JP3945310B2 - H型偏向電磁石及び荷電粒子加速装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、他の物体と物理的な干渉を起こしにくく、かつ漏洩磁場の小さなH型偏向電磁石と、荷電粒子加速装置の荷電粒子入射部で使用する偏向電磁石群にこのH型偏向電磁石を含む荷電粒子加速装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図16はProceedings of the seventh European Particle Accelerator Conferenceの「Beam Dynamics in a CW Microtron for Industrial Applications」掲載の、荷電粒子加速装置の1種であるCW(Continuous Wave)マイクロトロンの概念(平面)図である。ここでは、荷電粒子加速装置として、このCWマイクロトロンを例にとり説明する。
【0003】
図16において、1は荷電粒子を発生しCWマイクロトロンに入射する入射器、2は荷電粒子の入射のために使用する入射部偏向電磁石群、3はその内部を通過する際に荷電粒子を加速する機能を有する高周波加速空洞、4は軸対象に設置された2台の偏向電磁石A、5は軸対称に設置された2台の偏向電磁石B、6は入射器1からの荷電粒子をCWマイクロトロンに入射させるための入射軌道、7は入射後の加速装置内での荷電粒子の加速軌道、8は入射直後の荷電粒子が高周波加速空洞3で加速された後、偏向電磁石4および5を通過する際の最初の180度偏向軌道、9は荷電粒子の入射後、偏向軌道8を経由して高周波加速空洞3により再度加速されエネルギーが増加した荷電粒子に対する先に述べた偏向電磁石A4及び偏向電磁石B5と対称の位置関係にある偏向電磁石A4と偏向電磁石B5による第ニ回目の180度偏向軌道、10は前記偏向軌道9を経由してきた荷電粒子の最初の直線周回軌道である。入射軌道6、加速軌道7、偏向軌道8、9等、および最初の直線周回軌道10等は通常真空に保つ必要があるので真空のダクト(図では省略してある。)内に設定されている。尚、本明細書でいう各軌道は設計上の軌道、所謂、設計軌道を指すものとする。
【0004】
また、図15は荷電粒子加速装置の荷電粒子入射部近傍に設置される入射部偏向電磁石群2の近傍を荷電粒子の入射軌道6、及び加速軌道7と共に拡大して示した概念(平面)図であり入射軌道6、加速軌道7を含む平面による断面図表示となっている。
入射部偏向電磁石群2は、第1の偏向電磁石21、第2の偏向電磁石22(後述する通りH型偏向電磁石)、第3の偏向電磁石23の3台で構成されている場合を示す。
【0005】
次に動作について説明する。図16において、入射器1で発生させた荷電粒子は入射軌道6を経由して図15に示す入射部偏向電磁石群2の端の第1の偏向電磁石21により偏向され加速軌道7に導かれる。加速軌道7に導かれた荷電粒子は加速軌道7上を進行し、図16に示す高周波加速空洞3に入り、ここを進行中に加速され、偏向電磁石A4、および偏向電磁石B5により偏向軌道8を通り、進行方向を逆転させ、元の加速軌道7に戻される。その後、加速軌道7を今度は最初とは逆の方向に進行し、高周波加速空洞3で更に加速され、入射部偏向電磁石群2を経由して最初とは反対側に設置された偏向電磁石A4、および偏向電磁石B5により進行方向を更に180度変える。但し、このときは最初の進行方向逆転時に比べ荷電粒子のエネルギーが増加しているため、偏向電磁石4、5による偏向半径がより大きな偏向軌道9上を進行する。従って、荷電粒子は、元の加速軌道7には戻らず、最初の直線周回軌道10を通り、偏向軌道9と同じ偏向半径を有する軌道(但し前記偏向軌道9とは軸対象の位置にある偏向軌道)を通り、加速軌道7に戻される。その後は、加速の都度、偏向半径のより大きな軌道を経由し、従って、最初の直線周回軌道10もより外側の直線周回軌道に移りながら、且つ、周回毎に加速軌道7に戻されつつ所望のエネルギーにまで加速される。目的のエネルギーにまで加速された荷電粒子は加速装置外に取り出され利用されるが、図では荷電粒子の取り出し部分は省略してある。
【0006】
次に、入射部偏向電磁石群2の動作について説明する。上述の通り、図15の第1の偏向電磁石21を介して、荷電粒子が入射軌道6から、加速軌道7に導かれる。しかし、一旦入射された荷電粒子は、2回目の加速以降は、加速軌道7を入射時とは逆方向に進行し、第1の偏向電磁石21を通過するに際して、偏向磁場の存在により、荷電粒子が偏向されるため、そのままの状態で放置しておけば、本来の加速軌道からそれて、加速軌道を囲む形で設置してある前記真空ダクト内壁に衝突して荷電粒子が消失するなど、うまく周回させることができなくなる。そのため、第1の偏向電磁石21で偏向された荷電粒子軌道を早い段階で元の加速軌道に戻してやる必要が生じる。図15の第2の偏向電磁石22、第3の偏向電磁石23はそのために設置された電磁石であり、図に示すように、第1の偏向電磁石21で一旦偏向を受けた荷電粒子の加速軌道を、第2の偏向電磁石22、第3の偏向電磁石23で元の加速軌道に戻している。尚、図16のケースでは入射の際の荷電粒子の進行方向と次の加速時の進行方向とは逆になっているため、上記偏向を受けた加速軌道7の偏向方向は入射荷電粒子の偏向方向とは逆になっている。図16に示す加速装置の設計によっては入射方向と加速方向とを揃えることもでき、その場合は、加速軌道7の偏向方向は図15に示す方向とは反対になる。
【0007】
尚、第2の偏向電磁石22はその近傍に入射軌道6があることから、漏洩磁場を小さくして、入射軌道6上を進行する荷電粒子に対する悪影響を低減する必要がある。そのため、通常、図13の断面模式図に示すような、所謂H型偏向電磁石を使用する(以後、第2の偏向電磁石22については、H型偏向電磁石とする。以下、後述するようにH型偏向電磁石の各種型式の採用について言及することになるが、全て22の番号で統一することとする。H型偏向電磁石の各種型式を区別する必要があるときはH型偏向電磁石イ22〜H型偏向電磁石ホ22等と記載することにする。)。なお、ヨーク内の空隙の形状がアルファベットのHをイメージさせることからこのような名称で呼ばれている。図13に示すH型偏向電磁石は、従来から使用されている標準的なもので、ここでは、後述する本発明に係るH型偏向電磁石と区別するためにH型偏向電磁石ホ22と呼ぶこととする。図において、221、222はH型偏向電磁石ホ22の両側面に互いに鏡面対称に配置された、H型偏向電磁石ホ22を構成する厚さt1の第1、第2のヨーク戻り部(リターンヨーク部)、223はヨークに巻いた電磁石用コイル(上下各1セットある。)、224、225は、リターンヨーク222の、コイル223近傍、及び、後述する偏向軌道平面11に近い部位でのリターンヨーク内磁力線の様子を示すために設定したリターンヨーク部領域A及びBである。227は、このH型偏向電磁石ホ22の偏向磁場形成領域で、この部分を荷電粒子が紙面に垂直方向に走行することにより(加速軌道として番号7で示す。)、偏向磁場形成領域227に形成されている偏向磁場による偏向を受けつつ走行し、所謂、偏向軌道を形成する。
【0008】
11はこのH型偏向電磁石ホ22による前記偏向軌道により形成される平面(偏向軌道平面)であり、紙面に垂直方向に広がっているものである。このH型偏向電磁石ホ22内では荷電粒子は、基本的には入射粒子、加速粒子ともこの偏向軌道平面11上を走行する。図16の例では入射粒子および加速粒子の走行方向を逆にしたので、図13での入射軌道6と加速軌道7の表示には各々を通過する入射粒子、加速粒子の走行方向が紙面に垂直な方向で互いに逆向きであるということを示す表示にしてある。既に述べたように、粒子線加速装置16の設計によっては、両者が同一方向になることもある。
【0009】
H型偏向電磁石ホ22は両側にリターンヨークがあるため、それが片側にしかない、所謂C型偏向電磁石に比べ、漏洩磁場が小さいという特徴を有する。そのため、既に述べたように、入射粒子等、磁場に影響されやすい対象へのH型偏向電磁石からの漏洩磁場による影響が低減できるという利点を有しており、これが、図15に示す偏向電磁石22にH型偏向電磁石を採用する理由となっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来の加速装置、およびそこに荷電粒子を入射する際に使用する偏向電磁石および偏向電磁石群は以上のような構成となっていたが、このような構成で荷電粒子を加速装置内に入射する際に問題となるのが、入射軌道6と偏向電磁石22の物理的な干渉である。この干渉を避けるには、図15に示すように、偏向電磁石21と22間の距離L1を一定の大きさ以上にしなければならない。また、通常、偏向電磁石群2の各偏向電磁石は対称に設計配置するので偏向電磁石22と23の間の距離もL1にするケースが多い。従って、上記干渉を避けようとすると、偏向電磁石群2全体の長さが、L1の大きさに伴い、大きくなってしまい、それを組み込む加速装置の直線部(図16の2台の偏向電磁石4の間の領域)も長くする必要が生じる。そうすると、直線部を長くした分、余分の真空ダクトが必要になると共に、その分真空排気系の負荷も大きくなるため、加速装置製作コストが上昇する。さらに、必要設置スペースも大きくなることから、建て屋コストも上昇してしまう。
【0011】
これらの諸点を解決するために、偏向電磁石21の偏向磁場強度を大きくし、入射軌道をもっと急角度で加速軌道に接続することによりL1を小さくするという方法が考えられる。しかし、この場合は、偏向電磁石21の偏向軌道の修正のために設置されている偏向電磁石22、及び23の軌道修正効果も大きくする必要が生じる。すなわち、偏向電磁石22、23の偏向磁場強度も大きくする必要がある。そうすると、偏向電磁石22のリターンヨーク厚t1が増加することになり、結局、L1がどこまで短縮化できるかは疑問であるし、偏向電磁石21〜23全てについて、費用も増加する。
【0012】
従って、同一偏向磁場強度を有する従来型のH型偏向電磁石であれば、物理的に干渉してしまう位置にある対象物に対して、物理的に干渉せず、且つ、その対象物位置での漏洩磁場を当該従来型のH型偏向電磁石と同程度にまで低くし、且つ、その従来型H型偏向電磁石の長さ、幅を超えないH型偏向電磁石を実現することが求められていた。このような要請は、荷電粒子加速装置の粒子入射部近傍に使用する偏向電磁石のみに特有の問題ではなく、一般的な課題としても捉えることができるものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明のH型偏向電磁石は、H型偏向電磁石の偏向磁場中を荷電粒子が走行する際に形成される設計偏向軌道と偏向中心により決められる偏向軌道平面に対して対称に、当該偏向軌道平面に直交する方向に一定距離hだけ、且つ、偏向軌道に沿って、一方のリターンヨーク側面全面に切り欠き部を設け、その切り欠き部のリターンヨーク厚を、当該リターンヨーク全面を一定の厚さにした時に、当該リターンヨーク内の偏向軌道平面位置での磁力線の向きが、当該H型偏向電磁石の偏向磁場形成部における磁力線の向きと同じになる厚さt2とし、前記一定距離hから外れる部分の当該リターンヨーク厚をt2よりも大きく且つ、他方のリターンヨーク厚t1よりも小さい値であるt3とすることを特徴とするものである。
【0014】
本発明のH型偏向電磁石は、リターンヨーク厚がt2からt3に変化する切り欠き部境界部分において、リターンヨーク厚をt2からt3に傾斜的若しくは段階的に変化させたことを特徴とするものである。
【0015】
本発明の荷電粒子加速装置は、荷電粒子加速装置の荷電粒子入射部に使用される、荷電粒子入射用の偏向電磁石を含む、3以上の偏向電磁石で構成される偏向電磁石群において、荷電粒子入射用の軌道と隣接する少なくとも1の偏向電磁石に、本発明に係るH型偏向電磁石を使用したことを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
実施の形態1
本発明は、【従来の技術】で述べた様に、同一偏向磁場強度を有する従来型のH型偏向電磁石であれば、物理的に干渉してしまう位置にある対象物に対して、物理的に干渉せず、且つ、その対象物位置での漏洩磁場を当該従来型のH型偏向電磁石と同程度にまで低くし、且つ、その従来型H型偏向電磁石の長さ、幅を超えないH型偏向電磁石を実現することを目的とする。
【0017】
ある物体がH型偏向電磁石と物理的に干渉する場合の例として、荷電粒子加速装置の荷電粒子入射部近傍に設置される偏向電磁石群を取り上げて説明する。図1に、偏向電磁石群2が入射軌道6と物理的に干渉する場合の、偏向電磁石21側から見た、偏向電磁石22の、本発明による模式(側面)図を示す。なお、通常の本電磁石設置条件下では、紙面上部方向が垂直上方に相当するため、以下の説明では、そのような前提で説明するが、これに限定されるものではない。図1に示すH型偏向電磁石22を、以後H型偏向電磁石イ22と呼ぶことにする。図において、221、222、223は図13の場合と同じである。但し、リターンヨーク222の厚さは図13の場合と異なり、後述するように、厚さt1より薄くなっている。224はリターンヨーク部領域Aを示し、図示するように、コイル設置位置近傍でのリターンヨーク部に対応する部分であり、偏向軌道面11に対して対称の位置に設定され、次に述べるリターンヨーク部領域B225を除く(簡略化のために対称の位置の図示は省略した。)部分である。225はリターンヨーク部領域Bを示し、偏向軌道平面11に対して対称に設定される。リターンヨーク部領域B225の高さはhで、別途定める。226はリターンヨーク部領域Aと同領域Bとの切り欠き部境界部分を示す。偏向軌道平面11を中心とした高さhに相当するリターンヨーク部領域B225の厚さはt2、リターンヨーク部領域A224の厚さはt3とする。t3はリターンヨーク厚t2よりも大きく、t1よりも小さい値にし、後述するように、t2に依存する形で設定する。227は図13と同じく、偏向磁場領域を示し、この部分を荷電粒子が走行する。この荷電粒子の走行軌道が7で示されており、紙面に垂直方向に走行する。
図15との対応で言えば、加速軌道に対応するものである。
【0018】
偏向電磁石22と入射軌道6との物理的干渉を避けるためには、次のいずれかの方法が考えられる。
(1)図6のH型偏向電磁石ハ22に示すように、偏向軌道平面11を中心に、リターンヨーク部222を、入射軌道との物理的干渉(実際は、入射軌道を含む真空ダクトとの干渉)を避けるために必要な高さhおよび厚さt2まで電磁石全長にわたり切り欠く方法。
(2)図9のH型偏向電磁石ニに示すように、リターンヨーク部222全体を厚さt2まで薄くする方法。
【0019】
このように、例えば図6に示す偏向電磁石の場合であれば、図8に示すように偏向電磁石22と入射軌道6とが本来ならば物理的に干渉する位置まで偏向電磁石21と22間の距離を小さくしても(L1からL2(<L1)にまで。)、両者の干渉を避けることができる。入射軌道の入射角度に沿う形でリターンヨーク部222を切り欠いても良いし、図9に示す場合も同様である。
【0020】
問題は、漏洩磁場強度である。図11に、当該リターンヨーク部222近傍の磁場強度が、偏向軌道平面11上の位置によって、どのように変化するかを模式的に示す。図11は、荷電粒子走行方向の電磁石中央部において、偏向軌道平面上のヨーク外端面を原点にとり、正方向を電磁石外部方向にとって、横軸の位置Xとし、磁場強度の位置X依存性を示したものである。
図中のa 、bの番号を付して示した線は、以下の条件に対応した磁場強度の位置X依存性を示す。
a.「軌道平面のみ切り欠き」;図6に示すH型偏向電磁石ハ22に対応。
図6に示すリターンヨーク部領域B225に対応する、偏向軌道平面を中心とした一定高さhにわたる部分の厚さをt2になるまで切り欠いた場合である。
b.「ヨーク全面薄い」;、図9に示すH型偏向電磁石ニ22に対応。
片側のリターンヨーク部について、全面にわたり(図9に示すリターンヨーク部領域A224および領域B225共)厚さt2になるまでリターンヨーク厚を薄くした場合である。(c 、 d の符号を付した線については後述する。)
図11では、リターンヨーク厚t2=約0.2cmとし、X=0〜−0.2cm間をリターンヨーク部222に対応させ、リターンヨーク部領域B225近傍の磁場強度のX依存性を模式的に示している。X>0cmの領域(図11において「電磁石外部方向」と記載した部分。)が入射軌道の隣接する部分になり、漏洩磁場強度が問題となる領域になる。
【0021】
図11は、a 、 bのいずれの偏向電磁石であっても、リターンヨーク222の端面から離れるにつれ、磁場強度が漸減し、一定距離離れると、漏洩磁場強度は、実質上、無視できる程度にまで低減することを模式的に示している。しかし、Xが小さい領域ではa 、bいずれのケースでもリターンヨーク222外への漏洩磁場強度は大きなもので、問題が残ることを示唆するものである。
【0022】
ここで、留意すべき点はa とbの磁場極性が互いに反転していることである。この磁場極性の反転について、磁力線図を使って見ることにする。図14は、リターンヨーク部に切り欠きのない、図13に示す従来型のH型偏向電磁石ホ22について、図10は、片側のリターンヨーク全面の厚さを低減した図9に示すH型偏向電磁石ニ22について(図11のbのケースに対応)、図7は、従来型のH型偏向電磁石の片側のリターンヨークについて、偏向軌道平面を中心に高さh分だけリターンヨークを切り欠いて、切り欠いた部分の厚さをt2とした図6に示すH型偏向電磁石ハ22について(図11のaのケースに対応)、それぞれ磁力線分布を示すものである。図14、図10は偏向軌道平面11の上半分について、図7は、図6に示す電磁石コイル223の近傍のヨーク部領域C228についての磁力線分布を示したものである。
【0023】
図14に示す従来型のH型偏向電磁石ホ22の場合、図7に示すH型偏向電磁石ハ22の場合は、リターンヨーク部領域B225の磁場は、同偏向磁場領域227の磁場の極性に対して逆極性であるが、図10に示すH型偏向電磁石ニ22の場合は、リターンヨーク部領域B225の磁場は、同偏向磁場領域227の磁場の極性と同一の極性になっていることがわかる。これは、リターンヨーク部領域B225の磁場が、リターンヨーク部領域A224の磁場と偏向磁場領域227からの漏洩磁場の大小関係から決められるために起こる現象であり、図10に示すようにリターンヨーク厚を全面にわたって薄くしていくと、ある厚さ以上に薄くすると、リターンヨーク部領域B225の磁場が偏向磁場極性と同じになる。
【0024】
このリターンヨーク部領域B225の磁場極性の反転現象から、図1に示すような形状のリターンヨークを設けることにより、そのリターンヨーク外部での漏洩磁場強度を所定の条件下で低減することができることがわかる。以下、その理由と共に、漏洩磁場低減の条件について述べる。まず、図9に示すような一方のリターンヨーク全面でその厚さを薄くしたH型偏向電磁石ニ22を考える。そのリターンヨーク厚を、上述したように、薄くしていくと、ある厚さT0以下になると当該リターンヨーク部の領域B225の磁場極性が、偏向磁場領域227における偏向磁場極性と同じになる。図1に示す一方のリターンヨーク部の領域B225の厚さt2を前記T0以下に設定する。この状態では、このリターンヨーク外(すなわち位置Xが正の領域)での漏洩磁場強度は図11のbの線で示すように比較的大きなものとなる。次に、当該リターンヨーク部の領域A224の厚さを増加させていく。この領域A224の厚さをt2からt1まで変化させたときのこのリターンヨーク外での漏洩磁場強度は図11の線bから c 、 d 、そして aで示すように変化していく。これは、上述したように、リターンヨーク部領域A224から同領域B225へ回り込む磁力線の増加によるキャンセリング効果によるものである。このことから、リターンヨーク部領域A224の厚さt3をt2からt1の間の適当な値に設定することで漏洩磁場強度を低減できることがわかる。
【0025】
図12は、以上の効果を詳細に調べるために、このリターンヨーク外への漏洩磁場強度の位置Xによる変化を詳細に計算し示したものである。図12において、縦軸、横軸、およびa 〜 dで示す線の意味、条件は図11の場合と同じである。但し、X≧0cmの領域についてのみ示してある。尚、漏洩磁場強度の低減の目安となるように、図13に示す、両方のリターンヨークとも、切り欠き部を設けない標準的なヨークで、その厚さがt1であるH型偏向電磁石ホ22における漏洩磁場強度をeの線で示した。ちなみに、この場合はリターンヨーク厚t1を約5cmと設定したことから、リターンヨークの外端面位置は、a 、bの場合の原点から見ると、ほぼ5cm付近に来ることになり、eの線はX≧約5cmについてのみ示されている。
図12のa 〜 dのいずれの場合もその漏洩磁場強度、Xが大きな所では0に漸近する。しかし、bや cの場合は、漏洩磁場強度の絶対値は、有限の位置X=X0で0となる。この0となる位置X0は、リターンヨーク部領域B225の厚さt2と、同領域A224の厚さt3に依存して決まる。更に領域部Bの高さhにも依存する。例えば、bのケースでは、t2を小さくすると、X0の位置はリターンヨーク端面から遠ざかるものの、依然X0に対応する位置は存在する。但しt2が小さくなると、リターンヨーク部領域Aの部分からの漏洩磁場強度が増加していくため、偏向軌道平面から上下に少し外れた位置での漏洩磁場強度は顕著に増加する。
【0026】
また、リターンヨーク部領域B225の厚さt2を固定して、t3をt2から増加していくと、ある厚さまでは、偏向軌道平面上で漏洩磁場強度が0となる位置X0はリターンヨーク部領域B225の外端部表面に近接してくる。しかし、ある厚さ以上にt3を増やしても、d や aに示すように漏洩磁場強度の低減という点では効果がなくなってしまう。
【0027】
このように、t3をt2からt1まで増加させる場合、t2の値を小さくすることも含めて考えれば、X0の位置は大きく変動するが、現実的な選択を考えると、X0の位置はリターンヨーク部領域B225の外端部表面、すなわちX=0からX=t1−t2までの間に来ることが多い。
【0028】
図12の例で言えば、入射軌道の位置を、例えばX=2cm近傍とすると、その位置では、a 、b、 dの電磁石とも、漏洩磁場強度はeの線で示された磁場強度に比べ無視できない程に大きいが、上述したように、リターンヨーク部領域A224の厚さをt2から増やし、図12のcで示す線に対応する厚さにした場合は、X=約2cm近傍で漏洩磁場強度はほぼ0に近い値になる。このことは、t2が前記の条件に従って設定され、且つ、H型偏向電磁石に対する入射軌道位置に応じて、リターンヨーク部領域A224の厚さを適切に選定すれば、その位置における漏洩磁場強度を最小にすることが可能となることを示すものである。
【0029】
以上をまとめると、まず、この偏向電磁石と入射軌道の物理的干渉の程度、及びリターンヨーク領域B225内の磁力線の極性が偏向磁場領域227の磁力線の極性と同じになる厚さから、t2を決め、次に入射軌道の位置関係を勘案して、どの位置で磁場強度を最小にすべきかを決め、上記t2の値に応じてt3値を決めるという手順で本偏向電磁石の片側のリターンヨーク厚を決めていくことになる。他方のリターンヨーク厚t1は、当初設計のままであり変更はない。このようにして定めた本発明に係るH型偏向電磁石の一例を示したものが図1であり、図2はそのときの磁力線分布を示す。
【0030】
尚、上記t3の決定においては、図3に示すように、入射軌道6の位置が、偏向電磁石22との関係において一定でないことにも留意する必要がある。このような場合には、例えば、偏向電磁石22の近傍を、入射粒子が通過する際の、入射粒子に対する漏洩磁場の影響の積分値が最小になるように、t3を決めることができる。
【0031】
以上は、電磁石長さ方向にわたって一方のリターンヨーク部領域B225、すなわち切り欠き部の深さを一定にしたものである。先に述べたように、入射軌道に沿って切り欠いても、入射軌道とリターンヨークとの干渉は避けることができる。図1に示すH型偏向電磁石イ22の方が、通常、漏洩磁場対策の点から優れているが、厚さt2を一定値以下にする必要があることから、何らかの事情により、t2厚を実現できない場合に、入射軌道に沿って切り欠くという方式を選択肢とすることができる。
このように、一方のリターンヨーク部を上記t2とt3(t2より大きく且つt1よりも小)の2種類の厚さにすることにより、目的とする位置でのこのH型偏向電磁石からの漏洩磁場強度を、従来型のH型偏向電磁石並にまで低減することができる。
【0032】
以上の様に構成された偏向電磁石であれば、従来型のH型偏向電磁石であれば物理的に干渉を起こしてしまうような位置にでも、漏洩磁場による悪影響を受けやすい対象物を設置することができる。しかも、本発明に係るH型偏向電磁石の大きさは従来型のH型偏向電磁石の大きさを超えない。
従って、この発明に係る図1に示すH型偏向電磁石イ22を、図3に示すように、偏向電磁石群2の偏向電磁石22として採用すると、偏向電磁石21〜23のサイズを大きくすることなく、また、入射軌道6と偏向電磁石22の物理的干渉を起こすこともなく、偏向電磁石21と22の間の距離L2をL1よりも短縮化して設置できるため、偏向電磁石群2の全長を短縮化できる。従って、このように短縮化された偏向電磁石群2を荷電粒子入射点近傍に採用した加速装置については、加速装置直線部の短縮化も図ることができ、本発明を採用しない場合に比べて、真空ダクトの必要長が低減できると共に、その分、真空排気系の負荷も小さくなるため、真空排気系の簡略化が可能となり、当該加速装置をより小型・安価に製作することができる。また、当該加速装置全長の短縮化を図ることにより、必要設置スペースもその分小さくて済むことから、建て屋コストの低減化も図ることができるという効果もある。
【0033】
尚、上記偏向電磁石群2は3台の偏向電磁石から構成されるものとして説明したが、3台に限定する必要はない。偏向電磁石21により偏向を受けた荷電粒子の加速軌道を元の加速軌道に戻すための電磁石群であるから、例えば4台、5台等、3台以上の偏向電磁石の構成であっても同様の効果を持たせることができる。当然その分全長は長くなるが、この選択は加速装置ビームダイナミックスの設計上の問題である。
【0034】
また、偏向電磁石群2の内1台を本発明のH型偏向電磁石イ22にするということで説明したが、これに限定する必要もない。入射軌道の入射角によっては複数の偏向電磁石と物理的に干渉を生じることも考えられる。そのような場合は、干渉する偏向電磁石を全て本発明に係るH型偏向電磁石にすることができる。
【0035】
更に、偏向電磁石群2は荷電粒子加速軌道に沿って対称軌道になるように電磁石を配置・構成することを前提に述べてきたが、加速装置の全体設計上、対称性についての特段の要請(ビームダイナミックスからの要請等。)がなければ、対称性にこだわる必要性は必ずしもない。
【0036】
実施の形態2
図4に、本発明の別の実施の形態であるH型偏向電磁石ロ22の断面模式図を示す。図4に示す偏向電磁石ロ22は、図1に示す本発明に係るH型偏向電磁石イ22において、リターンヨーク部領域A224とリターンヨーク部領域B225の境界で、両者の厚さを1ステップで階段状に変えるのではなく、傾斜部24を介して変えることを特徴とする。
【0037】
図1に対応する磁力線分布を図2に示すが、リターンヨーク部領域A224とリターンヨーク部領域B225の厚さを1ステップで階段状に変えた場合は、図2の226で示した領域A、B間の切り欠き部境界部分では磁力線の集中が起こっており、漏洩磁場対策上好ましくない。そこで、上述の通り、傾斜部24を設けることにより、図5の切り欠き部境界部分226で示す個所の磁力線分布から判るように、磁力線の集中を緩和することができ、図1に示す偏向電磁石イ22を図4の偏向電磁石ロ22に置き換えることにより、実施の形態1で述べた効果と同等な効果をも享受しつつ、より漏洩磁場強度の小さな偏向電磁石を供給することができる。
【0038】
尚、傾斜部24の形状は図4では直線で示したが、必ずしもこれにこだわる必要はない。多数ステップの階段状にしたり、曲線を介したり等することにより、ヨーク厚の急変を避けるようにできれば同様の効果を奏することができる。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、H型偏向電磁石において、H型偏向電磁石の偏向磁場中を荷電粒子が走行する際に形成される設計偏向軌道と偏向中心により決められる偏向軌道平面に対して対称に、当該偏向軌道平面に直交する方向に一定距離hだけ、且つ、偏向軌道に沿って、一方のリターンヨーク側面全面に切り欠き部を設け、その切り欠き部のリターンヨーク厚を、当該リターンヨーク全面を一定の厚さにした時に、当該リターンヨーク内の偏向軌道平面位置での磁力線の向きが、当該H型偏向電磁石の偏向磁場形成部における磁力線の向きと同じになる厚さt2とし、前記一定距離hから外れる部分の当該リターンヨーク厚をt2よりも大きく、且つ、他方のリターンヨーク厚t1よりも小さい値であるt3とすることにより、当該H型偏向電磁石の近傍に、その位置での当該H型偏向電磁石からの漏洩磁場強度を小さく保ったままで、物理的干渉が問題となる機器等を配置することが容易となる。
【0040】
本発明によれば、上述のH型偏向電磁石において、リターンヨーク厚がt2からt3に変化する切り欠き部境界部分において、リターンヨーク厚をt2からt3に傾斜的若しくは段階的に変化させたことにより、リターンヨーク厚の薄い領域から厚い領域へ変化する部分で、磁束の集中を緩和することができ、ヨーク内における磁気的な飽和を抑制できるので、電磁石外部への漏洩磁場強度をより低減できる。そのため、当該偏向電磁石の近傍に物理的干渉が問題となり、且つ磁場による影響が問題になる機器等を配置することが一層容易となる。
【0041】
本発明によれば、荷電粒子加速装置の荷電粒子入射部に使用される、荷電粒子入射用の偏向電磁石を含む、3以上の偏向電磁石で構成される偏向電磁石群において、荷電粒子入射用の軌道と隣接する少なくとも1の偏向電磁石に、本発明に係るH型偏向電磁石の何れかを使用することにより、この偏向電磁石群を構成する各偏向電磁石の設置間距離を小さくすることができるため、この偏向電磁石群の全長を短縮化できる。従って、この偏向電磁石群を採用した荷電粒子加速装置の真空系の簡略化を通じて荷電粒子加速装置の小型化及び費用低減に資することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係るH型偏向電磁石イの断面模式図
【図2】 本発明の実施の形態1に係るH型偏向電磁石イの磁力線分布を示す図
【図3】 本発明の実施の形態1に係るH型偏向電磁石イを採用した入射部偏向電磁石群と入射軌道および加速軌道を示す平面断面配置図
【図4】 本発明の実施の形態2に係るH型偏向電磁石ロの断面模式図
【図5】 本発明の実施の形態2に係るH型偏向電磁石ロの磁力線分布を示す図
【図6】 切り欠き部付H型偏向電磁石ハの断面模式図
【図7】 切り欠き部付H型偏向電磁石ハに対する電磁石コイル近傍ヨーク部領域Cの磁力線分布図
【図8】 切り欠き部付H型偏向電磁石ハを採用した入射部偏向電磁石群と入射軌道および加速軌道を示す平面断面配置図
【図9】 極薄型リターンヨーク付H型偏向電磁石ハの断面模式図
【図10】 極薄型リターンヨーク付H型偏向電磁石ハの磁力線分布図
【図11】 リターンヨーク近傍の磁場強度分布のリターンヨーク形状依存性を示す概念図
【図12】 漏洩磁場強度のリターンヨーク形状依存性を示す図
【図13】 従来型のH型偏向電磁石ホの断面模式図
【図14】 従来型のH型偏向電磁石ホの磁力線分布図
【図15】 従来型のH型偏向電磁石ホを採用した入射部偏向電磁石群と入射軌道および加速軌道を示す平面断面配置図
【図16】 CWマイクロトロンの概念平面図
【符号の説明】
1 入射器、2 入射部偏向電磁石群、3 高周波加速空洞、4 偏向電磁石A、5 偏向電磁石B、6 入射軌道、7 加速軌道、8 最初の180度偏向軌道、9 第2回目の180度偏向軌道、10 最初の直線周回軌道、11 偏向軌道平面、21 第1の偏向電磁石、22 第2の偏向電磁石(H型偏向電磁石)、23 第3の偏向電磁石、24 傾斜部、221 第1のリターンヨーク部、 222 第2のリターンヨーク部、223 電磁石用コイル、224 リターンヨーク部領域A、225 リターンヨーク部領域B、226 切り欠き部境界部分、227 偏向磁場形成領域、228 ヨーク部領域C
Claims (3)
- H型偏向電磁石の偏向磁場中を荷電粒子が走行する際に形成される設計偏向軌道と偏向中心により形成される偏向軌道平面に対して対称に、当該偏向軌道平面に直交する方向に一定距離hだけ、且つ、偏向軌道に沿って、一方のリターンヨーク側面全面に切り欠き部を設け、その切り欠き部のリターンヨーク厚を、当該リターンヨーク全面を一定の厚さにした時に、当該リターンヨーク内の偏向軌道平面位置での磁力線の向きが、当該H型偏向電磁石の偏向磁場形成部における磁力線の向きと同じになる厚さt2とし、前記一定距離hから外れる部分の当該リターンヨーク厚をt2よりも大きく且つ、他方のリターンヨーク厚t1よりも小さい値であるt3とすることを特徴とするH型偏向電磁石。
- リターンヨーク厚がt2からt3に変化する切り欠き部境界部分において、リターンヨーク厚をt2からt3に傾斜的若しくは段階的に変化させたことを特徴とする請求項1に記載したH型偏向電磁石。
- 荷電粒子加速装置の荷電粒子入射部に使用される、荷電粒子入射用の偏向電磁石を含む、3以上の偏向電磁石で構成される偏向電磁石群において、荷電粒子入射用の軌道と隣接する少なくとも1の偏向電磁石に、請求項1又は2に記載するH型偏向電磁石を使用したことを特徴とする荷電粒子加速装置。
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