JP5630123B2 - リニア発電フリーピストンエンジン、および、その始動方法 - Google Patents

リニア発電フリーピストンエンジン、および、その始動方法 Download PDF

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Description

本発明は、クランク機構を用いることなく、二つのチャンバに挟まれたピストンをシリンダ内で往復摺動させて発電するリニア発電フリーピストンエンジン、および、その始動方法に関する。
従来から、クランク機構を用いることなく、ピストンをシリンダ内で往復摺動させるフリーピストンエンジンが広く知られている。こうしたフリーピストンエンジンでは、当該ピストンの動きを利用して発電するリニア発電機が組み込まれることも多い。
こうしたフリーピストンエンジンでは、その始動に関する技術がいくつか提案されている。例えば、特許文献1には、ピストンに永久磁石を組み込むとともに、当該ピストンの周囲に発電コイルを設置し、ピストン摺動時に発電コイルに生じる誘導起電力で発電を行うリニア発電機が組み込まれたフリーピストンエンジンが開示されている。特許文献1では、このリニア発電機を、リニアモータとしても利用しており、エンジンの始動時には、当該リニアモータでピストンを加速して燃焼室を圧縮したうえで燃焼を行い、エンジン動作を開始させるようになっている。
また、特許文献2には、二つのピストンの間に、流体が供給される液圧シリンダを設け、当該液圧シリンダに高圧流体を供給することでピストンを加速して燃焼室を圧縮したうえで燃焼を行い、エンジンを始動する技術が開示されている。
特開2009−216100号公報 特開2009−2349号公報 特表2003−517134号公報 特開昭60−128975号公報
こうした技術に基づけば、一応、フリーピストンエンジンを始動できる。しかし、特許文献1に記載の技術のように、燃焼室を圧縮するだけの加速をピストンに与えることが可能な機能をリニア発電機に持たせるためには、容量が大きく、高価なリニアモータと制御回路が必要となり、エンジン構成の複雑化、コスト増加といった問題を招く。
また、特許文献2に記載の技術の場合、高圧流体を貯蔵しておくシステムが必要でありエンジン全体の複雑化、大型化、コスト増加といった問題を避けられない。また、エンジン始動に失敗したときには、ピストンを元の位置に戻す手段がないため、非常に不安定なエンジンであるといえる。
以上の通り、従来の技術では、エンジン始動のために、機構・装置が別途必要であり、構成の複雑化、コスト増加という問題があった。
なお、クランク機構を用いるピストンクランク式エンジンにおいては、エンジン始動のための機構・装置を省略する技術が一部で提案されている(特許文献3,4など)。これらは、ピストンクランク機構のピストンを所定の位置に停止させ、燃焼始動を実現するために、エンジン停止時に吸排気バルブの開閉タイミングや、クランク軸の回転を制御するようになっている。しかし、これらの技術は、いずれもピストンクランク式エンジンに関するものであり、フリーピストンエンジンには直接適用することは困難である。また、これらの特許文献3,4の技術は、摺動摩擦が大きくなる極低温時に燃焼始動することはできず、始動前に暖機などが必要という問題があった。
そこで、本発明では、より簡易な構成で、エンジン始動が可能なリニア発電フリーピストンエンジン、および、その始動方法を提供することを目的とする。
本発明のリニア発電フリーピストンエンジンは、シリンダ内に往復運動自在なピストンおよび前記ピストンを挟む二つのチャンバが設けられたエンジンユニットであって、前記二つのチャンバのうち少なくとも一方のチャンバで行われる燃料の燃焼で得られる燃焼圧力により前記ピストンがシリンダ内で往復運動するエンジンユニットと、前記ピストンの往復運動に伴い発電を行う発電ユニットと、前記エンジンユニットの駆動を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記エンジンユニットを始動する場合には、前記燃料の燃焼により得られる理論仕事が前記エンジンユニット始動時に生じる各種仕事損失より大きくなるピストンの位置範囲である始動範囲内にピストンを位置させたうえで、
燃料を含む可燃混合気への点火を行い、前記エンジンユニットを停止する際には、前記ピストンが前記始動範囲内で停止するべく、前記エンジンユニットの駆動を制御することで、始動時におけるピストン位置を前記始動範囲内にし、前記エンジンユニットは、さらに、前記ピストンの位置を検知する位置検知手段を備え、前記制御手段は、前記位置検知手段での検知結果に基づいて、燃焼室の圧力およびピストンに作用するブレーキ力の少なくとも一つを制御することで、ピストンの停止位置を制御する、ことを特徴とする。
好適な態様では、前記仕事損失は、想定される環境温度のうち最も低い温度における冷却損失、および、冷間摩擦による損失を含む。
記二つのチャンバは、燃料の燃焼が行われる燃焼室と、前記燃料の燃焼時の燃焼圧力を受けたピストンにより圧縮されるとともに当該圧縮時の反発力でピストンを押し返す空気室と、であり、前記制御手段は、前記位置検知手段での検知結果に基づいて、燃焼室の圧力、ピストンに作用するブレーキ力、空気室の圧力の少なくとも一つを制御することで、ピストンの停止位置を制御する、ことも望ましい。
他の好適な態様では、前記制御手段は、前記エンジンユニットの始動に先立って、前記発電ユニットをリニアモータとして機能させて前記ピストンを移動させることで前記ピストン位置を前記始動範囲内にする。
他の好適な態様では、請求項1から6のいずれか1項に記載のリニア発電フリーピストンエンジンであって、前記発電ユニットは、前記ピストンに設けられた永久磁石と、当該永久磁石の周囲に固定設置された発電コイルと、を備える。
他の好適な態様では、前記発電ユニットは、前記ピストンに埋め込まれた永久磁石と、前記永久磁石の周囲に固定設置された発電コイルと、を有する。
他の本発明であるリニア発電フリーピストンエンジンの始動方法は、二つのチャンバで挟まれたピストンを、前記二つのチャンバのうち少なくとも一方のチャンバで行われる燃料の燃焼で得られる燃焼圧力により往復運動させるエンジンユニットと、前記ピストンの往復運動に伴い発電を行う発電ユニットと、を備えたリニア発電フリーピストンエンジンの始動方法であって、前記燃料の燃焼により得られる理論仕事が、前記フリーピストンエンジンの始動時に生じる各種仕事損失より大きくなるピストンの位置範囲である始動範囲内にピストンを位置させたうえで、燃料への点火を行うことで前記エンジンユニットを始動し、前記エンジンユニットを停止する際には、前記ピストンが前記始動範囲内で停止するべく、前記エンジンユニットの駆動を制御することで、始動時におけるピストン位置を前記始動範囲内にし、前記エンジンユニットに設けられた前記ピストンの位置を検知する位置検知手段での検知結果に基づいて、燃焼室の圧力およびピストンに作用するブレーキ力の少なくとも一つを制御する、ことを特徴とする。
本発明によれば、エンジンユニットの始動時に、ピストンを、燃料の燃焼により得られる理論仕事が始動時に生じる各種仕事損失より大きくなるピストンの位置範囲である始動範囲内に位置させているため、別途、始動のための専用装置を設けることなく、エンジンを始動させることができる。その結果、より簡易な構成で、エンジン始動が可能となる。
第一実施形態のフリーピストンエンジンの概略構成図である。 第一実施形態の変形例のフリーピストンエンジンの概略構成図である。 最大ストロークを説明する図である。 始動時におけるピストンの位置と初爆により得られる仕事との関係を示すグラフである。 第二実施形態のフリーピストンエンジンの概略構成図である。 第二実施形態の変形例のフリーピストンエンジンの概略構成図である。 第三実施形態のフリーピストンエンジンの概略構成図である。 第三実施形態の変形例のフリーピストンエンジンの概略構成図である。 ピストンクランク式エンジンにおける油温と、各部品の摩擦平均有効圧との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の第一実施形態であるフリーピストンエンジン10の概略構成図である。このフリーピストンエンジン10は、ピストン16をシリンダ17内で摺動往復させるエンジンユニット12と、当該ピストン16の動きを利用して発電を行う発電ユニット14、および、これら二つのユニットの駆動を制御する制御部(図示せず)と、に大別される。
はじめに発電ユニット14について説明する。発電ユニット14は、ピストン16の外側面に埋め込まれた永久磁石50と、当該永久磁石50の外周囲に固定設置された発電コイル52と、を備えている。エンジンユニット12の駆動によりピストン16がシリンダ17内で往復移動すると、この永久磁石50と発電コイル52との相対位置関係が変化し、これにより、永久磁石50周囲の磁界が変化する。そして、この磁界の変化に応じて発電コイル52に誘導起電力が発生する。この誘導起電力によって発電が行われ、発電により得られた電力は、制御部を介して図示しないバッテリなどに送電される。また、この発電ユニット14は、エンジン始動の際は、ピストン16を所望の位置に移動させるリニアモータとしても機能する。なお、本実施形態では、永久磁石を使った発電ユニットを例示しているが、リラクタンス同期モータの技術を用いた永久磁石無しの発電ユニットとしてもよい。
エンジンユニット12は、ピストン16をシリンダ17内で往復摺動させるユニットである。このエンジンユニット12には、シリンダ17と、ピストン16が設けられており、当該ピストン16の両側には、燃焼室18a,18b(以下、両者を区別しない場合は単に「燃焼室18」とよび添字a,bを省略する。以下、他部材も同じ)として機能する二つのチャンバが設けられている。
燃焼室18は、ピストン16の摺動に連動して体積変化するチャンバで、図面右側に位置する第一燃焼室18aがピストン16により圧縮された状態では、図面左側の第二燃焼室18bが膨張し、第一燃焼室18aが膨張した状態では、第二燃焼室18bがピストン16により圧縮されることになる。
各燃焼室18には、燃料噴射弁20、点火プラグ22、排気ポート28、掃気ポート32などが設けられている。燃料噴射弁20は、燃焼室18に燃料を供給(噴射)するための弁で、その開閉は、制御部により制御されている。この燃料噴射弁20を介して供給された燃料は、掃気ポート32を介して供給された新気と混合された可燃混合気として、燃焼室18内で燃焼させられる。点火プラグ22は、この可燃混合気への点火を行うプラグで、その駆動は制御部により制御される。
排気ポート28は、可燃混合気の燃焼により生じる既燃ガスを外部に排出するポートである。この排気ポート28と燃焼室18の間には、アクチュエータ26により開閉駆動させられる排気バルブ24が介在しており、当該排気バルブ24の開閉に応じて、既燃ガスの排出が制御される。なお、この排気バルブ24の駆動に関しても、制御部により制御される。
掃気ポート32は、燃焼室18へ新気を導入するポートである。この掃気ポート32は、シリンダ17の中間部分に設けられており、燃焼室18と連通するための孔部分(掃気孔)は、ピストン16の摺動に応じて開口量が変化するようになっている。すなわち、燃焼室18を圧縮した状態では、当該燃焼室18に設けられた掃気孔はピストン16により閉鎖され、新気の導入が阻害される。一方、燃焼室18が膨張した状態では、ピストン16が、掃気孔をふさがない位置に移動するため、掃気孔が開口され、新気の導入が許容される。このように、ピストン16の位置に応じて開口量を可変とすることで、簡易な構成で、適度なタイミングでの新気導入が可能となる。なお、掃気ポート32の上流側にはスロットルバルブ(図示せず)が設けられており、当該スロットルバルブの開閉量によっても、導入される新気の流量を制御できるようになっている。
なお、ピストン16により開放・閉鎖される掃気ポート32に代えて、図2に示すように、アクチュエータ36により駆動される掃気バルブ34を介して、シリンダ17の閉端面に接続される掃気ポート32を設けてもよい。かかる場合であっても、掃気ポート32の上流には、開度が調整可能なスロットルバルブを設けておく。そして、制御部は、このスロットルバルブの開度、および、掃気バルブ34の開閉タイミングを制御して、新気の導入を制御するようにすればよい。
エンジンユニット12には、さらに、ピストン16の位置を検出する位置検出手段が設けられている。この位置検出手段としては、種々の形態が考えられるが、例えば、ピストン16が横切ったことを検出する位置センサ30を、ピストン16の移動範囲内に設けるようにしてもよい。この位置センサ30としては、例えば、非接触で物体の通過を検知できるセンサ、例えば、光学式センサや、渦電流式センサなどを用いることができる。制御部は、この位置センサ30での検出信号に基づいて、ピストン16の位置や速度を算出(推定)し、得られた位置・速度に基づいて各種バルブや点火プラグ22、発電ユニット14の駆動を制御する。なお、図面では、位置センサ30を一つだけ設けているが、位置センサ30は複数であってもよい。
こうした構成のエンジンユニット12の動作について説明する。このエンジンユニット12は、始動した後は、二つの燃焼室18で、交互に燃料の燃焼(爆発)を行うことで、ピストン16を往復摺動させる。具体的には、ピストン16が図面右側から左側(第一燃焼室18a側から第二燃焼室18b側)に移動し、第一燃焼室18aが膨張、第二燃焼室18bが圧縮されたとする。この場合、制御部は、排気バルブ24aを開放し、第一燃焼室18aに存在する既燃ガスの排気を促す。また、ピストン16が左方向に移動することで、当該ピストン16によって閉鎖されていた掃気ポート32aが開放され、第一燃焼室18aと連通する。これにより、第一燃焼室18aに新気が導入される。
一方、第二燃焼室18bは、ピストン16により徐々に圧縮されていく。このとき、制御部は燃料噴射弁20bを制御して、第二燃焼室18bに燃料を噴射する。これにより、第二燃焼室18bには新気と燃料とが混合した可燃混合気が生成される。そして、ピストン16が規定の位置まで達すれば(第二燃焼室18bが規定の圧力まで圧縮されれば)、制御部は、点火プラグ22bを駆動して、可燃混合気への点火を行わせる。可燃混合気が点火され、燃焼することで、第二燃焼室18bには、高圧の燃焼圧力が生じる。この燃焼圧力を受けて、ピストン16は、第一燃焼室18a側へと押し返されることになる。換言すれば、この燃焼圧力を受けて、第二燃焼室18bが膨張、第一燃焼室18aが圧縮されることになる。
ピストン16が、第一燃焼室18a側に移動したことが検知されれば、制御部は、今度は、第二燃焼室18bの排気バルブ24bを開放し、第二燃焼室18bに存在する既燃ガスの排気を促す。また、ピストン16が右方向に移動することで、当該ピストン16によって閉鎖されていた掃気ポート32bが開放され、第二燃焼室18bと連通する。これにより、第二燃焼室18bに新気が導入される。
一方、第一燃焼室18aは、ピストン16の移動により圧縮されることになる。このとき、ピストン16の移動により第一燃焼室18aの掃気ポート32aが当該ピストン16で閉鎖されることになる。また、制御部は、第一燃焼室18aの排気バルブ24aを閉鎖する。そして、その後、制御部は、燃料噴射弁20aを駆動して、第一燃焼室18aに燃料を噴射させる。そして、ピストン16の移動により、第一燃焼室18aが十分に圧縮されれば、制御部は、点火プラグ22aを駆動して、可燃混合気を点火、燃焼させ、再度、ピストン16を第二燃焼室18b側へと移動させる。以降、同様の手順で、第二燃焼室18bでの燃焼および第一燃焼室18aでの燃焼を交互に繰り返すことで、ピストン16の往復摺動が行われることになる。そして、このピストン16の往復摺動により、当該ピストン16に埋め込まれた永久磁石50周囲の磁界が変化し、発電コイル52に誘導起電力が発生し、発電が行われることになる。
以上の説明から明らかなように、一度、動き始めたエンジンユニット12は、二つの燃焼室18a,18bで交互に燃焼を繰り返すことで、継続的にピストン16を動かすことが出来る。
次に、エンジン始動時の動きについて、従来技術と比較して説明する。初めに、特許文献1などに記載の従来のフリーピストンエンジンでのエンジン始動について簡単に説明する。特許文献1などに記載の従来技術では、エンジン始動の際は、フリーピストンエンジンに組み込まれたリニア発電ユニットを、ピストンを移動させるリニアモータとして利用していた。すなわち、エンジン始動時には、ピストンをリニアモータで加速して、燃焼室を圧縮したうえで燃焼を行うようにしていた。換言すれば、リニアモータとしても機能するリニア発電ユニットを、クランクピストン式エンジンにおけるセルモータのように利用し、エンジンの始動を図っていた。
しかし、燃焼室を圧縮するだけの加速をピストンに与えることが可能な機能をリニア発電ユニットに持たせるためには、容量が大きく、高価な磁石・コイルと、制御回路とが必要であり、構造の複雑化、コストの増加などの問題を招いていた。また、その他にも、フリーピストンエンジンの始動に関する技術がいくつか提案されているが、いずれも、エンジン始動のための専用の装置が別途必要であり、構造の複雑化、コストの増加、エンジンの大型化などの問題を招いていた。
こうした問題を避けるために、本実施形態では、エンジンを燃焼始動させている。すなわち、大気圧の空気が充填されている一つの燃焼室18に、可燃混合比となる燃料を噴射したうえで、点火プラグ22での点火を行い、エンジンを始動させている。ただし、本実施形態では、この燃焼始動に先立って、必ず、ピストン16を、規定の始動範囲内に位置させている。ここで、始動範囲内とは、後に詳説するように、初爆により得られる理論仕事から、始動時に生じる各種損失を引いた後に実仕事が残るピストン16の位置範囲である。本実施形態では、最大ストロークの中央1/3の範囲を、この始動範囲としている。なお、図3に示すとおり、最大ストロークとは、ピストン16が可動できる最大範囲であり、その長さSは、シリンダ17の長軸長さ(シリンダ長)L1から、ピストン16の長軸長さ(ピストン長)L2を引いた値である(S=L1−L2)。本実施形態では、エンジン始動の際に、ピストン16を、この最大ストロークの中央1/3の範囲内に位置させている。別の言い方をすれば、本実施形態では、エンジン始動の際に、ピストン16の端部がシリンダ17端面からS/3〜2S/3離れた範囲内に位置するようにしている。
エンジン始動の際、常に、ピストン16を始動範囲内に位置させるために、本実施形態では、エンジンを停止する際、ピストン16が始動範囲内で停止するように位置制御している。具体的には、制御部は、ピストン16を停止する際には、位置センサ30での検出値に基づいて、燃焼室18の圧力およびピストン16に作用するブレーキ力の少なくとも一つを制御して、ピストン16を始動範囲内で停止させる。ここで、燃焼室18の圧力は、燃料噴射量、排気バルブ24の開閉タイミング、掃気ポート32の上流に設置されたスロットルバルブの開度(図2の形態の場合は、さらに、掃気バルブ34の開閉タイミング)の少なくとも一つを調整することで調整される。ピストン16に作用するブレーキ力は、発電ユニット14の発電負荷を調整することで調整される。つまり、制御部は、エンジン停止する際に、位置センサ30の出力に基づいて、燃料噴射量、排気バルブ24の開閉タイミング、掃気ポート32の上流に設置されたスロットルバルブの開度、リニア発電ユニット14の発電負荷(図2の形態の場合は、さらに、掃気バルブ34の開閉タイミング)を調整し、ピストン16の停止位置が最大ストロークの中央1/3の範囲内(始動範囲内)になるようにしている。これにより、次回のエンジン始動の際には、必ず、ピストン16が、始動範囲内に位置していることになる。
また、別の形態として、エンジンの始動に先立って、発電ユニット14をリニアモータとして用い、当該リニアモータで、ピストン16を始動範囲内に移動させる処理をおこなってもよい。この場合のピストン移動は、低速でよく、別途、容量が大きく、高価な磁石やコイル、制御回路を設ける必要はない。
いずれにしても、本実施形態では、予め、ピストンを始動範囲内に位置させたうえで、可燃混合気への点火を行い、エンジン始動を図っている。なお、この始動のための最初の着火に失敗にした場合は、再度、可燃混合気への着火を行う。また、着火したものの、掃気・排気行程を終える前にピストン16が停止した場合には、リニア発電ユニット14をリニアモータとして用い、掃気・排気行程を強制的に実行させる。そして、その後、当該リニアモータで、ピストン16を始動範囲内に移動させた後、燃焼室18に燃料を供給し、点火プラグ22で再度着火すればよい。
ここで、エンジン始動の際に、ピストン16を最大ストロークの中央1/3の範囲内に位置させる理由について説明する。燃焼始動を可能にするためには、エンジン始動のために行う最初の燃焼(初爆)により、次サイクルの圧縮に使える仕事を得ることが必要となる。しかし、ピストン16の位置によっては十分な仕事が得られず、結果として、次サイクルの圧縮が得られない場合がある。
これについて図4を参照して説明する。図4は、始動時におけるピストン16の位置と初爆により得られる仕事との関係を示すグラフである。なお、このグラフは、フリーピストンエンジンのボアが86mm、最大ストローク長が86mm、考慮すべき環境温度のうち燃焼始動が最も困難な−30℃の場合を想定している。また、最大ストローク長が86mmであるから、図4においてピストン位置0は、ピストン16が上死点TDCに、ピストン位置86mmはピストン16が下死点BDCに位置していることを意味している。
この図4において、太実線は、計算上、初爆で得られる仕事、すなわち、理論仕事Jaを示している。しかし、現実には、この理論仕事Ja分の仕事は得られず、各種の仕事損失が生じる。具体的には、矢印1で示す冷却による損失、矢印2で示す燃焼悪化による損失(未燃損失)、矢印3で示すピストン16速度が遅いことによるピストンリングからの圧力漏れによる損失、矢印4で示すピストンリングとライナーとの摺動摩擦(冷間摩擦)による損失が生じる。そして、実際には、理論仕事Jaから、これら各種損失を差し引いた値が実際に得られる仕事、実仕事Jb(図4において細実線で図示)となる。この実仕事Jbが、実際に、次サイクルの圧縮につかえる仕事となる。
この図4から明らかなとおり、ピストン16位置が過度に上死点TDCに近い場合には、理論仕事Jaそのものが小さくなる。そして、各種損失量が理論仕事Ja量を上回るため、結果として、実仕事Jb、すなわち、次サイクルの圧縮に使える仕事が残らなくなる。これは、ピストン位置が、上死点TDCに過度に近く、燃焼室18の体積が過度に小さい場合には、燃焼室18内の空気量が少ないため、得られる仕事が少なくなるためである。その結果、他方の燃焼室18を圧縮するに必要な分だけピストン16を動かすことができず、初爆後、ピストン16の往復運動が継続できなくなる。
逆に、ピストン16位置が過度に下死点BDCに近い場合も、理論仕事Jaそのものは小さくなる。そして、各種損失が理論仕事Jaを上回るため、結果として、実仕事Jb、すなわち、次サイクルの圧縮に使える仕事が残らなくなる。これは、ピストン16が下死点BDCに近い場合、燃焼室18内の空気量は多いが、燃焼後に仕事を取り出すためのピストン16のストロークが短くなり、得られる仕事が少なくなるためである。そして、その結果、この場合であっても、初爆後、ピストン16の往復運動が継続できなくなる。
一方で、図4に示すとおり、ピストン16が中央付近に位置している場合は、理論仕事Jaが大きくなり、各種損失を引いても、実仕事Jbが残ることが分かる。具体的には、始動時におけるピストン位置が20〜50mmの範囲であれば、実仕事Jbが残るため、燃焼始動が可能であることが分かる。ここで、最大ストローク長は86mmであるため、20〜50mmの範囲は、最大ストロークの中央約1/3の範囲であるといえる。つまり、エンジン始動時に、ピストン16を最大ストロークの中央1/3の範囲内に位置させておけば、燃焼始動が可能ということになる。
そのため、本実施形態では、始動時におけるピストン16位置を、最大ストロークの中央1/3の範囲内にしている。かかる位置にすることで、始動のための専用の装置を設けることなく、燃焼始動が可能となる。なお、本実施形態では、最大ストロークの中央1/3の範囲を、始動範囲(始動時のピストン範囲)としているが、初爆により得られる理論仕事Jaが始動時に生じる各種仕事損失の合計より大きくなる範囲であれば、他の範囲内を始動範囲としてもよい。また、上記説明では、始動時に、燃焼室18内の空気に対して、可燃空燃比となる量の燃料を供給するとしたが、周囲条件(大気温度、大気圧、冷却水温度、オイル温度など)に応じて、過濃空燃比、希薄空燃比、理論空燃比を使い分けてもよい。また、燃料の燃焼は、点火プラグ22を用いない圧縮着火方式としてもよいが、エンジン始動時だけは、点火プラグ22による点火を行う。
なお、上述したように、本実施形態では、ピストンを始動範囲に位置させておけば、−30℃のような極低温環境下でも、実仕事が残り、燃焼始動が可能となる。これは、本実施形態のようなフリーピストンエンジンが、ピストンクランク式エンジンに比して、摺動部が少ないためである。すなわち、ピストンクランク式エンジンにおいても、燃焼始動を許容するための技術がいくつか提案されている。しかし、実際には、ピストンクランク式エンジンの場合、−30℃のような極低温時には、エンジン各部の摺動摩擦が大きい(冷間摩擦が大きい)ため、燃焼始動は実現できていない。これについて図9を参照して説明する。図9は、ピストンクランク式エンジンにおける油温と、各部品の摩擦平均有効圧との関係を示すグラフである。この図9から明らかなとおり、ピストンクランク式エンジンでは、低温になるとクランクとコンロッドの摩擦(図9におけるハッチング箇所)が急激に大きくなる。これは、低温ではオイル粘度が急激に高くなり、これによって、回転部品の保持に用いているすべり軸受けの摩擦抵抗が急増するためである。
一方、本実施形態のようなフリーピストンエンジンでは、こうしたクランクやコンロッド、すべり軸受けといった部品がないため、ピストンクランク式エンジンと比べてフリクションは小さくなる。その結果、極低温時でも、燃焼始動が可能となる。
次に、第二実施形態について、図5を用いて説明する。図5は、第二実施形態のフリーピストンエンジン10の概略図である。このフリーピストンエンジン10は、第一実施形態と異なり、ピストン16の両側に、燃焼室18と空気室40が設けられている。この燃焼室18の構成は、第一実施形態と同様で、燃料噴射弁20、点火プラグ22、排気ポート28、掃気ポート32などが設けられている。なお、ピストン16により閉鎖・開放される掃気ポート32に代えて、図6に示すように、掃気バルブ34を介して燃焼室18に連通される掃気ポート32を設けてもよい。
空気室40は、燃焼室18での燃焼により空気室側に押されたピストン16で圧縮され、この圧縮の反発力で、ピストン16を押し返すチャンバである。この空気室40には、当該空気室40内の圧力を調整するための圧力調整弁42が設けられており、その駆動は制御部により制御されている。
かかるフリーピストンエンジン10の動作について説明する。ピストン16が燃焼室18側に移動し、燃焼室18が圧縮、空気室40が膨張した状態で、燃焼室18で燃料の燃焼が行われると、当該燃焼時に生じる燃焼圧力によりピストン16が空気室40側に移動する。その結果、燃焼室18が膨張、空気室40が圧縮される。このとき、制御部は、排気バルブ24を駆動して、燃焼室18内にある既燃ガスの排出を行う。また、ピストン16の移動に伴い、掃気ポート32が燃焼室18と連通され、燃焼室18内に新気が導入される。
そして、このときのピストン16の移動により、空気室40が十分に圧縮されると、当該圧縮の反発力により、ピストン16が、燃焼室18側に押し戻されることになる。この押し戻しにより、燃焼室18が圧縮、空気室40が膨張することになる。このとき制御部は、排気バルブ24を閉鎖し、その後、燃料噴射弁20を駆動して、燃焼室18に燃料を噴射する。そして、燃焼室18が十分に圧縮されれば、点火プラグ22での点火を行い、再度、燃焼室18で可燃混合気の燃焼を行う。これにより、再び、空気室40が圧縮される。そして、以降は、この可燃混合気の燃焼、空気室40の反動によるピストン16の押し返しが繰り返されることで、ピストン16の往復運動が継続される。
また、本実施形態のフリーピストンエンジン10においても、第一実施形態と同様に、エンジン始動時には、ピストン16を始動範囲内、すなわち、ピストン16の最大ストロークの中央1/3の範囲内に位置させたうえで、可燃混合気への点火を行い、エンジンの燃焼始動を行う。
具体的には、本実施形態では、エンジン停止時に、位置センサ30での検出値に基づいて、燃焼室18内の圧力、空気室40内の圧力、発電ユニット14の発電負荷の少なくとも一つを調節して、ピストン16が始動範囲内で停止するようにしている。ここで、燃焼室18内の圧力は、燃料噴射量、排気バルブ24の開閉タイミング、掃気ポート32上流にあるスロットルバルブの開度(図6に示す形態では、さらに、掃気バルブ34の開閉タイミング)の少なくとも一つを調整することで調節される。また、空気室40内の圧力は、圧力調整弁42を調整することで調節される。さらに、発電ユニット14の発電負荷を調節することで、ピストン16に作用するブレーキ力が変化させられる。なお、ここでのブレーキ力は、主として、発電負荷により得られるが、油圧もしくは摩擦力などによって得るようにしてもよい。また、ピストン16の停止位置を制御するのではなく、エンジン始動に先立って、発電ユニット14をリニアモータとして機能させ、ピストン16を始動範囲内に移動させてもよい。
いずれにしても、エンジン始動の段階で、ピストン16を始動範囲内に位置させることで、エンジン始動のための専用装置を別途設けることなく、エンジンを燃焼始動させることができる。
次に、第三実施形態について図7を参照して説明する。図7は、第三実施形態であるフリーピストンエンジン10の概略構成図である。このフリーピストンエンジン10は、第二実施形態のフリーピストンエンジン10を、二つ、左右対称になるように配置したものである。すなわち、このフリーピストンエンジン10は、左右対象に配置された二つのエンジンユニット12a,12bと、同じく左右対称に配置された二つの発電ユニット14a,bと、を備えている。
より具体的に説明すると、このフリーピストンエンジン10においては、一つのシリンダ17内に、二つのピストン16a,16bが摺動自在に配置されており、当該二つのピストン16a,16bの間に空気室40が、当該二つのピストン16a,16bの空気室40とは反対側に燃焼室18a,18bが設けられている。換言すれば、二つのエンジンユニット12a,12bで、一つの空気室40を共有する形となっている。なお、この第三実施形態においても、第一、第二実施形態と同様に、ピストン16により閉鎖・開放される掃気ポート32に代えて、図8に示すような、掃気バルブ34を介して燃焼室18に連通される掃気ポート32を設けてもよい。
このフリーピストンエンジン10を駆動する場合には、二つのエンジンユニット12a,12bで、同期して、各種行程を実行する。すなわち、第一エンジンユニット12aで燃料・空気混合気への点火を行うタイミングで、第二エンジンユニット12bでも燃料・空気混合気への点火を行う。この点火により、二つのピストン16a,16bは、互いに近づく方向に移動し、当該二つのピストン16a,16bの間に位置する空気室40が圧縮されることになる。その後、この圧縮された空気室40の反発力により、二つのピストン16a,16bは互いに離れる方向へと移動し、二つの燃焼室18a,18bが圧縮されることになる。二つの燃焼室18が圧縮されれば、再び、燃料・空気混合気への点火が行われる。以降、この燃焼室18の圧縮、燃焼、空気室40の圧縮の行程を二つのエンジンユニット12a,12bで同期して繰り返すことで、ピストン16の往復摺動が継続される。
このように、左右対称に配された二つのエンジンユニット12a,12bを同期して駆動させることにより、各エンジンユニット12a,12bで生じた起振力を互いに打ち消すことができるため、エンジン駆動に伴う振動を効果的に低減できる。
そして、かかるフリーピストンエンジン10においても、第一実施形態、第二実施形態と同様に、ピストン16を最大ストロークの中央1/3の範囲内に位置させたうえで、可燃混合気への点火を行い、エンジンの燃焼始動を行う。
具体的には、エンジン停止時に、位置センサ30での検出値に基づいて、燃焼室18内の圧力、空気室40内の圧力、発電ユニット14の発電負荷の少なくとも一つを調節して、ピストン16が始動範囲内で停止するようにする。ここで、燃焼室18内の圧力は、燃料噴射量、排気バルブ24の開閉タイミング、掃気ポート32上流にあるスロットルバルブの開度(図8に示す形態の場合、さらに、掃気バルブ34の開閉タイミング)を調整することで調節される。また、空気室40内の圧力は、圧力調整弁42を調整することで調節される。さらに、発電ユニット14の発電負荷を調節することで、ピストン16に作用するブレーキ力が変化させられる。また、別の形態として、エンジン始動に先立って、発電ユニット14をリニアモータとして機能させ、ピストン16を始動範囲内に移動させてもよい。
いずれにしても、エンジン始動の段階で、ピストン16を始動範囲内に位置させることで、エンジン始動のための専用装置を別途設けることなく、エンジンを燃焼始動させることができる。なお、本実施形態において、最大ストローク長は、シリンダ17の長軸中心位置からシリンダ17端部までの距離から、ピストン16の長軸長さを引いた距離となる。
以上、説明したように、第一〜第三実施形態では、いずれも、エンジン始動の際に、ピストン16を、当該ピストン16の最大ストロークの中央1/3の範囲内に位置させたうえで、燃料を含む可燃混合気への点火を行う。これにより、別途、エンジン始動のための専用装置を設けることなく、エンジンの燃焼始動が可能となる。そして、結果として、フリーピストンエンジン10の構成の簡略化、コスト低減、サイズ小型化などが可能となる。
10 フリーピストンエンジン、12 エンジンユニット、14 発電ユニット、16 ピストン、17 シリンダ、18 燃焼室、20 燃料噴射弁、22 点火プラグ、24 排気バルブ、26,36 アクチュエータ、28 排気ポート、30 位置センサ、32 掃気ポート、34 掃気バルブ、40 空気室、42 圧力調整弁、50 永久磁石、52 発電コイル。

Claims (6)

  1. シリンダ内に往復運動自在なピストンおよび前記ピストンを挟む二つのチャンバが設けられたエンジンユニットであって、前記二つのチャンバのうち少なくとも一方のチャンバで行われる燃料の燃焼で得られる燃焼圧力により前記ピストンがシリンダ内で往復運動するエンジンユニットと、
    前記ピストンの往復運動に伴い発電を行う発電ユニットと、
    前記エンジンユニットの駆動を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記エンジンユニットを始動する場合には、前記燃料の燃焼により得られる理論仕事が前記エンジンユニット始動時に生じる各種仕事損失より大きくなるピストンの位置範囲である始動範囲内にピストンを位置させたうえで、燃料を含む可燃混合気への点火を行い、前記エンジンユニットを停止する際には、前記ピストンが前記始動範囲内で停止するべく、前記エンジンユニットの駆動を制御することで、始動時におけるピストン位置を前記始動範囲内にし、
    前記エンジンユニットは、さらに、前記ピストンの位置を検知する位置検知手段を備え、
    前記制御手段は、前記位置検知手段での検知結果に基づいて、燃焼室の圧力およびピストンに作用するブレーキ力の少なくとも一つを制御することで、ピストンの停止位置を制御する、
    ことを特徴とするリニア発電フリーピストンエンジン。
  2. 請求項1に記載のリニア発電フリーピストンエンジンであって、
    前記仕事損失は、想定される環境温度のうち最も低い温度における冷却損失、および、冷間摩擦による損失を含む、ことを特徴とするリニア発電フリーピストンエンジン。
  3. 請求項1または2記載のリニア発電フリーピストンエンジンであって、
    前記二つのチャンバは、燃料の燃焼が行われる燃焼室と、前記燃料の燃焼時の燃焼圧力を受けたピストンにより圧縮されるとともに当該圧縮時の反発力でピストンを押し返す空気室と、であり、
    前記制御手段は、前記位置検知手段での検知結果に基づいて、燃焼室の圧力、ピストンに作用するブレーキ力、空気室の圧力の少なくとも一つを制御することで、ピストンの停止位置を制御する、
    ことを特徴とするリニア発電フリーピストンエンジン。
  4. 請求項1からのいずれか1項に記載のリニア発電フリーピストンエンジンであって、
    前記発電ユニットは、前記ピストンに設けられた永久磁石と、当該永久磁石の周囲に固定設置された発電コイルと、を備えることを特徴とするリニア発電フリーピストンエンジン。
  5. 請求項1からのいずれか1項に記載のリニア発電フリーピストンエンジンであって、
    前記発電ユニットは、
    前記ピストンに埋め込まれた永久磁石と、
    前記永久磁石の周囲に固定設置された発電コイルと、
    を有することを特徴とするリニア発電フリーピストンエンジン。
  6. 二つのチャンバで挟まれたピストンを、前記二つのチャンバのうち少なくとも一方のチャンバで行われる燃料の燃焼で得られる燃焼圧力により往復運動させるエンジンユニットと、前記ピストンの往復運動に伴い発電を行う発電ユニットと、を備えたリニア発電フリーピストンエンジンの始動方法であって、
    前記燃料の燃焼により得られる理論仕事が、前記フリーピストンエンジンの始動時に生じる各種仕事損失より大きくなるピストンの位置範囲である始動範囲内にピストンを位置させたうえで、燃料への点火を行うことで前記エンジンユニットを始動し、
    前記エンジンユニットを停止する際には、前記ピストンが前記始動範囲内で停止するべく、前記エンジンユニットの駆動を制御することで、始動時におけるピストン位置を前記始動範囲内にし、
    前記エンジンユニットに設けられた前記ピストンの位置を検知する位置検知手段での検知結果に基づいて、燃焼室の圧力およびピストンに作用するブレーキ力の少なくとも一つを制御する、
    ことを特徴とするリニア発電フリーピストンエンジンの始動方法。
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