JP2003334508A - 溶融飛灰中塩素の除去方法 - Google Patents

溶融飛灰中塩素の除去方法

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JP2003334508A
JP2003334508A JP2002140072A JP2002140072A JP2003334508A JP 2003334508 A JP2003334508 A JP 2003334508A JP 2002140072 A JP2002140072 A JP 2002140072A JP 2002140072 A JP2002140072 A JP 2002140072A JP 2003334508 A JP2003334508 A JP 2003334508A
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JP
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dry
molten fly
chlorine
water
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Matsutaro Nagasawa
松太郎 長澤
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的少ない洗浄水使用量で、溶融飛灰中の
塩素を除去すること、すなわち、脱塩ケーキの山元還元
の可能性を高める溶融飛灰の水洗浄処理による塩素除去
方法を提供する。 【解決手段】 廃棄物溶融施設から排出された塩素を含
有する溶融飛灰に洗浄水を加えて混合、攪拌を行い、そ
の後脱水して排水と洗浄残渣とに分離することにより溶
融飛灰中の塩素を除去する方法において、洗浄水として
40〜100℃の温水を用いることを特徴とする溶融飛
灰中の塩素の除去方法。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、都市ごみなどの廃
棄物を溶融することによって排ガスとともに排出される
溶融飛灰の水洗浄処理による塩素除去処理方法に関する
ものである。 【0002】 【従来の技術】一般に、ごみ焼却灰およびごみ焼却飛灰
などの溶融処理に伴って排出される溶融飛灰中には、塩
化ナトリウムや塩化カリウムなどの塩化物に代表される
ような溶解性塩類が高濃度に含まれている。また鉛やカ
ドミウムなどの有害重金属類もごみ焼却飛灰に比べ、高
濃度に含まれているため、従来はセメント固化、または
薬剤キレート処理により、最終処分場に埋め立て処分さ
れていることが多い。 【0003】しかし、最終処分場の確保は年々困難にな
ってきており、またセメント固化による安定化処理につ
いては処分量が増大するため、最終処分場の寿命を低下
させる原因となる。一方、セメント固化やキレート剤に
よる処理では、上記塩化物を含めた溶解性塩類の溶出を
抑えることができないため、環境汚染が懸念されてい
る。 【0004】また溶融飛灰中には、種類によって異なる
ものの、亜鉛および鉛を数%〜10数%含む例もあり、資
源リサイクルの観点から、これらの重金属類を回収し、
回収物を製錬原料として再利用する、いわゆる山元還元
技術の開発が望まれている。 【0005】一方、溶融飛灰から回収した重金属類を製
錬原料として再利用するための条件の一つとして、製錬
設備の腐食や排煙処理系統の塩化物での閉塞等をさける
ため、回収物中の塩素含有量を極力低くすることがまず
必要であるとされている。 【0006】溶融飛灰からの重金属類回収方法の一つ
に、溶融飛灰に所定量の水を加えて洗浄し、脱水処理す
ることにより、溶融飛灰中の溶解性塩類の分離を行い、
その結果得られる脱塩ケーキについては製錬原料として
山元還元し、一方、分離した溶解性塩類を含む洗浄水は
排水処理により微量重金属類を除去し、処理水は河川放
流、または塩回収する方式の溶融飛灰の水洗浄処理によ
る塩素除去処理方法が提案されている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかし、このような溶
融飛灰の水洗浄処理方法の多くは、脱塩ケーキ中に残留
水分とともに溶解性塩類が一部残存するため、塩素除去
が不十分となる場合がある。一方、脱塩ケーキ中の塩素
濃度をなるべく低くするためには、溶融飛灰と洗浄水と
の固液比を上げる必要があるが、その場合、多量の洗浄
水が必要となり、後工程である排水処理の負担が大きく
なるという問題があった。 【0008】本発明の目的は、比較的少ない洗浄水使用
量で、溶融飛灰中の塩素を除去すること、すなわち、脱
塩ケーキの山元還元の可能性を高め、さらに排水量、お
よび排水中の残留重金属類濃度も低減することのできる
溶融飛灰の水洗浄処理による塩素除去処理方法を提供す
ることである。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決するため鋭意検討した結果、洗浄水として温水を用い
ることで少ない洗浄水量でしかも塩素量を低減できるこ
とを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明は、
廃棄物溶融施設から排出された塩素を含有する溶融飛灰
に洗浄水を加えて混合、攪拌を行い、その後脱水して排
水と洗浄残渣とに分離することにより溶融飛灰中の塩素
を除去する方法において、洗浄水として40〜100℃
の温水を用いることを特徴とする溶融飛灰中の塩素の除
去方法を要旨とするものである。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においては、まず、溶融飛灰に洗浄水を加え、混
合、攪拌を行う。これにより溶融飛灰中の塩素が水に溶
出する。本発明では、このとき用いる洗浄水として温度
が40〜100℃の温水を用いることが必要である。好
ましくは70〜90℃の温水を用いることができる。温
度が40℃未満の場合は塩類の溶解度が上昇しないた
め、また100℃を超える場合は洗浄水が沸騰蒸発し、
洗浄水量が低下するので本発明では採用できない。 【0011】炭酸カルシウムや水酸化カルシウムなどの
特殊な無機化合物を除いて、一般に水に対する無機化合
物の溶解度は温度の上昇とともに増加することが知られ
ている。本発明ではこの原理を利用し、常温では飽和状
態にある溶融飛灰中の無機化合物をさらに洗浄水側へ溶
出させることができるものと考えられる。 【0012】洗浄水の添加量は、溶融飛灰と洗浄水との
固液比は1:5〜1:30が好ましく、特に1:10〜1:20が好ま
しい。1:5未満の場合は撹拌混合および溶解性塩類溶解
が困難となり、1:30を越える場合は設備容量が大きくな
るので好ましくない。 【0013】本発明においては、洗浄水を加えた後、攪
拌、混合を行う。攪拌混合を行うにはいずれの手段でも
よく、例えば回転式攪拌機を用いて、30分〜6時間撹拌
を行ってもよい。 【0014】攪拌、混合を行っている工程中、溶融飛灰
スラリーの温度は、溶解性塩類の溶出効率を考慮すると
40〜100℃で維持することが好ましく、さらに好ま
しくは70〜90℃である。溶融飛灰スラリーの撹拌混
合時の温度維持方法はいずれの手段でもよく、例えば恒
温水槽を用いて、30分〜6時間温度維持を行ってもよ
い。 【0015】また、この際、混合液のpHを9〜12に
調整することで、水溶性の重金属類を不溶化することが
できるため好ましい。そのためにはアルカリ性薬剤又は
酸性薬剤を添加すればよい。アルカリ性薬剤としては、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、消石灰などが挙げ
られ、酸性薬剤としては塩酸、硫酸などが挙げられる。 【0016】本発明においては、その後脱水を行い排水
と洗浄残渣とに分離する。脱水は、溶融飛灰スラリー温
度を維持したままで行うことが好ましく、溶融飛灰中の
塩素は排水の方へ移行することになる。脱水する手段と
してはどのような方法でもよく、例えば、遠心分離機や
ベルトプレスなどが用いられる。 【0017】なお、洗浄後発生する排水については既存
の排水処理により、微量重金属類の除去が行われたの
ち、中和処理し系外へ放流するか、または濃縮晶析など
により、塩回収を行ってもよい。 【0018】 【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。 実施例1 溶融飛灰(1)として、化学組成がCl 16.60 dry%、F
0.02 dry%、Na 4.44 dry%、K 4.34 dry%、Zn 0.36 dry
%、Pb 0.12 dry%、Cd 0.003 dry%、Cu 0.05 dry%、Ca 3
6.74 dry%の酸性排ガス処理に消石灰噴霧を行ってい
る、都市ごみ焼却灰と焼却飛灰の混合溶融炉から発生し
た溶融飛灰100.0g(乾量)に80℃の純水高温水2,000mLを
加え、3時間撹拌後、固液分離を行い、化学組成がCl 0.
37 dry%、F 0.06 dry%、Na 0.53 dry%、K 0.34 dry%、Z
n 0.68 dry%、Pb 0.14 dry%、Cd 0.003dry%、Cu 0.09 d
ry%、Ca 39.87 dry%の脱塩ケーキ(1)として77.0g(乾
量)を得た。 【0019】比較例1 実施例1と同じ溶融飛灰(1)を100.0g(乾量)に常温(20
℃)の純水2,000mLを加え、3時間撹拌後、固液分離を行
い、化学組成がCl 1.45 dry%、F 0.06 dry%、Na0.73 dr
y%、K 0.76 dry%、Zn 0.76 dry%、Pb 0.16 dry%、Cd 0.
005 dry%、Cu 0.10 dry%、Ca 49.80 dry%の脱塩ケーキ
(2)として65.8g(乾量)を得た。 【0020】実施例2 溶融飛灰(2)として、化学組成がCl 27.54 dry%、F
0.12 dry%、Na 9.84 dry%、K 13.47 dry%、Zn 4.46 dry
%、Pb 1.50 dry%、Cd 0.04 dry%、Cu 0.29 dry%、Ca 0.
21 dry%の酸性排ガス処理に消石灰噴霧を行っていな
い、都市ごみ焼却灰の溶融炉から発生した溶融飛灰100.
0g(乾量)に80℃の純水高温水2,000mLを加え、3時間撹拌
後、固液分離を行い、化学組成がCl 0.67 dry%、F 0.24
dry%、Na 1.00 dry%、K 1.34 dry%、Zn 9.92 dry%、Pb
3.54 dry%、Cd 0.06 dry%、Cu 0.70dry%、Ca 0.65 dry
%の脱塩ケーキ(3)として49.1g(乾量)を得た。 【0021】比較例2 実施例2と同じ溶融飛灰(2)を100.0g(乾量)に常温(2
0℃)の純水2,000mLを加え、3時間撹拌後、固液分離を行
い、化学組成がCl 2.30 dry%、F 0.23 dry%、Na 1.30 d
ry%、K 1.70 dry%、Zn 6.50 dry%、Pb 3.19 dry%、Cd
0.09 dry%、Cu0.60 dry%、Ca 0.59 dry%の脱塩ケーキ
(4)として51.5g(乾量)を得た。 【0022】各実施例、および比較例で得られた洗浄残
渣の化学組成を溶融飛灰1、2と合わせて表1に示す。 【0023】 【表1】 【0024】表1から明らかなように、溶融飛灰を80℃
の高温水を用いて洗浄した脱塩ケーキの方が、常温水を
用いる場合に比べ、脱塩ケーキ中の塩素濃度、ならびに
ナトリウム、カリウム濃度が低下していることがわか
る。 【0025】 【発明の効果】本発明によれば、洗浄水使用量をほとん
ど増やすことなく、溶融飛灰中の溶解性の無機化合物を
さらに洗浄水側へ溶出させることができる。すなわち、
溶融飛灰中の塩素を効果的に分離することが可能とな
り、固液分離後に得られる脱塩ケーキの山元還元の可能
性を高めることができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 廃棄物溶融施設から排出された塩素を含
    有する溶融飛灰に洗浄水を加えて混合、攪拌を行い、そ
    の後脱水して排水と洗浄残渣とに分離することにより溶
    融飛灰中の塩素を除去する方法において、洗浄水として
    40〜100℃の温水を用いることを特徴とする溶融飛
    灰中の塩素の除去方法。
JP2002140072A 2002-05-15 2002-05-15 溶融飛灰中塩素の除去方法 Pending JP2003334508A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104016598A (zh) * 2014-06-20 2014-09-03 攀钢集团攀枝花钢铁研究院有限公司 提钛尾渣的除氯方法
JP2015157290A (ja) * 2015-05-29 2015-09-03 株式会社トクヤマ 焼却灰の処理方法及び処理装置

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