JP2005305354A - 汚染物の無害化処理方法、無害化処理システム及び焼成物のリサイクル方法 - Google Patents

汚染物の無害化処理方法、無害化処理システム及び焼成物のリサイクル方法 Download PDF

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高史 久保井
Masahiro Sato
昌宏 佐藤
Shuhei Nishine
秀平 西根
Shinya Eguchi
信也 江口
Masahide Arai
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Abstract

【課題】 固化剤を用いることなく、汚染物を焼成処理する際に加熱ガス中に移行する細粒分の量を抑制可能な汚染物の無害化処理方法、無害化処理システム及び焼成物のリサイクル方法を提供する。
【解決手段】 この汚染物の無害化処理方法は、有害物質により汚染された汚染物2を攪拌型造粒装置6により砂礫相当の粒径に造粒した後に、連続式加熱処理炉10,9で加熱焼成処理することにより汚染物を無害化する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ダイオキシン類等の有害物質を含む汚染物の無害化処理方法、無害化処理システム及び焼成物のリサイクル方法に関するものである。
ダイオキシン類等の有害物質を含む汚染物の無害化処理方法の一つとして、処理物をロータリーキルン等の加熱炉中で800〜1100℃程度に加熱することによる焼成処理法が挙げられる。この焼成処理法では、加熱により有害物質の燃焼、加熱による化学分解、揮発、及び処理対象物である灰や土壌の主成分であるシリカ、アルミナの溶融・再結晶によるガラス状固化封じ込めにより無害化が実現される(例えば、下記特許文献1参照)。
上記焼成処理法では高温の加熱ガスが直接処理物に接触する必要があるため、細粒分の多いシルト状の汚染物をそのまま処理した場合には、細粒分が飛灰として大量に加熱ガス中に移行し、加熱炉内に堆積してガス経路の閉塞や熱効率の低下といったトラブルの原因となり易い。更に、排ガス処理に伴って回収される飛灰の量が増加することは産業廃棄物としての処理費用の支出につながり、コスト的に不利となる。
また、セメント・生石灰などの水硬性固化材を用いて造粒することにより飛灰への細粒分の移行を抑制することは容易であるが、セメントを用いた場合には加熱焼成により六価クロムの溶出が促進される可能性がある。また、カルシウム系の水硬性固化材の添加は焼成物のpHを上昇させ、一部の重金属の溶出を促進させるおそれや、製品のリサイクル材としての利用用途が制限される懸念が生じる。
特開平10−309556号公報 特開2002−346598号公報
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、固化剤を用いることなく、汚染物を焼成処理する際に加熱ガス中に移行する細粒分の量を抑制可能な汚染物の無害化処理方法、無害化処理システム及び焼成物のリサイクル方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明による汚染物の無害化処理方法は、有害物質により汚染された汚染物を攪拌型造粒装置により砂礫相当の粒径に造粒した後に、連続式加熱処理炉で加熱焼成処理することにより汚染物を無害化することを特徴とする。
この汚染物の無害化処理方法によれば、セメントや石灰等の固化剤を用いることなく汚染物を攪拌型造粒装置で砂礫相当の粒径に造粒でき、その粒状物を加熱焼成処理することで、加熱ガス中に移行する細粒分の量を抑制できる。これにより、細粒分の多いシルト状の汚染物であっても、シルト状の汚染物自体の塑性を利用して処理対象物の汚染物を事前に造粒することで、加熱焼成処理においてシルト質の汚染物を処理する際に加熱ガス中に移行する細粒分の量を抑制可能となる。
上記無害化処理方法において前記汚染物を汚染物の含水率に応じて脱水処理または加水処理してから造粒することが好ましい。
また、前記汚染物の含水率が高いため造粒が困難な場合には、前記汚染物に吸水材を添加して前記造粒を行うことで、造粒が容易となる。
また、前記汚染物の含水率が低いため造粒が困難な場合には、前記汚染物に加水して前記造粒を行うことで、造粒が容易となる。
また、前記汚染物が砂質土系等の土壌であるため、前記汚染物において前記造粒に必要な粘着力が不足する場合に、ベントナイト等の増粘材を添加して前記造粒を行うことが好ましい。
また、前記無害化処理の対象に六価クロムが含まれる場合に、造粒時に還元剤として鉄化合物を前記汚染物に添加し、更に前記加熱焼成処理の雰囲気の酸素濃度が5%以下となるように制御することが好ましい。また、前記加熱焼成処理で発生した排ガスを無害化処理することが好ましい。
本発明による汚染物の無害化処理システムは、有害物質により汚染された汚染物を砂礫相当の粒径に造粒する攪拌型造粒装置と、前記造粒された粒状物を加熱焼成処理する連続式加熱処理炉と、を備え、前記汚染物を加熱焼成処理により無害化することを特徴とする。
この汚染物の無害化処理システムによれば、汚染物を攪拌型造粒装置でセメントや石灰等の固化剤を用いることなく砂礫相当の粒径に造粒でき、その粒状物を連続式加熱処理炉で加熱焼成処理することで、加熱ガス中に移行する細粒分の量を抑制できる。これにより、細粒分の多いシルト状の汚染物であっても、シルト状の汚染物自体の塑性を利用して処理対象物の汚染物を事前に造粒することで、加熱焼成処理においてシルト質の汚染物を処理する際に加熱ガス中に移行する細粒分の量を抑制可能となる。
また、上記無害化処理システムにおいて、攪拌型造粒装置及び連続式加熱処理炉を移動可能な台船上に設置することで、海洋・河川・湖沼の所定の場所での浚渫工事等より生じた汚染物について無害化処理が完了した後に、次の場所に移り浚渫工事等を行い汚染物の無害化処理を行うとき、その移動が容易となり、汚染物の無害化処理コストを低減できる。また、台船を接岸し、陸上にある各種の汚染物の無害化処理を行うことができ、完了後に、次の場所に容易に移ることができる。
また、上記無害化処理システムは、前記連続式加熱処理炉で発生した排ガスを無害化処理する排ガス処理装置を備えることが好ましい。
本発明による焼成物のリサイクル方法は、上述の無害化処理方法または無害化システムにおいて得られた加熱焼成処理完了後の焼成物を、砂礫相当の土木資材、ろ過材、または微生物保持坦体の環境資材として再生利用することを特徴とする。このリサイクル方法によれば、汚染物を無害化処理して生じた焼成物を有効利用することができるので、無害化処理による産業廃棄物の処理を特別に行わずに済み、コスト的に有利である。
なお、汚染物を造粒したときの砂礫相当の粒径範囲は、例えば、0.075乃至75mmが好ましく、0.1乃至50mmがより好ましい。
本発明の汚染物の無害化処理方法及び無害化処理システムによれば、汚染物を焼成処理する際に加熱ガス中に移行する細粒分の量を抑制できるので、加熱炉内に堆積し難くなり、ガス経路の閉塞や熱効率の低下の問題を解決でき、また、回収される飛灰の量が増加せず、産業廃棄物としての処理費用が嵩むことはない。また、セメントや生石灰等の固化剤を用いる必要がないので、加熱焼成で六価クロムの溶出が促進される可能性がなく、また一部の重金属の溶出を促進させるおそれもなくなる。
また、本発明の焼成物のリサイクル方法によれば、上述のように焼成物に六価クロムや一部の重金属の溶出がなく、汚染物を無害化処理して生じた焼成物を有効利用することができるので、無害化処理による産業廃棄物の処理を特別に行わずに済み、コスト的に有利である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。図1は本実施の形態による汚染物の無害化処理方法の大まかな流れを示すフローチャートである。図2は図1の汚染物の無害化処理方法を実行可能な無害化処理システムを概略的に示す図である。図3は図1の造粒装置の具体例を示す正面図である。
図1のように、本実施の形態による汚染物の無害化処理方法は、有害物質により汚染された汚染物を砂礫相当の粒径に造粒する造粒処理工程(S01)と、造粒処理工程S01で造粒された汚染物の粒状物を加熱焼成処理する加熱焼成処理工程(S02)と、加熱焼成処理工程S02で発生した排ガスを処理する排ガス処理工程(S03)と、を含み、処理された排ガスを排出するとともに(S04)、加熱焼成処理された焼成物を排出する(S05)。上述のように処理された排ガス及び焼成物は無害化されており、そのまま排出可能であり、また、焼成物は、砂礫相当の土木資材、ろ過材、または微生物保持坦体の環境資材として再生利用することができる。
図2に示す無害化処理システム50は、図1の汚染物の無害化処理工程S01乃至S05を実行可能であり、図2、図3により各工程を更に説明する。
最初に、図1の造粒処理工程S01を実行する造粒処理システムについて説明する。この造粒処理システムは、例えばダイオキシン類により汚染した浚渫土をフィルタプレスにより加圧脱水した脱水ケーキ2を無害化処理の対象とし、ホイールローダ1で脱水ケーキ2を集積し、脱水ケーキ2を定量供給装置3で定量してベルトコンベア4でホッパ5に貯留し、造粒装置6へと供給するようになっている。
造粒装置6は、例えば、本発明者の1人が他の発明者等とともに粒状物の製造方法を提案した特開2003−1297号公報における粒状物の製造装置を用いることができる。即ち、図3のように、造粒装置(粒状物の製造装置)6は、縦型の混合槽100と、混合槽100の内部に設けられた内側混練装置101と、内側混練装置101の外側に同心的に設けられた外側混練装置201とを備え、攪拌型に構成されている。
図3の混合槽100は、上方の筒状部102と下方のテーパ部103とを有し、テーパ部103の下端部は、水平方向に開閉される開閉扉105のある製品の排出口104となっている。内側混練装置101は、一対の螺旋ユニット111、111が複数段設けられ、比較的高速に回転駆動されると、被処理物は上方および半径外方へ搬送されるが、スクリュのフライトが途中で切れているので、不連続な搬送となり剪断および拡散作用が促進される。外側混練装置201は、混合槽100の内周壁に近接して回転駆動される複数個のパドル型の羽根210、210を有する。
脱水ケーキを適当量だけ混合槽100に供給すると、その供給された被処理物は、内側混練装置101の螺旋ユニット111、111により強力な剪断作用及び拡散作用を受けながら上方および半径外方へ搬送され、また外側混練装置201の複数個のパドル型の羽根210、210により攪拌・剪断作用を受けながら下方および中心方向へ移動する。被処理物は内側混練装置101と外側混練装置201とにより強力な循環作用、剪断作用、拡散作用を受けるとともに内側混練装置101の螺旋ユニット111、111の外周面において遠心力による捏和作用も受けることで、被処理物の構成粒子は、水中に均等にあるいは均一な水膜に覆われた粒子単位に混合・分散され、粒状物となる。開閉扉105を開いて得られた粒状物を排出口104から排出し、図2のベルトコンベア7で次工程の加熱処理工程へ搬送する。
上述のように、図3の造粒装置6では、セメントや石灰等の固化剤を被処理物に添加することなく、粒径分布範囲を0.075乃至75mmの自然砂礫相当の粒径にした粒状物を得ることができる。この場合、造粒平均粒径と粒度分布は、バッチあたりの造粒時間、螺旋ユニット111、111の造粒羽根の回転速度、被処理物の含水率調整により制御できるが、目標平均粒径と粒度分布は最終的な処理製品の再利用の用途に合わせ設定する。
次に、図1の加熱処理工程S02を実行する加熱処理システムについて説明する。この加熱処理システムは、連続式加熱処理炉であり、図2のように、前工程から送られてきた汚染物の粒状物をベルトフィーダ8及び傾斜通路17により二次燃焼室9の下方を通して焼成キルン10に送り込み、焼成キルン10を回転させながらその内部で粒状物を移動させながら加熱し焼成し焼成物とするが、その焼成物は高温であるためロータリクーラ11で冷却を行い、ベルトコンベア12でストックヤードに処理完了物である焼成物13として貯留するようになっている。
一方、油タンク14からポンプ15で重油を焼成キルン10の焼成物の出口側に設けられた重油バーナ16及び二次燃焼室9に設けられた重油バーナ18に供給する。重油バーナ16から送られた加熱ガスが焼成キルン10内で粒状物から発生した排ガスとともに焼成キルン10内を通過した後、二次燃焼室9で重油バーナ18からの加熱ガスで温度800℃以上、滞留時間2秒以上に加熱されることで、粒状物から発生した排ガスから完全にダイオキシン類が分解されるようになっている。
また、上述の焼成キルン10内での加熱温度は800℃〜1100℃の範囲内に設定され、粒状物の焼成キルン10内の滞留時間は1時間を基本とするが、処理対象物を用いた事前試験により燃料消費を抑制可能な最適な処理条件を設定する。
次に、図1の排ガス処理工程S03を実行する排ガス処理システムについて説明する。この排ガス処理システムは、図2のように、前工程の二次燃焼室9を通過した排ガスは、塔状の減温器21の上部の熱交換器19で送風機20から送風される新鮮な空気との熱交換で熱量を回収されてから、減温器タンク23からポンプ24により水が供給された減温器21で水噴霧により冷却されるようになっている。また、熱交換器19で加熱された空気は配管19aを通して煙突30から排出される。また、減温器21で回収された飛灰は減温器21の下方に配置された飛灰保管施設22に貯留される。
次に、減温器21からでた排ガスは、その排ガス中の硫黄酸化物濃度に応じて消石灰タンク25から消石灰を噴霧されてから、更にバグフィルタ26で煤塵が除かれた後に排ガスファン28で煙突30より排出されるようになっている。このとき、排ガスの水蒸気による白煙の発生防止のため、先に熱交換器19で排ガスとの熱交換により熱された新鮮空気が排ガスに混入される。また、バグフィルタ26で捕集された飛灰はコンプレッサ27からの圧縮空気により逆先され払い落とされることで、バグフィルタ26の下方に配置された飛灰保管施設29に貯留される。
以上のように、図2,図3の汚染物の無害化処理システム50によれば、汚染物を攪拌型の造粒装置6でセメントや石灰等の固化剤を用いることなく自然砂礫相当の0.075〜75mm程度の粒径範囲に造粒でき、その粒状物を焼成キルン10及び二次燃焼室9を有する連続式加熱処理炉で加熱焼成処理することで、加熱ガス中に移行する細粒分の量を抑制できる。
従来の焼成処理法では高温の加熱ガスが直接に被処理物に接触するようにして細粒分の多いシルト状の汚染物をそのまま処理すると、細粒分が飛灰として大量に加熱ガス中に移行し加熱炉内に堆積してガス経路の閉塞や熱効率の低下が起き易く、これを防ぐため、セメント・生石灰などの水硬性固化材を用いて被処理物を造粒することで飛灰への細粒分の移行を抑制できるが、そうすると、セメントを用いた場合には加熱焼成により六価クロムの溶出が促進される可能性があり、また、カルシウム系の水硬性固化材の添加は焼成物のpHを上昇させ、一部の重金属の溶出を促進させるおそれや、製品のリサイクル材としての利用用途が制限される懸念が生じたのに対し、本実施の形態によれば、処理対象の汚染物が細粒分の多いシルト状であっても、シルト状の汚染物自体の塑性を利用して処理対象物を事前に造粒し、上記加熱焼成処理においてシルト質の汚染物を処理する際に加熱ガス中に移行する細粒分の量を抑制できるので、回収される飛灰の量が増加せずに産業廃棄物の量が増えることがなく、更に造粒のときセメントや石灰等の固化剤を被処理物に添加せずに粒状物を製造できるので、従来のような焼成物への六価クロムの溶出や一部の重金属の溶出が生じるおそれがなく、製品のリサイクル材としての利用用途が制限されない。
また、上述の加熱焼成処理で得られた処理完了物である焼成物は、六価クロムの溶出や一部の重金属の溶出がなく無害化処理されているので、対象となる有害物質の含有量または溶出量の許容基準値以下へ低減されたことを確認した後、砂礫相当の土木資材、ろ過材、または微生物保持坦体の環境資材として再生利用することが可能である。かかる焼成物をリサイクルすることで、汚染物を無害化処理して生じた焼成物を有効利用することができ、無害化処理による産業廃棄物の処理を特別に行わずに済み、コスト的に有利である。
なお、本実施の形態の無害化処理方法において汚染物を汚染物の含水率に応じて脱水処理または加水処理してから造粒することが好ましく、例えば、脱水処理のための具体的な脱水処理技術としては、フィルタプレス等の加圧脱水以外には、加熱脱水、雰囲気空気の減圧による真空脱水、電気浸透脱水、天日干しを含む自然乾燥等がある。また、汚染物の含水率が約50%を超えるように高い場合には、汚染物に吸水材を添加してから造粒工程を行うことで、造粒が容易となる。かかる吸水材としては、おがくずや古紙等の繊維質・多孔質材料や吸水性高分子化合物などを利用することができる。また、汚染物の含水率が低いため造粒が困難な場合には、例えば、汚染物に加水して造粒工程を行うことで、造粒が容易となる。
また、汚染物が砂質土系等の土壌や都市ごみの焼却主灰を粉砕物などであるために汚染物において造粒に必要な粘着力が不足する場合には、ベントナイト等の増粘材を添加して造粒処理を行うことが好ましい。また、汚染物に六価クロムが含まれる場合に、造粒時に還元剤として鉄化合物を汚染物に添加し、更に加熱焼成処理の雰囲気の酸素濃度が5%以下となるように制御することが好ましい。
次に、図2の汚染物の無害化処理システム50を台船上に設置した例について図4を参照して説明する。図4は図2、図3の無害化処理システムを設置した台船を模式的に示す図である。
図4のように、ホッパ5や攪拌型造粒装置6等と、焼成キルン10や二次燃焼室9等の連続式加熱処理炉と、減温器21やバグフィルタ26や煙突30等とから構成される図2の無害化処理システム50を台船40上に設置する。
図4のように、図2の無害化処理システム50を海・河川・湖沼の水面G上を移動可能な台船40上に設置することで、海洋・河川・湖沼の所定の場所での浚渫工事等より生じた汚染物について無害化処理が完了した後に、次の場所に移り、そこで次の浚渫工事等を行い汚染物の無害化処理を行うとき、その移動が容易となり、汚染物の無害化処理コストを低減できる。また、台船40を接岸し、陸上にある各種の汚染物の無害化処理を行うことができ、完了後に、次の場所に容易に移ることができる。
次に、本発明による汚染物の無害化処理方法を実施例により更に詳しく説明する。但し、本発明は本実施例に限定されるものではない。
本実施例として、図2,図3のような無害化処理システムを用いて、ダイオキシン類及び鉛に汚染された浚渫土を造粒処理し、加熱焼成処理した。
上記造粒条件は次の通りである。即ち、汚染浚渫土をフィルタープレスにより処理した脱水ケーキ(含水率38.6%)を添加剤なしで、大平洋機工(株)製HFミキサ(バッチ式)により撹拌造粒することで、平均粒径約5mm程度の粒状物とした。
上記加熱焼成条件は次の通りである。即ち、最大処理能力20kg/時間のロータリーキルンを用い、被処理物である多数の粒状物を、処理温度1050℃、被処理物のキルン内滞留時間を1時間として、10kg/時間で加熱焼成処理した。熱源は重油バーナによる直接加熱であり、キルン内寸は、径300×長さ2000mm、容量は0.14mであった。
上記条件による加熱焼成処理の結果を次の表1に示す。
Figure 2005305354
表1の有害物質の無害化処理結果から分かるように、汚染浚渫土の処理後のダイオキシン類及び鉛含有量の残存率は低く、ダイオキシン類及び鉛ともに十分な無害化結果が得られた。
次に、造粒による飛灰発生の抑制効果を検討した。即ち、図2のバグフィルタ26に捕集されて飛灰保管施設29に貯留された飛灰重量から消石灰分を除いて得た飛灰発生量で本実施例を造粒しない場合と比較した。その結果を下の表2に示す。
Figure 2005305354
図2の結果から、造粒工程により排ガスへの飛灰(細粒分)の移行が効果的に抑制されていることが分かり、造粒による飛灰発生の抑制効果が充分に得られた。
次に、本実施例の造粒工程により得られた粒状物の加熱焼成処理完了後の焼成物の粒径を造粒工程なしの焼成物の粒径及び加熱焼成処理前の粒状物の粒径と図5のように各粒径加積曲線で比較した。
図5に示すように、事前に造粒を行わず、加熱焼成処理した場合の焼成物の粒径は2mm以下の砂分に相当するものが約95%で、様々な土木用資材としてリサイクルするのは困難であるのに対して、事前に造粒した場合、加熱焼成処理完了後の焼成物の粒径は、2乃至10mm前後の自然砂礫に近い状態となった。これにより、得られた焼成物は、埋戻土や舗装道路の路床材等の土木資材としてリサイクル利用するのにより適した性状となったといえる。
次に、加熱焼成処理完了後の焼成物の透水性を造粒工程なしの焼成物と比較した結果を下の表3に示す。
Figure 2005305354
表3のように、造粒による焼成物の透水性は、造粒なしの焼成物と比べて向上し、軟弱地盤改良のサンドドレーン材などのリサイクル用途にも適していることが分かった。
次に、六価クロム溶出抑制効果を検討した。都市ごみの焼却主灰を粉砕した被処理物を造粒処理し加熱焼成処理した。上記造粒条件として、増粘材としてベントナイトを重量比10%、還元材として鉄粉を重量比10%を混合してから造粒処理をした。上記加熱条件としては、処理雰囲気の酸素濃度を2.66〜3.08%とした。
上記加熱焼成処理前と処理後の六価クロムの溶出量の測定結果を下の表4に示す。
Figure 2005305354
表4から、六価クロムが含まれる被処理物について還元雰囲気での加熱焼成処理を行うことで、クロム溶出の抑制効果を充分に得られることが分かり、汚染物質が六価クロムである場合にも対応が可能である。
以上のように本発明を実施するための最良の形態及び実施例について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。例えば、本発明による無害化処理方法・無害化システムにおいて処理対象となる有害物質として、ダイオキシン類(塩素化ダイオキシン類、臭素化ダイオキシン類)以外であってもよく、PCB類、農薬類、環境ホルモン(内分泌攪乱物質)、その他揮発性・熱分解性の有害化学物質全般、加熱による揮発性の水銀等の重金属類、加熱時の化学反応生成物が揮発性となる鉛等の重金属類、処理物雰囲気の酸素濃度を低下させ還元状態で処理することにより溶出が抑制される六価クロム等の重金属類、その他、加熱焼成による処理物の結晶化(ガラス状固化)により溶出が抑制される重金属類全般等を挙げることができる。
また、処理対象となる汚染物として、海洋・河川・湖沼の汚染浚渫土、陸上の汚染土壌・汚泥、汚染水を凝集沈殿処理した沈殿物、汚染水を限外ろ過した際に発生するろ膜不通過分のスラッジ、焼却施設から排出される主灰・飛灰、製油所・化学プラント等の配管スラッジ、下水汚泥等を挙げることができる。
本実施の形態による汚染物の無害化処理方法の大まかな流れを示すフローチャートである。 図1の汚染物の無害化処理方法を実行可能な無害化処理システムを概略的に示す図である。 図1の造粒装置の具体例を示す正面図である。 図2、図3の無害化処理システムを設置した台船を模式的に示す図である。 本実施例の造粒工程により得られた粒状物の加熱焼成処理完了後の焼成物の粒径、造粒工程なしの加熱焼成処理完了後の焼成物の粒径、及び加熱焼成処理前の粒状物の粒径の各粒径加積曲線を示すグラフである。
符号の説明
2 脱水ケーキ(汚染物)
6 攪拌型造粒装置
9 二次燃焼室(連続式加熱処理炉)
10 焼成キルン(連続式加熱処理炉)
13 焼成物
21 減温器(排ガス処理装置)
26 バグフィルタ(排ガス処理装置)
29 飛灰保管施設
30 煙突
40 台船
50 無害化処理システム
100 混合槽
101 内側混練装置
104 排出口
111 螺旋ユニット
201 外側混練装置
210 羽根

Claims (11)

  1. 有害物質により汚染された汚染物を攪拌型造粒装置により砂礫相当の粒径に造粒した後に、連続式加熱処理炉で加熱焼成処理することにより汚染物を無害化することを特徴とする汚染物の無害化処理方法。
  2. 前記汚染物を脱水処理または加水処理してから造粒することを特徴とする請求項1に記載の無害化処理方法。
  3. 前記汚染物の含水率が高い場合に、前記汚染物に吸水材を添加して前記造粒を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の無害化処理方法。
  4. 前記汚染物の含水率が低い場合に、前記汚染物に加水して前記造粒を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の無害化処理方法。
  5. 前記汚染物において前記造粒に必要な粘着力が不足する場合に、増粘材を添加して前記造粒を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の無害化処理方法。
  6. 前記無害化処理の対象に六価クロムが含まれる場合に、造粒時に還元剤として鉄化合物を前記汚染物に添加し、更に前記加熱焼成処理の雰囲気の酸素濃度が5%以下となるように制御することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の無害化処理方法。
  7. 前記加熱焼成処理で発生した排ガスを無害化処理することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の無害化処理方法。
  8. 有害物質により汚染された汚染物を砂礫相当の粒径に造粒する攪拌型造粒装置と、前記造粒された粒状物を加熱焼成処理する連続式加熱処理炉と、を備え、前記汚染物を加熱焼成処理により無害化することを特徴とする汚染物の無害化処理システム。
  9. 前記攪拌型造粒装置及び前記連続式加熱処理炉を移動可能な台船上に設置したことを特徴とする請求項8に記載の無害化処理システム。
  10. 前記連続式加熱処理炉で発生した排ガスを無害化処理する排ガス処理装置を備えることを特徴とする請求項7または8に記載の無害化処理システム。
  11. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の無害化処理方法または請求項8,9または10に記載の無害化処理システムにおいて得られた前記加熱焼成処理完了後の焼成物を、砂礫相当の土木資材、ろ過材、または微生物保持坦体の環境資材として再生利用することを特徴とする焼成物のリサイクル方法。

JP2004127966A 2004-04-23 2004-04-23 汚染物の無害化処理方法、無害化処理システム及び焼成物のリサイクル方法 Pending JP2005305354A (ja)

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