JP2003334532A - 六価クロム含有土壌の処理方法 - Google Patents

六価クロム含有土壌の処理方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】六価クロムを含む土壌について、長期間に亘っ
て六価クロムの溶出量を抑制できる方法を提供すること
である。 【解決手段】六価クロムを含有する土壌を、還元雰囲気
下において200〜600℃で加熱処理することを特徴
とする六価クロム含有土壌の処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、六価クロムを含有
する土壌の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】メッキ工場跡地の六価クロム汚染は社会
問題となっており、その土地の価格を著しく低下させる
原因ともなっている。
【0003】この様な六価クロムを含有する土壌に、通
常のセメント固化材を添加して固化させるだけでは、有
害重金属の溶出を環境基準以下に抑えることは困難であ
る。このため、六価クロム含有土壌の浄化方法として
は、汚染土壌を完全に取り除き処分場に廃棄する方法、
汚染土壌に電極を差し込んで大電流を流し、電極間の土
壌をガラス固化する方法、セメント系固化材にキレート
樹脂を混合し、これを用いて汚染土壌を固化する方法等
が採用されている。
【0004】しかしながら、これらの方法の内で、汚染
土壌を除去する方法は、埋め立て処分場の不足などの問
題があり、好ましい方法とはいえない。
【0005】また、電極を差し込んで大電流を流す方法
は、大規模な装置が必要となり、コスト的に実用化が困
難である。
【0006】キレート樹脂を含むセメント系固化材を用
いる方法は、キレート樹脂の安定性に問題があり、長期
的には、固定した重金属が再溶出する可能性がある。
【0007】その他の方法として硫酸第一鉄などの還元
剤を混合する方法等も考えられているが、長期間に亘っ
て六価クロムの溶出を防止することは困難であり、しか
も還元剤自体が有毒であるという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来技術の現状に鑑みてなされたものであり、その主な目
的は、六価クロムを含む土壌における六価クロム溶出量
を低下させることができる方法、特に、土地環境基準以
上の六価クロムの溶出がある土壌について、長期間に亘
って溶出量を土壌環境基準以下に抑制できる方法を提供
することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記した目
的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、六価クロムによ
って汚染された土壌、特に、土壌環境基準を上回る六価
クロム溶出量を有する土壌について、還元雰囲気下にお
いて200〜600℃程度の温度範囲で加熱することに
よって、六価クロムの溶出量を土壌環境基準以下に抑制
することが可能となることを見出し、ここに本発明を完
成するに至った。
【0010】即ち、本発明は、以下の六価クロム含有土
壌の処理方法、及び処理装置を提供するものである。 1. 六価クロムを含有する土壌を、還元雰囲気下にお
いて200〜600℃で加熱処理することを特徴とする
六価クロム含有土壌の処理方法。 2. 還元雰囲気下における加熱処理が、密閉状態の容
器中において酸素の供給を抑制した状態で加熱処理する
方法である上記項1に記載の方法。 3. 還元性ガスを供給して加熱を行う上記項2に記載
の方法。 4. (1)円筒形のパイプ及びその外部に設置された
加熱手段を備え、該円筒形パイプの内部において土壌を
加熱する加熱部、(2)空気の流入を抑制でき、且つ加
熱部に土壌を供給できる構造を備えた土壌供給部、
(3)空気の流入を抑制でき、且つ加熱処理された土壌
を排出できる構造を備えた土壌排出部、を含むことを特
徴とする六価クロム含有土壌の処理装置。 5.加熱部が、回転可能な傾斜構造の円筒形パイプ及び
その外部に設置された電気ヒーターを備えたものであ
り、土壌供給部が、ホッパー及びスクリューフィダーを
備えたものであり、土壌排出部が、間欠的に開閉できる
蓋を備え、蓋を閉じた状態で空気の流入を遮断できる構
造を有するものである上記項4に記載の六価クロム含有
土壌の処理装置。 6. 更に、加熱部内部の気体を抜き出して該気体中の
水分を除去した後、水分除去後の気体を加熱部内部に戻
すことのできる循環路を備えた上記項4又は5に記載の
六価クロム含有土壌の処理装置。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明方法では、六価クロムを含
有する土壌であれば、どのような土壌であっても処理対
象とすることができる。特に、本発明方法は、土壌環境
基準を上回る六価クロム溶出量(環境庁告示第46号試
験による)を有する土壌を処理対象とする場合に、簡単
な処理手段によって環境基準値以下の六価クロム溶出量
とすることができるので、非常に有用性の高い方法とな
る。
【0012】更に、本発明方法では、セメントを加えて
固化させた土壌についても、処理対象の土壌とすること
ができる。特に、セメント固化した状態においても六価
クロム溶出量が土壌環境基準を上回る場合には、本発明
方法によって、溶出量を基準値以下に低減させることが
できる。土壌にセメントを添加して固化させる方法につ
いては、特に限定的ではないが、例えば、土壌1m3
対してセメントを50〜400kg程度添加して、2〜
5分間程度混合すれば良い。セメントとしては、特に限
定的ではなく、例えば、普通ポルトランドセメント、高
炉セメント、フライアッシュセメント等を用いることが
できる。セメント固化土壌を処理対象とする場合には、
粒径5cm程度以下、好ましくは1cm程度以下に粉砕
することが好ましい。
【0013】本発明の六価クロム含有土壌の処理方法
は、処理対象とする汚染土壌を、還元雰囲気下におい
て、200〜600℃で加熱処理する方法である。この
様な方法で加熱処理することによって、水溶性の六価ク
ロムが還元されて不溶性の三価クロムとなって、六価ク
ロムの溶出量が減少するものと考えられる。
【0014】還元雰囲気としては、特に限定的ではない
が、通常、密閉状態の容器中において酸素の供給を抑制
した状態で土壌を加熱処理することによって、還元雰囲
気とすることができる。これは、土壌に含まれる有機物
と、水蒸気との反応によって一酸化炭素が生成すること
によるものと考えられる。酸素の供給については、完全
に遮断することが好ましいが、還元雰囲気とすることが
可能な範囲であれば、少量の酸素が流入してもよい。
【0015】土壌に有機物が含まれない場合、或いは有
機物の含有量が少ない場合には、土壌に炭化物及び有機
物から選ばれた少なくとも一種の成分を添加して加熱処
理を行えばよい。炭化物及び有機物から選ばれた少なく
とも一種の成分の添加量については、土壌の状態に応じ
て適宜決めればよいが、通常、土壌100重量部に対し
て2重量部程度以下の添加量とすればよい。炭化物とし
ては、例えば、石炭、木炭、活性炭等を用いることがで
き、有機物としては、例えば、古紙、木くず、下水汚
泥、ヘドロなどを用いることができる。これらの成分
は、一種単独又は二種以上混合して用いることができ
る。これらの成分の形状については特に限定的ではな
く、粉末状、顆粒状等の各種の形状のものを用いること
ができる。
【0016】加熱温度は、200〜600℃とする。加
熱温度が低すぎると、有機物と水蒸気との反応によって
生成すると考えられる一酸化炭素の生成が少なく、一酸
化炭素濃度が高くならないために十分な還元状態とはな
らず、十分な処理効果を得ることができない。一方、加
熱温度が高すぎると、還元雰囲気であっても、六価クロ
ムに再転化する反応が生じて、六価クロムの溶出量を十
分に低減させることができない。
【0017】加熱時間については、処理対象とする土壌
の量、土壌中の六価クロム量等によって異なるので一概
に決めることはできないが、通常、5分〜60分程度と
することが好ましい。
【0018】本発明方法では、酸素の供給を抑制した状
態で加熱することによって、還元雰囲気下での加熱処理
を行うことができるが、更に、必要に応じて、水素、一
酸化炭素等の還元性ガスを供給しながら加熱処理を行う
ことによって、より強い還元状態となって、六価クロム
の溶出量をより低減することができる。
【0019】処理対象の土壌としてセメントで固化した
土壌を用いる場合には、本発明方法による加熱処理に先
立って、炭酸ガスに接触させることが好ましい。炭酸ガ
スに接触させた後、還元雰囲気下で加熱処理を行うこと
によって、セメント固化した土壌における六価クロムの
溶出量をより低減することができる。
【0020】セメント固化土壌を炭酸ガスと接触させる
方法については、特に限定的ではなく、例えば、処理対
象土壌を大気中に暴露しておいても空気中に含まれる炭
酸ガスにより非常にゆっりと炭酸化されるが、実用的な
時間内で処理を終了させるためには、処理対象土壌を直
接炭酸ガスと接触させることが好ましい。例えば、適当
な容器の中に処理対象土壌を入れ、この容器中に炭酸ガ
スを充填すればよい。炭酸ガスとしては、燃焼排ガスな
どの炭酸ガスを多量に含むガスを用いても良い。この場
合、炭酸化処理に要する時間を短縮するには、炭酸ガス
の圧力を高くすればよい。更により短時間で処理を終了
させるには、炭酸ガスを超臨界状態にした容器に処理対
象土壌を入れればよい。
【0021】セメント固化土壌の形状については、特に
限定的ではないが、炭酸ガスとの接触による炭酸化の処
理時間を短縮するためや、その後の炭化物及び有機物か
ら選ばれた少なくとも一種の成分との混合を容易にする
ためには、粒径5cm程度以下、好ましくは1cm程度
以下に粉砕することが好ましい。
【0022】炭酸化処理の終了時期は、例えば、処理対
象土壌に水固形分比10対1となるように水を加えて1
0分間以上撹拌し、その溶液のpHによって判断するこ
とができる。この方法において、溶液のpHが9程度以
下になれば、炭酸化処理終了とすることができる。
【0023】次に、本発明の処理方法の一実施態様につ
いて、処理装置の一例の概略を示す図1に基づいて説明
する。
【0024】図1に示した処理装置では、土壌供給部
は、空気の流入を抑制でき、且つ加熱部に土壌を供給で
きる構造を備えたものである。具体的には、ホッパー3
と、スクリューフィダー1及びスクリューフィダー2を
含む構造である。この様な構造とすることによって、ス
クリューフィダー1,2を用いて、ホッパー3に土壌が
十分に存在する状態において、スクリューで土壌を供給
することにより、加熱部である傾斜回転炉本体4の内部
は、外部と遮断され、空気の流入がほとんど遮断された
状態で加熱を行うことができる。図1の処理装置では、
土壌供給部にスクリューフィダーを二段階に設置するこ
とによって、空気の流入を遮断する効果が非常に優れた
ものとなっている。
【0025】図2に2段目のスクリューフィダー2の縦
断面図を示す。スクリューフィーダー2と傾斜回転炉本
体4との接合部分は、できるだけ空気の流入を遮断でき
る構造とする必要があり、たとえば、グランドパッキン
などを用いてシールを行えばよい。図2の装置では、グ
ランドパッキン5及びパッキン固定リング6を備えるこ
とによって、空気の流入を遮断できる構造としている。
【0026】土壌供給部は、図1に示したスクリューフ
ィダーを用いる構造に限定されず、空気の流入をできる
だけ抑制できる構造であれば良い。例えば、間欠的に土
壌を押しむことができる構造などとすることができる。
【0027】図1の浄化装置では、土壌の排出部につい
ては、空気の流入を抑制でき、且つ加熱処理された土壌
を排出できる構造としている。図3に、土壌排出部に設
置されている出口シュート7の縦断面図を示す。該出口
シュート7には、間欠的に開閉できる蓋8を設けてお
き、一定量の処理土壌が排出部に蓄積された場合に、蓋
を開けて処理土壌を排出し、直ちに蓋を閉じることによ
って、空気に流入をほとんど遮断できる構造としてい
る。更に、土壌排出部には、のぞき窓9を設けて土壌排
出部の内部の状態を確認できる構造としている。
【0028】出口シュート7と傾斜回転炉本体4との接
合部分については、できるだけ空気の流入を遮断できる
構造とする。図3では、グランドパッキン10及びパッ
キン固定リング11を備えることによって、空気の流入
をほとんど遮断できる構造としている。土壌排出部とし
ては、この様な構造に限定されず、ロータリーインデッ
クスなどの決まった角度ごとに作動するアクチエーター
を用いて、処理土壌を排出できる構造としても良い。
【0029】図1の装置では、土壌の加熱部は、円筒形
のパイプ及びその外部に設置された加熱手段を備え、該
円筒形パイプの内部において土壌を加熱する構造であ
る。更に、図1の装置では、円筒形のパイプを土壌の供
給部分が高い位置となるように傾斜させて設置し、該パ
イプを回転可能な構造としている。この様な構造を有す
る傾斜回転炉4の内部において処理対象の土壌を加熱す
ることによって、処理対象の土壌を均一に加熱でき、更
に、処理した土壌を排出部に連続的に送ることによる連
続処理が可能となる。図1の装置は、駆動用ウォームギ
ア12及び支持ローラ13、14を備えており、図外の
駆動モータによってウォームを駆動し、これによってウ
ォームギア12を回転させて傾斜回転炉本体4を回転可
能な構造としている。
【0030】円筒形のパイプの内部を加熱する方法とし
ては、特に限定はなく、通常は、パイプの外部から加熱
する方法を適宜採用すれば良く、例えば、電気ヒーター
を用いて加熱する方法、燃料を燃焼させて加熱する方法
などを採用できる。図1の装置では、電気ヒーター15
を用いてパイプの外部から加熱する方法を採用してい
る。この方法は、排ガスの発生の問題がなく、しかも簡
便な方法である。
【0031】上記した構造の処理装置を用いることによ
って、汚染土壌の浄化処理を連続的に処理することが可
能となり、大量処理が容易で、しかも低コストで六価ク
ロム汚染土壌の浄化処理を行うことができる。
【0032】上記した装置を用いる場合には、空気の流
入がほとんど遮断された状態で土壌が加熱されるが、通
常、土壌には多量の水分が含まれているので、加熱部の
至るところで結露を生じて、安定した処理を行うことが
難しくなる場合がある。このため、該装置内における結
露を防止するために、ポンプなどを用いて加熱部の気体
を外部に抜き出し、熱交換器等を用いて気体中の水分を
除去し、水分除去後の気体については、加熱部内部に戻
すことができる気体の循環路を設けることが好ましい。
この様に気体の循環路を含むことによって、加熱部が負
圧になって外部から空気が流入することを防止でき、更
に、還元性ガスが装置外に排出されることがなく、健康
などに対する悪影響を防止できる。更に、加熱部から抜
き出した気体を加熱部に循環させる前に、活性炭を用い
た吸着処理、触媒を用いた分解処理などを行うことによ
って、揮散して気体中に含まれる有害物を除去すること
ができる。
【0033】図1の装置では、土壌供給部に内部エアポ
ート16を設けることによって、加熱部からの気体の抜
き出しを可能な構造としている。更に、図1の装置で
は、土壌排出部に内部ガスポート17を設けている。内
部ガスポート17は、内部エアポート16から抜き出し
た加熱気体から水分を除去した後、該気体を処理装置に
戻すために使用でき、その他、還元性ガスの供給、加熱
気体の抜き出しなどにも利用できる。
【0034】
【発明の効果】本発明の六価クロム含有土壌の処理方法
によれば、六価クロムを含有する土壌、特に、土壌環境
基準を上回る六価クロム溶出量を有する土壌について、
簡単な方法によって六価クロムの溶出量を土壌環境基準
以下に低下させることができる。
【0035】特に、本発明の処理装置を用いて六価クロ
ム汚染土壌の処理を行う場合には、連続的な処理が可能
となり、大量処理が容易で、しかも低コストで六価クロ
ム汚染土壌の処理を行うことができる。
【0036】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。
【0037】実施例1〜4及び比較例1〜2 関東ローム(千葉県佐倉産)に、濃度0.03mol/
lのクロム酸カリウム水溶液を土壌1kg当たり40m
l添加して人工的な六価クロム汚染土壌を作製した。環
境庁告示第46号試験による六価クロムの溶出量は0.
2ppmであった。
【0038】この汚染土壌について、図1に示す装置を
用いて浄化処理を行った。土壌の供給速度は3kg/時
間として、下記表1に示す各加熱温度で連続して加熱処
理を行った。加熱装置内の加熱部における土壌の滞留時
間は20分であった。尚、加熱部内部の気体は、連続的
にポンプで吸い出し、除水後、加熱部内部に循環させ
た。
【0039】上記した浄化処理開始後、1時間経過して
加熱装置内の雰囲気が安定した後、処理された土壌を採
取して、環境庁告示第46号試験に則って六価クロム溶
出量を測定した。分析は、JIS K0102−65.
2.4.に準じた方法で行った。結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】実施例5 関東ローム(千葉県佐倉産)1m3に対して、地盤改良
用セメント系固化材400kgを添加して混合した後、
28日間湿空養生を行った。この様にして得られたセメ
ント固化土壌は、セメント系固化材に由来する六価クロ
ムを含むものであり、環境庁告示第46号試験による六
価クロムの溶出量は0.32ppmであった。
【0042】この土壌をジョークラッシャーを用いて直
径5mm以下に粉砕し、圧力チャンバーに入れ、炭酸ガ
スを圧力0.2MPaで供給して24時間炭酸化処理を
行った。炭酸化処理後の土壌1重量部に対して水100
重量部を添加し、30分間撹拌後に測定したpHは、
8.1であった。尚、上記した炭酸化処理を行う前の土
壌について、同様にして求めたpHは12.2であっ
た。
【0043】次いで、上記したセメント固化土壌につい
て、実施例1と同様にして、図1に示す装置を用いて、
供給速度3kg/時間、加熱温度600℃で加熱処理を
行った。
【0044】上記した浄化処理開始後、1時間経過して
加熱装置内の雰囲気が安定した後、処理された土壌を採
取して、環境庁告示第46号試験に則って六価クロム溶
出量を測定したところ、0.04ppmであり、六価ク
ロム溶出量が非常に低減していた。
【0045】実施例6〜11及び比較例3〜5 実施例5と同様にして調製したセメント固化土壌(六価
クロム溶出量0.32ppm)について、下記表2に示
す条件で浄化処理を行った。
【0046】表中、炭酸化処理の項目は、実施例5と同
様の条件による炭酸化処理の有無を示し、遮断有無の項
目は、加熱処理における酸素供給の遮断の有無を示す。
酸素供給の遮断有りとは、図1の装置を用いて、加熱部
内の気体を循環させて加熱処理を行った場合であり、酸
素供給の遮断無しとは、同様の装置を用いて加熱処理を
行う際に、加熱部内部の気体を連続的にポンプで吸い出
して除水後、加熱部内部に循環させることなく、外部に
排出した場合である。この様にして気体を外部に排出す
る場合には、加熱部内部が負圧となって、外部から空気
が流入し、加熱部において、還元状態が維持されないこ
とになる。
【0047】表2に示した各条件で土壌の浄化処理を行
った後、実施例5と同様にして六価クロムの溶出量を測
定した。結果を下記表2に示す。
【0048】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】六価クロム含有土壌の浄化装置の概略図。
【図2】図1の浄化装置の土壌供給部の縦断面図。
【図3】図1の浄化装置の土壌排出部の縦断面図。
【符号の説明】
1,2 スクリューフィダー、 3 ホッパー、 4
傾斜回転炉、5,10 グランドパッキン、 6,11
パッキン固定リング、7 出口シュート、 8 間
欠開閉蓋、 9 のぞき窓、12 駆動用ウォームギ
ア、 13,14 支持ローラ、15 電気ヒータ、
16 内部エアポート、 17 内部ガスポート

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】六価クロムを含有する土壌を、還元雰囲気
    下において200〜600℃で加熱処理することを特徴
    とする六価クロム含有土壌の処理方法。
  2. 【請求項2】還元雰囲気下における加熱処理が、密閉状
    態の容器中において酸素の供給を抑制した状態で加熱処
    理する方法である請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】還元性ガスを供給して加熱を行う請求項2
    に記載の方法。
  4. 【請求項4】(1)円筒形のパイプ及びその外部に設置
    された加熱手段を備え、該円筒形パイプの内部において
    土壌を加熱する加熱部、(2)空気の流入を抑制でき、
    且つ加熱部に土壌を供給できる構造を備えた土壌供給
    部、(3)空気の流入を抑制でき、且つ加熱処理された
    土壌を排出できる構造を備えた土壌排出部、を含むこと
    を特徴とする六価クロム含有土壌の処理装置。
  5. 【請求項5】加熱部が、回転可能な傾斜構造の円筒形パ
    イプ及びその外部に設置された電気ヒーターを備えたも
    のであり、土壌供給部が、ホッパー及びスクリューフィ
    ダーを備えたものであり、土壌排出部が、間欠的に開閉
    できる蓋を備え、蓋を閉じた状態で空気の流入を遮断で
    きる構造を有するものである請求項4に記載の六価クロ
    ム含有土壌の処理装置。
  6. 【請求項6】更に、加熱部内部の気体を抜き出して該気
    体中の水分を除去した後、水分除去後の気体を加熱部内
    部に戻すことのできる循環路を備えた請求項4又は5に
    記載の六価クロム含有土壌の処理装置。
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