JP2003332099A - H型偏向電磁石及び荷電粒子加速装置 - Google Patents

H型偏向電磁石及び荷電粒子加速装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 荷電粒子加速器の荷電粒子入射部に使用する
複数偏向電磁石からなる偏向電磁石群において、前記入
射軌道と前記偏向電磁石群を構成する偏向電磁石との物
理的干渉を避けるために、当該複数の偏向電磁石の設置
間隔を大きく取る必要があり、当該偏向電磁石群の全長
の短縮化が困難で、加速器小型化の制約要因となってい
た。 【解決手段】 入射軌道と物理的に干渉する偏向電磁
石をH型偏向電磁石とし、そのリターンヨークの干渉に
係る部分を切り欠き、当該リターンヨーク切り欠き部の
厚さを小さくし、当該リターンヨークの他の部分の厚さ
は、切り欠いた部分の厚さよりも大きくした。切り欠き
部の厚さは、当該リターンヨーク全面を同じ厚さにした
場合に、切り欠き部近傍のリターンヨーク内における磁
力線の向きと当該偏向磁場の磁力線の向きとが同じにな
る厚さとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、他の物体と物理
的な干渉を起こしにくく、かつ漏洩磁場の小さなH型偏
向電磁石と、荷電粒子加速装置の荷電粒子入射部で使用
する偏向電磁石群にこのH型偏向電磁石を含む荷電粒子
加速装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図16はProceedings of the seventh E
uropean Particle Accelerator Conferenceの「Beam Dy
namics in a CW Microtron for Industrial Applicatio
ns」掲載の、荷電粒子加速装置の1種であるCW(Contin
uous Wave)マイクロトロンの概念(平面)図である。
ここでは、荷電粒子加速装置として、このCWマイクロト
ロンを例にとり説明する。
【0003】図16において、1は荷電粒子を発生しCW
マイクロトロンに入射する入射器、2は荷電粒子の入射
のために使用する入射部偏向電磁石群、3はその内部を
通過する際に荷電粒子を加速する機能を有する高周波加
速空洞、4は軸対象に設置された2台の偏向電磁石A、
5は軸対称に設置された2台の偏向電磁石B、6は入射
器1からの荷電粒子をCWマイクロトロンに入射させるた
めの入射軌道、7は入射後の加速装置内での荷電粒子の
加速軌道、8は入射直後の荷電粒子が高周波加速空洞3
で加速された後、偏向電磁石4および5を通過する際の
最初の180度偏向軌道、9は荷電粒子の入射後、偏向
軌道8を経由して高周波加速空洞3により再度加速され
エネルギーが増加した荷電粒子に対する先に述べた偏向
電磁石A4及び偏向電磁石B5と対称の位置関係にある
偏向電磁石A4と偏向電磁石B5による第ニ回目の18
0度偏向軌道、10は前記偏向軌道9を経由してきた荷
電粒子の最初の直線周回軌道である。入射軌道6、加速
軌道7、偏向軌道8、9等、および最初の直線周回軌道
10等は通常真空に保つ必要があるので真空のダクト
(図では省略してある。)内に設定されている。尚、本
明細書でいう各軌道は設計上の軌道、所謂、設計軌道を
指すものとする。
【0004】また、図15は荷電粒子加速装置の荷電粒
子入射部近傍に設置される入射部偏向電磁石群2の近傍
を荷電粒子の入射軌道6、及び加速軌道7と共に拡大し
て示した概念(平面)図であり入射軌道6、加速軌道7を
含む平面による断面図表示となっている。入射部偏向電
磁石群2は、第1の偏向電磁石21、第2の偏向電磁石
22(後述する通りH型偏向電磁石)、第3の偏向電磁石
23の3台で構成されている場合を示す。
【0005】次に動作について説明する。図16におい
て、入射器1で発生させた荷電粒子は入射軌道6を経由
して図15に示す入射部偏向電磁石群2の端の第1の偏
向電磁石21により偏向され加速軌道7に導かれる。加
速軌道7に導かれた荷電粒子は加速軌道7上を進行し、
図16に示す高周波加速空洞3に入り、ここを進行中に
加速され、偏向電磁石A4、および偏向電磁石B5によ
り偏向軌道8を通り、進行方向を逆転させ、元の加速軌
道7に戻される。その後、加速軌道7を今度は最初とは
逆の方向に進行し、高周波加速空洞3で更に加速され、
入射部偏向電磁石群2を経由して最初とは反対側に設置
された偏向電磁石A4、および偏向電磁石B5により進
行方向を更に180度変える。但し、このときは最初の
進行方向逆転時に比べ荷電粒子のエネルギーが増加して
いるため、偏向電磁石4、5による偏向半径がより大き
な偏向軌道9上を進行する。従って、荷電粒子は、元の
加速軌道7には戻らず、最初の直線周回軌道10を通
り、偏向軌道9と同じ偏向半径を有する軌道(但し前記
偏向軌道9とは軸対象の位置にある偏向軌道)を通り、
加速軌道7に戻される。その後は、加速の都度、偏向半
径のより大きな軌道を経由し、従って、最初の直線周回
軌道10もより外側の直線周回軌道に移りながら、且
つ、周回毎に加速軌道7に戻されつつ所望のエネルギー
にまで加速される。目的のエネルギーにまで加速された
荷電粒子は加速装置外に取り出され利用されるが、図で
は荷電粒子の取り出し部分は省略してある。
【0006】次に、入射部偏向電磁石群2の動作につい
て説明する。上述の通り、図15の第1の偏向電磁石2
1を介して、荷電粒子が入射軌道6から、加速軌道7に
導かれる。しかし、一旦入射された荷電粒子は、2回目
の加速以降は、加速軌道7を入射時とは逆方向に進行
し、第1の偏向電磁石21を通過するに際して、偏向磁
場の存在により、荷電粒子が偏向されるため、そのまま
の状態で放置しておけば、本来の加速軌道からそれて、
加速軌道を囲む形で設置してある前記真空ダクト内壁に
衝突して荷電粒子が消失するなど、うまく周回させるこ
とができなくなる。そのため、第1の偏向電磁石21で
偏向された荷電粒子軌道を早い段階で元の加速軌道に戻
してやる必要が生じる。図15の第2の偏向電磁石2
2、第3の偏向電磁石23はそのために設置された電磁
石であり、図に示すように、第1の偏向電磁石21で一
旦偏向を受けた荷電粒子の加速軌道を、第2の偏向電磁
石22、第3の偏向電磁石23で元の加速軌道に戻して
いる。尚、図16のケースでは入射の際の荷電粒子の進
行方向と次の加速時の進行方向とは逆になっているた
め、上記偏向を受けた加速軌道7の偏向方向は入射荷電
粒子の偏向方向とは逆になっている。図16に示す加速
装置の設計によっては入射方向と加速方向とを揃えるこ
ともでき、その場合は、加速軌道7の偏向方向は図15
に示す方向とは反対になる。
【0007】尚、第2の偏向電磁石22はその近傍に入
射軌道6があることから、漏洩磁場を小さくして、入射
軌道6上を進行する荷電粒子に対する悪影響を低減する
必要がある。そのため、通常、図13の断面模式図に示
すような、所謂H型偏向電磁石を使用する(以後、第2
の偏向電磁石22については、H型偏向電磁石とする。
以下、後述するようにH型偏向電磁石の各種型式の採用
について言及することになるが、全て22の番号で統一
することとする。H型偏向電磁石の各種型式を区別する
必要があるときはH型偏向電磁石イ22〜H型偏向電磁
石ホ22等と記載することにする。)。なお、ヨーク内
の空隙の形状がアルファベットのHをイメージさせるこ
とからこのような名称で呼ばれている。図13に示すH
型偏向電磁石は、従来から使用されている標準的なもの
で、ここでは、後述する本発明に係るH型偏向電磁石と
区別するためにH型偏向電磁石ホ22と呼ぶこととす
る。図において、221、222はH型偏向電磁石ホ2
2の両側面に互いに鏡面対称に配置された、H型偏向電
磁石ホ22を構成する厚さt1の第1、第2のヨーク戻
り部(リターンヨーク部)、223はヨークに巻いた電
磁石用コイル(上下各1セットある。)、224、225
は、リターンヨーク222の、コイル223近傍、及
び、後述する偏向軌道平面11に近い部位でのリターン
ヨーク内磁力線の様子を示すために設定したリターンヨ
ーク部領域A及びBである。227は、このH型偏向電
磁石ホ22の偏向磁場形成領域で、この部分を荷電粒子
が紙面に垂直方向に走行することにより(加速軌道とし
て番号7で示す。)、偏向磁場形成領域227に形成さ
れている偏向磁場による偏向を受けつつ走行し、所謂、
偏向軌道を形成する。
【0008】11はこのH型偏向電磁石ホ22による前
記偏向軌道により形成される平面(偏向軌道平面)であ
り、紙面に垂直方向に広がっているものである。このH
型偏向電磁石ホ22内では荷電粒子は、基本的には入射
粒子、加速粒子ともこの偏向軌道平面11上を走行す
る。図16の例では入射粒子および加速粒子の走行方向
を逆にしたので、図13での入射軌道6と加速軌道7の
表示には各々を通過する入射粒子、加速粒子の走行方向
が紙面に垂直な方向で互いに逆向きであるということを
示す表示にしてある。既に述べたように、粒子線加速装
置16の設計によっては、両者が同一方向になることも
ある。
【0009】H型偏向電磁石ホ22は両側にリターンヨ
ークがあるため、それが片側にしかない、所謂C型偏向
電磁石に比べ、漏洩磁場が小さいという特徴を有する。
そのため、既に述べたように、入射粒子等、磁場に影響
されやすい対象へのH型偏向電磁石からの漏洩磁場によ
る影響が低減できるという利点を有しており、これが、
図15に示す偏向電磁石22にH型偏向電磁石を採用す
る理由となっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来の加速装置、およ
びそこに荷電粒子を入射する際に使用する偏向電磁石お
よび偏向電磁石群は以上のような構成となっていたが、
このような構成で荷電粒子を加速装置内に入射する際に
問題となるのが、入射軌道6と偏向電磁石22の物理的
な干渉である。この干渉を避けるには、図15に示すよ
うに、偏向電磁石21と22間の距離L1を一定の大き
さ以上にしなければならない。また、通常、偏向電磁石
群2の各偏向電磁石は対称に設計配置するので偏向電磁
石22と23の間の距離もL1にするケースが多い。従
って、上記干渉を避けようとすると、偏向電磁石群2全
体の長さが、L1の大きさに伴い、大きくなってしま
い、それを組み込む加速装置の直線部(図16の2台の
偏向電磁石4の間の領域)も長くする必要が生じる。そ
うすると、直線部を長くした分、余分の真空ダクトが必
要になると共に、その分真空排気系の負荷も大きくなる
ため、加速装置製作コストが上昇する。さらに、必要設
置スペースも大きくなることから、建て屋コストも上昇
してしまう。
【0011】これらの諸点を解決するために、偏向電磁
石21の偏向磁場強度を大きくし、入射軌道をもっと急
角度で加速軌道に接続することによりL1を小さくする
という方法が考えられる。しかし、この場合は、偏向電
磁石21の偏向軌道の修正のために設置されている偏向
電磁石22、及び23の軌道修正効果も大きくする必要
が生じる。すなわち、偏向電磁石22、23の偏向磁場
強度も大きくする必要がある。そうすると、偏向電磁石
22のリターンヨーク厚t1が増加することになり、結
局、L1がどこまで短縮化できるかは疑問であるし、偏
向電磁石21〜23全てについて、費用も増加する。
【0012】従って、同一偏向磁場強度を有する従来型
のH型偏向電磁石であれば、物理的に干渉してしまう位
置にある対象物に対して、物理的に干渉せず、且つ、そ
の対象物位置での漏洩磁場を当該従来型のH型偏向電磁
石と同程度にまで低くし、且つ、その従来型H型偏向電
磁石の長さ、幅を超えないH型偏向電磁石を実現するこ
とが求められていた。このような要請は、荷電粒子加速
装置の粒子入射部近傍に使用する偏向電磁石のみに特有
の問題ではなく、一般的な課題としても捉えることがで
きるものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のH型偏向電磁石
は、H型偏向電磁石の偏向磁場中を荷電粒子が走行する
際に形成される設計偏向軌道と偏向中心により決められ
る偏向軌道平面に対して対称に、当該偏向軌道平面に直
交する方向に一定距離hだけ、且つ、偏向軌道に沿っ
て、一方のリターンヨーク側面全面に切り欠き部を設
け、その切り欠き部のリターンヨーク厚をt2とし、前
記一定距離hから外れる部分の当該リターンヨーク厚を
t2よりも大きく且つ、他方のリターンヨーク厚t1よ
りも小さい値であるt3とすることを特徴とするもので
ある。
【0014】本発明のH型偏向電磁石は、前記切り欠き
部のリターンヨーク厚t2を、当該リターンヨーク全面
を一定の厚さにした時に、当該リターンヨーク内の偏向
軌道平面位置での磁力線の向きが、当該H型偏向電磁石
の偏向磁場形成部における磁力線の向きと同じになる厚
さとしたことを特徴とするものである。
【0015】本発明のH型偏向電磁石は、リターンヨー
ク厚がt2からt3に変化する切り欠き部境界部分にお
いて、リターンヨーク厚をt2からt3に傾斜的若しく
は段階的に変化させたことを特徴とするものである。
【0016】本発明の荷電粒子加速装置は、荷電粒子加
速装置の荷電粒子入射部に使用される、荷電粒子入射用
の偏向電磁石を含む、3以上の偏向電磁石で構成される
偏向電磁石群において、荷電粒子入射用の軌道と隣接す
る少なくとも1の偏向電磁石に、本発明に係るH型偏向
電磁石を使用したことを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】実施の形態1 本発明は、
【従来の技術】で述べた様に、同一偏向磁場強度を有す
る従来型のH型偏向電磁石であれば、物理的に干渉して
しまう位置にある対象物に対して、物理的に干渉せず、
且つ、その対象物位置での漏洩磁場を当該従来型のH型
偏向電磁石と同程度にまで低くし、且つ、その従来型H
型偏向電磁石の長さ、幅を超えないH型偏向電磁石を実
現することを目的とする。
【0018】ある物体がH型偏向電磁石と物理的に干渉
する場合の例として、荷電粒子加速装置の荷電粒子入射
部近傍に設置される偏向電磁石群を取り上げて説明す
る。図1に、偏向電磁石群2が入射軌道6と物理的に干
渉する場合の、偏向電磁石21側から見た、偏向電磁石
22の、本発明による模式(側面)図を示す。なお、通
常の本電磁石設置条件下では、紙面上部方向が垂直上方
に相当するため、以下の説明では、そのような前提で説
明するが、これに限定されるものではない。図1に示す
H型偏向電磁石22を、以後H型偏向電磁石イ22と呼
ぶことにする。図において、221、222、223は
図13の場合と同じである。但し、リターンヨーク22
2の厚さは図13の場合と異なり、後述するように、厚
さt1より薄くなっている。224はリターンヨーク部
領域Aを示し、図示するように、コイル設置位置近傍で
のリターンヨーク部に対応する部分であり、偏向軌道面
11に対して対称の位置に設定され、次に述べるリター
ンヨーク部領域B225を除く(簡略化のために対称の
位置の図示は省略した。)部分である。225はリター
ンヨーク部領域Bを示し、偏向軌道平面11に対して対
称に設定される。リターンヨーク部領域B225の高さ
はhで、別途定める。226はリターンヨーク部領域A
と同領域Bとの切り欠き部境界部分を示す。偏向軌道平
面11を中心とした高さhに相当するリターンヨーク部
領域B225の厚さはt2、リターンヨーク部領域A2
24の厚さはt3とする。t3はリターンヨーク厚t2
よりも大きく、t1よりも小さい値にし、後述するよう
に、t2に依存する形で設定する。227は図13と同
じく、偏向磁場領域を示し、この部分を荷電粒子が走行
する。この荷電粒子の走行軌道が7で示されており、紙
面に垂直方向に走行する。図15との対応で言えば、加
速軌道に対応するものである。
【0019】偏向電磁石22と入射軌道6との物理的干
渉を避けるためには、次のいずれかの方法が考えられ
る。(1)図6のH型偏向電磁石ハ22に示すように、偏
向軌道平面11を中心に、リターンヨーク部222を、
入射軌道との物理的干渉(実際は、入射軌道を含む真空
ダクトとの干渉)を避けるために必要な高さhおよび厚
さt2まで電磁石全長にわたり切り欠く方法。(2)図9
のH型偏向電磁石ニに示すように、リターンヨーク部2
22全体を厚さt2まで薄くする方法。
【0020】このように、例えば図6に示す偏向電磁石
の場合であれば、図8に示すように偏向電磁石22と入
射軌道6とが本来ならば物理的に干渉する位置まで偏向
電磁石21と22間の距離を小さくしても(L1からL
2(<L1)にまで。)、両者の干渉を避けることができ
る。入射軌道の入射角度に沿う形でリターンヨーク部2
22を切り欠いても良いし、図9に示す場合も同様であ
る。
【0021】問題は、漏洩磁場強度である。図11に、
当該リターンヨーク部222近傍の磁場強度が、偏向軌
道平面11上の位置によって、どのように変化するかを
模式的に示す。図11は、荷電粒子走行方向の電磁石中
央部において、偏向軌道平面上のヨーク外端面を原点に
とり、正方向を電磁石外部方向にとって、横軸の位置X
とし、磁場強度の位置X依存性を示したものである。図
中のの番号を付して示した線は、以下の条件に対応
した磁場強度の位置X依存性を示す。 「軌道平面のみ切り欠き」;図6に示すH型偏向電磁
石ハ22に対応。図6に示すリターンヨーク部領域B2
25に対応する、偏向軌道平面を中心とした一定高さh
にわたる部分の厚さをt2になるまで切り欠いた場合で
ある。 「ヨーク全面薄い」;、図9に示すH型偏向電磁石ニ
22に対応。片側のリターンヨーク部について、全面に
わたり(図9に示すリターンヨーク部領域A224およ
び領域B225共)厚さt2になるまでリターンヨーク
厚を薄くした場合である。(、の番号を付した線に
ついては後述する。) 図11では、リターンヨーク厚t2=約0.2cmと
し、X=0〜−0.2cm間をリターンヨーク部222
に対応させ、リターンヨーク部領域B225近傍の磁場
強度のX依存性を模式的に示している。X>0cmの領
域(図11において「電磁石外部方向」と記載した部
分。)が入射軌道の隣接する部分になり、漏洩磁場強度
が問題となる領域になる。
【0022】図11は、のいずれの偏向電磁石であ
っても、リターンヨーク222の端面から離れるにつ
れ、磁場強度が漸減し、一定距離離れると、漏洩磁場強
度は、実質上、無視できる程度にまで低減することを模
式的に示している。しかし、Xが小さい領域では、
いずれのケースでもリターンヨーク222外への漏洩磁
場強度は大きなもので、問題が残ることを示唆するもの
である。
【0023】ここで、留意すべき点はとの磁場極性
が互いに反転していることである。この磁場極性の反転
について、磁力線図を使って見ることにする。図14
は、リターンヨーク部に切り欠きのない、図13に示す
従来型のH型偏向電磁石ホ22について、図10は、片
側のリターンヨーク全面の厚さを低減した図9に示すH
型偏向電磁石ニ22について(図11ののケースに対
応)、図7は、従来型のH型偏向電磁石の片側のリター
ンヨークについて、偏向軌道平面を中心に高さh分だけ
リターンヨークを切り欠いて、切り欠いた部分の厚さを
t2とした図6に示すH型偏向電磁石ハ22について
(図11ののケースに対応)、それぞれ磁力線分布を示
すものである。図14、図10は偏向軌道平面11の上
半分について、図7は、図6に示す電磁石コイル223
の近傍のヨーク部領域C228についての磁力線分布を
示したものである。
【0024】図14に示す従来型のH型偏向電磁石ホ2
2の場合、図7に示すH型偏向電磁石ハ22の場合は、
リターンヨーク部領域B225の磁場は、同偏向磁場領
域227の磁場の極性と同一であるが、図10に示すH
型偏向電磁石ニ22の場合は、リターンヨーク部領域B
225の磁場は、同偏向磁場領域227の磁場の極性と
逆極性になっていることがわかる。これは、リターンヨ
ーク部領域B225の磁場が、リターンヨーク部領域A
224の磁場と偏向磁場領域227からの漏洩磁場の大
小関係から決められるために起こる現象であり、図10
に示すようにリターンヨーク厚を全面にわたって薄くし
ていくと、ある厚さ以上に薄くすると、リターンヨーク
部領域B225の磁場が偏向磁場極性と同じになる。
【0025】このリターンヨーク部領域B225の磁場
極性の反転現象から、図1に示すような形状のリターン
ヨークを設けることにより、そのリターンヨーク外部で
の漏洩磁場強度を所定の条件下で低減することができる
ことがわかる。以下、その理由と共に、漏洩磁場低減の
条件について述べる。まず、図9に示すような一方のリ
ターンヨーク全面でその厚さを薄くしたH型偏向電磁石
ニ22を考える。そのリターンヨーク厚を、上述したよ
うに、薄くしていくと、ある厚さT0以下になると当該
リターンヨーク部の領域B225の磁場極性が、偏向磁
場領域227における偏向磁場極性と同じになる。図1
に示す一方のリターンヨーク部の領域B225の厚さt
2を前記T0以下に設定する。この状態では、このリタ
ーンヨーク外(すなわち位置Xが正の領域)での漏洩磁場
強度は図11のの線で示すように比較的大きなものと
なる。次に、当該リターンヨーク部の領域A224の厚
さを増加させていく。この領域A224の厚さをt2か
らt1まで変化させたときのこのリターンヨーク外での
漏洩磁場強度は図11の線から、、そしてで示
すように変化していく。これは、上述したように、リタ
ーンヨーク部領域A224から同領域B225へ回り込
む磁力線の増加によるキャンセリング効果によるもので
ある。このことから、リターンヨーク部領域A224の
厚さt3をt2からt1の間の適当な値に設定すること
で漏洩磁場強度を低減できることがわかる。
【0026】図12は、以上の効果を詳細に調べるため
に、このリターンヨーク外への漏洩磁場強度の位置Xに
よる変化を詳細に計算し示したものである。図12にお
いて、縦軸、横軸、および〜で示す線の意味、条件
は図11の場合と同じである。但し、X≧0cmの領域
についてのみ示してある。尚、漏洩磁場強度の低減の目
安となるように、図13に示す、両方のリターンヨーク
とも、切り欠き部を設けない標準的なヨークで、その厚
さがt1であるH型偏向電磁石ホ22における漏洩磁場
強度をの線で示した。ちなみに、この場合はリターン
ヨーク厚t1を約5cmと設定したことから、リターン
ヨークの外端面位置は、、の場合の原点から見る
と、ほぼ5cm付近に来ることになり、の線はX≧約
5cmについてのみ示されている。図12の〜のい
ずれの場合もその漏洩磁場強度、Xが大きな所では0に
漸近する。しかし、やの場合は、漏洩磁場強度の絶
対値は、有限の位置X=X0で0となる。この0となる
位置X0は、リターンヨーク部領域B225の厚さt2
と、同領域A224の厚さt3に依存して決まる。更に
領域部Bの高さhにも依存する。例えば、のケースで
は、t2を小さくすると、X0の位置はリターンヨーク
端面から遠ざかるものの、依然X0に対応する位置は存
在する。但しt2が小さくなると、リターンヨーク部領
域Aの部分からの漏洩磁場強度が増加していくため、偏
向軌道平面から上下に少し外れた位置での漏洩磁場強度
は顕著に増加する。
【0027】また、リターンヨーク部領域B225の厚
さt2を固定して、t3をt2から増加していくと、あ
る厚さまでは、偏向軌道平面上で漏洩磁場強度が0とな
る位置X0はリターンヨーク部領域B225の外端部表
面に近接してくる。しかし、ある厚さ以上にt3を増や
しても、やに示すように漏洩磁場強度の低減という
点では効果がなくなってしまう。
【0028】このように、t3をt2からt1まで増加
させる場合、t2の値を小さくすることも含めて考えれ
ば、X0の位置は大きく変動するが、現実的な選択を考
えると、X0の位置はリターンヨーク部領域B225の
外端部表面、すなわちX=0からX=t1−t2までの
間に来ることが多い。
【0029】図12の例で言えば、入射軌道の位置を、
例えばX=2cm近傍とすると、その位置では、、
、の電磁石とも、漏洩磁場強度はの線で示された
磁場強度に比べ無視できない程に大きいが、上述したよ
うに、リターンヨーク部領域A224の厚さをt2から
増やし、図12ので示す線に対応する厚さにした場合
は、X=約2cm近傍で漏洩磁場強度はほぼ0に近い値
になる。このことは、t2が前記の条件に従って設定さ
れ、且つ、H型偏向電磁石に対する入射軌道位置に応じ
て、リターンヨーク部領域A224の厚さを適切に選定
すれば、その位置における漏洩磁場強度を最小にするこ
とが可能となることを示すものである。
【0030】以上をまとめると、まず、この偏向電磁石
と入射軌道の物理的干渉の程度、及びリターンヨーク領
域B225内の磁力線の極性が偏向磁場領域227の磁
力線の極性と同じになる厚さから、t2を決め、次に入
射軌道の位置関係を勘案して、どの位置で磁場強度を最
小にすべきかを決め、上記t2の値に応じてt3値を決
めるという手順で本偏向電磁石の片側のリターンヨーク
厚を決めていくことになる。他方のリターンヨーク厚t
1は、当初設計のままであり変更はない。このようにし
て定めた本発明に係るH型偏向電磁石の一例を示したも
のが図1であり、図2はそのときの磁力線分布を示す。
【0031】尚、上記t3の決定においては、図3に示
すように、入射軌道6の位置が、偏向電磁石22との関
係において一定でないことにも留意する必要がある。こ
のような場合には、例えば、偏向電磁石22の近傍を、
入射粒子が通過する際の、入射粒子に対する漏洩磁場の
影響の積分値が最小になるように、t3を決めることが
できる。
【0032】以上は、電磁石長さ方向にわたって一方の
リターンヨーク部領域B225、すなわち切り欠き部の
深さを一定にしたものである。先に述べたように、入射
軌道に沿って切り欠いても、入射軌道とリターンヨーク
との干渉は避けることができる。図1に示すH型偏向電
磁石イ22の方が、通常、漏洩磁場対策の点から優れて
いるが、厚さt2を一定値以下にする必要があることか
ら、何らかの事情により、t2厚を実現できない場合
に、入射軌道に沿って切り欠くという方式を選択肢とす
ることができる。このように、一方のリターンヨーク部
を上記t2とt3(t2より大きく且つt1よりも小)の
2種類の厚さにすることにより、目的とする位置でのこ
のH型偏向電磁石からの漏洩磁場強度を、従来型のH型
偏向電磁石並にまで低減することができる。
【0033】以上の様に構成された偏向電磁石であれ
ば、従来型のH型偏向電磁石であれば物理的に干渉を起
こしてしまうような位置にでも、漏洩磁場による悪影響
を受けやすい対象物を設置することができる。しかも、
本発明に係るH型偏向電磁石の大きさは従来型のH型偏
向電磁石の大きさを超えない。従って、この発明に係る
図1に示すH型偏向電磁石イ22を、図3に示すよう
に、偏向電磁石群2の偏向電磁石22として採用する
と、偏向電磁石21〜23のサイズを大きくすることな
く、また、入射軌道6と偏向電磁石22の物理的干渉を
起こすこともなく、偏向電磁石21と22の間の距離L
2をL1よりも短縮化して設置できるため、偏向電磁石
群2の全長を短縮化できる。従って、このように短縮化
された偏向電磁石群2を荷電粒子入射点近傍に採用した
加速装置については、加速装置直線部の短縮化も図るこ
とができ、本発明を採用しない場合に比べて、真空ダク
トの必要長が低減できると共に、その分、真空排気系の
負荷も小さくなるため、真空排気系の簡略化が可能とな
り、当該加速装置をより小型・安価に製作することがで
きる。また、当該加速装置全長の短縮化を図ることによ
り、必要設置スペースもその分小さくて済むことから、
建て屋コストの低減化も図ることができるという効果も
ある。
【0034】尚、上記偏向電磁石群2は3台の偏向電磁
石から構成されるものとして説明したが、3台に限定す
る必要はない。偏向電磁石21により偏向を受けた荷電
粒子の加速軌道を元の加速軌道に戻すための電磁石群で
あるから、例えば4台、5台等、3台以上の偏向電磁石
の構成であっても同様の効果を持たせることができる。
当然その分全長は長くなるが、この選択は加速装置ビー
ムダイナミックスの設計上の問題である。
【0035】また、偏向電磁石群2の内1台を本発明の
H型偏向電磁石イ22にするということで説明したが、
これに限定する必要もない。入射軌道の入射角によって
は複数の偏向電磁石と物理的に干渉を生じることも考え
られる。そのような場合は、干渉する偏向電磁石を全て
本発明に係るH型偏向電磁石にすることができる。
【0036】更に、偏向電磁石群2は荷電粒子加速軌道
に沿って対称軌道になるように電磁石を配置・構成する
ことを前提に述べてきたが、加速装置の全体設計上、対
称性についての特段の要請(ビームダイナミックスから
の要請等。)がなければ、対称性にこだわる必要性は必
ずしもない。
【0037】実施の形態2 図4に、本発明の別の実施の形態であるH型偏向電磁石
ロ22の断面模式図を示す。図4に示す偏向電磁石ロ2
2は、図1に示す本発明に係るH型偏向電磁石イ22に
おいて、リターンヨーク部領域A224とリターンヨー
ク部領域B225の境界で、両者の厚さを1ステップで
階段状に変えるのではなく、傾斜部24を介して変える
ことを特徴とする。
【0038】図1に対応する磁力線分布を図2に示す
が、リターンヨーク部領域A224とリターンヨーク部
領域B225の厚さを1ステップで階段状に変えた場合
は、図2の226で示した領域A、B間の切り欠き部境
界部分では磁力線の集中が起こっており、漏洩磁場対策
上好ましくない。そこで、上述の通り、傾斜部24を設
けることにより、図5の切り欠き部境界部分226で示
す個所の磁力線分布から判るように、磁力線の集中を緩
和することができ、図1に示す偏向電磁石イ22を図4
の偏向電磁石ロ22に置き換えることにより、実施の形
態1で述べた効果と同等な効果をも享受しつつ、より漏
洩磁場強度の小さな偏向電磁石を供給することができ
る。
【0039】尚、傾斜部24の形状は図4では直線で示
したが、必ずしもこれにこだわる必要はない。多数ステ
ップの階段状にしたり、曲線を介したり等することによ
り、ヨーク厚の急変を避けるようにできれば同様の効果
を奏することができる。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、H型偏向電磁石におい
て、H型偏向電磁石の偏向磁場中を荷電粒子が走行する
際に形成される設計偏向軌道と偏向中心により決められ
る偏向軌道平面に対して対称に、当該偏向軌道平面に直
交する方向に一定距離hだけ、且つ、偏向軌道に沿っ
て、一方のリターンヨーク側面全面に切り欠き部を設
け、その切り欠き部のリターンヨーク厚をt2とし、前
記一定距離hから外れる部分の当該リターンヨーク厚を
t2よりも大きく、且つ、他方のリターンヨーク厚t1
よりも小さい値であるt3とすることにより、当該H型
偏向電磁石の近傍に、その位置での当該H型偏向電磁石
からの漏洩磁場強度を小さく保ったままで、物理的干渉
が問題となる機器等を配置することが容易となる。
【0041】本発明によれば、H型偏向電磁石の一方の
リターンヨークについて、前記切り欠き部のリターンヨ
ーク厚t2を、当該リターンヨーク全面を一定の厚さに
した時に、当該リターンヨーク内の偏向軌道平面位置で
の磁力線の向きが、当該H型偏向電磁石の偏向磁場形成
部における磁力線の向きと同じになる厚さとすることに
より、当該H型偏向電磁石の近傍に、その位置での当該
H型偏向電磁石からの漏洩磁場強度を小さく保ったまま
で、物理的干渉が問題となる機器等を配置することが容
易となる。
【0042】本発明によれば、上述のH型偏向電磁石に
おいて、リターンヨーク厚がt2からt3に変化する切
り欠き部境界部分において、リターンヨーク厚をt2か
らt3に傾斜的若しくは段階的に変化させたことによ
り、リターンヨーク厚の薄い領域から厚い領域へ変化す
る部分で、磁束の集中を緩和することができ、ヨーク内
における磁気的な飽和を抑制できるので、電磁石外部へ
の漏洩磁場強度をより低減できる。そのため、当該偏向
電磁石の近傍に物理的干渉が問題となり、且つ磁場によ
る影響が問題になる機器等を配置することが一層容易と
なる。
【0043】本発明によれば、荷電粒子加速装置の荷電
粒子入射部に使用される、荷電粒子入射用の偏向電磁石
を含む、3以上の偏向電磁石で構成される偏向電磁石群
において、荷電粒子入射用の軌道と隣接する少なくとも
1の偏向電磁石に、本発明に係るH型偏向電磁石の何れ
かを使用することにより、この偏向電磁石群を構成する
各偏向電磁石の設置間距離を小さくすることができるた
め、この偏向電磁石群の全長を短縮化できる。従って、
この偏向電磁石群を採用した荷電粒子加速装置の真空系
の簡略化を通じて荷電粒子加速装置の小型化及び費用低
減に資することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係るH型偏向電磁石
イの断面模式図
【図2】 本発明の実施の形態1に係るH型偏向電磁石
イの磁力線分布を示す図
【図3】 本発明の実施の形態1に係るH型偏向電磁石
イを採用した入射部偏向電磁石群と入射軌道および加速
軌道を示す平面断面配置図
【図4】 本発明の実施の形態2に係るH型偏向電磁石
ロの断面模式図
【図5】 本発明の実施の形態2に係るH型偏向電磁石
ロの磁力線分布を示す図
【図6】 切り欠き部付H型偏向電磁石ハの断面模式図
【図7】 切り欠き部付H型偏向電磁石ハに対する電磁
石コイル近傍ヨーク部領域Cの磁力線分布図
【図8】 切り欠き部付H型偏向電磁石ハを採用した入
射部偏向電磁石群と入射軌道および加速軌道を示す平面
断面配置図
【図9】 極薄型リターンヨーク付H型偏向電磁石ハの
断面模式図
【図10】 極薄型リターンヨーク付H型偏向電磁石ハ
の磁力線分布図
【図11】 リターンヨーク近傍の磁場強度分布のリタ
ーンヨーク形状依存性を示す概念図
【図12】 漏洩磁場強度のリターンヨーク形状依存性
を示す図
【図13】 従来型のH型偏向電磁石ホの断面模式図
【図14】 従来型のH型偏向電磁石ホの磁力線分布図
【図15】 従来型のH型偏向電磁石ホを採用した入射
部偏向電磁石群と入射軌道および加速軌道を示す平面断
面配置図
【図16】 CWマイクロトロンの概念平面図
【符号の説明】
1 入射器、2 入射部偏向電磁石群、3 高周波加速
空洞、4 偏向電磁石A、5 偏向電磁石B、6 入射
軌道、7 加速軌道、8 最初の180度偏向軌道、9
第2回目の180度偏向軌道、10 最初の直線周回
軌道、11 偏向軌道平面、21 第1の偏向電磁石、
22 第2の偏向電磁石(H型偏向電磁石)、23 第
3の偏向電磁石、24 傾斜部、221 第1のリター
ンヨーク部、 222 第2のリターンヨーク部、22
3 電磁石用コイル、224 リターンヨーク部領域
A、225 リターンヨーク部領域B、226 切り欠
き部境界部分、227 偏向磁場形成領域、228 ヨ
ーク部領域C

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】H型偏向電磁石の偏向磁場中を荷電粒子が
    走行する際に形成される設計偏向軌道と偏向中心により
    形成される偏向軌道平面に対して対称に、当該偏向軌道
    平面に直交する方向に一定距離hだけ、且つ、偏向軌道
    に沿って、一方のリターンヨーク側面全面に切り欠き部
    を設け、その切り欠き部のリターンヨーク厚をt2と
    し、前記一定距離hから外れる部分の当該リターンヨー
    ク厚をt2よりも大きく且つ、他方のリターンヨーク厚
    t1よりも小さい値であるt3とすることを特徴とする
    H型偏向電磁石。
  2. 【請求項2】前記切り欠き部のリターンヨーク厚t2
    を、当該リターンヨーク全面を一定の厚さにした時に、
    当該リターンヨーク内の偏向軌道平面位置での磁力線の
    向きが、当該H型偏向電磁石の偏向磁場形成部における
    磁力線の向きと同じになる厚さとしたことを特徴とする
    請求項1に記載したH型偏向電磁石。
  3. 【請求項3】リターンヨーク厚がt2からt3に変化す
    る切り欠き部境界部分において、リターンヨーク厚をt
    2からt3に傾斜的若しくは段階的に変化させたことを
    特徴とする請求項1又は2に記載したH型偏向電磁石。
  4. 【請求項4】荷電粒子加速装置の荷電粒子入射部に使用
    される、荷電粒子入射用の偏向電磁石を含む、3以上の
    偏向電磁石で構成される偏向電磁石群において、荷電粒
    子入射用の軌道と隣接する少なくとも1の偏向電磁石
    に、請求項1から3の何れかに記載するH型偏向電磁石
    を使用したことを特徴とする荷電粒子加速装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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