キトサンと木香
抽出物で構成された天然セル伝達体は、既存の有機合成
抗菌剤、例えばメチルp-ヒドロキシベンゾエイト(methy
l p-hydroxybenzoate)、プロピルp-ヒドロキシベンゾエ
イト(propyl p-hydroxybenzoate)、イミダゾリディニー
ルウレア(imidazolidinyl urea)、クエン酸(citric aci
d)、プロピレングリコール(propylene glycol)及びフェ
ノキシエタノール(phenoxyethanol)等の投入処方に比べ
て優秀な抗菌力を示すことが分かる。
【0037】本発明の天然セル伝達体が従来の有機合成
抗菌剤より優秀な抗菌力を示す他の理由は、水分を含有
する系(状態)でセル伝達体が陽電荷(+ charge)を帯びる
ことから始まる。即ち、陽電荷(+ charge)を帯びた天然
セル伝達体が、陰電荷(- charge)を帯びた細菌の細胞壁
と強いイオン結合を形成することにより、強力な抗菌力
を示す。
【0038】実施例 3 : ミルクローション剤形での抗
菌力試験 下記の表9に示したような組成を有するミルクローショ
ン1〜4のそれぞれに対して、スタフィロコッカスアウレ
ウス(Staphylococcus aureus)ATCC 6538P, エスケリキ
アコリ(Escherichia coli)ATCC 8739, シュードモナス
アエルギノーザ(Pseudomonas aeruginosa)ATCC 9027,
カンジダアルビカンス(Candida albicans)ATCC 10231
及びアスペルギルスニゲル(Aspergillus niger)ATCC 96
42菌株に対する抗菌活性実験を行った。その結果を下記
の表10〜表14に示す。
【0039】
【表9】
【0040】
【表10】
【0041】
【表11】
【0042】
【表12】
【0043】
【表13】
【0044】
【表14】
【0045】上記表10〜表14の5種の菌に対するミ
ルクローションの抗菌力を考察すると、本発明の天然抗
菌剤が多少少なく含まれたミルクローション1の場合、
ミルクローション3(有機合成防腐剤含有処方)に比べて
抗菌力が少し劣るが、本発明の天然セル伝達体が有効量
含まれたミルクローション2の場合は、全菌種にわたっ
てミルクローション3に比べて抗菌力が劣らないことが
分かる。更に、スタフィロコッカスアウレウス(表1
0)、シュードモナスアエルギノーザ(表12)、及びカ
ンジダアルビカンス(表13)の場合は、本発明の天然抗
菌剤が含まれたミルクローション2の方がより優れた抗
菌力を示すことが分かる。また、キトサンの弱点である
アスペルギスニゲルに対する抗菌力においても、表14
のように充分維持されることが分かる。従って、本発明
による水溶性キトサン-木香抽出物の天然セル伝達体
は、従来一般的に使われてきた有機合成抗菌剤と同等以
上の抗菌力を示すことが分かる。
【0046】実施例 4 : クリーム剤形での抗菌力試験 下記の表15に示したような組成を有するクリーム1〜4
のそれぞれに対して、スタフィロコッカスアウレウス(S
taphylococcus aureus)ATCC 6538P, エスケリキアコリ
(Escherichia coli)ATCC 8739, シュードモナスアエル
ギノーザ(Pseudomonas aeruginosa)ATCC 9027, カンジ
ダアルビカンス(Candida albicans)ATCC 10231及びアス
ペルギルスニゲル(Aspergillus niger)ATCC 9642菌株に
対する抗菌活性実験を行った。その結果を下記の表16
〜20に示す。
【0047】
【表15】
【0048】
【表16】
【0049】
【表17】
【0050】
【表18】
【0051】
【表19】
【0052】
【表20】
【0053】ミルクローションと同様に化粧品において
最も広く使われるクリームでの防腐力を考察すると、本
発明の天然セル伝達体が有効量含まれたクリーム2がク
リーム3に比べて遜色のない抗菌力を示すことが分か
る。クリームとミルクローションは構成成分が類似する
が、物理的特性の違いにより、防腐力が異なることもあ
る。上記の結果から、物理的特性に関わらず、本発明に
よる水溶性キトサン-木香抽出物の天然セル伝達体が安
定した抗菌力を示すことが分かる。
【0054】実施例 5 : 貼布試験の結果 上記実施例2-4で製造された化粧品の剤形それぞれに対
して貼布試験を行った結果を、下記の表21に示す。
【0055】貼布試験は、24時間パッチを貼布後、パッ
チを除去して1時間と24時間後に試験部位を観察して行
い、紅斑(erythema)の有無及びサイズに対して加重値を
置いて評価した。貼布試験の判定は、国際接触皮膚炎研
究会(International ContactDermatitis Research Grou
p: ICDRG)の基準に従い、総刺激点数を加えた後、被検
者数で割って平均刺激指数(mean score)を求めた。
【0056】
【表21】
【0057】上記表21から、本発明の天然セル伝達体
が含まれた化粧品の剤形(剤形 1, 2)は、既存の有機合
成抗菌剤が含まれた化粧品の剤形(剤形 3)と比較して平
均刺激指数が低いことが分かり、スキンローションでは
30〜40%、ミルクローションでは60%程度、そしてクリー
ムでは50%程度低い平均刺激指数を示した。
【0058】以上の結果から、既存の有機合成抗菌剤を
使った処方より本発明の天然セル伝達体を使った方が、
優れた抗菌効果は勿論、皮膚刺激が著しく低くなること
が明白に分かり、抗炎症効果も有することが確認され
た。
【0059】実施例 6 : 抗炎症効果試験(Anti-inflamm
ation assay) 水溶性キトサンと木香抽出物3:1重量比で構成された本
発明の天然セル伝達体の抗炎症効果(Anti-inflammatory
activity)を、下記のように試験した。薬物アレルギー
や薬物副作用の経歴のない健康な男女被検者20人を対象
として、メチルニコチネート(methyl nicotinate)を炎
症誘発物質として用い、本発明の天然セル伝達体を試験
物質1とし、優れた抗炎症効果を有する物質として知ら
れるインドメタシン(indomethacin)を試験物質2とし
て、試験を実施した。まず、試験部位である上腕内側部
位を色彩色差計(chromameter:minolta, CR-300)を使っ
て初期"a"値(試験部位のredness)を測定した。上記構成
物1.0%水溶液とインドメタシン0.1%水溶液をそれぞれ4
時間試験部位にきっちり貼布した後、貼布を除去し純水
で洗浄した。一過性の炎症反応が消失するまで1時間程
度待った後、色差計を使って再度それぞれの試験部位
の"a"値を測定した。次に、純水にメチルニコチネート
を3mMになるよう希釈した溶液を、直径1cmのフィルター
ペーパーディスクに80μl滴下した後、1〜2分間各試験
部位に付着させた。フィルターペーパーディスクを除去
した後、純水を使って各試験部位を充分洗浄した。30分
経過後、色差計で再度各試験部位を測定して"a"値を求
めた。本発明の天然セル伝達体及びインドメタシン水溶
液貼布部位の"a"値と炎症誘発物質であるメチルニコチ
ネート適用後の"a"値とを比較し、それぞれの抗炎症効
果を計算した。この実験から、本発明の天然セル伝達体
は、抗炎症効果の評価基準材料であるインドメタシンに
比べて、抗炎症効果が非常に優れることが分った。
【0060】
【表22】
【0061】
【発明の効果】上述のように、本発明の天然セル伝達体
は、水溶性キトサン(HFP)と木香(Inula Helenium L.)抽
出物で構成された細胞伝達物体であって、相互の短所を
補完しつつ抗菌力を極大化し、抗炎症効果も有するの
で、食品、化粧品、医薬品等、適用分野が広い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 7/00 A61K 7/00 N 7/48 7/48 31/722 31/722 A61P 17/00 101 A61P 17/00 101 29/00 29/00 31/04 31/04 43/00 111 43/00 111 (72)発明者 ソ サンボン 大韓民国 456−310 キョンギ アンソン ケムサン−ドン 11−5 3/1 (72)発明者 ソ チャンソク 大韓民国 456−705 キョンギ アンソン ダンワン−ドン 534 テーウー アパ ートメント 104−401 Fターム(参考) 4B021 MC01 MK05 MK28 4C083 AA082 AA111 AA112 AA122 AB032 AC022 AC072 AC102 AC122 AC182 AC302 AC342 AC402 AC422 AC432 AC532 AC642 AC682 AC712 AD052 AD072 AD152 AD172 AD202 AD321 AD322 AD492 BB51 CC04 CC05 DD23 DD27 DD31 EE07 EE09 EE12 EE13 FF01 4C086 AA01 EA23 MA02 MA03 MA04 MA05 NA05 NA10 ZA90 ZB11 ZB35 ZC75 4C088 AB26 AC11 BA10 CA06 CA08 CA11 MA04 MA22 MA28 NA05 NA10 ZA90 ZB11 ZB35 ZC75

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性キトサン(HFP)と木香(Inula Hele
    nium L.)抽出物とを含有することを特徴とする天然セル
    伝達体。
  2. 【請求項2】 上記水溶性キトサン(HFP)0.01〜99.99重
    量%と木香抽出物0.01〜99.99重量%とを含有することを
    特徴とする請求項1記載の天然セル伝達体。
  3. 【請求項3】 上記水溶性キトサン(HFP)50.00〜90.00
    重量%と木香抽出物10.00〜50.00重量%とを含有すること
    を特徴とする請求項2記載の天然セル伝達体。
  4. 【請求項4】 水溶性キトサン(HFP)と木香(Inula Hele
    nium L.)抽出物とからなる天然セル伝達体を含有するこ
    とを特徴とする抗菌剤。
  5. 【請求項5】 水溶性キトサン(HFP)と木香(Inula Hele
    nium L.)抽出物とからなる天然セル伝達体を含有するこ
    とを特徴とする抗炎症剤。
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