JP2003334672A - 摩擦撹拌接合用回転工具とその回転工具を用いた摩擦撹拌接合方法 - Google Patents

摩擦撹拌接合用回転工具とその回転工具を用いた摩擦撹拌接合方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ばり取り用のカッター機能を備えた摩擦撹拌
接合用回転工具について、過不足なく且つ効率的にばり
取りを行える構造を提供する。 【解決手段】 工具1の主体となるツール本体2の先端
に、相対回転不能で且つ軸心方向にスライド可能なリン
グ状のばり取り用のカッター3を装着する。カッター3
には圧縮コイルスプリング4によって常時下向きの弾性
力が付与され、またカッター3の下面には放射状の複数
の切れ刃8が形成されている。切れ刃8には逃げ角αと
すくい角βが同じ大きさのものとして設定されていて、
工具1自体の前進角θもそれらの逃げ角αおよびすくい
角βと同じ大きさに設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム等に
代表されるような軽合金の摩擦撹拌接合に用いられる回
転工具の構造に関し、特に摩擦撹拌接合処理に伴って発
生するばりの除去を目的としたカッター機能を備えた摩
擦撹拌接合用回転工具の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】摩擦撹拌接合は、図2の(A),(B)
に示すように先端に小径の突起部31を有する中実円筒
状の工具30を回転させながら例えば突き合わせ状態と
したアルミニウム等の被接合部材W1,W2に加圧進入
させて摩擦熱を発生させる一方で、接合線Pに沿って工
具30に送りを与え、変形抵抗を失った被接合部材W
1,W2同士を塑性流動を基本とする接合力をもって突
き合わせ溶接のごとき形態で接合することを基本として
いる。なお、被接合部材W1,W2は裏当て金32によ
ってバックアップされている。
【0003】そして、摩擦撹拌接合は摩擦撹拌によって
積極的に塑性流動を発生させるがために接合ビード部F
にばりBの発生が不可避であり、そのために工具30に
ばり取り用のカッターを付加して摩擦撹拌接合処理とい
わゆるばり取りとを同時進行させるようにしたものが例
えば特開平10−71477号公報、特開2000−9
4158号公報および特開2000−334578号公
報等にて提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ばり取り用のカッター
を備えた従来の摩擦撹拌接合用工具では、いずれのタイ
プも実質的に工具自体とカッターとが一体構造となって
いるため、被接合部材と工具との相対位置決めをきわめ
て高精度に行う必要があり、必ずしも十分なばり取りを
行えず、特に三次元形状の被接合部材の接合においては
その傾向が一段と顕著となる。したがって、摩擦撹拌接
合処理後に別工程にて再度ばり取り作業を行わなければ
ならず、工数の増加が余儀なくされる。
【0005】より具体的には、摩擦撹拌接合では工具の
軸心を送り方向後方側にわずかに倒すようにしていわゆ
る前進角を付与することが行われるが、被接合部材の接
合狙い位置に対する工具の押し込み量や前進角等の条件
がわずかでも変化すると、カッターにて被接合部材を過
剰に削り込んでしまったり、あるいはばりの削り残しが
発生して、所期の目的を達成することができなくなるほ
か、工具とカッターとが一体構造であるがためにばり取
り時の切削抵抗によって振動が起こり、本来のの接合品
質に悪影響を与えるおそれがあり好ましくない。
【0006】本発明はこのような課題に着目してなされ
たものであり、摩擦撹拌接合処理と並行してばり取り作
業を正確に且つ効率よく行えるようにした摩擦撹拌接合
用回転工具とその回転工具を用いた摩擦撹拌接合方法を
提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、ツール本体と、このツール本体の先端にこれと同心
状に形成された小径の突起部と、ツール本体の先端部に
設けられたばり取り用のカッターとを備え、工具の回転
運動に伴う摩擦撹拌接合と並行して接合ビード部に発生
したばりをカッターにて切削除去するようにした摩擦撹
拌接合用回転工具であって、先端に切れ刃が形成された
リング状のカッターをツール本体に対しその軸心方向に
スライド可能に外挿するとともに、そのカッターに突起
部側に向かう弾性力を付与したことを特徴とする。
【0008】上記弾性力は、請求項2に記載のように、
例えばツール本体とカッターとの間に介装した圧縮コイ
ルスプリング等の弾性体によって与えられる。
【0009】また、カッターはツール本体に対しその軸
心方向にスライド可能であっても、請求項3に記載のよ
うにツール本体とカッターはその相対回転が阻止されて
いて、且つツール本体に対してカッターが突起部側に最
もスライド変位した状態では、カッターの切れ刃がツー
ル本体の先端面であるショルダー面と整合一致するよう
に設定されていることが望ましい。
【0010】また、ばり取りを正確且つ確実に行う上で
は、請求項4に記載のようにカッターの切れ刃にはカッ
ター自体の軸心側から外周側に向かって仰角となる逃げ
角が設定されていたり、あるいは請求項5に記載のよう
にカッターの切れ刃には回転方向前方側から後方側に向
かって仰角となるすくい角が設定されていることが望ま
しく、より望ましくは、請求項6に記載のようにカッタ
ーの切れ刃の逃げ角とすくい角とが共に同じ大きさに設
定されているものとする。
【0011】さらに、請求項1〜6のいずれかに記載の
摩擦撹拌接合用回転工具を用いて摩擦撹拌接合を行う場
合には、ツール本体の先端部よりも上端部側の方が工具
送り方向後方側となるようにツール本体に前進角を持た
せた状態で摩擦撹拌接合処理を行うのが望ましく、特に
請求項6に記載のようにカッターの切れ刃に逃げ角およ
びすくい角が共に同じ大きさのものとして設定されてい
る場合には、請求項7に記載のようにツール本体の先端
部よりも上端部側の方が工具送り方向後方側となるよう
にツール本体に前進角を持たせた上で、そのツール本体
の前進角をカッターの切れ刃の逃げ角およびすくい角に
一致させた状態で摩擦撹拌接合処理を行うことが望まし
い。
【0012】ここで、上記の前進角は工具の送り速度や
回転数ならびに材質の違い等の影響をほとんど受けるこ
とがないとされており、一般的には4〜5°程度に設定
される。
【0013】したがって、請求項1〜6に記載の発明で
は、例えば被接合部材の接合位置や形状がばらついて工
具の被接合部材への押し込み量や前進角等が変化した場
合、もしくは摩擦撹拌接合条件の調整のために上記押し
込み量や前進角等を積極的に変化させた場合には、弾性
付勢されているカッターはそれに応じてツール本体の軸
心方向に摺動することから、カッターが被接合部材を過
剰に削り込んでしまうこともなければ、ばりの削り残し
等も発生しにくくなり、摩擦撹拌接合処理に伴って接合
ビード部に発生したばりを綺麗に削り取ることができる
ようになる。
【0014】特に請求項2に記載のように、ツール本体
とカッターとの間に圧縮コイルスプリング等の弾性体が
介装されていて、この弾性体によってカッターが弾性付
勢されていると、ばりの切削除去に伴う振動が弾性体に
よって吸収されてツール本体には伝わりにくくなるた
め、摩擦撹拌接合処理とばり取りとを並行して行ったと
してもばり取りに伴う振動が本来の摩擦撹拌接合品質に
は何ら影響しなくなる。
【0015】その上、請求項7に記載のように、カッタ
ーの切れ刃の逃げ角とすくい角を共に同じ大きさに設定
した上で、さらにそれを工具自体の前進角と一致させて
摩擦撹拌接合処理を行うと、工具のうち少なくとも送り
方向後方側ではカッターの切れ刃が被接合部材平面(接
合ビード平面)に対して平行に当たることになるため、
ばりの削り残しがないように綺麗にばりを削り取ること
ができるようになる。
【0016】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、ツール
本体の先端に装着したばり取り用のカッターが突起部側
に向かって弾性付勢されながら軸心方向のスライド自由
度を有しているため、工具の押し込み量や前進角が変化
したとしても高精度な位置決めを要することなしにカッ
ターを被接合部材平面に忠実に追従させることができる
ことから、被接合部材を過剰に削り過ぎたりあるいはば
りの削り残しが発生することがなく、摩擦撹拌接合と並
行してばりを綺麗に切削除去することができ、接合品質
およびばり取り品質共に飛躍的に向上する。その上、後
工程でのさらなるばり取り作業が不要となって、工数削
減にも寄与できるようになる。
【0017】特に請求項2に記載のように、カッターが
弾性部材でに付勢されていると、その弾性体がばり取り
作業に伴う振動を吸収する機能を発揮することから、ば
り取り作業に伴う振動が接合品質に影響することがなく
なり、接合品質の一層の向上が期待できるようになる。
【0018】また、請求項3に記載の発明によれば、ツ
ール本体に対してカッターが最も下降した時の位置がシ
ョルダー面と整合一致する位置に規制されているため、
請求項1または2に記載の発明と同様の効果に加えて、
被接合部材への過剰の削り込みをより確実に防止できる
利点がある。
【0019】請求項4,5に記載の発明によれば、カッ
ターの切れ刃に逃げ角または逃げ角とすくい角の双方を
設定し、さらに請求項6に記載の発明によれば、その逃
げ角とすくい角を共に同じ大きさに設定したため、カッ
ターの被削性が向上するともに、カッターの長寿命化を
図ることができるようになる。
【0020】請求項7に記載の発明によれば、工具の前
進角をカッターの切れ刃の逃げ角およびすくい角と一致
させた状態で摩擦撹拌接合処理を行うようにしたため、
被接合部材平面に対して切れ刃を平行に当てることがで
きるようになって特にばりの削り残しをなくすることが
でき、ばりの切削除去効率とばり取り作業品質が一段と
向上する。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る摩擦撹拌接合
用回転工具(以下、単に工具という)の好ましい実施の
形態を示す図であり、(A)は同工具を用いた加工時の
側面図を、(B)はその平面図をそれぞれ示している。
【0022】同図に示すように、工具1は、ツール本体
2と、そのツール本体2の先端部に装着されたリング状
のばり取り用のカッター3と、それらツール本体2とカ
ッター3との間に介装された弾性体たる圧縮コイルスプ
リング4とから構成されている。
【0023】ツール本体2は、例えば中実円筒状の工具
鋼もしくはステンレス鋼等をもって段付き軸状に形成し
たもので、一般部たる大径部2aの先端部側に中径部2
bが設定されていて、さらにその中径部2bの先端面2
cにはピン状の小径の突起部5が一体に形成されてい
る。そして、中径部2bの先端面2cは、突起部5が被
接合部材W1,W2に押し込まれる際のショルダー面と
して機能することになる。
【0024】ツール本体2の中径部2bには、リング状
のカッター3が相対回転を阻止されながら軸心方向にス
ライド可能に外挿されているとともに、大径部2aと中
径部2bとなす段状部とカッター3との間には圧縮コイ
ルスプリング4が介装されていて、これによってカッタ
ー3は常時下方にすなわち突起部5側に向かって弾性付
勢されている。
【0025】より詳しくは、ツール本体2の中径部2b
には軸心方向に沿って長穴形状となる軸穴6が直径方向
に貫通形成されている一方、カッター3には軸穴6を通
りながらカッター3自体の直径方向に貫通する軸7が圧
入されている。軸7の両端は図示しないボルト,ナット
の形態もしくはかしめ加工等によってカッター3からの
抜け止めが施されているとともに、軸穴6はその長穴範
囲内での軸7の上下動をスムーズに許容するためにその
穴径が軸7の直径よりもわずかに大きく形成されてい
る。これにより、カッター3とツール本体2との相対回
転が阻止されている一方で、カッター3は軸穴6の長穴
範囲内で上下方向にスライド変位可能となっている。
【0026】そして、ツール本体2に対するカッター3
の最下降位置は軸穴6の下側端面に軸7が当接した状態
をもって規制されることになることから、この状態では
カッター3のうち後述する切れ刃8の最内周側の稜線8
aがショルダー面2cと整合一致し、且つカッター3に
は圧縮コイルスプリング4による所定大きさの弾性力が
作用するように設定されている。
【0027】カッター3の下面には、クラウンギヤのご
とき形態をもって例えば4枚の切れ刃8が放射状に形成
されている。各切れ刃8には、カッター3自体の軸心と
直交する平面例えばショルダー面2cを基準とした場合
にカッター3自体の軸心側から外周側に向かって仰角と
なる逃げ角αが設定されているとともに、同様に回転方
向前方側から後方側に向かって仰角となるすくい角βが
設定されていて、これらの逃げ角αおよびすくい角β共
に例えば4〜5°程度に設定されている。言い換えるな
らば、各切れ刃8は最内周側(ツール本体2の中径部2
bに最も近い部分)から外周側に向かって仰角となるよ
うな傾斜面となっているとともに、同様に回転方向にお
いても回転方向前方側から後方側に向かって仰角となる
ような傾斜面となっている。
【0028】ここで、実際に摩擦撹拌接合処理を行う際
には、工具1を一定方向(例えば矢印D方向)に回転さ
せながら工具1自体の軸心を後方側に所定角度θだけ傾
斜させて、すなわち工具1の先端部側よりも上端部側の
方が工具送り方向の後方側となるように所定の前進角θ
を与えた状態で所定速度の送りを与えることになるので
あるが、本実施の形態ではその前進角θをカッター3の
切れ刃8の逃げ角αおよびすくい角βと等しくなるよう
に設定してある。なお、工具1に前進角θを与えるの
は、工具1の送り方向前側での回転摩擦力によって工具
1と被接合部材W1,W2との相対位置がずれるのを防
ぎつつ送り指向性を高め、同時に摩擦力および塑性流動
量を増加させて撹拌効率を高めるためである。
【0029】このように各切れ刃8の逃げ角αとすくい
角βおよび前進角θ共に同じ大きさに設定することによ
り、各切れ刃8の最内周側の稜線8aは回転方向のいず
れの位置においても被接合部材W,1W2の平面と平行
となり、且つ切れ刃8そのものを含むすくい面が送り方
向の最も後方位置を通過する際に被接合部材W1,W2
の平面と平行となるように考慮されている。
【0030】したがって、図1に示す本実施の形態によ
れば、摩擦撹拌接合処理に際しては、基本的には従来と
同様に突起部5を含む工具1の先端部を被接合部材W
1,W2に圧入しながらこれを回転させて且つ接合中心
線Pに沿って送りを与えるものとし、同時に先に述べた
ように工具1の軸線を鉛直軸線よりも後方側に例えば4
〜5°程度倒して前進角θを与える。これにより、被接
合部材W1,W2に摩擦撹拌接合が施され、それに伴い
接合ビード部9の幅方向両端部9aに隆起するようなか
たちでばりBが発生することになるが(図2の(A)参
照)、その摩擦撹拌接合に伴って接合ビード部9に発生
したばりBがツール本体2と一体的に回転するカッター
3によって切削除去される。
【0031】特に、ばりBはツール本体2の先端の中径
部2bが回転しながら移動することによってできる接合
ビード部9の幅方向両端9aすなわち中径部2bの直径
を幅寸法とする接合ビード部9の幅方向両端9aに多く
発生することになるが、カッター3は摩擦撹拌接合に直
接関与するツール本体2の中径部2bよりも外側に位置
していて、しかもカッター3の切れ刃8は中径部2bの
円周を始端部としつつ所定の逃げ角αを有しているため
に、摩擦撹拌接合に伴って発生したばりBはその発生始
端部から綺麗に切削除去される。
【0032】この場合、工具1の先端のカッター3とツ
ール本体2とは相対回転が阻止されてはいても、カッタ
ー3はツール本体2に対して上下方向にスライド変位可
能であることから、例えば摩擦撹拌接合進行中において
被接合部材W1,W2に対する工具1の圧入量や前進角
θが変化した場合、またはそれらの工具圧入量や前進角
θを接合条件制御のために積極的に変化させた場合に
は、それに伴ってカッター3がツール本体2に対して上
下方向にスライド変位して、被接合部材W1,W2の平
面との相対位置関係を一定に保つことになる。そのため
に、カッター3が被接合部材W1,W2を過剰に削り込
んでしまうこともなければ、ばりBの削り残しも発生し
にくいものとなる。
【0033】より詳しくは、ばり取り用のカッター3の
切れ刃8に共に同じ大きさの逃げ角αとすくい角βを予
め設定してある一方で、工具1自体の前進角θもまたそ
れらの逃げ角αおよびすくい角βと同じ大きさに設定し
てあるため、工具1自体の回転中心よりも前方側では切
れ刃8が被接合部材W1,W2の平面から浮き上がり気
味になる一方で、切れ刃8のうち中径部2bに最も近い
部分の稜線8aはどの位置でも被接合部材W1,W2の
平面と平行となるとともに、工具1自体の回転中心より
も後方側であって且つ送り方向中心線Pと合致する位置
を通過する際にその稜線8aが高さ方向で最も低い位置
となる。また、切れ刃8そのもの(切れ刃8のうちカッ
ター3の直径方向を指向することになる稜線)は、工具
1自体の回転中心よりも後方側であって且つ送り方向中
心線Pと合致する位置を通過する際に高さ方向で最も低
い位置となりながら被接合部材W1,W2の平面高さ位
置と一致しながらこれと平行となることから、摩擦撹拌
接合に伴って発生したばりBは過不足なく切削除去され
ることになる。
【0034】ここで、送り方向中心線Pと直交する線Q
上をカッター3の切れ刃8が通過する際にその切れ刃8
の根元部の稜線8aが被接合部材W1,W2の平面高さ
と一致することが理想であるが、その場合には前進角θ
を設定してあることによって工具1自体の回転中心より
も後方側であって且つ送り方向中心線Pと合致する位置
を通過する際にその稜線8aが被接合部材W1,W2の
平面高さ位置よりも低い位置となるので、少なくとも工
具1の回転中心よりも後方側では接合ビード部9を凹状
に削り取ってしまうことになり好ましくない。ただし、
この接合ビード部9の凹状に削り取りが許容される場合
には上記の理想的とされる設定としてもよい。
【0035】このように本実施の形態によれば、工具1
による摩擦撹拌接合処理と並行してその摩擦撹拌接合に
伴って発生したばりBをカッター3にて過不足なく且つ
綺麗に切削除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施の形態を示す図で、
(A)は加工中の摩擦撹拌接合用回転工具の半断面説明
図、(B)は同図(A)の平面説明図。
【図2】摩擦撹拌接合の基本原理を示す図で、(A)は
その加工中の要部斜視図、(B)は同図(A)の断面説
明図。
【符号の説明】
1…摩擦撹拌接合用回転工具 2…ツール本体 2c…ショルダー面(先端面) 3…カッター 4…圧縮コイルスプリング(弾性体) 5…突起部 6…軸穴 7…軸 8…切れ刃 8a…稜線 9…接合ビード部 B…ばり W1,W2…被接合部材 α…逃げ角 β…すくい角 θ…前進角

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ツール本体と、このツール本体の先端に
    これと同心状に形成された小径の突起部と、ツール本体
    の先端部に設けられたばり取り用のカッターとを備え、
    工具の回転運動に伴う摩擦撹拌接合と並行して接合ビー
    ド部に発生したばりをカッターにて切削除去するように
    した摩擦撹拌接合用回転工具であって、 先端に切れ刃が形成されたリング状のカッターをツール
    本体に対しその軸心方向にスライド可能に外挿するとと
    もに、そのカッターに突起部側に向かう弾性力を付与し
    たことを特徴とする摩擦撹拌接合用回転工具。
  2. 【請求項2】 ツール本体とカッターの間にはそのカッ
    ターを突起部側に向かって弾性付勢する弾性体が介装さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載の摩擦撹拌接
    合用回転工具。
  3. 【請求項3】 ツール本体とカッターはその相対回転が
    阻止されているとともに、 ツール本体に対してカッターが突起部側に最もスライド
    変位した状態では、カッターの切れ刃がツール本体の先
    端面であるショルダー面と整合一致するように設定され
    ていることを特徴とする請求項1または2に記載の摩擦
    撹拌接合用回転工具。
  4. 【請求項4】 カッターの切れ刃には、カッター自体の
    軸心側から外周側に向かって仰角となる逃げ角が設定さ
    れていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載の摩擦撹拌接合用回転工具。
  5. 【請求項5】 カッターの切れ刃には、回転方向前方側
    から後方側に向かって仰角となるすくい角が設定されて
    いることを特徴とする請求項4に記載の摩擦撹拌接合用
    回転工具。
  6. 【請求項6】 カッターの切れ刃の逃げ角とすくい角が
    共に同じ大きさに設定されていることを特徴とする請求
    項5に記載の摩擦撹拌接合用回転工具。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の摩擦撹拌接合用回転工
    具を用いた摩擦撹拌接合方法であって、 ツール本体の先端部よりも上端部側の方が工具送り方向
    後方側となるようにツール本体に前進角を持たせた状態
    で摩擦撹拌接合処理を行うにあたり、 ツール本体の前進角をカッターの切れ刃の逃げ角および
    すくい角に一致させた状態で摩擦撹拌接合処理を行うこ
    とを特徴とする摩擦撹拌接合方法。
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