JP2003328797A - エンジンの圧縮比可変機構およびエンジンの圧縮比可変方法 - Google Patents

エンジンの圧縮比可変機構およびエンジンの圧縮比可変方法

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JP2003328797A JP2002139658A JP2002139658A JP2003328797A JP 2003328797 A JP2003328797 A JP 2003328797A JP 2002139658 A JP2002139658 A JP 2002139658A JP 2002139658 A JP2002139658 A JP 2002139658A JP 2003328797 A JP2003328797 A JP 2003328797A
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compression ratio
piston
cylinder liner
combustion chamber
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JP2002139658A
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Masaaki Ogami
正明 大神
Fujio Takimoto
藤夫 瀧本
Makoto Kaneko
誠 金子
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Fuji Heavy Industries Ltd
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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】圧縮比変化に対する応答性の向上を図り、低速
時のトルクを確保するとともに、各燃焼行程毎に必要な
圧縮比の可変を精度良く容易に行えるエンジンの圧縮比
可変機構を提供する。 【解決手段】シリンダ1とピストン4との間に形成され
た燃焼室10内で圧縮される燃焼ガスの圧縮比を可変す
るエンジンの圧縮比可変機構において、シリンダ1とピ
ストン4との間にシリンダライナ5が設けられ、このシ
リンダライナ5は、ピストン4の変位方向に変位する。
シリンダライナ5には、燃焼室10内の容積を変化させ
るバルブシート(可動部材)8が設けられ、このバルブ
シート8は、シリンダライナ5と一体的に変位する。シ
リンダライナ5には、油圧機構からの油圧力がピストン
4の圧縮方向とは反対の方向に付与される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの圧縮比
可変機構およびエンジンの圧縮比可変方法に関する。
【従来の技術】エンジンは、シリンダ内の燃焼室に吸入
した燃料と空気との混合ガスをピストンの往復動により
圧縮し、この圧縮ガスをスパークプラグによる着火によ
り爆発させることにより、クランクシャフトの回転動力
を得ている。また、エンジンの低燃費および高出力化
は、一般に、混合ガスの圧縮比を高め、熱効率の向上を
図ることにより行われている。ところが、低速時や高負
荷時などの運転条件によっては、ノッキングが発生し易
く、出力低下の原因となっている。しかも、1燃焼行程
毎に、吸入空気の吸気量および圧縮時の温度上昇による
吸入空気の体積膨張率が変化し、圧縮比にバラツキが生
じ易い。このため、低温時の低速低回転領域における出
力トルクが低下し、低速走行性が劣る。
【0002】従来より、例えば、特開平5−27240
4号公報(以下、先行例1と略記する)や特開平11−
50866号公報(以下、先行例2と略記する)などに
開示されているように、エンジンの圧縮比可変機構が知
られている。このような圧縮比可変機構は、運転条件に
より圧縮比を可変することにより、低速時や高負荷時な
どにおけるノッキングの発生や出力の低下を防止する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たエンジンの圧縮比可変機構では、圧縮比変化に対する
応答性が劣るという不都合がある。先行例1では、燃焼
室内に臨むピストンのピストン面中央に可変ピストンが
突没可能に設けられている。この可変ピストンは、低速
時に燃焼室内に向け突出し、圧縮行程における燃焼室の
容積を可変ピストンの突出量に応じて小さくすることに
より、高圧縮比化を図っている。ところが、可変ピスト
ンが、シリンダ内を往復摺動自在なピストンに組み付け
られているとともに、ピストンと追従移動するため、ピ
ストンの稼働時に、可変ピストンを作動させる油圧機構
の油圧制御回路が複雑化する。しかも、可変ピストンの
油圧制御が複雑な回路構成と相俟って容易でないため
に、最適な圧縮比を運転条件に応じて精度良く迅速に調
整することが困難である。この結果、1サイクル毎の圧
縮比変化に対する可変ピストンの応答性が劣るという問
題がある。
【0004】一方、先行例2では、燃焼室内に連通する
吸気口または排気口を一連の燃焼行程に連動して開閉す
るバルブのバルブシートが上下動可能に設けられてい
る。このバルブシートは、皿バネによって常に燃焼室側
に付勢されている。この皿バネは、燃焼室の燃焼圧力が
高負荷運転に対応した所定の燃焼圧力に達したときに弾
性変形し、バルブシートの上動を許容することにより、
その上動分に応じた燃焼室内の容積を増大させる。これ
により、高負荷運転における圧縮比が低下し、ノッキン
グの発生を低減している。ところが、バルブシートを付
勢する皿バネは、弾性係数が予め所定の値に設定されて
いるため、燃焼室の燃焼圧力が、皿バネの弾性係数を超
えない限り、常に、一定の圧縮比を維持している。この
結果、各燃焼行程毎に必要な圧縮比を設定することがで
きない。
【0005】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、圧縮比変化に対する応答性の向
上を図り、低速時のトルクを確保するとともに、各燃焼
行程毎に必要な圧縮比を精度良く容易に設定することが
できる新規なエンジンの可変圧縮比機構およびエンジン
の可変圧縮比方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、第1の発明は、エンジンの可変圧縮比機構を提
供する。この機構においては、シリンダとピストンとの
間に形成された燃焼室内で圧縮される圧縮ガスの圧縮比
を可変する。シリンダとピストンとの間には、シリンダ
ライナが設けられ、このシリンダライナは、ピストンの
変位方向に変位する。シリンダライナには、燃焼室内の
容積を変化させる可動部材が設けられ、この可動部材
は、シリンダライナと一体的に変位する。そして、シリ
ンダライナには、油圧機構からの油圧力がピストンの圧
縮方向とは反対の方向に付与されて付勢されている。
【0007】ここで、第1の発明においては、シリンダ
ライナを油圧力が付与される方向と同一方向に付勢する
ことが好ましい。
【0008】また、第1の発明においては、可動部材が
燃焼室の一部を形成するバルブシートであり、このバル
ブシートは、バルブステーを有する吸排気バルブにより
開閉自在な吸排気口を有している。バルブステーは、復
帰用スプリングにより閉弁方向に付勢され、バルブステ
ーをバルブ開閉駆動機構によりスプリングの付勢力に抗
して変位させることが好ましい。
【0009】また、第1の発明においては、バルブ開閉
駆動機構は、カム駆動機構からなる。このカム駆動機構
は、復帰用スプリングの付勢力に抗してバルブステーを
開弁方向に変位させるカム部材を有する。そして、復帰
用スプリングは、シリンダライナを油圧機構の油圧力と
協働する方向に付勢するスプリングの付勢力よりも大き
くすることが好ましい。
【0010】さらに、第1の発明においては、バルブ開
閉駆動機構は、カム駆動機構に代えて、電磁駆動機構に
より構成し、復帰用スプリングの付勢力に抗してバルブ
ステーを開弁方向に変位させることが好ましい。
【0011】第2の発明は、エンジンの圧縮比制御方法
を提供する。この方法においては、シリンダとピストン
との間に形成された燃焼室内で圧縮される圧縮ガスの圧
縮比を可変する。第1のステップでは、シリンダとピス
トンとの間に設けられたシリンダライナを、燃焼室内の
容積を変化させる可動部材と一体的に変位させるととも
に、ピストンの変位方向に変位させる。第2のステップ
では、シリンダライナに油圧機構からの油圧力を付与す
ることにより、ピストンの圧縮方向とは反対の方向に付
勢する。第3のステップでは、油圧機構の油圧力を調整
し、ピストンの圧縮行程におけるシリンダライナの変位
量を規制する。
【0012】ここで、第2の発明においては、シリンダ
ライナを爆発行程中においてロック状態に保持すること
が好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)図1は、第1
の実施形態に係るエンジンの可変圧縮比機構を概略的に
示す縦断側面図である。エンジン本体を形成するシリン
ダ1は、シリンダブロック2とシリンダヘッド3とで構
成されている。シリンダブロック2内には、ピストン4
が設けられている。シリンダブロック2とピストン4と
の間には、シリンダライナ5が介装され、このシリンダ
ライナ5を介してピストン4が上下方向に変位自在に設
けられている。シリンダライナ5は、後記する燃焼室1
0の一部を形成するとともに、ピストン4の変位方向に
変位する。ピストン4は、コンロッド6を介してクラン
クシャフト7に連結されている。シリンダヘッド2に
は、ピストン4の上方に対向位置するバルブシート(可
動部材)8が設けられている。このバルブシート8は、
後記する燃焼室10の一部を形成するとともに、シリン
ダライナ5にガスケットを介してボルト等により一体に
組み付けられ、シリンダライナ5の変位に共動してピス
トン4の変位方向に可動する。
【0014】燃焼室10は、ピストン4の頂面とバルブ
シート8との間に形成されている。バルブシート8に
は、燃焼室10に連通する吸気口8aと排気口8bとが
開口されている。これらの吸排気口8a,8bには、シ
リンダヘッド3に形成した吸気通路9aと排気通路9b
とがそれぞれ臨んでいる。後述する一連の燃焼行程にお
ける吸気行程において、吸気通路9aから吸引される空
気は、吸気口8aから燃焼室10内に導入される。一
方、爆発行程後の排気行程において、燃焼室10内の燃
焼ガスは、排気口8bから排気通路9bを通って外部に
排出される。
【0015】バルブシート8の吸気口8aには、後述す
るバルブ開閉機構30により開閉制御される吸気バルブ
11が設けられている。この吸気バルブ11は、ピスト
ン4の頂面に対して鉛直方向に延びるバルブステー11
aを有し、このバルブステー11aの先端部は、シリン
ダヘッド3を貫通して外部に突出している。バルブステ
ー11aの先端部には、スプリングリテーナ11bが設
けられ、このスプリングリテーナ11bを介してバルブ
スプリング(復帰用スプリング)12が介装されてい
る。このバルブスプリング12は、吸気バルブ11を常
に吸気口8aに着座させる方向に付勢する。
【0016】一方、バルブシート8の排気口8bには、
吸気口8aと同様に、後述するバルブ開閉機構40によ
り開閉制御される排気バルブ13が設けられている。こ
の排気バルブ13は、ピストン4の頂面に対して鉛直方
向に延びるバルブステー13aを有し、このバルブステ
ー13aの先端部は、シリンダヘッド3を貫通して外部
に突出している。バルブステー13aの先端部には、ス
プリングリテーナ13bが設けられ、このスプリングリ
テーナ13bを介してバルブスプリング14が介装され
ている。このバルブスプリング14は、排気バルブ13
を常に排気口8bに着座させる方向に付勢し、バルブ開
閉機構30により開弁方向に変位するバルブステー13
aを元の位置に復帰させる。この場合、バルブスプリン
グ12,14は、バルブシート8への吸排気バルブ1
1,13の着座によって、その反力がバルブシート8を
押し上げる方向、つまり、ピストン4の圧縮方向への引
張力として作用する。また、このバルブスプリング1
2,14の付勢力は、後述するコイルスプリング18の
反力として作用し、コイルスプリング18の付勢力より
も大きい。
【0017】シリンダ1のシリンダブロック2とシリン
ダライナ5との間には、油圧機構を構成する油圧室(ヘ
ッドチャンバ)15がシリンダライナ5の上部外周全域
に亘って設けられている。この油圧室15には、シリン
ダライナ5を間に存して油圧供給通路16と油圧排出通
路17とが連通させて設けられている。これら両通路1
6,17には、後述する油圧制御回路20が接続され、
油圧室15内に油圧を供給することにより、シリンダラ
イナ5に油圧力を付与し、シリンダライナ5をピストン
4の圧縮方向とは反対の方向に付勢する。油圧室15内
には、予めバネ常数が設定されたコイルスプリング18
が介装されている。このコイルスプリング18は、一端
をシリンダヘッド3側に係止し、その他端をシリンダラ
イナ5側の段付部5aに係止することにより、シリンダ
ライナ5を油圧機構による油圧力が付与される方向と同
一方向に付勢する。
【0018】なお、シリンダ1の燃焼室10内には、シ
リンダヘッド3内に装着されたスパークプラグ19がバ
ルブシート8に貫通させて臨んでいる。このスパークプ
ラグ19は、圧縮行程により圧縮された圧縮ガスを爆発
行程において点火することにより爆発させる。この爆発
行程における圧縮ガスの爆発膨張圧によるピストン4の
下降動作に伴い、クランクシャフト7への回転動力が伝
達される。
【0019】図2は、本実施形態における油圧制御回路
を示すブロック構成図である。油圧制御回路20は、制
御部21と、油圧室(ヘッドチャンバ)15の油圧供給
通路16を開閉制御する第1の電磁バルブ22と、油圧
室15の油圧排出通路17を開閉制御する第2の電磁バ
ルブ23と、油圧供給部24とで構成されている。制御
部21は、第1の電磁バルブ22と第2の電磁バルブ2
3とを制御する。油圧供給部24は、オイル溜り25
と、このオイル溜り25内のオイルを吸引するオイルポ
ンプ26と、このオイルポンプ26で吸引されたオイル
の流量を調整して所望の油圧に調圧するレギュレータ2
7とで構成されている。これにより、油圧室15には、
レギュレータ27により所望の油圧に流量調整されたオ
イルが逆止弁28を介して油圧供給通路16から常に供
給される。このオイルの一部は、シリンダブロック2と
シリンダライナ5との間からクランクシャフト7側に流
し、その一部を外部に排出することにより、シリンダブ
ロック2の冷却、シリンダライナ5の潤滑などに用いら
れる。
【0020】すなわち、油圧制御回路20は、第1およ
び第2の電磁バルブ22,23がオフのとき(油圧排出
回路の閉成状態)、油圧供給部24から油圧室15にオ
イルが供給されると、油圧室15の圧力が高圧になる。
油圧室15が高圧になるにしたがい、その油圧力はコイ
ルスプリング18の付勢力と協働して、シリンダライナ
5を下方へ押す力、つまり、ピストン4の圧縮方向の変
位に相反する方向への押圧力を増大させる。一方、両電
磁バルブ22,23がオンのとき(油圧排出回路の開成
状態)、油圧供給部24から常に供給される油圧室15
のオイルをそれぞれのオイル溜り22a,23aに排出
すると、油圧室15内が低圧になる。したがって、両電
磁バルブ22,23がオンの状態では、シリンダライナ
5への油圧力がほぼ0になり、基本的にコイルスプリン
グ18の付勢力のみでシリンダライナ5が付勢されるこ
とになる。
【0021】ところで、上述した油圧制御回路20にお
いて、第1および第2の電磁バルブ22,23は、ピス
トン4の動きによって制御される。換言すれば、両電磁
バルブ22,23は、油圧室15の油圧をピストン4の
上下動、燃焼行程の各過程と連動させて制御される。そ
のためには、燃焼行程がいかなる状況にあるかのか、つ
まり、吸入行程、圧縮行程、爆発行程、排気行程中のい
ずれの行程なのかを知る必要がある。また、圧縮比の制
御に際して、低速時や高負荷時などの運転条件によって
は、ノッキングが発生する恐れがあり、さらに、運転状
態が「急加速モード」にあるのか、「定常モード」にあ
るのかも知る必要がある。
【0022】そこで、本実施形態においては、制御部2
1に各種センサ群29が接続されている。これらのセン
サ群29は、クランク角センサ29a、スロットル開度
センサ29bおよびノッキングセンサ29cを有する。
クランク角センサ29aは、クランクシャフト7におけ
るクランク角の回転角をロータリエンコーダで何度傾い
ているかを検出することにより、燃焼行程の各過程を管
理する。スロットル開度センサ29bは、アクセルの踏
込み量に応じたスロットル開度を検出することにより、
運転状態が「急加速モード」にあるのか、「定常モー
ド」にあるのかを管理する。ノッキングセンサ29c
は、爆発行程でのノッキング現象を検出することにより
管理する。
【0023】図3は、運転モードの切換え手順を示すフ
ローチャートである。まず、ステップ1では、スロット
ル開度(S)をスロットル開度センサ29bにより検出
し、ステップ2に進む。ステップ2では、スロットル開
度(S)が0よりも大きいか否か(0<S)、つまり、
「加速」状態か否かが判定される。ステップ2におい
て、スロットル開度(S)が「0」であると判定された
場合、つまり、定常運転状態の場合には、ステップ3に
進み、「定常モード」が維持される。ステップ2におい
て、スロットル開度(S)が「0」よりも大きいと判定
された場合、つまり、加速運転状態の場合には、ステッ
プ4に進む。ステップ4では、ステップ2において判定
された加速運転状態が「急加速」状態か否かが判定され
る。ステップ4において、「急加速」状態でないと判定
された場合、つまり、通常の加速運転状態の場合には、
ステップ3に進み、「定常モード」が維持される。ステ
ップ4において、「急加速」状態と判定された場合に
は、「定常モード」からステップ5の「急加速モード」
に切換えられる。
【0024】また、本実施形態において、吸排気バルブ
11,13は、クランクシャフト7の回転に同期する一
対のバルブ開閉駆動機構30,40により開閉駆動す
る。これらのバルブ開閉駆動機構30,40は、クラン
クシャフト7の回転にタイミングベルト(図示せず)を
介して機械的に同期するカム駆動機構により構成されて
いる。吸気バルブ11を開閉する第1のカム駆動機構3
0は、第1のカムシャフト31と、第1のカム部材32
とで構成されている。排気バルブ13を開閉する第2の
カム駆動機構40は、第2のカムシャフト41と、第2
のカム部材42とで構成されている。これら第1および
第2のカム部材32,42は、爆発−排気−吸気−圧縮
の4行程による一連の燃焼行程に応じてクランクシャフ
ト7の2回転により1回転する。吸排気バルブ11,1
3による吸排気口8a,8bの開弁は、吸気行程および
排気行程中に行われる。
【0025】すなわち、吸気行程では、第1のカム部材
32の回転に伴って吸気バルブ11側のスプリングリテ
ーナ11bがバルブスプリング12の付勢力に抗して押
される。これにより、吸気口8aが開弁され、吸気通路
9aからの燃焼室10内への燃焼空気の導入を可能にす
る。このとき、ピストン4は下降する。排気行程では、
第2のカム部材42の回転に伴って排気バルブ13側の
スプリングリテーナ13bがバルブスプリング14の付
勢力に抗して押される。これにより、排気口8bが開弁
され、燃焼室10内の燃焼後の排気ガスが排気通路9b
を通って外部に排出される。このとき、ピストン4は上
昇する。
【0026】つぎに、本実施形態におけるエンジンの圧
縮比可変状態を、図1および図4から図6に示す燃焼行
程を参照しながら説明する。図1は、爆発行程時の概略
的断面図である。図4は、排気行程時の概略的断面図で
ある。図5は、吸気行程時の概略的断面図である。図6
は、圧縮行程時の概略的断面図である。
【0027】本実施形態では、シリンダライナ5の変位
が、油圧室15に付与される油圧力と、コイルの付勢力
と、ピストン4による圧縮圧と、圧縮ガスの爆発膨張圧
と、バルブスプリング12,14の付勢力とにより制御
される。圧縮比を可変する場合には、圧縮行程におい
て、油圧室15の油圧力とコイルスプリング18の付勢
力とが目標とする圧縮比に応じて所望の比率に配分され
る。シリンダライナ5は、油圧室15の油圧力とコイル
スプリング18の付勢力との合算圧力と、ピストン4に
よる圧縮圧およびバルブスプリング12,14の付勢力
とがバランスする位置まで変位する。そして、シリンダ
ライナ5の変位に共動するバルブシート8の変位に応じ
て燃焼室10の容積が設定され、圧縮比を可変制御する
際の初期の設定圧が決定される。
【0028】図1に示すように、圧縮行程直後の爆発行
程時に、燃焼室10内の圧縮ガスがスパークプラグ19
によって点火されると、圧縮行程で所望の圧縮比により
圧縮された圧縮ガスが爆発膨張し、その爆発膨張圧によ
ってピストン4は下降する。このピストン4の下降動作
により、クランクシャフト7には回転動力が伝達され
る。爆発行程においては、油圧制御回路20における第
1および第2の電磁バルブ22,23が閉弁され、油圧
室15の油圧排出回路が閉成されている。これにより、
シリンダライナ5がオイルロック状態に保持され、シリ
ンダライナ5とバルブシート8とは、爆発行程中に変位
することがない。
【0029】排気行程では、図4に示すように、クラン
クシャフト7の回転に伴ってピストン4が上昇する。一
方、排気バルブ13は、バルブステー13aの先端部に
設けたバルブリテーナ13bを介してクランクシャフト
7の回転に同期する第2のカム駆動機構40のカム部材
42により下降する。これにより、バルブシート8の排
気口8bが開弁され、燃焼室10内における燃焼後の排
気ガスが、ピストン4の上昇動作とともに排気通路9b
を通って外部に排出される。
【0030】このとき、例えば、コイルスプリング18
の付勢力が、バルブスプリング12,14の付勢力より
も大きいと、排気バルブ13の開弁時には、油圧排出回
路の開成により、シリンダライナ5がコイルスプリング
18の付勢力によりシリンダ1内の最下位置まで下降す
る。これにより、バルブシート8も最下位置となり、排
気バルブ13のバルブリテーナ13bの位置もバルブス
プリング14の付勢力に抗して下降する。このため、バ
ルブリテーナ13bとカム部材42との弁間隙が、通常
よりも大きくなってしまう。この状態で、排気バルブ1
3をカム部材42の回転動作により開弁すると、カム部
材42がバルブリテーナ13bに激突し、タペット音
(打撃音)が発生するという問題が生じる。
【0031】そこで、本実施形態では、上述したよう
に、コイルスプリング18のバネ常数をバルブシート8
に引張力として働くバルブスプリング12,14の付勢
力よりも小さく設定する。そして、爆発行程終了の直前
に、第1および第2の電磁バルブ22,23の双方が開
弁されるように制御する。これにより、爆発行程終了の
直前において、油圧排出回路が開成され、油圧室15内
のオイルが、オイル溜り22a,23aに排出されると
ともに、油圧室15の油圧が急激に減圧される。この油
圧室15の急激な油圧の減圧により、シリンダライナ5
への油圧力が開放される。このため、爆発行程終了直前
のシリンダライナ5は、コイルスプリング18の付勢力
に抗して、バルブスプリング12,14の付勢力によ
り、シリンダ1内の最上位置まで上昇する。この結果、
排気バルブ13のバルブリテーナ13bとカム部材42
との間に形成される弁間隙がなくなり、バルブリテーナ
13bとカム部材42とを常に接触させることができる
ため、タペット音(打撃音)の発生が防止される。
【0032】排気行程終了時、排気バルブ13は、ピス
トン4の最上昇位置で閉弁する。また、第1の電磁バル
ブ22は、排気行程途上で閉弁し、第2の電磁バルブ2
3のみが開弁状態となる。これにより、上述したような
最下位置から最上位置へのシリンダライナ5の変位が滑
らかになる。
【0033】排気行程終了後の吸気行程では、図5に示
すように、バルブシート8の吸気口8aを開閉する吸気
バルブ11がクランクシャフト7の回転に同期する第1
のカム駆動機構30のカム部材32により開弁される。
これにより、燃焼室10内には、燃焼空気がクランクシ
ャフト7の回転に伴うピストン4の下降動作とともに吸
気通路9aから導入される。このとき、第1の電磁バル
ブ22は、閉弁状態を維持し、第2の電磁バルブ23
は、開弁状態を維持している。この場合、第1のカム駆
動機構30による吸気バルブ11の開弁制御直前には、
上述したように、排気行程終了時点において、第1およ
び第2の電磁バルブ22,23が開弁状態となってい
る。このため、バルブシート8がコイルスプリング18
の付勢力により最上位置に保持されている。したがっ
て、吸気バルブ11のバルブリテーナ11bとカム部材
32との間の大きな弁間隙は生じず、タペット音(打撃
音)が発生することはない。また、燃焼空気の吸入量
は、吸気バルブ11の開弁時間、あるいは、吸気通路9
a内に設置される吸入スロットル(図示せず)の開度を
調整することにより任意に制御される。
【0034】ところで、上述のような吸気行程における
燃焼空気の任意の吸入量に対して、圧縮行程による燃焼
空気の圧縮量は、1燃焼行程毎に変化する。ところが、
ピストン4による燃焼空気に対する圧縮圧から考える
と、必要な圧力は、吸入空気量によって変化することの
ない一定の圧縮圧になる。
【0035】そこで、吸気行程終了後の圧縮行程では、
油圧制御回路20の第1の電磁バルブ22が閉弁状態に
維持され、第2の電磁バルブ23が開弁状態に維持され
ている。一方、油圧室15内には、油圧制御回路20の
油圧供給部24からレギュレータ28を介して調圧され
た油圧が付与される。この油圧力は、センサ群29から
の運転情報により決定される圧縮比に基づいて設定され
るとともに、コイルスプリング18の付勢力と共にシリ
ンダライナ5をピストン4の圧縮方向とは反対の方向に
付勢する。このとき、シリンダライナ5は、ピストン4
の変位方向に自由に変位するとともに、その変位量は、
油圧力とコイルスプリング18の付勢力との合算圧力
と、ピストンの5の圧縮圧およびバルブスプリング1
2,14の付勢力とで規制される。
【0036】すなわち、圧縮行程におけるシリンダライ
ナ5は、図6に示すように、油圧室15内の油圧力とコ
イルスプリング18の付勢力との合算圧力(設定値)
と、ピストン4の上昇変位に伴う燃焼室10内の圧縮圧
およびバルブスプリング12,14の付勢力とが釣り合
った位置で停止する。換言すると、爆発行程で必要な燃
焼空気の圧縮圧は、油圧力とコイルスプリング18の付
勢力との合算圧力によって設定する。圧縮行程において
は、常に、その最適設定圧になるまで、シリンダライナ
5、つまり、バルブシート8が変位する。これにより、
バルブシート8の変位位置が決定され、燃焼室10内の
容積が圧縮比に基づいて調整される。そして、このよう
な圧縮行程における圧縮比の調整が1燃焼行程毎に行わ
れる。この結果、最適な圧縮比を運転条件に応じて精度
良く迅速に調整することが容易に行える。
【0037】ところで、急加速走行時には、エンジンの
燃焼室10内にノッキング現象が発生し、出力トルクを
低下させることがある。このような急加速走行における
出力トルクの低下を防止する手段として、本実施態様で
は、図2に示すように、アクセルペダルの動きをスロッ
トル開度センサ29cにより検出し、運転状態が「急加
速モード」と判定されると、クランク角センサ29aに
より燃焼行程がいかなる過程にあるかのタイミングを検
出する。そして、燃焼行程が爆発行程において、制御部
21は、油圧制御回路20の油圧排出側の第2の電磁バ
ルブ23を開弁制御し、第1の電磁バルブ22を閉弁状
態のまま、油圧室15のオイルをオイル溜り23aに排
出制御する。このため、急加速走行時の爆発行程では、
油圧室15が低圧になり、バルブスプリング12,13
の引張力により、シリンダライナ5、つまり、バルブシ
ート8がコイルスプリング18の付勢力に抗して上方に
変位する。これにより、燃焼室10の容積が増大し、圧
縮比は低下する。この結果、高負荷時などにおけるノッ
キングの発生や出力の低下が防止される。
【0038】このように、本実施形態では、シリンダ1
のシリンダブロック2とピストン4との間にシリンダラ
イナ5が介装されている。このシリンダライナ5は、ピ
ストン4の変位方向に変位するとともに、常時、コイル
スプリング18の付勢力によりピストン4の圧縮方向と
は反対の方向に付勢されている。シリンダブロック2と
シリンダライナ5との間には、油圧室15が設けられ、
この油圧室15の油圧は、コイルスプリング18の付勢
力と共に同一方向にシリンダライナ5を付勢する。油圧
室15の油圧は、油圧制御回路20により可変制御さ
れ、この油圧力の制御により、圧縮行程時における燃焼
室10内の容積を変化させ、圧縮比を可変している。そ
の結果、シリンダライナ5に対する油圧力とコイルスプ
リング18の付勢力との合算圧力を所望の設定値に可変
制御すれば、爆発時には、燃焼行程毎の常時必要な圧縮
比を確保することが可能になる。しかも、爆発行程で
は、シリンダライナ5がオイルロックされているため、
圧縮比の精度の向上が図れるとともに、シリンダライナ
5の振動が防止される。シリンダライナ5が制御対象部
材として用られていることから、シリンダライナ5は、
小型でかつ軽量であるため、圧縮比可変時の応答性が向
上する。
【0039】また、1燃焼行程毎に、吸入空気の吸気量
および圧縮時の温度上昇による吸入空気の体積膨張率が
変化しても、最適な圧縮圧や圧縮比を得ることができ
る。このため、低温時の低速低回転領域における出力ト
ルクが向上し、燃費の向上が図れるとともに、低速走行
性にも優れる。
【0040】さらに、低温暖機運転時においても、最適
な圧縮圧が得られることから、燃焼の最適化が図れるた
め、例えば、CO,NOx,HCなどの排気ガス中の有
害ガス成分が低減し、触媒が小型化とともに安価なる。
また、低温起動時においても最適な圧縮比を得ることが
できるため、燃焼の最適化によるエンジンの始動性の向
上が図れる。
【0041】(第2の実施形態)図7は、第2の実施形
態に係るエンジンの可変圧縮比機構を概略的に示す縦断
側面図である。この第2の実施形態では、上述した第1
の実施形態において吸排気バルブ11,13を開閉制御
するカム駆動機構に代えて、バルブ開閉駆動機構にクラ
ンクシャフト7の回転に電気的に同期する第1および第
2の電磁駆動機構30,40が用いられている。これら
の電磁駆動機構30,40には、復帰用スプリング3
3,43がそれぞれ介装されている。これらの復帰用ス
プリング33,43は、吸排気バルブ11,13を常に
吸排気口8a,8bに着座させる方向に付勢する。復帰
用スプリング33,43の付勢力は、上述した第1の実
施形態と同様に、コイルスプリング18の付勢力よりも
大きい。すなわち、各々の電磁駆動機構30,40は、
吸排気バルブ11,13のバルブステー11a,13a
を復帰用スプリンググ33,43の付勢力に抗して開弁
方向に変位させる。これにより、吸排気バルブ11,1
3の開閉制御が容易に行えるとともに、バルブ開閉駆動
機構の簡略化が図れる。
【0042】なお、上述した各実施形態においては、急
加速時におけるノッキングの発生に伴う出力トルクの低
下を防止する場合に、アクセルペダルの動きをスロット
ル開度センサ29cで検出し、燃焼室10の容積を増大
させることにより行っている。しかしながら、本発明
は、これに限定されるものではなく、図2に示すよう
に、センサ群29に従来法で用いられているノッキング
センサ29cを付加してもよい。そして、このノッキン
グセンサ29cが急加速時の燃焼室10内におけるノッ
キングを検知したときに、スパークプラグ19による点
火時期を制御することにより、ノッキングの発生を防止
するような従来法を併用することも可能である。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、吸入
空気量が少ないときでも、最適な圧縮比まで高めるとと
もに、急加速時などにおける急激なアクセルワークによ
りノッキングが発生し易いときには、圧縮比を低下させ
ることができる。このため、シリンダライナに対する油
圧力とスプリングの付勢力との合算圧力を所望の設定値
に可変制御すれば、爆発時には、燃焼行程毎の常時必要
な圧縮比を確保することができる。しかも、爆発行程で
は、シリンダライナがオイルロックされているため、圧
縮比の精度の向上が図れるとともに、シリンダライナの
振動を防止することができる。シリンダライナが制御対
象部材として用られている。これにより、シリンダライ
ナは、小型でかつ軽量であるため、圧縮比可変時の応答
性が向上する。
【0044】また、1燃焼行程毎に、吸入空気の吸気量
および圧縮時の温度上昇による吸入空気の体積膨張率が
変化しても、最適な圧縮比を得ることができる。このた
め、低温時の低速低回転領域における出力トルクが向上
し、燃費の向上が図れるとともに、低速走行性にも優れ
る。
【0045】さらに、低温暖機運転時においても、最適
な圧縮圧が得られることから、燃焼の最適化が図れるた
め、例えば、CO,NOx,HCなどの排気ガス中の有
害ガス成分が低減し、触媒が小型化とともに安価なる。
しかも、低温起動時においても最適な圧縮比を得ること
ができるため、燃焼の最適化によるエンジンの始動性の
向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態におけるエンジンの可変圧縮比
機構を有する圧縮行程直後における爆発行程時の概略的
縦断側面図
【図2】油圧制御回路を示すブロック構成図
【図3】運転モードの切換え手順を示すフローチャート
【図4】爆発行程直後における排気行程時の概略的縦断
側面図
【図5】排気行程直後における吸気行程時の概略的縦断
側面図
【図6】吸気行程直後における圧縮行程時の概略的縦断
側面図
【図7】第2の実施形態におけるエンジンの可変圧縮比
機構を有する圧縮行程直後における爆発行程時の概略的
縦断側面図
【符号の説明】
1 シリンダ 2 シリンダブロック 3 シリンダヘッド 4 ピストン 5 シリンダライナ 5a 段付部 6 コンロッド 7 クランクシャフト 8 バルブシート 8a 吸気口 8b 排気口 9a 吸気通路 9b 排気通路 10 燃焼室 11 吸気バルブ 11a バルブステー 11b スプリングリテーナ 12 復帰用スプリング(バルブスプリング) 13 排気バルブ 13a バルブステー 13b スプリングリテーナ 14 復帰用スプリング(バルブスプリング) 15 油圧室(ヘッドチャンバ) 16 油圧供給通路 17 油圧排出通路 18 コイルスプリング 19 スパークプラグ 20 油圧制御回路 21 制御部 22 第1の電磁バルブ 22a オイル溜り 23 第2の電磁バルブ 23a オイル溜り 24 油圧供給部 25 オイル溜り 26 オイルポンプ 27 レギュレータ 28 逆止弁 29 センサ群 29a クランク角センサ 29b スロットル開度センサ 29c ノッキングセンサ 30 第1のバルブ開閉駆動機構(カム駆動機構) 31 第1のカムシャフト 32 第1のカム 40 第2のバルブ開閉駆動機構(カム駆動機構) 41 第2のカムシャフト 42 第2のカム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金子 誠 東京都新宿区西新宿一丁目7番2号 富士 重工業株式会社内 Fターム(参考) 3G024 AA26 DA10 FA00 3G092 AA12 DD08 DG02 DG05 EA08 FA17 FA18 FA24 GA08 GA12 HA06Z HC05Z HE03Z

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダとピストンとの間に燃焼室が形成
    され、前記燃焼室内で圧縮される圧縮ガスの圧縮比を可
    変するエンジンの圧縮比可変機構において、 前記シリンダと前記ピストンとの間に設けられ、前記ピ
    ストンの変位方向に変位するシリンダライナと、 前記シリンダライナと一体的に変位し、前記燃焼室内の
    容積を変化させる可動部材と、 前記シリンダライナに油圧力を付与し、前記シリンダラ
    イナを前記ピストンの圧縮方向とは反対の方向に付勢す
    る油圧機構とを有することを特徴とするエンジンの圧縮
    比可変機構。
  2. 【請求項2】前記シリンダライナを、油圧力が付与され
    る方向と同一方向に付勢するスプリングをさらに有する
    ことを特徴とする請求項1に記載されたエンジンの圧縮
    比可変機構。
  3. 【請求項3】前記可動部材は、前記燃焼室の一部を形成
    するバルブシートであることを特徴とする請求項1また
    は2に記載されたエンジンの圧縮比可変機構。
  4. 【請求項4】前記バルブシートは、バルブステーを吸排
    気バルブにより開閉自在な吸排気口を有し、前記バルブ
    ステーを復帰用スプリングにより閉弁方向に付勢すると
    ともに、前記バルブステーを前記スプリングの付勢力に
    抗して変位させるバルブ開閉駆動機構を有することを特
    徴とする請求項3に記載されたエンジンの圧縮比可変機
    構。
  5. 【請求項5】前記バルブ開閉駆動機構は、カム駆動機構
    からなり、当該カム駆動機構は、前記復帰用スプリング
    の付勢力に抗して前記バルブステーを開弁方向に変位さ
    せるカム部材を有するとともに、 前記復帰用スプリングは、前記スプリングの付勢力より
    も大きくしたことを特徴とする請求項4に記載されたエ
    ンジンの圧縮比可変機構。
  6. 【請求項6】前記バルブ開閉駆動機構は、前記復帰用ス
    プリングの付勢力に抗して前記バルブステーを開弁方向
    に変位させる電磁駆動機構からなるとともに、 前記復帰用スプリングは、前記スプリングの付勢力より
    も大きくしたことを特徴とする請求項4に記載されたエ
    ンジンの圧縮比可変機構。
  7. 【請求項7】シリンダとピストンとの間に燃焼室が形成
    され、前記燃焼室内で圧縮される圧縮ガスの圧縮比を可
    変するエンジンの圧縮比可変方法において、 前記シリンダと前記ピストンとの間に設けられたシリン
    ダライナを、前記燃焼室内の容積を変化させる可動部材
    と一体的に変位させるとともに、前記ピストンの変位方
    向に変位させるステップと、 前記シリンダライナに油圧機構からの油圧力を付与する
    ことにより、前記ピストンの圧縮方向とは反対の方向に
    付勢するステップと、 前記油圧機構の油圧力を調整し、前記ピストンの圧縮行
    程における前記シリンダライナの変位量を規制するステ
    ップとを有することを特徴とするエンジンの圧縮比可変
    方法。
  8. 【請求項8】前記シリンダライナを爆発行程中において
    ロック状態に保持するステップをさらに含むことを特徴
    とする請求項7に記載されたエンジンの圧縮比可変方
    法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2336521A1 (en) * 2009-12-15 2011-06-22 Wärtsilä Schweiz AG A cylinder arrangement for an internal combustion engine
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KR20190069009A (ko) * 2017-12-11 2019-06-19 현대자동차주식회사 압축비 가변형 엔진
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