JP2003332604A - 反射防止層を備えた光電変換素子およびその製造方法 - Google Patents

反射防止層を備えた光電変換素子およびその製造方法

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JP2003332604A
JP2003332604A JP2002138030A JP2002138030A JP2003332604A JP 2003332604 A JP2003332604 A JP 2003332604A JP 2002138030 A JP2002138030 A JP 2002138030A JP 2002138030 A JP2002138030 A JP 2002138030A JP 2003332604 A JP2003332604 A JP 2003332604A
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Shuji Hattori
秀志 服部
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 球状、半球状、もしくは異形面を有していて
も、均一な反射防止層を有する光電変換素子を提供する
こと、および、そのような光電変換素子の製造に際し、
回転機構の追加や、真空系内への出し入れを伴なう必要
のない製造方法を提供することを課題とする。 【解決手段】 光電変換素子の受光面上に、交互吸着法
により、結合材の薄膜層と、屈折率が1.75以上の金
属酸化物、金属硫化物の透明性超微粒子が薄膜層上に配
列した超微粒子層とからなる超微粒子含有層を、一層も
しくは二層以上積層して反射防止層とすることにより課
題を解決した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽電池、CC
D、もしくは赤外線センサ等の光電変換素子の表面に超
微粒子含有層を配置することにより、反射が高度に防止
されて、入射光の利用率が向上した光電変換素子、およ
び交互吸着法を利用して行う、そのような光電変換素子
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】シリコン半導体や化合物半導体を用いた
光電変換素子は、太陽電池、各種センサ、たとえば撮像
管用電荷結合素子(CCD)もしくは赤外線センサ等の
用途に広く用いられている。これらの光電変換素子にお
いては、通常、素子の表面における利用波長もしくは利
用波長帯の光の反射を抑えて光電変換の効率を高める必
要があることから、反射防止層が形成されており、通
常、反射防止層は、安定的に高品位の膜を成膜すること
が可能な蒸着法やスパッタ法などの気相法によって形成
されている。
【0003】従来の光電変換素子は、平面状に形成され
ていることが多かったが、最近、非平板状等の異形断面
を有するものや、球状、もしくは半球状などの形状を有
する光電変換素子の要望が増しており、特に太陽電池の
場合、太陽光の入射角度が変化しても、太陽光の利用効
率を大幅に向上させることが可能な球状のものが注目を
浴びるようになっている(再公表特許WO99/109
35)。
【0004】ところが、球状、もしくは半球状、または
異形断面を有する形状である光電変換素子の表面に、蒸
着法やスパッタ法などの気相法により反射防止層を形成
しようとしても、蒸着源やスパッタターゲットが、蒸着
室やスパッタ室内の一定位置に固定されているため、そ
のままでは均一な反射防止層を形成することが困難であ
る。そこで、光電変換素子を回転させることが考えられ
るが、そのための回転機構の追加、特に、多数の光電変
換素子を一括して回転させる回転機構の追加は非常に困
難である。また、蒸着法やスパッタ法などの気相法によ
り反射防止層を形成するときは、反射防止層の形成前後
に、対象物を真空系内に導入すること、および真空系か
ら排出することを伴なうため、直接、反射防止層を形成
する以外の時間を要し、加工の効率が高くない。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】従って、本発明にお
いては、平面状のものに限らず、球状、もしくは半球
状、または異形断面を有する形状であっても均一な反射
防止層を有する光電変換素子を提供すること、および、
回転機構の追加を必要とせず、しかも、光電変換素子を
真空系内に導入し、あるいは真空系から排出することな
く、反射防止層を備えた光電変換素子を製造可能な方法
を提供することを課題とする。
【0006】
【問題を解決するための手段】本発明者が鋭意検討を重
ねた結果、光電変換素子の表面に、屈折率の値が1.7
5以上である金属酸化物系もしくは金属硫化物の超微粒
子を、交互吸着法を利用して配列させて超微粒子層を形
成し、これを反射防止層とすることにより、球状、もし
くは半球状、またはそれら以外の異形断面を有する光電
変換素子の表面に、均一な反射防止層を形成できること
を見出し、以下の本発明に到達した。
【0007】第1の発明は、光電変換素子の受光面上
に、結合材の薄膜層、および、屈折率が1.75以上で
ある金属酸化物もしくは金属硫化物からなり透明性を有
する超微粒子が前記結合材の薄膜層上に配列して構成さ
れた超微粒子層との複層構造からなる超微粒子含有層
が、一層もしくは二層以上積層されていることを特徴と
する反射防止層を備えた光電変換素子に関するものであ
る。第2の発明は、第1の発明において、前記金属酸化
物が、いずれもTiO2、Ta25、ZrO2、Ce
2、La23、Sb23、もしくはNd23のいずれ
かであるか、または前記金属硫化物が、ZnSであるこ
とを特徴とする反射防止層を備えた光電変換素子に関す
るものである。第3の発明は、第1または第2の発明に
おいて、前記超微粒子の平均粒子径が2nm〜200n
mであることを特徴とする反射防止層を備えた光電変換
素子に関するものである。第4の発明は、第1の発明に
おいて、前記結合材が高分子電解質、金属アルコキシ
ド、もしくは金属アルコキシドの縮合物のいずれかであ
ることを特徴とする反射防止層を備えた光電変換素子に
関するものである。第5の発明は、第1の発明におい
て、前記光電変換素子が球状、もしくは半球状、または
それら以外の異形断面を有する形状であることを特徴と
する請求項1記載の反射防止層を備えた光電変換素子に
関するものである。第6の発明は、光電変換素子の受光
面上に、結合材の薄膜層を形成すること、および前記結
合材の薄膜層上に屈折率が1.75以上である金属酸化
物もしくは金属硫化物からなり透明性を有する超微粒子
を配列させることからなる交互吸着法を適用して超微粒
子層を形成することからなり、前記結合材の薄膜層およ
び前記超微粒子層との複層構造からなる超微粒子含有層
を形成することを特徴とする反射防止層を備えた光電変
換素子の製造方法に関するものである。第7の発明は、
第6の発明において、前記交互吸着法を繰り返して適用
することにより、前記超微粒子含有層を二層以上形成す
ることを特徴とする反射防止層を備えた光電変換素子の
製造方法に関するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明が適用される光電変換素子
としては、シリコン半導体や化合物半導体を用いた太陽
電池もしくは各種センサを挙げることができ、後者の各
種センサとしては、たとえば撮像管用電荷結合素子(C
CD)もしくは赤外線センサ等を挙げることができる。
【0009】上記の光電変換素子は、受光面が平板状の
ものでも、凹凸面を有するものでもよいが、入射光の角
度が変化する太陽電池のような場合には、球状もしくは
半球状のような個々に独立したものであってもよいし、
それらが連結されたものであってもよい。また、凹凸面
としては、半球状、三角錐状、もしくは円錐形状等の凸
部もしくは凹部、断面が三角形、四角形、もしくは台形
等の、凸部もしくは凹部を有するものであってよく、こ
れら凸部および凹部の両方を有するものであってもよ
い。凸部および凹部は、連続的な凸条、もしくは凹溝等
であっても、半球状、三角錐状、もしくは円錐形状が配
列したものであってもよい。
【0010】光電変換素子には、光電変換のための光が
入射する側に保護層もしくは反射防止層を形成してある
ものもあるが、本発明においては、より反射防止性の高
い超微粒子含有層を形成するので、ここでは、これら保
護層もしくは反射防止層を伴なわないものを想定してい
る。ただし、既に、従来の保護層もしくは反射防止層を
形成してあるものが提供される場合でも、それらの従来
の保護層もしくは反射防止層を伴なっても、より反射防
止性を向上させることが可能であるから、光電変換素子
としては、従来の保護層もしくは反射防止層を形成して
あるものも含まれる。
【0011】光電変換素子の受光面側には、結合材の薄
膜層が積層され、結合材の薄膜層の光電変換素子とは反
対側に、屈折率が1.75以上である金属酸化物もしく
は金属硫化物からなり透明性を有する超微粒子が配列し
て構成された超微粒子層が積層されている。これら結合
材の薄膜層と超微粒子層との複層構造を超微粒子含有層
と称することとする。この超微粒子含有層は、一層でも
反射防止層として充分に機能するが、二層以上積層され
ていてもよい。
【0012】結合材の薄膜層は、高分子電解質で構成さ
れていることが好ましく、ポリエチレンイミン及びその
4級化物、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライ
ド、ポリ(N,N’−ジメチル−3,5−ジメチレン−
ピペリジニウムクロライド)、ポリアリルアミン及びそ
の4級化物、ポリジメチルアミノエチル(メタ)アクリ
レート及びその4級化物、ポリジメチルアミノプロピル
(メタ)アクリレート及びその4級化物、ポリジメチル
(メタ)アクリルアミド及びその4級化物、及びこれら
のポリマーを構成するモノマーと(メタ)アクリルアミ
ド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−
イソプロピル(メタ)アクリルアミドなどのノニオン性
水溶性モノマーとの共重合体などを挙げることができ
る。これらの結合材は、正に帯電しているものである。
【0013】あるいは、結合材の薄膜層は、やはり高分
子電解質である、ポリ(メタ)アクリル酸及びその金属
塩、ポリスチレンスルホン酸及びその金属塩、ポリ(2
−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン
酸)及びその金属塩、ポリアミック酸及びその金属塩、
ポリビニルスルホン酸及びその金属塩、及びこれらのポ
リマーを構成するモノマーと(メタ)アクリルアミド、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−イソ
プロピル(メタ)アクリルアミドなどのノニオン性水溶
性モノマーとの共重合体などで構成されていることが好
ましい。これらの結合材は、負に帯電しているものであ
る。
【0014】本発明においては、以上のうちでも、特
に、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、も
しくはポリ(N,N’−ジメチル−3,5−ジメチレン
−ピペリジニウムクロライド)、または、ポリスチレン
スルホン酸ナトリウム塩、ポリ(2−アクリルアミド−
2−メチル−1−プロパンスルホン酸)ナトリウム塩、
もしくはポリビニルスルホン酸カリウム塩などの強電解
質高分子を用いると、強電解質高分子のイオン解離度は
媒体の水素イオン濃度の影響を受けにくいため、取扱い
が容易であり、超微粒子をより効果的に結合しやすい点
でより好ましい。
【0015】また、本発明の結合材の薄膜層は、金属ア
ルコキシドで構成されていてもよく、例えばテトラメト
キシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポ
キシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトラブト
キシシラン、トリメトキシメチルシラン、クロロベンジ
ルトリメトキシシラン、ジメトキシジメチルシラン、テ
トラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトライ
ソプロポキシチタン、テトラn−プロポキシチタン、テ
トラブトキシチタン、トリメトキシメチルチタン、もし
くはジメトキシジメチルチタンなどを挙げることができ
る。本発明の結合材の薄膜層は、これらの金属アルコキ
シドの縮合物で構成されていてもよい。
【0016】上記の材料を用いて構成される結合材の薄
膜層は、厚みが0.5〜20nm程度であり、下限は、
ほぼ、上記した結合材の材料の分子の大きさであるか、
もしくは吸着した分子の厚みである。結合材の薄膜層の
厚みムラの点からは、厚みが厚い方がよいが、厚みを厚
くすると形成のための工程数が多くなるため、20nm
を超えると、形成のための時間が長くなり過ぎ、好まし
くない。一概には言えないが、10nm以上の薄膜層を
形成すると、実用上、ムラが無いものとみなせる。な
お、結合材の薄膜層の厚みを厚くするには、上記した正
に帯電する高分子電解質と負に帯電する高分子電解質と
を、交互吸着法により、交互に繰り返して積層すること
によって行うことができる。
【0017】超微粒子層は、金属酸化物もしくは金属硫
化物からなり、屈折率が1.75以上であって、透明性
を有する超微粒子が配列したもので、超微粒子層が配列
する下層の結合材の薄膜層の表面状態にもよるが、超微
粒子は、厚み方向には、2個以上配列することもあり得
るが、通常は、1個配列したものである。本発明におけ
るように、結合材の薄膜層と超微粒子層とで反射防止層
を構成する場合、反射防止層の屈折率は、基材の屈折率
の平方根の値に近づけること、また、反射防止層の光学
厚みが入射光の波長をλとするとき、λ/4に近づける
ことがベストである。一般的な、シリコン半導体からな
る光電変換素子の表面の屈折率が2.5〜4であるた
め、光学レンズ等の反射防止を行う際の低反射層の屈折
率から見れば、高屈折率とも言える、1.75以上の方
が反射防止性が高いからである。
【0018】超微粒子は、透明性を有するものであるこ
とが好ましい。ここで、透明性とは、光電変換素子が、
その特性上、光電変換し得る波長、もしくは波長帯にお
いてフラットな光学特性を有することを指しており、可
視光用途であれば、可視光波長域でフラットな光学特性
を有することを、赤外センサであれば、対象とする赤外
波長域において、フラットな光学特性を有することを指
す。
【0019】超微粒子の素材としては、金属酸化物、例
えば、TiO2(屈折率;2.2〜2.7)、Ta25
(屈折率;2.0〜2.3)、ZrO2(屈折率;2.
05)、CeO2(屈折率;2.35)、La23(屈
折率;1.95)、Sb23(屈折率;2.04)、も
しくはNd23(屈折率;2.0)を挙げることがで
き、特に、TiO2が好ましい。また、金属硫化物とし
ては、例えば、ZnS(屈折率;2.35)を挙げるこ
とができる。これら、超微粒子層を構成する素材は、単
独で使用してもよいが、混合して使用してもよい。ま
た、これらの超微粒子の素材は、不純物を含んでいても
よい。なお、超微粒子はは不定型であっても良いし、取
り得る結晶型にも特に制限はない。例えば、TiO
2は、ルチル型であってもアナターゼ型であっても良
い。
【0020】超微粒子の平均粒子径は、2nm〜200
nmであることが好ましい。これら超微粒子は1次粒子
であっても1次粒子が凝集したタイプの2次粒子であっ
ても良い。平均粒子径が2nm未満の超微粒子を製造す
ることは極めて困難であり現実的でない。また、平均粒
子径が200nmを超える微粒子は、入射光の散乱が実
用上問題となる程度に大きくなるので好ましくない。よ
り好ましい平均粒子径は2nm〜50nmである。な
お、これらの平均粒子径は、適当な基材に微粒子を1層
吸着させた試料を粒子径に応じて透過型電子顕微鏡や走
査型電子顕微鏡を用いて観察し、複数の試料の長さを測
定しその平均を平均粒子径として求めたものである。粒
子の軸比が大きく異なる場合は、短軸の長さを測定し、
その平均を平均粒子径とした。
【0021】結合材の薄膜層および超微粒子層からなる
超微粒子含有層は、上記したように、光学厚みが入射光
の波長をλとするとき、λ/4に近づけることがベスト
であるので、必要に応じて、超微粒子含有層を重ねて積
層し、具体的には、結合材の薄膜層、超微粒子層、結合
材の薄膜層、超微粒子層、…のように、結合材の薄膜
層、および超微粒子層を繰り返し積層することにより、
厚みを増加させることが好ましい。
【0022】本発明の超微粒子含有層、具体的には結合
材の薄膜層と超微粒子層とは、交互吸着法を利用するこ
とにより、効率よく形成することができる。交互吸着法
の基本的操作は、適当な表面処理がなされていても良
い、対象となる基材を、膜成分(A)の溶液もしくは分
散液中に所定の時間、浸漬することにより、基材の表面
に膜成分(A)を吸着させた後、洗浄液中に浸漬して余
分な膜成分(A)を除去し、次いで膜成分(A)と引力
的に相互作用し得る膜成分(B)の溶液もしくは分散液
中に基材を所定の時間、浸漬することにより、基材の表
面に膜成分(B)を吸着させた後、洗浄液中に浸漬して
余分な膜成分(B)を除去することからなる。これら一
連の基本的操作を、必要回数繰り返すことにより、基材
表面に所定の膜厚の薄膜を形成することができる。ま
た、材料の吸着現象を成膜原理としているので、基材が
膜成分の溶液あるいは分散液に濡れることができる素材
である限り、あらゆるものを基材(加工の対象であり、
本発明では、光電変換素子である。)とすることができ
る。
【0023】基材を上記の各々の膜成分の溶液もしくは
分散液中、および洗浄液中に浸漬する方法以外に、膜成
分の溶液もしくは分散液、または洗浄液を基材に対して
スプレーする方法、停止した基材上に上記の各々の膜成
分の溶液もしくは分散液、または洗浄液を十分量滴下し
た後に、基材を高速回転させて、余分な成分を除く方法
などによっても交互吸着法を基材に対して適用すること
ができる。
【0024】本発明における膜成分の一方は、高分子電
解質、金属アルコキシド、もしくは金属アルコキシドの
縮合物である。これらのうち、高分子電解質が膜成分の
一方である場合、超微粒子は水に分散されていることが
好ましい。超微粒子を水に分散させるには、超微粒子の
等電位点よりも酸性側か塩基性側に水の水素イオン濃度
を調整することにより、超微粒子を正に帯電させるか、
もしくは負に帯電させることができる。微粒子が正に帯
電している場合は、結合材として負に帯電している高分
子電解質を、超微粒子が負に帯電している場合は、結合
材として正に帯電している高分子を用いれば、静電相互
作用を主たる駆動力として交互吸着法により超微粒子の
層を積層することができる。
【0025】また、本発明における膜成分の一方が、金
属アルコキシド、もしくは金属アルコキシドの縮合物で
ある場合は、超微粒子は水に分散したものも有機溶剤に
分散したものも共に好適に用いることができる。
【0026】なお、上記の範囲では、反射防止層は、基
材である光電変換素子の表面よりも屈折率の低い層のみ
を形成することを前提に説明したが、反射防止層を広帯
域化して、適用波長域を拡大するには、液晶その他のデ
ィスプレイの用途の反射防止層として一般的に使用され
ているものと同様に、適当な光学的厚みの低屈折率層と
高屈折率層が積層された構成の反射防止層としてもよ
い。
【0027】さらにまた、反射防止層の耐環境性を高め
る目的で、反射防止層に重合性有機物や金属アルコキシ
ドを吸収させ、その場で重合せしめることもある。本発
明における反射防止層は粒子が積層したものであるか
ら、その膜内に微細な空孔が多数存在し、しかもそれら
が相互に連結しているために、このような処理による膜
の耐環境性向上が可能となる。
【0028】
【実施例】(実施例1)シリコンウェハを基板として形
成された平板状の太陽電池を、(1)ポリジアリルジメ
チルアンモニウムクロライドの水溶液中、および(2)
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩(以降において、
PSSと略称することがある。)の水溶液(いずれも
0.4質量%)中に、(1)、(2)、(1)、
(2)、…のように、交互に浸漬し、シリコンウェハ上
に、(1)の薄膜層を10層、および(2)の薄膜層を
10層、交互に形成し、下地層を形成した。最表面は
(2)の薄膜層である。
【0029】上記の下地層が形成された太陽電池を、粒
子径が30〜50nmの酸化チタン(IV)(Ti
2)の水分散液(30質量%)に浸漬し、TiO2微粒
子を下地層の最表層上に吸着させ、第1の超微粒子層と
した。次いで、上記の(2)の水溶液を用いて(2)の
薄膜層を形成し、その上に、TiO2を吸着させること
によって第2の超微粒子層を形成した。この状態で2層
のTiO2が形成されたことになる。以降、(2)の水
溶液、およびTiO2の水分散液を繰り返し適用して、
太陽電池の表面上にTiO2層を4層、5層、6層形成
し、それぞれを試料1、試料2、試料3とした。入射角
5°で正反射スペクトルを測定した結果、各試料の最低
反射率は、試料1;5.1%(波長;470〜481n
m)、試料2;2.5%(波長;593〜561n
m)、および試料3;1.9%(波長;691〜671
nm)であった。
【0030】(実施例2)実施例1で作製した各試料を
トリメトキシメチルシラン溶液に浸漬し、次いでトルエ
ンで洗浄した。さらに各試料をアンモニア蒸気にさら
し、反射防止膜中に吸収されていたトリメトキシメチル
シランを縮合させた。その結果、反射防止膜の密着性が
向上した。また、反射防止特性も向上した。アンモニア
の代わりに塩酸を用いても同様の効果を得た。
【0031】(実施例3)実施例1におけるシリコンウ
ェハを球状のシリコン芯材に変更して得られた球状の太
陽電池を用いた以外は、実施例1におけるのと同様に行
なった結果、実施例1で得られたのと同様な結果を得
た。
【0032】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、結合材の薄膜
層と、屈折率が1.75以上の金属酸化物もしくは金属
硫化物の透明性を有する超微粒子が配列した超微粒子層
とで、反射防止層を構成したので、反射防止層の厚みが
ごく薄く、しかも、反射防止層を構成する各層は、交互
吸着法により形成するのに適しているので、厚みを均一
に形成することが容易な、反射防止層を有する光電変換
素子を提供することができる。請求項2の発明によれ
ば、請求項1の発明の効果に加え、超微粒子の素材を特
定したので、反射防止性および透明性がより確実に発揮
される、反射防止層を有する光電変換素子を提供するこ
とができる。請求項3の発明によれば、請求項1または
請求項2の発明の効果に加え、超微粒子の平均粒子径を
規定したので、透明性がより確実に確保され、かつ、入
射光の散乱による支障が生じない、反射防止層を有する
光電変換素子を提供することができる。請求項4の発明
によれば、請求項1の発明の効果に加え、薄膜層を構成
する結合材の素材を特定したので、交互吸着法により反
射防止層を形成するのにより適した、反射防止層を有す
る光電変換素子を提供することができる。請求項5の発
明によれば、請求項1の発明の効果に加え、光電変換素
子が球状、もしくは半球状、またはそれら以外の異形断
面を有する形状でありながら、厚みを均一に形成するこ
とが容易な、反射防止層を有する光電変換素子を提供す
ることができる。請求項6の発明によれば、結合材の薄
膜層の形成、および超微粒子層の形成からなる超微粒子
含有層の形成を交互吸着法によって行うので、光電変換
素子を回転させる回転機構の設置や、真空系内への出し
入れを必要とせず、しかも、光電変換素子の表面形状に
追随した反射防止層の形成を行うことが可能な、反射防
止層を備えた光電変換素子の製造方法を提供することが
できる。請求項7の発明によれば、請求項6の発明の効
果に加え、交互吸着法を繰り返し適用して、超微粒子含
有層を二層以上形成するので、所定の反射防止性を得る
のに必要な厚みの反射防止層を形成することが可能な、
反射防止層を備えた光電変換素子の製造方法を提供する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2K009 AA09 BB04 CC02 CC03 CC09 DD02 5F051 AA01 CB30 HA03 HA04 HA06 5H032 AA06 AS06 AS16 CC14 CC16 EE02 EE03 EE04 EE12 HH04 HH07

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光電変換素子の受光面上に、結合材の薄
    膜層、および、屈折率が1.75以上である金属酸化物
    もしくは金属硫化物からなり透明性を有する超微粒子が
    前記結合材の薄膜層上に配列して構成された超微粒子層
    との複層構造からなる超微粒子含有層が、一層もしくは
    二層以上積層されていることを特徴とする反射防止層を
    備えた光電変換素子。
  2. 【請求項2】 前記金属酸化物が、いずれもTiO2
    Ta25、ZrO2、CeO2、La23、Sb23、も
    しくはNd23のいずれかであるか、または前記金属硫
    化物が、ZnSであることを特徴とする請求項1記載の
    反射防止層を備えた光電変換素子。
  3. 【請求項3】 前記超微粒子の平均粒子径が2nm〜2
    00nmであることを特徴とする請求項1または請求項
    2記載の反射防止層を備えた光電変換素子。
  4. 【請求項4】 前記結合材が高分子電解質、金属アルコ
    キシド、もしくは金属アルコキシドの縮合物のいずれか
    であることを特徴とする請求項1記載の反射防止層を備
    えた光電変換素子。
  5. 【請求項5】 前記光電変換素子が球状、もしくは半球
    状、またはそれら以外の異形断面を有する形状であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の反射防止層を備えた光電
    変換素子。
  6. 【請求項6】 光電変換素子の受光面上に、結合材の薄
    膜層を形成すること、および前記結合材の薄膜層上に屈
    折率が1.75以上である金属酸化物もしくは金属硫化
    物からなり透明性を有する超微粒子を配列させることか
    らなる交互吸着法を適用して超微粒子層を形成すること
    からなり、前記結合材の薄膜層および前記超微粒子層と
    の複層構造からなる超微粒子含有層を形成することを特
    徴とする反射防止層を備えた光電変換素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記交互吸着法を繰り返して適用するこ
    とにより、前記超微粒子含有層を二層以上形成すること
    を特徴とする請求項6記載の反射防止層を備えた光電変
    換素子の製造方法。
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