JP2003332855A - 光受信回路 - Google Patents

光受信回路

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JP2003332855A
JP2003332855A JP2002134690A JP2002134690A JP2003332855A JP 2003332855 A JP2003332855 A JP 2003332855A JP 2002134690 A JP2002134690 A JP 2002134690A JP 2002134690 A JP2002134690 A JP 2002134690A JP 2003332855 A JP2003332855 A JP 2003332855A
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signal
power supply
optical
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JP2002134690A
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Taku Sawa
卓 澤
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電源電圧変動の影響を低減して、光受信回路
の高周波特性を改善する。 【解決手段】 受信した光信号を電流信号に変換する受
光デバイス201と、電流信号を電圧信号に変換する前
置増幅器202と、電圧信号を増幅する第1の増幅器2
03とを有する光受信回路200において、前置増幅器
202と第1の増幅器203とを、モノリシック集積回
路として集積化し、前置増幅器202の電源VCC1
第1の増幅器ふ203の電源VCC2とを、モノリシッ
ク集積回路に独立に供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光受信回路に関
し、より詳細には、受光デバイスとモノリシック集積回
路とにより構成された光受信回路に関する。
【0002】
【従来の技術】光受信回路は、光ファイバから出射され
た光信号を電気信号に変換するための回路であり、光信
号を電流信号に変換する受光デバイスと、電流信号を電
圧信号に変換し、後段に接続される回路に必要な電圧に
増幅する増幅器とから構成されている。
【0003】図1に、従来の光受信回路の回路構成を示
す。光受信回路100は、光ファイバから出射された光
信号を電気信号に変換する受光デバイス(PD)101
と、PD101の出力に接続され、増幅部121と帰還
抵抗122とで構成された前置増幅器102と、主増幅
器103とを有している。
【0004】PD101のカソードは、PD用電源V
PDに接続され、アノードは前置増幅器102に接続さ
れている。PD101は、光ファイバから出射された光
信号を受光し、光信号に対応する電流信号(Photo Curr
ent)に変換する。増幅部121の入力インピーダンス
は、非常に高く設定されているので、PD101で発生
した電流信号のほとんどは、帰還抵抗122を経由して
増幅部121の出力段に吸い込まれる。帰還抵抗122
の両端には電位差が生じ、これに対応して増幅部121
の出力電位が変化する。このような前置増幅器102の
動作を、電流/電圧変換という。
【0005】主増幅器103は、前置増幅器102の出
力である電圧信号を増幅する。主増幅器103は、シン
グルアンプとしたり、または差動増幅器を構成して相補
的な信号出力を得ることもできる。主増幅器103の出
力OUTは、光受信回路100を搭載したモジュール外
部に導かれて信号処理される。信号処理とは、信号中に
含まれているクロック信号成分の抽出すること、光ファ
イバ伝送時のノイズまたは分散などの影響により歪んで
しまった信号からデジタル信号を再生することをいう。
【0006】光受信回路100において、前置増幅器1
02と主増幅器103とは、1つの半導体基板上に集積
化されたICを用いる。前置増幅器102の電源と主増
幅器103の電源とは、電源のインピーダンスを低下さ
せるために、IC内で共通化され、複数の電源パッドか
ら電源VCCを供給することが一般的である。このよう
にして、電源パッドへ電源を供給するために用いる、ボ
ンディングワイヤの寄生インダクタンスを低下させるこ
とができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前置増
幅器102の電源と主増幅器103の電源とを共通化す
ると、電源ラインを介した信号の回りこみが避けられな
い。主増幅器103は、モジュール外部に信号を出力す
るために、駆動能力を高くする必要があるので、主増幅
器103の電源の電流値は、信号のオン/オフに連動し
て大きく変化する。従って、主増幅器103の電源変動
が、IC内で共通化されている前置増幅器102の電源
に影響を与えるという問題があった。
【0008】このような電源電流の変化は、電源電圧の
変動に現れ、ICの電源ラインに大きなバイパスコンデ
ンサを挿入したとしても、極めて微小な光信号を取り扱
う光受信回路では、高周波特性が著しく劣化するという
問題もあった。
【0009】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、電源電圧変動の影
響を低減して高周波特性を改善した光受信回路を提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、請求項1に記載の発明は、受信し
た光信号を電流信号に変換する受光デバイスと、前記電
流信号を電圧信号に変換する前置増幅器と、前記電圧信
号を増幅する第1の増幅器とを有する光受信回路におい
て、前記前置増幅器と前記第1の増幅器とは、モノリシ
ック集積回路として集積化され、前記前置増幅器の電源
と前記第1の増幅器の電源とは、前記モノリシック集積
回路に独立に供給されるよう構成されていることを特徴
とする。
【0011】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の前記第1の増幅器は、前記前置増幅器から出力された
前記電圧信号を入力する第1の入力と、前記前置増幅器
から出力された前記電圧信号を平滑化する低域通過フィ
ルタからの低域濾波信号を入力する第2の入力とを有す
る差動増幅器であることを特徴とする。
【0012】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の光受信回路において、前記前置増幅器から出力された
前記電圧信号を増幅して、前記第1の増幅器に出力する
第2の増幅器を備え、該第2の増幅器の電源と前記前置
増幅器の電源とが共通であることを特徴とする。
【0013】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の前記第2の増幅器は、前記前置増幅器から出力された
前記電圧信号を入力する第1の入力と、前記前置増幅器
から出力された前記電圧信号を平滑化する低域通過フィ
ルタからの低域濾波信号を入力する第2の入力とを有す
る差動増幅器であり、前記第1の増幅器は、前記第2の
差動増幅器の相補的出力をそれぞれ入力する2つの入力
を有する差動増幅器であることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施形態について詳細に説明する。
【0015】図2に、本発明の一実施形態にかかる光受
信回路の回路構成を示す。光受信回路200は、光ファ
イバから出射された光信号を電気信号に変換する受光デ
バイス(PD)201と、PD201の出力に接続さ
れ、増幅部221と帰還抵抗222とで構成された前置
増幅器202と、第1の増幅器に相当する主増幅器20
3とを有している。前置増幅器202の電源VCC1
主増幅器203の電源V CC2とが、独立に設けられて
いる。
【0016】光受信回路200において、前置増幅器2
02と主増幅器203とは、1つのモノリシック集積回
路として集積化される。電源VCC1と電源VCC2
は、集積回路外部から独立に供給され、集積回路内部で
は、独立の電源ラインによりそれぞれ前置増幅器202
と主増幅器203とに供給される。
【0017】図3に、本発明の一実施形態にかかる光受
信回路の受光デバイスの周辺回路を示す。PD201の
電源はPD用電源VPDから供給される。PD用電源V
PDには、470pFの容量のバイパスコンデンサC1
が挿入されている。PD201のカソード端子には、4
3pFの容量のバイパスコンデンサC2が接続される。
抵抗値3kΩの抵抗R1とバイパスコンデンサC2と
は、CR平滑化回路を構成している。抵抗R1に並列に
挿入されているダイオードD1は、信号電流が大きくな
り、抵抗R1における電圧降下がダイオードD1の順方
向オン電圧を越えた時に動作する。抵抗R1を流れる電
流のバイパスのために挿入されている。
【0018】図4に、本発明の一実施形態にかかる光受
信回路の前置増幅器の回路構成を示す。PD201から
の入力信号は、増幅段のデプレッション型FET(以
下、D−FETという)Tr1一段の増幅段に導かれ
る。増幅段は、D−FET(Tr1)のソースに接続さ
れた電圧降下用のダイオードD11,D12と、D−F
ET(Tr1)の負荷素子と、D−FET(Tr1)の
ソースと接地との間に接続されたMIM(Metal-Insula
tor-Metal)容量C11とにより構成されている。
【0019】ダイオードD11,D12は、D−FET
(Tr1)のゲートを、ソースに対してマイナス電位に
自己バイアスするためのもので、ほぼ−1.5Vにバイ
アスされる。MIM容量C11により、高周波信号は、
ダイオードD11,D12をバイパスすることから、ス
ピードアップコンデンサとして機能する。
【0020】D−FET(Tr1)の負荷素子は、抵抗
R12,R13により固定バイアスされたD−FET
(Tr2)と、ゲート−ソース間を短絡して定電流駆動
するD−FET(Tr3)と、D−FET(Tr2)ド
レインと電源VCC1との間に接続された150Ωの負
荷抵抗R11とにより構成されている。増幅段の出力
は、負荷抵抗R11とD−FET(Tr2)のドレイン
との接続点から取り出される。
【0021】増幅段の動作について説明する。増幅され
た信号の電圧は、負荷抵抗R11に流れる電流値と負荷
抵抗R11の抵抗値との積で与えられる。増幅度(利
得)は、D−FET(Tr1)の相互コンダクタンスG
mと、負荷抵抗R11の抵抗値との積で表される。従っ
て、増幅度を大きくするためには、負荷抵抗R11の抵
抗値を大きくすればよい。しかしながら、負荷抵抗R1
1の抵抗値のみを大きくすると、増幅された信号の電圧
は、電源VCC1にぼぼ等しい電圧になってしまう場合
がある。すなわち、増幅段のD−FET(Tr1)の出
力振幅が飽和してしまう。相互コンダクタンスGmは、
ゲートバイアスに依存して変化し、バイアスが大きいほ
ど大きい値が得られる。従って、負荷抵抗R11の抵抗
値のみを大きくして増幅度を大きくすることは、相互コ
ンダクタンスGmが低下するので好ましくない。
【0022】そこで、負荷抵抗R11と並列に、定電流
回路であるD−FET(Tr3)を接続する。D−FE
T(Tr3)は、常に一定の電流をD−FET(Tr
1)に供給する。D−FET(Tr1)は、常に一定の
電流を流す分だけ、ゲートバイアスが大きくなるように
自己バイアスされる。従って、相互コンダクタンスGm
を低下することなく、増幅度を大きくすることができ
る。
【0023】一方、増幅段のD−FET(Tr1)の等
価入力容量は、ゲート−ソース間容量Cgs、ゲート−
ドレイン間容量Cgd、増幅度Aとすると、Cgs+
(A+1)Cgdで与えられる。ミラー効果により、ゲ
ート−ドレイン間容量Cgdが、増幅回路の増幅度Aだ
け等価的に大きくなり、増幅回路の高周波特性が劣化す
る。ミラー効果の影響を避けるために、D−FET(T
r1)のドレインに直列にD−FET(Tr2)を接続
する。直列に接続されたD−FET(Tr2)により、
等価入力容量はCgs+Cgdとなり高周波特性の劣化
を防ぐことができる。
【0024】出力バッファ段は、電源にドレインが接続
されたエンハンスメント型FET(以下、E−FETと
いう)Tr4と、E−FET(Tr4)のソースに接続
されたダイオードD13,D14と、ダイオードD1
3,D14に並列接続された8pFのMIM容量C12
と、バイアス電圧Vbにより固定バイアスされ、ソース
が接地されたD−FET(Tr5)とにより構成されて
いる。D−FET(Tr5)は、固定バイアスされてい
るので、定電流源として機能する。
【0025】ダイオードD13,D14は、直流電位の
電圧降下のためであり、MIM容量C12は高周波信号
のバイパスのためである。すなわち、MIM容量C12
により、高周波信号は、ダイオードD13,D14をバ
イパスすることから、スピードアップコンデンサとして
機能する。ダイオードD14とD−FET(Tr5)と
の接続点から、増幅部221の出力が引き出される。
【0026】増幅部221の出力から入力には、270
Ωの帰還抵抗222と25fFのコンデンサC14との
並列回路が、トランスインピーダンスとして挿入されて
いる。PD201からの光信号に対応する電流信号は、
トランスインピーダンスを通って、出力バッファ段のD
−FET(Tr5)のドレインに流れこむこととなる。
コンデンサC14は、増幅部221の電流−電圧変換に
おける変換利得の周波数特性を補償するものである。
【0027】前置増幅器202の動作について説明す
る。PD201に入力光信号が無い時または十分に小さ
い時には、帰還抵抗222にはほとんど電流が流れない
ので、帰還抵抗222の両端の電位はぼぼ等しくなる。
D−FET(Tr1)のゲート電位は、帰還抵抗222
の両端の電位が等しくなるように自己バイアスされる。
【0028】PD201に光信号が入力されると、PD
201で発生した電流信号のほとんどは、帰還抵抗22
2を経由して出力段に流れ、帰還抵抗222の両端には
光信号強度に比例した電位差が生じる。D−FET(T
r1)のゲート電位は、帰還抵抗222の両端に電圧降
下が生ずるようにバイアスが印加され、D−FET(T
r1)を流れる電流を調整する。このバイアス値は、光
信号の入力が無い時のバイアス値よりも、D−FET
(Tr1)に電流を流す分だけ大きい。
【0029】帰還抵抗222の抵抗値は、入力光信号の
最大強度により決定される。最大強度を0dBmとする
と、PD201における光−電気変換効率1W/Aのと
き、光電流は2mAとなる。この光電流2mAに対し
て、帰還抵抗222の両端にどの程度の電位差が必要か
により、帰還抵抗222の抵抗値を決定する。本実施形
態では、270Ωとして、最大強度0dBmのとき、
0.54V程度の電位差が得られる。
【0030】電源VCC1には、3.3V〜5Vが供給
されるが、この値は、PD201の特性、前置増幅器2
02の特性に左右される。モノリシック集積回路の外部
には、電源VCC1のバイパスコンデンサC13とし
て、43pFのダイキャップが接続されている。
【0031】図5に、本発明の一実施形態にかかる光受
信回路の主増幅器の回路構成を示す。主増幅器203
は、差動増幅器により構成されている。正相入力は、D
−FET(Tr11)のゲートであり、前置増幅器20
2の出力が導かれる。逆相入力は、D−FET(Tr1
2)のゲートであり、前置増幅器302の出力が、抵抗
R21とコンデンサC21のCR平滑化フィルタを介し
て導かれる。CR平滑化フィルタにより、逆相入力に
は、前置増幅器302の出力の平均値(時々刻々変化す
る)が入力される。従って、差動増幅器は、ある瞬間の
前置増幅器302の出力と、それ以前の出力の時間平均
値との差の信号を出力する。CR平滑化フィルタのコン
デンサC21は、モノリシック集積回路に外付けにする
ことより、十分に大きな値とすることができる。本実施
形態では10pFとし、MIMを用いても実現可能な値
である。例えば、43pF,470pFなど大きな容量
値とすることもでき、時間平均の積算時間を長くするこ
とができる。
【0032】差動増幅器は、ゲートを電位Vbで固定バ
イアスした電流源であるD−FET(Tr13)と、互
いのソースを結合したD−FET(Tr11,Tr1
2)と、D−FET(Tr11,Tr12)の各々のド
レインに接続され、ゲートを固定バイアスしたD−FE
T(Tr14,Tr15)と、D−FET(Tr14,
Tr15)とカスコード接続された負荷抵抗R22,R
23とから構成されている。固定バイアスのD−FET
(Tr14,Tr15)を挿入した目的は、D−FET
(Tr11,Tr12)のVDSを安定化するためであ
る。差動増幅器の出力は、負荷抵抗R22,R23とD
−FET(Tr14,Tr15)のドレインとの接続点
から取り出される。
【0033】差動増幅器のソースフォロワは、ドレイン
を電源に接続されたE−FET(Tr16,Tr17)
と、ソースを接地してゲートを固定バイアスしたD−F
ET(Tr18,Tr19)と、出力電位を設定するた
めダイオードD21〜D24とから構成されている。ダ
イオードD21,D22とダイオードD23,D24と
には、並列にコンデンサC22,C23が接続されてお
り、高周波特性を改善している。ソースフォロワの出力
は、ダイオードD22,D24のカソードから取り出さ
れる。図5には、相補的な信号出力OUT,OUTNが
示されている。D−FET(Tr18,Tr19)のド
レインとダイオードD22,D24のカソードとの間
に、電源電圧を抵抗分割して得られる電圧を固定バイア
スとしたD−FET(Tr20,Tr21)を挿入す
る。これは、電流源となるD−FET(Tr18,Tr
19)のVDSの変動を抑え、定電流特性を高めるため
である。
【0034】モノリシック集積回路の外部には、電源V
CC2のバイパスコンデンサC24として、43pFの
ダイキャップが接続されている。電源VCC2は、前置
増幅器302の電源VCC1に対して、集積回路外部か
ら独立に供給され、集積回路内部では独立の電源ライン
により供給される。
【0035】図6に、本発明の一実施形態にかかる光受
信回路の実装構成を示す。光受信回路200パッケージ
(以下、PKGという)は、いわゆるバタフライ型PK
Gであり、底面に各素子が実装されている。底面から持
ち上げた面には、外部と電気的に接続をとるためのリー
ドピンが引き出されている。
【0036】PKG底面のほぼ中央にPD201のチッ
プが搭載され、チップの4隅にワイヤリングパッドが設
けられている。第1パッドはVPDであり、470pF
の容量のバイパスコンデンサC1を介して、2つにリー
ドピン端子にワイヤリングされる。第2パッドは、チッ
プ内に設けられたダイオードD1と抵抗R1の並列回路
を経た端子であり、43pFの容量のバイパスコンデン
サC2にワイヤリングされる。第3パッドは、PD20
1のアノード端子であり、前置増幅器202の入力に接
続されている。PD201のチップの大きさは、約0.
5mm□である。
【0037】受信回路IC601は、前置増幅器202
と主増幅器203とを含む。受信回路IC601のチッ
プの大きさは、約1.5mm□である。チップの上辺に
は、電源VCC1と電源VCC2に接続するためのパッ
ドが並ぶ。電源VCC1と電源VCC2とは、チップ内
で完全に分離されているのに加え、それぞれ外付けのバ
イパスコンデンサC13,C24を介して、個別にリー
ドピンに接続される。電源VCC1と電源VCC2
は、共通の5Vという電位ではあるが、完全に独立にす
ることにより、電源を介する雑音信号の回りこみを防ぐ
ことができ、光受信回路の対雑音特性を向上することが
できる。
【0038】チップの下辺には、CR平滑化フィルタの
コンデンサ21に接続されるワイヤリングパッドが設け
られている。チップの右辺には、相補的な信号出力OU
T,OUTN用のパッドが設けられ、PKG内の信号伝
送線路にワイヤリングされている。出力信号は、伝送線
路中に設けられている0.1uFのカプリングコンデン
サC31,C32を介してPKG外に取り出される。
【0039】図7に、本発明の一実施形態にかかる光受
信回路の出力インピーダンスを示す。図1に示した従来
の光受信回路100の出力インピーダンスBと、図2に
示した本発明の一実施形態にかかる光受信回路200の
出力インピーダンスAとを合わせて示した。電源電圧変
動の影響は、高周波特性の劣化として現れるので、Sパ
ラメータ(S22)を用いて、周波数特性の評価を行っ
た。
【0040】従来の光受信回路100において、出力イ
ンピーダンスBは、8GHz近傍で最大−4dBを示し
ている。出力インピーダンスの値は、一般に−6dB以
下が必要とされるので、全ての電源を共通化する構成に
あっては、一部の周波数帯でこの値を満足できないこと
になる。本発明の一実施形態にかかる光受信回路200
においては、全ての帯域で−6dBを満足している。
【0041】本実施形態にかかる光受信回路は、主増幅
器として差動増幅器1段の回路を例に挙げて説明した。
主増幅器を差動増幅器2段の構成にすることもでき、後
段の差動増幅器を別電源とし、前段の差動増幅器の電源
と前置増幅器の電源とを共通にすることで、本実施形態
の効果と同様の効果を得ることができる。
【0042】微小信号を扱う前段の差動増幅器の電源と
前置増幅器の電源とを共通することにより、電源ライン
のボンディングワイヤによる寄生インダクタンスを低下
させることができ、駆動能力を必要とする後段の差動増
幅器を別電源とすることにより、電源電圧変動の影響を
低減することができる。
【0043】なお、2段の差動増幅器は、全く同じ回路
構成でもよいし、後段の差動増幅器を、電流がより多く
流れる様な回路、すなわち負荷抵抗を小さく、FETの
ゲート幅を広くすることができる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
前置増幅器と主増幅器とを、モノリシック集積回路とし
て集積化し、前置増幅器の電源と主増幅器の電源とを、
モノリシック集積回路に独立に供給するようにしたの
で、電源電圧変動の影響を低減して、光受信回路の高周
波特性を改善することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の光受信回路の回路構成を示したブロック
図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる光受信回路の回路
構成を示したブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる光受信回路の受光
デバイスの周辺回路を示した回路図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかる光受信回路の前置
増幅器の構成を示した回路図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかる光受信回路の主増
幅器の構成を示した回路図である。
【図6】本発明の一実施形態にかかる光受信回路の実装
構成を示した上面図である。
【図7】本発明の一実施形態にかかる光受信回路の出力
インピーダンスを示した図である。
【符号の説明】 100,200 光受信回路 101,201 受光デバイス(PD) 102,202 前置増幅器 103,203 主増幅器 121,221 増幅部 122,222 帰還抵抗 601 受信回路IC
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J092 AA01 AA56 CA04 CA62 FA00 HA14 HA15 HA19 HA25 HA29 HA44 KA48 MA02 MA11 MA17 MA22 QA04 SA13 TA01 TA03 UL02 5J500 AA01 AA56 AC04 AC62 AF00 AH14 AH15 AH19 AH25 AH29 AH44 AK48 AM02 AM11 AM17 AM22 AQ04 AS13 AT01 AT03 LU02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受信した光信号を電流信号に変換する受
    光デバイスと、前記電流信号を電圧信号に変換する前置
    増幅器と、前記電圧信号を増幅する第1の増幅器とを有
    する光受信回路において、 前記前置増幅器と前記第1の増幅器とは、モノリシック
    集積回路として集積化され、 前記前置増幅器の電源と前記第1の増幅器の電源とは、
    前記モノリシック集積回路に独立に供給されるよう構成
    されていることを特徴とする光受信回路。
  2. 【請求項2】 前記第1の増幅器は、前記前置増幅器か
    ら出力された前記電圧信号を入力する第1の入力と、前
    記前置増幅器から出力された前記電圧信号を平滑化する
    低域通過フィルタからの低域濾波信号を入力する第2の
    入力とを有する差動増幅器であることを特徴とする請求
    項1に記載の光受信回路。
  3. 【請求項3】 前記前置増幅器から出力された前記電圧
    信号を増幅して、前記第1の増幅器に出力する第2の増
    幅器を備え、該第2の増幅器の電源と前記前置増幅器の
    電源とが共通であることを特徴とする請求項1に記載の
    光受信回路。
  4. 【請求項4】 前記第2の増幅器は、前記前置増幅器か
    ら出力された前記電圧信号を入力する第1の入力と、前
    記前置増幅器から出力された前記電圧信号を平滑化する
    低域通過フィルタからの低域濾波信号を入力する第2の
    入力とを有する差動増幅器であり、 前記第1の増幅器は、前記第2の差動増幅器の相補的出
    力をそれぞれ入力する2つの入力を有する差動増幅器で
    あることを特徴とする請求項3に記載の光受信回路。
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