JP2003334410A - エアフィルタ用濾材およびその製造方法 - Google Patents
エアフィルタ用濾材およびその製造方法Info
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- JP2003334410A JP2003334410A JP2002141096A JP2002141096A JP2003334410A JP 2003334410 A JP2003334410 A JP 2003334410A JP 2002141096 A JP2002141096 A JP 2002141096A JP 2002141096 A JP2002141096 A JP 2002141096A JP 2003334410 A JP2003334410 A JP 2003334410A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】平行流型エアフィルタに用いた場合でも優れた
ガス吸着性能を得ることができ、しかも、寿命の長い、
吸着剤粒子を用いたエアフィルタ用濾材と、その製造方
法を提供する。 【解決手段】不織布基材シートの一表面に吸着剤粒子と
熱接着性材料との混合物を乾式抄紙し、得られた複層シ
ートの上に別の不織布基材シートを重ね合わせて2枚の
不織布基材シートの間に吸着剤粒子と熱接着性材料を介
在せしめ、得られた複層シートを加熱下にカレンダ加工
し、熱接着性材料を溶融させて吸着剤粒子を各不織布基
材シートに止着するとともに吸着剤粒子の一部を各不織
布基材シートの外表面側の表層部に没入させる。
ガス吸着性能を得ることができ、しかも、寿命の長い、
吸着剤粒子を用いたエアフィルタ用濾材と、その製造方
法を提供する。 【解決手段】不織布基材シートの一表面に吸着剤粒子と
熱接着性材料との混合物を乾式抄紙し、得られた複層シ
ートの上に別の不織布基材シートを重ね合わせて2枚の
不織布基材シートの間に吸着剤粒子と熱接着性材料を介
在せしめ、得られた複層シートを加熱下にカレンダ加工
し、熱接着性材料を溶融させて吸着剤粒子を各不織布基
材シートに止着するとともに吸着剤粒子の一部を各不織
布基材シートの外表面側の表層部に没入させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エアフィルタを構
成するのに用いる濾材とその製造方法に関する。
成するのに用いる濾材とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、半導体デバイスを製造するた
めのクリーンルームにおいては、回路パターンの微細化
とともにこれまで問題とならなかった微小なガス状の汚
染物質がデバイスの特性や歩留まり、信頼性に大きな影
響を及ぼすようになってきている。特に、アンモニアガ
スやアミンガス等の塩基性ガスがリソグラフィ工程に存
在すると、化学増幅型レジストの解像反応が停止してし
まい、回路パターンの不良を引き起こす。そのため、そ
のようなクリーンルームにおいては、イオン交換繊維や
イオン交換樹脂を主成分とする濾材を組み込んだエアフ
ィルタを用い、クリーンルーム内を清浄な雰囲気に保つ
ようにしている。
めのクリーンルームにおいては、回路パターンの微細化
とともにこれまで問題とならなかった微小なガス状の汚
染物質がデバイスの特性や歩留まり、信頼性に大きな影
響を及ぼすようになってきている。特に、アンモニアガ
スやアミンガス等の塩基性ガスがリソグラフィ工程に存
在すると、化学増幅型レジストの解像反応が停止してし
まい、回路パターンの不良を引き起こす。そのため、そ
のようなクリーンルームにおいては、イオン交換繊維や
イオン交換樹脂を主成分とする濾材を組み込んだエアフ
ィルタを用い、クリーンルーム内を清浄な雰囲気に保つ
ようにしている。
【0003】さて、そのようなエアフィルタの濾材とし
ては、吸着剤たるイオン交換繊維の湿式抄紙シートが知
られている(特開2000−33217号公報)。しか
しながら、イオン交換繊維は大変高価であるうえに、抄
紙媒体である水の中に存在する金属成分等が抄紙時にイ
オン交換基を消費してしまうため、イオン交換容量の損
失が大きいという問題がある。純水を用いればかかる問
題は回避できるが、純水製造装置の設置やその運転には
コストがかかる。また、湿式抄紙法は、繊維長が短い場
合には製品の歩留まりが悪くなる。
ては、吸着剤たるイオン交換繊維の湿式抄紙シートが知
られている(特開2000−33217号公報)。しか
しながら、イオン交換繊維は大変高価であるうえに、抄
紙媒体である水の中に存在する金属成分等が抄紙時にイ
オン交換基を消費してしまうため、イオン交換容量の損
失が大きいという問題がある。純水を用いればかかる問
題は回避できるが、純水製造装置の設置やその運転には
コストがかかる。また、湿式抄紙法は、繊維長が短い場
合には製品の歩留まりが悪くなる。
【0004】一方、不織布上にイオン交換樹脂の粒子
(吸着剤粒子)を乾式抄紙し、さらにその上に別の不織
布を重ね合わせたサンドイッチ構造の濾材が知られてい
る。2枚の不織布を用いてサンドイッチ構造としている
のは、1枚の不織布では吸着材粒子が脱落してしまうた
めである。この従来の濾材は、乾式抄紙によっているた
め、湿式抄紙による場合の上述した不都合は回避されて
いる。しかしながら、吸着剤が2枚の不織布で完全に覆
われているため、汚染ガスを厚み方向に通過させる、い
わゆる直交流型フィルタの濾材としては使用できても、
ハニカム型エアフィルタのような、汚染ガスを濾材の面
方向に流す、いわゆる平行流型エアフィルタの濾材とし
ては不向きである。平行流型エアフィルタに用いても、
吸着剤粒子と汚染ガスとの接触が十分に行われず、高い
ガス吸着性能が得られないからである。
(吸着剤粒子)を乾式抄紙し、さらにその上に別の不織
布を重ね合わせたサンドイッチ構造の濾材が知られてい
る。2枚の不織布を用いてサンドイッチ構造としている
のは、1枚の不織布では吸着材粒子が脱落してしまうた
めである。この従来の濾材は、乾式抄紙によっているた
め、湿式抄紙による場合の上述した不都合は回避されて
いる。しかしながら、吸着剤が2枚の不織布で完全に覆
われているため、汚染ガスを厚み方向に通過させる、い
わゆる直交流型フィルタの濾材としては使用できても、
ハニカム型エアフィルタのような、汚染ガスを濾材の面
方向に流す、いわゆる平行流型エアフィルタの濾材とし
ては不向きである。平行流型エアフィルタに用いても、
吸着剤粒子と汚染ガスとの接触が十分に行われず、高い
ガス吸着性能が得られないからである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
のエアフィルタ用濾材の上述した問題点を解決し、平行
流型エアフィルタに用いた場合でも優れたガス吸着性能
を得ることができ、しかも、寿命の長い、吸着剤粒子を
用いたエアフィルタ用濾材を提供するにある。また、本
発明の他の目的は、そのようなエアフィルタ濾材を低コ
ストで製造する方法を提供するにある。
のエアフィルタ用濾材の上述した問題点を解決し、平行
流型エアフィルタに用いた場合でも優れたガス吸着性能
を得ることができ、しかも、寿命の長い、吸着剤粒子を
用いたエアフィルタ用濾材を提供するにある。また、本
発明の他の目的は、そのようなエアフィルタ濾材を低コ
ストで製造する方法を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、2枚の不織布基材シートと、これら2枚の
不織布基材シートの間に介在された吸着剤粒子とを含
み、かつ、吸着剤粒子は、各不織布基材シートに止着さ
れているとともに一部は各不織布基材シートの外表面側
の表層部に没入していることを特徴とするエアフィルタ
用濾材を提供する。吸着剤粒子の一部は、各不織布基材
シートを貫通して各不織布基材シートの外表面に露出し
ていてよい。
の本発明は、2枚の不織布基材シートと、これら2枚の
不織布基材シートの間に介在された吸着剤粒子とを含
み、かつ、吸着剤粒子は、各不織布基材シートに止着さ
れているとともに一部は各不織布基材シートの外表面側
の表層部に没入していることを特徴とするエアフィルタ
用濾材を提供する。吸着剤粒子の一部は、各不織布基材
シートを貫通して各不織布基材シートの外表面に露出し
ていてよい。
【0007】また、本発明は、不織布基材シートと、こ
の不織布基材シートの一表面に存在する吸着剤粒子とを
含み、かつ、吸着剤粒子は、不織布基材シートに止着さ
れているとともに一部は不織布基材シートの他表面側の
表層部に没入していることを特徴とするエアフィルタ用
濾材を提供する。この場合も、吸着剤粒子の一部は不織
布基材シートを貫通して不織布基材シートの他表面に露
出していてよい。
の不織布基材シートの一表面に存在する吸着剤粒子とを
含み、かつ、吸着剤粒子は、不織布基材シートに止着さ
れているとともに一部は不織布基材シートの他表面側の
表層部に没入していることを特徴とするエアフィルタ用
濾材を提供する。この場合も、吸着剤粒子の一部は不織
布基材シートを貫通して不織布基材シートの他表面に露
出していてよい。
【0008】上述した2形態のエアフィルタ用濾材にお
いて、吸着剤粒子は、イオン交換樹脂粒子、活性炭粒
子、ゼオライト粒子、活性アルミナ粒子、ケイ酸アルミ
ニウム粒子、多孔質ガラス粒子、シリカゲル粒子、活性
白土粒子および多孔質粘土粒子から選ばれる少なくとも
一種の粒子のようなものである。また、吸着剤粒子の不
織布基材シートへの止着は、たとえば、熱接着性材料に
よる熱接着によって行われている。さらに、濾材は、ハ
ニカム型等の開放セル構造を有している。
いて、吸着剤粒子は、イオン交換樹脂粒子、活性炭粒
子、ゼオライト粒子、活性アルミナ粒子、ケイ酸アルミ
ニウム粒子、多孔質ガラス粒子、シリカゲル粒子、活性
白土粒子および多孔質粘土粒子から選ばれる少なくとも
一種の粒子のようなものである。また、吸着剤粒子の不
織布基材シートへの止着は、たとえば、熱接着性材料に
よる熱接着によって行われている。さらに、濾材は、ハ
ニカム型等の開放セル構造を有している。
【0009】また、本発明は、上述したエアフィルタ濾
材を製造する方法として、不織布基材シートの一表面に
吸着剤粒子と熱接着性材料とを布設し、得られた複層シ
ートの上に別の不織布基材シートを重ね合わせて2枚の
不織布基材シートの間に吸着剤粒子と熱接着性材料を介
在せしめ、得られた複層シートを加熱加圧し、熱接着性
材料を溶融または軟化させて吸着剤粒子を各不織布基材
シートに止着するとともに吸着剤粒子の一部を各不織布
基材シートの外表面側の表層部に没入させることを特徴
とするエアフィルタ用濾材の製造方法を提供する。この
場合、吸着剤粒子の一部を各不織布基材シートを貫通さ
せて各不織布基材シートの外表面に露出させてもよい。
材を製造する方法として、不織布基材シートの一表面に
吸着剤粒子と熱接着性材料とを布設し、得られた複層シ
ートの上に別の不織布基材シートを重ね合わせて2枚の
不織布基材シートの間に吸着剤粒子と熱接着性材料を介
在せしめ、得られた複層シートを加熱加圧し、熱接着性
材料を溶融または軟化させて吸着剤粒子を各不織布基材
シートに止着するとともに吸着剤粒子の一部を各不織布
基材シートの外表面側の表層部に没入させることを特徴
とするエアフィルタ用濾材の製造方法を提供する。この
場合、吸着剤粒子の一部を各不織布基材シートを貫通さ
せて各不織布基材シートの外表面に露出させてもよい。
【0010】また、本発明は、不織布基材シートの一表
面に吸着剤粒子と熱接着性材料とを布設し、得られた複
層シートを過熱加圧し、熱接着性材料を溶融または軟化
させて吸着剤粒子を不織布基材シートに止着するととも
に吸着剤粒子の一部を不織布基材シートの他表面側の表
層部に没入させることを特徴とするエアフィルタ用濾材
の製造方法を提供する。この場合も、また、吸着剤粒子
の一部を不織布基材シートを貫通させて不織布基材シー
トの他表面に露出させてもよい。
面に吸着剤粒子と熱接着性材料とを布設し、得られた複
層シートを過熱加圧し、熱接着性材料を溶融または軟化
させて吸着剤粒子を不織布基材シートに止着するととも
に吸着剤粒子の一部を不織布基材シートの他表面側の表
層部に没入させることを特徴とするエアフィルタ用濾材
の製造方法を提供する。この場合も、また、吸着剤粒子
の一部を不織布基材シートを貫通させて不織布基材シー
トの他表面に露出させてもよい。
【0011】上述した2形態のエアフィルタ濾材の製造
方法において、不織布基材シートとしては、目付が5〜
30g/m2の範囲内にある合成繊維不織布を用いるの
がよい。また、吸着剤粒子としては、イオン交換樹脂粒
子、活性炭粒子、ゼオライト粒子、活性アルミナ粒子、
ケイ酸アルミニウム粒子、多孔質ガラス粒子、シリカゲ
ル粒子、活性白土粒子および多孔質粘土粒子から選ばれ
る少なくとも一種の粒子等を用いる。さらに、熱接着性
材料としては、たとえば、熱可塑性芯鞘型複合繊維を用
いる。また、吸着剤粒子と熱接着性材料との合計量に占
める熱接着性材料の割合は、5〜50重量%の範囲内と
するのが好ましい。さらに、加熱加圧と同時に不織布基
材シートをエンボス加工するのもよい。
方法において、不織布基材シートとしては、目付が5〜
30g/m2の範囲内にある合成繊維不織布を用いるの
がよい。また、吸着剤粒子としては、イオン交換樹脂粒
子、活性炭粒子、ゼオライト粒子、活性アルミナ粒子、
ケイ酸アルミニウム粒子、多孔質ガラス粒子、シリカゲ
ル粒子、活性白土粒子および多孔質粘土粒子から選ばれ
る少なくとも一種の粒子等を用いる。さらに、熱接着性
材料としては、たとえば、熱可塑性芯鞘型複合繊維を用
いる。また、吸着剤粒子と熱接着性材料との合計量に占
める熱接着性材料の割合は、5〜50重量%の範囲内と
するのが好ましい。さらに、加熱加圧と同時に不織布基
材シートをエンボス加工するのもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の第1の形態のエアフィル
タ用濾材、すなわち、一対の不織布基材シートと、この
一対の不織布基材シートの間に介在された吸着剤粒子と
を含み、かつ、吸着剤粒子は、各不織布基材シートに止
着されているとともに一部は各不織布基材シートの外表
面側の表層部に没入しているエアフィルタ用濾材は、不
織布基材シートの一表面に吸着剤粒子と熱接着性材料と
を布設し、得られた複層シートの上に別の不織布基材シ
ートを重ね合わせて2枚の不織布基材シートの間に吸着
剤粒子と熱接着性材料を介在せしめ、得られた複層シー
トを加熱加圧し、熱接着性材料を溶融または軟化させて
吸着剤粒子を各不織布基材シートに止着するとともに吸
着剤粒子の一部を各不織布基材シートの外表面側の表層
部に没入させることによって得ることができる。
タ用濾材、すなわち、一対の不織布基材シートと、この
一対の不織布基材シートの間に介在された吸着剤粒子と
を含み、かつ、吸着剤粒子は、各不織布基材シートに止
着されているとともに一部は各不織布基材シートの外表
面側の表層部に没入しているエアフィルタ用濾材は、不
織布基材シートの一表面に吸着剤粒子と熱接着性材料と
を布設し、得られた複層シートの上に別の不織布基材シ
ートを重ね合わせて2枚の不織布基材シートの間に吸着
剤粒子と熱接着性材料を介在せしめ、得られた複層シー
トを加熱加圧し、熱接着性材料を溶融または軟化させて
吸着剤粒子を各不織布基材シートに止着するとともに吸
着剤粒子の一部を各不織布基材シートの外表面側の表層
部に没入させることによって得ることができる。
【0013】不織布基材シートは、濾材に形態保持性や
強度を与えるとともに、吸着剤粒子の不織布基材シート
からの脱落を防止するもので、後述する加熱加圧では溶
融または軟化しないポリエステル繊維、ポリアミド繊
維、ポリオレフィン繊維、アクリル繊維、ビニロン繊維
等の合成繊維や、天然パルプ等からなる長繊維不織布、
短繊維不織布、マット、フェルト、紙のようなものであ
る。不織布基材シートは、通気性を有していることが必
要であるが、後の加熱加圧時に溶融したり軟化したりす
るようなものを採用すると、目が埋まったり覆われたり
して通気性が低下するようになる。目付は、あまり高い
と吸着剤粒子を没入させるのが困難になることがあり、
また、あまり低いと吸着剤粒子が抜け落ちて止着が困難
になることがあるので、5〜30g/m2、好ましくは
5〜20g/m2の範囲内にあるものを選択するのがよ
い。
強度を与えるとともに、吸着剤粒子の不織布基材シート
からの脱落を防止するもので、後述する加熱加圧では溶
融または軟化しないポリエステル繊維、ポリアミド繊
維、ポリオレフィン繊維、アクリル繊維、ビニロン繊維
等の合成繊維や、天然パルプ等からなる長繊維不織布、
短繊維不織布、マット、フェルト、紙のようなものであ
る。不織布基材シートは、通気性を有していることが必
要であるが、後の加熱加圧時に溶融したり軟化したりす
るようなものを採用すると、目が埋まったり覆われたり
して通気性が低下するようになる。目付は、あまり高い
と吸着剤粒子を没入させるのが困難になることがあり、
また、あまり低いと吸着剤粒子が抜け落ちて止着が困難
になることがあるので、5〜30g/m2、好ましくは
5〜20g/m2の範囲内にあるものを選択するのがよ
い。
【0014】本発明においては、そのような不織布基材
シートの一表面に、吸着材粒子と熱接着性材料とを布設
する。
シートの一表面に、吸着材粒子と熱接着性材料とを布設
する。
【0015】吸着剤粒子は、汚染ガスを吸着する作用を
有するもので、イオン交換樹脂粒子、活性炭粒子、ゼオ
ライト粒子、活性アルミナ粒子、ケイ酸アルミニウム粒
子、多孔質ガラス粒子、シリカゲル粒子、活性白土粒
子、多孔質粘土粒子のようなものである。これらは、単
独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。粒子径
は、50〜1,000μm、好ましくは100〜500
μmの範囲内にあるのがよい。粒子径があまり小さいと
付設時に不織布基材シートから脱落したり、飛散したり
することがある。また、あまり大きいと吸着作用を担う
表面の面積が小さくなり、吸着速度が低くなる。
有するもので、イオン交換樹脂粒子、活性炭粒子、ゼオ
ライト粒子、活性アルミナ粒子、ケイ酸アルミニウム粒
子、多孔質ガラス粒子、シリカゲル粒子、活性白土粒
子、多孔質粘土粒子のようなものである。これらは、単
独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。粒子径
は、50〜1,000μm、好ましくは100〜500
μmの範囲内にあるのがよい。粒子径があまり小さいと
付設時に不織布基材シートから脱落したり、飛散したり
することがある。また、あまり大きいと吸着作用を担う
表面の面積が小さくなり、吸着速度が低くなる。
【0016】また、熱接着性材料は、後述する加熱加圧
時に溶融または軟化して吸着剤粒子を不織布基材シート
に止着する作用を有するもので、ポリエステル樹脂、ポ
リアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂や
これらの変成熱可塑性樹脂からなる繊維、粒子、粉末の
ようなものである。なかでも、融点の異なる熱可塑性樹
脂からなる芯鞘型複合繊維であって、鞘成分の融点が芯
成分のそれよりも30〜200℃ほど低いような芯鞘型
複合繊維であるのが好ましい。そのような芯鞘型複合繊
維を使用し、加熱加圧時に鞘成分は溶融または軟化する
が芯成分は繊維形態を保持できる温度条件を選択する
と、濾材の強度や不織布基材シートへの吸着材粒子の止
着強度を向上させることができ、また、不織布基材シー
ト内部の空隙を保持することができるようになって通気
性を向上させることができる。通気性が向上すれば、汚
染ガスが吸着剤粒子にすばやく到達するようになり、両
者の接触がスムーズに行われるようになって吸着性能が
向上する。芯鞘型複合繊維を用いる場合、吸着剤粒子の
止着性の面から、太さが1〜数十dtex、特に2〜6
dtexの範囲内にあるものを選択するのがよい。ま
た、分散の容易さ、定量供給の容易さといった面から、
繊維長が2〜20mm、好ましくは3〜10mmの範囲
内にあるものを選択するのがよい。
時に溶融または軟化して吸着剤粒子を不織布基材シート
に止着する作用を有するもので、ポリエステル樹脂、ポ
リアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂や
これらの変成熱可塑性樹脂からなる繊維、粒子、粉末の
ようなものである。なかでも、融点の異なる熱可塑性樹
脂からなる芯鞘型複合繊維であって、鞘成分の融点が芯
成分のそれよりも30〜200℃ほど低いような芯鞘型
複合繊維であるのが好ましい。そのような芯鞘型複合繊
維を使用し、加熱加圧時に鞘成分は溶融または軟化する
が芯成分は繊維形態を保持できる温度条件を選択する
と、濾材の強度や不織布基材シートへの吸着材粒子の止
着強度を向上させることができ、また、不織布基材シー
ト内部の空隙を保持することができるようになって通気
性を向上させることができる。通気性が向上すれば、汚
染ガスが吸着剤粒子にすばやく到達するようになり、両
者の接触がスムーズに行われるようになって吸着性能が
向上する。芯鞘型複合繊維を用いる場合、吸着剤粒子の
止着性の面から、太さが1〜数十dtex、特に2〜6
dtexの範囲内にあるものを選択するのがよい。ま
た、分散の容易さ、定量供給の容易さといった面から、
繊維長が2〜20mm、好ましくは3〜10mmの範囲
内にあるものを選択するのがよい。
【0017】上述した吸着剤粒子は、熱接着性材料との
合計量に対して30〜95重量%、好ましくは60〜9
0重量%の範囲内とするのがよい。あまり少ないと吸着
性能が不足しがちになり、あまり多いと相対的に熱接着
性材料の量が少なくなって吸着剤粒子の止着が不十分に
なることがある。また、熱接着性材料は、吸着剤粒子と
熱接着性材料の合計量に対して5〜50重量%、好まし
くは10〜40重量%の範囲内とするのがよい。あまり
少ないと不織布基材シートに対して吸着剤粒子を止着し
きれないことがある。また、あまり多いと不織布基材シ
ートの空隙が埋まって通気性が低下したり、加熱加圧時
にロール等に付着して工程の悪化を招いたりする。な
お、濾材としての強度、剛性等の機械的物性を調整した
り製造時の工程安定性を向上させたりするために、熱接
着性材料に、加熱加圧時に溶融または軟化しない天然パ
ルプや補強繊維等を加えてもよい。
合計量に対して30〜95重量%、好ましくは60〜9
0重量%の範囲内とするのがよい。あまり少ないと吸着
性能が不足しがちになり、あまり多いと相対的に熱接着
性材料の量が少なくなって吸着剤粒子の止着が不十分に
なることがある。また、熱接着性材料は、吸着剤粒子と
熱接着性材料の合計量に対して5〜50重量%、好まし
くは10〜40重量%の範囲内とするのがよい。あまり
少ないと不織布基材シートに対して吸着剤粒子を止着し
きれないことがある。また、あまり多いと不織布基材シ
ートの空隙が埋まって通気性が低下したり、加熱加圧時
にロール等に付着して工程の悪化を招いたりする。な
お、濾材としての強度、剛性等の機械的物性を調整した
り製造時の工程安定性を向上させたりするために、熱接
着性材料に、加熱加圧時に溶融または軟化しない天然パ
ルプや補強繊維等を加えてもよい。
【0018】不織布基材シートの一表面への吸着剤粒子
と熱接着性材料の布設は、両者を、別々に、たとえば散
布することによることもできるが、通常は、両者をあら
かじめ混合しておき、不織布基材シート上に乾式抄紙す
ることによって行う。乾式抄紙は、エアレイ法(airlay
or laid process)によるのがよいが、吸着剤粒子と熱
接着性材料とをエア中で均一に分散させ、不織布基材シ
ート上に布設することができる方法であればどのような
方法でも採用できる。
と熱接着性材料の布設は、両者を、別々に、たとえば散
布することによることもできるが、通常は、両者をあら
かじめ混合しておき、不織布基材シート上に乾式抄紙す
ることによって行う。乾式抄紙は、エアレイ法(airlay
or laid process)によるのがよいが、吸着剤粒子と熱
接着性材料とをエア中で均一に分散させ、不織布基材シ
ート上に布設することができる方法であればどのような
方法でも採用できる。
【0019】さて、本発明においては、次に、不織布基
材シートの一表面に吸着剤粒子と熱接着性材料とを布設
することによって得られた複層シートの上に別の不織布
基材シートを重ね合わせて2枚の不織布基材シートの間
に吸着剤粒子と熱接着性材料を介在せしめ、得られた複
層シートを加熱加圧し、熱接着性材料を溶融または軟化
させて吸着剤粒子を各不織布基材シートに止着するとと
もに吸着剤粒子の一部を各不織布基材シートの外表面側
の表層部に没入させる。加熱温度は、熱接着性材料を溶
融または軟化させることができる範囲で選定する。ま
た、加圧力は、平行流型エアフィルタを構成した場合の
開口面積を大きくとることができるよう、濾材としての
密度を0.3g/cm3以上、好ましくは0.4g/c
m3以上とすることができるような範囲とするのがよ
い。これにより、吸着剤粒子を各不織布基材シートの外
表面側の表層部まで没入させることができ、しかも、表
面に十分に近接させることができて、平行流型エアフィ
ルタに使用した場合でも十分な吸着性能が得られるよう
になる。加熱加圧は、通常、加熱ロール(カレンダロー
ル)を用いて行うが、エンボス加工ロールを用いて小さ
な面積に加圧力が集中するようにするのもよい。なお、
吸着材粒子の一部を各不織布基材シートの外表面に露出
させると、汚染ガスとの接触をよりスムーズに行うこと
ができるようになるが、表層部に吸着材粒子が没入され
ていることもあり、露出させることが必須であるわけで
はない。
材シートの一表面に吸着剤粒子と熱接着性材料とを布設
することによって得られた複層シートの上に別の不織布
基材シートを重ね合わせて2枚の不織布基材シートの間
に吸着剤粒子と熱接着性材料を介在せしめ、得られた複
層シートを加熱加圧し、熱接着性材料を溶融または軟化
させて吸着剤粒子を各不織布基材シートに止着するとと
もに吸着剤粒子の一部を各不織布基材シートの外表面側
の表層部に没入させる。加熱温度は、熱接着性材料を溶
融または軟化させることができる範囲で選定する。ま
た、加圧力は、平行流型エアフィルタを構成した場合の
開口面積を大きくとることができるよう、濾材としての
密度を0.3g/cm3以上、好ましくは0.4g/c
m3以上とすることができるような範囲とするのがよ
い。これにより、吸着剤粒子を各不織布基材シートの外
表面側の表層部まで没入させることができ、しかも、表
面に十分に近接させることができて、平行流型エアフィ
ルタに使用した場合でも十分な吸着性能が得られるよう
になる。加熱加圧は、通常、加熱ロール(カレンダロー
ル)を用いて行うが、エンボス加工ロールを用いて小さ
な面積に加圧力が集中するようにするのもよい。なお、
吸着材粒子の一部を各不織布基材シートの外表面に露出
させると、汚染ガスとの接触をよりスムーズに行うこと
ができるようになるが、表層部に吸着材粒子が没入され
ていることもあり、露出させることが必須であるわけで
はない。
【0020】本発明の第2の形態のエアフィルタ用濾
材、すなわち、不織布基材シートと、この不織布基材シ
ートの一表面に存在する吸着剤粒子とを含み、かつ、吸
着剤粒子は、不織布基材シートに止着されているととも
に一部は不織布基材シートの他表面側の表層部に没入し
ているエアフィルタ用濾材は、不織布基材シートの一表
面に吸着剤粒子と熱接着性材料とを布設し、得られた複
層シートを過熱加圧し、熱接着性材料を溶融または軟化
させて吸着剤粒子を不織布基材シートに止着するととも
に吸着剤粒子の一部を不織布基材シートの他表面側の表
層部に没入させることによって得ることができる。この
第2の形態の濾材が上述した第1の形態のそれと異なる
点は、吸着剤粒子が2枚の不織布基材シートに止着され
ているのではなく、1枚の不織布基材シート上に止着さ
れているという点である。この形態ものでも、吸着剤粒
子の脱落の心配はほとんどない。また、製造方法上は、
第1の形態の方法と全く同様にして不織布基材シートの
一表面に吸着剤粒子と熱接着性材料とを布設し、得られ
た複層シートの上に別の不織布基材シートを重ね合わせ
ることなく加熱加圧するという点が異なるだけである。
材、すなわち、不織布基材シートと、この不織布基材シ
ートの一表面に存在する吸着剤粒子とを含み、かつ、吸
着剤粒子は、不織布基材シートに止着されているととも
に一部は不織布基材シートの他表面側の表層部に没入し
ているエアフィルタ用濾材は、不織布基材シートの一表
面に吸着剤粒子と熱接着性材料とを布設し、得られた複
層シートを過熱加圧し、熱接着性材料を溶融または軟化
させて吸着剤粒子を不織布基材シートに止着するととも
に吸着剤粒子の一部を不織布基材シートの他表面側の表
層部に没入させることによって得ることができる。この
第2の形態の濾材が上述した第1の形態のそれと異なる
点は、吸着剤粒子が2枚の不織布基材シートに止着され
ているのではなく、1枚の不織布基材シート上に止着さ
れているという点である。この形態ものでも、吸着剤粒
子の脱落の心配はほとんどない。また、製造方法上は、
第1の形態の方法と全く同様にして不織布基材シートの
一表面に吸着剤粒子と熱接着性材料とを布設し、得られ
た複層シートの上に別の不織布基材シートを重ね合わせ
ることなく加熱加圧するという点が異なるだけである。
【0021】本発明のエアフィルタ用濾材は、直交流型
エアフィルタに用いることができるが、平行流型エアフ
ィルタにも用いることができる。その場合は、開放セル
構造に加工する。開放セル構造とする方法にはいろいろ
な方法があるが、平板状の濾材と波板状に加工した濾材
とを貼り合わせて片段ボール状とし、その複数枚を積層
することによりハニカム構造とするのが好ましい。セル
数と奥行は、処理するエアの面風速によって調整する。
たとえば、0.3〜3m/secの面風速では、セル数
は80セル/10cm2以上とするのが好ましく、奥行
は40〜300mm程度の範囲内とする。セル数が少な
すぎたり奥行が短すぎたりすると、エアとの十分な接触
を確保できなくなり、被吸着成分を除去しきれなくな
る。逆に、セル数が多すぎたり奥行が長すぎたりする
と、圧力損失が大きくなり、ランニングコストが高くな
る。
エアフィルタに用いることができるが、平行流型エアフ
ィルタにも用いることができる。その場合は、開放セル
構造に加工する。開放セル構造とする方法にはいろいろ
な方法があるが、平板状の濾材と波板状に加工した濾材
とを貼り合わせて片段ボール状とし、その複数枚を積層
することによりハニカム構造とするのが好ましい。セル
数と奥行は、処理するエアの面風速によって調整する。
たとえば、0.3〜3m/secの面風速では、セル数
は80セル/10cm2以上とするのが好ましく、奥行
は40〜300mm程度の範囲内とする。セル数が少な
すぎたり奥行が短すぎたりすると、エアとの十分な接触
を確保できなくなり、被吸着成分を除去しきれなくな
る。逆に、セル数が多すぎたり奥行が長すぎたりする
と、圧力損失が大きくなり、ランニングコストが高くな
る。
【0022】また、上述したような開放セル構造を、異
なる吸着剤粒子を用いたエアフィルタ濾材の組み合わせ
構造とすると、異なる種類の汚染ガスを吸着除去するエ
アフィルタとすることができる。たとえば、イオン交換
樹脂粒子を含む濾材と、活性炭粒子を含む濾材とを貼り
合わせてハニカム構造としたエアフィルタは、有機ガス
とイオン性ガスの双方を吸着除去することができる。
なる吸着剤粒子を用いたエアフィルタ濾材の組み合わせ
構造とすると、異なる種類の汚染ガスを吸着除去するエ
アフィルタとすることができる。たとえば、イオン交換
樹脂粒子を含む濾材と、活性炭粒子を含む濾材とを貼り
合わせてハニカム構造としたエアフィルタは、有機ガス
とイオン性ガスの双方を吸着除去することができる。
【0023】さらに、エアフィルタにおいては、通常、
少なくとも下流側に不織布を配置して濾材からの脱落物
を捕捉するようにするが、本発明の濾材は加熱圧密化処
理を施して脱落物が非常に少ないため、不織布は必ずし
も必要でなく、その場合、圧力損失を低限することがで
きるようになる。
少なくとも下流側に不織布を配置して濾材からの脱落物
を捕捉するようにするが、本発明の濾材は加熱圧密化処
理を施して脱落物が非常に少ないため、不織布は必ずし
も必要でなく、その場合、圧力損失を低限することがで
きるようになる。
【0024】本発明のエアフィルタ用濾材を用いたエア
フィルタは、半導体デバイスを製造するためのクリーン
ルーム、健康住宅、ペット対応型マンション、高齢者入
所施設、病院、オフィス等で使用する空気清浄機、空気
清浄システムや、循環型の空気清浄システムに好適であ
る。たとえば、半導体を製造するためのクリーンルーム
や、その中に設置される製造機器類、ウエハ搬送経路等
のガス状汚染物質除去に用いると、吸着剤粒子が不織布
基材シートに確実に止着されているために発塵が非常に
少なく、下流側に組み合わせて配置するHEPAフィル
タやULPAフィルタへの負荷を低減することができる
ようになる。
フィルタは、半導体デバイスを製造するためのクリーン
ルーム、健康住宅、ペット対応型マンション、高齢者入
所施設、病院、オフィス等で使用する空気清浄機、空気
清浄システムや、循環型の空気清浄システムに好適であ
る。たとえば、半導体を製造するためのクリーンルーム
や、その中に設置される製造機器類、ウエハ搬送経路等
のガス状汚染物質除去に用いると、吸着剤粒子が不織布
基材シートに確実に止着されているために発塵が非常に
少なく、下流側に組み合わせて配置するHEPAフィル
タやULPAフィルタへの負荷を低減することができる
ようになる。
【0025】
【実施例および比較例】以下に記載する実施例および比
較例においては、濾材を装着したエアフィルタを実験用
のダクトに取り付け、ダクトに温度23℃、湿度45%
RH、濃度3000v−ppbに調整したアンモニアガ
スを0.5m/secの速度で流し、フィルタの上流側
と下流側からそれぞれエアを抜き出して超純水入りのイ
ンピンジャに通気し、バブリングさせてアンモニアを捕
集し、アンモニア量をイオンクロマトグラフで定量し、
各アンモニア濃度の差からアンモニア除去率を求めた。
また、アンモニア除去率を経時的に測定し、フィルタの
寿命を評価した。なお、この評価では、アンモニア除去
率が当初の80%に到達した時点で寿命とした。 (実施例)平均粒子径が330μmのカチオン交換樹脂
粒子と、繊維長5mmの芯鞘型ポリエステル複合繊維
(芯成分の融点:260℃、鞘成分の融点:110℃)
とを芯鞘型複合繊維の割合が30重量%になるように混
合し、これを目付10g/m 2のポリエステル繊維不織
布上に乾式抄紙し、さらにその上に上記ポリエステル繊
維不織布を重ね合わせた。この重ね合わせシートのトー
タル目付は220g/m2であり、カチオン交換樹脂粒
子が140g/m2、芯鞘型ポリエステル複合繊維が6
0g/m2、ポリエステル繊維不織布が20g/m2であ
った。また、密度は0.2g/cm3、厚みは1.1m
mであった。
較例においては、濾材を装着したエアフィルタを実験用
のダクトに取り付け、ダクトに温度23℃、湿度45%
RH、濃度3000v−ppbに調整したアンモニアガ
スを0.5m/secの速度で流し、フィルタの上流側
と下流側からそれぞれエアを抜き出して超純水入りのイ
ンピンジャに通気し、バブリングさせてアンモニアを捕
集し、アンモニア量をイオンクロマトグラフで定量し、
各アンモニア濃度の差からアンモニア除去率を求めた。
また、アンモニア除去率を経時的に測定し、フィルタの
寿命を評価した。なお、この評価では、アンモニア除去
率が当初の80%に到達した時点で寿命とした。 (実施例)平均粒子径が330μmのカチオン交換樹脂
粒子と、繊維長5mmの芯鞘型ポリエステル複合繊維
(芯成分の融点:260℃、鞘成分の融点:110℃)
とを芯鞘型複合繊維の割合が30重量%になるように混
合し、これを目付10g/m 2のポリエステル繊維不織
布上に乾式抄紙し、さらにその上に上記ポリエステル繊
維不織布を重ね合わせた。この重ね合わせシートのトー
タル目付は220g/m2であり、カチオン交換樹脂粒
子が140g/m2、芯鞘型ポリエステル複合繊維が6
0g/m2、ポリエステル繊維不織布が20g/m2であ
った。また、密度は0.2g/cm3、厚みは1.1m
mであった。
【0026】次に、上記重ね合わせシートを温度120
℃、線圧200kgf/cmにて厚みが0.5mmにな
るようにカレンダ加工し、濾材を得た。この加工によ
り、密度は0.44g/cm3となり、また、カチオン
交換樹脂粒子が不織布に止着されるとともに一部は不織
布の他表面近くまで没入した。
℃、線圧200kgf/cmにて厚みが0.5mmにな
るようにカレンダ加工し、濾材を得た。この加工によ
り、密度は0.44g/cm3となり、また、カチオン
交換樹脂粒子が不織布に止着されるとともに一部は不織
布の他表面近くまで没入した。
【0027】次に、上記濾材を片段ボール状にコルゲー
ト加工し、これを65mmにスリットしたものを積層し
てハニカム構造体(山高さ:2.4mm、ピッチ:4.
4mm)とした。さらに、このハニカム構造体を開口部
が100mm×100mmのアルミニウム枠に装着して
フィルタとした。このフィルタの濾材充填密度は0.2
2g/cm3であった。
ト加工し、これを65mmにスリットしたものを積層し
てハニカム構造体(山高さ:2.4mm、ピッチ:4.
4mm)とした。さらに、このハニカム構造体を開口部
が100mm×100mmのアルミニウム枠に装着して
フィルタとした。このフィルタの濾材充填密度は0.2
2g/cm3であった。
【0028】このフィルタのアンモニア除去率は、次の
とおりであった。また、寿命は180時間であった。
とおりであった。また、寿命は180時間であった。
【0029】
初期値 :100%
48時間経過後:100%
96時間経過後: 99%
144時間経過後: 92%
240時間経過後: 30%
(比較例)カレンダ加工を施さなかったほかは実施例と
全く同様にして得たフィルタについて、アンモニア除去
率を調べたところ、次のとおりであった。また、寿命は
96時間であった。
全く同様にして得たフィルタについて、アンモニア除去
率を調べたところ、次のとおりであった。また、寿命は
96時間であった。
【0030】
初期値 :92%
48時間経過後:87%
96時間経過後:81%
144時間経過後:67%
240時間経過後:52%
この比較例のものは、アンモニア除去率の初期値が実施
例のものにくらべて8%も低く、しかも、寿命も96時
間と実施例のものの50%程度となっている。これは、
カレンダ加工を行わなかったために、カチオン交換樹脂
粒子を不織布の他表面近くに近接させることができなく
てアンモニアガスとの接触が十分に行われなかったこ
と、濾材の厚みが1.1mmと厚くてエアフィルタにお
けるカチオン交換樹脂粒子の絶対量が少なくなったため
であると考えられる。
例のものにくらべて8%も低く、しかも、寿命も96時
間と実施例のものの50%程度となっている。これは、
カレンダ加工を行わなかったために、カチオン交換樹脂
粒子を不織布の他表面近くに近接させることができなく
てアンモニアガスとの接触が十分に行われなかったこ
と、濾材の厚みが1.1mmと厚くてエアフィルタにお
けるカチオン交換樹脂粒子の絶対量が少なくなったため
であると考えられる。
【0031】
【発明の効果】本発明のエアフィルタ濾材は、実施例と
比較例との対比からも明らかなように、平行流型エアフ
ィルタに用いた場合でも優れたガス吸着性能を得ること
ができ、しかも、寿命が長い。また、本発明のエアフィ
ルタ濾材の製造方法によれば、イオン交換繊維にくらべ
て格段に安価な吸着剤粒子を用いるにもかかわらず、優
れたガス吸着性能を有し、しかも、寿命が長いエアフィ
ルタ濾材を低コストで製造することができる。
比較例との対比からも明らかなように、平行流型エアフ
ィルタに用いた場合でも優れたガス吸着性能を得ること
ができ、しかも、寿命が長い。また、本発明のエアフィ
ルタ濾材の製造方法によれば、イオン交換繊維にくらべ
て格段に安価な吸着剤粒子を用いるにもかかわらず、優
れたガス吸着性能を有し、しかも、寿命が長いエアフィ
ルタ濾材を低コストで製造することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
B01D 39/00 B01D 39/00 B
39/16 39/16 A
F24F 7/00 F24F 7/00 A
7/06 7/06 C
Fターム(参考) 3L058 BF09 BG03
4C080 AA05 BB01 CC01 HH05 JJ05
JJ06 KK08 LL10 MM01 MM03
MM05 MM06 MM22
4D019 AA01 BA13 BB03 BB10 BC05
BD01 CA01 CB04 CB06
Claims (18)
- 【請求項1】2枚の不織布基材シートと、これら2枚の
不織布基材シートの間に介在された吸着剤粒子とを含
み、かつ、吸着剤粒子は、各不織布基材シートに止着さ
れているとともに一部は各不織布基材シートの外表面側
の表層部に没入していることを特徴とするエアフィルタ
用濾材。 - 【請求項2】吸着剤粒子の一部は各不織布基材シートを
貫通して各不織布基材シートの外表面に露出している、
請求項1のエアフィルタ用濾材。 - 【請求項3】不織布基材シートと、この不織布基材シー
トの一表面に存在する吸着剤粒子とを含み、かつ、吸着
剤粒子は、不織布基材シートに止着されているとともに
一部は不織布基材シートの他表面側の表層部に没入して
いることを特徴とするエアフィルタ用濾材。 - 【請求項4】吸着剤粒子の一部は不織布基材シートを貫
通して不織布基材シートの他表面に露出している、請求
項3のエアフィルタ用濾材。 - 【請求項5】吸着剤粒子が、イオン交換樹脂粒子、活性
炭粒子、ゼオライト粒子、活性アルミナ粒子、ケイ酸ア
ルミニウム粒子、多孔質ガラス粒子、シリカゲル粒子、
活性白土粒子および多孔質粘土粒子から選ばれる少なく
とも一種の粒子である、請求項1〜4のいずれかに記載
のエアフィルタ用濾材。 - 【請求項6】吸着剤粒子の不織布基材シートへの止着が
熱接着性材料による熱接着によって行われている、請求
項1〜5のいずれかに記載のエアフィルタ用濾材。 - 【請求項7】開放セル構造を有している、請求項1〜6
のいずれかに記載のエアフィルタ用濾材。 - 【請求項8】不織布基材シートの一表面に吸着剤粒子と
熱接着性材料とを布設し、得られた複層シートの上に別
の不織布基材シートを重ね合わせて2枚の不織布基材シ
ートの間に吸着剤粒子と熱接着性材料を介在せしめ、得
られた複層シートを加熱加圧し、熱接着性材料を溶融ま
たは軟化させて吸着剤粒子を各不織布基材シートに止着
するとともに吸着剤粒子の一部を各不織布基材シートの
外表面側の表層部に没入させることを特徴とするエアフ
ィルタ用濾材の製造方法。 - 【請求項9】吸着剤粒子の一部を各不織布基材シートを
貫通させて各不織布基材シートの外表面に露出させる、
請求項8のエアフィルタ用濾材の製造方法。 - 【請求項10】不織布基材シートの一表面に吸着剤粒子
と熱接着性材料とを布設し、得られた複層シートを加熱
加圧し、熱接着性材料を溶融または軟化させて吸着剤粒
子を不織布基材シートに止着するとともに吸着剤粒子の
一部を不織布基材シートの他表面側の表層部に没入させ
ることを特徴とするエアフィルタ用濾材の製造方法。 - 【請求項11】吸着剤粒子の一部を不織布基材シートを
貫通させて不織布基材シートの他表面に露出させる、請
求項10のエアフィルタ用濾材の製造方法。 - 【請求項12】不織布基材シートとして、目付が5〜3
0g/m2の範囲内にある合成繊維不織布を用いる、請
求項8〜11のいずれかに記載のエアフィルタ用濾材の
製造方法。 - 【請求項13】吸着剤粒子として、イオン交換樹脂粒
子、活性炭粒子、ゼオライト粒子、活性アルミナ粒子、
ケイ酸アルミニウム粒子、多孔質ガラス粒子、シリカゲ
ル粒子、活性白土粒子および多孔質粘土粒子から選ばれ
る少なくとも一種の粒子を用いる、請求項8〜12のい
ずれかに記載のエアフィルタ用濾材の製造方法。 - 【請求項14】熱接着性材料として、熱可塑性芯鞘型複
合繊維を用いる、請求項8〜13のいずれかに記載のエ
アフィルタ用濾材の製造方法。 - 【請求項15】吸着剤粒子と熱接着性材料との合計量に
占める熱接着性材料の割合を5〜50重量%の範囲内と
する、請求項8〜14のいずれかに記載のエアフィルタ
用濾材の製造方法。 - 【請求項16】加熱加圧と同時に不織布基材シートをエ
ンボス加工する、請求項8〜15のいずれかに記載のエ
アフィルタ用濾材の製造方法。 - 【請求項17】請求項1〜7のいずれかに記載のエアフ
ィルタ用濾材または請求項8〜16のいずれかに記載の
エアフィルタ用濾材の製造方法によって製造されたエア
フィルタ用濾材を有するエアフィルタ。 - 【請求項18】請求項17に記載のエアフィルタを搭載
してなる空気清浄機、クリーンルームまたは半導体製造
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002141096A JP2003334410A (ja) | 2002-05-16 | 2002-05-16 | エアフィルタ用濾材およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002141096A JP2003334410A (ja) | 2002-05-16 | 2002-05-16 | エアフィルタ用濾材およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003334410A true JP2003334410A (ja) | 2003-11-25 |
Family
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---|---|---|---|
JP2002141096A Pending JP2003334410A (ja) | 2002-05-16 | 2002-05-16 | エアフィルタ用濾材およびその製造方法 |
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---|---|
JP (1) | JP2003334410A (ja) |
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---|---|---|---|---|
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JP2008508092A (ja) * | 2004-07-30 | 2008-03-21 | ケイエクス テクノロジーズ エルエルシー | 通気性が向上したかさ高複合体 |
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US10550766B2 (en) | 2017-01-06 | 2020-02-04 | General Electric Company | System and method for an improved inlet silencer baffle |
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-
2002
- 2002-05-16 JP JP2002141096A patent/JP2003334410A/ja active Pending
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