JP2003329434A - 管の肉厚測定装置 - Google Patents

管の肉厚測定装置

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JP2003329434A
JP2003329434A JP2002133643A JP2002133643A JP2003329434A JP 2003329434 A JP2003329434 A JP 2003329434A JP 2002133643 A JP2002133643 A JP 2002133643A JP 2002133643 A JP2002133643 A JP 2002133643A JP 2003329434 A JP2003329434 A JP 2003329434A
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Takehiko Nishigaya
健彦 西ヶ谷
Osamu Araki
修 荒木
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JFE Engineering Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 管内を容易に走行することが可能で、管の全
周について肉厚を連続的に測定する管の肉厚測定装置を
得ることを目的とする。 【解決手段】 管内を管軸方向に走行する走行台車と、
該走行台車の走行方向前方側に設置された前記管の内壁
を加熱する内壁加熱手段と、該走行台車の走行方向後方
側に設置された前記管の内壁の温度を測定する第1の内
壁温度測定手段と、該第1の内壁温度測定手段の測定結
果に基づいて前記管の肉厚を演算する演算手段とを有す
る。また、前記内壁加熱手段より走行方向前方側に第2
の内壁温度測定手段を、あるいは、前記内壁加熱手段よ
り走行方向後方側に第3の内壁温度測定手段を設置す
る。さらに、前記加熱手段に代えて内壁冷却手段を設置
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は管の肉厚測定装置に
係り、特に、管内に挿入されて自走または牽引走行しな
がら管の全面についてその肉厚を測定する管の肉厚測定
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】埋設状態で使用されるガス管等には、塗
覆層が剥離するなどによって腐食が進行する場合があ
る。このため、かかる腐食の発生の有無あるいは腐食の
程度を検出し、適宜処置する必要がある。このため、埋
設状態のままで、管の全円周にわたって肉厚測定をする
技術が提案されている。
【0003】図21および図22は特開2001−28
9825号公報に開示されている従来の管の肉厚測定装
置を示す断面図およびその受信リングを示す断面図であ
る。図21および図22において、管の肉厚測定装置9
00は、離隔渦流法によるRFEC法装置であって、R
FEC法測定プローブ911は、励磁コイル912、中
心軸913、および複数の受信コイル914を備え、鋼
管杭915内を、その軸線に中心軸913を一致させ
て、該軸線方向に移動しながら、鋼管杭915の肉厚測
定を行うものである。
【0004】受信コイル914は、1列目の第1列受信
リング951と2列目の第2列受信リング952に、そ
れぞれたとえば12個ずつが円周上に均等配置されてい
る。すなわち、受信コイル914は全体で24個あるの
で、全周について等間隔、すなわち360°÷24=1
5°の角度になるように、第1列受信リング951と2
列目の第2列受信リング952ではそれぞれの受信コイ
ル914が千鳥配列をなしている。
【0005】そして、受信コイル914からの微小なア
ナログ信号はデジタル信号に変換された後、デジタル信
号処理によりリサージュ平面位相角と減肉率との関係に
従って、鋼管杭915の減肉率が演算されるものであ
る。なお、RFEC法測定プローブ911の中心軸91
3を鋼管杭915の軸線に一致するように保持して、鋼
管杭915内を移動可能なようにするため、複数の保持
車輪935が設けられている。したがって、鋼管杭91
5の全周について、肉厚や減肉率分布などを精度良く求
めることができるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の技術は、励磁コイル912および受信コイル914
は磁気による鋼管杭915に吸引されるため、鋼管杭9
15内を移動する際の抵抗が大きくなる。したがって、
保持車輪935を回転駆動するために大トルクの駆動モ
ータが必要になるため、また大動力の供給が必要になり
大容量ケーブルを牽引する必要が生じるため、大トルク
の駆動モータが必要になるという問題点があった。ま
た、測定精度を高めるためには、受信コイル914の配
置数量を増す必要があり、装置が複雑化するという問題
点があった。さらに、被測定管(鋼管杭に準じる)の内
径が大きくなると、励磁コイル912および受信コイル
914の配置数量が増加し、装置重量が増すと共に、前
記移動の際の抵抗が一層増大するいう問題点があった。
【0007】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、管内を容易に走行することが
可能で、管の全周について肉厚を連続的に測定する管の
肉厚測定装置を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る管の肉厚測
定装置は、以下のとおりである。 (1)管内を管軸方向に走行する走行台車と、該走行台
車の走行方向前方側に設置された前記管の内壁を加熱す
る内壁加熱手段と、該走行台車の走行方向後方側に設置
された前記管の内壁の温度を測定する第1の内壁温度測
定手段と、該第1の内壁温度測定手段の測定結果に基づ
いて前記管の肉厚を演算する演算手段とを有することを
特徴とするものである。
【0009】(2)前記(1)において、前記内壁加熱
手段より前記走行台車の走行方向前方側に、前記管の内
壁の温度を測定する第2の内壁温度測定手段を設置する
ことを特徴とするものである。
【0010】(3)前記(1)において、前記内壁加熱
手段と前記第1の内壁温度測定手段との間に、前記管の
内壁の温度を測定する第3の内壁温度測定手段を設置す
ることを特徴とするものである。
【0011】(4)前記(1)乃至(3)の何れかにお
いて、前記内壁加熱手段が、高周波誘導加熱手段、輻射
光加熱手段、温風または熱風加熱手段の何れかであるこ
とを特徴とするものである。
【0012】(5)前記(4)において、前記輻射光加
熱手段、温風または熱風加熱手段が、低中周波電流の電
気抵抗、化石燃料の燃焼反応または金属粉の酸化反応の
何れかによる発熱または発光を利用することを特徴とす
るものである。
【0013】(6)前記(1)乃至(5)の何れかにお
いて、第1の内壁温度測定手段、第2の内壁温度測定手
段または第3の内壁温度測定手段の何れかが、赤外線放
射温度計または赤外線画像計測装置であることを特徴と
するものである。
【0014】(7)前記(6)において、第1の内壁温
度測定手段、第2の内壁温度測定手段または第3の内壁
温度測定手段の何れかが、広角レンズ、全方位ミラーま
たは回転ミラーを有することを特徴とするものである。
【0015】(8)前記(1)乃至(7)の何れかにお
いて、前記走行台車に設置された3個以上の走行車輪
が、それぞれ放射方向に進退自在な支持アームに設置さ
れ、該走行台車の断面中心が、前記管の管軸に一致する
ことを特徴とするものである。
【0016】(9)前記(1)乃至(8)の何れかにお
いて、前記加熱手段に代えて、前記走行台車の走行方向
前方側に前記管の内壁を冷却する内壁冷却手段を設置し
たこととを特徴とするものである。
【0017】(10)前記(9)において、前記内壁冷
却手段が、冷風の噴出手段または冷媒の噴霧手段の一方
または両方であることを特徴とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】[実施の形態1] (加熱−測温式の管の肉厚測定装置)図1および図2
は、それぞれ本発明の実施の形態1に係る管の肉厚測定
装置の構成を示す縦断面図および正面図である。図1お
よび図2において、1は管の肉厚測定装置、10は走行
台車、20は支承部、30は加熱部、40は測温部、1
00は管の肉厚測定装置1が挿入されてその肉厚が測定
される管である。
【0019】管の肉厚測定装置1は、支承部20により
管100内に支承された走行台車10と、走行台車10
の走行方向(図中、矢印で示す)の前方側(図中、右
側)に設置された加熱部30と、走行台車10の走行方
向の後方側(図中、左側)に設置された測温部40と、
各種動力および情報を伝達するためのケーブル50と、
測温部40の測温結果に基づいて所定の演算をする図示
しない演算部を有している。
【0020】支承部20は、走行台車10の前方側と後
方側にそれぞれ4基づつ、管100の内周に沿って90
度の間隔を配して均等配置されている。支承部20は、
走行台車10に傾動自在に設置された支承アーム21
と、支承アーム21を管軸の放射方向の面内で傾動自在
に弾性的に支持するサスペンション22と、支承アーム
21の先端に回転自在に設置された走行車輪23と、走
行車輪23に固定された従動側プーリ24と、走行台車
10に設置された走行駆動モータ25と、走行台車10
に設置されて走行駆動モータ25により回転駆動される
駆動側プーリ26と、従動側プーリ24と駆動側プーリ
26とを連結する走行ベルト27を有している。
【0021】したがって、走行台車10の断面中心は管
100の管軸に位置するように配置(センタリング)さ
れ、走行駆動モータ25を起動することにより走行台車
10は管100内を走行(前進または後進)することに
なる。また、走行台車10はサスペンション22により
弾性的に支持されているから、管100の内面に凹凸
(たとえば、管同士を接合するための溶接ビード等)が
あっても、該凹凸を吸収して円滑な走行が可能である。
【0022】加熱部30は、管100の内壁に対峙する
高周波電磁誘導コイル31と、高周波電磁誘導コイル3
1を走行台車10に設置する設置アーム32と、走行台
車10に設置された高周波電流を変圧する変圧器33
と、走行台車10に設置されて高周波電流を発生する高
周波電源とを有している。したがって、管100の内壁
を高周波により誘導加熱することができる。さらに、走
行台車10が走行しながら該高周波誘導加熱を実施すれ
ば、管100の全周が管軸方向にわたって順次加熱され
ることになる。
【0023】検査部40は、赤外線カメラ41と、赤外
線カメラ41に設置された広角レンズ42を有してい
る。したがって、赤外線カメラ41は管100の内壁の
全周を一視野に捉えることができる。そして、赤外線カ
メラ41の測温結果は逐次演算部に送られる。
【0024】演算部(図示しない)は、走行台車10に
搭載される場合と、走行台車10以外の位置、たとえ
ば、地上に設置される場合がある。前者の場合は演算処
理された結果がケーブル50を介して地上に送信され、
後者の場合は前記測温結果が地上に送信される。
【0025】(実施例1)図3は、本発明の実施の形態
1に係る管の肉厚測定装置における実施例1であって、
(a)はリング状の減肉部を有する鋼管の一部断面の斜
視図、(b)はリング状の減肉部を有する鋼管における
測温結果、(c)は円弧状の減肉部を有する鋼管の一部
断面の斜視図、(d)は円弧状の減肉部を有する鋼管に
おける測温結果である。
【0026】図3の(a)において、鋼管Aは、内径7
49mm、肉厚13mm(外径775mm)の鋼管(以
下、健全部と称す)で、軸方向に幅50mmで、外径側
が6.5mm減肉したリング状の減肉部R(減肉率50
%、すなわち、内径749mm、肉厚6.5mm(外径
749mm)のリング)を有している(図中、各部の寸
法は誇張してある)。また、誘導コイルCは幅50m
m、厚さ50mm、内径629mm、外径729mmの
リング状であるから、誘導コイルと鋼管の内面との間に
は10mmのギャップが設けられている。 高周波誘導
加熱周波数は100kHz、加熱時間が0.5秒であっ
て、この間に誘導コイルは管軸方向に走行速度100m
m/秒で50mm(誘導コイルの幅に同じ)走行する。
なお、雰囲気温度は20℃である。なお、赤外線カメラ
は誘導コイルの後方400mmに配置され、誘導コイル
の軸方向の前方端部から後方略500mmの全周を視野
に入れている。すなわち、走行速度100mm/秒のと
き、加熱開始から5秒後の温度分布を測定することがで
きる。
【0027】図3の(b)は、鋼管Aの内面の測温結果
であって、加熱開始から5秒後(加熱終了から4.5秒
後)の温度分布を温度間隔は5℃で等温線表示したもの
である。なお、図中、縦方向は鋼管の円周方向、横方向
は鋼管の管軸方向であり、縦方向は横方向に比較して縮
小している。図3の(b)において、等温線は減肉部で
略平行に現れ、健全部が40℃以下であるのに対し、減
肉部は40℃以上である。
【0028】図3の(c)において、鋼管Bは、内径7
49mm、肉厚13mm(外径775mm)の鋼管(以
下、健全部と称す)で、軸方向に幅50mmで、円周方
向に45°(円周の1/8)の外径側が6.5mm減肉
した円弧状の減肉部N(減肉率50%、すなわち、内径
749mm、肉厚6.5mm(外径749mm)、長さ
294mmの円弧)を有している。また、誘導コイルお
よび赤外線カメラについては前記鋼管Aにおけるものに
同じである。
【0029】図3の(d)は、鋼管Bの内面の測温結果
であって、加熱開始から5秒後(加熱終了から4.5秒
後)の温度分布を温度間隔は5℃で等温線表示したもの
である。なお、図中、縦方向は鋼管の円周方向、横方向
は鋼管の管軸方向であり、縦方向は横方向に比較して縮
小している。図4の(b)において、等温線は減肉部に
おいて略矩形状に現れ、健全部が40℃以下であるのに
対し、減肉部は40℃以上である。
【0030】(実施例2)図4は、本発明の実施の形態
1に係る管の肉厚測定装置における実施例2であって、
(a)は廃却された鋼管における測温結果、(b)およ
び(c)はそれぞれ該鋼管の断面図である。図4の
(a)において、2箇所にそれぞれ30℃、35℃およ
び40℃を示す3重の等温線が現れている。図4の
(b)および(c)は、図4の(a)における前記3重
の等温線の位置に対応するX−XおよびY−Yにおける
断面を示すものであって、それぞれ鋼管の外面が減肉し
ている。図4の(b)において鋼管外面になだらかなす
り鉢状の凹部が形成され、また、図4の(c)において
鋼管外面の凹部の中にさらに深い凹部が2箇所形成され
ている。これより、前記3重の等温線が前記凹部の形態
によく対応していることが分かる。
【0031】(FEM解析1)図5は、本発明の実施の
形態1に係る管の肉厚測定装置における赤外線カメラの
測定結果を説明するためのFEM解析モデルの降温曲線
であって、縦軸は管の内面温度、横軸は加熱開始(加熱
停止)からの経過時間である。該FEM解析は、定常調
和磁場解析により発熱分布を求め、次にこれに基づいて
非定常熱伝導解析を行ったものである。解析条件は、前
記鋼管Aについての実施例1におけるものである。
【0032】図5において、健全部の内面温度は白丸
で、減肉部の内面温度を黒丸で示して。すなわち、0.
5秒間加熱された時点において、健全部および減肉部は
何れも100℃に加熱され、両者の内面温度に差が見ら
れない。すなわち、発熱が肉厚方向で内面(内表面、す
なわち内面側の表面)に近い範囲に限定され(高周波加
熱におけるいわゆる表皮効果)且つ加熱時間が短いため
である。しかしながら、加熱を停止した後は、両者に差
が生じ、減肉部(黒丸)は健全部(白丸)に較べて内面
温度が高くなっている。すなわち、加熱終了後4.5秒
(加熱開始から5秒)が経過した後で、減肉部は略45
℃、健全部は略35℃を呈し、前記実施例1の鋼管Aの
測温結果(図4)に同じである。
【0033】これより、たとえば、減肉率50%を減肉
の有無(処置の要否)を判断する場合、加熱終了後4.
5秒(加熱開始から5秒)が経過した後の内面温度につ
いて、40℃を閾値と規定し、測定した内面温度に該閾
値以上の部分が存在すれば、該部分は減肉していると判
断することができる。さらに、所定の管サイズについ
て、あるいは所定の減肉率について、同様のFEM解析
を実施して、それぞれの該閾値を設定しておけば、減肉
の有無(処置の要否)を判断することが可能になる。
【0034】図6は、前記FEM解析1の降温曲線より
求めた減肉部と健全部との間の内面温度の差と冷却時間
との関係を示している。図6より、該内面温度の差は、
冷却開始(加熱停止)から略3秒の間は略単純に増大
し、その後除々にその増大の割合が減少して、略7秒を
経過した後は減少している。したがって、たとえば、冷
却開始(加熱停止)から5秒(加熱開始から4.5秒)
において内面温度の差について、10℃を閾値と規定
し、測定した内面温度の差に該閾値以上の部分が存在す
れば、該部分は減肉していると判断することができる。
さらに、所定の管サイズについて、あるいは所定の減肉
率について、同様のFEM解析を実施して、それぞれの
該閾値を設定しておけば、減肉の有無(処置の要否)を
判断することが可能になる。かかる内面温度の差によっ
て判断する場合は、管の敷設状況によって加熱前の管の
温度が変動する場合、すなわち、加熱終了時点における
到達温度に差が生じる場合に好適である。
【0035】[実施の形態2] (測温−加熱−測温式の管の肉厚測定装置)図7および
図8は、何れも本発明の実施の形態2に係る管の肉厚測
定装置の構成を示す縦断面図である。なお、実施の形態
1(図1および図2)と同じ部分にはこれと同じ符号を
付し、一部の説明を省略する。図7および図8におい
て、管の肉厚測定装置2および管の肉厚測定装置3は、
実施の形態1における管の肉厚測定装置1の加熱部30
より走行前方側に第2の測温部60を設けたものであ
る。
【0036】したがって、管100を加熱する前の管1
00の内面温度を全周にわたって測定することができ
る。このため、管100の埋設状態によって、管100
の温度が変動した場合でも、該加熱前の内面温度を反映
して前記閾値を読み替えることが可能になるから、薄肉
部の検出精度が向上する。たとえば、前記閾値40℃が
加熱前の内面温度(標準温度)を20℃として設定され
たものである場合、実際の加熱前の内面温度が10℃の
ときは、前記閾値を30℃と読み替える。これにより、
薄肉部を健全部と誤って判断することがなくなる。一
方、実際の加熱前の内面温度が30℃のときは、前記閾
値を50℃と読み替える。これにより、健全部を薄肉部
と誤って判断することがなくなる。
【0037】図7における管の肉厚測定装置2は、管の
肉厚測定装置1における加熱部30の設置アーム32の
走行方向前方の端面に第2の測温部60を設置したもの
である。第2の測温部60は測温部40と同様に、赤外
線カメラ61と、赤外線カメラ61に設置された広角レ
ンズ62を有している。
【0038】図8における管の肉厚測定装置3は、管の
肉厚測定装置2(図7)における加熱部30、測温部4
0および第2の測温部60を、それぞれ別個の第1の走
行台車110、第2の走行台車210および第3の走行
台車310に分散して搭載し、第1の走行台車110と
走行台車120を自在継手410により、第2の走行台
車210と第3の走行台車310を自在継手420によ
り相互に屈曲自在に連結したものである。なお、図8に
おける符号の下2桁は、図7において相当する部分を示
す符号と同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
【0039】第1の走行台車110は検査部40を搭載
した前記走行台車10に同じである。第3の走行台車3
10は第2の検査部60を搭載した前記走行台車10に
同じである。また、第2の走行台車210は加熱部30
を搭載し、前記走行台車10の支承部20(傾動アーム
式)を進退シャフト式の支承部220に変更したもので
ある。進退シャフト式の支承部220は回転自在な走行
車輪223と、走行車輪を支承する支承軸228と、支
承軸228を進退自在に弾性支持する圧縮ばね229を
有している。したがって、第2の走行台車210の断面
中心は管100の軸心に一致するように配置(センタリ
ング)される。
【0040】自在継手410および自在継手420は、
隣接する走行台車に設置された一対のヨークを直角方向
に配置し、該ヨークの先端を十字状連結部の先端部に傾
動自在に設置したものである。なお、かかる2方向に傾
動自在な継手に代えて、2方向に摺動自在な継手(スリ
ッパメタル式)であってもよい。
【0041】[実施の形態3] (加熱−測温−測温式の管の肉厚測定装置)図9は、本
発明の実施の形態3に係る管の肉厚測定装置の構成を示
す縦断面図である。なお、実施の形態1(図1および図
2)または実施の形態2(図8)と同じ部分にはこれと
同じ符号を付し、一部の説明を省略する。図9におい
て、管の肉厚測定装置4は、実施の形態1における管の
肉厚測定装置1の加熱部30より走行後方側に第3の測
温部70を設けたもの、すなわち、測温部が管軸方向に
並んで配置されたものである。
【0042】したがって、管100を加熱した後、管1
00の内面温度を全周にわたって、時間をずらして2回
測定することができる。このため、管100の加熱が円
周方向で不均一であって、加熱による到達温度が均一で
ない場合であっても、該2回の測定温度の差(経時的な
温度変化、以下、温度勾配と称す)を知ることにより減
肉部の存在を判断することが可能になる。
【0043】図20は、前記FEM解析1の降温曲線よ
り求めた減肉部の温度勾配と健全部の温度勾配の差の関
係(冷却時間に対する)を示している。図20におい
て、温度勾配の差は、加熱停止直後において最大値を示
し、加熱停止後略1秒(加熱開始から略1.5秒)を過
ぎると縮まっている(減少している)。すなわち、健全
部の温度は薄肉部に較べ、早い時間に急速に低下するこ
とを示している。これより、温度勾配に基づいた減肉部
の存在の判断が、加熱停止直後の早い時間の測温によっ
て可能になることが分かる。すなわち、走行台車の走行
速度を早くして測定能率を高めることができる。あるい
は、加熱部と測温部を近づけることにより走行台車を小
型化することができる。
【0044】たとえば、前記図5の降温曲線において、
加熱開始から2秒後(加熱停止後1.5秒後)の内面温
度と、加熱開始から8秒後(加熱停止後7.5秒後)の
内面温度との差が、健全部では12℃であるのに対し減
肉部では8℃であることから、第3の測温部70の測定
温度と測温部40の測定温度の差について、10℃を閾
値と規定し、該測定温度の差に該閾値以上の部分が存在
すれば、該部分は減肉していると判断することができ
る。
【0045】特に、管100の内面と高周波誘導加熱コ
イルの外周との隙間が円周方向で変動した際、あるいは
略C状の高周波誘導加熱コイルの円周方向不連続部近辺
など、管100の加熱による到達温度が円周方向で均一
でない場合に、薄肉部を健全部と誤って判断したり、健
全部を薄肉部と誤って判断したりすることがなくなる。
【0046】図9における管の肉厚測定装置3は、自在
継手710により相互に屈曲自在に連結された測温台車
510と加熱台車610を有している。なお、図9にお
ける符号の下2桁は、図8において相当する部分を示す
符号と同じ符号を付し、一部の説明を省略する。測温台
車510の走行方向の後方端には検査部40が、前方端
には第3の検査部70が搭載されている。また、加熱台
車610には加熱部30が搭載されている。
【0047】[実施の形態4]前記実施の形態1乃至3
において、加熱手段として高周波誘導加熱を採用してい
る。しかしながら本発明はこれに限定するものではなく
以下の加熱手段を採用することができる。 (輻射光加熱手段)図10は、本発明の実施の形態4に
係る管の肉厚測定装置における輻射光加熱手段を示すも
のであって、(a)は縦断面図、(b)は正面図であ
る。なお、実施の形態1(図1および図2)と同じ部分
にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。走
行台車10には変圧器811が搭載され、その走行方向
の前方端に支持アーム814が設置されている。
【0048】加熱ランプ(ハロゲンヒータ)812は、
管100の内面に対峙する円環状であって、支持アーム
814により支持されている。また、加熱ランプ812
の内側(管100の内面より遠い側)には断面略円弧状
の円環からなる光反射板が配置され、支持アーム814
に支持されている。したがって、ケーブル50を経由し
て供給された電力は、変圧器811において所定の電圧
に変えられた後、加熱ランプ812において光エネルギ
となる。該光エネルギは直接または光反射板813によ
って間接的に管100の内面に照射されるから、該内面
は全周にわたって加熱されることになる。
【0049】(温風または熱風加熱手段)図11は、本
発明の実施の形態4に係る管の肉厚測定装置における温
風または熱風加熱手段を示すものであって、(a)は縦
断面図、(b)は正面図である。なお、実施の形態1
(図1および図2)と同じ部分にはこれと同じ符号を付
し、一部の説明を省略する。走行台車10には送風機8
21が搭載され、その走行方向の前方端に放射状の送風
路822と円環状の配風路823を具備する支持ディス
ク824が設置されている。また、配風路823の外側
(管100の内面に対峙する面)には、温風または熱風
を噴出する貫通孔827が所定の間隔を持って複数個穿
設されている。また、走行台車10には変圧器825が
搭載され、配風路823の内部には円環状の電熱線82
6が配置されている。
【0050】したがって、送風機821から送り出され
た空気は、送風路822を経由して配風路823におい
て円周方向に分散され、貫通孔827から管100の内
面に向けて噴出する。このとき、ケーブル50を経由し
て供給された電力は、変圧器821において所定の電圧
に変えられた後、電熱線826において熱エネルギとな
って、前記噴出空気を加熱しているから、前記内面は全
周にわたって加熱されることになる。なお、電熱線82
6の配置位置は配風路823の内部に限定するものでは
なく、送風機821と送風路822の間あるいは送風路
822の内部であってもよい。
【0051】(金属粉の酸化反応を利用した加熱手段)
図12は、本発明の実施の形態4に係る管の肉厚測定装
置における金属粉の酸化反応利用した加熱手段を示すも
のであって、(a)は縦断面図、(b)は正面図であ
る。なお、実施の形態1(図1および図2)と同じ部分
にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
【0052】図12において、走行台車10には酸素ボ
ンベ831が搭載され、その走行方向の前方端に放射状
の酸素路832と円環状の発熱路833を具備する支持
ディスク834が設置されている。また、走行台車10
には鉄粉を貯蔵する図示しない鉄粉貯蔵部および酸化鉄
粉を貯蔵するスケール貯蔵部が搭載され、発熱部833
との間にそれぞれ鉄粉供給路およびスケール排出路が設
けられている。
【0053】したがって、鉄粉貯蔵部から発熱部833
に供給された鉄粉は、酸素ボンベ831から発熱部83
3に供給された酸素と反応して発熱するから、管100
の内面は全周にわたって加熱されることになる。
【0054】[実施の形態5]前記実施の形態1乃至3
において、検査部(測温手段)に広角レンズを設置した
赤外線カメラを採用している。しかしながら本発明はこ
れに限定するものではなく以下の検査部(測温手段)を
採用することができる。
【0055】(全方位ミラー設置赤外線カメラ)図13
は、本発明の実施の形態4に係る管の肉厚測定装置にお
ける全方位ミラー設置赤外線カメラを示す側面図であ
る。なお、実施の形態1(図1および図2)と同じ部分
にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。全
方位ミラー設置赤外線カメラ910は、赤外線カメラ9
11と、赤外線カメラ911を収納する円筒状のカメラ
カバー912と、カメラカバー912の底部(端面の内
側)に設置された全方位ミラー913を有している。赤
外線カメラ911およびカメラカバー912は走行台車
10の端部に設置されるものである。
【0056】カメラカバー912は側面が赤外線透過材
により形成されているため、赤外線カメラに死角ができ
ることがない。また、カメラカバー912の端面(底部
の外側)には必要に応じて自在継手等を設置することが
できる。全方位ミラー913は円錐状または凸状曲面か
らなる反射面を有しているから、赤外線カメラ911は
管100の内面の全周を視野に入れることが可能にな
る。また、赤外線カメラ911はカメラカバー912内
に収納されているから、赤外線カメラ911が汚染する
ことがない。
【0057】(回転ミラー設置赤外線カメラ)図14
は、本発明の実施の形態4に係る管の肉厚測定装置にお
ける回転ミラー設置赤外線カメラを示す側面図である。
なお、実施の形態1(図1および図2)と同じ部分には
これと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。回転ミ
ラー設置赤外線カメラ920は、走行台車10の端部に
設置される赤外線カメラ921と、走行台車10の端部
に回転自在に設置されたミラー支持アーム922と、ミ
ラー支持アーム922の先端に設置された回転ミラー9
23と、ミラー支持アーム922に固定された従動歯車
924と、走行台車10に設置されて従動歯車924に
噛み合った駆動歯車925と、駆動歯車925を回転駆
動するミラー回転モータ926とを有している。
【0058】回転ミラー923は赤外線カメラ921の
光軸に対して45°傾斜した平面であって、回転ミラー
923が回転するから、赤外線カメラ921は管100
の内面の全周を視野に入れることが可能になる。なお、
回転ミラー923は前記光軸に対して45°だけ傾斜す
るものに限定するものではなく、管100の内面を視野
に入れることができる限り何れの角度であっもよい。ま
た、回転ミラー923の反射面は平面に限定するもので
はなく、凸状曲面であってもよい。さらに、赤外線カメ
ラ921を前記カメラカバー912内に収納してもよ
い。このとき、赤外線カメラ921の汚染が防止される
だけでなく、前記カメラカバー912の端面に自在継手
を設置することにより、該自在継手によって複数の走行
台車を連結することが可能になる。
【0059】(回転ミラー設置赤外線放射温度計)図1
5は、本発明の実施の形態4に係る管の肉厚測定装置に
おける回転ミラー設置赤外線放射温度計を示す側面図で
ある。なお、実施の形態1(図1および図2)と同じ部
分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
回転ミラー設置赤外線放射温度計930は、走行台車1
0の端部に設置される赤外線放射温度計931と、走行
台車10の端部に回転自在に設置されたミラー支持アー
ム932と、ミラー支持アーム932の先端に設置され
た回転ミラー933と、ミラー支持アーム932に固定
された従動歯車934と、走行台車10に設置されて従
動歯車934に噛み合った駆動歯車935と、駆動歯車
935を回転駆動するミラー回転モータ936とを有し
ている。
【0060】回転ミラー933は赤外線放射温度計93
1の光軸に対して45°傾斜した平面であって、走行台
車10の断面中心が管100の軸心に一致しているか
ら、赤外線放射温度計931の光軸は管100の内面に
垂直になっている。また、回転ミラー933が回転する
から、赤外線放射温度計931は管100の内面の全周
について内面温度を測定することが可能になる。
【0061】なお、回転ミラー933は前記光軸に対し
て45°だけ傾斜するものに限定するものではなく、管
100の内面を視野に入れることができる限り何れの角
度であっもよい。また、回転ミラー933の反射面は平
面に限定するものではなく、凸状曲面であってもよい。
さらに、赤外線カメラ931を前記カメラカバー912
内に収納してもよい。このとき、赤外線カメラ931の
汚染が防止されるだけでなく、前記カメラカバー912
の端面に自在継手を設置することにより、該自在継手に
よって複数の走行台車を連結することが可能になる。
【0062】[実施の形態6] (冷却−測温式の管の肉厚測定装置)前記実施の形態1
乃至4において、管を加熱して管の内面温度を測定して
いるが、本発明はこれに限定するものではなく、管を冷
却して管の内面温度を測定してもよい。図16は、本発
明の実施の形態6に係る管の肉厚測定装置の構成を示す
縦断面図である。なお、実施の形態1(図1および図
2)と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明
を省略する。図16、管の肉厚測定装置5は、実施の形
態1における管の肉厚測定装置1の加熱部30を撤去し
て、代わりに冷却部80を設けたものである。すなわ
ち、管の肉厚測定装置5は、実施の形態1の走行台車1
0の走行方向で後方端に冷却部80を設けたものであ
る。
【0063】冷却部80は、走行台車10に搭載された
冷媒ボンベ81と、走行台車10の走行方向の前方端に
設置された支持ディスク82とを有している。支持ディ
スィク82には放射状の送風路83と円環状の配風路8
4が設置されている。また、配風路84の外側(管10
0の内面に対峙する面)には、冷風を噴出する貫通孔8
5が所定の間隔を持って複数個穿設されている。
【0064】したがって、冷媒ボンベ81から送り出さ
れた冷媒は、送風路83を経由して配風路84において
円周方向に分散され、貫通孔85から管100の内面に
向けて噴出する。冷媒は管100の内面において気化す
るから、該内面は気化熱を奪われ冷却されることにな
る。
【0065】(実施例3)図17は、本発明の実施の形
態6に係る管の肉厚測定装置における実施例3であっ
て、それぞれ(a)は前記鋼管Aにおける測温結果、
(b)は前記鋼管Bにおける測温結果である。すなわ
ち、実施の形態1における実施例1における加熱を冷却
に変更したもので、鋼管A,鋼管Bおよび赤外線カメラ
は実施例1に同じである。冷却は、冷媒を0.5秒ほど
鋼管の内面全周に噴射しながら管軸方向に走行速度10
0mm/秒で50mm(誘導コイルの幅に同じ)走行す
る。なお、雰囲気温度は20℃である。なお、赤外線カ
メラは実施例1と同様に冷却開始から5秒後の温度分布
を測定している。
【0066】図17の(a)および(b)は、それぞれ
鋼管Aおよび鋼管Bの内面の測温結果であって、加熱開
始から5秒後(加熱終了から4.5秒後)の温度分布を
温度間隔は5℃で等温線表示したものである。なお、図
中、縦方向は鋼管の円周方向、横方向は鋼管の管軸方向
であり、縦方向は横方向に比較して縮小している。図1
7の(a)において、等温線は減肉部で略平行に現れ、
健全部が+5℃以上であるのに対し、減肉部は−5℃以
下である。図また、図17の(b)において、等温線は
減肉部に対応した範囲で略矩形状に現れ、健全部が+5
℃以上であるのに対し、減肉部は−5℃以下である。
【0067】(FEM解析2)図18は、本発明の実施
の形態6に係る管の肉厚測定装置における赤外線カメラ
の測定結果を説明するためのFEM解析モデルの昇温曲
線であって、縦軸は管の内面温度、横軸は加熱開始(加
熱停止)からの経過時間である。該FEM解析は、非定
常熱伝導解析により冷却停止時の前記鋼管Aの内面温度
を求め、次に経時的な温度の推移を解析したものであ
る。
【0068】図18において、健全部の内面温度は白丸
で、減肉部の内面温度を黒丸で示して。すなわち、0.
5秒間冷却された時点において、健全部および減肉部は
何れも−60℃に冷却され、両者の内面温度に差が見ら
れない。すなわち、冷却が肉厚方向で内面(内表面、す
なわち内面側の表面)に近い範囲に限定され且つ冷却時
間が短いためである。しかしながら、冷却を停止した後
は、両者に差が生じ、減肉部(黒丸)は健全部(白丸)
に較べて内面温度が低くなっている。すなわち、冷却終
了後4.5秒(冷却開始から5秒)が経過した後で、減
肉部は略−7℃、健全部は略15℃を呈し、前記実施例
3の鋼管Aの測温結果(図17)に同じである。
【0069】これより、たとえば、減肉率50%を減肉
の有無(処置の要否)を判断する場合、冷却終了後4.
5秒(冷却開始から5秒)が経過した後の内面温度につ
いて、0℃を閾値と規定し、測定した内面温度に該閾値
以下の部分が存在すれば、該部分は減肉していると判断
することができる。さらに、所定の管サイズについて、
あるいは所定の減肉率について、同様のFEM解析を実
施して、それぞれの該閾値を設定しておけば、減肉の有
無(処置の要否)を判断することが可能になる。
【0070】図19は、前記FEM解析2の昇温曲線よ
り求めた減肉部と健全部との間の内面温度の差と冷却時
間との関係を示している。図19より、該内面温度の差
は、冷却開始(冷却停止)から略3秒の間は略単純に増
大し、その後除々にその増大の割合が減少して、略7秒
を経過した後は減少している。したがって、たとえば、
冷却開始(冷却停止)から5秒(冷却開始から4.5
秒)において内面温度の差について、10℃を閾値と規
定し、測定した内面温度の差に該閾値以上の部分が存在
すれば、該部分は減肉していると判断することができ
る。
【0071】さらに、所定の管サイズについて、あるい
は所定の減肉率について、同様のFEM解析を実施し
て、それぞれの該閾値を設定しておけば、減肉の有無
(処置の要否)を判断することが可能になる。かかる内
面温度の差によって判断する場合は、管の敷設状況によ
って冷却前の管の温度が変動する場合、すなわち、冷却
終了時点における到達温度に差が生じる場合に好適であ
る。
【0072】なお、本発明は、冷却−測温式の管の肉厚
測定装置に限定するものではなく、前記測温−加熱−測
温式管の肉厚測定装置、あるいは加熱−測温−測温式管
の肉厚測定装置における、加熱を冷却に置き換えること
(すなわち、前記測温−冷却−測温式、あるいは冷却−
測温−測温式)が可能であって、当該置き換えをした場
合でも同様の作用・効果を奏することができる。
【0073】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、管内面の
温度を測定することにより管の肉厚を測定するため以下
のような効果がある。 1)肉厚測定装置と管との間で磁気吸引がないから、肉
厚測定装置の管内移動が容易になり、移動機構が簡素で
軽量になる。 2)管内面の温度を非接触により測定するから、管の全
円周について管軸方向に連続した測定が容易になる。 3)測温結果を解析することにより、設置状態において
温度差がある場合であっても、管の肉厚を測定すること
ができる。 4)走行台車を連結したり加熱手段または測温手段を選
択したりすることにより、管の設置状況に応じた肉厚測
定装置を適宜形成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る管の肉厚測定装置
の構成を示す縦断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る管の肉厚測定装置
の構成を示す正面図である
【図3】本発明の実施の形態1に係る管の肉厚測定装置
における実施例1であって、(a)はリング状の減肉部
を有する鋼管の一部断面の斜視図、(b)はリング状の
減肉部を有する鋼管における測温結果を示す図、(c)
は円弧状の減肉部を有する鋼管の一部断面の斜視図、
(d)は円弧状の減肉部を有する鋼管における測温結果
を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る管の肉厚測定装置
における実施例2であって、(a)は廃却された鋼管に
おける測温結果を示す図、(b)および(c)はそれぞ
れ該鋼管の断面図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る管の肉厚測定装置
における赤外線カメラの測定結果を説明するためのFE
M解析モデルの降温曲線を示すグラフである。
【図6】図5に示すFEM解析1の降温曲線より求めた
減肉部と健全部との間の内面温度の差と冷却時間との関
係を示すグラフである。
【図7】本発明の実施の形態2に係る管の肉厚測定装置
の構成を示す縦断面図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る管の肉厚測定装置
の構成を示す縦断面図である。
【図9】本発明の実施の形態3に係る管の肉厚測定装置
の構成を示す縦断面図である。
【図10】本発明の実施の形態4に係る管の肉厚測定装
置における輻射光加熱手段を示すものであって、(a)
は縦断面図、(b)は正面図である。
【図11】本発明の実施の形態4に係る管の肉厚測定装
置における温風または熱風加熱手段を示すものであっ
て、(a)は縦断面図、(b)は正面図である。
【図12】本発明の実施の形態4に係る管の肉厚測定装
置における金属粉の酸化反応利用した加熱手段を示すも
のであって、(a)は縦断面図、(b)は正面図であ
る。
【図13】本発明の実施の形態4に係る管の肉厚測定装
置における全方位ミラー設置赤外線カメラを示す側面図
である。
【図14】本発明の実施の形態4に係る管の肉厚測定装
置における回転ミラー設置赤外線カメラを示す側面図で
ある。
【図15】本発明の実施の形態4に係る管の肉厚測定装
置における回転ミラー設置赤外線放射温度計を示す側面
図である。
【図16】本発明の実施の形態6に係る管の肉厚測定装
置の構成を示す縦断面図である。
【図17】本発明の実施の形態6に係る管の肉厚測定装
置における実施例3であって、それぞれ(a)は前記鋼
管Aにおける測温結果を示す図、(b)は前記鋼管Bに
おける測温結果を示す図である。
【図18】本発明の実施の形態6に係る管の肉厚測定装
置における赤外線カメラの測定結果を説明するためのF
EM解析モデルの昇温曲線のグラフである。
【図19】図18に示すFEM解析2の昇温曲線より求
めた減肉部と健全部との間の内面温度の差と冷却時間と
の関係を示すグラフである。
【図20】図5に示すFEM解析1の降温曲線より求め
た減肉部の温度勾配と健全部の温度勾配の差の関係(冷
却時間に対する)を示すグラフである。
【図21】従来の管の肉厚測定装置を示す断面図であ
る。
【図22】従来の管の肉厚測定装置における受信リング
を示す断面図である。
【符号の説明】
1 管の肉厚測定装置 10 走行台車 20 支承部 21 支承アーム 22 サスペンション 23 走行車輪 24 従動側プーリ 25 走行駆動モータ 26 駆動側プーリ 27 走行ベルト 30 加熱部 31 高周波電磁誘導コイル 32 設置アーム 33 高周波電流を変圧する変圧器 40 測温部 41 赤外線カメラ 42 広角レンズ 50 ケーブル 100 管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F069 AA47 BB40 CC02 DD15 DD27 GG04 GG06 GG07 GG16 HH30 JJ04 KK01 NN00 NN16

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管内を管軸方向に走行する走行台車と、 該走行台車の走行方向前方側に設置された前記管の内壁
    を加熱する内壁加熱手段と、 該走行台車の走行方向後方側に設置された前記管の内壁
    の温度を測定する第1の内壁温度測定手段と、 該第1の内壁温度測定手段の測定結果に基づいて前記管
    の肉厚を演算する演算手段とを有することを特徴とする
    管の肉厚測定装置。
  2. 【請求項2】 前記内壁加熱手段より前記走行台車の走
    行方向前方側に、前記管の内壁の温度を測定する第2の
    内壁温度測定手段を設置することを特徴とする請求項1
    記載の管の肉厚測定装置。
  3. 【請求項3】 前記内壁加熱手段と前記第1の内壁温度
    測定手段との間に、前記管の内壁の温度を測定する第3
    の内壁温度測定手段を設置することを特徴とする請求項
    1記載の管の肉厚測定装置。
  4. 【請求項4】 前記内壁加熱手段が、高周波誘導加熱手
    段、輻射光加熱手段、温風または熱風加熱手段の何れか
    であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載
    の管の肉厚測定装置。
  5. 【請求項5】 前記輻射光加熱手段、温風または熱風加
    熱手段が、低中周波電流の電気抵抗、化石燃料の燃焼反
    応または金属粉の酸化反応の何れかによる発熱または発
    光を利用することを特徴とする請求項4記載の管の肉厚
    測定装置。
  6. 【請求項6】 第1の内壁温度測定手段、第2の内壁温
    度測定手段または第3の内壁温度測定手段の何れかが、
    赤外線放射温度計または赤外線画像計測装置であること
    を特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の管の肉厚
    測定装置。
  7. 【請求項7】 第1の内壁温度測定手段、第2の内壁温
    度測定手段または第3の内壁温度測定手段の何れかが、
    広角レンズ、全方位ミラーまたは回転ミラーを有するこ
    とを特徴とする請求項6記載の管の肉厚測定装置。
  8. 【請求項8】 前記走行台車に設置された3個以上の走
    行車輪が、それぞれ放射方向に進退自在な支持アームに
    設置され、該走行台車の断面中心が、前記管の管軸に一
    致することを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載
    の管の肉厚測定装置。
  9. 【請求項9】 前記加熱手段に代えて、前記走行台車の
    走行方向前方側に前記管の内壁を冷却する内壁冷却手段
    を設置したこととを特徴とする請求項1乃至8の何れか
    に記載の管の肉厚測定装置。
  10. 【請求項10】 前記内壁冷却手段が、冷風の噴出手段
    または冷媒の噴霧手段の一方または両方であることを特
    徴とする請求項9記載の管の肉厚測定装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009210548A (ja) * 2008-02-29 2009-09-17 Heub Yoon 導通測定機及びこれを用いた導通測定方法
CN114719805A (zh) * 2022-02-18 2022-07-08 中国航发北京航空材料研究院 一种测量叶片热障涂层厚度的方法及装置

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